JP3034480U - 小物収納容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケースの中の巻取り軸にネクタイを位置ずれ
なしに均一に巻いて収納でき、しかもネクタイ以外の小
物入れとしても利用することのできる小物収納容器を提
供する。 【解決手段】 有底円筒状本体１の側面に、開口端部か
ら底部近傍に至るスリット２を相対向して形成する。本
体１の蓋４の中心に着脱自在に長軸８を固定し、長軸８
先端は本体底部中心部の揺れ止め３と嵌合する。長軸８
は蓋４中心との着脱基部９、挟持部１７を有するネクタ
イ巻取り部１３、ガイド部１４及び半球状先端部１５に
よって構成されている。半球状先端部１５から挟持部入
口１８に至るガイド部１４は長軸８の一面を切り欠いて
形成する。長軸８は着脱基部９近傍からネクタイ挟持部
入口１８まで長手方向に沿い、かつガイド部１４の切り
欠き面と直行する両側に切欠き部１９を有する。長軸８
の異なる面を切り欠くことによりネクタイの巻取り径を
均一にすることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はネクタイをコンパクトに収納することができ、かつネクタイ以外の小 物も収納することのできる小物収納容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ネクタイの収納は二つ折りした長い状態でネクタイ掛け等に掛けたり、 四つ折り程度に折って収納することが多く、一部では巻き取って収納する容器が 用いられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

多数のネクタイを四つ折りして重ねて収納すると、下に位置したものが取り出 しにくく、着用したときに折り皺が目立ち易い。また二つ折りにしてネクタイ掛 けに掛けたときも重ねて掛けるために下に位置したものが取り出しにくく、ネク タイの出し入れをするときに下方の幅広部が汚れ易く、しかも汚れた部分が着用 時に前に位置するため汚れが目立つことになる。

【０００４】 旅行等で予備のネクタイを持ち歩く場合、四つ折りにしたり、二つ折りにした 後、手で渦巻き状に巻いて収納することが多いが、折り皺がついたり、巻いたも のが巻き戻り荷物の中で乱雑になり易い等の問題があった。また、ネクタイをケ ース内に巻き取って収納するものもあったが、図５（Ａ）（Ｂ）に示すように巻 取り軸の太さが一定でないため均一な巻取りができず、ネクタイの幅が広くなる につれて巻取り位置がずれ、略円錐状に一方の巻取りの径が太くなり、ケースに 収納しにくくなり、ネクタイを蓋と本体の間に挟みこみ傷付ける等の欠点があっ た。

【０００５】 本考案は上記のような問題点を解決し、ネクタイを巻取り軸に均一に巻いてケ ースの中に収納でき、しかもネクタイ以外の小物入れとしても利用することので きる小物収納容器を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の問題点を解決するために、有底円筒状本体の側面に、開口端部 から底部近傍に至るスリットを相対向して形成し、一方、蓋中心に着脱自在に長 軸を固定し、長軸先端は本体底部中心部の揺れ止めと嵌合する。長軸は蓋中心と の着脱基部、挟持部を有するネクタイ巻取り部、ガイド部及び半球状先端部から 成り、前記挟持部はネクタイ巻取り部の中間部から長軸のガイド部端部まで二股 状とした短軸部によって形成されている。短軸部及び長軸の両側は着脱基部近傍 からネクタイ挟持部入口まで長手方向に沿って切欠き、半球状先端部から挟持部 入口に至るガイド部は長軸の一面を切り欠いて形成し、ネクタイ入口の短軸部と 長軸の対応間隔は挟持部よりも幅狭に形成されている。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案はネクタイを巻き取るときのネクタイ巻取り径が、ほぼ均一になるよう な巻取り軸を形成し、この軸を本体の蓋に着脱自在に取り付けたもので、軸を外 すとネクタイ以外の小物の収納も可能である。

【０００８】 小物収納容器の本体は合成樹脂製で、不透明な材質でも良いがポリスチレンあ るいはポリエチレンのような透明又は半透明なものが望ましい。小物収納容器の 本体は有底筒状で、開口端部から底部近傍に至る２個のスリットが中心軸と平行 に互いに相対応して側面に設けられている。

【０００９】 本体開口部は開口部周縁と蓋周縁とがリング状の凹部凸部の嵌合により閉蓋し 、閉蓋したまま蓋を回転することができる。蓋中心部にはネクタイ巻取り用の長 軸を螺合又は凹凸嵌合等により着脱自在に取り付ける。この長軸は蓋中心部との 着脱基部、挟持部を有するネクタイ巻取り部、ガイド部及び半球状先端部によっ て構成されており、前記挟持部はネクタイ巻取り部の中間部から挟持部入口まで 二股状として短軸部を延出して成り、二股状の間にネクタイを挟むことができる 。

【００１０】 長軸の先端は半球状で、この半球状部から短軸部先端と長軸とが対応するネク タイ挟持部入口に至る長軸の一面を切り欠くことにより、ネクタイ案内用のガイ ド部が形成されている。挟持部入口は挟持したネクタイが容易に外れないように ネクタイの厚さとほぼ同じ間隔としネクタイ挟持部の間隔よりも狭く形成してい る。

【００１１】 短軸部及び長軸の両側は着脱基部近傍から挟持部入口まで長手方向に沿って切 り欠かれている。すなわち、ネクタイ巻取り軸をなす長軸を着脱基部から半球状 先端まで直状とし、かつ、前記長軸及び短軸部両側を切り欠くことによって、長 軸の一面側を切り欠いて形成したガイド部とネクタイ巻取り部とのネクタイ巻取 り径をほぼ均一にすることができ、巻きずれにより略円錐状に巻くのを防止する ことができる。本体の底部中心部にはネクタイ巻取り操作時に長軸が中心を大き く外れないように軸と嵌合する筒状または複数の突部を円弧状に配設した揺れ止 めが設けられている。

【００１２】 上記のような構成を採ったので、蓋に長軸を取り付け、ネクタイ中央の細い部 分をガイド部に滑らせ、さらにネクタイの厚さに対して間隔の狭い挟持部入口で 挟持部側へ引っ張るようにして挿入すると、一旦挟持部に入ったネクタイは入口 から簡単には外れない。

【００１３】 次に長軸の半球状先端を揺れ止めに係合し、かつ長軸の両側に伸びたネクタイ をそれぞれ２本のスリットから本体の外に出し本体開口部に蓋をする。蓋を一方 向に回転すると長軸にネクタイを巻き取ることができる。このとき、長軸の取付 基部から挟持部入口までの両側を切り欠いた部分と、長軸の一面側を切り欠いて 形成したガイド部とがネクタイを巻き取ったときの巻取り径がほぼ同じになり、 最後まで均一に巻き取ることができる。したがって、巻取り軸の位置によって巻 取り径が異なるときのように巻取り位置がずれて略円錐状に巻かれ蓋にネクタイ の一部がくいこむこともない。

【００１４】 ネクタイを使用するときは本体の開口端部から蓋を外すと、容易に巻き戻って 取り出すことができる。また、蓋に固定した長軸を取り外すとハンカチ、靴下、 下着など小物を収納することができる。

【００１５】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。１は有底筒状のポリエチレン製の本 体、２は本体１の側面に相対向して２本形成したスリットで、本体１の開口端部 から底部近傍まで軸心に対して平行に形成されている。３は本体底部中心に設け た巻取り軸の揺れ止め、４は蓋で、外周縁に設けた凸部５と本体１の開口部内周 に設けた凹部とを嵌合することにより閉蓋し回動することができる。６は蓋４の 中心に設けた貫通口から成る接続部で、内周に突部を有する。７は接続部６の外 側を覆った化粧蓋、８はネクタイを巻き取る直状の長軸で、一端に設けた着脱基 部９と蓋４の接続部６とが凹凸嵌合することにより蓋４に固定することができる 。この実施例では着脱基部９の端部中央に切溝１０を設け、切溝１０の側壁外周 に丸みを持った突起１１を設けると共に接続部６の突部に係止する段部１２を形 成している。

【００１６】 長軸８は着脱基部９、ネクタイ巻取り部１３、ガイド部１４及び半球状先端部 １５から成り、ネクタイ巻取り部１３は中間部より二股状とし、ガイド部１４端 部に至る短軸部１６が延出形成されている。１７は前記短軸部１６によって形成 された間隙部から成る挟持部、１８は短軸部１６先端と対応する挟持部入口で、 対応間隔すなわち、ネクタイ挿入時の厚さ方向が挟持部１７よりも狭く形成され ている。

【００１７】 ガイド部１４は半球状先端部１５の最大径部から挟持部入口１８に至る長軸８ の一面を切り欠きネクタイ案内用面を形成したものである。１９は長軸８の着脱 基部９近傍から挟持部１７入口に至る両側及び短軸部１６両側を切り欠いた切り 欠き部で、この切り欠き部１９を形成したことにより、ネクタイ巻取り部１３と 一面を切り欠き形成したガイド部１４とがネクタイを巻き取ったときに巻取り径 をほぼ同じにすることができる。

【００１８】 上記のような構成の容器をネクタイ収納に用いるときは切溝１０の側壁を内方 へ押圧して接続部６に挿入すると、接続部６の突部が小突起１１と段部１２間に 位置して長軸８を係止固定することができる。

【００１９】 長軸８を蓋４に固定した後、ネクタイ２０の中央の細い部分をガイド部１４に 滑らせ、更にネクタイ２０の厚さに対して間隙の狭い挟持部入口１８で挟持部１ ７側へ引っ張るようにして挿入すると、一旦入ったネクタイ２０は入口から簡単 には外れない。次に長軸８の半球状先端部１５を揺れ止め３に係合し、かつ長軸 ８の両側に伸びたネクタイ２０をそれぞれ２本のスリット２から本体の外に出す 。本体開口部内周の凹部と凸部５の嵌合により蓋４を閉じた後、蓋４を一方向に 回転すると長軸８にネクタイ２０を巻き取ることができる。

【００２０】 長軸８の取付基部９近傍から挟持部入口１８までの両側に切り欠き部１９を設 けたので、この切り欠き部１９を設けた部分と長軸８の一面側を切り欠いて形成 したガイド部１４とがほぼ同一長さの周側となり、ネクタイ２０を巻き取ったと きに、巻取り径がほぼ同じになり、最後まで均一に巻き取ることができる。ネク タイを取り出すときは本体の開口端部から蓋を外すか、またはスリットからネク タイの端を引き出すと、容易に巻き戻って取り出すことができる。

【００２１】 長軸８の不要な小物を収納するときは、蓋４に固定した長軸８を引っ張ると丸 みを持った小突起１１及び切溝１０を有するので接続部６の突部と小突起１１と が摩擦しながら長軸８の着脱基部９を接続部６から取り外すことができる。本実 施例では長軸を凹凸嵌合により固定する構造を示したが、凹凸部の形成に代えて 接続部内周及び着脱基部外周にネジ溝を形成し、螺着する構造でも同様の作用を 得ることができる。

【００２２】

【考案の効果】

本考案は上記のような構成を採ったので、小物収納容器にネクタイを容易に巻 くことができ、旅行等で予備用ネクタイを持ち歩くときも折り皺がつくおそれも なく便利である。従来のネクタイケースと比べてもネクタイを巻き取ったときに 位置ずれなしに均一に巻き取ることができ、まきずれのためにネクタイに皺がよ ったり傷つくことを防止することができる等優れた効果を有する。更に、長軸を 外すと、靴下、ハンカチ、下着など種々の小物入れとしても使用することができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による小物収納容器の実施例を示した断
面図。

【図２】本実施例で用いた本体の斜視図。

【図３】本実施例で用いた長軸で、（Ａ）は平面図、
（Ｂ）は側面図である。

【図４】本実施例の使用状態の説明図。

【図５】（Ａ）（Ｂ）はそれぞれ従来のネクタイケース
に用いた巻取り軸の別の例を示した説明図。

【符号の説明】

１ 本体 ２ スリット ３ 揺れ止め ４ 蓋 ８ 長軸 ９ 着脱基部 １３ ネクタイ巻取り部 １４ ガイド部 １６ 短軸部 １７ 挟持部 １８ 挟持部入口 １９ 切り欠き部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 有底円筒状本体の側面に、開口端部から
   底部近傍に至るスリットを、中心軸と平行に相対向して
   形成し、本体開口を閉じて回転自在な蓋の中心に、先端
   が本体底部中心部の揺れ止めと嵌合する長軸を着脱自在
   に固定し、前記長軸は、蓋中心との着脱基部、挟持部を
   有するネクタイ巻取り部、ガイド部及び半球状先端部か
   ら成り、前記挟持部はネクタイ巻取り部の中間部から長
   軸のガイド部端部まで二股状とした短軸部によって形成
   し、短軸部及び長軸の両側は着脱基部近傍から挟持部入
   口まで長手方向に沿って切欠き、ガイド部は半球状先端
   部から挟持部入口に至る長軸の一面を切り欠いて形成
   し、かつ挟持部入口の短軸部と長軸の対応間隔が幅狭に
   なるように切り欠いたことを特徴とする小物収納容器。