JP3034110B2 - 撥水膜 - Google Patents

撥水膜

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JP3034110B2
JP3034110B2 JP3353274A JP35327491A JP3034110B2 JP 3034110 B2 JP3034110 B2 JP 3034110B2 JP 3353274 A JP3353274 A JP 3353274A JP 35327491 A JP35327491 A JP 35327491A JP 3034110 B2 JP3034110 B2 JP 3034110B2
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repellent film
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porous film
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治 吉開
章夫 山口
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    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M12/00Hybrid cells; Manufacture thereof
    • H01M12/02Details
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    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空気電池用として好適な
撥水膜に関する。
【0002】
【従来の技術】空気電池は空気中の酸素を活物質として
利用するもので、経済的であり且つ長期無保守で使用で
きる電源として、例えば、航路標識用、各種通信用、電
話機用等として実用に供されてきたが、近年、それを
「ボタン型化」するための研究がか盛んに行われるよう
になった。
【0003】そして、ボタン型電池として、負極ケース
(金属製)と空気孔を有する正極ケース(金属製)をガ
スケットを介して嵌合せしめ、このケース嵌合体の内部
空間をセパレータにより分割し、一方の空間に亜鉛を充
填して負極とし、他方の空間を空気極(正極)とし、更
に該空気極側にポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)多孔質フィルムから成る撥水膜を配置せしめた構造
のものが提案された(高性能電池の最新マニュアル」の
99〜106頁、株式会社総合技術センター、平成1年
6月30日発行)。なお、撥水膜には、通常、拡散紙が
密着される。
【0004】この空気電池においては、正極活物質とし
ての空気中の酸素が正極ケース底面に設けられた貫通孔
から電池内に取り入れられ、拡散紙および撥水膜を通し
て空気極に供給される。拡散紙は空気極全面に酸素を均
一に供給するものであり、撥水膜は電解液(KOH水溶
液が多用され、負極を構成する亜鉛に含浸保持される)
の電池外への不用意な洩れを防止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、或る物品を
実用化するに際しては、「長寿命化」要求が不可避的
で、ボタン型電池も例外ではなく、電池を構成する部材
毎に長寿命化の検討が続けられている。
【0006】電池構成部材の一つである撥水膜には正極
活物質としての酸素供給に際し、空気中の水分を除去す
ることが期待され、上記PTFE多孔質フィルムは「撥
水性」の故にその機能を有するが、電池の長寿命化のた
め、水分除去機能の一層の向上が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記要求を満
たすため鋭意研究の結果、PTFE多孔質フィルムに特
定の処理を施すことにより、該多孔質フィルムをより撥
水性の優れたものとすることができることを見い出し、
本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明に係る撥水膜はPTFE多孔
質フィルムの少なくとも片面を放電処理量50Watt
・sec/cm 2 以上でスパッタエッチング処理して成
るものである。
【0009】本発明に用いるPTFE多孔質フィルムと
しては、通常、その厚さが約30〜200μm、気孔率
約1〜80%、気孔径約0.1〜10μmのものが用い
られる。このPTFEフィルムは通気性を有し、約50
0〜500000sec/100cc(JIS P 8
117に規定されるガーレー法による測定値)程度の通
気量を示す。かようなPTFE多孔質フィルムは、例え
ば、特公昭42−13560号公報、特公昭58−25
332号公報等に記載されている方法により得ることが
でき、焼成品あるいは未焼成品のいずれであってもよ
い。
【0010】本発明においては、PTFE多孔質フィル
ムの少なくとも片面がスパッタエッチング処理される。
PTFE製物品に対するスパッタエッチング処理は特公
昭53−22108号公報に記載され既に知られてお
り、本発明における多孔質フィルムに対する処理もこれ
と同じであってよい。
【0011】このスパッタエッチング処理とは、上記公
報に詳細に説明されているように耐圧容器内で減圧雰囲
気下において陰陽両電極間に高周波電圧を印加し、放電
域のイオンエネルギーの大きな陰極暗部において、放電
によって生じた陽イオンを加速して、陰極上の処理対象
物表面に衝突させて行なうものである。
【0012】そして、このための装置は耐圧容器内に陰
極と陽極が対向して配置され、陰極はインピーダンス整
合器を介して高周波電源に接続されている。陰極の外側
にはシールド用電極が配置され、アース電位に保たれ
る。かような装置の具体例としては、特公昭56−13
37号公報、特公昭56−1340号公報等に記載され
た装置を挙げることができる。
【0013】本発明においては、PTFE多孔質フィル
ムに対するスパッタエッチング処理を安定して行なうた
め、雰囲気圧を通常約0.003〜0.5Torrに設
定する。また、放電電力は実用上約1〜4Watt/c
2 が好ましい。そして、放電処理量、即ち、放電電力
(Watt/cm2 )と処理時間(sec)の積は該多
孔質フィルムの撥水性向上のため、50Watt・se
c/cm2 以上とする必要がある。この放電処理量が少
ないとPTFE多孔質フィルム表面が親水性となり、所
期の目的が達成されない。
【0014】スパッタエッチング処理に用いる高周波電
源としては、通常、数百KHz〜数十MHzの周波数の
ものを用い得るが、実用上は工業割当周波数の13.5
6MHzの電源を用いるのが好ましい。雰囲気ガスとし
てはアルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いる
【0015】かようなスパッタエッチング処理により、
PTFE多孔質フィルムの処理面には微細な針状凹凸が
無数に形成される。従来はPTFE製物品に対するスパ
ッタエッチング処理により、該処理面が親水化されると
認識されていたが、PTFE多孔質フィルムに対し、放
電処理量を上記したように50Watt・sec/cm
2 以上とした場合には、撥水性をより向上できることを
本発明者は知った。PTFE多孔質フィルムのスパッタ
エッチチング処理面が撥水化されたかどうかは、処理面
の水に対する接触角の測定により知ることができ、放電
処理量を上記のように設定して処理を施した面の接触角
は、処理前の値よりも大きくなることが判明した。そし
て、この針状凹凸として、その高さを0.1〜1μm、
存在密度を100000個/mm2 以上とするのが好適
であることも判明した。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0017】実施例1 厚さ100μm、気孔率12%、平均孔径0.5μm、
通気量20000sec/100ccのPTFE多孔質
フィルムの片面を、雰囲気ガスとしてアルゴンガスを用
い、雰囲気圧0.005Torr、放電電力2Watt
/cm2 の条件で35秒間スパッタエッチング処理する
ことにより撥水膜を得た。この撥水膜の水に対する接触
角は135°であり、未処理時の値116°に比べ向上
していた。
【0018】実施例2 処理時間を27秒間とすること以外は実施例1と同様に
作業して撥水膜を得た。この撥水膜の水に対する接触角
は132°であった。
【0019】
【発明の効果】本発明は上記のように構成され、PTF
E多孔質フィルムの表面をスパッタエッチング処理した
ので、撥水性の改善された撥水膜を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 12/06 - 12/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリテトラフルオロエチレン多孔質フィル
    ムの少なくとも片面を放電処理量50Watt・sec
    /cm 2 以上でスパッタエッチング処理して成る撥水
    膜。
  2. 【請求項2】 少なくとも片面に高さ0.1〜1μmの
    針状凹凸が多数形成されて成る請求項1記載の撥水膜。
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