JP3040504U - ホーロー仕上げ不燃性フェノール樹脂発泡体 - Google Patents

ホーロー仕上げ不燃性フェノール樹脂発泡体

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JP3040504U
JP3040504U JP1997001834U JP183497U JP3040504U JP 3040504 U JP3040504 U JP 3040504U JP 1997001834 U JP1997001834 U JP 1997001834U JP 183497 U JP183497 U JP 183497U JP 3040504 U JP3040504 U JP 3040504U
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phenol resin
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光雄 皆川
治 皆川
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株式会社リボール
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Abstract

(57)【要約】 【目的】表面に優れたセラミックコーティングの美麗な
ホーロー仕上げを施したホーロー仕上げ不燃性フェノー
ル樹脂発泡体を提供することである。 【構成】レゾール型フェノール樹脂10重量部、発泡剤
0.3〜5.0重量部、硬化剤2〜8重量部に圧縮強度
600kgf/cm以上で嵩比重0.3〜0.5g/
cm、融点1500℃以上のセラミック微細中空粒子
50〜200重量部及びガラス粉末15〜100重量部
に水若干量を加え、成形硬化させ基材とし、この基材の
表面側にセラミックコーティングのホーロー仕上げ化粧
層を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は軽量で且つ断熱性に優れたホーロー仕上げ不燃性フェノール樹脂発泡 体にして、建造物の壁材、屋根材、床材、外構部材等に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来不燃性建築用板材には、無機系あるいは金属系の材料を使用したもののみ であり、いずれも断熱性は低く加工性も悪くしかも重量が重いためハンドリング に支障をきたしていた。不燃性のフェノール樹脂発泡体も開発されてきたがいず れもフェノール樹脂発泡体の難燃性を向上させるため水酸化アルミニウムに珪酸 カルシウムあるいは炭酸カルシウム等の無機材を充填材として添加し、ガラス繊 維などの無機繊維を補強材として加え強度増強を図っていたのである。このため 表面に化粧層を形成する場合、塗料を塗布するのが一般的であった。基材が高温 の焼成に耐えられるものが無かったからである。基材が高温に耐えてセラミック コーティングのホーロー仕上げ化粧層を有する不燃性フェノール樹脂発泡体は従 来存在しなかった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来の不燃性フェノール樹脂発泡体は表面が多孔質であるため吸水性が高く釉 薬を塗布して表面に施釉することがはなはだ困難で、しかも焼成することができ なかった。フェノール樹脂発泡体はフェノール樹脂の発泡によって多孔質となり 、多数の気泡を内部に含有せしめるため耐火性及び物理的強度が低下した。この ためガラス繊維等を混入して強度の増加を図っているが焼成してセラミックコー ティングのホーロー仕上げをすることはできなかった。本考案は、表面平滑で高 度の耐火性を有し吸水性の低い密実にして物理的強度の高い不燃性フェノール樹 脂発泡体を基材としてその表面側に優れたセラミックコーティングの美麗なホー ロー仕上げを施したホーロー仕上げ不燃性フェノール樹脂発泡体を提供すること を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案の基材となる不燃性フェノール樹脂発泡体は、レゾール型フェノール樹 脂10重量部、発泡剤0.3〜5.0重量部、硬化剤2〜8重量部に圧縮強度6 00kgf/cm以上で嵩比重0.3〜0.5g/cm、融点1500℃以 上のセラミック微細中空粒子50〜200重量部、ガラス粉末15〜100重量 部及び水を若干量加え、成形硬化させ基材とし、この基材の表面側にセラミック コーティングのホーロー仕上げ化粧層を有するホーロー仕上げ不燃性フェノール 樹脂発泡体によって解決される。
【0005】
【作用】
本考案のレゾール型フェノール樹脂発泡体に使用されるフェノール樹脂はフェ ノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフ ェノール、レゾルシン等のフェノール類及びその変性物とホルムアルデヒド、パ ラホルムアルデヒト、フルフラール、アセトアルデヒド等のアルデヒド類を水酸 化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、ヘキサメチレンテトラミン 、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアルカリ性触媒で反応させて製造す るレゾール型のものである。
【0006】 本考案のホーロー仕上げ不燃性フェノール樹脂発泡体の製造に使用する発泡剤 は、例えばメチレンクロライド、炭酸塩、ペンタン、ヘキサン、イソプロビルエ ーテル、塩化メチレン等でレゾール型フェノール樹脂に対して1〜50重量部添 加する。又レゾール型フェノール樹脂発泡体に使用される硬化剤として硫酸、リ ン酸等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、ナフトールスルホン酸、フェノールスル ホン酸等の有機酸が挙げられる。 本考案に使用したるセラミック微細中空粒子は、従来の微細中空発泡体に比較 して特に圧縮強度が高いものであり不燃性フェノール樹脂発泡体製造過程で生ず る高い応力、剪断力に対して耐え得ることができるものである。さらに加圧成形 することによって軽量であるにもかかわらず緻密な不燃性フェノール樹脂発泡体 とすることができるのである。 セラミック微細中空粒子あるいは微細中空発泡体の圧縮強度とは耐水圧強度と 同意語であり、圧縮強度の測定は、微細中空発泡体を水中で加圧し水に加えられ た圧力が微細中空発泡体に伝わり微細中空発泡体が破壊する圧力を圧縮強度とす るのである。
【0009】 優れた性能を示すことのできる不燃性フェノール樹脂発泡体からなる基材は、 攪拌・混練工程が充分でなければならず、均一な製品で品質の良い不燃性フェノ ール樹脂発泡体からなる基材には特に重要である。本考案におけるが如き組成物 に対して充分な攪拌・混練を行なう場合セラミック微細中空粒子に加わる応力及 び剪断力は、約400kgf/cm前後になる。従来の微細中空発泡体には、 このような高圧に耐え得るものが無かったので、かかるホーロー仕上げ不燃性フ ェノール樹脂発泡体として使用し充分な性能が得られるものは皆無であった。即 ち大部分が破壊してしまうからである。 次にセラミック微細中空粒子をホーロー仕上げ不燃性フェノール樹脂発泡体に 使用する場合重要なことは熱伝導率である。微細中空発泡体はその粒径によるが 一般に0.1(kcal/mhr℃)前後であり、充填した微細中空発泡体の半 分が破壊されたものである場合熱伝導率は大体0.2(kcal/mhr℃)に 低下する。破壊されない完全な微細中空発泡体が使用された場合にのみ優れた効 果が得られるのである。本考案に使用するセラミック微細中空粒子は従来の微細 中空発泡体であるシラスバルーン、ガラスバルーン、シリカバルーン、フライア ッシュバルーンなどに比較して格段に圧縮強度が高いものであり、ホーロー仕上 げ不燃性フェノール樹脂発泡体の微細中空粒子は100%完全な球状である。従 来の微細中空発泡体の圧縮強度は80〜300kgf/cmである。
【0011】 本考案に使用するセラミック微細中空粒子の融点は1500℃以上である。セ ラミック微細中空粒子はその材質に起因するのは当然であるが一般的に融点の高 いもの程圧縮強度も高くなる。圧縮強度を600kgf/cm以上とするなら ばその融点は1500℃以上になるのである。
【0012】 以上により本考案において使用するセラミック微細中空粒子はシリカ50〜6 0%、アルミナ40〜45%、その他1.5〜2.5%からなるセラミック組成 物を発泡生成せしめたものを使用し、その物性は圧縮強度700kgf/cm 、融点1600℃、嵩比重0.3〜0.5g/cm、熱伝導率0.1(kca l/mhr℃)で完全な中空粒子のみで構成されている。セラミック微細中空粒 子の粒径は、5〜350μmの範囲のものを使用し、細目5〜75μm、中目7 5〜150μm、荒目150〜350μmとして粒度調整により混合使用する。 嵩比重は粒度の細かいものは重く、荒いものは軽くなる。このため嵩比重の範囲 は0.3〜0.5g/cmとなる。
【0013】 レゾール型フェノール樹脂10重量部に対して、発泡剤0.3〜5.0重量部 、硬化剤は2〜8重量部であり、これに加えるセラミック微細中空粒子は50〜 200重量部とする。50重量部以下ではホーロー仕上げ不燃性フェノール樹脂 発泡体としての耐火性、断熱性が充分発現できず、200重量部以上では強度の 低下が大きくなるからである。ホーロー仕上げ不燃性フェノール樹脂発泡体の所 要物理的強度、比重等によってセラミック微細中空粒子の量を加減することがで きる。
【0014】 本考案に使用するガラス粉末は、酸化物ガラス中の硅酸塩ガラスでNaO− CaO−SiO系のソーダ石灰ガラスを粉末にしたものが最適である。このガ ラス粉末に、例えばソーダ灰、硝酸ソーダ、硼酸塩等の融材を加えても良い。ガ ラス粉末の粒径は5〜100μmの範囲が好適で、基材の不燃性フェノール樹脂 発泡体が加熱された場合の耐火性を向上させる結合材として効果を発揮する。ガ ラス粉末の添加量はレゾール型フェノール樹脂10重量部に対して15〜100 重量部である。15重量部以下では耐火性を示す結合材としての効果が発揮でき ず、100重量部以上では強度低下を示すからである。
【0015】 ホーロー(琺瑯)は金属の表面にガラス質のウワグスリを焼き付けて金属を被 覆したもので、本来は金属の表面処理の一種である。すなわち陶磁器の鉱物質素 地を金属素地で置換したものに相当する。本考案の素地は鉱物質原料を使用して いるが基材は不燃性フェノール樹脂発泡体であり、陶磁器の鉱物質素地とは言え ず本発明の表面化粧層のセラミックコーティングを敢えてホーロー仕上げと称し た。
【0016】 化粧層となるホーローは、ガラス粉や釉薬フリット、粘土などを所定の粒度に 粉砕して使用する。これらに水及び粘性物質例えばメチルセルロース、カルボキ シルメチルセルロースなどを添加しさらに必要に応じて顔料を加え混練・攪拌し た懸濁液のウワグスリを基材に塗布して乾燥後焼成する。ウワグスリは溶融して ガラス化し基材に密着し美麗なセラミックコーティングであるホーロー仕上げと なる。
【0017】
【実施例】
以下本考案の実施例について詳述する。
【0018】 実施例 レゾール型フェノール樹脂10重量部、発泡剤として塩化メチレン0 ,5重量部に圧縮強度700kgf/cm、嵩比重0.3〜0.5g/cm 、融点1600℃、熱伝導率0.1(kcal/mhr℃)で完全中空粒子のみ で構成されているセラミック微細中空粒子75重量都、ガラス粉末を63重量部 、その他水及び混和剤に分散剤、安定剤等を各々適量加えた組成物を充分攪拌・ 混練した後リン酸系の硬化剤を6重量部加えさらに充分攪拌・混練し型枠に打設 して板状としその表面を100kgf/cmで加圧成形後60℃10分養生し て硬化させた。
【0019】 実施例で作製した不燃性フェノール樹脂発泡体からなる基材の物性試験結果を 表1に示す。尚、試験体の厚みは15mmである。
【0020】
【表1】
【0021】 加熱試験は試験体220×220×15(mm)の表面を850℃で10分間 加熱した時の裏面温度を示したものであり、加熱後の加熱面の異常及び煙の発生 は認められなかった。
【0022】 上記不燃性フェノール樹脂発泡体からなる基材の化粧層を、ホーロー仕上げに するためのウワグスリを調整した。ガラス粉65重量部、硼酸系フリット30重 量部、粘土3重量部、水60重量部、カルボキシルメチルセルローズ0.5重量 部を混合攪拌してウワグスリを作製し、これを基材である不燃性フェノール樹脂 発泡体の表面に塗布し乾燥後780℃で30分間焼成してセラミックコーティン グであるホーロー仕上げを行なった。
【0023】
【考案の効果】
以上述べた如く本考案にかかるホーロー仕上げ不燃性フェノール樹脂発泡体の 基材である不燃性フェノール樹脂発泡体は、フェノール樹脂の充填材にセラミッ ク微細中空粒子及びガラス粉末を使用することによって、従来のフェノール樹脂 発泡体では得られなかった表面の平滑性及び耐火性を得ることができた。また従 来のフェノール樹脂発泡体はフェノール樹脂自身の発泡のみであるため連続気泡 となり多孔質で吸水性が高く施釉ができずセラミックコーティングであるホーロ ー仕上げができず、物理的強度も充分では無かった。
【0024】 セラミック微細中空粒子の面と面がフェノール樹脂によって点接合しさらにセ ラミック微細中空粒子間の空隙にガラス粉末が充填することにより加熱されると ガラス粉末が溶融し一層セラミック微細中空粒子面同士の点接合を強固なものと し、フェノール樹脂自身の発泡のみによるものとは全く異なった構成によって表 面平滑で高度な耐火性を示し吸水性の低い、密実にして物理的強度が高く表面に 優れたセラミックコーティングである美麗なホーロー仕上げを施した断熱性にも 優れたホーロー仕上げ不燃性フェノール樹脂発泡体を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホーロー仕上げ不燃性フェノール樹脂発泡体断
面拡大図
【符号の説明】
1.セラミックコーティングのホーロー仕上げ化粧層 2.不燃性フェノール樹脂発泡体の基材

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項 1】 レゾール型フェノール樹脂10重量
    部、発泡剤0.3〜5.0重量部、硬化剤2〜8重量部
    に圧縮強度600kgf/cm以上で嵩比重0.3〜
    0.5g/cm、融点1500℃以上のセラミック微
    細中空粒子50〜200重量部、ガラス粉末15〜10
    0重量部に水を加え成形硬化させ基材とし、基材表面側
    にセラミックコーティングのホーロー仕上げ化粧層を有
    することを特徴とするホーロー仕上げ不燃性フェノール
    樹脂発泡体。
JP1997001834U 1997-02-13 1997-02-13 ホーロー仕上げ不燃性フェノール樹脂発泡体 Expired - Lifetime JP3040504U (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020204390A (ja) * 2019-06-19 2020-12-24 矢崎エナジーシステム株式会社 真空断熱体の製造方法、及び真空断熱体

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