JP3037106B2 - アルコール濃度の測定方法及び測定装置 - Google Patents

アルコール濃度の測定方法及び測定装置

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JP3037106B2
JP3037106B2 JP7133587A JP13358795A JP3037106B2 JP 3037106 B2 JP3037106 B2 JP 3037106B2 JP 7133587 A JP7133587 A JP 7133587A JP 13358795 A JP13358795 A JP 13358795A JP 3037106 B2 JP3037106 B2 JP 3037106B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶液中のアルコール
濃度、例えば醸造過程における発酵物のアルコール濃度
を測定するのに好適なアルコール濃度の測定方法及び測
定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水溶液中のアルコール濃度は、一
定容積のチャンバーを70〜80℃程度に加熱し、この
チャンバー内に一定量の試料アルコール水溶液を注入し
て水溶液中のアルコール分を蒸発させ、この気相中のア
ルコール分をガスセンサにて検知して、このときのセン
サ感度を、予め濃度既知の校正用アルコール水溶液で作
成した検量線に当てはめて液相中のアルコール濃度とし
て測定している。
【0003】例えば、校正用アルコール水溶液として2
5Vol%アルコール水溶液を用い、このアルコール水
溶液を70〜80℃に加熱したチャンバー内に50μl
注入して水溶液中のアルコール分を蒸発させ、この気相
中のアルコール分を接触燃焼式ガスセンサにて検知し
て、このときのセンサ感度15mVを得ることができ
る。しかる後このセンサ感度(15mV)、アルコール
濃度(25Vol%)を、図6に示すように縦軸をセン
サ感度(mV)、横軸を液相中のアルコール濃度(Vo
l%)にしたグラフ中に点表示し、この点a1 と原点
(センサ感度=0、液相中のアルコール濃度=0)とを
結んで検量線aを得ることができる。
【0004】そして濃度未知の試料アルコール水溶液
は、同様に処理して気相中のアルコール濃度を接触燃焼
式ガスセンサのセンサ感度として測定し、このセンサ感
度を検量線aに当てはめることによって液相中のアルコ
ール濃度を測定することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
アルコール濃度の測定方法は、ガスセンサがアルコール
以外に同時に蒸発する水蒸気にも感度を示すため、校正
濃度以下で誤差を生じる、という課題を有している。
【0006】すなわち、各アルコール濃度での水のみの
センサ感度は、図6に示すように、破線bで表わすこと
ができ、水のみのセンサ感度により、アルコールの濃度
誤差をプラス側に発生させている。
【0007】本発明は、前記した課題を解決すべくなさ
れたものであり、その目的は、測定時に同時に蒸発する
水分の影響を補正し、測定精度の向上したアルコール濃
度の測定方法及び測定装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ため、請求項1記載の発明は、試料アルコール水溶液中
に含有するアルコール分を蒸発させて、ガスセンサにて
気相中のセンサ感度を検知し、このセンサ感度を予め濃
度既知の校正用アルコール水溶液の気相中のセンサ感度
により作成した検量線に当てはめて前記試料アルコール
水溶液の液相中のアルコール濃度を測定するアルコール
濃度の測定方法において、前記検量線を、濃度既知の校
正用アルーコル水溶液及び水のみのゼロベースをそれぞ
れ蒸発させて得た気相中のセンサ感度と、前記校正用ア
ルコール水溶液の液相中のアルコール濃度とから下式に
より補正データを求め、 x=(V0 −m)/G0 x :補正データ V0 :校正用アルコール水溶液の気相中のセンサ感度
(mV) G0 :校正用アルコール水溶液の液相中のアルコール濃
度(Vol%) m :水のみのゼロベースの気相中のセンサ感度(m
V) この補正データを補正因子とする下式により作成した G=(V−m)/x G:試料アルコール水溶液の液相中のアルコール感度
(Vol%) V:試料アルコール水溶液の気相中のセンサ濃度(m
V) ことを特徴としている。
【0009】また、請求項2記載の発明は、試料アルコ
ール水溶液を一定温度下で蒸発させるセンサチャンバ内
に設置されたガスセンサの検出出力によりセンサチャン
バ内の気相中のセンサ感度を検出するセンサ検出回路
と、このセンサ検出回路から出力される気相中のセンサ
感度と予め記憶された格納データとにより前記試料アル
コール水溶液の液相中のアルコールの濃度を演算するア
ルコール濃度補正回路と、このアルコール濃度補正回路
から出力された前記アルコール濃度を表示する表示部と
を備えたアルコール濃度の測定装置において、前記アル
コール濃度補正回路が、濃度既知の校正用アルコール水
溶液中のアルコール分を蒸発させて得た気相中のセンサ
感度と、水のみのゼロベースを蒸発させて得たセンサ感
度と、前記校正用アルコール水溶液の液相中のアルコー
ル濃度と、これらを演算して求めた補正データとを格納
した記憶部と、この記憶部の格納データと試料アルコー
ル水溶液中のアルコール分を蒸発させて得た気相中のセ
ンサ感度とから、下式 G=(V−m)/x(但しx=(V0 −m)/G0 ) G:試料アルコール水溶液の液相中のアルコール濃度
(Vol%) V:試料アルコール水溶液の気相中のセンサ感度(m
V) x :補正データ m :水のみのゼロベースの気相中のセンサ感度(m
V) G0 :校正用アルコール水溶液の液相中のアルコール濃
度(Vol%) V0 :校正用アルコール水溶液の気相中のセンサ感度
(mV) により試料アルコール水溶液の液相中のアルコール濃度
を演算する演算部とを備えて構成されていることを特徴
としている。
【0010】さらに、請求項3記載の発明は、請求項2
記載のアルコール濃度測定装置であって、前記ガスセン
サが、接触燃焼式ガスセンサ、気体熱伝導式ガスセン
サ、固体電解式ガスセンサ、及び半導体ガスセンサのう
ちのいずれか一つであることを特徴としている。
【0011】
【作用】請求項1乃至3記載の発明は、前記した構成に
なっているので、次の作用を奏する。
【0012】すなわち、請求項1記載の発明は、水のみ
のゼロベースを蒸発させて得られる気相中のセンサ感度
を加味した補正データを求め、この補正データを補正因
子として検量線を作成し、この検量線に基づいて濃度未
知の試料アルコール水溶液のアルコール濃度を測定する
ようにしたので、得られたアルコール濃度は水蒸気に起
因する誤差の極力少ないものとなる。
【0013】すなわち、水のみのゼロベースの気相中の
センサ感度(mV)をmとし、校正用アルコール水溶液
のアルコールの濃度(Vol%)をG0 とし、かつこの
校正用アルコール水溶液の気相中のセンサ感度(mV)
をV0 としたときに、 V0 =G0 x+m と表わすことができ、これを展開して補正データxを下
式 x=V0 −m/G0 により求めることができる。
【0014】従って、濃度未知の試料アルコール水溶液
の気相中のセンサ感度(mV)をVとしたとき、その液
相中のアルコール濃度(Vol%)Gは前記補正データ
xを補正因子とした下式 G=(V−m)/x により作成した検量線により求めることができる。
【0015】また、請求項2記載の発明は、アルコール
濃度補正回路が、水のみのゼロベースを蒸発させて得ら
れる気相中のセンサ感度mを加味して得られる補正デー
タx等を格納した記憶部と、濃度未知の試料アルコール
水溶液の液相中のアルコール濃度Gを、前記補正データ
x,前記水のみのゼロベースの気相中のセンサ感度m、
及び前記試料アルコール水溶液の気相中のセンサ感度V
から下式 G=(V−m)/x に基づいて演算する演算部とを備えて構成したので、試
料アルコール水溶液を蒸発させるセンサチャンバ内に設
置されたガスセンサにより気相中のセンサ感度Vを検出
することにより、その液相中のアルコール濃度Gを、測
定時に同時蒸発する水蒸気に起因する誤差の発生を極力
少なくして自動的に演算することができる。
【0016】さらに、請求項3記載の発明は、ガスセン
サとして、接触燃焼式ガスセンサ、気体熱伝導式ガスセ
ンサ、固体電解式ガスセンサ、及び半導体ガスセンサの
うちいずれか一つで構成するようにしたので、センサチ
ャンバ内の気相中のアルコール濃度に対して適確に応答
して高精度のセンサ感度を出力することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図示した実施例に基づいて具
体的に説明する。図1は、本発明の測定方法に用いられ
る検量線cを示す。この検量線cは、水のみのゼロベー
スを蒸発させて得られる気相中のセンサ感度を加味した
補正データを求め、この補正データを補正因子として作
成したものである。
【0018】すなわち、一定温度に制御された室内に設
置されたガスセンサによって検知される気相中のセンサ
感度であって、水のみのゼロベースを蒸発させたときに
検知されるセンサ感度をm(mV)とし、濃度G0 (V
ol%)の校正用アルコール水溶液を蒸発させたときに
検知されるセンサ感度をV0 (mV)とし、かつ補正因
子をxとしたときに、V0 =G0 x+mに表わすことが
でき、この式を展開するとx=(V0 −m)/G0 とな
り、補正因子xを求めることができる。
【0019】また、同様に、濃度未知の試料アルコール
水溶液の液相中のアルコール濃度G(Vol%)と、こ
の試料アルコール水溶液の気相中のセンサ感度V(m
V)との間には、V=Gx+mが成立し、この式を展開
したG=(V−m)/xからなる検量線cを作成するこ
とができる。
【0020】このため、まず補正因子xを求め、次に試
料アルコール水溶液の気相中のセンサ感度Vを求め、こ
のセンサ感度Vを検量線cに当てはめて濃度未知の試料
アルコール水溶液の液相中のアルコール濃度Gを求める
ことができる。
【0021】次に、その実験例を示す。 実験例:室温65〜70℃に制御された容積800cc
の蒸発室内に検体30μlを蒸発させ、蒸発室内に設置
した接触燃焼式ガスセンサで室内の気相中のセンサ感度
を検知した。
【0022】まず、検体として水のみのゼロベース、及
び25Vol%校正用アルコール水溶液を用いてそれぞ
れの気相中のセンサ感度を測定し、この測定結果に基づ
いて補正因子xを求めた。
【0023】すなわち、このときの測定結果は、水のみ
のゼロベースの気相中のセンサ感度m=0.5mV、校
正用アルコール水溶液の気相中のセンサ感度V0 =15
mVであり、これより前式に基づいて補正因子x=0.
58を求めることができる。
【0024】次に、この補正因子x=0.58及び水の
みのゼロベースの気相中のセンサ感度m=0.5を代入
してG=(V−0.5)/0.58からなる検量線cを
作成した。なお、同時に水分の影響を無視した従来の検
量線a(図1に破線で示す)も作成した。このときの検
量線aは、V=(V0 /G0 )Gを展開してG=(G0
/V0 )Vとなり、それぞれ校正用アルコール水溶液の
液相中のアルコール濃度G0 =25Vol%、そのとき
の気相中のセンサ感度Vo =15mVを代入してG=
(25/15)Vとなる。
【0025】そして1.0,5.0,10,15及び2
0Vol%の各アルコール水溶液の気相中のセンサ感度
(V)を測定し、それぞれのセンサ感度(V)を検量線
c及びaに当てはめて液相中のアルコール濃度(G)を
測定した。このときの測定結果を表1に示す。この表1
は検量線cで求めた結果を本発明方法とし、検量線aで
求めた結果を比較方法としてそれぞれ表示した。
【0026】
【表1】 また、表1における誤差濃度は、各濃度レベルのアルコ
ール水溶液の既知濃度と、本発明方法及び比較方法で測
定した各アルコール濃度との差であり、この誤差濃度を
グラフで表示すると図2の通りとなる。
【0027】図2において、破線Aは本発明方法で発生
する誤差濃度を示し、実線Bは比較方法で発生する誤差
濃度を示す。
【0028】これら表1及び図2から解るように、本発
明方法は、比較方法に比べて誤差濃度の絶対値の小さい
測定結果が得られ、測定精度の向上したものとなってい
る。そしてこの傾向は低濃度側で顕著なものとなってい
る。
【0029】次に、本発明方法を好適に実施できる測定
装置について述べる。図3乃至図5に一実施例としての
測定装置1を示す。この測定装置1は、図5に示すよう
に、試料アルコール水溶液を蒸発させる密閉空間を構成
するセンサチャンバ2と、このセンサチャンバ2内に設
置されたガスセンサ7の検出出力により前記試料アルコ
ール水溶液の液相中のアルコール濃度を検出するガス検
出手段10と、センサチャンバ2内に設置されたヒータ
4及び温度センサ8によりセンサチャンバ2内を一定温
度に保持する加熱手段9と、ガス検出手段10から出力
される液相中のアルコール濃度を表示する表示部15と
から大略構成されている。
【0030】ガス検出手段10は、ガスセンサ7の検出
出力によりセンサチャンバ2内の気相中のセンサ感度を
検出するセンサ検出回路18と、このセンサ検出回路1
8から出力される気相中のセンサ感度と予め記憶された
格納データとにより試料アルコール水溶液の液相中のア
ルコール濃度を演算するアルコール濃度補正回路19と
から構成されている。
【0031】このときアルコール濃度補正回路19は、
濃度既知の校正用アルコール水溶液を蒸発させて得た気
相中のセンサ感度V0 と、水のみのゼロベースを蒸発さ
せて得たセンサ感度mと、前記校正用アルコール水溶液
の液相中のアルコール濃度G0 と、これらセンサ感度V
0 ,m及びアルコール濃度G0 を式x=(V0 −m)/
0 に基づいて演算して求めた補正データxとを格納し
た記憶部20と、この記憶部20の格納データと試料ア
ルコール水溶液中のアルコール分を蒸発させて得た気相
中のセンサ感度Vとから、式G=(V−m)/xに基づ
いて試料アルコール水溶液の液相中のアルコール濃度G
を演算する演算部21とから構成されている。
【0032】また、加熱手段9は、ヒータ4を制御す
る、温度センサ8,温度制御回路16、及び温度補正回
路17とから構成されている。
【0033】温度センサ8は、センサチャンバ2内の温
度を検出するもので、ヒータ4と共に、温度制御回路1
6に接続されている。
【0034】温度制御回路16は、ヒータ4に電力を供
給すると共に、予め入力された設定値と、温度センサ4
の出力に基づいて検出した温度信号とを比較し、この比
較値に基づいて電力の供給を制御してセンサチャンバ2
内の温度を設定値に維持するものである。前記温度信号
は温度補正回路17に出力され、この回路17で補正さ
れてアルコール濃度補正回路19に入力されるようにな
っている。
【0035】具体的には、図3及び図4に示すように、
測定装置1は、筐体内に収容され密閉空間を形成するセ
ンサチャンバ2と、このセンサチェンバ2内に設けられ
て試料アルコール水溶液Lを保持する試料保持手段12
と、この試料保持手段12に保持された試料アルコール
水溶液Lを所定の温度に加熱してアルコール分を蒸発さ
せる加熱手段9と、この加熱手段9により加熱されたセ
ンサチャンバ2内の気体を撹拌するファン5と、このフ
ァン5により撹拌された気体中のアルコールの濃度を検
出しアルコール濃度信号を出力するガス検出手段10
と、このガス検出手段10からのアルコール濃度信号に
よりアルコール濃度を表示する表示部15とを備えて構
成されている。
【0036】センサチャンバ2は、その上部開口部が開
閉自在に取付けられたチャンバ蓋体3で閉塞されて密閉
空間を構成するようになっており、その内部には加熱手
段9を構成するヒータ4及び温度センサ8,並びにガス
検出手段10を構成するガスセンサ7が設置されてい
る。
【0037】また、チャンバ蓋体3には、弾性部材から
なる試料注入部13が設けられており、シリンダ部材、
例えば注射器14の針をこの試料注入部13を貫いて挿
入し、試料アルコール水溶液Lを注入する。注射器14
を引抜いた後は、気密に閉塞される。
【0038】ガスセンサ7は、接触燃焼式ガスセンサ、
気体熱伝導式ガスセンサ、固体電解式ガスセンサ、及び
半導体ガスセンサのうちのいずれか一つで構成され、セ
ンサチャンバ2内の気相中のアルコール濃度に対して適
確に応答して高精度のセンサ感度を出力することができ
る。
【0039】また、試料保持手段12は、拡散孔を多数
穿設した円筒状部材で構成されており、試料注入部13
が設けられたチャンバ蓋体3の下面に、センサチャンバ
2内に突出するようにして取付けられている。この試料
保持手段12内には、アルコールを分散させ気化を促進
するフィルタ部材11が装着されている。
【0040】フィルタ部材11としては、例えばセルロ
ース繊維などがあるが、このフィルタ部材11に液状の
試料アルコール水溶液を滴下すると、アルコールは分散
が促進され、速やかに気化する。また、アルコールや水
分の蒸発後、試料アルコール水溶液L中のエキス、例え
ば糖分は固形物として残留するが、フィルタ部材11に
吸着されるので、炭化による悪影響を防止することがで
きる。
【0041】さらに、ファン5は、送風案内体6で囲繞
されて、試料保持手段12の直下に対応するセンサチャ
ンバ2の底部中央部に設置されている。送風案内体6
は、下部側壁が大きく開放されて気体の流入自在で、上
部側壁が多数の通気孔が穿設されて円筒状部材として形
成されている。
【0042】このように構成された測定装置1は次のよ
うに作動する。まず、センサチャンバ2内を十分換気
し、ガス検出手段10を作動させて、アルコールが検出
されないのを確認した後、チャンバ蓋体3を気密に閉じ
る。そこで加熱手段9、ファン5、ガス検出手段10を
作動させ、設定温度例えば60℃〜80℃で暖気運転を
行う。このようなセンサチャンバ2内の換気及び暖気運
転は、複数の測定を繰り返し行なう場合には、各測定間
で行なう。
【0043】このようにしてセンサチャンバ2内の測定
環境を調整した後、注射器14から水のみのゼロベース
をフィルタ部材11上に所定量滴下して、まず水のみの
ゼロベースの気相中のセンサ感度mを測定し、次で濃度
既知の校正用アルコール水溶液の気相中のセンサ感度V
0 を同様に測定し、これらのセンサ感度m,V0 を、こ
れらセンサ感度m,V0 及び校正用アルコール水溶液の
液相中のアルコール濃度G0 により求められる補正デー
タxと共にガス検出手段10を構成するアルコール濃度
補正回路19の記憶部20に格納する。
【0044】このようにして予備調整が完了する。
【0045】次で注射器14から濃度未知の試料アルコ
ール水溶液、例えばろ過した日本酒のもろみをフィルタ
部材11上に所定量滴下してアルコール分を蒸発させ、
そのときのセンサチャンバ2内の気相中のセンサ感度V
を検出し、ガス検出手段10を構成するアルコール濃度
補正回路19の演算部21で、記憶部20の格納データ
と前記センサ感度Vとから演算式G=(V−m)/xに
基づいて演算してもろみの液相中のアルコール濃度Gを
算出し、このアルコール濃度Gを記憶すると共に、液相
濃度信号として表示部15に出力してアルコール濃度G
をデジタル表示すると共に同時に記憶する。
【0046】なお、アルコール濃度Gは、加熱手段9を
構成する温度補正回路17からアルコール濃度補正回路
19に出力される温度信号により温度の影響を補正した
条件下で算出される。
【0047】このようにして求められたアルコール濃度
Gは、前述した本発明の測定方法と同様に、測定時に同
時に蒸発する水分の影響が補正されて発生誤差の小さな
高精度の値となる。
【0048】このように測定装置1は、試料アルコール
水溶液を蒸発させるセンサチャンバ2内に設置されたガ
スセンサ7により気相中のセンサ感度Vを検出すること
により、その液相中のアルコール濃度Gを自動的に演算
して表示することができると共に、測定時に同時蒸発す
る水蒸気に起因する誤差の発生を極力少なくして高精度
のアルコール濃度Gを求めることができる。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば次の効果を奏する。
【0050】すなわち、請求項1記載の発明によれば、
水のみのゼロベースを蒸発させて得られる気相中のセン
サ感度を加味した補正データを求め、この補正データを
補正因子として検量線を作成し、この検量線に基づいて
濃度未知の試料アルコール水溶液のアルコール濃度を測
定するようにしたので、得られたアルコール濃度は水蒸
気に起因する誤差の極力少ないものとなり、この結果、
測定時に同時蒸発する水分の影響を補正し、測定精度の
向上したアルコール濃度の測定方法を提供することがで
きる。
【0051】また、請求項2記載の発明によれば、アル
コール濃度補正回路を、水のみのゼロベースを蒸発させ
て得られる気相中のセンサ感度を加味して得られる補正
データ等を格納した記憶部と、濃度未知の試料アルコー
ル水溶液の液相中のアルコール濃度を前記記憶部の補正
データ等を補正因子として演算する演算部とで構成した
ので、センサチャンバ内に設置されたガスセンサにより
気相中のセンサ感度を検出することにより、その液相中
のアルコール濃度を、測定時に同時蒸発する水蒸気に起
因する誤差の発生を極力少なくして自動的に演算するこ
とができ、この結果、測定時に同時蒸発する水分の影響
を補正し、測定精度の向上したアルコール濃度の測定装
置を提供することができる。
【0052】さらに、請求項3記載の発明によれば、ガ
スセンサとして、接触燃焼式ガスセンサ、気体熱伝導式
ガスセンサ、固体電解式ガスセンサ、及び半導体ガスセ
ンサのうちのいずれか一つで構成するようにしたので、
センサチャンバ内の気相中のアルコール濃度に対して適
確に応答して高精度のセンサ感度を出力することがで
き、この結果、請求項2記載の発明の効果に加えて測定
精度の一層向上したアルコール濃度の測定装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例としての検量線を示すグラフである。
【図2】図1の検量線と従来の検量線を用いてそれぞれ
算出したときに発生する誤差濃度を比較したグラフであ
る。
【図3】一実施例としての測定装置の斜視図である。
【図4】図3の測定装置の部分破断側面図である。
【図5】図3の測定装置の制御系のブロック図である。
【図6】従来の検量線を示すグラフである。
【符号の説明】
1 測定装置 2 センサチャンバ 7 ガスセンサ 18 センサ検出回路 19 アルコール濃度補正回路 20 記憶部 21 演算部 c 検量線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/00 G01N 27/58 Z (56)参考文献 特開 平5−280746(JP,A) 特開 平4−48252(JP,A) 特開 昭63−210760(JP,A) 実開 平7−12962(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/00 - 27/49 G01N 33/00 - 33/46

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料アルコール水溶液中に含有するアル
    コール分を蒸発させて、ガスセンサにて気相中のセンサ
    感度を検知し、このセンサ感度を予め濃度既知の校正用
    アルコール水溶液の気相中のセンサ感度により作成した
    検量線に当てはめて前記試料アルコール水溶液の液相中
    のアルコール濃度を測定するアルコール濃度の測定方法
    において、 前記検量線を、 濃度既知の校正用アルコール水溶液及び水のみのゼロベ
    ースをそれぞれ蒸発させて得た気相中のセンサ感度と、
    前記校正用アルコール水溶液の液相中のアルコール濃度
    とから下式により補正データを求め、 x=(V0 −m)/G0 x :補正データ V0 :校正用アルコール水溶液の気相中のセンサ感度
    (mV) G0 :校正用アルコール水溶液の液相中のアルコール濃
    度(Vol%) m :水のみのゼロベースの気相中のセンサ感度(m
    V) この補正データを補正因子とする下式により作成した G=(V−m)/x G:試料アルコール水溶液の液相中のアルコール濃度
    (Vol%) V:試料アルコール水溶液の気相中のセンサ感度(m
    V) ことを特徴とするアルコール濃度の測定方法。
  2. 【請求項2】 試料アルコール水溶液を一定温度下で蒸
    発させるセンサチャンバ内に設置されたガスセンサの検
    出出力によりセンサチャンバ内の気相中のセンサ感度を
    検出するセンサ検出回路と、 このセンサ検出回路から出力される気相中のセンサ感度
    と予め記憶された格納データとにより前記試料アルコー
    ル水溶液の液相中のアルコールの濃度を演算するアルコ
    ール濃度補正回路と、 このアルコール濃度補正回路から出力された前記アルコ
    ール濃度を表示する表示部とを備えたアルコール濃度の
    測定装置において、 前記アルコール濃度補正回路が、 濃度既知の校正用アルコール水溶液中のアルコール分を
    蒸発させて得た気相中のセンサ感度と、水のみのゼロベ
    ースを蒸発させて得たセンサ感度と、前記校正用アルコ
    ール水溶液の液相中のアルコール濃度と、これらを演算
    して求めた補正データとを格納した記憶部と、 この記憶部の格納データと試料アルコール水溶液中のア
    ルコール分を蒸発させて得た気相中のセンサ感度とか
    ら、下式 G=(V−m)/x(但しx=(V0 −m)/G0 ) G:試料アルコール水溶液の液相中のアルコール濃度
    (Vol%) V:試料アルコール水溶液の気相中のセンサ感度(m
    V) x :補正データ m :水のみのゼロベースの気相中のセンサ感度(m
    V) G0 :校正用アルコール水溶液の液相中のアルコール濃
    度(Vol%) V0 :校正用アルコール水溶液の気相中のセンサ感度
    (mV) により試料アルコール水溶液の液相中のアルコール濃度
    を演算する演算部とを備えて構成されていることを特徴
    とするアルコール濃度の測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のアルコール濃度測定装置
    であって、 前記ガスセンサが、接触燃焼式ガスセンサ、気体熱伝導
    式ガスセンサ、固体電解式ガスセンサ、及び半導体ガス
    センサのうちのいずれか一つであることを特徴とするア
    ルコール濃度の測定装置。
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