JP3033376U - 枕 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 過度に弾性変形しない芯材によって頸部から
頭部にかけての理想的な支持形態を積極的に保持し、且
つ、支持面への通気性や指圧代用効果が良好である枕を
得る。 【解決手段】 高密度発泡スーパーフォームを主材と
し、枕の長手方向に沿った上面両端縁部分のうち一方が
他方より高く、それらの中央部分は低位側端縁部分と略
等高であるかまたは低くされ、全体としては枕の短手方
向に逆傾斜をなし、且つ、表面に通気性ウレタンフォー
ムを素材とし多数の略半球状突起を形成したエンボス材
を被着した芯材を適宜の側地で包覆した。また、上記芯
材と側地との間に遠赤外線放射セラミックシートを介装
すると共に、該遠赤外線放射セラミックシートの芯材中
央部分に対応した部分に、複数の好気性微生物を含浸定
着させたバイオリボンを介置した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は枕に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、袋体に粒状物等の充填物を封入した枕が広く用いられてきた。このよう な枕は頭部の形状に即して容易に変形しうる反面、不定形であるため、頭部を支 持する形態は一定せず、また概して頸部が沈みがちであった。

【０００３】 一方、ウレタンフォームを芯材に用い、人体頸部から頭部にかけて理想的な支 持形態が得られるように断面形状を工夫すると共に、表面にはプロファイル加工 により多数の突起を形成した枕も周知である。このような枕はクッション性が良 好であるが、ウレタンフォームが柔軟性に富むために容易に弾性変形し、切角の 断面形状が充分に生かされないばかりか、変形量が多いと熱が籠り快適な睡眠が 妨げられることになる。プロファイル加工による突起もマットレス等平面的で高 範囲な支持面を形成する場合には点圧効果を期待できるが、硬い立体形状の後頭 部を支持する枕にあっては、突起が容易に潰れてしまい、点圧効果（指圧代用効 果）や通気性を確保する手段としては不充分であった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、従来の枕の上記の点に鑑みて、過度に弾性変形しない芯材によって 頸部から頭部にかけての理想的な支持形態を積極的に保持し、且つ、支持面への 通気性や指圧代用効果が良好である枕を得ることを目的としてなされたものであ る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

高密度発泡スーパーフォームを主材とし、枕の長手方向に沿った上面両端縁部 分のうち一方が他方より高く、それらの中央部分は低位側端縁部分と略等高であ るかまたは低くされ、全体としては枕の短手方向に逆傾斜をなし、且つ、表面に 通気性ウレタンフォームを素材とし多数の略半球状突起を形成したエンボス材を 被着した芯材を適宜の側地で包覆した。また、上記芯材と側地との間に遠赤外線 放射セラミックシートを介装すると共に、該遠赤外線放射セラミックシートの芯 材中央部分に対応した部分に、複数の好気性微生物を含浸定着させたバイオリボ ンを介置した。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態について図面と共に説明する。

【０００７】 図１及び図２に本考案実施形態の枕１を示す。図において、枕１は、高密度発 泡スーパーフォームを主材２１としその表面にエンボス材２２を被着した芯材２ 、該芯材２を包覆する側地３、及び、それらの間に介装した遠赤外線放射セラミ ックシート４、該遠赤外線放射セラミックシート４に貼着したバイオリボン５よ り構成されている。

【０００８】 芯材２は、枕１の長手方向に沿った上面両端縁部分２ａ，２ｂのうち一方２ａ が他方２ｂより高く、それらの中央部分２ｃは低位側端縁部分２ｂと略等高であ るか、または低くされ、全体としては枕１の短手方向に逆傾斜をなしつつ、緩や かな曲線をなしている。

【０００９】 主材２１の高密度発泡スーパーフォームは、一旦発泡させたウレタンフォーム の小片を更に圧縮して一体化させ前記の形状に成形したものであるため、充分な 緩衝性を有しつつも弾性回復力が大きく、従って、頭部の静的荷重に対しては弾 性変形量の少ない適度な硬さの芯材２を構成する。

【００１０】 また、主材２１の表面に被着したエンボス材２２は、連続気泡構造をなす通気 性ウレタンフォームを型を用いて熱プレス加工することにより一面に多数の略半 球状突起２３を形成している。この突起２３は、従来のプロファイル加工による ものに比べて指圧代用効果が良好であり、且つ、素材自体の通気性と各突起２３ の間に形成される空間とによって平面方向への通気性が良好である。

【００１１】 更に、上記芯材２と側地３との間に介装した遠赤外線放射セラミックシート４ は、ジルコニア，アルミナ等の酸化物系セラミックス微粉末，窒化ケイ素等の窒 化物系セラミック微粉末，炭化ケイ素等の炭化物系セラミックス微粉末や、それ らの混合物からなる遠赤外線放射セラミック微粉末を接着剤と共にポリエステル 綿に配合定着させ、シート状としてなるものであり、クッション材としての機能 も有している。

【００１２】 そして、上記遠赤外線放射セラミックシート４に貼着されたバイオリボン５は 、複数の好気性微生物の細幅のテープ状基材に含浸定着させてなるものであり、 好気性微生物が分泌する酵素の作用によって、悪臭物質を分解すると共に、悪臭 の原因となる嫌気性発酵を防止することにより、消臭，抗菌等の作用を有するも のである。

【００１３】 上述の如く構成された枕１は、図２に示す様に、高位側端縁部分２ａを首筋か ら肩に合わせて使用する。すると、後頭部は両端縁部分２ａ，２ｂの間のやや低 くなった中央部分２ｃにおいて支持され、高位側端縁部分２ａから低位側端縁部 分２ｂにかけて逆傾斜をなしているため、頭部の前傾が防止され、喉元に負担が 掛からず、呼吸が楽になると共に、肩から首筋，後頭部にかけての体型及び頸椎 に良く適合した理想的な支持形態が得られる。

【００１４】 しかも、半硬質の高密度発泡スーパーフォームを主材２１とした芯材２は、充 分な緩衝性を有しつつも、頭部の静的荷重に対しては過度に弾性変形せず、殆ど 上述の理想的な断面形状のまま保持されるので、従来の柔軟な枕の如く弾性変形 によって設計どおりの形状的効果が得られないといった問題は生じない。

【００１５】 そして、エンボス材２２の一面に形成された突起２３は、それ自体適度な硬度 を有することに加え、上述した主材２１の弾性変形量が少ないことにより、頭部 や頸部から肩にかけて指圧代用効果が一層顕著なものとなり、且つ、遠赤外線放 射シート４から放射される遠赤外線との相乗効果によりこれらの部分での血行が 促進されて疲労回復にも有効である。更に、主材２１及びエンボス材２２の突起 ２３の変形が小さいことで、枕１の使用時においても突起２３が潰れたり主材２ １の変形に埋没したりすることが無いので、芯材２表面には常に平面方向への通 気性が確保され、エンボス材２２の素材自体の通気性と相俟って就寝中、頭部に 蒸れを生ずることが無い。

【００１６】 また、バイオリボン５によって、就寝中に生ずる汗や、老廃物が分解され、消 臭及び抗菌作用が期待できる。特に、先述した芯材２表面のエンボス材２２の通 気性によって、バイオリボン５に含浸定着させた好気性微生物の活動が活発にな り、消臭，抗菌等の効果が一層強化されることになる。

【００１７】 尚、本考案の枕１は芯材２の主材２１とエンボス材２２の上述の構成により通 常の枕としての用途の他に、ウエストパットとして利用することも出来る。例え ば、就寝前等に、仰臥姿勢で枕１を腰の下に挿入し、その上で体を動かすことに より良好なマッサージ効果が得られる。

【００１８】

【考案の効果】

本考案の枕は、上述の通り、高密度発泡スーパーフォームを主材とし、枕の長 手方向に沿った上面両端縁部分のうち一方が他方より高く、それらの中央部分は 低位側端縁部分と略等高であるかまたは低くされ、全体としては枕の短手方向に 逆傾斜をなし、且つ、表面に通気性ウレタンフォームを素材とし多数の略半球状 突起を形成したエンボス材を被着した芯材を適宜の側地で包覆してなるので、芯 材が頭部の静的荷重に対して過度に弾性変形することが無く、頭部から頸部にか けての理想的な支持形態が得られる断面形状を積極的に保持することによって、 その形状的効果を最大限に引き出し首筋や喉元に負担の掛からない楽な就寝姿勢 がとれると共に、エンボス材による指圧代用効果が一層顕著なものとなり、頭部 や首筋，肩の血行が促進され疲労回復効果が有ることに加え、平面方向への通気 性が良好であるため頭部に蒸れを生じることもなく、快適且つ健康的な睡眠が可 能である。

【００１９】 また、芯材と側地との間に遠赤外線放射セラミックを介装すると共に、該遠赤 外線放射セラミックシートの芯材中央部分に対応した部分に、複数の好気性微生 物を含浸定着させたバイオリボンを介置したので、エンボス材の指圧代用効果と の相乗作用で疲労回復効果が更に助長されると共に、バイオリボンによる消臭， 抗菌等の作用が芯材表面の通気性によって一層強化され、清潔で健康的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施形態の枕を示す一部切除した斜視図
である。

【図２】使用状態における図１のII−II線断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 枕 ２ 芯材 ２ａ，２ｂ 端縁部分 ２ｃ 中央部分 ３ 側地 ４ 遠赤外線放射セラミックシート ５ バイオリボン ２１ 主材 ２２ エンボス材 ２３ 突起

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高密度発泡スーパーフォームを主材と
   し、枕の長手方向に沿った上面両端縁部分のうち一方が
   他方より高く、それらの中央部分は低位側端縁部分と略
   等高であるかまたは低くされ、全体としては枕の短手方
   向に逆傾斜をなし、且つ、表面に通気性ウレタンフォー
   ムを素材とし多数の略半球状突起を形成したエンボス材
   を被着した芯材を適宜の側地で包覆してなる枕。
2. 【請求項２】 芯材と側地との間に遠赤外線放射セラミ
   ックシートを介装すると共に、該遠赤外線放射セラミッ
   クシートの芯材中央部分に対応した部分に、複数の好気
   性微生物を含浸定着させたバイオリボンを介置した請求
   項１記載の枕。