JP3033760U - ピアノキャスター受台用プロテクター - Google Patents

ピアノキャスター受台用プロテクター

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敏雄 天野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 床材、畳、絨毯などの変色を全く起こさず、
しかもピアノを床面、畳面、絨毯上を容易に移動させる
ことのでき、その効果が持続するピアノキャスター受台
を提供する。 【解決手段】 本考案は、熱可塑性エラストマー又は
ポリオレフィン系合成樹脂製のプロテクターと、繊維基
材よりなるシートを前記プロテクターの底面に取り外し
可能に積層することにより上記課題を解決する。すなわ
ち、本考案は、熱可塑性エラストマー又はポリオレフィ
ン系合成樹脂よりなるプレートと、該プレートの周囲に
一体に立設されたリブとからなるプロテクターであっ
て、該プロテクターのリブ形成面と反対側の面に繊維基
材よりなるシートが取り外し可能に積層されてなるピア
ノキャスター受台用プロテクターである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ピアノキャスター受台を載置するためのピアノキャスター受台用プ ロテクターに関し、更に詳細には、繊維基材よりなるシートを必要に応じて取り 外すことが可能なピアノキャスター受台用プロテクターに係るものである。
【0002】
【従来の技術】
ピアノは重量が重いために、ピアノの移動を容易にするためのキャスターが取 り付けられているものである。近年においては、ピアノは普及し、一般家庭に据 えつけられることも多く、一般家庭に据えつける場合にピアノに取り付けられて いるキャスターを使って移動すると、一般家庭の床面に傷つけてしまうものであ る。また、ピアノキャスターをそのままで据えつけると、一般家庭の床面に凹み を付けてしまい、模様替え等の際にピアノを移動すると、キャスターによる凹み が目立ち、嫌われるものである。 それ故、ピアノ輸送業者は、ピアノ据え付け場所の近くまで、担いでピアノを 移動し、硬質ゴム製のピアノキャスター受台を設置し、この硬質ゴム製のピアノ キャスター受台にピアノキャスターを下ろして設置していたものである。
【0003】 上記したようにピアノキャスター受台は、ゴムよりなるため、床面との摩擦が 大きく、ピアノキャスターを設置してしまうと移動ができず、したがって、ピア ノ据え付けは重労働であり、ピアノ輸送業者から改善が求められていたものであ る。 また、一端設置してしまうと移動ができず、特に壁際などに設置した場合には 、ピアノの背面やピアノ背面の壁と床面との境界付近に塵埃が溜まり、ピアノが 移動できないので、ピアノ背面部分の掃除ができないものであった。
【0004】 更には、ピアノキャスター受台がゴム製であり、しかも近年においては、一般 家庭の床は合板床板などの素材が使用されているため、経時的に床を変色させる という問題があるものであった。 これは、ゴム製のピアノキャスター受台は、ゴムの強度を上げるために、ゴム 配合に加硫剤として硫黄を配合していること、ゴムにやや柔軟性を付与するため 可塑剤が配合されていることから、加硫した後にも、一部の加硫剤が製品中に残 存し、この残留硫黄により、床材が変色してしまったり、可塑剤の移行により床 材表面が変色してしまうものであった。
【0005】 これを解決するために、本考案者は、ポリエチレン等合成樹脂よりなるピアノ キャスター受台用のプロテクターを開発した。このプロテクターは、ピアノキャ スター受台を載置するプレート部と、該プレート部の周囲に一体に立設されたリ ブとからなるもので、残留加硫剤や可塑剤の移行を防止し、床材の変色を防止す ることはできるが、床面との摩擦はピアノキャスター受台だけの場合よりも小さ くなるもののピアノの重量が重く容易に床面を滑らすことはできないものであっ た。
【0006】 本考案者は、更に検討を重ね、前記のピアノキャスター受台用プロテクター の床面と接する面に不織布を接着剤にて貼着したピアノキャスター受台用プロテ クターや前記プロテクターの床面と接する面に接着剤を塗布し、短繊維を静電 気により植毛したピアノキャスター受台用プロテクターを開発した。これら、 のピアノキャスター受台用プロテクターを使用した場合には、ピアノを載せた ピアノキャスター受台を、この不織布貼着ピアノキャスター受台用プロテクター に載せても、一人でピアノを押す(又は引く)ことにより、ピアノを容易に移動 することができるものであった。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、ピアノの移動は容易になったものの、不織布をピアノキャスタ ー受台用プロテクターに貼着するのに使用した接着剤や、短繊維を植毛するとき に使用した接着剤の影響により、床材の変色が起きてしまうこと、およびピアノ を畳の上に設置する場合や絨毯の上に設置する場合には、不織布や植毛層が存在 するために逆に畳面や絨毯面との摩擦が極めて大きくなり、ピアノを移動させる ことは全くできず、さらには、わずかではあるが畳や絨毯の変色を引き起こすも のであった。更に、上記の植毛したピアノキャスター受台用プロテクターは、 設置当初は容易に移動できるものであるが、経時的にピアノの重量により植毛層 が潰れてしまい、ピアノの移動が困難になるものであった。 本考案は、このような問題点を解決し、床材、畳、絨毯などの変色を全く起こ さず、しかもピアノを床面、畳面、絨毯上を容易に移動させることができ、その 効果が持続するピアノキャスター受台用プロテクターを提供することを目的とす るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案は、熱可塑性エラストマー又はポリオレフィン系合成樹脂製のプロテク ターと、繊維基材よりなるシートを前記プロテクターの底面に取り外し可能に積 層することにより上記課題を解決する。 すなわち、本考案は、熱可塑性エラストマー又はポリオレフィン系合成樹脂よ りなるプレートと、該プレートの周囲に一体に立設されたリブとからなるプロテ クターであって、該プロテクターのリブ形成面と反対側の面に繊維基材よりなる シートが取り外し可能に積層されてなるピアノキャスター受台用プロテクターで ある。 また、繊維基材よりなるシートが天然繊維、人造繊維、合成繊維から選ばれる 1種以上の繊維から形成される織布、編布、不織布のいずれかであるピアノキャ スター受台用プロテクターである。 織布、編布、不織布が2層以上の複数層からなるものであるピアノキャスター 受台用プロテクターである。 更にまた、熱可塑性エラストマー又はポリオレフィン系合成樹脂よりなるプレ ートと、該プレートの周囲に一体に立設されたリブとからなるプロテクターであ って、該プロテクターのプレート部分に少なくとも1個以上の貫通孔が形成され 、該プロテクターのリブ形成面と反対側の面に繊維基材よりなるシートが、貫通 孔を貫通するホットメルトによりプロテクターのリブ形成面側のホットメルトが 貫通孔の面積より広い面積になるよう、一体に積層されてなるピアノキャスター 受台用プロテクターである。
【0009】 本考案のピアノキャスター受台用プロテクターを形成するプロテクターは、熱 可塑性エラストマー又はポリオレフィン系合成樹脂からなり、熱可塑性エラスト マーとしては、一般に入手可能なスチレン系、オレフィン系、ポリエステル系の ものを用いることができる。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、ハード セグメントがポリスチレンで、ソフトセグメントがブタジエン、ポリイソプレン 、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレンであるものなどが挙げられる。 またオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、ハードセグメントがポリエチ レンあるいはポリプロピレンを用い、ソフトセグメントとしてエチレン−プロピ レン−ジエンゴム、エチレン−プロピレンゴムを用いたものなどが挙げられる。 ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、ハードセグメントにポリエステ ル、ソフトセグメントにポリエーテルまたはポリエステルを用いたものなどが挙 げられる。これらの熱可塑性エラストマーのうちでも、オレフィン系熱可塑性エ ラストマーが好ましく、具体例としてはエクセレンVL200(住友化学社製) 、タフリット(三井デュポンポリケミカル社製)、オレフレックス(昭和電工社 製)、ミラストマー(三井石油化学社製)などが挙げられる。
【0010】 ポリオレフィン系合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ テン等のモノオレフィンの重合体および共重合体を主成分とするものであり、例 えば高密度ポリエチレン、中低密度ポリエチレン、結晶性ポリプロピレン、結晶 性エチレン−プロピレンブロック共重合体、ポリブテン、ポリ−3−メチルブテ ン−1、ポリ−4−メチルペンテンなどが挙げられる。また、これらの混合物も 使用できるものである。
【0011】 そして、プロテクターのプレート部分とリブ部分は、射出成形などにより一体 的に形成される。
【0012】 繊維基材よりなるシートを構成する繊維としては、羊毛繊維、綿繊維、絹繊維 コラーゲン繊維などの天然繊維、スフ繊維、レーヨンなどの人造繊維、ナイロン 繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊維ポリエステル繊維 などの合成繊維が使用される。無機繊維や金属繊維は硬度が高く柔軟性に欠ける ので、床面や畳表面を傷つけるため床面に接する位置には使用できないものであ る。 繊維基材よりなるシートとしては、上記の繊維を使用した織布、編布、不織布 などが使用できる。織布としては通常の平織り布、綾織り布などの一般的な織布 が使用できる。編布としては丸編み布、天竺編み布などの一般的な編布が使用で きる。不織布としては、短繊維を交絡させバインダーにて結合した不織布や長繊 維をランダムに積み重ね二ードルパンチにより交絡させてなる不織布やメルトブ ロー法により積み重ねられた極細繊維を交絡させてなる不織布などが使用できる 。
【0013】 繊維基材よりなるシートは上記の織布、編布、不織布を2層以上に積層してな る複数層からなるものであってもよい。例えば、二重織布、二重編布、二重不織 布などのように織布、編布、不織布を形成するときに二重構造に形成したものや 通常の織布、編布、不織布を重ねて縫着したり二ードルパンチをして二層以上に 積層一体化したものであってもよい。この場合、織布と編布など異種のものを積 層して一体化したものであってもよい。具体的には通常の0.5デニールを越え る太い繊維からなる短繊維層と、0.05デニール以下の極細繊維層とを積層し 二ードルパンチにより交絡させてなる2層不織布などがある。
【0014】 繊維基材よりなるシートは、それ自体腰のあるものが好ましい。これは、繊維 基材よりなるシートはプロテクターの床面側に積層されており、プロテクターに はピアノキャスター受台を介してピアノが載せられ、ピアノを押し(又は引く) ことにより床面を滑るようにさせるためのものであるから、移動中に捲れたり、 捩れたりしてしまう場合があり、捲れたり、捩れたりしてしまうと繊維基材がプ ロテクターより引き剥がされてしまうおそれがからである。 繊維基材よりなるシートの腰の強さは、15°カンチレバー柔軟性により規定 でき、15°カンチレバー柔軟性が3cm以上であるのが好ましい。15°カンチ レバー柔軟性が3cm未満であると、ピアノ移動中に捲くれたり、捩れたりする場 合があり剥がれ落ちてしまうおそれがある。好ましくは、15°カンチレバー柔 軟性が5cm以上、更に好ましくは15°カンチレバー柔軟性が7cm以上である。
【0015】 15°カンチレバー柔軟性は、図2、図3に示すように、傾斜角15°の傾斜 面を有する断面台形状の試験機の上面に、3cm×15cmの長方形の試験片Sを傾 斜面の上辺Eと試験片の長辺とがなす角が直角になり、試験片の一方の短辺S1 が上辺Eと一致するように載置し、試験片を傾斜面の上辺Eと試験片の長辺とが なす角(直角)を維持した状態で傾斜面方向(矢印方向)に移動し、試験片の短 辺S1 が最初に傾斜面に接触したときの移動距離Lを測定する。このLが試験片 の柔軟性を示す。Lが小さければ小さいほど試験片は柔軟性が高いものである。
【0016】 繊維基材よりなるシートをプロテクターのリブ形成面と反対側の面に取り外し 可能に積層するには、熱可塑性エラストマー又はポリオレフィン系合成樹脂より なるプロテクターのプレート部分に少なくとも1個以上の貫通孔が形成され、該 プロテクターのリブ形成面と反対側の面に繊維基材よりなるシートが、貫通孔を 貫通するホットメルトによりプロテクターのリブ形成面側のホットメルトが貫通 孔の面積より広い面積になるよう、一体に積層してもよいものである。
【0017】
【作用】
熱可塑性エラストマーやポリオレフィン系合成樹脂は、硬質ゴム製のキャスタ ー受台中の残留硫黄や可塑剤が床面側に移行することを防止するので、長期間に わたり床材の変色を防ぐことができる。また、繊維基材よりなるシートがプロテ クターのリブ形成面と反対側の面に積層されているので、床面との摩擦が小さく なり、ピアノキャスターを載せたピアノキャスター受台の下に、このピアノキャ スター受台用プロテクターを敷いた場合、ピアノを押す(引く)だけで、ピアノ を移動することができる。 また、繊維基材よりなるシートをプロテクターのリブ形成面と反対側の面に取 り外し可能に積層されているので、ピアノ運搬業者が繊維基材よりなるシートを 熱可塑性エラストマー又はポリオレフィン系合成樹脂よりなるプロテクターのプ レート部分の下に敷くのを忘れたりすることがないものである。 さらには、ピアノを畳の上や絨毯の上に設置する場合には、繊維基材よりなる シートを取り外すことにより、プロテクターと畳や絨毯との摩擦が少なくなり、 ピアノ押す(引く)だけでピアノを移動することができる。
【0018】
【実施例】
実施例1 図1に本考案の実施例を示す。実施例1と同様にポリエチレン樹脂を射出成形 することにより、直径15cmの円形プレート(1)とその周囲に立設されたリブ (2)とが一体的に成形されたプロテクター(3)を得る。このプロテクター( 3)の円形プレート(1)に、円形プレートの中心から放射状に5cmの位置の所 に表面から裏面まで貫通する直径5mmの貫通孔(5)を4個を形成する。プロテ クター(3)のリブ(2)形成面と反対側の面に繊維基材よりなるシート(4) を、積層しプロテクター(3)のリブ(2)形成面側に開孔する貫通孔(5)か らホットメルト(6)を注入し、円形プレート(1)のリブ(2)形成面側に金 属プレートを押しつけ、ホットメルト(6)を繊維基材よりなるシートに浸み込 ませると同時に、円形プレート面側に貫通孔より広い面積に押し広げてホットメ ルト(6)を硬化させてピアノキャスター受台用プロテクターを得た。 繊維基材よりなるシート(4)は、ポリエステル繊維よりなる厚み0.3mmの 不織布と、ナイロン繊維よりなる厚み0.5mmの織布とを二ードルパンチによっ て一体的に積層してなる2層構造のもので、15°カンチレバー柔軟性は12cm であった。二ードルパンチして一体化する前のポリエステル繊維よりなる不織布 の15°カンチレバー柔軟性は13cmで、ナイロン繊維よりなる織布の15°カ ンチレバー柔軟性は2cmであった。
【0019】 このピアノキャスター受台用プロテクター4枚を、その繊維基材よりなるシー トが木製床の床面に接触するように床面上に配置する。図4に示すように、それ ぞれのピアノキャスター受台用プロテクターのリブ(2)が形成されているポリ エチレン樹脂よりなる円形プレート(1)面に硬質ゴム製のピアノキャスター受 台(B)を載置し、次いでピアノに取り付けられているキャスター(A)を、そ れぞれのピアノキャスター受台(B)に形成されているピアノキャスター受け溝 (C)に設置した。ここで使用したピアノキャスター受台(B)には、ピアノ重 量によりピアノキャスター受台(B)が変形しないように補強用の骨材(D)が 一体的に埋め込まれているものを使用した。この骨材(D)は金属板からなり、 中心から放射状に補強リブが複数本形成されており、ピアノの重量により変形し ない強度を有している。
【0020】 このように設置したピアノを女性一人で押したところ軽く移動することができ た。また、ピアノの正面に向かって左端の部分を引いたところ、ピアノの左端が 軽く移動できるものであった。更に、ピアノを設置した状態で6ヵ月間放置し、 1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後のそれぞれについて、ピアノを移動してピアノキ ャスター受台用プロテクターの設置されていた床面を観察したところ、木製床の 表面は全く変色がなかった。
【0021】 同様にして、このピアノキャスター受台用プロテクター4枚を、その繊維基材 よりなるシートを両面接着テープと共に剥がし、繊維基材よりなるシートが積層 されていた面が畳の表面に接触するように畳面上に配置する。それぞれのピアノ キャスター受台用プロテクターのリブが形成されているポリエチレン樹脂よりな るプレート面に硬質ゴム製のピアノキャスター受台を載置し、次いでピアノに取 り付けられているキャスターをそれぞれのピアノキャスター受台のピアノキャス ター受けに設置した。
【0022】 このように設置したピアノを女性一人で押したところ軽く移動することができ た。また、ピアノの正面に向かって左端の部分を引いたところ、ピアノの左端が 軽く移動できるものであった。更に、ピアノを設置した状態で6ヵ月間放置し、 1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後のそれぞれについて、ピアノを移動してピアノキ ャスター受台用プロテクターの設置されていた畳面を観察したところ、畳の表面 は全く変色がなかった。
【0023】 同様にして、このピアノキャスター受台用プロテクター4枚を、その繊維基材 よりなるシートを両面接着テープと共に剥がし、繊維基材よりなるシートが積層 されていた面が絨毯の表面に接触するように絨毯面上に配置する。それぞれのピ アノキャスター受台用プロテクターのリブが形成されているポリエチレン樹脂よ りなるプレート面に硬質ゴム製のピアノキャスター受台を載置し、次いでピアノ に取り付けられているキャスターをそれぞれのピアノキャスター受台のピアノキ ャスター受けに設置した。
【0024】 このように設置したピアノを女性一人で押したところ軽く移動することができ た。また、ピアノの正面に向かって左端の部分を引いたところ、ピアノの左端が 軽く移動できるものであった。更に、ピアノを設置した状態で約6ヵ月間放置し 、1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後のそれぞれについて、ピアノを移動してピアノ キャスター受台用プロテクターの設置されていた絨毯面を観察したところ、絨毯 の表面は全く変色がなかった。
【0025】 実施例2 実施例1と同様にポリエチレン樹脂を射出成形することにより、直径15cmの 円形プレート(1)とその周囲に立設されたリブ(2)とが一体的に成形された プロテクター(3)を得る。このプロテクター(3)の円形プレート(1)に、 円形プレートの中心から放射状に5cmの位置の所に表面から裏面まで貫通する直 径5mmの貫通孔(5)を4個を形成する。プロテクター(3)のリブ(2)形成 面と反対側の面に繊維基材よりなるシート(4)を、積層しプロテクター(3) のリブ(2)形成面側に開孔する貫通孔(5)からホットメルト(6)を注入し 、円形プレート(1)のリブ(2)形成面側に金属プレートを押しつけ、ホット メルト(6)を繊維基材よりなるシートに浸み込ませると同時に、円形プレート 面側に貫通孔より広い面積に押し広げてホットメルト(6)を硬化させてピアノ キャスター受台用プロテクターを得た。 このピアノキャスター受台用プロテクターは、繊維基材よりなるシートを容易 に剥がせるものであり、繊維基材よりなるシートを剥がしたとき、ホットメルト は繊維基材シートに接着して、ポリエチレン樹脂製のプレートに残らない場合と 、ホットメルトは繊維基材から剥離してポリエチレン樹脂製のプレートに残る場 合とがある。ホットメルトがポリエチレン樹脂製のプレートに残っても、ガイホ ットメルトは容易にプレートより取り去ることができ、これを取り去ることによ り、ピアノの移動に影響が生ずることはないものである。 繊維基材よりなるシート(4)は、ポリエステル繊維よりなる厚み0.7mmの 不織布でニードルパンチ加工されたもので、15°カンチレバー柔軟性は14cm であった。
【0026】 このピアノキャスター受台用プロテクターを用いて、実施例1と同様の試験を 行った。その結果は表1に示す。
【0027】 比較例1 実施例1で使用したのと同じ繊維基材よりなるシート(4)をポリエステル系 接着剤にて前記プロテクター(3)のリブ(2)形成面と反対側の面に接着する 以外は実施例1と同様にしてピアノキャスター受台用プロテクターを得た。 このピアノキャスター受台用プロテクターを用いて、実施例1と同様の試験を 行った。その結果は表1に示す。
【0028】 比較例2 実施例1で使用した繊維基材よりなるシートを使用しない以外は実施例1と同 様にしてピアノキャスター受台用プロテクターを得た。 このピアノキャスター受台用プロテクターを用いて、実施例1と同様の試験を 行った。その結果は表1に示す。
【0029】 参考例1 ピアノキャスター受台用プロテクターを使用せず、硬質ゴム製のピアノキャス ター受台のみを使用してピアノを設置した。そして実施例1と同様の試験を行っ た。その結果は表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】 参考例2 実施例1で使用したのと同じポリエチレン樹脂よりなる直径15cmの円形プレ ート(1)とその周囲に立設されたリブ(2)とが一体的に射出成形されたプロ テクター(3)を使用し、表2に示す15°カンチレバー柔軟性の異なる繊維基 材よりなるシートを、このプロテクター(3)の円形プレート(1)の裏面で、 円形プレートの中心から放射状に5cmの位置の所に、1cm×1cmの大きさの両面 接着テープで4箇所を取り外し可能に取り付けて、それぞれピアノキャスター受 台用プロテクターを得た。
【0032】 得られたピアノキャスター受台用プロテクターを、その繊維基材よりなるシー トが下側に位置するように水平に保持し、繊維基材よりなるシートの周辺部がプ ロテクターより垂下がるかいなかを観察した。観察の結果を表2に示す。
【0033】 次にそれぞれのピアノキャスター受台用プロテクター4枚を、その繊維基材よ りなるシートが木製床の床面に接触するように床面上に配置する。図4に示すよ うに、それぞれのピアノキャスター受台用プロテクターのリブ(2)が形成され ているポリエチレン樹脂よりなる円形プレート(1)面に硬質ゴム製のピアノキ ャスター受台(B)を載置し、次いでピアノに取り付けられているキャスター( A)を、それぞれのピアノキャスター受台(B)に形成されているピアノキャス ター受け溝(C)に設置した。ここで使用したピアノキャスター受台(B)には 、ピアノ重量によりピアノキャスター受台(B)が変形しないように補強用の骨 材(D)が一体的に埋め込まれているものを使用した。この骨材(D)は金属板 からなり、中心から放射状に補強リブが複数本形成されており、ピアノの重量に より変形しない強度を有している。
【0034】 このように設置したピアノを女性一人で押して移動し、繊維基材よりなるシー トの捲くれ、捩れの状態、および剥がれを観察した。結果は表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【考案の効果】
本考案のピアノキャスター受台用プロテクターは、熱可塑性エラストマー又は ポリオレフィン系合成樹脂よりなるプロテクターと、該プロテクターのリブ形成 面とは反対側の面に繊維基材よりなるシートが取り外し可能に積層されているの で、 ピアノに取り付けられたピアノキャスターを設置しても、ピアノを床面で容易 に移動させることができ、繊維基材よりなるシートを取り外して使用すれば、ピ アノを畳面や絨毯上に設置しても容易に移動できるものである。 したがって、ピアノ輸送業者がピアノを設置するのが容易であるばかりでなく 、主婦一人でもピアノを容易に移動できるのでピアノの設置場所や、ピアノ裏面 の清掃が容易となるものである。 ゴム製のピアノキャスター受台に含まれる残留硫黄や可塑剤の、床面、畳面、 絨毯面への移行を阻止し、長期間にわたって床、畳、絨毯などの変色を防止でき るものである。 繊維基材よりなるシートがプロテクターと一体に取り外し可能に積層されてお り、ピアノ輸送業者が、プロテクターと繊維基材よりなるシートとが別になって いる場合のように、繊維基材よりなるシートをプロテクター下面に敷くのを忘れ ることがないものである。 プロテクターと繊維基材よりなるシートが、両面接着テープまたはホットメル トにより取り外し可能に取り付けられているので、従来のように接着剤により一 体的に貼り付けられているもののように接着剤の影響により、床などの変色を引 き起こすことはないものである。 繊維基材よりなるシートの15°カンチレバー柔軟性が3cm以上である場合に は、プロテクターに取り外し可能にとりつけても、繊維基材よりなるシートの周 辺部が垂れ下がることなく、ピアノキャスター受台用プロテクターを床面などに 設置する際に、繊維基材よりなるシートが折れ曲がったり、捩れたりすることな く、ピアノを移動する際にも繊維基材よりなるシートが捩れや折れ曲がりに起因 してプロテクター下面より剥離することがないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す説明図である。
【図2】15°カンチレバー柔軟性を測定する方法の説
明図である。
【図3】15°カンチレバー柔軟性を測定する方法の平
面説明図である。
【図4】本考案のピアノキャスター受台用プロテクター
にピアノキャスター受台を載置し、ピアノに取り付けら
れたキャスターを設置した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 円形プレート 2 リブ 3 プロテクター 4 繊維基材よりなるシート 6 貫通孔 7 ホットメルト A ピアノキャスター B ピアノキャスター受台 C ピアノキャスター受け溝 D 骨材 E 上辺 S 試験片 S1 短辺 L 移動距離
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性エラストマー又はポリオレフィ
    ン系合成樹脂よりなるプレートと、該プレートの周囲に
    一体に立設されたリブとからなるプロテクターであっ
    て、該プロテクターのリブ形成面と反対側の面に繊維基
    材よりなるシートが取り外し可能に積層されてなるピア
    ノキャスター受台用プロテクター。
  2. 【請求項2】 繊維基材よりなるシートが天然繊維、人
    造繊維、合成繊維から選ばれる1種以上の繊維から形成
    される織布、編布、不織布のいずれかである請求項1に
    記載されたピアノキャスター受台用プロテクター。
  3. 【請求項3】 織布、編布、不織布が2層以上の複数層
    からなるものである請求項2に記載されたピアノキャス
    ター受台用プロテクター。
  4. 【請求項4】 熱可塑性エラストマー又はポリオレフィ
    ン系合成樹脂よりなるプレートと、該プレートの周囲に
    一体に立設されたリブとからなるプロテクターであっ
    て、該プロテクターのプレート部分に少なくとも1個以
    上の貫通孔が形成され、該プロテクターのリブ形成面と
    反対側の面に繊維基材よりなるシートが、貫通孔を貫通
    するホットメルトによりプロテクターのリブ形成面側の
    ホットメルトが貫通孔の面積より広い面積になるよう、
    一体に積層されてなるものである請求項1〜3項のいず
    れか1項に記載されたピアノキャスター受台用プロテク
    ター。
  5. 【請求項5】繊維基材よりなるシートが、15°カンチ
    レバー柔軟性が3cm以上のものである請求項1〜5項の
    いずれか1項に記載されたピアノキャスター受台用プロ
    テクター。
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