JP3034255B2 - 超電導体、超電導体線材および超電導線材の製造方法 - Google Patents
超電導体、超電導体線材および超電導線材の製造方法Info
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- JP3034255B2 JP3034255B2 JP63087675A JP8767588A JP3034255B2 JP 3034255 B2 JP3034255 B2 JP 3034255B2 JP 63087675 A JP63087675 A JP 63087675A JP 8767588 A JP8767588 A JP 8767588A JP 3034255 B2 JP3034255 B2 JP 3034255B2
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、Bi−Sr−Ca−Cu−O系またはTl−Ba−Ca−
Cu−O系の酸化物超電導体粉末を用いた超電導体、超電
導体線材およびその製造方法に関する。
Cu−O系の酸化物超電導体粉末を用いた超電導体、超電
導体線材およびその製造方法に関する。
(従来の技術) 近年、La−Ba−Cu−O系の層状ペロブスカイト型の酸
化物が高い臨界温度を有する可能性のあることが発表さ
れて以来、各所で酸化物超電導体の研究が行われている
(Z.Phys.B Condensed Matter 64,189−193(198
6))。その中でもY−Ba−Cu−O系で代表される酸素
欠陥を有する欠陥ペロブスカイト型の酸化物超電導体
は、臨界温度Tcが90k以上と液体窒素以上の高い温度を
有することが確認されている(Phys.Rev.Lett.vol.58 N
o.9,908−910)。
化物が高い臨界温度を有する可能性のあることが発表さ
れて以来、各所で酸化物超電導体の研究が行われている
(Z.Phys.B Condensed Matter 64,189−193(198
6))。その中でもY−Ba−Cu−O系で代表される酸素
欠陥を有する欠陥ペロブスカイト型の酸化物超電導体
は、臨界温度Tcが90k以上と液体窒素以上の高い温度を
有することが確認されている(Phys.Rev.Lett.vol.58 N
o.9,908−910)。
さらに、最近、、臨界温度が105KのBi−Sr−Ca−Cu−
O系やTl−Ba−Ca−Cu−O系の酸化物超電導体が発見さ
れるに至った。
O系やTl−Ba−Ca−Cu−O系の酸化物超電導体が発見さ
れるに至った。
これらのBi−Sr−Ca−Cu−O系やTl−Ba−Ca−Cu−O
系の酸化物超電導体は、La−Ba−Cu−O系やY−Ba−Cu
−O系の酸化物超電導体に比べて、臨界温度が高いばか
りでなく、高価な希土類元素が不要であること、水分に
対する化学的安定性が高いことなどの利点があり、より
優れた酸化物超電導体である。
系の酸化物超電導体は、La−Ba−Cu−O系やY−Ba−Cu
−O系の酸化物超電導体に比べて、臨界温度が高いばか
りでなく、高価な希土類元素が不要であること、水分に
対する化学的安定性が高いことなどの利点があり、より
優れた酸化物超電導体である。
ところで、この超電導体は、焼結体または粉末として
得られる結晶性の酸化物であって、その単結晶のC面に
平行に超電導電流を流したときのJc‖CplaneとC面に垂
直に流したときのJc⊥Cplaneとでは、Jc‖/Jc⊥の比で1
0〜1000と大きな差があり、また臨界磁場Bc2も、C面に
垂直、平行に磁場をかけた場合、Bc2‖/Bc2⊥で20以上
も差があるという性質がある。
得られる結晶性の酸化物であって、その単結晶のC面に
平行に超電導電流を流したときのJc‖CplaneとC面に垂
直に流したときのJc⊥Cplaneとでは、Jc‖/Jc⊥の比で1
0〜1000と大きな差があり、また臨界磁場Bc2も、C面に
垂直、平行に磁場をかけた場合、Bc2‖/Bc2⊥で20以上
も差があるという性質がある。
したがって、この酸化物超電導体の焼結体そのまま
や、これを粉砕した粉末を単に薄膜化したり、長尺化し
ただけでは、結晶の配列方向がランダムになり、所望の
電流密度が得られないという問題があった。
や、これを粉砕した粉末を単に薄膜化したり、長尺化し
ただけでは、結晶の配列方向がランダムになり、所望の
電流密度が得られないという問題があった。
(発明が解決しようとする課題) このように、Bi−Sr−Ca−Cu−O系やTl−Ba−Ca−Cu
−O系の酸化物超電導体は、結晶のC面に沿って超電導
電流が流れるため、単に酸化物超電導体粉末を薄膜化し
たり、長尺化しただけでは、結晶の配列方向がランダム
になり、所望の臨界電流密度Jcが得られないという問題
があった。
−O系の酸化物超電導体は、結晶のC面に沿って超電導
電流が流れるため、単に酸化物超電導体粉末を薄膜化し
たり、長尺化しただけでは、結晶の配列方向がランダム
になり、所望の臨界電流密度Jcが得られないという問題
があった。
本発明は、このような従来の難点を解消すべくなされ
たもので、Bi−Sr−Ca−Cu−O系またはTl−Ba−Ca−Cu
−O系の超電導体粉末を用いた臨界電流密度の大きい酸
化物超電導体、酸化物超電導体線材、酸化物超電導体の
製造方法を提供することを目的とする。
たもので、Bi−Sr−Ca−Cu−O系またはTl−Ba−Ca−Cu
−O系の超電導体粉末を用いた臨界電流密度の大きい酸
化物超電導体、酸化物超電導体線材、酸化物超電導体の
製造方法を提供することを目的とする。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明の超電導体は、Bi−Sr−Ca−Cu系酸化物超電導
体またはTl−Ba−Ca−Cu系酸化物超電導体、具体的には
下記式 Bi2Sr2Ca2Cu3O10+δ、 Bi2Sr2Ca1Cu2O8+δ、 Tl2Ba2Ca2Cu3O10+δ、または Tl2Ba2Ca1Cu2O8+δ (δは酸素欠陥を表わす。以下同じ) でほぼ表わされる1種または2種以上の酸化物超電導体
粉末を、プレス成形により結晶のC綿を電流を流す方向
に配向させたことを特徴としている。
体またはTl−Ba−Ca−Cu系酸化物超電導体、具体的には
下記式 Bi2Sr2Ca2Cu3O10+δ、 Bi2Sr2Ca1Cu2O8+δ、 Tl2Ba2Ca2Cu3O10+δ、または Tl2Ba2Ca1Cu2O8+δ (δは酸素欠陥を表わす。以下同じ) でほぼ表わされる1種または2種以上の酸化物超電導体
粉末を、プレス成形により結晶のC綿を電流を流す方向
に配向させたことを特徴としている。
また、本発明の超電導体線材は、金属管内に充填され
た、Bi−Sr−Ca−Cu系酸化物超電導体またはTl−Ba−Ca
−Cu系酸化物超電導体、具体的には上記した各式でほぼ
表わされる1種または2種以上の酸化物超電導体粉末を
有し、前記金属管への減面加工により前記酸化物超電導
体の結晶のC面を電流を流す方向に配向させたことを特
徴としている。
た、Bi−Sr−Ca−Cu系酸化物超電導体またはTl−Ba−Ca
−Cu系酸化物超電導体、具体的には上記した各式でほぼ
表わされる1種または2種以上の酸化物超電導体粉末を
有し、前記金属管への減面加工により前記酸化物超電導
体の結晶のC面を電流を流す方向に配向させたことを特
徴としている。
さらに、本発明の超電導体線材の製造方法は、Bi−Sr
−Ca−Cu系酸化物超電導体またはTl−Ba−Ca−Cu系酸化
物超電導体、具体的には上記した各式でほぼ表わされる
1種または2種以上の酸化物超電導体粉末を、金属管に
充填する工程と、前記金属管を延伸加工により減面し、
前記酸化物超電導体粉末の結晶のC面を電流を流す方向
に配向させる工程とを有することを特徴としている。
−Ca−Cu系酸化物超電導体またはTl−Ba−Ca−Cu系酸化
物超電導体、具体的には上記した各式でほぼ表わされる
1種または2種以上の酸化物超電導体粉末を、金属管に
充填する工程と、前記金属管を延伸加工により減面し、
前記酸化物超電導体粉末の結晶のC面を電流を流す方向
に配向させる工程とを有することを特徴としている。
本発明の超電導体および超電導体線材は、例えば以下
に示す方法により得られる。
に示す方法により得られる。
[酸化物超電導体粉末の製造] まず、Bi、Sr、Ca、CuもしくはTl、Ba、Ca、Cuなどの
Bi−Sr−Ca−Cu−O系またはTl−Ba−Ca−Cu−O系の構
成元素の炭酸塩、酸化物、有機酸塩等を、化学量論比、
すなわち、原子比で、2:2:1:2もしくは2:2:2:3となるよ
う配合し、これらを十分混合する。なお、これらの酸化
物超電導体を構成する元素は、厳密に化学量論比である
必要はなく、製造条件等とのかね合いで10%程度ずれて
いてもよい。また、微量のアルカリ金属化合物を添加し
て反応温度を低下させることも可能である。
Bi−Sr−Ca−Cu−O系またはTl−Ba−Ca−Cu−O系の構
成元素の炭酸塩、酸化物、有機酸塩等を、化学量論比、
すなわち、原子比で、2:2:1:2もしくは2:2:2:3となるよ
う配合し、これらを十分混合する。なお、これらの酸化
物超電導体を構成する元素は、厳密に化学量論比である
必要はなく、製造条件等とのかね合いで10%程度ずれて
いてもよい。また、微量のアルカリ金属化合物を添加し
て反応温度を低下させることも可能である。
前述の原料を混合した後、仮焼、粉砕し所望の形状に
した後、焼成する。仮焼は必ずしも必要ではない。焼
成、仮焼は十分な酸素が供給できるような酸素含有雰囲
気で800℃以上、融点以下の温度、好ましくは870〜900
℃が適当である。
した後、焼成する。仮焼は必ずしも必要ではない。焼
成、仮焼は十分な酸素が供給できるような酸素含有雰囲
気で800℃以上、融点以下の温度、好ましくは870〜900
℃が適当である。
そして、得られた酸化物超電導体焼結体を、ボールミ
ル、その他公知の手段により粉砕する。このとき、酸化
物超電導体の粉末は、へき開面から分割されて微粉末と
なる。平均粒径は1μm前後が適当である。なお、必要
に応じて、粉砕した粉末を分級して用いてもよい。
ル、その他公知の手段により粉砕する。このとき、酸化
物超電導体の粉末は、へき開面から分割されて微粉末と
なる。平均粒径は1μm前後が適当である。なお、必要
に応じて、粉砕した粉末を分級して用いてもよい。
[酸化物超電導体(ブロック、シート、薄膜)の製造] 上記酸化物超電導体の粉末を金型に入れてプレス成形
する。このとき、プレス圧の、増加につれて配向性が高
くなり、0.1ton/cm2を越えると、配向性の上昇の割りあ
いは小さくなる。したがってプレス成形は、0.1ton/cm2
以上の適当な圧力で行なうことが望ましい。
する。このとき、プレス圧の、増加につれて配向性が高
くなり、0.1ton/cm2を越えると、配向性の上昇の割りあ
いは小さくなる。したがってプレス成形は、0.1ton/cm2
以上の適当な圧力で行なうことが望ましい。
この後、プレス成形した成形体をそのまま、またはセ
ラミックス基板等の上において800〜900℃の温度で焼結
すると、成形体の厚さに応じて、ブロックやシートが得
られ、また適当な基板上に接合させることにより薄膜を
形成することも可能である。
ラミックス基板等の上において800〜900℃の温度で焼結
すると、成形体の厚さに応じて、ブロックやシートが得
られ、また適当な基板上に接合させることにより薄膜を
形成することも可能である。
[線材、テープ等の製造] 前述した酸化物超電導体の粉末を金属管に入れ、常法
により、鍛造、圧延、線引きを順に行ない細線化する。
テープ状とする場合には任意の外径まで縮径させてから
偏平に加工し、ロールにより必要な厚さまで圧延する。
により、鍛造、圧延、線引きを順に行ない細線化する。
テープ状とする場合には任意の外径まで縮径させてから
偏平に加工し、ロールにより必要な厚さまで圧延する。
なお、加工硬化により減面加工が困難になった場合に
は、適宜焼鈍処理を行なうようにする。
は、適宜焼鈍処理を行なうようにする。
金属管としては、Ag、Au、Pt、Pd、Cu、ステンレス等
の金属管を使用することができる。
の金属管を使用することができる。
また、本発明における酸化物超電導体粉末の配向は、
100%行われている必要はなく、少くとも60%程度の配
向率があれば有効である。
100%行われている必要はなく、少くとも60%程度の配
向率があれば有効である。
本発明の酸化物超電導体等の配向率は、ブロックやシ
ートの場合は、そのまま、線材の場合は、その被覆金属
を取り除き、内部の酸化物超電導体をX線回折を用いて
回折強度を測定し、C面からの回折強度の変化から求め
ることができる。
ートの場合は、そのまま、線材の場合は、その被覆金属
を取り除き、内部の酸化物超電導体をX線回折を用いて
回折強度を測定し、C面からの回折強度の変化から求め
ることができる。
このようにして製造された超電導体または超電導体線
材は、加圧または線引きの過程で酸化物超電導体粉末の
C面が加圧方向と直交する方向、または線材の長手方向
に配向されているので、線材全体としての電流容量が大
きく向上し、また臨界磁場も向上する。
材は、加圧または線引きの過程で酸化物超電導体粉末の
C面が加圧方向と直交する方向、または線材の長手方向
に配向されているので、線材全体としての電流容量が大
きく向上し、また臨界磁場も向上する。
なお、本発明の超電導体線材は、そのままコイル等に
成形して使用してもよいが、これを線引き過程で六角形
に成形し、その多数本を安定化材としての銅管中に配列
して、さらに、スェージング加工、冷間線引き加工を施
してマルチ線材として使用することも可能である。
成形して使用してもよいが、これを線引き過程で六角形
に成形し、その多数本を安定化材としての銅管中に配列
して、さらに、スェージング加工、冷間線引き加工を施
してマルチ線材として使用することも可能である。
(作 用) 本発明の超電導体線材は、金属管内に充填されたBi−
Sr−Ca−Cu−O系またはTl−Ba−Ca−Cu−O系の酸化物
超電導体粉末の結晶のC面が超電導電流の流れる方向に
配向されているので、超電導電流は、超電導体線材の長
手方向に流れ易くなり、磁場による変化も受けにくくな
る。
Sr−Ca−Cu−O系またはTl−Ba−Ca−Cu−O系の酸化物
超電導体粉末の結晶のC面が超電導電流の流れる方向に
配向されているので、超電導電流は、超電導体線材の長
手方向に流れ易くなり、磁場による変化も受けにくくな
る。
また本発明の超電導体線材の製造方法では、金属管の
延伸加工の際、超電導体粉末が延伸方向にC面が平行と
なるよう配向されるので、延伸加工の縮径の程度を考慮
するだけで、線引きと同時に超電導体粉末の配向を行う
ことができる。
延伸加工の際、超電導体粉末が延伸方向にC面が平行と
なるよう配向されるので、延伸加工の縮径の程度を考慮
するだけで、線引きと同時に超電導体粉末の配向を行う
ことができる。
(実施例) 次に本発明の実施例について説明する。
実施例1 Bi2O3、SrCO3、CaCO3、CuOの各粉末をモル比で、1:2:
1:2で充分混合し、850℃で10時間空気中で仮焼し、これ
を2回繰り返したのち、ボールミルで24時間粉砕して、
Bi2Sr2Ca1Cu2O8+δ粉末を得た。
1:2で充分混合し、850℃で10時間空気中で仮焼し、これ
を2回繰り返したのち、ボールミルで24時間粉砕して、
Bi2Sr2Ca1Cu2O8+δ粉末を得た。
この粉末を用いて、プレス圧を変えながら、直径20m
m、厚さ2mmのペレットを多数作成し、これらを880℃で2
4時間空気中で熱処理した。
m、厚さ2mmのペレットを多数作成し、これらを880℃で2
4時間空気中で熱処理した。
得られたペレット状酸化物超電導体の配向性の測定結
果を第1図に示す。なお、配向性は、X線回折のグラフ
に現れた結晶のC面の(0010)ピークと(117面)ピー
クとの比率で示した。第2図(a)に示すように、配向
されたペレットでは、この比は1より大きくなるが、ペ
レットを粉砕して配向性をなくすると同図(b)に示す
ように、この比はほぼ1となる。
果を第1図に示す。なお、配向性は、X線回折のグラフ
に現れた結晶のC面の(0010)ピークと(117面)ピー
クとの比率で示した。第2図(a)に示すように、配向
されたペレットでは、この比は1より大きくなるが、ペ
レットを粉砕して配向性をなくすると同図(b)に示す
ように、この比はほぼ1となる。
第1図に示した測定結果から、プレス圧はほぼ0.1ton
/cm2以上になると配向の効果が顕著になることがわか
る。
/cm2以上になると配向の効果が顕著になることがわか
る。
次に、同じ酸化物超電導体粉末を用いてプレス圧を1t
on/cm2で同じ寸法のペレットを多数作成した。これらの
ペレットを熱処理温度を変えて、それぞれ24時間加熱
し、熱処理温度が配向性に与える影響を測定した。測定
結果を第3図に示す。第3図の測定結果から、熱処理温
度は870〜900℃の範囲が適当であることがわかる。
on/cm2で同じ寸法のペレットを多数作成した。これらの
ペレットを熱処理温度を変えて、それぞれ24時間加熱
し、熱処理温度が配向性に与える影響を測定した。測定
結果を第3図に示す。第3図の測定結果から、熱処理温
度は870〜900℃の範囲が適当であることがわかる。
さらに、プレス圧1ton/cm2で作成した上記ペレットを
熱処理温度を880℃で一定にし、熱処理時間を変えて、
熱処理時間が配向性に与える影響を測定した。測定結果
を第4図に示す。第4図に示した測定結果から、熱処理
時間は10時間以上とすることが好ましいことがわかる。
熱処理温度を880℃で一定にし、熱処理時間を変えて、
熱処理時間が配向性に与える影響を測定した。測定結果
を第4図に示す。第4図に示した測定結果から、熱処理
時間は10時間以上とすることが好ましいことがわかる。
実施例2 実施例1で使用したBi2Sr2Ca1Cu2O8+δ粉末を、一
端を封止した外径20mm、内径17mm、長さ100mmのAg管中
に入れ、通気孔を残して他端も封止した後、鍛造、圧延
により、種々の加工率まで減面加工を施し、最後に偏平
に圧延してテープとし、880℃で24時間熱処理を行なっ
た。
端を封止した外径20mm、内径17mm、長さ100mmのAg管中
に入れ、通気孔を残して他端も封止した後、鍛造、圧延
により、種々の加工率まで減面加工を施し、最後に偏平
に圧延してテープとし、880℃で24時間熱処理を行なっ
た。
次に、Agシースを剥がして、実施例1と同じ方法で配
向性を調べたところ、第5図に示すように、加工率の上
昇につれて配向率も増加しており、加工率10%で充分に
配向することが認められた。
向性を調べたところ、第5図に示すように、加工率の上
昇につれて配向率も増加しており、加工率10%で充分に
配向することが認められた。
また臨界電流密度を測定したところ、加工率5%で4.
2Kにおける臨界電流密度が1A/cm2であったものが、加工
率90%では同じ測定条件下で100A/cm2となり、加工率の
上昇により臨界電流密度も上昇することが認められた。
2Kにおける臨界電流密度が1A/cm2であったものが、加工
率90%では同じ測定条件下で100A/cm2となり、加工率の
上昇により臨界電流密度も上昇することが認められた。
さらに、臨界電流密度の磁場依存性を測定したとこ
ろ、第6図に示す通りであり、酸化物超電導体粉末が配
向されたもの(○印、880℃×24hr)が、配向されない
もの(△印、880℃×30分)よりも磁場による臨界電流
密度に対する影響が小さいことが認められた。
ろ、第6図に示す通りであり、酸化物超電導体粉末が配
向されたもの(○印、880℃×24hr)が、配向されない
もの(△印、880℃×30分)よりも磁場による臨界電流
密度に対する影響が小さいことが認められた。
なお以上の実施例では、酸化物超電導体としてBi2Sr2
Ca1Cu2O8+δを使用した例について説明したが、Bi2Sr
2Ca2Cu3O10+δ、Tl2Ba2Ca2Cu3O10+δ、およびTl2Ba2C
a1Cu2O8+δを使用して同様の実験を行なった場合にも
配向による特性の著しい向上が認められた。
Ca1Cu2O8+δを使用した例について説明したが、Bi2Sr
2Ca2Cu3O10+δ、Tl2Ba2Ca2Cu3O10+δ、およびTl2Ba2C
a1Cu2O8+δを使用して同様の実験を行なった場合にも
配向による特性の著しい向上が認められた。
[発明の効果] 以上の実施例からも明らかなように、本発明の超電導
体、超電導体線材は、結晶のC面が電流の流れる方向に
配向されているので、高い電流密度が得られ、また磁場
による臨界電流密度の減少が少ない。また発明の超電導
体線材の製造方法によれば、上記酸化物超電導体線材を
通常の線材の製造法における鍛造、圧延等により容易
に、かつ高い生産性で製造することができる。
体、超電導体線材は、結晶のC面が電流の流れる方向に
配向されているので、高い電流密度が得られ、また磁場
による臨界電流密度の減少が少ない。また発明の超電導
体線材の製造方法によれば、上記酸化物超電導体線材を
通常の線材の製造法における鍛造、圧延等により容易
に、かつ高い生産性で製造することができる。
第1図は本発明の酸化物超電導体のプレス圧と配向性と
の関係を示すグラフ、第2図はそれぞれ配向された場合
と配向されない場合の上記酸化物超電導体のX線回折チ
ャート、第3図は本発明の一実施例における熱処理温度
と配向性との関係を示すグラフ、第4図は上記実施例に
おける熱処理時間と配向性との関係を示すグラフ、第5
図は他の実施例における加工率と配向性との関係を示す
グラフ、第6図は上記実施例における配向された酸化物
超電導体と配向されていない酸化物超電導体における磁
場の強さと臨界電流密度比との関係を示すグラフであ
る。
の関係を示すグラフ、第2図はそれぞれ配向された場合
と配向されない場合の上記酸化物超電導体のX線回折チ
ャート、第3図は本発明の一実施例における熱処理温度
と配向性との関係を示すグラフ、第4図は上記実施例に
おける熱処理時間と配向性との関係を示すグラフ、第5
図は他の実施例における加工率と配向性との関係を示す
グラフ、第6図は上記実施例における配向された酸化物
超電導体と配向されていない酸化物超電導体における磁
場の強さと臨界電流密度比との関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−257161(JP,A) 特開 昭64−617(JP,A) 特開 昭64−71021(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 29/00 C01G 15/00 H01B 12/04
Claims (8)
- 【請求項1】Bi−Sr−Ca−Cu系酸化物超電導体、または
Tl−Ba−Ca−Cu系酸化物超電導体の粉末を、プレス成形
により結晶のC面を電流を流す方向に配向させたことを
特徴とする超電導体。 - 【請求項2】前記Bi−Sr−Ca−Cu系酸化物超電導体は、
Bi、Sr、Ca、Cuを原子比でほぼ2:2:1:2もしくはほぼ2:
2:2:3で含む酸化物超電導体、または前記Tl−Ba−Ca−C
u系酸化物超電導体は、Tl、Ba、Ca、Cuを原子比でほぼ
2:2:1:2もしくはほぼ2:2:2:3で含む酸化物超電導体であ
ることを特徴とする、請求項1記載の超電導体。 - 【請求項3】金属管内に充填された、Bi−Sr−Ca−Cu系
酸化物超電導体またはTl−Ba−Ca−Cu系酸化物超電導体
の粉末を有し、前記金属管への減面加工により前記酸化
物超電導体の結晶のC面を電流を流す方向に配向させた
ことを特徴とする超電導体線材。 - 【請求項4】前記Bi−Sr−Ca−Cu系酸化物超電導体は、
Bi、Sr、Ca、Cuを原子比でほぼ2:2:1:2もしくはほぼ2:
2:2:3で含む酸化物超電導体、または前記Tl−Ba−Ca−C
u系酸化物超電導体は、Tl、Ba、Ca、Cuを原子比でほぼ
2:2:1:2もしくはほぼ2:2:2:3で含む酸化物超電導体であ
ることを特徴とする、請求項3記載の超電導体線材。 - 【請求項5】前記金属管はAgを含む金属からなることを
特徴とする、請求項3記載の超電導体線材。 - 【請求項6】Bi−Sr−Ca−Cu系酸化物超電導体、または
Tl−Ba−Ca−Cu系酸化物超電導体の粉末を、金属管に充
填する工程と、前記金属管を延伸加工により減面し、前
記酸化物超電導体粉末の結晶のC面を電流を流す方向に
配向させる工程とを有することを特徴とする超電導体線
材の製造方法。 - 【請求項7】前記Bi−Sr−Ca−Cu系酸化物超電導体は、
Bi、Sr、Ca、Cuを原子比でほぼ2:2:1:2もしくはほぼ2:
2:2:3で含む酸化物超電導体、または前記Tl−Ba−Ca−C
u系酸化物超電導体は、Tl、Ba、Ca、Cuを原子比でほぼ
2:2:1:2もしくはほぼ2:2:2:3で含む酸化物超電導体であ
ることを特徴とする、請求項6記載の超電導体線材の製
造方法。 - 【請求項8】前記金属管はAgを含む金属からなることを
特徴とする、請求項6記載の超電導体線材の製造方法。
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JP63087675A JP3034255B2 (ja) | 1988-04-09 | 1988-04-09 | 超電導体、超電導体線材および超電導線材の製造方法 |
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