JP3033579U - ディーゼルエンジンの排気黒煙除去装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの排気黒煙除去装置

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JP3033579U JP1996006783U JP678396U JP3033579U JP 3033579 U JP3033579 U JP 3033579U JP 1996006783 U JP1996006783 U JP 1996006783U JP 678396 U JP678396 U JP 678396U JP 3033579 U JP3033579 U JP 3033579U
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弘三郎 野島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両搭載等の過酷な条件下でも、抜群の黒煙
捕集能力と耐久性とを持たせるようにする。 【解決手段】 高圧直流電源13から、ニードル電極8
と偏向電極12とに高電圧が印加されると、ニードル電
極8の針先8aに電界が集中するので、針先8aの回り
にコロナ放電9が持続的安定的に発生する。それゆえ、
ディーゼルエンジンの排気は、そこを通過する際に、排
気中の残留酸素等が電離して、プラスイオンになり、こ
れが炭素微粒子(黒煙)10に付着して粒子自身にプラ
スイオンの電荷を持たせる。帯電された炭素微粒子10
aは、捕集電極11に近いものは、負電位の捕集電極1
1の極板に吸着される。一方、捕集電極11の極板から
離れている帯電炭素微粒子10a,10a,…も、偏向
電極12により捕集電極11の方向に偏向(反発)され
るので、負電位の捕集電極11に吸着される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、電気的制御によるディーゼルエンジンの排気黒煙除去装置に関す る。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、ディーゼルエンジンの排気中には多量の炭素微粒子(いわゆる 黒煙)が存在し、この炭素微粒子は、排気通路を経て空気中に吐き出された後は 、長い時間空気中を舞い、最終的に、煤等となって床面や路面や衣服等に舞い降 りてくる。ところで、炭素は、ものを良く吸着するので、発ガン関連物質等の様 々な化学物質が、空気中を浮遊する炭素微粒子に吸着して、この炭素微粒子を人 間が吸い込むことで人体の中に入り込み、ガンや呼吸器系の疾患を起こすことが 、次第に明らかになってきている。このようなことから、いまや、トラックやバ ス等の車両搭載のディーゼルエンジンが、環境空気の汚染源として、大きな社会 問題となっている。 そこで、環境空気をディーゼル黒煙汚染から守るために、実開昭61−551 14号公報や実開昭61−84851号公報等に記載されているように、車両搭 載のディーゼルエンジンの排気通路に金属繊維やハニカム形状のエレメント等か らなる黒煙除去フィルタを設置した黒煙捕集装置が提供されている。しかしなが ら、この種の黒煙除去フィルタでは、長期間使用すれば、捕集した黒煙によって 目詰まりを起こし、圧力損失が増加するという欠点があった。
【0003】 この不都合を解消する手段として、特開平2−75716号公報に記載されて いるように、目詰まりの起こらない静電気的なディーゼル粒子フィルタが提案さ れている。図15は、同公報記載の静電気的なディーゼル粒子フィルタの構成を 示す縦断面図である。この静電気的なディーゼル粒子フィルタは、同図に示すよ うに、略円筒形の流れ室1と、この流れ室1内に流れ室軸線に沿って張設された タングステンワイヤ等の極細線状体であるコロナ電極2と、このコロナ電極2に 対置された円筒形の分離電極3と、コロナ電極2と分離電極3との間に高電圧を 印加する電圧源4とから概略構成されている。このような構成において、排気流 5が、流れ室1内に進入すると、排気流5中に含まれる炭素微粒子6が、コロナ 放電によって荷電され、静電気力によって分離電極3に向かって偏向され捕捉さ れる。この結果、黒煙の低減された清浄な排気流7が、ディーゼル粒子フィルタ から排出されることとなる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の静電気的なディーゼル粒子フィルタでは、電界集中 がコロナ電極の線条に沿って分散するため、高電圧を印加しても、コロナ放電が 持続的に行われないか又は僅かしか行われず、このため、黒煙等の排気微粒子捕 集能力が不安定でかつ極めて小さいという、実用上深刻な難点があった。加えて 、コロナ電極が、タングステンワイヤ等の極細の線状体からなるため、走行中に 振動や衝撃を絶えず受ける車両に搭載した場合には、しばしば断線するという不 都合もあった。
【0005】 この考案は、上述の事情に鑑みてなされたもので、車両搭載等の過酷な条件下 でも、抜群の黒煙捕集能力と耐久性とを有する、電気的制御によるディーゼルエ ンジンの排気黒煙除去装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の考案は、ディーゼルエンジンの排 気通路に取り付けられ排気中の黒煙を電気的制御により捕集する排気黒煙除去装 置であって、針先の回りにコロナ放電を起こして、上記黒煙を帯電させるための ニードル電極と、帯電された上記黒煙を静電気力で捕集するための捕集電極と、 上記ニードル電極と上記捕集電極との間に所定の直流高電圧を印加するための高 圧直流電源とを備えてなることを特徴としている。
【0007】 また、請求項2記載の考案は、ディーゼルエンジンの排気通路に取り付けられ 排気中の黒煙を電気的制御により捕集する排気黒煙除去装置であって、針先の回 りにコロナ放電を起こして、上記黒煙を帯電させるためのニードル電極と、帯電 された上記黒煙を静電気力で捕集するための捕集電極と、帯電された黒煙に上記 捕集電極へ向かう偏向力を付与するための偏向電極と、上記ニードル電極と上記 捕集電極との間及び上記偏向電極と上記捕集電極との間に所定の直流高電圧を印 加するための高圧直流電源とを備えてなることを特徴としている。
【0008】 また、請求項3記載の考案は、請求項2記載のディーゼルエンジンの排気黒煙 除去装置であって、上記ニードル電極が、針先を上記排気通路の上流側に向けた 状態で、棒状の上記偏向電極の先端部に突設されることで、上記ニードル電極と 上記偏向電極との電極結合体が形成されていることを特徴としている。
【0009】 また、請求項4記載の考案は、請求項3記載のディーゼルエンジンの排気黒煙 除去装置であって、上記捕集電極の極板によって排気が通り抜ける単数又は複数 のトンネルが画成され、上記各トンネル内にニードル電極と棒状の偏向電極との 上記電極結合体が配設されてなることを特徴としている。
【0010】 また、請求項5記載の考案は、請求項4記載のディーゼルエンジンの排気黒煙 除去装置であって、上記捕集電極の極板によって区画された多数のトンネルが格 子状に配列され、上記各トンネル内にニードル電極と偏向電極との上記電極結合 体が配設されてなることを特徴としている。
【0011】 また、請求項6記載の考案は、請求項5記載のディーゼルエンジンの排気黒煙 除去装置であって、上記捕集電極の極板によって区画された多数の上記トンネル が格子状に配列され、上記各トンネル内にニードル電極と偏向電極との上記電極 結合体が配設されてなる単数又は複数の捕集ユニットと、上記排気の流入口及び 流出口を有し、上記各捕集ユニットを収納状態に保持する装置箱体とを備えてな ることを特徴としている。
【0012】 また、請求項7記載の考案は、請求項6記載のディーゼルエンジンの排気黒煙 除去装置であって、上記捕集ユニットが、上記装置箱体に着脱自在に収納状態に 保持されることを特徴としている。
【0013】 また、請求項8記載の考案は、請求項7記載のディーゼルエンジンの排気黒煙 除去装置であって、上記捕集ユニットは、上記捕集電極の極板によって区画され た多数の上記トンネルが格子状に配列されてなる凹状電極サブユニットと、ニー ドル電極と偏向電極との上記電極結合体が上記トンネルのそれぞれに対応して複 数配設されてなる凸状電極サブユニットとからなり、上記凹状電極サブユニット 及び上記凸状電極サブユニットは、互いに着脱自在に嵌着されてなることを特徴 としている。
【0014】 また、請求項9記載の考案は、請求項6,7又は8記載のディーゼルエンジン の排気黒煙除去装置であって、上記捕集ユニットの横断面積のうち、実質的に排 気の通り道となる領域の面積が、ディーゼルエンジンの上記排気通路の横断面積 よりも少なくとも2倍以上広く設定されていることを特徴としている。
【0015】 また、請求項10記載の考案は、請求項1乃至9のいずれか1に記載のディー ゼルエンジンの排気黒煙除去装置であって、上記ニードル電極には正の極性の高 電圧が印加され、針先の回りにコロナ放電を起こしてプラスイオンを発生させる 一方、上記捕集電極は接地されることを特徴としている。
【0016】 また、請求項11記載の考案は、請求項1乃至10のいずれか1に記載のディ ーゼルエンジンの排気黒煙除去装置であって、上記ニードル電極付近での排気の 流れを緩やかにするための減速手段が設けられていることを特徴としている。
【0017】 また、請求項12記載の考案は、請求項1乃至11のいずれか1に記載のディ ーゼルエンジンの排気黒煙除去装置であって、上記ディーゼルエンジンは、車両 搭載のディーゼルエンジンであることを特徴としている。
【0018】
【考案の実施の形態】
以下、図面を参照して、この考案の実施の形態について説明する。説明は、実 施例を用いて具体的に行う。 ◇第1実施例 図1は、この考案の第1実施例である電気的制御によるディーゼルエンジンの 排気黒煙除去装置の基本的構成及び動作原理を説明するための模式図、図2は、 同排気黒煙除去装置の構成を分解して示す分解斜視図、図3は、同排気黒煙除去 装置の電気系統図、図4は、同排気黒煙除去装置の主要部を構成する捕集ユニッ トの縦断面図、図5は、同捕集ユニットをサブユニットに分解して示す縦断面図 、図6は、同捕集ユニットを前側(排気流の上流側)から見た斜視図、図7は、 図6の一部を拡大して示す部分拡大斜視図、また、図8は、同捕集ユニットを後 側(排気流の下流側)から見た斜視図である。
【0019】 この例の排気黒煙除去装置は、トラックやバス等の車両搭載のディーゼルエン ジンの排気通路に取り付けられ、排気中の炭素微粒子(黒煙)をニードル放電方 式の採用により静電的に捕集する排気浄化装置に係り、まず、図1を参照して、 この例の基本的構成及び動作原理について説明する。 この例の排気黒煙除去装置は、図1に示すように、針先8aの回りにコロナ放 電9を起こして、炭素微粒子(黒煙)10,10,…を帯電させるためのニード ル電極8と、帯電された炭素微粒子(帯電炭素微粒子)10a,10a,…を静 電気力で捕集するための捕集電極11と、帯電炭素微粒子10a,10a,…に 捕集電極11へ向かう偏向力を付与するための偏向電極12と、ニードル電極8 と捕集電極11との間及び偏向電極12と捕集電極11との間に所定の直流高電 圧(この例では、5〜6kV)を印加するための高圧直流電源13とを基本的に 備えて構成されている。上記ニードル電極8は、ニッケルメッキされた針先8a をディーゼルエンジンの排気通路の上流側に向け、かつ、互いの軸心を略一致さ せて、この例では、略10mm角、長さ5〜6cmの角棒状の偏向電極12の先 端部に溶接やかしめ等で固着されている。これにより、互いに略共通の軸心を持 つニードル電極8と偏向電極12との電極結合体が形成されている。 上記捕集電極11は、4枚の平板状の金属板を断面方形に組むことで、排気の 通り道となるトンネル状の電極(略20mm角、長さ5〜6cm)とされ、捕集 電極11のトンネル内にニードル電極8と偏向電極12との電極結合体が、トン ネルと軸心を略共通にして配設されている。また、上記高圧直流電源13は、車 両搭載のバッテリ14から供給されるDC24Vの電圧をDC5〜6kVに昇圧 して出力する直流−直流変換回路からなり、正の極性の出力端子は、電極結合体 (偏向電極12)に接続され、負の極性の出力端子は、接地される構成となって いる。なお、捕集電極11も接地されている。
【0020】 上記構成において、エンジンキースイッチ(イグニションスイッチ)15をO Nにすると、エンジンが始動すると同時に、バッテリ14から高圧直流電源13 にDC24Vの電圧が供給される。高圧直流電源13は、DC24Vの電圧の供 給を受けると、DC5〜6kVの高圧を発生して、電極結合体(互いに等電位の ニードル電極8及び偏向電極12)に出力する。これにより、ニードル電極8と 偏向電極12とは、高電位となるが、特に、ニードル電極8の針先8aに電界が 集中するので、針先8aの回りにコロナ放電9が持続的安定的に発生する。それ ゆえ、ディーゼルエンジンの排気は、そこを通過する際に、排気中の残留酸素等 、比較的イオン化エネルギの低い気体分子が電離して、プラスイオンになり、こ れが炭素微粒子10に付着して粒子自身にプラスイオンの電荷を持たせることと なる。このようにして帯電された炭素微粒子10aは、捕集電極11に近いもの は、負電位の捕集電極11の極板に吸着される。一方、捕集電極11の極板から 離れている帯電炭素微粒子10a,10a,…は、まず、偏向電極12の正電位 により捕集電極11の方向に偏向(反発)され、捕集電極11に近づくと、負電 位の捕集電極11の極板に吸着される。それゆえ、0.01μm程度の微小なも のから10μm程度の比較大きな炭素微粒子10,10,…まで効率良く捕集す ることができる。
【0021】 次に、図2乃至図8を参照して、この例の排気黒煙除去装置の具体的構成につ いて説明する。 この例の排気黒煙除去装置は、多数のニードル電極8,8,…と偏向電極12 ,12,…と捕集電極11,11,…とからそれぞれなる前後2段の箱形の捕集 ユニット16,16と、高圧直流電源13と、これらを収納保持する装置箱体1 7とから概略構成されている。 装置箱体17の上面には、図2に示すように、この例の排気黒煙除去装置を車 両本体18に取付固定するための一対の取付金具19,19が取着されていて、 隅部には高圧直流電源13の入力端子に接続されるリード線20,20を通す挿 通孔が穿設されている。装置箱体17の前面には、図3に示すように、フランジ 21の付いた円管状の排気流入口22が設けられていて、図示せぬ消音器下流の 排気通路23にフランジ21,24を介して連結され、ディーゼルエンジンから 吐き出される排気25を装置箱体17の内部に流入させる。装置箱体17の後面 には、円管状の排気流出口26が設けられて、黒煙の除去された排気27を外部 環境に排出する。また、装置箱体17の一方の側面には回動式の蓋部28が設け られていて、捕集ユニット16,16を出し入れできるようにしている。装置箱 体17の内部には、互いに所定の間隔を開けて、前面に平行に併設された2本の 床レール29,29と、それぞれの床レール29,29に対向する位置に配置さ れた2本の天井レール30,30とが対をなして設けられていて、床レール29 ,29と、対応する天井レール30,30とに捕集ユニット16,16を嵌合し た状態で、奥に、手前に摺動することで、捕集ユニット16,16が着脱自在に 前後に並べられて納着保持される構成となっている。なお、図3には表されてい ないが、捕集ユニット16,16を装置箱体17に納着保持した状態では、排気 流入口22から装置箱体17内に流入した排気25は、必ず、捕集ユニット16 ,16を順次通過して外部環境に排出されるようになっている。
【0022】 各捕集ユニット16は、図5に示すように、共に箱形でかつ電気的に隔離され た凸状電極サブユニット31と、凹状電極サブユニット32との嵌着構造からな り、図4、図6及び図7に示すように、格子状に多数配列された捕集電極11, 11,…の各トンネル内にニードル電極8,8,…と偏向電極12,12,…と の電極結合体が一つずつ挿入されたものとなっている。ここで、凹状電極サブユ ニット32は、前後面に開放部を有する方形の金属枠33に、複数の金属板11 a,11b,…を縦横とも略20mmの間隔で互いに直交状態に噛み合わせたも のを組み込むことにより、略20mm角、長さ5〜6cmのトンネル状の捕集電 極11,11,…が格子状に多数配列された構成となっている。 また、凸状電極サブユニット31は、ニードル電極8,8,…が、針先8a, 8a,…を排気流入口22側に向けた状態で、偏向電極12,12,…の先端部 に突設されてなる(捕集電極11,11,…と同数個の)電極結合体が、捕集電 極11,11,…と1対1に対応する位置に格子状に配列されてなっている。こ れらの電極結合体は、縦横に一体的に組まれた金属製の連結部材34,34に一 体連設して支持固定されている。これらの連結部材34,34は、高圧直流電源 13の高圧側の出力端子にリード線20,20を介して接続され、これにより、 全てのニードル電極8,8,…と偏向電極12,12,…とに互いに等電位の高 電圧が印加されるようになっている。上記連結部材34,34,…は、前後面に 開放部を有する方形の支持用金属枠35に、硬質樹脂等の電気絶縁部材36,3 6,…を介して、支持固定されている。
【0023】 上記支持用金属枠35の前面には、同じく前後面に開放部を有する方形の嵌合 用金属枠37が取付固定されていて、この嵌合用金属枠37に凹状電極サブユニ ット32の金属枠33が嵌着されることで、凹状電極サブユニット32が支持用 金属枠に着脱自在に取り付けられている。このようにして、格子状に配列された 全ての捕集電極11,11,…は、金属枠33、嵌合用金属枠37及び支持用金 属枠35を介して、装置箱体17と電気的に接触状態となる。そして、この装置 箱体17は、車両本体18に取付固定される際に、接地されるので、捕集電極1 1,11,…も接地されることになる。一方、電極結合体(ニードル電極8,8 ,…及び偏向電極12,12,…)と捕集電極11,11,…との間には、電気 絶縁部材36,36,…が介挿されているので、両者は電気的に隔離された状態 となる。なお、この例においては、捕集ユニット16,16のうち、排気25の 通り道となる捕集電極11と偏向電極12との間隙の断面積の総和が、ディーゼ ルエンジンの排気通路25の直断面積よりも、少なくとも2倍以上に広く設定さ れている。
【0024】 上記構成において、図3に示すように、エンジンキースイッチ(イグニション スイッチ)15をONにすると、エンジンが始動すると同時に、バッテリ14か ら高圧直流電源13にDC24Vの電圧が供給される。高圧直流電圧13は、D C24Vの電圧の供給を受けると、DC5〜6kVの高圧を発生して、前後2段 の捕集ユニット16,16に出力する。これにより、格子状に多数配列されたニ ードル電極8,8,…と偏向電極12,12,…とは、高電位となるが、特に、 ニードル電極8,8,…の針先8a,8a,…に電界が集中するので、針先8a ,8a,…の回りにコロナ放電9,9,…が持続的安定的に発生する。 それゆえ、ディーゼルエンジンの排気25は、それぞれの針先8a,8a,… を通過する際に、排気中の残留酸素等、比較的イオン化エネルギの低い気体分子 が電離して、プラスイオンになり、これが炭素微粒子10,10,…に付着して 粒子自身にプラスイオンの電荷を持たせることとなる。このようにして帯電され た炭素微粒子10a,10a,…は、対応する捕集電極11,11,…に近いも のは、負電位の捕集電極11,11,…の極板に吸着される。一方、捕集電極1 1,11,…の極板から離れている帯電炭素微粒子10a,10a,…は、まず 、偏向電極12の正電位により捕集電極11,11,…の方向に偏向(反発)さ れ、捕集電極11,11,…に近づくと、負電位の捕集電極11,11,…の極 板に吸着される。なお、ディーゼルエンジンから吐き出された排気25は、排気 流入口22から装置箱体17内に流れ込むと、装置箱体17の横断面積が、ディ ーゼルエンジンの排気通路23の直断面積よりも充分広く設定されているので、 排気速度が弱められる。したがって、排気が、外部環境に吐き出される前に、黒 煙は、捕集電極11,11,…に効率良く吸着されることとなる。
【0025】 それゆえ、上記構成によれば、捕集電極11,11,…と、ニードル電極8, 8,…と、偏向電極12,12,…との組が、格子状に配列され、しかも、前後 2段に配列されているので、広い範囲にわたり、持続的安定的なコロナ放電の幕 が前後2箇所に形成される。したがって、確実に炭素微粒子10,10,…を捕 集できる。また、ニードル電極8,8,…は、尖った針先8a,8a,…を有す るため、そこに電界を集中させることができ、したがって、持続的安定的なコロ ナ放電9,9,…を得ることができる一方、胴体部の径は太いので、車両搭載等 の過酷な条件下でも、抜群の黒煙捕集能力と耐久性とを有する。
【0026】 ◇第2実施例 図9は、この考案の第2実施例である電気的制御によるディーゼルエンジンの 排気黒煙除去装置の構成を分解して示す分解斜視図、図10は、同排気黒煙除去 装置の構成を示す概略縦断面図、また、図11は、同排気黒煙除去装置に組み込 まれる減速プレートの構成を示す図であり、同図(a)は、背面図、同図(b) は側面図である。 この例の排気黒煙除去装置が、上述の第1実施例のそれと大きく異なるところ は、排気流入口22と前段の捕集ユニット16との間に、排気25の速度を減速 させるための減速プレート38を介挿した点である。 このような減速プレート38を設ければ、排気25の速度をさらに一段と弱め ることができるので、黒煙捕集能力がさらに確実に向上する。
【0027】 ◇第3実施例 図12は、この考案の第3実施例である電気的制御によるディーゼルエンジン の排気黒煙除去装置の構成を示す概略縦断面図、また、図13は、同排気黒煙除 去装置に組み込まれる減速プレートの構成を示す図であり、同図(a)は、背面 図、同図(b)は側面図である。この例では、第2実施例の減速プレート38に 代えて、多数の小孔39,39,…が中央部付近に放射状に穿設された減速プレ ート38aが用いられている。 この例の構成によっても、上述の第2実施例と略同様の効果を得ることができ る。加えて、プレート裏面に発生し易い渦を防止でき、流体力学上好ましい結果 も期待できる。なお、小孔39,39,…は、放射状に分布するものに限らず、 不規則に散在するものでも良い。
【0028】 ◇第4実施例 図14は、この考案の第4実施例である電気的制御によるディーゼルエンジン の排気黒煙除去装置の構成を示す概略縦断面図である。 この例の排気黒煙除去装置では、上述の第3実施例の構成に加えて、例えば、 ステンレス等の耐火材からなる減速用補助メッシュ40が、減速プレート38a のすぐ下流に設けられている。この例の構成によれば、減速用補助メッシュ40 によって、黒煙が一部吸着される上、排気25が充分に減速されるので、第2実 施例の構成の場合よりも、黒煙捕集能力が一段と確実に増大する。
【0029】 以上、この考案の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実 施例に限られるものではなく、この考案の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等 があってもこの考案に含まれる。 例えば、ニードル電極8、捕集電極11、偏向電極12の形状や個数は、適宜 変更でき、また、捕集ユニット16の個数も、適宜増減できる。また、上述の実 施例では、排気黒煙除去装置を消音器の下流側に取り付ける場合について述べた が、これに限らず、消音器の上流側に取り付けるようにしても良い。また、捕集 電極11には金属素材に代えて、導電性セラミックスを素材としても良い。
【0030】
【考案の効果】
以上説明したように、この考案の排気黒煙除去装置は、尖った針先を有するニ ードル電極を有するため、そこに電界を集中させることができ、したがって、持 続的安定的なコロナ放電を得ることができる一方、胴体部の径は太いので、車両 搭載等の過酷な条件下でも、抜群の黒煙捕集能力と耐久性とを有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の第1実施例である電気的制御による
ディーゼルエンジンの排気黒煙除去装置の基本的構成及
び動作原理を説明するための模式図である。
【図2】同排気黒煙除去装置の構成を分解して示す分解
斜視図である。
【図3】同排気黒煙除去装置の電気系統図である。
【図4】同排気黒煙除去装置の主要部を構成する捕集ユ
ニットの縦断面図である。
【図5】同捕集ユニットをサブユニットに分解して示す
縦断面図である。
【図6】同捕集ユニットを前側(排気流の上流側)から
見た斜視図である
【図7】図6の一部を拡大して示す部分拡大斜視図であ
る。
【図8】同捕集ユニットを後側(排気流の下流側)から
見た斜視図である。
【図9】この考案の第2実施例である電気的制御による
ディーゼルエンジンの排気黒煙除去装置の構成を分解し
て示す分解斜視図である。
【図10】同排気黒煙除去装置の構成を示す概略縦断面
図である。
【図11】同排気黒煙除去装置に組み込まれる減速プレ
ートの構成を示す図であり、同図(a)は、背面図、同
図(b)は側面図である。
【図12】この考案の第3実施例である電気的制御によ
るディーゼルエンジンの排気黒煙除去装置の構成を示す
概略縦断面図である。
【図13】同排気黒煙除去装置に組み込まれる減速プレ
ートの構成を示す図であり、同図(a)は、背面図、同
図(b)は側面図である。
【図14】この考案の第4実施例である電気的制御によ
るディーゼルエンジンの排気黒煙除去装置の構成を示す
概略縦断面図である。
【図15】従来の静電気的なディーゼル粒子フィルタの
構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
8 ニードル電極(電極結合体の一部) 8a 針先 9 コロナ放電 11 捕集電極 12 偏向電極(電極結合体の一部) 13 高圧直流電源 10 炭素微粒子(黒煙、排気中の微粒子) 10a 帯電炭素微粒子(帯電された微粒子) 16 捕集ユニット 17 装置箱体 18 車両本体 22 排気流入口(排気の流入口) 23 排気通路 25,27 排気 26 排気流出口(排気の流出口) 31 凸状電極サブユニット 32 凹状電極サブユニット 38,38a 減速プレート(減速手段) 40 減速用補助メッシュ(減速手段)

Claims (12)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルエンジンの排気通路に取り付
    けられ排気中の黒煙を電気的制御により捕集する排気黒
    煙除去装置であって、 針先の回りにコロナ放電を起こして、前記黒煙を帯電さ
    せるためのニードル電極と、帯電された前記黒煙を静電
    気力で捕集するための捕集電極と、前記ニードル電極と
    前記捕集電極との間に所定の直流高電圧を印加するため
    の高圧直流電源とを備えてなることを特徴とするディー
    ゼルエンジンの排気黒煙除去装置。
  2. 【請求項2】 ディーゼルエンジンの排気通路に取り付
    けられ排気中の黒煙を電気的制御により捕集する排気黒
    煙除去装置であって、 針先の回りにコロナ放電を起こして、前記黒煙を帯電さ
    せるためのニードル電極と、帯電された前記黒煙を静電
    気力で捕集するための捕集電極と、帯電された前記黒煙
    に前記捕集電極へ向かう偏向力を付与するための偏向電
    極と、前記ニードル電極と前記捕集電極との間及び前記
    偏向電極と前記捕集電極との間に所定の直流高電圧を印
    加するための高圧直流電源とを備えてなることを特徴と
    するディーゼルエンジンの排気黒煙除去装置。
  3. 【請求項3】 前記ニードル電極が、針先を前記排気通
    路の上流側に向けた状態で、棒状の前記偏向電極の先端
    部に突設されることで、前記ニードル電極と前記偏向電
    極との電極結合体が形成されていることを特徴とする請
    求項2記載のディーゼルエンジンの排気黒煙除去装置。
  4. 【請求項4】 前記捕集電極の極板によって排気が通り
    抜ける単数又は複数のトンネルが画成され、前記各トン
    ネル内にニードル電極と棒状の偏向電極との前記電極結
    合体が配設されてなることを特徴とする請求項3記載の
    ディーゼルエンジンの排気黒煙除去装置。
  5. 【請求項5】 前記捕集電極の極板によって区画された
    多数のトンネルが格子状に配列され、前記各トンネル内
    にニードル電極と偏向電極との前記電極結合体が配設さ
    れてなることを特徴とする請求項4記載のディーゼルエ
    ンジンの排気黒煙除去装置。
  6. 【請求項6】 前記捕集電極の極板によって区画された
    多数の前記トンネルが格子状に配列され、前記各トンネ
    ル内にニードル電極と偏向電極との前記電極結合体が配
    設されてなる単数又は複数の捕集ユニットと、前記排気
    の流入口及び流出口を有し、前記各捕集ユニットを収納
    状態に保持する装置箱体とを備えてなることを特徴とす
    る請求項5記載のディーゼルエンジンの排気黒煙除去装
    置。
  7. 【請求項7】 前記捕集ユニットは、前記装置箱体に着
    脱自在に収納状態に保持されることを特徴とする請求項
    6記載のディーゼルエンジンの排気黒煙除去装置。
  8. 【請求項8】 前記捕集ユニットは、前記捕集電極の極
    板によって区画された多数の前記トンネルが格子状に配
    列されてなる凹状電極サブユニットと、ニードル電極と
    偏向電極との前記電極結合体が前記トンネルのそれぞれ
    に対応して複数配設されてなる凸状電極サブユニットと
    からなり、前記凹状電極サブユニット及び前記凸状電極
    サブユニットは、互いに着脱自在に嵌着されてなること
    を特徴とする請求項7記載のディーゼルエンジンの排気
    黒煙除去装置。
  9. 【請求項9】 前記捕集ユニットの横断面積のうち、実
    質的に排気の通り道となる領域の面積が、ディーゼルエ
    ンジンの前記排気通路の横断面積よりも少なくとも2倍
    以上広く設定されていることを特徴とする請求項6,7
    又は8記載のディーゼルエンジンの排気黒煙除去装置。
  10. 【請求項10】 前記ニードル電極には正の極性の高電
    圧が印加され、針先の回りにコロナ放電を起こしてプラ
    スイオンを発生させる一方、前記捕集電極は接地される
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1に記載の
    ディーゼルエンジンの排気黒煙除去装置。
  11. 【請求項11】 前記ニードル電極付近での排気の流れ
    を緩やかにするための減速手段が設けられていることを
    特徴とする請求項1乃至10のいずれか1に記載のディ
    ーゼルエンジンの排気黒煙除去装置。
  12. 【請求項12】 前記ディーゼルエンジンは、車両搭載
    のディーゼルエンジンであることを特徴とする請求項1
    乃至11のいずれか1に記載のディーゼルエンジンの排
    気黒煙除去装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3384746B2 (ja) 1998-06-10 2003-03-10 三洋電機株式会社 空気清浄機用放電電極
JP3421602B2 (ja) 1999-01-19 2003-06-30 三洋電機株式会社 空気清浄機用放電電極
JP3426968B2 (ja) 1998-06-10 2003-07-14 三洋電機株式会社 空気清浄機の集塵ユニット
JP5687369B1 (ja) * 2014-01-29 2015-03-18 保雄 寺谷 空気清浄機

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