JP3041180U - 装飾用兜 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】子供が鍬形を持って遊んでも危険がなく、また
鍬形自体の変形も防止でき、併せて装飾品としての高級
感をも高めることができるようにした装飾用兜を提供す
ることにある。 【解決手段】和様兜において、庇から突出して設けた鍬
形の縁部に、この縁部を被うモール体を設けた。なお、
鍬形の裏面に革を張設するとともに、鍬形及び革の縁部
に、この縁部を被うモール体を設けることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は和様の装飾用兜に関し、更に詳細には兜を構成する鍬形の形状に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように、我が国には五月の節句に戦国武将の甲冑を模った装飾品を飾る という風習がある。

【０００３】 この装飾品は一般に実物の二分の一程度に縮尺されており、基本的に本物の甲 冑と同様な構造になっている。 ところで、甲冑の兜部分には鍬形と呼ばれる金属製の板が取り付けられている 。この鍬形は一般には左右対称に設けられるが、伊達政宗の甲冑のように単体で 設けられている場合もある。

【０００４】 したがって装飾用甲冑においてもこの鍬形を忠実に再現するようにしている。 ところで、装飾用甲冑は五月の節句の期間に限って用いられるものであるため、 それ以外の季節ではこれを分解して納戸等に収納する必要がある。

【０００５】 このため鍬形のような突起物は収納し易いよう脱着が可能となっている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

この鍬形は図４に示すように、基部が細く先端に至るにしたがって幅広となる 板状体になっており、その材質は金属製となっている。

【０００７】 このため、前記したような鍬形２の脱着に伴って危険が生じる可能性がある。 すなわち、鍬形２は子供が丁度持ちやすい形状になっているため、これを持って 遊ぶようなことが考えられ、また大人であってもこの脱着時には注意を要する。

【０００８】 また、鍬形は金属製とはいえ柔らかい金属を使用しているため、長年の使用に 伴って縁部が変形してしまう可能性もある。 さらに、装飾品という性質上豪華な印象を与える必要があるが、単なる金属板 では高級感に欠けるきらいがあった。

【０００９】 本考案はかかる従来の問題点を解決するためになされたもので、子供が鍬形を 持って遊んだとしても危険がなく、また鍬形自体の変形も防止でき、併せて装飾 品としての高級感をも高めることができるようにした装飾用兜を提供することに ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案は装飾用兜であり、前述した技術的課題を解決するために以下のように 構成されている。

【００１１】 すなわち、和様兜において、庇１から突出して設けた鍬形２の縁部３に、この 縁部３を被うモール体４を設けた。 庇１は金属または合成樹脂で形成され、この庇１に直接または介在物を介して 鍬形２が設けられる。鍬形２は真鍮、銅、アルミニウム、鉄等の金属または合成 樹脂で形成することができる。

【００１２】 モール体４はアルミニウム等の軟性金属が好適である。また、鍬形２の縁の全 周を被うのが望ましい。 なお、鍬形２の裏面には革５を張設するとともに、鍬形及び革の縁部３に、こ の縁部３を被うモール体４を設けることができる。この鍬形２の裏面を覆うもの として革５の他、合成皮革、合成樹脂、紙等を使用することができる。

【００１３】 以上の構成とすることにより、鍬形２の縁は外部に露出せず、子供の悪戯や分 解組み立て時の安全性が確保される。また、縁部３が補強されるため多少手荒く 取り扱っても曲がりが生ずる虞れはない。

【００１４】 しかも鍬形２が縁どりされることで、鍬形２の輪郭がより鮮明になり、豪奢な 雰囲気が醸し出される。

【００１５】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の装飾用兜を図１ないし図３に示される実施形態について更に詳 細に説明する。

【００１６】 図１は和様兜の斜視図であり、戦国時代の戦闘に使用された兜のレプリカであ る。頭部に被る半球状の兜鉢１０の頂部には頂辺孔１１が設けられており、この 頂辺孔１１から兜鉢１０の下縁に向かって板状の補強体である篠垂１２が星１３ と呼ばれる鋲により取り付けられている。

【００１７】 兜鉢１０の下部両脇には平板を湾曲させて形成した吹返し１４、１４が設けら れている。兜鉢１０の正面には眉庇と呼ばれる庇１が設けられており、この庇１ には八双と呼ばれる基台１５が三光鋲１６によって固定されている。

【００１８】 庇１の両脇における兜鉢１０の下縁からは顎紐である忍緒１８、１８が垂下さ れている。 兜鉢１０における額の部分には獅子頭１７が取り付けられている。

【００１９】 前記基台１５の両端には鍬形２、２が対称に取り付けられている。この鍬形２ 、２は基部が細く先端に至るにしたがって幅広となる板状体になっており、その 材質は金メッキされた金属製となっている。この鍬形２、２の表面には装飾模様 が形成されているとともに、鍬形２、２の裏面には革５（合成皮革を含む）が張 設されている。そして、鍬形２、２の縁部３には、この縁部３を被うモール体４ が設けられている。このモール体４はアルミニウム製であり表面に金メッキが施 されている。モール体４の断面は図３に示すように、Ｕ字型となっており、鍬形 ２、２の縁部３全周を被っている。

【００２０】 なお、革５は必須のものではなく、必ずしもこれを設けなくともよい。 以上の構成としたことにより、鍬形２の縁は外部に露出せず、丸いモール体４ で被われるため分解組み立て時にケガをすることはない。

【００２１】 また、縁部３が補強されるため多少手荒く取り扱っても鍬形２に曲がりが生ず る虞れはない。 しかも鍬形２がモール体４で縁どりされるため、モール体４に金メッキ等を施 す等により鍬形２の輪郭がより鮮明になるとともに、全体に厚みが出て豪華な外 観が得られる。

【００２２】

【考案の効果】

本考案によれば、鍬形の縁をモール体で被うように構成したので、鍬形の分解 組み立て時や子供の悪戯の際にケガをする虞れはない。

【００２３】 また、鍬形の縁部が補強されるため多少手荒く取り扱っても鍬形に曲がりが生 ずる虞れはない。 しかも鍬形がモール体で縁どりされるため、全体に厚みが出て豪華な外観とな り装飾品としての価値を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施形態である装飾用兜を示す斜視
図である。

【図２】本考案の一実施形態である装飾用兜の鍬形を一
部断面として示す斜視図である。

【図３】本考案の一実施形態である装飾用兜の鍬形を示
す断面図である。

【図４】従来の装飾用兜の鍬形を示す平面図である。

【符号の説明】

１ 庇 ２ 鍬形 ３ 縁部 ４ モール体 ５ 革

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】和様兜において、庇から突出して設けた鍬
   形の縁部に、この縁部を被うモール体を設けたことを特
   徴とする装飾用兜。
2. 【請求項２】和様兜において、庇から突出して設けた鍬
   形の裏面に革を張設するとともに、鍬形及び革の縁部
   に、この縁部を被うモール体を設けたことを特徴とする
   装飾用兜。