JP3035805B2 - 冷却塔 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、冷凍機、冷温水機、
各種工程の熱交換器などで使用する冷却水を循環して供
給する冷却塔に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、冷却塔はビルの屋上に設置されて
いる。そして、長期間の運転によって循環する水は濃縮
され、冷凍機等の機器にスケールの付着による運転障
害、水の温度上昇、溶存酸素、及び水中の腐食因子等に
よる機器や配管の腐食、水中の微生物、大気中の塵埃、
土砂等が混成したスライムや、水の汚れから発生するス
ラッジによる配管の詰り、病原菌の発生等の問題を惹き
起こす。このため、冷却塔には必要量の薬液を注入し、
スケール、腐食、スライム、スラッジの発生を防止し、
且つ殺菌を行い、安定した運転を行うことが必要であ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】薬液を入れる薬液タン
クは、従来は上下方向に細長い縦型であり、薬液タン
ク、薬液を冷却塔に注入するポンプは夫々冷却塔とは別
に個々に屋上に設置している。従って、薬液タンク、ポ
ンプ、冷却塔を屋上に個々に固定支持することが必要で
あると共に、その相互を配管で接続しなければならず、
設置に非常に手数がかゝる。又、屋上はこれら冷却塔、
薬液タンク、ポンプによってスペースを広く占拠され、
他の用途に利用する余地が少ない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題点
を解消するために開発されたもので、下向きの脚を有す
る水槽上に冷却塔本体を据付け、水処理用の薬液タン
ク、及び該タンク中の薬液を冷却塔本体に供給するポン
プを架台上に設置し、且つ上記脚により保たれた水槽の
下の空間に格納したことを特徴とする。この場合、薬液
タンクは長辺と短辺を有する扁平な直方体で、その一つ
の短辺に沿った１つのコーナに薬液の補給口、上記短辺
に沿った他の１つのコーナに直角の隅切り凹部を設け、
該凹部上にポンプを設置したタンクを架台上に設置し、
水槽の下の空間に格納したものである。

【０００５】

【実施例】図示の各実施例において、１０は冷却塔本
体、１１は下向きの脚１２を複数本有し、上記冷却塔本
体がその上に据付けられる水槽を示す。水槽の下向きの
脚１２の長さは通常５０ｃｍ程度である。１３は薬液タ
ンクで、数日分の薬液を貯えるための容量１００立の平
型にすると、図示のように長辺約１ｍ、短辺約５０ｃ
ｍ、高さ約３０ｃｍの扁平な直方体にすることができ
る。そして、キャップ１４で開閉する薬液の補給口はタ
ンクの１つの短辺１３ａに沿った１つのコーナ１５ａに
設ける。又、この短辺１３ａに沿った他の１つのコーナ
１５ｂには直角の隅切り凹部１６を設け、そこに送液用
のポンプ１７を設置する。

【０００６】そして、薬液タンク１３はほゞ同大の長方
形の架台１８上に載せる。この架台は図３に示すような
板状のものや、図５に示すようなフレーム状にしたもの
など、薬液タンクを安定に設置できるものであればよ
い。この架台にはタンクの二つの長辺と、補給口、ポン
プを設置した隅切り凹部１６を有する短辺１３ａとは反
対の短辺１３ｂに沿う起立壁１９を設け、薬液タンクに
薬液が入っているときに薬液タンクが膨らむのを防止す
ると共に、薬液タンクの内の薬液が少なくなったときに
風などで動かされるのを防止する。又、図４に示すよう
に固定用ベルト２１等の固定手段を用いて架台１８に薬
液タンク１３を固定するようにしてもよい。こうしてポ
ンプを隅切り凹部に設置した薬液タンクを架台上に載
せ、これを脚１２により保たれた水槽の下の空間２０に
格納する。この場合、図２に示すようにタンクの短辺１
３ａ側を空間２０から外に少し突出させておくことが好
ましい。それは、こうすることによりキャップ１４を開
けて補給口への薬液の補給が容易に行えると共に、ポン
プのメンテナンスが容易になるからである。

【０００７】必要により脚１２と架台１８ないし起立壁
１９をボルト、ナットで連結してもよい。

【０００８】

【発明の効果】以上で明らかなように、本発明では薬液
タンクと、ポンプを脚１２により保たれた水槽の下の空
間２０に格納したので、屋上等の狭いスペースを有効に
利用することができる。そして、冷却塔本体と薬液タン
ク、ポンプが接近するので配管などによる接続が容易に
なり、施工期の短縮、コストダウンが図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による冷却塔の第１実施例の立面図であ
る。

【図２】本発明による冷却塔の第２実施例の立面図であ
る。

【図３】薬液タンク、ポンプ、架台の関係を示す斜視図
である。

【図４】薬液タンクをベルトで架台に固定した状態を示
す。

【図５】架台の他の実施例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１０ 冷却塔本体 １１ 水槽 １２ 水槽の脚 １３ 薬液タンク １４ 薬液タンクの補給口のキャップ １７ 送液用のポンプ １８ 架台 １９ 架台の起立壁 ２０ 水槽の下の空間 ２１ 固定用ベルト

フロントページの続き (72)発明者 小管 雅夫 東京都新宿区西新宿３丁目４番７号 栗 田工業株式会社内 (56)参考文献 実開 平３−123530（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭53−43262（ＪＰ，Ｕ) 実開 平６−55080（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F28F 25/00 F28F 19/01

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下向きの脚を有する水槽上に冷却塔本体
   を据付け、水処理用の薬液タンク、及び該タンク中の薬
   液を冷却塔本体に供給するポンプを架台上に設置し、且
   つ上記脚により保たれた水槽の下の空間に格納したこと
   を特徴とする冷却塔。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の冷却塔において、薬液
   タンクは長辺と短辺を有する扁平な直方体で、その一つ
   の短辺に沿った１つのコーナに薬液の補給口、上記短辺
   に沿った他の１つのコーナに直角の隅切り凹部を設け、
   該凹部上にポンプを設置してなるタンクを架台上に設置
   し、水槽の下の空間に格納した冷却塔。