JP3040729U - 警報回路を備えた射出成形機の金型温度制御方式 - Google Patents
警報回路を備えた射出成形機の金型温度制御方式Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 可動金型と固定金型との間に温度差が生じた
とき、両者の嵌合部分におけるクリアランスが消滅して
嵌合部分がカジったり、逆にクリアランスが大きくなっ
て成形品にバリが生じたり、温度異常のためそりが発生
した。 【解決手段】 温調器の熱媒体温度を検出するために金
型の戻り側に設けた温度検出器と、該温度検出器の信号
を可動金型と固定金型に対応して設けた上下限設定器の
信号および/あるいは可動金型と固定金型の温度差設定
器の信号と比較演算し、該演算結果が前記何れかの設定
器の信号に基づく範囲を逸脱したとき警報を発する警報
回路を備えたのである。
とき、両者の嵌合部分におけるクリアランスが消滅して
嵌合部分がカジったり、逆にクリアランスが大きくなっ
て成形品にバリが生じたり、温度異常のためそりが発生
した。 【解決手段】 温調器の熱媒体温度を検出するために金
型の戻り側に設けた温度検出器と、該温度検出器の信号
を可動金型と固定金型に対応して設けた上下限設定器の
信号および/あるいは可動金型と固定金型の温度差設定
器の信号と比較演算し、該演算結果が前記何れかの設定
器の信号に基づく範囲を逸脱したとき警報を発する警報
回路を備えたのである。
Description
【0001】
射出成形機の金型温度を検出し、予め設定した正常範囲から逸脱した場合の異 常を警報したり射出成形機の作動を停止させる装置に関する。
【0002】
射出成形機の金型温度制御はキャビティ構成部材を加熱するのみでなく冷却も 必要なために熱媒体を用いた温調器が使用されている。特に最近の超精密射出成 形においてはより高精度、高安定な金型温度が要求されるために可動金型、固定 金型それぞれを個別の温調器で温調することが多い。このような状況では、温度 の設定箇所や操作箇所が増加することになり、作業者の設定ミスや知識不足によ る操作ミスを誘発すると共に、温調器が増設されることにより故障の可能性も増 大する。
【0003】
前記理由により、可動金型と固定金型の温度が所定の上下限の範囲から逸脱し たかまたは、可動金型と固定金型の温度差が所定範囲から逸脱したときは、可動 金型と固定金型の熱膨張の相違が許容範囲を越え、両者の嵌合部分におけるクリ アランスが消滅して嵌合部分がカジッたり、逆にクリアランスが大きくなって成 形品にバリが生じたりした。また、上記事態に至らないまでも、金型温度の異常 により成形品にはそり等の不良が現れる。
【0004】
そこで、温調器の熱媒体温度を検出するために金型の媒体戻り側に設けた温度 検出器と、該温度検出器の信号を可動金型と固定金型に対応して設けた上下限設 定器の信号および/あるいは可動金型と固定金型の温度差設定器の信号と比較演 算し、該演算結果が前記何れかの設定器の信号に基づく範囲を逸脱したとき警報 信号を発する警報回路を備えたのである。
【0005】
図1により本考案の実施の形態を詳細に説明する。
【0006】 図1は射出成形機の型締装置の一部である可動盤2と固定盤1およびそれぞれ に取り付けた可動金型5と固定金型4を温調する温調器13、14を示し、さら に本考案の警報回路23からの警報信号を入力して射出成形機を制御する射出成 形機の制御装置27をブロックで示す。
【0007】 可動盤2には、図示しない型締シリンダに嵌挿し型締力を発生するラム3が固 着され、固定盤1と協働して固定金型4と可動金型5からなる金型(金型は固定 金型4と可動金型5との総称とする)に型締力を与える。温調器13および14 は、内蔵した温度センサと媒体温度設定器からの信号に基づき、油等の熱媒体の 温度が設定値となるように、該熱媒体をヒータで加熱するかまたは冷却水で冷却 してポンプで圧送するようにした装置であり、射出成形機の制御装置27におけ る制御には含まれない単独の温度制御を個別に実行している。
【0008】 15乃至22は配管であり、耐熱・耐圧のゴムホースが好ましく、金型の近傍 に設置した温調器13、14と金型とを連通接続する。該配管の中間には配管ブ ロック7乃至10が、金型の配管接続口15a乃至18aの直近に設けてある。 具体的には、該配管ブロック7乃至10は、射出成形機の型締装置や図示しない 射出装置等を載設する架台における金型下方の凹所側面に、金型交換時の配管接 続口15a乃至18aにおける配管の接離や可動金型5の移動に支障をきたさな いように、集合して設置してある。
【0009】 固定金型4の温調は温調器13の熱媒体が、配管19、配管ブロック7、配管 15、配管接続口15a、固定金型4内の温調通路、配管接続口16a、配管1 6、配管ブロック8、配管20、を順次経由して温調器13に戻ることにより実 行される。一方、可動金型5の温調は温調器14の熱媒体が、配管21、配管ブ ロック9、配管17、配管接続口17a、可動金型5内の温調通路、配管接続口 18a、配管18、配管ブロック10、配管22、を順次経由して温調器14に 戻ることにより実行される。この際、金型内の前記温調通路では金型と熱媒体と の間で熱交換が行われ、熱媒体の温度は、金型の熱媒体戻り側にある配管ブロッ ク8、10においては、金型キャビティ構成部材の温調通路の温度に応じて変化 するのである。従って、該配管ブロック8、10にサーモカップル等からなる温 度検出器11、12をそれぞれ設けて、戻り側の熱媒体温度を測定することによ って固定金型4と可動金型5の温度を間接的に検出するのである。
【0010】 金型キャビティ構成部材に温度検出器を挿入して、金型の温度を直接測定する ことが好ましいのは当然であるが、金型交換時の温度検出器の接続替え等の煩わ しさや、金型構造的にキャビティ構成部材に温度検出器を設置するのが困難な場 合が多い。特に、CDやDVD等のディスク金型ではその構造は極めて精密、複 雑であり、キャビティを構成する鏡面板に直接温度検出器を設置することはほと んど不可能である。
【0011】 前記温度検出器11、12の信号は、射出成形機の制御装置27の一部かある いは別途に設置した警報回路23に入力される。該警報回路23は可動金型温度 の上下限設定器24および固定金型温度の上下限設定器25、および/あるいは 可動金型温度と固定金型温度の温度差設定器26を有し、それらの設定器信号を 前記温度検出器信号と比較演算する。その結果、可動金型温度上下限設定器24 で予め定めた上下限の温度範囲を可動金型温度検出器12の信号が逸脱したとき か、あるいは、固定金型温度上下限設定器25で予め定めた上下限の温度範囲を 固定金型温度検出器11の信号が逸脱したとき、さらには、温度差設定器26の 設定値より可動金型温度検出器12と固定金型温度検出器11との信号差の絶対 値が大となったとき警報信号を制御装置27へ出力する。該警報信号により制御 装置27は警報音を発したり警報表示し、場合によっては射出成形機の作動を停 止せしめる。
【0011】 可動金型5と固定金型4とにより形成されるキャビティ28で形成される成形 品に、温度差に基づくそり等の不良現象が現れたときには、警報信号が発せられ るように、所定の設定値を決定する。
【0012】 次に、可動金型5と固定金型4の合わせ部分に可動金型5の凹部6と固定金型 4の凸部6a、あるいはガイドピン29のような嵌合部がある場合の具体例を説 明する。凸部6aの直径が150mmで、凹部6とのクリアランスが0.02m mであったとき、温調器の故障や設定ミス等の原因で凸部6aの温度が凹部6の 温度より40℃高くなった場合、該凸部6aと凹部6が鋼材であり、その線膨張 係数を0.1×10-4とすると、凸部6aの半径における膨張量は、 150×40×0.1×10-4×1/2=0.03mm となり、クリアランスの0.02mmを越えるので凸部6aと凹部6はカジるこ とになる。一方凹部6の温度が凸部6aの温度より高くなった場合は、両者のク リアランスが大きくなって、成形品にバリが生じることになる。従って、上記の 場合、例えば温度差設定器26の設定値は少なくとも40℃以下とする。
【0013】
本考案によれば、比較的簡単な装置によって成形不良状態を未然に警報すると 共に、高価な金型の損傷を防止することが出来るので、成形作業の効率を向上さ せることが出来る。
【図1】本考案の警報回路を備えた金型温度制御方式を
示すブロック図である。
示すブロック図である。
1 固定盤 2 可動盤 3 ラム 4 固定金型 5 可動金型 6 凹部 6a 凸部 7、8、9、10 配管ブロック 11 固定金型温度検出器 12 可動金型温度検出器 13 固定金型温調器 14 可動金型温調器 15、16、17、18、19、20、21、22 配
管 15a、16a、17a、18a 配管接続口 23 警報回路 24 可動金型温度上下限設定器 25 固定金型温度上下限設定器 26 温度差設定器 27 制御装置 28 キャビティ 29 ガイドピン
管 15a、16a、17a、18a 配管接続口 23 警報回路 24 可動金型温度上下限設定器 25 固定金型温度上下限設定器 26 温度差設定器 27 制御装置 28 キャビティ 29 ガイドピン
Claims (2)
- 【請求項1】 固定金型と可動金型をそれぞれ個別に温
調する射出成形機の金型温度制御方式において、 温調器の熱媒体温度を検出するために金型の媒体戻り側
に設けた温度検出器と、該温度検出器の信号を可動金型
と固定金型に対応して設けた上下限設定器の信号および
/あるいは可動金型と固定金型の温度差設定器の信号と
比較演算し、該演算結果が前記何れかの設定器の信号に
基づく範囲を逸脱したとき警報信号を発する警報回路を
備えたことを特徴とする射出成形機の金型温度制御方
式。 - 【請求項2】 前記温度検出器を金型の熱媒体戻り側の
配管接続口近傍に設けた配管ブロックに設置したことを
特徴とする請求項1における射出成形機の金型温度制御
方式。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1997001410U JP3040729U (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | 警報回路を備えた射出成形機の金型温度制御方式 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1997001410U JP3040729U (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | 警報回路を備えた射出成形機の金型温度制御方式 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3040729U true JP3040729U (ja) | 1997-08-26 |
Family
ID=43175286
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1997001410U Expired - Lifetime JP3040729U (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | 警報回路を備えた射出成形機の金型温度制御方式 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3040729U (ja) |
-
1997
- 1997-02-19 JP JP1997001410U patent/JP3040729U/ja not_active Expired - Lifetime
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