JP3033207U - 加工食品用包装容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 器部と蓋部を食品包装用透明フィルムで覆い
包むようにしたため、器部から蓋部を取り外すとき、蓋
部が壊れることなく数回に渡って使用することができ、
また、容器内との通気性が確保できるため、内部が膨張
して容器の外形が変形することなく、かつ、加工食品の
水分が外部に漏れることを防止できる加工食品用包装容
器を提供することを目的とするものである。 【構成】 加工食品包装容器１は、縁３と、底部４と、
底部４に設けられた凹部４ａとを有する器部２に、その
中央部に設けられた凹部５ａと、前記縁３と嵌合する縁
６とを有する蓋部５を覆い被せ、食品包装用透明フィル
ム７の包み始めの縁７ａと、包み終わりの縁７ｂを前記
器部２の底部４で重ねて、さらに、食品包装用透明フィ
ルム７の右端縁７ｃと、左端縁７ｄを前記器部２の底部
４で重なるように包み、その上部にラベル８を貼り付け
た構成となっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、加工食品を、小分けにして包装するための、加工食品用包装容器に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

漬け物や佃煮といった加工食品は、その製造において、一度に大量の食品を加 工し、この加工した食品は、通常１００ｇ程度の単位に分けて商店で販売されて いる。 このように小分けにされた加工食品は、ナイロン製の袋に入れ、その口をテー プで止めて商店の陳列棚に置かれて販売されていた。 しかしながら、ナイロン袋に入れられた加工食品は、外観形状が一定せず、不 安定で、陳列棚等に陳列した場合に、整列して並べることが難しく、煩雑な印象 を消費者に与えて購買意欲を減退させていた。 そこで、従来より、このような加工食品は、ポリスチレン樹脂の容器に入れら れて密閉され、商品化がなされている。

【０００３】 図３は、従来の加工食品用容器１０の構成が示してあり、図３（ａ）は従来の 加工食品用容器１０の斜視図、同（ｂ）は、該容器１０の断面図である。図中、 １１は、器部、１２は、器部１１の縁、１３は、蓋部、１４は、蓋部の縁、１５ は、高周波による融着箇所、１６は、蓋部１３に設けられた通気穴である。 器部１１は、無色透明なポリスチレン樹脂の薄板を射出形成したものであり、 その一辺が１０〓内外の正方形、深さ２．５〓内外の外形を有しており、その形 状は、上方向に開いた箱体からなり、その上部端は下方向にコの字型に折り曲げ られた縁１２が形成されている。 蓋部１３は、上述した器部１１と対になるものであり、器部１１と同様に無色 透明なポリスチレン樹脂の薄板を射出形成したものであり、形状は、その縁を下 方向にコの字型に折り曲げて溝状にし、上述した器部１１の縁１２と嵌合する幅 を有する縁１４が形成されている。

【０００４】 つぎに、この従来の加工食品用容器１０に加工食品を入れる様子を説明する。 まず、器部１１内に、漬け物、佃煮といった加工食品を入れる。そして、器部 １１の上方から蓋部１３で覆い、器部１１の上部に設けられた縁１２と、蓋部に 設けられた縁１４を嵌合させて、加工食品の入った器部１１を蓋部１３で閉じる 。 そして、図示外の高周波融着装置を用いて、器部１１の縁１２と、嵌合した蓋 部１３の縁１４の融着箇所１５を高周波を用いて融着し、完全に接着させる。 これにより、該容器１０に入れられた加工食品の輸送中や陳列中に、誤って蓋 部１３が外れてしまうことがなかった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような加工食品は、家庭の食卓等では、必ずしも、一度に 消費されるものではなく、数回にわたり食卓に供されることがある。そのような 場合には、上記した従来の加工食品用容器１０は、器部１１と蓋部１３を高周波 で融着しているため、一旦、器部１１から蓋部１３を取り外すと、蓋部１３を切 り裂いて取り外すしか他に方法がなかった。 したがって、容器１０内の加工食品を次の食卓に供するためには、これを保存 しておくため、他の容器に移し替えて、さらに、これを食品用包装フィルムで覆 って、あるいは、別途の蓋付きの容器に入れて、これを冷蔵庫等で保存するとい うことを行っていた。

【０００６】 また、このように容器収容された食品は、通常は、密閉された状態におかれる ため、周囲の温度が上昇すると、容器内の空気が膨張して、器部１１、蓋部１３ が膨らんで変形し、この加工食品用容器１０を複数個重ねて陳列された場合など 、陳列状態が、不安定となり、商店の陳列棚等から、上方の加工食品用容器１０ が崩れ落ちてしまうといった問題があった。このことから、蓋部１３に小さな通 気穴１６を施して、高い温度下に置かれるときには、容器内の膨張した空気を外 部に逃がす通気穴１６を蓋部１３に施すことが行われていたが、水分を多く含む 食品にあっては、この穴１６から水分が漏れてしまい、周囲を汚してしまうとい う欠点があった。

【０００７】 本考案は、上記従来の事情に鑑みてなされたもので、器部と蓋部を空気が自在 に流通できるように、食品包装用透明フィルムで覆い包むようにしたため、器部 から蓋部を取り外すとき、蓋部が壊れることなく数回に渡って使用することがで き、また、容器内との通気性が確保できるため、周囲の温度変化によって、容器 が変形することなく、かつ、収容する食品の水分が外部に漏れることを防止でき る加工食品用包装容器を提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本願請求項１に記載の考案は、加工食品用包装容器において、上部に下方向に 所定幅に折り曲げられた縁を有し、食品を封入する深さを有する透明な器部と、 その縁は、前記器部に設けられた所定幅の縁に嵌合するように下方向に折り曲げ られた溝を有し、前記器部を覆う透明な蓋部と、前記器部と前記蓋部を覆う所定 大の通気性食品包装用透明フィルムと、前記食品包装用透明フィルムの上表面に 貼り付けられ、内部に収容される食品を明示するラベルとからなることを特徴と するものである。

【０００９】 また、本願請求項２に記載の考案は、前記請求１記載の加工食品包装容器にお いて、前記器部は、底部に外周に、所定幅を有する凸部と、中央部に形成される 凹部とを有し、前記器部および前記蓋部を覆う透明フィルムの結び端が、該凹部 に部分的に収容されて形成されることを特徴とするものである。 さらに、本願請求項３に記載の考案は、前記請求１記載の加工食品包装容器に おいて、前記蓋部は、前記器部の底部外縁が、緩やかに勘合する凹部を有し、前 記蓋部上に、前記器部を積み重ね可能に形成したことを特徴とするものである。

【００１０】

【考案の実施の形態】 本考案の加工食品用包装容器は、器部内に、漬け物、佃煮といった加工食品を 入れ、器部２の上方から蓋部を覆い被せ、器部に設けられた縁と、蓋部に設けら れた縁を嵌合させて、加工食品の入った器部を蓋部で閉じる。 つぎに、この蓋部が閉じられた器部の底部に、食品包装用透明フィルムの包み 始めの縁を置き、該フィルムを器部の底部から蓋部を覆って、その包み終わりの 縁を包み始めの縁と重なるように接着させ、つぎに食品包装用透明フィルム７の 右端縁と左端縁を下方に折り、器部の底部に接着させる。 そして、食品包装用透明フィルム７の表面の蓋部５の略中央の位置に、ラベル を接着する。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案に係る加工食品包装容器の一実施例を図面に基づいて説明する。 図１は、本実施例に係る加工食品包装容器１を示す構成図であり、図１（ａ） は、加工食品包装容器１の斜視図、同（ｂ）は、該容器１の断面図である。 図中、２は、器部、２ａは器部の側部３は、器部２の縁、４は、器部２の底部 、４ａは、凹部５は、蓋部、５ａは、凹部、６は、蓋部の縁、７は、食品包装用 透明フィルム、７ａは、食品包装用透明フィルムの包み始めの縁、７ｂは、食品 包装用透明フィルムの包み終わりの縁、７ｃは、食品包装用透明フィルムの右端 縁、７ｄは、食品包装用透明フィルムの左端縁、８は、ラベルであり、８ａは、 ラベルの記載面、８ｂは、ラベルの接着面である。 器部２は、無色透明なポリスチレン樹脂の薄板を射出形成したものであり、こ のポリスチレン樹脂は、熱流動性、熱安定性に優れた熱可塑性能を有し、それを 成形してなる本実施例に係る包装容器の形状は、上方向に開いた箱体からなり、 その上部端は下方向にコの字型となるように折り曲げられ、縁３が形成されてい る。

【００１２】 また、前記器部２の側部２ａは、器部２内に入れられた加工食品の重圧で撓ま ないように、側部２ａを凹凸となるように折り目が施されている。 そして、器部２の底部４においても、側部２ａと同様に、器部２に加工食品を 入れた際に、その重みで底部４が撓まないように、底部４の形と相似形となる位 置の複数箇所を折り曲げて上方向への若干の段差となるよう凹部４ａが設けられ ている。

【００１３】 蓋部５は、上述した器部２と対になるものであり、器部２と同様に無色透明な ポリスチレン樹脂の薄板を射出形成したものであり、形状は、蓋部５の中央部分 が凹部５ａとなるように、その縁を下方向にコの字型に折り曲げて、上述した器 部２の縁３と嵌合する幅を有する溝状の縁６が形成されている。 また、本実施例では、１００ｇの加工食品を入れるため、器部２の底部４は、 その一辺が１０〓内外の正方形で、蓋部５を含む高さが２．５〓内外の四角柱状 の容器を使用している。

【００１４】 一方、前記ポリスチレン樹脂を成形してなる透明包装容器１、２を覆う食品包 装用透明フィルム７は、ポリ塩化ビニリデンに、脂肪酸誘導体または脂肪族多塩 基酸エステル等の柔軟剤と、エポキシ化植物油またはカルシウム化合物等の安定 剤を添加したものであり、耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性（融点が２１２℃）に優 れ、吸水性はほとんどなく、若干の通気性を有している。

【００１５】 また、前記食品包装用透明フィルム７は、相互接着性がよいため、特別に接着 剤等を用いることなく、該フィルム７同志が接着される性質を有している。この 食品包装用透明フィルム７は所定大（通常、包む物の表面積の２倍程度の大きさ ）の四角形にカットされ、その四辺の縁は、食品包装用透明フィルム７の包み始 めの縁７ａ、該フィルム７の包み終わりの縁７ｂ、該フィルム７の右端縁７ｃ、 該フィルム７の左端縁７ｄとなるように構成され、前記器部２を前記蓋部５で覆 い被せた状態の該容器１を、食品包装用透明フィルム７で覆い包むものである。

【００１６】 ラベル８は、上述した蓋部５の上面より小さな表面積を有する耐水性紙等であ り、その記載面８ａには、該容器内に入れられる加工食品の商標、材料、添加物 、製造年月日、賞味期限年月日、内容量、製造販売会社名、保存方法等（以下、 記載面８ａに記載されたものを、単に「商標等」という。）が記載され、その表 面には記載内容が消えないようにナイロンコーティング等が施されている。そし て裏面には粘着剤が施されて接着面８ｂが形成され、所定の位置に貼ることがで きるようになっている。

【００１７】 つぎに、上記構成の加工食品用包装容器１に、加工食品を入れて包装する様子 を図面を参照して説明する。なお、上記した器部２、蓋部５、食品包装用透明フ ィルム７、ラベル８は、あらかじめ製造して用意されているものである。 図２は、加工食品用包装容器１の各構成部分が示してあり、まず、器部２内に 、漬け物、佃煮といった加工食品を入れる。そして、器部２の上方から蓋部５で 覆い被せ、器部２の上部に設けられた縁３と、蓋部５に設けられた縁６を嵌合さ せて、加工食品の入った器部２を蓋部５で閉じる。 そして、この蓋部５が閉じられた器部２の底部４に、食品包装用透明フィルム ７の包み始めの縁７ａを置き、食品包装用透明フィルム７を器部２の底部４から 蓋部５を覆い、その包み終わりの縁７ｂが、包み始めの縁７ａと重なるように接 着させる。

【００１８】 ついで、この食品包装用透明フィルム７の右端縁７ｃと左端縁７ｄを下方に折 り、右端縁７ｃと左端縁７ｄを、器部２の底部４に接着させる。 このとき、上述したように器部２の底部４は、上方向に持ち上げられた形状の 凹部４ａを有しているため、食品包装用透明フィルム７を、その底部４の凹部４ ａで重ね合わせても、該加工食品用包装容器１の底部４は凸凹とならず、平らな 場所に安定して置くことができる。 そして、食品包装用透明フィルム７で器部２と蓋部５を包み終わると、蓋部５ の略中央の位置に、食品包装用透明フィルム７の上から商標等が記載されたラベ ル８の接着面８ｂを接着して、該容器１内の加工食品の商標等を消費者に明示し ている。

【００１９】 このように、前記器部２と前記蓋部５とは、完全に接着されていないため、器 部２から蓋部５を容易に開けることができる。また、この器部２と蓋部５を覆い 包む食品包装用透明フィルム７自体が、僅かながら通気性を有しているため、空 気が移動し、また、食品包装用透明フィルム７の包み始めの縁７ａと包み終わり の縁７ｂが重なった部分、右端縁７ｃと左端縁７ｄを重ねた部分においても、完 全接着の状態とはならないため、若干の通気が確保される。

【００２０】 なお、上記実施例では、加工食品用包装容器１の形状を四角柱状の器部と、こ れに合った蓋部を使用したが、器部は、特に四角柱状の形状である必要はなく、 円柱状の器部と、これに合う蓋部を使用するようにしてもよく、その形状は限定 されるものではない。また、該容器１の内容物である加工食品の量にあわせて、 該容器１の高さを高くしてもよいし、低くしてもよい。 また、上記実施例では、器部に加工食品を入れ、蓋部をした後、食品包装用透 明フィルム７の縁を器部の底部の凹部４ａに重ねて接着したが、その重なり部分 が底部に限定される必要はなく、該フィルム７の縁を蓋部の凹部５ａに重ねて接 着するようにしてもよい。

【００２１】 なお、上記実施例では、商標等を記載したラベルを、蓋部の上部の食品包装用 透明フィルムの表面に貼り付けて、商標等を明示したが、例えば、商標、製造販 売会社名、内容量、保存方法等を、一の内容として一のラベルに記載し、材料、 添加物、製造年月日、賞味期限年月日等を他の内容として他のラベルに分けて記 載し、それぞれ、一のラベルを該容器１の上部に貼り、他のラベルを該容器の底 部に貼るようにしてもよい。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案における加工食品用包装容器によると、器部に蓋 部を覆い被せ、これを食品包装用透明フィルムで覆い包むようにしたため、食品 包装用フィルムを取り外したのち、器部から容易に蓋部を開けることが可能とな る。これにより、器部から蓋部を開けるときに蓋部が壊れてしまうことがなくな り、、また、これらの器部および蓋部を繰り返し使用できるため、他の容器に移 し替える手間を要しなくなる。 また、当該加工食品用包装容器は、器部に加工食品を入れて蓋部を被せた後、 通気性を有する食品包装用透明フィルムで覆い包むようにしたため、蓋部に通気 穴を設ける必要がなく、加工食品用包装容器内の膨張により変形して、積み重ね たときに崩れ落ちることが防止され、また、この食品包装用透明フィルムは、相 互接着性がよいため、当該加工食品用包装容器を重ねて陳列しても滑り落ちるこ とがなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る加工食品用包装容器の
概要構成図である。

【図２】本考案の一実施例に係る加工食品用包装容器の
構成を示す説明図である。

【図３】従来の加工食品用容器の概要構成図である。

【符号の説明】

１・・・加工食品用包装容器 ２・・・器部 ３・・・縁 ４・・・底部 ４ａ・・・凹部 ５・・・蓋部 ５ａ・・・凹部 ６・・・縁 ７・・・食品包装用透明フィルム ８・・・ラベル

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部に下方向に所定幅に折り曲げられた
   縁を有し、食品を封入する深さを有する透明な器部と、 その縁は、前記器部に設けられた所定幅の縁に嵌合する
   ように下方向に折り曲げられた溝を有し、前記器部を覆
   う透明な蓋部と、 前記器部と前記蓋部を覆う所定大の通気性食品包装用透
   明フィルムと、 前記食品包装用透明フィルムの上表面に貼り付けられ、
   内部に収容される食品を明示するラベルと、からなるこ
   とを特徴とする加工食品用包装容器。
2. 【請求項２】 前記器部は、底部に外周に、所定幅を有
   する凸部と、中央部に形成される凹部とを有し、前記器
   部および前記蓋部を覆う透明フィルムの結び端が、該凹
   部に部分的に収容されて形成されることを特徴とする請
   求項１記載の加工食品用包装容器。
3. 【請求項３】 前記蓋部は、前記器部の底部外縁が、緩
   やかに勘合する凹部を有し、前記蓋部上に、前記器部を
   積み重ね可能に形成したことを特徴とする請求１記載の
   加工食品包装容器。