JP3035600U - 樹脂管用穿孔閉塞具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂管の穿孔を簡単に閉塞することができる
と共に、気密性の高い閉塞具を得る。 【解決手段】 リング状を呈するゴム製本体の上部外周
縁を水平方向に突出させて係合段部３を形成すると共
に、前記本体の中央に形成した固定具嵌合穴２の上縁を
水平方向に拡径して内縁段部４を形成し、更に前記嵌合
穴２の下縁を縮径して小径段部５を形成して成るパッキ
ング１を挿入孔１１内に嵌合し、更に、前記パッキング
１の嵌合穴２内に固定具６の胴体部７を嵌入して小径段
部５の作用によりパッキング１を拡径して挿入孔１１内
に圧接させることにより、挿入孔１１を閉塞する。この
ようにすると、挿入孔１１の閉塞を簡単に行うことがで
きると共に気密性が高まる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ガス、水道用配管等として使用されている樹脂管に穿孔した孔を閉 塞するための閉塞具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、ガス、水道用配管として樹脂管が多く使用されている。このような配管 において、活管のままで切断工事等を行う場合、この切断工事区間にバイパス管 を取り付ける必要がある。

【０００３】 図５は、ガス配管において、バイパス管を取り付けた状態の説明図であって、 １００はガス配管、Ｌは切断区間、１０１はバイパス管、１０２、１０３は切断 区間Ｌの上流側Ａと下流側Ｂに挿入されたガスバッグ、１０４、１０５はガスバ ッグ１０２、１０３を挿入するために、配管１００に穿孔されたガスバッグ挿入 孔である。このようにしてバイパス管１０１は取り付けられ、ガスを上流側Ａか ら矢印のようにバイパス管１０１を経由して下流側Ｂに流して活管状態を確保し 、この間に切断区間Ｌにおいて管の取り替え、或いは分岐管の接続、バルブの取 り付け等の工事を行うものである。

【０００４】 このようにして活管で工事を行い、これが終了すると、ガスバッグ１０２、１ ０３を管内から撤去してガスの開通を行うことになる。そして、このガスバッグ １０２、１０３を撤去した後は、ガスバッグ挿入孔１０４、１０５を閉塞して埋 め戻しを行うために、図６に示すようにガスバッグ挿入孔１０４（１０５）にプ ラグ１０６を嵌合し、更にこのプラグ１０６の外にサドル１０７を被せるように して融着し、完全密閉を行っている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記閉塞に際して使用される従来のプラグ１０６は、その材質は樹脂 製であって、これを無理してガスバッグ挿入孔１０４（１０５）に嵌合する方法 をとっているため、嵌合に手間がかかる。 又、挿入孔１０４（１０５）とプラグ１０６の間に砂等が入り込むと、密閉性 に影響が出るので、挿入孔１０４（１０５）はできるだけ奇麗に掃除をする必要 がある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案者は、かかる点から、簡単に閉塞することができて密閉性に優れた閉塞 具の開発を進めて来た。今回、この優れた閉塞具を完成するに到ったので、ここ に提案するものであって、その構成は次のとおりである。

【０００７】 リング状を呈するゴム製本体の上部外周縁を水平方向に突出させて係合段部を 形成すると共に、前記本体の中央に形成した固定具嵌合穴の上縁を水平方向に拡 径して内縁段部を形成し、更に前記嵌合穴の下縁を縮径して小径段部を形成して 成るパッキングと、 前記パッキングの嵌合穴と略同径の外径から成る胴体部を形成し、この胴体部 の上縁に前記パッキングの係合段部に係合する周縁を形成すると共に、上面中央 に有底保持孔を設けて成る固定具と、 から成る樹脂管用穿孔閉塞具。

【０００８】

【作用】

ガスバッグ挿入孔は、公知の無漏洩式穿孔機を用いて穿孔を行う。又、ガスバ ッグも、無漏洩式ガスバッグ挿入機を用いてガス等の配管内に挿入する。ガス配 管の場合、ガスバッグは、挿入孔を境にして上流側と下流側に２ケ（本玉、逆玉 ）挿入する。このガスバッグの挿入は、工事区間の上流側と下流側において行わ れるため、ガスバッグ挿入孔は２ケ穿孔される。

【０００９】 工事が終了すると、空気を抜いて管内でガスバッグを萎ませてからガスバッグ 挿入孔を経由してガスバッグを撤去する。そして、この撤去したガスバッグ挿入 孔内に、パッキングの嵌合穴内に固定具の胴体部の先端を嵌入した状態で固定具 を挿入工具に取り付け、これをパッキングの係合段部がガスバッグ挿入孔の縁に かかるまで挿入する。その上で、更に固定具の胴体部を嵌入すると、パッキング の小径段部が拡張してパッキング全体特にパッキングの下部が拡径し、これによ りパッキングはガスバッグ挿入孔の内面に圧着する。この状態が完全閉塞の状態 である。なお、挿入孔は、通常はこの閉塞した外に更にサドルを被せて二段に密 閉する。この密閉方法は、従来例と同じである。

【００１０】

【実施例】

図に基づいて本考案の実施例を説明する。 符号の１はパッキングであって、このパッキング１は、ゴム材でリング状に形 成されている。 上記パッキング１は、樹脂管の穿孔の直径と略等しい外径を有し、中央には固 定具嵌合穴２が設けてある。又、パッキング１の外周上縁には、係合段部３が形 成されている。 又、嵌合穴２の上縁には内縁段部４が形成され、更に嵌合穴２の下縁には小径 段部５が形成されている。

【００１１】 ６は硬質プラスチック製の固定具であって、この固定具６は前記パッキング１ の固定具嵌合穴２の内径と略同一の外径から成る胴体部７を形成すると共に、こ の胴体部７の上縁外周に、前記パッキング１側の内縁段部４に嵌合する周縁８が 形成されている。９は、固定具６の上面中央に設けたＯリング９ａ付の有底の保 持孔であって、挿入工具の先端をこの保持孔９に挿し込んで固定具６を保持し、 パッキング１の嵌合穴２内に上方からその胴体部７を嵌入することができる。

【００１２】 図２はパッキング１の嵌合穴２内に固定具６の胴体部７の先を嵌入し、これを 工具１２で保持し、樹脂管１０の挿入孔１１内に挿入した状態、図３は、更に固 定具６の胴体部７をパッキング１の嵌合穴２内に嵌入した状態であって、嵌合穴 ２内の小径段部５は胴体部７より小径のため、無理に押し拡げられ、これにより パッキング１は全体的に拡径して挿入孔１１の内面に圧着する。又、パッキング １の下縁外周１ａ部分が挿入孔１１の下縁１３部分を被うようになる。

【００１３】 図４は図３に示すようにして挿入孔１１内にパッキング１と固定具６を装着す ることにより閉塞した外に、サドル１４を樹脂管１０に融着１５して取り付け、 二重に閉塞した状態である。

【００１４】 なお、上記実施例は、ガスバッグ挿入孔の閉塞例であるが、本考案に係る閉塞 具は、一般の樹脂管に穿孔した孔すべての閉塞に使用可能である。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は以上のように、穿孔に先ずパッキングを嵌合し、このパッキング内に 固定具を嵌入してパッキングを拡径し、これにより完全密着を行うようにしたの で、次の効果がある。 ａ．ゴム製のパッキングを拡径して穿孔に密着させるため、気密性を完全に確保 でき、従来のように穿孔をいちいち掃除する必要がない。 ｂ．パッキングを穿孔に嵌合し、次に固定具をパッキング内に嵌入するため、パ ッキングの拡径に際してそれ程の力を必要としない。この結果、閉塞具の装着 作業が簡単になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る閉塞具の分解斜視図。

【図２】挿入孔にパッキングを装着した状態の説明図。

【図３】パッキング内に固定具を嵌入し、パッキングの
外周を拡径した状態の説明図。

【図４】閉塞具の外にサドルを被せて挿入孔を完全に閉
塞した状態の説明図。

【図５】ガス配管の切断工事例の説明図。

【図６】従来の挿入孔の閉塞手段の説明図。

【符号の説明】

１ パッキング ２ 嵌合穴 ３ 係合段部 ４ 内縁段部 ５ 小径段部 ６ 固定具 ７ 胴体部 ８ 周縁 ９ 保持孔 １０ 樹脂管 １１ 挿入孔 １２ 工具 １３ 下縁 １４ サドル １５ 融着

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 リング状を呈するゴム製本体の上部外周
   縁を水平方向に突出させて係合段部を形成すると共に、
   前記本体の中央に形成した固定具嵌合穴の上縁を水平方
   向に拡径して内縁段部を形成し、更に前記嵌合穴の下縁
   を縮径して小径段部を形成して成るパッキングと、 前記パッキングの嵌合穴と略同径の外径から成る胴体部
   を形成し、この胴体部の上縁に前記パッキングの係合段
   部に係合する周縁を形成すると共に、上面中央に有底保
   持孔を設けて成る固定具と、 から成る樹脂管用穿孔閉塞具。