JP3031332U - インプラント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は一体型インプラントとして、埋入
直後からの使用を可能にさせ、良好な初期固定が得ら
れ、細菌感染の危険性を減少し、強度、安定度を増す。 【解決手段】 本考案は一回方式の一体型として、上部
と中部円柱状、下部はネジ型から構成され、上部には工
具挿入を円滑にするための斜面と工具によるねじ込み回
転を伝達する切り欠き部分を設け、中部には歯肉の侵入
増殖を防ぐ断面半楕円となる溝を全周に設け、ネジ状の
下部には骨を削りながら進む（セルフタッピング）ため
の縦溝を彫り込み、また、セルフタッピング兼組織刺激
低減のために先端部をラウンド処理する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、顎骨内に植立して欠損補綴の支台とするインプラントの細部形状の 改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

現在主流をなすインプラントは、「二回法」と称されるもので、ボディとヘッ ドから形成され、目的とする部位の歯肉を切開し、ドリル等により穿孔しスペー スをつくった骨内にインプラントを埋入し、翻した歯肉を元に戻して縫合し、通 常数カ月の固定期間後、埋入したインプラントが生着したことを確認し、再度麻 酔下に歯肉を切開し、インプラント体に以後の咬合の主体となる上部構造をネジ などにより固定して完成する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前述のインプラントでは、二回法式となっているため、インプラントが完成す るまで、多くの時間を要した。ボディ部分とヘッド部分との接合ネジ等が細く、 折れる等の事故が多かった。またこのような事故が起きた際にも、ボディ部分が 顎骨肉に固着してしまっているため、再度抜いてやり直す事が不可能で、その部 分全体を埋没放棄するより方法がなかった。ヘッド部分とボディ部分の接合面に 細菌感染が生じやすく、化膿するなどの問題があった。従って、一体型として、 強度を増し、中央部に半楕円形の溝を設けたことで溝に沿った骨の形成を促し、 また歯肉の侵入増殖（ダウングロウス）を防ぎ、ネジ部の縦溝の鋭い角が、骨を 削りネジ溝を掘りながら進むので、素早く処置が出来ることから、上記の欠点を 解消しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、一回方式の一体型として、円柱状の上部と中部、ネジ型の下部から なり、上部の端部分に斜面加工を施し、更に一面に切り欠き部分を設け、中部に は断面半楕円となる溝を全周にわたり設け、ネジ型下部部分には縦溝を彫り込み 先端をラウンド処理することにより問題点を解決する。

【０００５】

【考案の実施の形態】

目的とする部位に、ねじ込みながらインプラントを埋入、この時ネジと縦溝と のなす角が鋭いので、骨を削りネジ溝を掘りながら進んでいく。インプラントの 上部と中部の境界まで骨内に埋入して完成する。

【０００６】

【実施例】

以下添付図に添って実施例を説明する。 図１はインプラントであり、材質は生体親和性の高いチタン等を用いる。この インプラントは、強度、安定度に優れ、無理がない太さの最大直径４ミリメート ル前後とする。 工具挿入を円滑にするための斜面（５）と工具によるねじ込み回転力を伝達す る切り欠き部分（６）を利用してインプラント締めつけ用工具を装着する。セル フタッピング兼組織刺激低減のためにラウンド処理した先端部（９）を、顎骨の 目的とする位置に置き、ネジ部縦溝（８）の鋭い角（１０）を利用して骨を削り ネジ溝を掘りながら進んでいく（セルフタッピング）。この溝は、ゆるもうとす る力が加わったときには反対側の角（１１）が同様に鋭いので抵抗となり、生着 後にはインプラントの回転防止の役割を果たす。ネジのピッチは、約１．０から １．５ミリメートルとやや大きめにする事で、そのネジの間にも骨の旺盛な新生 を促すようにする。

【０００７】 ねじこみながらインプラントの中部と上部の境界まで骨内に埋入する。この中 部の断面半楕円形の溝（７）は、歯肉の侵入増殖（ダウングロウス）を防ぎ、後 に無理なく隅々まで骨が成育するために、幅約２ミリメートル最大深度約０．５ ミリメートルの半楕円形のなだらかなカーブとする。本実施例の上部を太くして いるのは、上部構造を取り付けるときに接着面を広くして安定させることと、作 業をしているときに折れないように強度を持たせるためである。顎骨に植立した 本インプラントは上部構造を取り付けて完成する。

【０００８】

【考案の効果】

本考案のインプラントにより、インプラントの埋入直後からの使用が可能にな り、また、埋入直後より咬合に参加させることで適度な刺激がインプラント周囲 の組織に加わり、創傷治癒が促進され、骨の生成速度も亢進し、良好な初期固定 が得られる。一体型のため、強度、安定度に優れ、上部構造を固定するときにも 折れるなどの問題がおこりにくい。材質と構造の単純なことによる本体自身の費 用の軽減、及び作業の単純化と短期間化による費用の軽減をも可能にした。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のインプラント全体図である。

【図２】本考案の上部断面図である。

【図３】本考案の中部断面図である。

【図４】本考案の下部断面図である。

【符号の説明】

１ インプラント全体 ２ 上部 ３ 中部 ４ 下部 ５ 斜面 ６ 切り欠き ７ 中部溝 ８ 縦溝 ９ 先端部 １０ 角 １１ 角

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円柱状の上部と中部、ネジ型の下部から
   なるインプラントにおいて、上部の端部分に斜面加工を
   施し、更に一面に切り欠き部分を設け、中部には断面半
   楕円形となる溝を全周にわたり設け、ネジ型下部部分に
   は縦溝を彫り込み、先端をラウンド処理したことを特徴
   とするインプラント