JP3030341B1 - ランダムなベクトル列の出力装置、出力方法、および、情報記録媒体 - Google Patents

ランダムなベクトル列の出力装置、出力方法、および、情報記録媒体

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JP3030341B1 JP11085744A JP8574499A JP3030341B1 JP 3030341 B1 JP3030341 B1 JP 3030341B1 JP 11085744 A JP11085744 A JP 11085744A JP 8574499 A JP8574499 A JP 8574499A JP 3030341 B1 JP3030341 B1 JP 3030341B1
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Abstract

【要約】 【課題】 ランダムなベクトル列の出力装置、出力方
法、および、情報記録媒体を提供する。 【解決手段】 ベクトル列の出力装置100の第1の
記憶手段101は、1次元以上のベクトルx を記憶し、
第1の計算手段102は、記憶されたベクトルxに第1
の有理ベクトル写像f を適用した結果のベクトルx'=f
(x) を計算し、第2の記憶手段103は、1次元以上の
ベクトルy を記憶し、第2の計算手段104は、結果の
ベクトルx'と、記憶されたベクトルy とに第2の有理ベ
クトル写像gを適用した結果のベクトルy'=g(x',y)を計
算し、出力手段105は、結果のベクトルx'と結果のベ
クトルy'とを結合したベクトルz'を出力し、第1の更新
手段106と第2の更新手段107とは、結果のベクト
ルx'を第1の記憶手段101に記憶させ、結果のベクト
ルy'を第2の記憶手段103に記憶させて更新する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ランダムなベクト
ル列の出力装置、出力方法、および、情報記録媒体に関
する。
【0002】特に、出力されるランダムなベクトル列の
分布の密度関数が既知の解析的な関数であるようなベク
トル列の生成手法が2つあるときに、これらを結び付け
て、より高次元のランダムなベクトル列であって、その
分布の密度関数が解析的な関数として得られるものを出
力するランダムなベクトル列の出力装置、出力方法、お
よび、これらを実現するプログラムを記録した情報記録
媒体に関する。
【0003】
【従来の技術】従来から、漸化式を用いた乱数の生成手
法が多数知られている。物理学や工学などの模擬実験を
行うモンテカルロ法では、このようにして生成された乱
数を用いる。
【0004】また、移動体電話で用いられるCDMA
(Code Division Multiple Access )法では、限られた
電波帯域を多数のユーザが有効に利用できるようにする
ため、乱数から得られるPN(Pseudo Noise)コードを
各ユーザに割り当てている。
【0005】このほか、インターネットなどの通信技術
の発達により、通信の秘密保持の必要性がますます大き
くなってきており、公開鍵暗号という手法を用いて秘密
保持を行うことが一般的になりつつある。この手法にお
いても、公開鍵を生成するために乱数が用いられてい
る。
【0006】このような乱数を得るために、従来から、
漸化式を用いた手法が広く利用されている。古くから知
られる乗算による漸化式では乱数の周期が問題となって
いた。しかし、近年、カオス理論の発展により、楕円関
数(三角関数を含む)の加法定理から導かれる有理写像
を漸化式に用いて得られる乱数には、以下のような有利
な性質があることが判明しており、その重要性はますま
す高まってきている。
【0007】(1)出力される乱数列には周期がないた
め、繰り返し同じ列が出力されることがない。 (2)乱数の種(漸化式に与える初期値)として有理数
を与えると、得られる乱数列に含まれる数がいずれも有
理数になる。 (3)乱数の分布を表す密度関数が既知の解析的関数で
ある。
【0008】このような有理写像には、ウラム=フォン
・ノイマン写像[数1]、キュービック写像[数2]、
クインティック写像[数3]などが知られている。
【0009】
【数1】
【0010】
【数2】
【0011】
【数3】
【0012】これらの有理写像のいずれを選んだ場合で
あっても、適当な初期値ξ (0<ξ<1)を与え、以下の漸
化式により乱数列x[i]を得た場合、この乱数列x[i]の分
布を表す密度関数は、[数4]で表現される。 x[0] = ξ x[i+1] = f(x[i]) (i≧0)
【0013】
【数4】
【0014】また、パラメータを有する有理写像も漸化
式として用いることができ、このような有理写像として
カツラ=フクダ写像、一般化ウラム=フォン・ノイマン
写像[数5]、一般化キュービック写像、一般化チェビ
シェフ写像などがある。
【0015】
【数5】
【0016】たとえば、一般化ウラム=フォン・ノイマ
ン写像[数5]を用いて上記の漸化式により乱数列を得
た場合、その分布も同じパラメータを有する密度関数
[数6]で表現される。
【0017】
【数6】
【0018】なお、カツラ=フクダ写像は、一般化ウラ
ム=フォン・ノイマン写像[数5]において、m=0 とお
いたものである。
【0019】これらの有理写像を用いた乱数を生成する
手法については、本願の発明者らによる出願に係る特開
平10−283344号公報に開示されている。また、
その理論的背景については以下の文献に開示されてい
る。 S. M. Ulam and J. von Neumann, Bull. Math. Soc. 53
(1947) 1120. R. L. Adler and T. J. Rivlin, Proc. Am. Math. Soc.
15 (1964) 794. K. Umeno, Method of constructing exactly solvable
chaos, Phys. Rev. E(1997) Vol.55: 5280-5284.
【0020】従来、このような乱数生成手法では、乱数
の種としてスカラー値(1次元のベクトル)を与えるこ
とにより、乱数列(ランダムな1次元のベクトル列)を
得ることができた。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
乱数発生の手法においては、以下のような問題があっ
た。
【0022】すなわち、2次元以上の空間におけるモン
テカルロ法では、2次元以上のベクトルのランダムな列
が必要である。しかし、従来の乱数発生の手法において
は、得られる乱数列はスカラー値の列(1次元のベクト
ル列)であり、たとえば、3次元空間の模擬実験を行う
際に、この列の先頭から順に3個ずつ値を必要な数だけ
選択するのでは、乱数分布に偏りが発生し、収束性が悪
化してしまうという問題が生じていた。
【0023】また、公開鍵暗号を生成する場合には、2
つの整数の対からなる乱数を得る必要があるが、従来の
乱数発生の手法においては、この対を同時に生成するこ
とができないため、悪意のある暗号解読者に対する防御
が十分でなくなってしまうという問題が生じていた。
【0024】このように、複数個の乱数の組が同時に1
つのベクトルとして生成され、これを列として、ランダ
ムなベクトル列を出力でき、なおかつ、これらのベクト
ル列の分布の密度関数が解析的に得られるような出力装
置や出力方法に対する要望は、極めて大きい。
【0025】本発明は、以上のような問題を解決するた
めになされたもので、出力されるランダムなベクトル列
の分布の密度関数が既知の解析的な関数であるようなベ
クトル列の生成手法が2つあるときに、これらを結び付
けて、より高次元のランダムなベクトル列であって、そ
の分布の密度関数が解析的な関数として得られるものを
出力するランダムなベクトル列の出力装置、出力方法、
および、これらを実現するプログラムを記録した情報記
録媒体を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
め、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示す
る。
【0027】図1に示すように、本発明のランダムなベ
クトル列の出力装置100は、第1の記憶手段101
と、第1の計算手段102と、第2の記憶手段103
と、第2の計算手段104と、出力手段105と、第1
の更新手段106と、第2の更新手段107とを備え、
(a)第1の記憶手段101は、1次元以上のベクトル
x を記憶し、(b)第1の計算手段102は、第1の記
憶手段101に記憶されたベクトルx に第1の有理ベク
トル写像f を適用した結果のベクトルx'=f(x) を計算
し、
【0028】(c)第2の記憶手段103は、1次元以
上のベクトルy を記憶し、(d)第2の計算手段104
は、第1の計算手段101により計算された結果のベク
トルx'と、第2の記憶手段103に記憶された1次元以
上のベクトルy とに、第2の有理ベクトル写像g を適用
した結果のベクトルy'=g(x',y)を計算し、
【0029】(e)出力手段105は、第1の計算手段
102により計算された結果のベクトルx'と第2の計算
手段104により計算された結果のベクトルy'とを結合
したベクトルz'を出力し、(f)第1の更新手段106
は、第1の計算手段102により計算された結果のベク
トルx'を第1の記憶手段101に記憶させて更新し、
(g)第2の更新手段107は、第2の計算手段104
により計算された結果のベクトルy'を第2の記憶手段1
03に記憶させて更新する。
【0030】ここで、有理ベクトル写像f およびg とし
ては、後述するカオス理論に基づく写像のほか、乱数を
生成する漸化式に用いられる任意の写像を用いることが
できる。たとえば、巨大な素数を乗算して剰余を求める
写像などを利用することが可能である。
【0031】また、本発明のランダムなベクトル列の出
力装置において、第1の有理ベクトル写像f を1次元以
上のベクトルx に0回以上適用して得られるベクトル列 x, f(x), f(f(x)), f(f(f(x))), … の極限分布の密度関数は解析的な関数であり、
【0032】第2の有理ベクトル写像g にパラメータと
して1次元以上のベクトルλを与えた写像g(λ,・)を1
次元以上のベクトルy に0回以上適用して得られるベク
トル列 y, g(λ,y), g(λ,g(λ,y)), g(λ,g(λ,g(λ,y))), … の極限分布の密度関数は当該パラメータλを有する解析
的な関数であるように構成することができる。
【0033】また、本発明のランダムなベクトル列の出
力装置の第1の有理ベクトル写像fは、楕円関数の加法
定理より導かれる有理写像、特に、ウラム=フォン・ノ
イマン写像、キュービック写像、クインティック写像、
または、カツラ=フクダ写像、一般化ウラム=フォン・
ノイマン写像、一般化キュービック写像、もしくは一般
化チェビシェフ写像に所定のパラメータを与えたものの
いずれかとすることができる。
【0034】また、本発明の第2の有理ベクトル写像g
は、楕円関数の加法定理より導かれる有理写像、特に、
カツラ=フクダ写像、一般化ウラム=フォン・ノイマン
写像、一般化キュービック写像、一般化チェビシェフ写
像のいずれかとすることができる。
【0035】第1の有理ベクトル写像f と、第2の有理
ベクトル写像g として上記のような楕円関数の加法定理
より導かれる有理写像を選択すると、出力手段105が
順次出力するベクトルの列の分布の密度関数をこれらの
写像から得られる乱数列の密度関数から得ることができ
る。
【0036】図2に示すように、本発明のランダムなベ
クトル列の出力装置200は、生成手段201と、第1
の出力手段202と、第2の出力手段203と、第3の
出力手段204とを備え、(a)生成手段201は、2
次元以上のベクトルζを受け付けて、これから1次元以
上のベクトルξと1次元以上のベクトルηとを生成し、
【0037】(b)第1の出力手段202は、生成手段
201により生成されたベクトルξを受け付けて、第1
の有理ベクトル写像f を用いた漸化式 x[0] = ζ x[i+1] = f(x[i]) (ただしi≧0) により得られるベクトル列x[i]を出力し、
【0038】(c)第2の出力手段203は、生成手段
201により生成されたベクトルηと、第1の出力手段
202により出力されるベクトル列x[i]とを受け付け
て、第2の有理ベクトル写像g を用いた漸化式 y[0] = η y[i+1] = g(x[i+1],y[i]) (ただしi≧0) により得られるベクトル列y[i]を出力し、
【0039】(d)第3の出力手段204は、第1の出
力手段202により出力されるベクトル列x[i]と、第2
の出力手段203により出力されるベクトル列y[i]とを
結合して得られるベクトル列z[i]を結果として出力す
る。
【0040】また、本発明のランダムなベクトル列の出
力装置において、第1の有理ベクトル写像f を1次元以
上のベクトルx に0回以上適用して得られるベクトル列 x, f(x), f(f(x)), f(f(f(x))), … の極限分布の密度関数は解析的な関数であり、
【0041】第2の有理ベクトル写像g にパラメータと
して1次元以上のベクトルλを与えた写像g(λ,・)を1
次元以上のベクトルy に0回以上適用して得られるベク
トル列 y, g(λ,y), g(λ,g(λ,y)), g(λ,g(λ,g(λ,y))), … の極限分布の密度関数は当該パラメータλを有する解析
的な関数であるように構成することができる。
【0042】また、本発明のランダムなベクトル列の出
力装置の第1の有理ベクトル写像fは、楕円関数の加法
定理より導かれる有理写像、特に、ウラム=フォン・ノ
イマン写像、キュービック写像、クインティック写像、
または、カツラ=フクダ写像、一般化ウラム=フォン・
ノイマン写像、一般化キュービック写像もしくは一般化
チェビシェフ写像に所定のパラメータを与えたもののい
ずれかとすることができる。
【0043】また、本発明のランダムなベクトル列の出
力装置の第2の有理ベクトル写像gは、楕円関数の加法
定理より導かれる有理写像、特に、カツラ=フクダ写
像、一般化ウラム=フォン・ノイマン写像、一般化キュ
ービック写像、一般化チェビシェフ写像のいずれかとす
ることができる。
【0044】この場合も、有理ベクトル写像f とg とか
ら、出力されるベクトル列の分布の密度関数を解析的に
得ることができる。
【0045】また、本発明のランダムなベクトル列の出
力装置の第1の出力手段もまた、本発明のランダムなベ
クトル列の出力装置とすることができる。すなわち、 (1)まず、ある有理ベクトル写像f とパラメータを有
する有理ベクトル写像g とからランダムなベクトル列の
出力装置Xを構成する。
【0046】(2)次に、当該出力装置をある有理ベク
トル写像f'に対応させ、これとパラメータを有する有理
ベクトル写像g'とから、同じように新たなランダムなベ
クトル列の出力装置Yを構成する。Yが出力するベクト
ル列のベクトルの次元は、Xが出力するベクトル列のベ
クトルの次元よりも大きい。
【0047】(3)これを繰り返すことにより、ランダ
ムな任意の次元のベクトル列の出力装置を構成すること
ができる。
【0048】本発明のランダムなベクトル列の出力方法
は、以下のステップを備える。 (a)第1の記憶手段に記憶された1次元以上のベクト
ルx を取得する第1の取得ステップと、(b)第1の取
得ステップにおいて取得されたベクトルx に第1の有理
ベクトル写像f を適用した結果のベクトルx'=f(x) を計
算する第1の計算ステップと、
【0049】(c)第2の記憶手段に記憶された1次元
以上のベクトルy を取得する第2の取得ステップと、
(d)第1の計算ステップにおいて計算されたベクトル
x'と、第2の取得ステップにおいて取得されたベクトル
y とに第2の有理ベクトル写像g を適用した結果のベク
トルy'=g(x',y)を計算する第2の計算ステップと、
【0050】(e)第1の計算ステップにおいて計算さ
れた結果のベクトルx'と、第2の計算ステップにおいて
計算された結果のベクトルy'とを結合したベクトルz'を
出力する出力ステップと、
【0051】(f)第1の計算ステップにおいて計算さ
れた結果のベクトルx'を第1の記憶手段に記憶させて更
新する第1の更新ステップと、(g)第2の計算ステッ
プにおいて計算された結果のベクトルy'を第2の記憶手
段に記憶させて更新する第2の更新ステップ。
【0052】また、本発明のランダムなベクトル列の出
力方法において、第1の有理ベクトル写像f を1次元以
上のベクトルx に0回以上適用して得られるベクトル列 x, f(x), f(f(x)), f(f(f(x))), … の極限分布の密度関数は解析的な関数であり、
【0053】第2の有理ベクトル写像g にパラメータと
して1次元以上のベクトルλを与えた写像g(λ,・)を1
次元以上のベクトルy に0回以上適用して得られるベク
トル列 y, g(λ,y), g(λ,g(λ,y)), g(λ,g(λ,g(λ,y))), … の極限分布の密度関数は当該パラメータλを有する解析
的な関数であるように構成することができる。
【0054】また、本発明のランダムなベクトル列の出
力方法において、第1の有理ベクトル写像f は、楕円関
数の加法定理より導かれる有理写像、特に、ウラム=フ
ォン・ノイマン写像、キュービック写像、クインティッ
ク写像、またはカツラ=フクダ写像一般化ウラム=フォ
ン・ノイマン写像、一般化キュービック写像もしくは一
般化チェビシェフ写像に所定のパラメータを与えたもの
のいずれかとすることができる。
【0055】また、本発明のランダムなベクトル列の出
力方法において、第2の有理ベクトル写像g は、カツラ
=フクダ写像、一般化ウラム=フォン・ノイマン写像、
一般化キュービック写像、一般化チェビシェフ写像のい
ずれかとすることができる。
【0056】この場合も、有理ベクトル写像f とg とか
ら、出力されるベクトル列の分布の密度関数を解析的に
得ることができる。
【0057】本発明のランダムなベクトル列を出力する
出力装置と、出力方法とを実現するプログラムをコンパ
クトディスク、フロッピーディスク、ハードディスク、
光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テー
プ、半導体メモリなどの情報記録媒体に記録することが
できる。
【0058】本発明の情報記録媒体に記録されたプログ
ラムを、記憶装置、計算装置、出力装置などを情報処理
装置、たとえば汎用コンピュータ、ゲーム装置、携帯情
報端末、移動体電話で実行することにより、上記のラン
ダムなベクトル列を出力する出力装置と、出力方法とを
実現することができる。
【0059】また、情報処理装置とは独立して、本発明
のプログラムを記録した情報記録媒体を配布、販売する
ことができる。
【0060】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施形態を説明
する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのも
のであり、本願発明の範囲を制限するものではない。し
たがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要
素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用するこ
とが可能であるが、これらの実施形態も本願発明の範囲
に含まれる。
【0061】(第1実施例)図3は、本発明のランダム
なベクトル列の出力装置を汎用コンピュータなどの情報
処理装置において実現する実施例の、当該情報処理装置
のブロック構成図である。
【0062】情報処理装置301は、CPU(Central
Processing Unit )302により制御され、RAM(Ra
ndom Access Memory)などの主記憶装置303には一時
的なデータなどを記憶し、ハードディスク、フロッピー
ディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Mem
ory )、磁気テープ、光磁気ディスクなどの外部記憶装
置304にはCPU 302が実行するプログラムが記
憶される。
【0063】情報処理装置301に電源が投入される
と、CPU 302は、まず、ROM(Read Only Memo
ry)308に記憶されている初期プログラムローダと呼
ばれるプログラムを実行し、しかる後に外部記憶装置3
04などからオペレーティングシステムのプログラムや
アプリケーションのプログラムなどを主記憶装置303
にロードして実行する。
【0064】実行した結果は、外部記憶装置304にフ
ァイルとして記憶したり、CRT(Cathode Ray Tube)
や液晶ディスプレイなどの表示装置305に表示するこ
とができる。情報処理装置のユーザは、マウスやキーボ
ードなどの入力装置306を用いて情報処理装置に対す
る指示を与える。
【0065】ここで、情報処理装置301が図1に示す
ランダムなベクトル列の出力装置100として機能する
場合、主記憶装置303は、第1の記憶手段101、第
2の記憶手段103として機能し、CPU 302は、
第1の計算手段102、第2の計算手段104、第1の
更新手段106、第2の更新手段107として機能し、
外部記憶装置304は、結果をファイルとして出力する
場合は出力手段105として機能し、表示装置305
は、結果を表示して出力する場合は出力手段105とし
て機能し、主記憶装置303は、結果をほかのプログラ
ムで利用する場合は出力手段105として機能する。
【0066】また、情報処理装置301が、図2に示す
ランダムなベクトル列の出力装置200として機能する
場合は、CPU 302は、主記憶装置303や、必要
に応じて外部記憶装置304、表示装置305と共働し
て、生成手段201、第1の出力手段202、第2の出
力手段203、第3の出力手段204として機能する。
【0067】また、主記憶装置303、外部記憶装置3
04は、本発明の情報記録媒体として機能する。また、
ROM 308を本発明の情報記録媒体として機能させ
ることもできる。
【0068】以下、図4を参照して、本発明のランダム
なベクトル列の出力装置の処理を説明する。図4は、本
発明の処理の流れを示すフローチャートである。
【0069】なお、以下では説明の都合上、有理写像f
としてウラム=フォン・ノイマン写像[数1]を、有理
写像g としてカツラ=フクダ写像を、それぞれ採用する
が、これ以外の写像を利用することも当業者には容易で
あり、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0070】まず、CPU 302は、現在の時刻など
から乱数の種を取得する(ステップS401)。この場
合、有理写像f はスカラー値(1次元のベクトル)に対
して適用され、有理写像g は、スカラー値(1次元のベ
クトル)のパラメータとともにスカラー値(1次元のベ
クトル)に対して適用されるので、スカラー値の種が2
つ必要である。見方を変えれば、2次元のベクトルを乱
数の種として取得することになる。
【0071】なお、乱数の種は、ユーザが入力装置30
6から入力することも可能であり、これと時刻などの数
値を組み合わせてもよい。これらは、公開鍵を生成する
場合に有用である。
【0072】次に、CPU 302は、取得した種をそ
れぞれ主記憶装置303内の第1の記憶手段101と、
第2の記憶手段103とに記憶する(ステップS40
2)。これにより、乱数を生成するための初期値が設定
される。
【0073】なお、ステップS401からステップS4
02の処理は、図2に示すランダムなベクトル列を出力
する装置200の生成手段201が実行する処理に相当
する。
【0074】さらに、CPU 302は、第1の記憶手
段101に記憶された値x を取得し(ステップS40
3)、これを用いて値x'=f(x) を計算し(ステップS4
04)、計算された値x'を第1の記憶手段101に記憶
させて更新する(ステップS405)。
【0075】すなわち、ステップS404において、C
PU 302は、第1の計算手段として機能することに
なる。
【0076】ついで、CPU 302は、第1の記憶手
段101に記憶された更新後の値x'と、第2の記憶手段
103に記憶された値y とを取得し(ステップS40
6)、これらを用いて値y'=g(x',y)を計算し(ステップ
S407)、計算された値y'を第2の記憶手段103に
記憶させて更新する(ステップS408)。
【0077】すなわち、ステップS407において、C
PU 302は、第2の計算手段として機能することに
なる。
【0078】最後に、CPU 302は、第1の記憶手
段101に記憶された更新後の値x'と、第2の記憶手段
103に記憶された更新後の値y'とを結合して、外部記
憶装置304などに出力し(ステップS409)、ステ
ップS403に戻る。
【0079】なお、あるn次元のベクトルと別のm次元
のベクトルとを結合した結果は(n+m)次元のベクト
ルであり、その要素は、まずn次元のベクトルの要素を
並べ、ついでm次元のベクトルの要素を並べたものであ
る。図2に示すランダムなベクトル列の出力装置200
の生成手段201の処理は、ベクトルの結合の逆演算を
行うことにより実現することができる。
【0080】この繰り返しを行うことにより、ランダム
な2次元ベクトルの列が外部記憶装置304に出力され
ることになる。
【0081】なお、図2に示すランダムなベクトル列の
出力装置200の第1の出力手段202が実行する処理
はステップS403〜ステップS405に、第2の出力
手段203が実行する処理はステップS406〜ステッ
プS408に、第3の出力手段204が実行する処理は
ステップS406により、それぞれ実現されている。
【0082】なお、本実施例では、上述の通り、有理写
像f として一般化ウラム=フォン・ノイマン写像[数
1]を採用するが、これを漸化式に使用した場合に得ら
れる乱数の分布の密度関数を図5に示す。図5に示す通
り、これは0≦x≦1 の範囲で定義される非一様な密度関
数であり、x=0 およびx=1 で無限大となり、0<x<1 の範
囲で下に凸な関数である。
【0083】また、本実施例では、上述の通り、有理写
像g としてカツラ=フクダ関数[数7]を採用するが、
パラメータx'を固定して漸化式に使用した場合に得られ
る乱数の分布もまた、[数8]のように解析的に得るこ
とができる。
【0084】
【数7】
【0085】
【数8】
【0086】図6には、ステップS409において出力
される2次元ベクトルを座標値として、順次プロットし
たものを示し、図7には、ステップS409において出
力される2次元ベクトルを座標値として、これをヒスト
グラムとしたものを示す。また、図8には、図7に示す
ヒストグラムをある断面で切った場合の様子を示す。
【0087】発明者は、「一般に密度関数ρ(x) を有す
る有理写像f と、x というパラメータを持ち密度関数ν
(x,y) を有する有理写像g(x,・) とを本発明の漸化式を
用いる手法により結合した場合、出力されるベクトル列
の分布の密度関数はν(x,y)ρ(x)となる」ことを数学的
に証明している。したがって、分布の密度関数が既知の
解析的な関数である場合には、これらを組み合わせた場
合、分布の密度関数は、もとの分布の密度関数の積とし
て、解析的に得ることができる。
【0088】図8に示すグラフの形状が図5に示すグラ
フの形状とほぼ同じ形状をしていることからも、この結
論が正しいことがわかる。また、従来の手法で問題とな
っていた乱数の偏りも少ないことがわかっている。
【0089】なお、適宜各ステップの順序を変更した
り、同じ処理を行うステップを別途実行することによ
り、上記実施例における制御の流れと同等の処理を実現
することができるが、そのような実施形態も本発明の範
囲に含まれる。
【0090】(第2実施例)本発明の第2実施例は、汎
用コンピュータなどの情報処理装置によりランダムなベ
クトル列の出力装置を構成するものではなく、電子回路
により構成するものである。
【0091】すなわち、図1に示すランダムなベクトル
列の出力装置100の第1の記憶手段101と第2の記
憶手段103とは、いずれも、フリップフロップなどを
基本とする記憶回路で構成することができる。
【0092】第1の計算手段102と第2の計算手段1
04とは、いずれも、加算回路と乗算回路の組み合わせ
で構成することができる。
【0093】出力手段105は、第2の計算手段104
を構成する回路の出力線により構成することができる。
【0094】第1の更新手段106と第2の更新手段1
07とは、第1の計算手段102と第2の計算手段10
4とを構成する回路の出力線を、一定のクロック遅延を
もってそれぞれ第1の記憶手段101と第2の記憶手段
103とに帰還させて記憶させることにより構成するこ
とができる。
【0095】このように、専用の電子回路により本発明
のランダムなベクトル列の出力装置を構成することによ
り、たとえば携帯情報端末や移動体電話など、少ない電
力消費と簡単で省スペースな構成が必要とされる機器に
本発明を適用することができる。
【0096】(第3実施例)上記実施例では、有理写像
として楕円関数の加法定理より導かれる有理写像を用い
ているが、楕円積分、超楕円積分、あるいは、これらを
変形したものから導かれる写像にも、類似した性質を有
するものがあり、そのような写像を利用してもよい。ま
た、従来から用いられている乱数の発生手法の漸化式を
表す写像を利用することもできる。
【0097】(第4実施例)本発明で得られるランダム
なベクトル列の密度関数は解析的に得られるので、フォ
ン・ノイマンの逆関数法により、本発明で得られた任意
次元のランダムなベクトル列から、一様分布を持つラン
ダムなベクトル列を発生させることができる。
【0098】(第5実施例)本発明は、UNIXなどの
オペレーティング・システムやprolog、GHCな
どの論理型言語やLisp、Haskellなどの関数
型言語などで多用されるストリーム処理により実現する
ことができる。すなわち、上述のような有理ベクトル写
像f とg について、以下のベクトル列x[i]のデータスト
リームを生成するプロセス(プログラミング言語上は、
述語、関数、手続などで表現される)Aと、 x[0], x[1], x[2], x[3], … x[0] = ζ x[i+1] = f(x[i]) (ただしi≧0) このプロセスAが出力するデータストリームx[i]を順に
受け付けて、以下のベクトル列y[i]のデータストリーム
を生成するプロセスBとを用意することにより、 y[0], y[1], y[2], y[3], … y[0] = η y[i+1] = g(x[i+1],y[i]) (ただしi≧0) 本発明を実現することができる。
【0099】プロセスAとプロセスBとの通信は、いわ
ゆる製造者=消費者モデルにより記述でき、要求駆動に
よる生成、データストリームのバッファリングなどの公
知の技法を利用することができる。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下の効果を奏する。
【0101】出力されるランダムなベクトル列の分布の
密度関数が既知の解析的な関数であるようなベクトル列
の生成手法が2つあるときに、これらを結び付けて、よ
り高次元のランダムなベクトル列であって、その分布の
密度関数が解析的な関数として得られるものを出力する
ランダムなベクトル列の出力装置、出力方法を提供する
ことができる。
【0102】本発明では、既知のベクトル列の生成手法
の分布の密度関数の積がより高次元のランダムなベクト
ル列の分布の密度関数となるため、容易に分布の特徴を
得ることができ、さまざまな応用に資することができ
る。特に、生成手法として有理写像を採用した場合に
は、得られるベクトル列の各要素もすべて有理数となる
という特徴を有し、計算機上の計算精度を厳密に保存し
うるという利点を有する。
【0103】このようなランダムなベクトル列は、モン
テカルロ法、移動体通信や光通信におけるCDMA、イ
ンターネットなどの通信における公開鍵暗号などで利用
することができる。
【0104】さらに、プログラムを記録した情報記録媒
体をソフトウェア商品として、情報処理装置のハードウ
ェアと独立して容易に配布したり販売したりすることが
できるようになる。本発明の情報記録媒体に記録された
プログラムを汎用コンピュータなどの情報処理装置で実
行すれば、上記の発明に係るランダムなベクトル列の出
力装置、出力方法が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のランダムなベクトル列の出力装置の構
成を示すブロック構成図である。
【図2】本発明のランダムなベクトル列の出力装置の構
成を示すブロック構成図である。
【図3】本発明のランダムなベクトル列の出力装置を汎
用コンピュータなどの情報処理装置において実現する実
施例の、当該情報処理装置のブロック構成図である。
【図4】本発明の処理の流れを示すフローチャートであ
る。
【図5】一般化ウラム=フォン・ノイマン写像を漸化式
に使用した場合に得られる乱数の分布の密度関数を示す
グラフである。
【図6】図4に示すフローチャートのステップS409
において出力される2次元ベクトルを座標値として、順
次プロットした説明図である。
【図7】図4に示すフローチャートのステップS409
において出力される2次元ベクトルを座標値としたヒス
トグラムである。
【図8】図7に示すヒストグラムをある断面で切断した
場合のグラフである。
【符号の説明】
100 ランダムなベクトル列の出力装置 101 第1の記憶手段 102 第1の計算手段 103 第2の記憶手段 104 第2の計算手段 105 出力手段 106 第1の更新手段 107 第2の更新手段 200 ランダムなベクトル列の出力装置 201 生成手段 202 第1の出力手段 203 第2の出力手段 204 第3の出力手段 301 情報処理装置 302 CPU 303 主記憶装置 304 外部記憶装置 305 表示装置 306 入力装置 308 ROM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−333569(JP,A) 特開 平10−283344(JP,A) 特開 平7−311675(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 7/58 G09C 1/00 650 H04L 9/22

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の手段を備えることを特徴とするラン
    ダムなベクトル列の出力装置。 (a)1次元以上のベクトルx を記憶する第1の記憶手
    段と、 (b)前記第1の記憶手段に記憶されたベクトルx に第
    1の有理ベクトル写像f を適用した結果のベクトルx'=f
    (x) を計算する第1の計算手段と、 (d)1次元以上のベクトルy を記憶する第2の記憶手
    段と、 (e)前記第1の計算手段により計算された結果のベク
    トルx'と、前記第2の記憶手段に記憶された1次元以上
    のベクトルy とに、第2の有理ベクトル写像gを適用し
    た結果のベクトルy'=g(x',y)を計算する第2の計算手段
    と、 (f)前記第1の計算手段により計算された結果のベク
    トルx'と前記第2の計算手段により計算された結果のベ
    クトルy'とを結合したベクトルz'を出力する出力手段
    と、 (g)前記第1の計算手段により計算された結果のベク
    トルx'を前記第1の記憶手段に記憶させて更新する第1
    の更新手段と、 (h)前記第2の計算手段により計算された結果のベク
    トルy'を前記第2の記憶手段に記憶させて更新する第2
    の更新手段。ただし、有理ベクトル写像とは、有理数の
    成分からなる1次元以上のベクトルを有理数の成分から
    なる1次元以上のベクトルへと変換する写像をいう。
  2. 【請求項2】前記第1の有理ベクトル写像f を1次元以
    上のベクトルx に0回以上適用して得られるベクトル列 x, f(x), f(f(x)), f(f(f(x))), … の極限分布の密度関数は解析的な関数であり、 前記第2の有理ベクトル写像g にパラメータとして1次
    元以上のベクトルλを与えた写像g(λ,・)を1次元以上
    のベクトルy に0回以上適用して得られるベクトル列 y, g(λ,y), g(λ,g(λ,y)), g(λ,g(λ,g(λ,y))), … の極限分布の密度関数は当該パラメータλを有する解析
    的な関数であることを特徴とする請求項1記載の出力装
    置。
  3. 【請求項3】前記第1の有理ベクトル写像f は、楕円関
    数の加法定理より導かれる有理写像、特に、ウラム=フ
    ォン・ノイマン写像、キュービック写像、クインティッ
    ク写像、または、カツラ=フクダ写像、一般化ウラム=
    フォン・ノイマン写像、一般化キュービック写像、もし
    くは一般化チェビシェフ写像に所定のパラメータを与え
    たもののいずれかであることを特徴とする請求項2記載
    の出力装置。
  4. 【請求項4】前記第2の有理ベクトル写像g は、楕円関
    数の加法定理より導かれる有理写像、特に、カツラ=フ
    クダ写像、一般化ウラム=フォン・ノイマン写像、一般
    化キュービック写像、一般化チェビシェフ写像のいずれ
    かであることを特徴とする請求項2記載の出力装置。
  5. 【請求項5】以下の手段を備えることを特徴とするラン
    ダムなベクトル列の出力装置。 (a)2次元以上のベクトルζを受け付けて、これから
    1次元以上のベクトルξと1次元以上のベクトルηとを
    生成する生成手段と、 (b)前記生成手段により生成されたベクトルξを受け
    付けて、第1の有理ベクトル写像f を用いた漸化式 x[0] = ζ x[i+1] = f(x[i]) (ただしi≧0) により得られるベクトル列x[i]を出力する第1の出力手
    段と、 (c)前記生成手段により生成されたベクトルηと、前
    記第1の出力手段により出力されるベクトル列x[i]とを
    受け付けて、第2の有理ベクトル写像g を用いた漸化式 y[0] = η y[i+1] = g(x[i+1],y[i]) (ただしi≧0) により得られるベクトル列y[i]を出力する第2の出力手
    段と、 (d)前記第1の出力手段により出力されるベクトル列
    x[i]と、前記第2の出力手段により出力されるベクトル
    列y[i]とを結合して得られるベクトル列z[i]を結果とし
    て出力する第3の出力手段。
  6. 【請求項6】前記第1の有理ベクトル写像f を1次元以
    上のベクトルx に0回以上適用して得られるベクトル列 x, f(x), f(f(x)), f(f(f(x))), … の極限分布の密度関数は解析的な関数であり、 前記第2の有理ベクトル写像g にパラメータとして1次
    元以上のベクトルλを与えた写像g(λ,・)を1次元以上
    のベクトルy に0回以上適用して得られるベクトル列 y, g(λ,y), g(λ,g(λ,y)), g(λ,g(λ,g(λ,y))), … の極限分布の密度関数は当該パラメータλを有する解析
    的な関数であることを特徴とする請求項5記載の出力装
    置。
  7. 【請求項7】前記第1の有理ベクトル写像f は、楕円関
    数の加法定理より導かれる有理写像、特に、ウラム=フ
    ォン・ノイマン写像、キュービック写像、クインティッ
    ク写像、または、カツラ=フクダ写像、一般化ウラム=
    フォン・ノイマン写像、一般化キュービック写像もしく
    は一般化チェビシェフ写像に所定のパラメータを与えた
    もののいずれかであることを特徴とする請求項6記載の
    出力装置。
  8. 【請求項8】前記第2の有理ベクトル写像g は、楕円関
    数の加法定理より導かれる有理写像、特に、カツラ=フ
    クダ写像、一般化ウラム=フォン・ノイマン写像、一般
    化キュービック写像、一般化チェビシェフ写像のいずれ
    かであることを特徴とする請求項6記載の出力装置。
  9. 【請求項9】前記第1の出力手段もまた請求項5記載の
    出力装置であることを特徴とする請求項5記載の出力装
    置。
  10. 【請求項10】以下のステップを備えることを特徴とす
    るランダムなベクトル列の出力方法。 (a)第1の記憶手段に記憶された1次元以上のベクト
    ルx を取得する第1の取得ステップと、 (b)前記第1の取得ステップにおいて取得されたベク
    トルx に第1の有理ベクトル写像f を適用した結果のベ
    クトルx'=f(x) を計算する第1の計算ステップと、 (c)第2の記憶手段に記憶された1次元以上のベクト
    ルy を取得する第2の取得ステップと、 (d)前記第1の計算ステップにおいて計算されたベク
    トルx'と、前記第2の取得ステップにおいて取得された
    ベクトルy とに第2の有理ベクトル写像g を適用した結
    果のベクトルy'=g(x',y)を計算する第2の計算ステップ
    と、 (e)前記第1の計算ステップにおいて計算された結果
    のベクトルx'と、前記第2の計算ステップにおいて計算
    された結果のベクトルy'とを結合したベクトルz'を出力
    する出力ステップと、 (f)前記第1の計算ステップにおいて計算された結果
    のベクトルx'を前記第1の記憶手段に記憶させて更新す
    る第1の更新ステップと、 (g)前記第2の計算ステップにおいて計算された結果
    のベクトルy'を前記第2の記憶手段に記憶させて更新す
    る第2の更新ステップ。
  11. 【請求項11】前記第1の有理ベクトル写像f を1次元
    以上のベクトルx に0回以上適用して得られるベクトル
    列 x, f(x), f(f(x)), f(f(f(x))), … の極限分布の密度関数は解析的な関数であり、 前記第2の有理ベクトル写像g にパラメータとして1次
    元以上のベクトルλを与えた写像g(λ,・)を1次元以上
    のベクトルy に0回以上適用して得られるベクトル列 y, g(λ,y), g(λ,g(λ,y)), g(λ,g(λ,g(λ,y))), … の極限分布の密度関数は当該パラメータλを有する解析
    的な関数であることを特徴とする請求項10記載の出力
    方法。
  12. 【請求項12】前記第1の有理ベクトル写像f は、楕円
    関数の加法定理より導かれる有理写像、特に、ウラム=
    フォン・ノイマン写像、キュービック写像、クインティ
    ック写像、またはカツラ=フクダ写像、一般化ウラム=
    フォン・ノイマン写像、一般化キュービック写像もしく
    は一般化チェビシェフ写像に所定のパラメータを与えた
    もののいずれかであることを特徴とする請求項11記載
    の出力方法。
  13. 【請求項13】前記第2の有理ベクトル写像g は、カツ
    ラ=フクダ写像、一般化ウラム=フォン・ノイマン写
    像、一般化キュービック写像、一般化チェビシェフ写像
    のいずれかであることを特徴とする請求項11記載の出
    力方法。
  14. 【請求項14】以下のステップを備えることを特徴とす
    るプログラムを記録した情報記録媒体。 (a)第1の記憶手段に記憶された1次元以上のベクト
    ルx を取得する第1の取得ステップと、 (b)前記第1の取得ステップにおいて取得されたベク
    トルx に第1の有理ベクトル写像f を適用した結果のベ
    クトルx'=f(x) を計算する第1の計算ステップと、 (c)第2の記憶手段に記憶された1次元以上のベクト
    ルy を取得する第2の取得ステップと、 (d)前記第1の計算ステップにおいて計算されたベク
    トルx'と、前記第2の取得ステップにおいて取得された
    ベクトルy とに第2の有理ベクトル写像g を適用した結
    果のベクトルy'=g(x',y)を計算する第2の計算ステップ
    と、 (e)前記第1の計算ステップにおいて計算された結果
    のベクトルx'と、前記第2の計算ステップにおいて計算
    された結果のベクトルy'とを結合したベクトルz'を出力
    する出力ステップと、 (f)前記第1の計算ステップにおいて計算された結果
    のベクトルx'を前記第1の記憶手段に記憶させて更新す
    る第1の更新ステップと、 (g)前記第2の計算ステップにおいて計算された結果
    のベクトルy'を前記第2の記憶手段に記憶させて更新す
    る第2の更新ステップ。
  15. 【請求項15】前記第1の有理ベクトル写像f を1次元
    以上のベクトルx に0回以上適用して得られるベクトル
    列 x, f(x), f(f(x)), f(f(f(x))), … の極限分布の密度関数は解析的な関数であり、 前記第2の有理ベクトル写像g にパラメータとして1次
    元以上のベクトルλを与えた写像g(λ,・)を1次元以上
    のベクトルy に0回以上適用して得られるベクトル列 y, g(λ,y), g(λ,g(λ,y)), g(λ,g(λ,g(λ,y))), … の極限分布の密度関数は当該パラメータλを有する解析
    的な関数であることを特徴とする請求項14記載の情報
    記録媒体。
  16. 【請求項16】前記第1の有理ベクトル写像f は、楕円
    関数の加法定理より導かれる有理写像、特に、ウラム=
    フォン・ノイマン写像、キュービック写像、クインティ
    ック写像、または、カツラ=フクダ写像、一般化ウラム
    =フォン・ノイマン写像、一般化キュービック写像もし
    くは一般化チェビシェフ写像に所定のパラメータを与え
    たもののいずれかであることを特徴とする請求項15記
    載の情報記録媒体。
  17. 【請求項17】前記第2の有理ベクトル写像g は、楕円
    関数の加法定理より導かれる有理写像、特に、カツラ=
    フクダ写像、一般化ウラム=フォン・ノイマン写像、一
    般化キュービック写像、一般化チェビシェフ写像のいず
    れかであることを特徴とする請求項15記載の情報記録
    媒体。
  18. 【請求項18】前記情報記録媒体は、コンパクトディス
    ク、フロッピーディスク、ハードディスク、光磁気ディ
    スク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、また
    は、半導体メモリであることを特徴とする請求項14か
    ら17記載の情報記録媒体。
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