JP3040418U - ケース - Google Patents

ケース

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JP3040418U
JP3040418U JP1996013787U JP1378796U JP3040418U JP 3040418 U JP3040418 U JP 3040418U JP 1996013787 U JP1996013787 U JP 1996013787U JP 1378796 U JP1378796 U JP 1378796U JP 3040418 U JP3040418 U JP 3040418U
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摩 卓 二 志
田 一 彦 吉
藤 清 彦 伊
井 裕 新
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取扱説明書等の被挟持物を安定的に保持する
ことのできるケースを提供する。 【解決手段】 ケース10は、底面部材12を含む。底
面部材12には、前面部材14,後面部材16,側面折
返片22,22′が接続される。ケース10は、前面部
材14の内面との間で被挟持物Pを挟持するためのたと
えば半円形の係止片32,32′を含む。係止片32,
32′は、隅部30,30′の上端部に形成され、常
時、前面部材14の内面へ向かって付勢される。係止片
32,32′は、互いに第2のヒンジ部40,40′で
接続された当接片34,34′と付勢片36,36′と
からなる。当接片34,34′は、第1のヒンジ部3
8,38′を介して前面部材14の上端縁に接続され、
付勢片36,36′は、第1のヒンジ部38,38′を
介して側面折返片22,22′の上端縁に接続される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は物品を格納するためのケースに関し、特にたとえば、一冊のCDバイ ンダやファイルを格納するためのケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は、本考案の背景となる従来のケースの一例を示す図解図である。従来 のケース1は、四角い開口部4を有する有底箱型のケースである。このケース1 は、矩形状の底面部材2を含む。また、このケース1は、4枚の壁面部材3を含 む。4枚の壁面部材3は、底面部材2の四辺から底面部材2の主面と直交する方 向へ延び出るようにして配置される。また、それぞれの壁面部材3は、隣接する 壁面部材3と互いに直交する。そして、壁面部材3の上端部で囲まれた開口部4 から、たとえばCDバインダ、ファイル、書籍などの格納物Fがケース1内に入 れられ格納される。ケース1に格納された格納物Fの状態を図10(A)に一点 鎖線で示す。
【0003】 さらに、上述の4枚の面部材の内の1枚の壁面部材3の上端部には、挟持片5 がヒンジ部3aを介して一体的に形成される。これらの底面部材2,壁面部材3 および挟持片5は、可撓性および弾力性を有するプラスチック材料から一体的に 形成される。挟持片5は、ケース1内部に折り返される。そして、挟持片5と壁 面部材3との間に、図10(A)に示すように、被挟持物Pの上端部が挟持され る。被挟持物Pの下端部は、底面部材2に当接されて支持される。この被挟持物 Pは、たとえば一枚のシート状の用紙を、壁面部材3の内面と底面部材2の内面 とに沿うようにL字形状に折り曲げて形成したものである。この被挟持物Pは、 CDバインダ等についての取扱説明書、保証書、広告等である。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のケース1では、挟持片5が単に折り返されているだけの ものであったため、図10(B)に示すように、格納物Fをケース1から取り出 したときには、挟持片5が2点鎖線の矢印で示す方向に開いてしまうという問題 があった。この場合、図10(B)に示すように、被挟持物Pの上端部が挟持片 5と壁面部材3との間から抜け出てしまいやすかった。この状態で、格納物Fを 再度ケース1内に格納すると、被挟持物Pが格納物Fによって押し潰されてしま うという不都合があった。このような不都合を防止するためには、使用者はいち いち被挟持物Pを挟持片5で挟持しなおさなければならず、不便であった。
【0005】 それゆえに、本考案の主たる目的は、取扱説明書等の被挟持物を安定的に保持 することができるケースを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案にかかるケースは、可撓性および弾性を有する材質からなる複数の面部 材で形成された壁面を備える有底箱型のケース本体と、互いに交差する方向に延 びている面部材が互いに接続されている交線を囲む隅部に形成され、シート状物 などの被挟持物を面部材の内面との間で挟持するための係止片とを含むケースで あって、係止片は、互いに交差する方向に延びている面部材のうちの一方に第1 のヒンジ部を介して折り曲げ可能に接続され、被挟持物に当接される当接片と、 互いに交差する方向に延びている面部材のうちの他方に第1のヒンジ部を介して 折り曲げ可能に接続され、当接片を面部材の内面へ向かって付勢するための付勢 片とを含み、当接片と付勢片とは、隅部を構成する面部材の交線に直線的に連続 するよう形成された第2のヒンジ部で折り曲げ可能に接続された、ケースである 。 本考案にかかるケースでは、互いに交差する方向に延びている面部材が互いに 接続されている交線を囲む隅部に係止片が形成される。係止片は、前記交線と直 線的に連続する第2のヒンジ部で折り曲げ可能に接続された当接片と付勢片とか らなる。当接片は、交差して接続されている一方の面部材に第1のヒンジ部で接 続され、付勢片は、他方の面部材に第1のヒンジ部で接続される。そのため、当 接片と付勢片とは、通常、隅部を構成する面部材のなす角度と同じ角度で第2の ヒンジ部で折れ曲がる。したがって、第1のヒンジ部で係止片を折り曲げて、当 接片を被挟持物に当接させると、付勢片が当接片を面部材の内面へ向けて付勢す ることになる。そして、面部材の内面との間に被挟持物が挟持される。係止片が 被挟持物を挟持している面部材の内面から離れようとすると、弾性を有するケー ス本体が変形し、元の形状に戻ろうとする復元力が生じる。この復元力により、 係止片は常時面部材の内面へ向かって付勢されるため、係止片が勝手に面部材の 内面から離れてしまう不都合がない。被挟持物の挟持を解消しようとする際には 、使用者が係止片を第1のヒンジ部で強制的に折り曲げて、係止片を面部材の内 面から離間させることにより、被挟持物の挟持が解消される。
【0007】 また、本考案にかかるケースにおいて、付勢片は、当接片よりも小さく形成さ れてもよい。この場合には、第1のヒンジ部で係止片を折り曲げる操作が容易に なり、被挟持物を挟持したり取り外したりする操作を行いやすい。
【0008】 さらに、本考案にかかるケースにおいて、係止片は、隅部において、ケース本 体に格納物が出し入れされる方向の底面部材とは反対側の端部に形成されてもよ い。 この場合には、被挟持物の上端部がケース本体の隅部の上端部において挟持さ れ、被挟持物の下端部が底面部材によって支持される。すなわち、ケース本体の 壁面を構成する面部材の高さと同じ高さの被挟持物を挟持することができる。
【0009】 また、本考案にかかるケースでは、係止片は、隅部において、ケース本体に格 納物が出し入れされる方向の中間部に形成されてもよい。 この場合には、被挟持物の上端部がケース本体の隅部の中間部において挟持さ れ、被挟持物の下端部が底面部材によって支持される。すなわち、ケース本体の 壁面を構成する面部材の底面部材からの高さよりも低い被挟持物を挟持すること ができる。
【0010】 さらに、本考案にかかるケースでは、面部材の面方向に隣接した係止片が、そ れらの中間に形成された接続片によって互いに接続されてもよい。 この場合には、係止片間に形成される接続片によって、被挟持物の一辺を挟持 することができる。 また、本考案にかかるケースでは、当接片を面部材の内面へ向かって付勢して いる付勢片を収納するための収納凹部が面部材の内面を凹ませて形成されてもよ い。 この場合には、当接片を面部材の内面へ向かって付勢している付勢片が、収納 凹部に収納される。そのため、格納物をケース本体に出し入れする際に、格納物 が付勢片に引っ掛かることがなくなるので、格納物の出し入れがし易く、ケース も損傷しにくくなる。
【0011】 本考案の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う 以下の考案の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0012】
【考案の実施の形態】
図1は、本考案にかかるケースの一例を示す図解図である。また、図2は、図 1に示すケースの展開図である。このケース10は、たとえば透明ないし半透明 のポリプロピレンなどの可撓性および弾性を有するプラスチック材料のたとえば 0.7mm厚のシート基材を、所定の形状に打ち抜いて、さらに各部を後述する ように折り曲げて有底箱型に形成されたものである。このケース10は、格納さ れる物の大きさにあわせて適宜の大きさに形成される。
【0013】 このケース10は、ケース本体11を含み、ケース本体11は、たとえば短冊 状の底面部材12を含む。底面部材12の図2図示上端には、ケース10の前面 壁を構成する矩形状の前面部材14が折り曲げ可能に接続される。また、底面部 材12の図2図示下端には、ケース10の後面壁を構成する矩形状の後面部材1 6が折り曲げ可能に接続される。前面部材14と後面部材16とは、図2に示す ように、線対称に配置される。 また、前面部材14と後面部材16とには、それぞれを厚み方向に貫通して、 ケース10の高さ方向に長い長孔状の貫通孔18,18′が形成される。貫通孔 18,18′は、図2に示すように、線対称に形成される。貫通孔18,18′ は、作業者がケース10内に格納された格納物を直接挟持して引き出せるように するためのものである。なお、このケース10に格納される格納物は、図10を 参照しながら説明した従来のものと同様のものであり、たとえば、CDバインダ 、ファイル、書籍などである。
【0014】 底面部材12の幅方向の両端には、図2に示すように、たとえば台形状の底隅 折返片20,20′がそれぞれ折り曲げ可能に接続される。底隅折返片20,2 0′は、左右対称に形成される。 また、前面部材14の幅方向の両側には、側面折返片22,22′が本体側ヒ ンジ部23,23′を介して折り曲げ可能に接続される。本体側ヒンジ部23, 23′は、前面部材14と側面折返片22,22′の交線上に形成される。この 側面折返片22,22′の図2図示下端部には、底隅折返片20,20′の形状 とほぼ対応する形状の切り欠き24,24′が形成される。切り欠き24,24 ′は、ケース10を図1に示すように組み立てた際に、底隅折返片20,20′ が側面部材26、26′の内面に当接する位置を切り欠いて形成される。 そして、後面部材16の幅方向の両側には、ケース10の側面壁となる側面部 材26,26′が折り曲げ可能に接続される。
【0015】 ケース本体11を組み立てる際には、まず、底隅折返片22,22′が底面部 材12に対して略垂直に延びるように折り曲げられる。次に、前面部材14と後 面部材16とが底面部材12に対して略垂直に延びるように折り曲げられる。さ らに、側面折返片22,22′が前面部材14の主面に対して略垂直に延びるよ うに折り曲げられる。そして、側面部材26、26′が折り曲げられて底隅折返 片22,22′および側面折返片22,22′に重ねられる。底隅折返片22, 22′および側面折返片22,22′と側面部材26、26′とは、たとえば超 音波溶着、熱溶着、または接着剤による接着などにより互いに固着される。そし て、図1に示すように、前面部材14、後面部材16、側面折返片22,22′ および側面部材26,26′で囲まれた四角い開口部28が形成される。開口部 28の4つの隅部は、略直角をなす。格納物は、開口部28を通じてケース10 内に出し入れされる。
【0016】 このケース10は、図1および図2に示すように、前面部材14の内面との間 で被挟持物Pを挟持するためのたとえば半円形の係止片32,32′を含む。係 止片32,32′は、図1に示すように、開口部28の隅部30,30′の上端 部に形成され、常時、前面部材14の内面へ向かって付勢される。なお、隅部3 0,30′とは、前面部材14と側面折返片22,22′とが、その交線を囲む 略直角の部分をいう。また、隅部30,30′の上端部とは、前面部材14の上 端縁と側面折返片22,22′の上端縁とが略直角をなしている部分をいう。 この係止片32,32′は、たとえば扇形の当接片34,34′と、たとえば 扇形の付勢片36,36′とからなる。当接片34,34′は、被挟持物Pに当 接されるべきものであり、付勢片36,36′は、当接片34,34′を前面部 材14の内面へ向けて付勢するためのものである。 そして、当接片34,34′は、第1のヒンジ部38,38′を介して前面部 材14の上端縁に接続され、付勢片36,36′は、第1のヒンジ部38,38 ′を介して側面折返片22,22′の上端縁に接続されている。つまり、係止片 32,32′は、第1のヒンジ部38,38′を介してケース本体11に接続さ れている。 この第1のヒンジ部38,38′は、たとえば図3に示すように、シート基材 をプレス加工により厚み方向両側から凹ませるなどして形成される。このケース 10の材質は、上述したように可撓性を有する材質であるので、係止片32,3 2′は、第1のヒンジ部38,38′で折り曲げられる。
【0017】 また、当接片34,34′と付勢片36,36′とは、第2のヒンジ部40, 40′を介して互いに折り曲げ可能に接続される。第2のヒンジ部40,40′ は、図2に示すように、本体側ヒンジ部23,23′と直線的に連続して形成さ れる。 この第2のヒンジ部40,40′も、図3に示したものと同様に、シート基材 を厚み方向両側からプレス加工により凹ませるなどして形成される。このケース 10の材質は、上述したように可撓性を有する材質であるので、当接片34,3 4′と付勢片36,36′とは、第2のヒンジ部40,40′で折り曲げられる 。
【0018】 次に、図4を参照しながら、図1に示すケース10の係止片32,32′の作 用を説明する。なお、図4では、図1図示右端側の係止片32′について図示し たが、図1図示左端側の係止片32も同様に作用する。 図4(A)は、被挟持物Pを挟持する前の状態を示す要部図解図である。隅部 30、30′においては、主面部材14と側面折返片22,22′とが、本体側 ヒンジ部23,23′で折り曲げられて、互いに略直交する。同時に、当接片3 4,34′と付勢片36,36′とは、第2のヒンジ部40,40′で折り曲げ られて互いに略直交する。このとき、上述したように、係止片32,32′は、 ケース本体11に第1のヒンジ部38,38′を介して接続されており、図1に 二点破線で示すようにケース本体11から直立している。
【0019】 次に、被挟持物Pを挟持するために、係止片32,32′は、ケース本体11 内へ向かって折り曲げられる。図4(B)は、係止片32,32′の折り曲げら れていく中間段階を示す図解図である。係止片32,32′は折り曲げられてい く中間段階においては、展開して平らな半円形状となる。すると、半円形状に展 開した係止片32、32′が、主面部材14と側面折返片22,22′との間を 押し拡げるようになる。その結果、このケース10は可撓性を有するので、前面 部材14,側面折返片22,22′および側面部材26,26′が撓む。しかし 、上述したように、このケース10は弾性を有する材質からなるので、前面部材 14,側面折返片22,22′および側面部材26,26′には、図4(B)に 一点破線で示す方向に復元力が働く。つまり、当初、略直交していた主面部材1 4と側面折返片22,22′とは、展開した係止片32,32′によって押し広 げられて互いの間に鈍角をなすようになるが、それらの材質が有する弾性に基づ く復元力により、もとの略直交した状態に戻ろうとする。そして、この復元力が 、係止片32,32′を前面部材14の内面へ向かって付勢する付勢力となる。 この付勢力は、付勢片36,36′を介して当接片34,34′を前面部材14 の内面に押しつける向きに働く。
【0020】 さらに、図4(C)に示すように、係止片32,32′は、被挟持物Pの上端 角部を前面部材14の内面との間で挟持しながら、ケース本体11内に完全に折 り込まれる。そして、当接片34,34′と付勢片36,36′とは、第2のヒ ンジ部40,40′で図4(A)に示したときとは反対向きに折り曲げられて、 再び、互いに略直交するようになる。その結果、ケース本体11の撓みも解消さ れ、前面部材14,側面折返片22,22′および側面部材26,26′が、当 初の平板状に戻り、主面部材14と側面折返片22,22′とが再び略直交する 状態に戻る。係止片32,32′は、上述の復元力により付勢されているので、 使用者が意図的に力を加えない限り、係止片32,32′が図4(A)に示す状 態に戻らない。したがって、被挟持物Pの上端両角部は、係止片32,32′に よって、安定的に挟持される。なお、被挟持物Pの下端部は、図10を参照しな がら説明した従来例と同様に、略L字形状に折り曲げられ、底面部材12の内面 に当接されて支持される。
【0021】 このケース10では、係止片32,32′が上述のように付勢されているので 、格納物をケースから取り出したときにも、挟持片32,32′が従来のケース 1のように開いてしまうというような問題が生じない。そのため、このケース1 0によれば、取扱説明書等の被挟持物を安定的に保持することができ、被挟持物 Pの上端部が係止片32,32′と前面部材14との間から抜け出てしまうこと がない。したがって、被挟持物Pが格納物によって押し潰されてしまうというよ うな従来の不都合が防止される。また、このケース10は、透明ないし半透明の 材質で形成されているので、係止片32,32′によって前面部材14の内面に 挟持されたシート状の取扱説明書などの被挟持物Pをケース10の外側から壁面 を透かしてその表面に印刷された内容を見ることができる。なお、本願にかかる ケース10では、シート状物に限らず、冊子状の被挟持物Pでも挟持することが できる。
【0022】 図5は、本考案にかかるケースの他の例を示す展開図であり、図6は図5に示 すケースの係止片の作用を示す要部図解図である。 図5に示すケース10は、図1に示したケース10とほぼ同様のものであるが 、以下の点において異なる。 まず、図5に示すケース10の係止片32,32′は、大きな略三角形状の当 接片34,34′と、小さな略三角形状の付勢片36,36′とからなる。この ように当接片34,34′の面積を大きくしているのは、被挟持物Pをより確実 に挟持できるようにするためである。また、付勢片36,36′の面積を当接片 34,34′よりも小さくしているのは、付勢片36,36′は、ケース本体1 1の復元力を当接片34,34′を前面部材14の内面に押しつける付勢力にか えるためのものであり、その役割を果たせさえすれば、その面積は必要最小限で 足りるからである。また、このように係止片32,32′を形成することにより 、係止片32,32′を第1のヒンジ部38,38′で折り曲げる操作を行いや すくなり、被挟持物を挟持したり、取り出したりする作業が容易になる。
【0023】 さらに、図5に示すケース10では、前面部材14の幅方向の両側にケース1 0の側面壁となる側面部材26,26′が、本体側ヒンジ部23,23′を介し て折り曲げ可能に接続される。つまり、この例では、本体側ヒンジ部23,23 ′が、前面部材14と側面部材26,26′との交線上に形成される。 そして、後面部材16の幅方向の両側には、側面折返片22,22′が折り曲 げ可能に接続される。この側面折返片22,22′の下端部には、底隅折返片2 0,20′の形状とほぼ対応する形状の切り欠き24,24′が形成される。切 り欠き24,24′は、ケース10を図1に示したものと同様に組み立てた際に 、底隅折返片20,20′が側面部材26,26′の内面に当接する位置を切り 欠いて形成される。
【0024】 図5に示すケース10のケース本体11を組み立てる際には、まず、底隅折返 片22,22′が底面部材12に対して略垂直に延びるように折り曲げられる。 次に、前面部材14と後面部材16とが底面部材12に対して略垂直に延びるよ うに折り曲げられる。さらに、側面折返片22,22′が後面部材16の主面に 対して略垂直に延びるように折り曲げられる。そして、側面部材26、26′が 折り曲げられて底隅折返片22,22′および側面折返片22,22′に重ねら れる。底隅折返片22,22′および側面折返片22,22′と側面部材26、 26′とは、たとえば超音波溶着、熱溶着、または接着剤による接着などにより 互いに固着される。
【0025】 また、図5に示すケース10の側面折返片22,22′の上端部には、収納凹 部として、付勢片36,36′の形状とほぼ対応する形状の切り欠き42,42 ′が形成される。切り欠き42,42′は、ケース10を図1に示したものと同 様に組み立てて、係止片32,32′を折り返した際に、付勢片36,36′が 側面部材26,26′の内面に当接する位置を切り欠いて形成される。したがっ て、このケース10を組み立てて、図6(A)の状態から図6(B)の状態を経 由して、係止片32,32′をケース本体11内に折り曲げた際には、図6(C )に示すように、付勢片36,36′が切り欠き42,42′内に収納されて、 側面折返片22,22′と面一になる。そのため、格納物の出し入れをする際に 付勢片36,36′に引っ掛かることがなくなるので、格納物の出し入れがし易 く、また、ケース10が損傷しにくい。しかも、美感も向上する。 なお、図5に示すケ−ス10の他の部分の構造ないし作用は、図1および図2 に示したケース10と同様である。
【0026】 さらに、図7は、この発明にかかるケースの要部の変形例を示す図解図である 。図7に示す変形例では、係止片32,32′とケース本体11との境目近傍に たとえば矩形の貫通孔44,44′が形成されている。このように貫通孔44, 44′を形成することにより、第1のヒンジ部38,38′が貫通孔44,44 ′を間に挟んで2つに分割される。このように第1のヒンジ部38,38′上に 適宜に貫通孔を形成することにより、係止片32,32′の折り曲げ操作が容易 にできるようになる。
【0027】 図8は、この発明にかかるケースの要部のさらに他の変形例を示す図解図であ る。図8に示す変形例では、係止片32,32,32′,32′が、開口部28 の4隅にそれぞれ形成される。そして、側面部材26,26′の面方向に隣接し た係止片32,32が、ケース10の開口部28の短辺方向に延びる接続片46 によって互いに接続される。また、係止片32′,32′がケース10の開口部 28の短辺方向に延びる接続片46′によって互いに接続される。したがって、 この変形例の係止片32,32および係止片32′,32′は、それぞれ平面略 コの字形状を有する。この場合には、前面部材14の内面と後面部材16の内面 と側面部材26,26′の内側との4面において、それぞれ被挟持物を挟持する ことができる。また、接続片46,46′は、側面部材26,26′の幅方向の 一端から他端まで延びて形成されているので、その長さの被挟持物の一辺を一端 から他端にわたって挟持することができる。なお、この実施形態において、前面 部材14の面方向に隣接する係止片を開口部28の長辺方向に延びる接続片で接 続しないのは、接続片を長辺方向に延ばすと、図10(B)に示した従来の挟持 片5と同様に接続片の中間部が跳ね上がりやすくなり、被挟持物の挟持力が弱ま ったり、格納物の出し入れ時に引っ掛かったりする不都合があるからである。
【0028】 図9は、この発明にかかるケースの要部の別の変形例を示す図解図である。図 9に示す変形例では、上述の各例とは異なり、係止片32,32′がケース本体 11の隅部30,30′の高さ方向の上端部ではなく、中間部に設けられる。こ のようにすることにより、前面部材14の高さよりも高さの低い被挟持物Pを挟 持することができる。なお、図9では、図1ないし図4に示した係止片32,3 2′と同様のものをケース本体11の隅部30,30′の高さ方向の中間部に設 けた例を図示したが、これに限るものではなく、たとえば図6ないし図8に図示 した各係止片のいずれかを設けてもよいのはもちろんのことである。
【0029】 なお、上述した各実施形態では、四角い開口部28を有するケース本体11の 隅部に係止片32,32′を設けたが、これに限らず、たとえば三角形状や台形 状その他の形状の開口部を有するケース本体11の隅部に上述したものと同様の 係止片32,32′を設けてもよい。
【0030】
【考案の効果】
上述したように、本考案にかかるケースによれば、取扱説明書等の被挟持物を 安定的に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案にかかるケースの一例を示す図解図であ
る。
【図2】図1に示すケースの展開図である。
【図3】第1のヒンジ部の一例を示す要部図解図であ
る。
【図4】(A)は、図1に示すケースによって被挟持物
を挟持する前の状態を示す要部図解図である。(B)
は、図1に示すケースの係止片が折り曲げられていく中
間段階を示す要部図解図である。(C)は、図1に示す
ケースの係止片が被挟持物の上端角部を前面部材の内面
との間で挟持しながら、ケース本体内に完全に折り込ま
れた状態を示す要部図解図である。
【図5】本考案にかかるケースの他の例を示す展開図で
ある。
【図6】(A)は、図5に示すケースによって被挟持物
を挟持する前の状態を示す要部図解図である。(B)
は、図5に示すケースの係止片が折り曲げられていく中
間段階を示す要部図解図である。(C)は、図5に示す
ケースの係止片が、被挟持物の上端角部を前面部材の内
面との間で挟持しながら、ケース本体内に完全に折り込
まれた状態を示す要部図解図である。
【図7】(A)は、この発明にかかるケースの要部の変
形例が被挟持物を挟持する前の状態を示す要部図解図で
ある。(B)は、その係止片が折り曲げられていく中間
段階を示す要部図解図である。(C)は、その係止片
が、被挟持物の上端角部を前面部材の内面との間で挟持
しながら、ケース本体内に完全に折り込まれた状態を示
す要部図解図である。
【図8】(A)は、この発明にかかるケースの要部のさ
らに他の変形例が被挟持物を挟持する前の状態を示す要
部図解図である。(B)は、その係止片が、被挟持物の
上端角部を前面部材の内面との間で挟持しながら、ケー
ス本体内に完全に折り込まれた状態を示す要部図解図で
ある。
【図9】(A)は、この発明にかかるケースの要部の別
の変形例が被挟持物を挟持する前の状態を示す要部図解
図である。(B)は、その係止片が折り曲げられていく
中間段階を示す要部図解図である。(C)は、その係止
片が、被挟持物の上端角部を前面部材の内面との間で挟
持しながら、ケース本体内に完全に折り込まれた状態を
示す要部図解図である。
【図10】(A)は、本考案の背景となる従来のケース
によって被挟持物を挟持した状態をを示す図解図であ
る。(B)は、挟持片が2点鎖線の矢印で示す方向に開
いてしまった状態を示す図解図である。
【符号の説明】
10 ケース 12 底面部材 14 前面部材 16 後面部材 18,18′ 貫通孔 20,20′ 底隅折返片 22,22′ 側面折返面 24,24′ 切り欠き 26,26′ 側面部材 28 開口部 30,30′ 隅部 32,32′ 係止片 34,34′ 当接片 36,36′ 付勢片 38,38′ 第1のヒンジ部 40,40′ 第2のヒンジ部 42,42′ 切り欠き 44,44′ 貫通孔 46,46′ 接続片
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 新 井 裕 大阪市中央区農人橋1丁目1番22号 株式 会社 リヒトラブ内

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性および弾性を有する材質からなる
    複数の面部材で形成された壁面を備える有底箱型のケー
    ス本体、および互いに交差する方向に延びている前記面
    部材が互いに接続されている交線を囲む隅部に形成さ
    れ、シート状物などの被挟持物を前記面部材の内面との
    間で挟持するための係止片を含むケースであって、 前記係止片は、互いに交差する方向に延びている前記面
    部材のうちの一方に第1のヒンジ部を介して折り曲げ可
    能に接続され、被挟持物に当接される当接片と、 互いに交差する方向に延びている前記面部材のうちの他
    方に第1のヒンジ部を介して折り曲げ可能に接続され、
    前記当接片を前記面部材の内面へ向かって付勢するため
    の付勢片とを含み、 前記当接片と前記付勢片とは、前記隅部を構成する前記
    面部材の交線に直線的に連続するよう形成されている第
    2のヒンジ部で折り曲げ可能に接続された、ケース。
  2. 【請求項2】 前記付勢片は、前記当接片よりも小さく
    形成されることを特徴とする、請求項1に記載のケー
    ス。
  3. 【請求項3】 前記係止片は、前記隅部において、前記
    ケース本体に格納物が出し入れされる方向の前記底面部
    材とは反対側の端部に形成される、請求項1または請求
    項2に記載のケース。
  4. 【請求項4】 前記係止片は、前記隅部において、前記
    ケース本体に格納物が出し入れされる方向の中間部に形
    成される、請求項1または請求項2に記載のケース。
  5. 【請求項5】 前記面部材の面方向に隣接した複数の前
    記係止片が、それらの中間に形成された接続片によって
    互いに接続される、請求項1ないし請求項4のいずれか
    に記載のケース。
  6. 【請求項6】 前記当接片を前記面部材の内面へ向かっ
    て付勢している前記付勢片を収納するための収納凹部が
    前記面部材の内面を凹ませて形成された、請求項1ない
    し請求項5のいずれかに記載のケース。
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