JP3041021B2 - ヘッドライトテスターの正対装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （１）産業上の利用分野 本発明は、車両等におけるヘッドライトの光度及び光
軸を計測するヘッドライトテスタ−の受光面を該前照灯
に自動的に正対させる装置に関する。

（２）従来の技術 従来はスクリ−ン上に投影された画像を目視により判
断し、ヘッドライトテスタ−を手動又は電動で上下、左
右に移動して受光面を前照灯に正対させる方法と、上下
方向及び左右方向にそれぞれ等距離にフォトセンサ−を
スクリ−ン上に取り付けスクリ−ン上に投影されたヘッ
ドランプの画像の光度のバランスを測り自動的に正対さ
せる方法等とによって正対させていた。

（３）発明が解決しようとする問題点 しかし上記従来の方式では、判断基準が人為的なため
熟練度を要すると共に、作業者によって判断が異るため
精度よく計測できず、又自動式に於いても多種多様のヘ
ッドランプに対して、光度のバランスを必ずしも正確に
計測する事が困難となっており、精度良く計測できない
為に作業時間を要し作業効率が悪い等の問題点を有して
いた。

本発明は上記の問題点を解決し、受光面を前照灯に自
動的に正対させることにより、作業能率を向上すると共
に高精度な光軸及び光度の測定を可能にするヘッドライ
トテスタ−の正対装置を提供することを目的とする。

（４）問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するため、本発明は上下左右に移動
可能な筐体と、該筐体の前面の上下及び左右に設けられ
ヘッドライト光を収束する凸レンズと、該筐体内に設け
られ各凸レンズに対応すると共に該各凸レンズからの収
束光を反射する所定の傾射角を有して支着された反射鏡
と、該筐体内の後方で前記凸レンズの焦点距離より少許
前方の位置に設けられ反射光を受像する受像センサ−
と、該受像センサ−の複数の受像を重畳収れんする方向
に前記筐体を移動制御する演算制御手段とからなること
を特徴とする。

（５）作用 各凸レンズを通ったヘッドライト光は収束され、反射
鏡に当って反射し受像センサ−に受像する。そのとき各
受像が一致していない場合は演算制御手段により筐体を
上下左右に移動制御してこれら受像を重畳一致させる。
これにより容易にヘッドライトテスタ−をヘッドライト
に正対させることができる。

（６）実施例 以下、本発明の１実施例を第１図乃至第９図により説
明する。

（１）はヘッドライトテスタ−を示し、該ヘッドライ
トテスタ−（１）は、直方体状の筐体（1a）と該筐体
（1a）の前面の上下、左右に設けた凸レンズ（2a）、
（2b）、（2c）、（2d）と、該凸レンズ（2a）…（2d）
に対応し、且つ一定の傾斜角を有して前記筐体（1a）内
に支着された反射鏡（3a）、（3b）、（3c）、（3d）
と、前記凸レンズ（2a）…（2d）の焦点距離（Ａ）より
少許前方、即ち（Ａ−α）の位置の前記筐体（1a）内に
設けた例えばイメ−ジセンサ−からなる受像センサ−
（４）とにより構成される光学系と、図示していない光
軸及び光度を測定する計測系とを内臓している。

（５）は架台を示し、該架台（５）にはラック（5a）
を有する支柱（5b）が立設し、該支柱（5b）に支持板
（６）をその一端部において上下方向に移動自在に嵌挿
支持すると共に、該支持板（６）の一端部に第１制御モ
−タ（７）を装着して該モ−タ（７）の回転軸に固定の
ピニオン（7a）を前記ラック（5a）に噛合した。

又前記支持板（６）に上面にレ−ル（6a）を敷設し該
レ−ル（6a）上を前記筐体（1a）が左右方向に移動可能
に形成すると共に前記支持板（６）の上面にラック（6
b）も敷設し、前記筐体（1a）に第２制御モ−タ（８）
を装着して該モ−タ（８）の回転軸に固定のピニオン
（8a）を前記ラック（6b）に噛合した。

（９）は演算制御手段を示し、該演算制御手段（９）
は例えばマイクロコンピュ−タからなり、その入力側を
前記受像センサ−（４）に接続し該受像センサ−（４）
上の受像の状態を入力し後述するように複数の受像が不
一致のときにこれら受像が重畳収れんしてその面積が最
小となるように前記第２制御モ−タ（７）（８）に制御
信号を出力する機能を有する。

尚（10）…（10）は各種メ−タ、（11）はヘッドライ
トを示す。

次にこの実施例の作動を説明する。ヘッドライトテス
タ−（１）とヘッドライト（11）との距離を一定（10
m）にして対向させ、該ヘッドライト（11）を点灯す
る。かくて該ヘッドライト（11）の光線は各凸レンズ
（2a）…（2d）により収束され、各反射鏡（3a）…（3
d）に当って反射しそれらの受像（Ｐ）が受像センサ−
（４）上につくられる。そのとき該受像センサ−（４）
は前記凸レンズ（2a）…（2d）の焦点距離（Ａ）より少
許前方にあるので該受像（Ｐ）は円形状になる。そして
第２図示の如くヘッドライト（11）が前記ヘッドライト
テスタ−（１）と正対している場合は、第４図の如く各
受像（P₁）…（P₄）は一つの円として前記受像センサ−
（４）上に形成される。しかし第６図示の如く上方
（ｈ）にある場合は第７図の如く受像（P₁）、（P₂）が
隔離（ｈ′）して形成される。又左右にずれている場合
は第８図示の如く横方向に隔離し、上下及び左右にずれ
た場合は第９図示の如くなる。従って例えば第６図及び
第７図の場合には演算制御手段（９）は、受像センサ−
（４）に形成された前記受像（P₁）（P₂）の位置からヘ
ッドライトテスタ−（１）を正対するための筐体（1a）
の移動量ｈを算出し該移動量に応じた制御信号を出力し
て第１制御モ−タ（７）を回転制御し、筐体（1a）を上
方に移動して受像センサ−（４）上の前記受像（P₁）
（P₂）が第４図の如く重畳収れんて面積が最小になった
ときに第１制御モ−タ（７）の回転を停止してヘッドラ
イトテスタ−（１）がヘッドライト（11）に正対する。

又第８図示のように受像（P₃）（P₄）が左右にずれた
場合は演算制御手段（９）からの制御信号により第２制
御モ−タ（８）を回転制御して筐体（1a）を左右方向に
移動制御し、ヘッドライトテスタ−（１）がヘッドライ
ト（11）に正対する。

次に本発明の他の実施例に言及すると、この他の実施
例においては前記実施例における上下の反射鏡（3a）
（3b）のうち一方の反射鏡を、又左右の反射鏡（3c）
（3d）のうち一方の反射鏡を除去したものであり、当該
他の実施例において例えば第10図及び第11図の如く下方
の反射鏡（3b）がなくて上方の反射鏡（3a）のみがある
場合の作動は次の通りである。

即ち、ヘッドライト（11）がヘッドライトテスター
（１）に正対しているときは、第10図の如くヘッドライ
ト（11）の光線は各凸レンズ（2a）（2b）により収束さ
れ、下方の凸レンズ（2b）の収束光は直接受像センサー
（４）に至り、又上方の凸レンズ（2a）の収束光は反射
鏡（3a）に当って反射して受像センサー（４）に至り、
該受像センサー（４）に一致した一つの円としての受像
（Ｐ）が形成される。

しかし第11図の如くヘッドライト（11）が上方（ｈ）
にある場合には、上方の凸レンズ（2a）の収束光で反射
鏡（3a）により反射した光の受像センサー（４）上の受
像（P₁）と、下方の凸レンズ（2a）の収束光の受像セン
サー（４）上の受像（P₂）は前記受像（P₁）のあった基
準位置（Ｘ）から隔離して形成される。

そこで前記実施例と同様に演算制御手段（９）により
第１制御モータ（７）を回転制御して筐体（1a）を上方
に移動し、前記受像（P₁）（P₂）が基準位置（Ｘ）に一
致したとき第１制御モータ（７）の回転を停止してヘッ
ドライトテスター（１）をヘッドライト（11）に正対す
る。

又ヘッドライト（11）が左右にずれた場合にもこれに
応じて各受像が正対位置にあるときの受像から隔離して
受像されるので、演算制御手段（９）により第２制御モ
ータ（８）を回転制御して筐体（1a）を左右方向に移動
し、各受像が正対位置の受像の基準位置に一致したとき
第２制御モータ（８）の回転を停止してヘッドライトテ
スター（１）をヘッドライト（11）に正対させる。当該
実施例では構造が簡易となると共に小型化できる特徴を
有する。

尚、前記実施例ではヘッドライトテスタ−（１）を自
動的にヘッドライト（１）に正対する場合を示したが、
受像センサ−（４）の代りにスクリ−ンを配設し、手動
により筐体（1a）を上下方向或いは左右方向に移動して
スクリ−ン上の受像を重畳収れんさせてヘッドライトテ
スタ−（１）をヘッドライト（11）に正対させてもよ
い。

（７）発明の効果 上記のように本発明によれば、ヘッドライト光を収束
する複数の凸レンズと、該収束光の全部或いは一部を反
射する反射鏡と、該反射鏡により反射された反射光或い
は一部の反射光と反射されていない収束光を投影する受
像センサ−とを具備し、該受像センサ−に投影された受
像を重畳収れんさせるように演算制御手段により筐体を
ヘッドライトに正対するようにしたので、正対が自動的
に正確にできて作業能率を向上すると共に、高精度な光
軸及び光度の測定が可能となる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例の斜視図、第２図はその要部
の縦断面図、第３図は要部の横断面図、第４図は第２図
のIV−IV截断面図、第５図は制御系のブロック線図、第
６図はヘッドライトテスタ−が正対位置から外れたとき
の第１例の要部の縦断面図、第７図はこのときの第４図
に対応する断面図、第８図はヘッドライトテスタ−が正
対位置から外れたときの第２例の第４図に対応する断面
図、第９図はヘッドライトテスタ−が正対位置から外れ
たときの第３例の第４図に対応する断面図、第10図は他
の実施例の正対位置にあるときの要部の縦断面図、第11
図は第10図の正対位置から外れたときの要部の縦断面図
である。 （１）……ヘッドライトテスタ− （1a）……筐体 （2a）（2b）（2c）（2d）……凸レンズ （3a）（3b）（3c）（3d）……反射鏡 （４）……受像センサー （５）……演算制御手段

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上下左右に移動可能な筐体と、該筐体の前
   面の上下及び左右に設けられヘッドライト光を収束する
   凸レンズと、該筐体内に設けられ各凸レンズに対応する
   と共に該各凸レンズからの収束光を反射する所定の傾射
   角を有して支着された反射鏡と、該筐体内の後方で前記
   凸レンズの焦点距離より少許前方の位置に設けられ反射
   光を受像する受像センサーと、該受像センサーの複数の
   受像を重畳収れんする方向に前記筐体を移動制御する演
   算制御手段とからなることを特徴とするヘッドライトテ
   スターの正対装置。
2. 【請求項２】上下左右に移動可能な筐体と、該筐体の前
   面の上下及び左右に設けられヘッドライト光を収束する
   凸レンズと、該筐体内に設けられ前記上下の凸レンズの
   一方の凸レンズから収束光と前記左右の凸レンズの一方
   の凸レンズからの収束光をそれぞれ反射する所定の傾斜
   角を有して支着された反射鏡と、該筐体内の後方で前記
   凸レンズの焦点距離より少許前方の位置に設けられ前記
   上下の凸レンズの他方の凸レンズと前記左右の凸レンズ
   の他方の凸レンズからの収束光及び前記反射光を受像す
   る受像センサーと、該受像センサーの複数の受像を重畳
   収れんする方向に前記筐体を移動制御する演算制御手段
   とからなることを特徴とするヘッドライトテスターの正
   対装置。