JP3041510B2 - 次亜塩素酸ソーダ含有水の製造装置 - Google Patents

次亜塩素酸ソーダ含有水の製造装置

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JP3041510B2 JP7302243A JP30224395A JP3041510B2 JP 3041510 B2 JP3041510 B2 JP 3041510B2 JP 7302243 A JP7302243 A JP 7302243A JP 30224395 A JP30224395 A JP 30224395A JP 3041510 B2 JP3041510 B2 JP 3041510B2
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克夫 津川
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敬三 木村
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  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は水処理において、
滅菌、消毒及び酸化剤として使用すべき、次亜塩素酸ソ
ーダの生成プロセスにおいて生成される水素ガスを、有
効に分離排出するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】水処理にしては、従来、塩素ガスが多く
使用されて来たが、塩素ガスの毒性により、法的規制を
受けたり、漏洩に対する種々の対策が必要とされてい
る。そこで近年、塩素ガスの代りに、塩素剤として次亜
塩素酸ソーダ(以下簡略のため次亜と略称する)が多く
使用されるようになつている。
【0003】市販の次亜は、有効塩素成分が12%程度
であつて、液自体化学的に不安定で、自己分解しやすい
薬品である。すなわち自己分解により有効塩素分濃度が
低下したり、酸素ガスが発生し、このガスが配管内に滞
留し、処理水への注入に支障を来たしたりして、その取
扱いには、神経を使わなければならない。また市販の次
亜の薬品代は、約40円/Kgと高価である。このよう
な市販の次亜の欠点を補い、なおかつ薬品代を低コスト
に抑えることのできる装置として、次亜の自家生成装置
が使用されている。
【0004】この装置は、塩水を電気分解することによ
つて、次亜液を生成するため、原料として必要なもの
は、原料塩と水だけであり、生成される次亜の有効塩素
濃度は約1%で、化学的に安定しているため、液の分解
による酸素ガスの発生もなく、安定した注入が容易に行
なえ、ランニングコストも割安となる。
【0005】次亜生成装置としては、運転管理が容易
で、生成反応が安定なところから、直接電解法による無
隔膜方式が広く用いられている。よつて以下図3にない
し図6によつて、そのフローと電解槽及び気液分離装置
の原理を説明する。
【0006】先ず図3に示すフロー図において、塩溶解
槽aに投入された塩は自然溶解され、約30%の飽和塩
水となる。塩水ポンプbによつて電解槽cに圧送される
この飽和塩水は、希釈水槽dから希釈水ポンプeによつ
て注入される希釈水により約10倍に希釈され、3%塩
水として前記電解槽cに供給される。
【0007】塩水が図4に示す数段階の電解槽c内を通
過する間に、直流電源fにより、次亜に電気分解され
る。電解槽cの出口での次亜の有効塩素濃度が約1%に
なるように、塩水の供給量、電解槽cの電極間通過パス
数、電気供給量を設定する。
【0008】塩(NaCl)は、水に解けるとNa+と
Clーに解離しており、電解槽cに塩水を流入させて、
陽極gと陰極hの電極間に直接電流を流すと、電解が生
じ、Clーは陽極へ、Na+は陰極にひかれて放電し、
陽極には塩素(Cl2)、陰極には水酸化ナトリウム
(NaOH)と水素(H2)が生成する 。この水素は
そのままガスとなるが、塩素と水酸化ナトリウムは、液
中で速やかに反応して次亜となる。これらの反応を式で
あらわすと次のようになる。
【0009】
【化1】 [陽極] 2Cl→Cl+2e (1) [陰極] 2Na+2HOH+2e→2NaOH
+H (2) [液中] Cl+2NaOH→NaClO+NaC
l+HO (3)
【0010】上記(1),(2),(3)式を総括する
と、
【0011】
【化2】NaCl+HO→NaClO+H
【0012】となり、次亜の生成と同時に水素ガスが細
かな気泡状態で、未反応の塩水と次亜液中に混入した状
態となる。この水素ガスは電解槽c内の電極間通過パス
(図4においてはこの通過パス数は5である)毎に、図
5に示す気液分離装置iで液中から分離している。
【0013】前記気液分離装置iは、例えば実開昭60
ー110466号公報に記載されており、その概要は、
液中気泡jが分離し、気液分離装置iの上方のガス室k
に溜まり、分離量が多くなるとこのガス室kの圧力が高
くなり、フロートmを押し下げ、このフロートmと一体
構成される弁体nが弁座oから離れ、上方にガスが排出
され、ガス室kの圧力が低下すると、前記フロートmは
溜まつている液に対する浮力により上昇し、再び弁体n
は弁座oに就座する。
【0014】次に図6によつて、電解槽cから貯留槽p
へのフローについて説明すると、前述の気液分離装置i
による水素ガスの分離を行なつても、電解による水素ガ
ス生成量の5〜6%を含有したままの有効塩素含有塩水
(塩水+次亜液)として、前記電解槽cの入口側にある
塩水ポンプbによる液送圧が掛つたまま、配管qによつ
て前記貯留槽pに送り込まれる。
【0015】前記貯留槽p(図6には2基 が並列に配
置されている)では、前記有効塩素含有塩水を約1〜2
日間分貯留の状態で、注入ポンプrにより導出され、浄
水装置(図示せず)に送られ使用される。この間、前記
電解槽cに付属の気液分離装置iで抜き切れなかつた水
素ガスが大気開放され、徐々に分離して貯留槽p内の上
部に溜まる。従来この貯留槽p内の上部に溜まつた水素
ガスは、図7に示すようにベント管sで屋外へ排出され
ている。
【0016】ところで、前記ベント管sは屋外へ突出さ
れているため、風向きの影響や野鳥の営巣などで、貯留
槽p内の水素ガス排出が十分機能しなくなることがあ
り、このような状況になると、貯留槽c内上部の水素ガ
ス濃度が徐々に高くなり、遂には水素ガスの爆発範囲濃
度にまで達し、非常に危険な状態になる。
【0017】この状態でも発火源がなければ問題はない
が、水素は非常に拡散性と浸透性の高い気体であり、貯
留槽cの各種ノズルフランジのパツキンシール等の劣化
があると、この部分から水素ガスが漏洩し、若しこれに
鉄器等の接触火花で着火すれば、貯留槽c内に引火し、
爆発事故につながる危険性を含んでいる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ここにおいてこの発明
は、上述したような従来技術において考えられる危険性
を排除し、水素ガス混入次亜有効塩素含有塩水からの、
次亜生成プロセスにおける生成水素ガスの分離排出を積
極的に行なうことを企図するものである。
【0019】ここで発明者らは液中に混合された気体を
分離する方法として、ラシヒリング等の充填物に前記液
を流下し、充填物と接触させ、大気との接触面積を増大
することにより、気液の分離を促進することも検討し
た。しかし、この方法では、せっかく生成された次亜塩
素酸ソーダも大気中に分散してしまい、液中の有効塩素
濃度の低下を招くので、好ましい方法とは云えない。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の装置にお
いては、食塩水を電解槽で電解し、水素ガス混合次亜塩
素酸ソーダ含有水を生成し、気液分離装置で水素ガスを
分解し、水素ガスを分離された次亜塩素酸ソーダ含有水
を貯留槽に貯留する次亜塩素酸ソーダ含有水製造装置に
おいて、前記気液分離装置と貯留槽との間に大気開放さ
れた自由流通路又は容器を配設すると共に、前記貯留槽
にはその上方に大気開放された排気管が配設され、また
貯留槽内にはその上端が前記排気管直下にあり、その下
端が貯留された次亜塩素酸ソーダの液面下に浸漬された
垂直配管を配設し、この垂直配管の中間から前記自由流
通路又は容器からの次亜塩素酸ソーダを前記貯留槽内に
流下させるようにした。
【0021】
【発明の実施の形態】次にこの発明を図1及び図2に示
す実施の形態によつて詳細に説明する。前記従来の技術
を示す図3について説明したように、塩溶解槽からの飽
和塩水が希釈水槽からの水によつて希釈された3%塩水
は電解槽1に圧送され、この3%塩水が電解槽1内の電
極間通過パス毎に直流電源により、次亜に電解分解され
るのであつて、図1では前記電極間通過パスの数は3で
あるが、これは所望に応じて任意に設定する。そして電
極間通過パス毎に気液分離装置2を介して排気する。こ
の気液分離装置2としては、例えば図5によつて説明し
た装置を使用することができる。
【0022】前記電解槽1から貯留槽3へのフローにつ
いて説明すると、前記生成した次亜には未だ若干の水素
ガスが混入しているので、配管4の途中に自由流通路5
を形成することにより、この自由流通路又は容器5の液
入口6から液出口7まで液が流れる間で、大気に開放さ
れる自由表面を形成し、残留水素ガスを分離排出させよ
うとするものである。
【0023】前記自由流通路5の液出口7には、適宜高
さの堰8を形成して、この自由流通路又は容器5内での
液の滞留時間を設定するものとし、一例を挙げれば前記
自由流通路又は容器5を形成するパイプの長さ10m、
自由表面の面積0.8m2、液滞留時間2.4分、液保
有量25.6リツトルのように設定する。
【0024】前記液出口7において堰8を溢流した液
は、U字管状の管路9を経て、貯留槽3内の上下開放し
た垂直配管10に供給される。図には貯留槽3は二基図
示されており、その数は任意であるが、説明は一つの貯
留槽3について行ない、他は同一構造であるので説明を
省略する。
【0025】前記貯留槽3に至る管路9の途中には調整
弁を兼ねる遮断弁11が介設されており、貯留槽3内へ
の液体の流入自体又は流入量を規制すると共に、前記垂
直配管10の直上において貯留槽3には排気管12を開
口させており、この排気管12の直径は前記垂直配管1
0の2倍以上大径とし、この垂直配管10内に流入した
液に残留している水素ガスを前記排気管12を介して容
易に槽外へ排出する。
【0026】前記垂直配管10内を流下して貯留槽3内
に貯留された次亜は、必要に応じて前記貯留槽3の底部
13に開口した開閉弁14を介設した管路15により、
図にあらわれない流入装置によつて使用末端に供給され
る。
【0027】前記垂直配管10は、レベルコントロール
により常に貯留槽3の液面下に没入しているようにし
て、液封手段を形成させることにより、貯留槽3内への
水素ガスの混入を防ぐようにしている。
【0028】
【発明の効果】この発明によれば、従来の技術において
は完全に除去し得なかつた水素ガス混入次亜有効塩素含
有水からの生成水素ガスの完全除去が可能であると共に
従来技術において考えられていた危険性を排除しうるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態のフロー図である。
【図2】図1に示す構成の一部分の拡大断面図である。
【図3】従来の技術を示すフロー図である。
【図4】従来の技術の一部を構成する電解槽の説明図で
ある。
【図5】従来の技術の他の一部を構成する気液分離装置
の断面図である。
【図6】従来の技術の説明図である。
【図7】従来の技術の他の説明図である。
【符号の説明】
1 電解槽 2 気液分離装置 3 貯留槽 4 配管 5 自由流通路又は容器 6 流入口 7 流出口 8 堰 9 管路 10 垂直配管 12 排気管
フロントページの続き (72)発明者 木村 敬三 東京都世田谷区桜丘5−48−16水道機工 株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−216573(JP,A) 特開 昭56−96085(JP,A) 実開 昭63−8045(JP,U) 実開 昭52−155201(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 19/00 C25B 1/26 C02F 1/46

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食塩水を電解槽(1)で電解し、水素ガ
    ス混合次亜塩素酸ソーダ含有水を生成し、気液分離装置
    (2)で水素ガスを分し、水素ガスを分離された次亜
    塩素酸ソーダ含有水を貯留槽(3)に貯留する次亜塩素
    酸ソーダ含有水製造装置において、前記気液分離装置
    (2)と貯留槽(3)との間に大気開放された自由流通
    路又は容器(5)を配設すると共に、前記貯留槽(3)
    には上方に大気開放された排気管(12)が配設され、
    また前記貯留槽(3)内には上端が前記排気管(12)
    の直下にあり、下端が貯留された次亜塩素酸ソーダの液
    面下に浸漬された垂直配管(10)を配設し、垂直配管
    (10)の中間から前記自由流通路又は容器(5)から
    の次亜塩素酸ソーダを前記貯留槽(3)内に流下させる
    ことを特徴とした、次亜塩素酸ソーダ含有水の製造装
    置。
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