JP3711223B2 - 多重積分の計算装置、計算方法、および、情報記録媒体 - Google Patents

多重積分の計算装置、計算方法、および、情報記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP3711223B2
JP3711223B2 JP37027799A JP37027799A JP3711223B2 JP 3711223 B2 JP3711223 B2 JP 3711223B2 JP 37027799 A JP37027799 A JP 37027799A JP 37027799 A JP37027799 A JP 37027799A JP 3711223 B2 JP3711223 B2 JP 3711223B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vector
unit
scalar value
storage unit
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP37027799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001184343A (ja
Inventor
健 梅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Information and Communications Technology
Original Assignee
National Institute of Information and Communications Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Information and Communications Technology filed Critical National Institute of Information and Communications Technology
Priority to JP37027799A priority Critical patent/JP3711223B2/ja
Priority to US09/746,139 priority patent/US6832233B2/en
Publication of JP2001184343A publication Critical patent/JP2001184343A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3711223B2 publication Critical patent/JP3711223B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F17/00Digital computing or data processing equipment or methods, specially adapted for specific functions
    • G06F17/10Complex mathematical operations
    • G06F17/17Function evaluation by approximation methods, e.g. inter- or extrapolation, smoothing, least mean square method
    • G06F17/175Function evaluation by approximation methods, e.g. inter- or extrapolation, smoothing, least mean square method of multidimensional data

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Mathematical Analysis (AREA)
  • Mathematical Optimization (AREA)
  • Pure & Applied Mathematics (AREA)
  • Computational Mathematics (AREA)
  • Data Mining & Analysis (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Algebra (AREA)
  • Databases & Information Systems (AREA)
  • Software Systems (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Complex Calculations (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多重積分の計算装置、計算方法、および、情報記録媒体に関する。
特に、多次元の非有界領域上で定義される関数の積分の近似値を高速に計算する多重積分の計算装置、計算方法、および、これらを実現するプログラムを記録した情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、多次元の非有界領域上の多重積分を求める問題は、金融デリバティブ計算のリスク評価計算や、CDMA(Code Division Multiple Access;符号分割多重アクセス)などの多重通信の干渉ノイズの評価など、多岐に渡る分野で現れている。
【0003】
積分の領域が1次元や2次元の場合、これを数値積分するには、積分区間を細かいメッシュに分け、メッシュ内の被積分関数の値をある代表値で置き換え、メッシュの代表値の平均値を計算することにより、近似的な数値積分値を求めることができた。
【0004】
ところが、積分領域の次元が高くなると、メッシュの数が次元数mに関しm乗のオーダーで指数関数的に増える問題があった。この問題を「次元の呪(curse of dimensionality)」と呼ぶ。
【0005】
この問題を解決する手法の一つとして、モンテカルロ計算による数値積分法が提案されている。モンテカルロ計算では、擬似乱数(low-discrepancy sequences等の準乱数を含む。)を用いるが、この擬似乱数は、できるだけ一様に近い分布をすることが望ましい。
【0006】
しかしながら、積分領域が無限区間(-∞,+∞)などの非有界領域の場合には、有限区間上の一様乱数を当該非有界領域上へ線形変換して正規化することはできない。そこで、何らかの非線形変換をする必要がある。
【0007】
J. von NeumannとS. Ulamは、1947年に、一様乱数から任意の所望の密度関数に従う乱数を発生させる手法を発明し、核分裂における各中性子の軌跡のコンピュータによる模擬実験に成功した。この手法は、一般に「逆関数法」と呼ばれる。密度関数ρの積分関数を
η(X) = ∫C ρ(x)dx (C = {u | -∞≦u≦X})
とするとき、一様乱数への変換に逆関数η-1(X)を用いるからである。
【0008】
一方で、近年のカオス理論の発展により、有限区間上の非一様な分布を持つ乱数を得ることができることが判明しており、乱数発生における写像力学系の重要性はますます高まってきている。
【0009】
このような乱数発生には、三角関数を含む楕円関数の加法定理から導かれる有理写像を漸化式に用いており、以下のような有利な性質があることがわかっている。
【0010】
すなわち、出力される乱数列には、わずかな例外を除き、周期がないため、同じ列が繰り返し出力されることがない。
【0011】
また、カオスの持つ初期値鋭敏性により、乱数の種(漸化式に与える初期値)をわずかに変えるだけで、得られる乱数列は全く違ったものになる。
【0012】
さらに、乱数の分布を表す密度関数が既知の解析的関数である。
【0013】
このような写像としては、ウラム=フォン・ノイマン写像
f(x) = 4x(1-x)
キュービック写像
f(x) = x(3-4x)2
クインティック写像
f(x) = x(5-20x+16x2)2
などが知られている。
【0014】
これらの写像のいずれを選んだ場合であっても、適当な初期値ξ (0<ξ<1)を与え、漸化式
x[0] = ξ;
x[i+1] = f(x[i]) (i≧0)
により乱数列x[0], x[1], x[2], …を得た場合、この乱数列x[i] (i≧0)の極限分布を表す密度関数は、
ρ(x)=1/(π(x(1-x))1/2)
となる。
【0015】
これらの写像を用いた有界領域上の乱数を生成する手法と、そのモンテカルロ数値積分への応用については、本願の発明者らによる出願に係る特開平10−283344号公報に開示されている。また、その理論的背景については以下の文献に開示されている。
S. M. Ulam and J. von Neumann, Bull. Math. Soc. 53 (1947) p1120.
R. L. Adler and T. J. Rivlin, Proc. Am. Math. Soc. 15 (1964) p794.
K. Umeno, Method of constructing exactly solvable chaos, Phys. Rev. E (1997) Vol.55, pp5280-5284.
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の手法には、以下のような問題があった。
【0017】
すなわち、非有界領域上におけるモンテカルロ数値積分法では、非有界領域上に既知の解析関数で与えられる密度関数に従って分布する乱数が必要である。従って一様乱数を得た後、必ず、非有界領域上に分布する乱数に変換をしなければならない。上述のJ. von Neumannの逆関数法により、所望の密度関数に分布する乱数を得るには、その密度関数の積分関数を求めてから、更にその積分関数の逆関数を求めなければならない。
【0018】
しかしながら、そもそも密度関数の積分を解析的に求めるのが、ほとんどの場合不可能である。また、その密度関数の積分関数の逆関数を求める際に、数値計算に伴う近似と計算時間を考慮しなければならない。モンテカルロ計算では、乱数を大量に発生させる必要があるため、この手法で積分を求めることは難しい。
【0019】
また、通常の株価からオプションの値を出すブラック・ショールズ方程式を解く場合にも、非有界領域における数値積分が必要である。株価変動が正規分布(ガウス分布)に従うと仮定すれば、非有解領域上のガウス積分を用いて解を得ることができる。
【0020】
しかしながら、株価変動を実際に観測した結果、その分布の密度関数は、羃的な裾野を持つことがわかっている(R. N. Mantegna and H. E. Stanley, Nature, vol. 376, pp.46-49, 1995)。羃的裾野を持つ密度関数の積分は、ガウス分布とは異なり、初等関数の形で書けない。このため、既存の一様乱数を基礎とする非有界モンテカルロ計算法では、解を得ることが極めて難しい。
【0021】
この他、冪的な待ち時間分布を持つ通信トラフィック、CDMAにおける干渉雑音の評価にも、同様の問題が生じていた。
【0022】
したがって、非有界領域上の多重積分を効率良く高速に計算する計算手法に対する要望は極めて大きく、その実現は産業界から広く望まれている。
【0023】
本発明は、多次元の非有界領域上で定義される関数の積分の近似値を高速に計算するのに好適な、多重積分の計算装置、計算方法、および、これらを実現するプログラムを記録した情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0025】
本発明の第1の観点に係る多重積分の計算装置は、ベクトル写像fを用いて、多次元被積分関数Aの多重積分を計算する。ここで、ベクトル写像fは、実数の成分からなるm (m≧1)次元のベクトルを実数の成分からなるm次元のベクトルに変換し、非有界領域のサポートを持ち、所定のm次元のベクトルuに写像fを繰り返し適用した結果の極限分布の多次元密度関数ρは解析的に得られる。
【0026】
図1は、本計算装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0027】
本計算装置101は、第1の記憶部111と、第2の記憶部112と、第1の計算部121と、第2の計算部122と、更新部131と、出力部141と、を備える。
【0028】
ここで、第1の記憶部111は、m次元のベクトルx=(x1,x2,…,xm)を記憶する。
【0029】
一方、第2の記憶部112は、スカラー値wを記憶する。
【0030】
そして、第1の計算部121は、第1の記憶部111に記憶されたベクトルxに、ベクトル写像fを適用した結果のベクトルx'=f(x)=(x'1,x'2,…,x'm)を計算する。
【0031】
さらに、第2の計算部122は、第1の記憶部111に記憶されたベクトルxと、第2の記憶部112に記憶されたスカラー値wとから、スカラー値w'=A(x)/ρ(x)を計算する。
【0032】
一方、更新部131は、第1の計算部121により計算されたベクトルx'を第1の記憶部111に記憶させて更新し、第2の計算部122により計算されたスカラー値w'を第2の記憶部112に記憶される値に加算して、これを更新する。
【0033】
そして、出力部141は、更新部131による更新回数がc (c≧1)回となった場合、第2の記憶部112に記憶されたスカラー値wから、スカラー値s=w/(c+1)を計算して、当該スカラー値sを多重積分の結果として出力する。
【0034】
本発明は、多次元の非有界領域Mについて、エルゴード性
M A(x)dx
= ∫M (A(x)/ρ(x))・ρ(x)dx
= (1/N)・Σj=1 N A(X[j])/ ρ (X[j]) (N → ∞);
X[j+1] = f(X[j]) (j≧0);
X[0]は適当なm次元ベクトル
が成立することによる。
【0035】
この場合、計算誤差は、最悪時であっても、次元数mに依存せず(1/N)1/2のオーダーである。また、発明者による最近の研究成果(K. Umeno「Chaotic Monte Calro Computation: a Dynamical Effect of Random-Number Generations」to appear in Japanese Journal of Applied Physics, March 2000)より、Super-efficiencyと呼ばれる条件を満たす場合は、次元数mに依存せず1/Nのオーダーとなることが判明している。したがって、高速な積分計算が可能である。
【0036】
また、本発明の計算装置は、第2の記憶部に最初に記憶されるスカラー値は、第1の記憶部に最初に記憶されるm次元のベクトルに関数Aを適用したものを、第1の記憶部に最初に記憶されるm次元のベクトルに密度関数ρを適用したもので除算した結果であるように構成することができる。
【0037】
また、本発明の計算装置において、第2の記憶部に最初に記憶されるスカラー値は0であり、出力部は、スカラー値sにかえて、スカラー値s'=w/cを計算して、当該スカラー値s'を多重積分の結果として出力するように構成することができる。
【0038】
また、本発明の計算装置は、収束速度取得部と、選択部と、出力制御部と、をさらに備えるように構成することができる。
【0039】
ここで、収束速度取得部は、ベクトル写像fとして複数のベクトル写像g1, g2,…, gk (k≧2)を用意し、そのそれぞれについて、更新回数cを変化させて出力部が順次出力するスカラー値の収束速度を取得する。
【0040】
一方、選択部は、収束速度取得部により取得された収束速度が最も速いベクトル写像gh (1≦h≦k)を選択する。
【0041】
さらに、出力制御部は、ベクトル写像fとしてベクトル写像ghを用いて、更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いて出力部にスカラー値を出力させる。
【0042】
また、本発明の計算装置において、ベクトル写像fを所定のm次元のベクトルu=(u1,u2,…,um)に0回以上適用して得られるベクトル列
u, f(u), f(f(u)), f(f(f(u))), …
の極限分布の多次元密度関数ρは、性質
ρ(u) = Πi=0 m ρi(ui);
ρi(ui) 〜 c-i|ui|-(1+a) for ui → -∞;
ρi(ui) 〜 c+i|ui|-(1+a) for ui → +∞;
(a>0, 1≦i≦m, c-i>0, c+i>0)
を満たすように構成することができる。
【0043】
また、本発明の計算装置において、ベクトル写像fは、1≦i≦mについて定義される関数
fi(t) = gi(di t)/di (di>0)
により
f(u)=(f1(u1), f2(u2), …, fm(um))
と定義され、写像giは、以下の写像φj (1≦j≦8)のいずれかと自然数ni (ni≧2)とにより、
gij(θ)) = φj(niθ);
φ1(θ) = -sgn(tanθ)/|tanθ|1/a
φ2(θ) = -sgn(tanθ)×|tanθ|1/a
φ3(θ) = -sgn(cosθ)/|tanθ|1/a
φ4(θ) = -sgn(cosθ)×|tanθ|1/a
φ5(θ) = sgn(cosθ)/|tanθ|1/a
φ6(θ) = sgn(cosθ)×|tanθ|1/a
φ7(θ) = sgn(sinθ)/|tanθ|1/a
φ8(θ) = sgn(sinθ)×|tanθ|1/a
sgn(t) = 1 for t>0;
sgn(t) = 0 for t=0;
sgn(t) = -1 for t<0
と定義されるように構成することができる。
【0044】
また、本発明の計算装置は、収束速度取得部と、選択部と、出力制御部と、を備えるように構成することができる。
【0045】
ここで、収束速度取得部は、定数aとして複数の正数q1, q2, …, qk (k≧2)を用意して、そのそれぞれについて写像fを定義し、更新回数cを変化させて出力部が順次出力するスカラー値の収束速度を取得する。
【0046】
一方、選択部は、収束速度取得部により取得された収束速度が最も速い正数qh (1≦h≦k)を選択する。
【0047】
さらに、出力制御部は、定数aとして正数qhを用いて写像fを定義し、更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いて出力部にスカラー値を出力させる。
【0048】
また、本発明の計算装置は、収束速度取得部と、選択部と、出力制御部と、を備えるように構成することができる。
【0049】
ここで、収束速度取得部は、写像giを写像φjのいずれか複数を用いて定義し、そのそれぞれについて、更新回数cを変化させて出力部が順次出力するスカラー値の収束速度を取得する。
【0050】
一方、選択部は、収束速度取得部により取得された収束速度が最も速い写像φjを選択する。
【0051】
さらに、出力制御部は、写像giを選択部により選択された写像φjを用いて定義し、更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いて出力部にスカラー値を出力させる。
【0052】
また、本発明の計算装置は、収束速度取得部と、選択部と、出力制御部と、を備えるように構成することができる。
【0053】
ここで、収束速度取得部は、自然数niとして複数の自然数p1, p2, …, pk (k≧2)を用意して、そのそれぞれについて写像giを定義し、更新回数cを変化させて出力部が順次出力するスカラー値の収束速度を取得する。
【0054】
一方、選択部は、収束速度取得部により取得された収束速度が最も速い自然数ph (1≦h≦k)を選択する。
【0055】
さらに、出力制御部は、自然数niとして自然数phを用いて自然数写像giを定義し、更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いて出力部にスカラー値を出力させる。
【0056】
また、本発明の計算装置の出力部は、更新部による更新が行われる度に、スカラー値sを計算し、当該スカラー値sと、前回の更新の際におけるこのスカラー値と、を比較して、これが所定の終了条件を満たす場合に、当該スカラー値sを出力するように構成することができる。
【0057】
本発明の第1の観点に係る多重積分の計算方法は、ベクトル写像fと、m次元のベクトルx=(x1,x2,…,xm)を記憶する第1の記憶部と、スカラー値wを記憶する第2の記憶部と、を用いて、多次元被積分関数Aの多重積分を計算する。
【0058】
ここで、ベクトル写像fは、実数の成分からなるm (m≧1)次元のベクトルを実数の成分からなるm次元のベクトルに変換し、非有界領域のサポートを持ち、所定のm次元のベクトルuに写像fを繰り返し適用した結果の極限分布の多次元密度関数ρは解析的に得られる。
【0059】
本計算方法は、第1の計算工程と、第2の計算工程と、更新工程と、出力工程と、を備えるように構成する。
【0060】
ここで、第1の計算工程では、第1の記憶部に記憶されたベクトルxに、ベクトル写像fを適用した結果のベクトルx'=f(x)=(x'1,x'2,…,x'm)を計算する。
【0061】
一方、第2の計算工程では、第1の記憶部に記憶されたベクトルxと、第2の計算部に記憶されたスカラー値wとから、スカラー値w'=A(x)/ρ(x)を計算する。
【0062】
さらに、更新工程では、第1の計算工程にて計算されたベクトルx'を第1の記憶部に記憶させて更新し、第2の計算工程にて計算されたスカラー値w'を第2の記憶部に記憶される値に加算してこれを更新する。
【0063】
そして、出力工程では、更新工程による更新回数がc (c≧1)回となった場合、第2の記憶部に記憶されたスカラー値wから、スカラー値s=w/(c+1)を計算して、当該スカラー値sを多重積分の結果として出力する。
【0064】
また、本発明の計算方法において、第2の記憶部に最初に記憶されるスカラー値は、第1の記憶部に最初に記憶されるm次元のベクトルに関数Aを適用したものを、第1の記憶部に最初に記憶されるm次元のベクトルに密度関数ρを適用したもので除算した結果であるように構成することができる。
【0065】
また、本発明の計算方法において、第2の記憶部に最初に記憶されるスカラー値は0であり、出力工程は、スカラー値sにかえて、スカラー値s'=w/cを計算して、当該スカラー値s'を多重積分の結果として出力するように構成することができる。
【0066】
また、本発明の計算方法は、収束速度取得工程と、選択工程とをさらに備えるように構成することができる。
【0067】
ここで、収束速度取得工程では、ベクトル写像fとして複数のベクトル写像g1, g2, …, gk (k≧2)を用意し、そのそれぞれについて、更新回数cを変化させて出力工程にて順次出力されるスカラー値の収束速度を取得する。
【0068】
一方、選択工程では、収束速度取得工程にて取得された収束速度が最も速いベクトル写像gh (1≦h≦k)を選択する。
【0069】
また、ベクトル写像fとしてベクトル写像ghを用いる。
【0070】
さらに、出力工程では、更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いてスカラー値を出力する。
【0071】
また、本発明の計算方法において、ベクトル写像fを所定のm次元のベクトルu=(u1,u2,…,um)に0回以上適用して得られるベクトル列
u, f(u), f(f(u)), f(f(f(u))), …
の極限分布の多次元密度関数ρは、性質
ρ(u) = Πi=0 m ρi(ui);
ρi(ui) 〜 c-i|ui|-(1+a) for ui → -∞;
ρi(ui) 〜 c+i|ui|-(1+a) for ui → +∞;
(a>0, 1≦i≦m, c-i>0, c+i>0)
を満たすように構成することができる。
【0072】
また、本発明の計算方法において、ベクトル写像fは、1≦i≦mについて定義される関数
fi(t) = gi(di t)/di (di>0)
により
f(u)=(f1(u1), f2(u2), …, fm(um))
と定義され、写像giは、以下の写像φj (1≦j≦8)のいずれかと自然数ni (ni≧2)とにより、
gij(θ)) = φj(niθ);
φ1(θ) = -sgn(tanθ)/|tanθ|1/a
φ2(θ) = -sgn(tanθ)×|tanθ|1/a
φ3(θ) = -sgn(cosθ)/|tanθ|1/a
φ4(θ) = -sgn(cosθ)×|tanθ|1/a
φ5(θ) = sgn(cosθ)/|tanθ|1/a
φ6(θ) = sgn(cosθ)×|tanθ|1/a
φ7(θ) = sgn(sinθ)/|tanθ|1/a
φ8(θ) = sgn(sinθ)×|tanθ|1/a
sgn(t) = 1 for t>0;
sgn(t) = 0 for t=0;
sgn(t) = -1 for t<0
と定義されるように構成することができる。
【0073】
また、本発明の計算方法は、収束速度取得工程と、選択工程と、出力制御工程と、をさらに備えるように構成することができる。
【0074】
ここで、収束速度取得工程では、定数aとして複数の正数q1, q2, …, qk (k≧2)を用意して、そのそれぞれについて写像fを定義し、更新回数cを変化させて出力工程にて順次出力されるスカラー値の収束速度を取得する。
【0075】
一方、選択工程では、収束速度取得工程にて取得された収束速度が最も速い正数qh (1≦h≦k)を選択する。
【0076】
さらに、出力制御工程では、定数aとして正数qhを用いて写像fを定義し、更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用い、出力工程によりスカラー値を出力させる。
【0077】
また、本発明の計算方法は、収束速度取得工程と、選択工程と、出力制御工程と、をさらに備えるように構成することができる。
【0078】
ここで、収束速度取得工程では、写像giを写像φjのいずれか複数を用いて定義し、そのそれぞれについて、更新回数cを変化させて出力工程にて順次出力されるスカラー値の収束速度を取得する。
【0079】
一方、選択工程では、収束速度取得工程にて取得された収束速度が最も速い写像φjを選択する。
【0080】
さらに、出力制御工程では、写像giを選択工程にて選択された写像φjを用いて定義し、更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いて出力工程によりスカラー値を出力させる。
【0081】
また、本発明の計算方法は、収束速度取得工程と、選択工程と、出力制御工程と、をさらに備えるように構成することができる。
【0082】
ここで、収束速度取得工程では、自然数niとして複数の自然数p1, p2, …, pk (k≧2)を用意して、そのそれぞれについて写像giを定義し、更新回数cを変化させて出力工程にて順次出力されるスカラー値の収束速度を取得する。
【0083】
一方、選択工程では、収束速度取得工程にて取得された収束速度が最も速い自然数ph (1≦h≦k)を選択する。
【0084】
さらに、出力制御工程では、自然数niとして自然数phを用いて自然数写像giを定義し、更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いて出力工程によりスカラー値を出力させる。
【0085】
また、本発明の計算方法において、出力工程は、更新工程による更新が行われる度に、スカラー値sを計算し、当該スカラー値sと、前回の更新の際におけるこのスカラー値と、を比較して、これが所定の終了条件を満たす場合に、当該スカラー値sを出力するように構成することができる。
【0086】
本発明の多重積分の計算装置と、計算方法とを実現するプログラムをコンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリなどの情報記録媒体に記録することができる。
【0087】
本発明の情報記録媒体に記録されたプログラムを、記憶装置、計算装置、出力装置などを備える情報処理装置、たとえば汎用コンピュータ、ゲーム装置、携帯情報端末、移動体電話で実行することにより、上記の多重積分の計算装置と、計算方法とを実現することができる。
【0088】
また、情報処理装置とは独立して、本発明のプログラムを記録した情報記録媒体を配布、販売することができる。
【0089】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を説明する。なお、以下に説明する実施例は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
【0090】
(第1の実施形態)
図2は、本発明の多重積分の計算装置を、汎用コンピュータなどの情報処理装置において実現する際の、当該情報処理装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0091】
情報処理装置301は、CPU(Central Processing Unit;中央処理ユニット)302により制御される。RAM(Random Access Memory;ランダム・アクセス・メモリ)などの主記憶装置303には、一時的なデータなどが記憶される。ハードディスク、フロッピーディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、磁気テープ、光磁気ディスクなどの外部記憶装置304には、CPU 302が実行するプログラムが記憶される。
【0092】
情報処理装置301に電源が投入されると、CPU 302は、まず、ROM(Read Only Memory;読出専用メモリ)308に記憶されている初期プログラムローダ(Initial Program Loader;IPL)と呼ばれるプログラムを実行する。しかる後に外部記憶装置304などからオペレーティングシステムのプログラムやアプリケーションのプログラムなどを主記憶装置303にロードして実行する。
【0093】
実行した結果は、外部記憶装置304にファイルとして記憶したり、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどの表示装置305に表示することができる。情報処理装置301のユーザは、マウスやキーボードなどの入力装置306を用いて情報処理装置301に対する指示を与える。
【0094】
ここで、主記憶装置303は、第1の記憶部および第2の記憶部として機能する。
【0095】
一方、CPU 302が備えるALU(Arithmetic Logic Unit;演算論理ユニット)や、数値演算コプロセッサ(図示せず)は、第1の計算部および第2の計算部として機能する。
【0096】
さらに、CPU 302は、主記憶装置303と共働して更新部、および、出力部として機能する。
【0097】
また、外部記憶装置304は、本発明のプログラムを記録する情報記録媒体として機能する。
【0098】
なお、これらの機能は、下記のように数値演算とメモリの更新により実現されるので、汎用コンピュータなどの情報処理装置を用いるのではなく、専用の電子回路を用いて構成することも容易であり、このような実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0099】
(計算処理の流れ)
図3は、本発明の計算装置において行われる処理の手順、すなわち、本発明の計算方法の手順の第1の実施例の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して説明する。なお、本処理は、段落0034で既に述べたΣを含む式の計算を十分に大きな N (以下では定数 C に対応する。)について行うことに相応するものである。
【0100】
主記憶装置303(典型的にはRAM)内には、m次元ベクトル変数x領域(第1の記憶部)、スカラー変数w領域(第2の記憶部)、一時的な記憶領域として用いるためのm次元ベクトル変数x'領域とスカラー変数w'領域、更新回数c領域、および、積分の結果変数s領域があらかじめ確保される。以下、これらの領域をそれぞれ、変数x、変数w、変数x'、変数w'、変数c、変数sと略記し、これらにその時に記憶されている値を、それぞれ、x、w、x'、w'、c、sのように略記する。
【0101】
また、非有界領域M = (-∞,+∞)×…×(-∞,+∞)に対して積分を行うべき多次元関数をAとし、後述する条件を満たすベクトルカオス写像をf、これを繰り返し適用したその極限分布の密度関数をρとする。
【0102】
まず、CPU 302は、変数cに値0を記憶させる(ステップS301)。
【0103】
次に、CPU 302は、変数xに、適当なm次元の初期ベクトルを記憶させる(ステップS302)。
【0104】
そして、CPU 302は、スカラー値A(x)/ρ(x)を計算し、この結果を変数wに記憶させる(ステップS303)。
【0105】
ついで、CPU 302は、ベクトル値f(x)を計算し、この結果を変数x'に記憶させる(ステップS304)。
【0106】
さらに、CPU 302は、スカラー値A(x)/ρ(x)を計算し、この結果を変数w'に記憶させる(ステップS305)。
【0107】
次に、CPU 302は、変数xにx'を記憶させて、変数xを更新する(ステップS306)。
【0108】
そして、CPU 302は、変数wにw'を加算して、変数wを更新する(ステップS307)。
【0109】
さらに、CPU 302は、変数cに1を加算して、変数cを更新する(ステップS308)。
【0110】
この後、CPU 302は、cが所定の繰り返し回数Cを超えたか否かを判断する(ステップS309)。まだ超えていない場合(ステップS309;No)、ステップS304に戻る。
【0111】
一方、cが所定の繰り返し回数Cを超えた場合(ステップS309;Yes)、スカラー値w/(c+1)を計算して、この結果を変数sに記憶させて(ステップS310)、本処理を終了する。sが積分計算の結果である。
【0112】
(ベクトル写像の例)
本実施形態にて用いるベクトル写像fは、m次元ベクトルu = (u1, u2, …, um)と写像f1, f2, …, fmを用いて、
f(u) = (f1(u1), f2(u2), …, fm(um))
のように定義できる。
【0113】
図4は、ベクトル写像fを定義する写像fi (1≦i≦m)の例の様子を表すグラフである。以下、本図を参照して説明する。
【0114】
各写像fiはカオス写像と呼ばれるものであり、上記のように、正接関数のn (n≧2)倍角の公式から得ることができる。これらの数学的背景や証明については、発明者による以下の論文に開示されている。
Ken Umeno, Superposition of chaotic processes with convergence to Levy's stable law, Physical Review E, vol. 58 No. 2. The American Physical Society, Aug. 1998.
【0115】
図中のF2(x)は、パラメータとしてn=2, d=1, a=1を用い、φ6を用いた場合の写像fiの様子である。
【0116】
図中のF2*(x)は、パラメータとしてn=2, d=1, a=1を用い、φ5を用いた場合の写像fiの様子である。
【0117】
図中のF3(x)は、パラメータとしてn=3, d=1, a=1を用い、φ6を用いた場合の写像fiの様子である。
【0118】
図中のF3*(x)は、パラメータとしてn=3, d=1, a=1を用い、φ5を用いた場合の写像fiの様子である。
【0119】
これらの関数は、以下のように陽に表現することができる。
F2(x) = 2|x|/(1-x2)
F2*(x) = 1/2(|x|-1/|x|)
F3(x) = x|x2-3|/(1-3x2)
F3*(x) = -x(x2-3)/|(1-3x2)|
【0120】
図5は、写像fiを繰り返し適用して得られるスカラー列
t, fi(t), fi(fi(t)), fi(fi(fi(t))), …
の極限分布の密度関数を図示したものである。以下、本図を参照して説明する。
【0121】
本図では、d=1と固定し、aを種々変化させた場合の密度関数を描いている。この密度関数は、上記の文献にも示される通り、
ρ(x) = ada|x|a-1/(π(1+d2a|x|2a))
のように、解析的に得ることができる。
【0122】
本図からは、いずれのn、φjを採用した場合も、aを変化させると、密度関数ρの形状が激しく変化することがわかる。
【0123】
(実験結果1)
図6は、以下のように定義される2種類の1次元被積分関数(スカラー写像)A(・), A'(・)を、無限区間(-∞,+∞)上で、種々のカオス写像f1を用いて数値積分した場合の計算誤差の自乗平均(mean square deviation)を、計算ステップ数N = c+1(cは更新回数)に対してプロットしたグラフである。
A(x) = -4x2 sgn(x)/(π(1+x2)5/2);
A'(x) = -4|x| sgn(x)/(π(1+x2)5/2)
【0124】
これらに対して、上記F3(x)および上記F3*(x)を使用し、各ステップ数Nに対して独立試行を1000回行って誤差を求め、その平均をとった。
【0125】
なお、上記A(・), A'(・)を無限区間(-∞,+∞)上で積分すると、いずれもその結果は0となることが解析的にわかっているため、上記数値積分の結果がそのまま計算誤差に相当することとなる。
【0126】
被積分関数A(・)ρ(・)の積分に対してF3(x)を、被積分関数A'(・)ρ(・)の積分に対してF3*(x)を、それぞれ用いた場合の誤差の自乗分散は、ステップ数Nに対して、1/N2のオーダーで急激に減少していく。
【0127】
一方、被積分関数A(・)ρ(・)の積分に対してF3*(x)を、被積分関数A'(・)ρ(・)の積分に対してF3(x)を、それぞれ用いた場合の誤差の自乗分散は、ステップ数Nに対して、1/Nのオーダーで、これよりもゆるやかに減少していく。
【0128】
したがって、乱数発生に用いるカオス写像を種々用意し、その中から適切なものを選択すれば、通常のモンテカルロ計算に比べて、計算誤差の収束がより高速であることがわかる。
【0129】
(実験結果2)
図7は、以下のように定義される2次元関数A(・,・)を、2次元の非有界領域M = (-∞,+∞)×(-∞,+∞)上で、本発明の手法により数値積分した場合の計算誤差の自乗平均を、計算ステップNに対してプロットしたグラフである。
A(x,y)
= ((1-x2)/(1+x2)) ((1-3y2)/(1+y2)3/2) sgn(y)
- sgn(x) (1+x2)1/2 |y| sgn(y) (1+y2)1/2
【0130】
写像f1としては、上記のF2(x)とF3(x)を、写像f2としては、上記のF2(x)とF3(x)を、それぞれ使用した4通りの場合について、それぞれ実験結果を図示してある。なお、上記実験と同様、各ステップ数Nに対して独立試行を1000回行って誤差を求め、その平均をとった。
【0131】
積分∫M A(x,y)dxdy = 0が成立することが解析的にわかっているため、上記の場合と同様、数値積分の結果がそのまま計算誤差として得られることになる。
【0132】
本図からは、4種類の組み合わせの内、写像f1としてF2(x)を、写像f2としてF3(x)を選択した場合に、誤算の自乗分散はステップ数Nに対してオーダー1/N2で高速に減少していく。これ以外の組み合わせの場合は、オーダー1/Nでゆるやかに減少していく。
【0133】
この実験結果からも、乱数発生に用いるカオス写像を種々用意し、その中から適切なものを選択すれば、通常のモンテカルロ計算に比べて、計算誤差の収束がより高速であることがわかる。
【0134】
なお、本実施形態での上記のカオス写像fの定義にかえて、
f(u) = (f1(u1, u2, ..., um),
f2(u1, u2, ..., um),
fm(u1, u2, ..., um));
u = (u1, u2, ..., um)
のような定義を用いることもできる。この場合であっても、fを所定のベクトルに繰り返し適用した結果のベクトル列の極限分布の確率密度が、上記のρの条件を満たすようになっていれば、本発明に適用することができる。
【0135】
また、各fiとして、上記のウラム=フォン・ノイマン写像、キュービック写像、クィンティック写像のほか、チェビシェフ写像や一般化チェビシェフ写像を用いることもできる。
【0136】
(計算処理の流れ)
図8は、本発明の計算装置において行われる処理の手順、すなわち、本発明の計算方法の手順の第2の実施形態の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して説明する。なお、各変数や写像、関数等は、上記実施形態と同様である。なお、本処理は、段落0034で既に述べたΣを含む式の計算を十分に大きな N (以下では定数 C に対応する。)について行うことに対応するものである。
【0137】
まず、CPU 302は、変数cに値0を記憶させる(ステップS801)。
【0138】
次に、CPU 302は、変数xに、適当なm次元の初期ベクトルを記憶させる(ステップS802)。
【0139】
そして、CPU 302は、変数wに0を記憶させる(ステップS803)。
【0140】
さらに、CPU 302は、変数xの値を用いてスカラー値A(x)/ρ(x)を計算し、この結果を変数wに加算して、変数wを更新する(ステップS804)。
【0141】
さらに、CPU 302は、変数cに1を加算して、変数cを更新する(ステップS805)。
【0142】
この後、CPU 302は、cが所定の繰り返し回数Cを超えたか否かを判断する(ステップS806)。
【0143】
まだ超えていない場合(ステップS806;No)、CPU 302は、変数xと、ベクトル写像fとを用いて、m次元ベクトル値f(x)を計算し、この結果を変数xに記憶して変数xを更新して(ステップS807)、ステップS804に戻る。
【0144】
一方、cが所定の繰り返し回数Cを超えた場合(ステップS806;Yes)、スカラー値w/cを計算して、この結果を変数sに記憶させて(ステップS809)、本処理を終了する。sが積分計算の結果である。
【0145】
本実施形態では、上記実施形態に比べ、変数を記憶するために必要な領域がより少ない。
【0146】
(第3の実施形態)
上記のように、カオス写像fがSuper-efficiencyという性質を満たせば、特に高速にモンテカルロ積分計算が収束する。しかしながら、積分関数Aによっては、Super-efficiencyが満たされるように、ベクトル写像fを選択することが難しい場合がある。本実施形態は、これを自動的に選択するものである。
【0147】
図9は、このようなベクトル写像fを選択する選択手順の流れを示すフローチャートである。
【0148】
まず、数値積分に用いる際の候補となるベクトル写像を複数用意する(ステップS901)。たとえば、ベクトル写像fの各成分の計算に用いる写像として、上記のF2、F2 *、F3、F3 *のように、各種のパラメータを変更したものを用意する。
【0149】
次に、候補のベクトル写像のそれぞれについて、上記の多重積分計算方法を、所定の更新回数(繰り返し回数)c1回と、c2 (c1<c2)回とで、適用し、積分の近似値を得る(ステップS902)。各候補の収束がどの程度かを見積もるためである。
【0150】
次に、得られた複数の数値積分の値を比較して、最も収束の速いベクトル写像を選択する(ステップS903)。収束の速さは、たとえば、以下のように判定すればよい。
【0151】
それぞれのベクトル写像について、c1回の繰り返しにより数値積分の値と、c2回の繰り返しにより数値積分の値との差を求める。次に、この差の絶対値が最も小さいベクトル写像を選択する。これが最も小さい、ということは、それだけ収束が速いことに相当するからである。
【0152】
このほか、c2回の計算を省略して、得られた複数の数値積分の値の平均をとり、その平均に最も近い値を出力したベクトル写像を選択してもよい。
【0153】
最後に、当該ベクトル写像を用いて、C (c2<C)回の更新回数で上記の多重積分計算を行い、数値積分の結果を得る(ステップS904)。
【0154】
本実施形態により、収束が高速なSuper-efficiency性を満たすベクトル写像がわからない場合であっても、自動的に収束が高速なベクトル写像を選んで、高速に数値積分を行うことができる。
【0155】
(第4の実施形態)
モンテカルロ計算では、乱数の個数(繰り返しの回数、本発明における更新回数)を定めて数値積分を行う場合が多いが、本実施形態では、誤差が所定の値よりも小さくなった場合に、繰り返しを終了する。
【0156】
たとえば、上記第2の実施形態の繰り返し計算の各回(1回目、2回目、…)において、スカラー値w/cを計算する。以下、この値を
s1, s2, …, si, …
のように表記する。
【0157】
上記実施形態では、繰り返し回数が所定の更新回数Cを超えることをもって、計算の終了としていた。本実施形態では、所定の誤差率εと、最低繰り返し回数L (L≧2)と、を定める。以下の終了条件を満たす場合、
i≧L;
|si−si-1|≦ε|si|
スカラー値siを数値積分の結果として出力するのである。
【0158】
図10は、本実施形態における数値積分の計算方法の手順を示すフローチャートである。各変数や写像、関数は、上記の実施形態と同様であるが、新たに、主記憶装置303内に、スカラー変数s'領域を確保する。
【0159】
まず、CPU 302は、変数cに値0を記憶させる(ステップS1001)。
【0160】
次に、CPU 302は、変数xに、適当なm次元の初期ベクトルを記憶させる(ステップS1002)。
【0161】
そして、CPU 302は、変数wに0を記憶させる(ステップS1003)。
【0162】
さらに、CPU 302は、変数xの値を用いてスカラー値A(x)/ρ(x)を計算し、この結果を変数wに加算して、変数wを更新する(ステップS1004)。
【0163】
さらに、CPU 302は、変数cに1を加算して、変数cを更新する(ステップS1005)。
【0164】
ついで、CPU 302は、スカラー値w/cを計算して、この結果を変数s'に記憶させる(ステップS1006)。
【0165】
この後、CPU 302は、終了条件「c≧Lかつ|s'−s|≦|εs'|」を満たすか否かを判断する(ステップS1007)。
【0166】
満たさない場合(ステップS1007;No)、CPU 302は、変数sにs'を記憶して更新し(ステップS1008)、変数xと、ベクトル写像fとを用いて、m次元ベクトル値f(x)を計算し、この結果を変数xに記憶して変数xを更新して(ステップS1009)、ステップS1004に戻る。
【0167】
一方、終了条件を満たす場合(ステップS1007;Yes)、値s'を変数sに記憶させて(ステップS1010)、本処理を終了する。sが積分計算の結果である。
【0168】
誤差率εは、たとえば0.01(1パーセント)や0.001(0.1パーセント)など、所望の任意の値を選択することができる。
【0169】
最低繰り返し回数Lは、利用できる計算時間や積分関数Aの種類等に応じて決める。たとえば、100回〜1000回程度とすることができる。
【0170】
このほか、終了条件が繰り返しの中で、k回(たとえば2〜50回)連続して満たされた場合、すなわち、
i+k≧L;
|si+1−si|≦ε|si+1|;
|si+2−si+1|≦ε|si+2|;
~~…;
|si+k−si+k-1|≦ε|si+k|
の場合に、繰り返しを終了して、si+kを数値積分の結果として出力する、などの実施態様を採用することもでき、この実施態様も本発明の範囲に含まれる。
【0171】
(第5の実施形態)
上記実施例では、非有界領域は(-∞,+∞)×…×(-∞,+∞)であり、全空間についての積分を求めていた。本実施形態は、これに限られない非有界領域Mについて数値積分をする場合の手法である。このような非有界領域Mには、たとえば、(0,+∞)や、(-∞,0)×(0,+∞)や、(0,1)×(-∞,+∞)などが考えられる。
【0172】
このようにするためには、第2の実施形態のステップS807の後に、更新した変数xの値が非有界領域Mに含まれるか否かを判断し、含まれる場合には、ステップS804に戻り、含まれない場合には、ステップS807に戻るようにする。
【0173】
このようにすることで、任意の非有界領域Mについて、上記の実施形態と同様に、高速に数値積分を行うことができる。
【0174】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、多次元の非有界領域上で定義される関数の積分の近似値を高速に計算するのに好適な、多重積分の計算装置、計算方法、および、これらを実現するプログラムを記録した情報記録媒体を提供することができる。
【0175】
これらは、金融工学におけるリスク評価、移動体通信や光通信におけるCDMAの干渉ノイズの評価、インターネットなどの通信におけるトラヒック評価などの数多くの産業分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多重積分の計算装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】 本発明の多重積分の計算装置が実装される情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図3】 本発明の多重積分の計算方法の手順を示すフローチャートである。
【図4】 ベクトル写像fを定義する写像fiの例を示すグラフである。
【図5】 写像fiを繰り返し適用して得られるスカラー列の極限分布の密度関数を示すグラフである。
【図6】 1次元被積分関数を無限区間(-∞,+∞)で数値積分した場合の計算ステップ数に対する誤差の自乗平均を示すグラフである。
【図7】 2次元被積分関数を非有界領域(-∞,+∞)×(-∞,+∞)で数値積分した場合の計算ステップ数に対する誤差の自乗平均を示すグラフである。
【図8】 本発明の多重積分の計算方法の手順を示すフローチャートである。
【図9】 本発明のベクトル写像を選択する手順を示すフローチャートである。
【図10】 本発明のベクトル写像を選択する手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
101 多重積分の計算装置
111 第1の記憶部
112 第2の記憶部
121 第1の計算部
122 第2の計算部
131 更新部
141 出力部
301 情報処理装置
302 CPU
303 主記憶装置
304 外部記憶装置
305 表示装置
306 入力装置
308 ROM

Claims (31)

  1. ベクトル写像fを用いてm (m≧1)次元の非有界領域M = (-∞,+∞)×…×(-∞,+∞)に対してm次元被積分関数Aの多重積分を計算する計算装置であって、
    当該ベクトル写像fは、実数の成分からなるm次元のベクトルを実数の成分からなるm次元のベクトルに変換し、
    当該ベクトル写像 f を任意のm次元のベクトル x M に適用した結果 f(x) は当該ベクトル x から計算可能であり、
    当該ベクトル写像fを所定のm次元のベクトルuに繰り返し適用した結果u,f(u),f(f(u)),f(f(f(u))),… の極限分布の多次元密度関数ρを任意のm次元のベクトル x M に適用した結果ρ (x) は当該ベクトル x から計算可能であり、
    当該計算装置は、
    m次元のベクトルx=(x1,x2,…,xm)を記憶する第1の記憶部と、
    スカラー値wを記憶する第2の記憶部と、
    前記第1の記憶部に記憶されたベクトルxに、前記ベクトル写像fを適用した結果のベクトルx'=f(x)=(x'1,x'2,…,x'm)を計算する第1の計算部と、
    前記第1の記憶部に記憶されたベクトルxから、スカラー値w'=A(x)/ρ(x)を計算する第2の計算部と、
    前記第1の計算部により計算されたベクトルx'を前記第1の記憶部に記憶されるベクトルxに代入して、前記第1の記憶部に記憶されるベクトルxを更新し、
    前記第2の計算部により計算されたスカラー値w'を前記第2の記憶部に記憶されるスカラー値wに加算して、前記第2の記憶部に記憶されるスカラー値wを更新する更新部と、
    前記更新部による更新回数がc (c≧1)回となった場合、前記第2の記憶部に記憶されたスカラー値wから、スカラー値s=w/(c+1)を計算して、当該スカラー値sを多重積分の結果として出力する出力部と、
    を備え、
    前記第2の記憶部に最初に記憶されるスカラー値は、前記第1の記憶部に最初に記憶されるm次元のベクトルに関数Aを適用したものを、前記第1の記憶部に最初に記憶されるm次元のベクトルに密度関数ρを適用したもので除算した結果である
    ことを特徴とする計算装置。
  2. ベクトル写像fを用いて、m (m≧1)次元の非有界領域M = (-∞,+∞)×…×(-∞,+∞)に対して多次元被積分関数Aの多重積分を計算する計算装置であって、
    当該ベクトル写像fは、実数の成分からなるm次元のベクトルを実数の成分からなるm次元のベクトルに変換し、
    当該ベクトル写像 f を任意のm次元のベクトル x M に適用した結果 f(x) は当該ベクトル x から計算可能であり、
    当該ベクトル写像fを所定のm次元のベクトルuに繰り返し適用した結果u,f(u),f(f(u)),f(f(f(u))),… の極限分布の多次元密度関数ρを任意のm次元のベクトル x M に適用した結果ρ (x) は当該ベクトル x から計算可能であり、
    当該計算装置は、
    m次元のベクトルx=(x1,x2,…,xm)を記憶する第1の記憶部と、
    スカラー値wを記憶する第2の記憶部と、
    前記第1の記憶部に記憶されたベクトルxに、前記ベクトル写像fを適用した結果のベクトルx'=f(x)=(x'1,x'2,…,x'm)を計算する第1の計算部と、
    前記第1の記憶部に記憶されたベクトルxから、スカラー値w'=A(x)/ρ(x)を計算する第2の計算部と、
    前記第1の計算部により計算されたベクトルx'を前記第1の記憶部に記憶されるベクトルxに代入して、前記第1の記憶部に記憶されるベクトルxを更新し、
    前記第2の計算部により計算されたスカラー値w'を前記第2の記憶部に記憶されるスカラー値wに加算して、前記第2の記憶部に記憶されるスカラー値wを更新する更新部と、
    前記更新部による更新回数がc (c≧1)回となった場合、前記第2の記憶部に記憶されたスカラー値wから、スカラー値s'=w/cを計算して、当該スカラー値s'を多重積分の結果として出力する出力部と、
    を備え、
    前記第2の記憶部に最初に記憶されるスカラー値は0である
    ことを特徴とする計算装置。
  3. 前記ベクトル写像fは、m次元ベクトルu = (u1,u2,…,um)とm個の写像f1,f2,…,fmとにより、
    f(u) = (f1(u1),f2(u2),…,fm(um)))
    と定義され、当該m個の写像f1,f2,…,fmはいずれもカオス写像である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の計算装置。
  4. 前記ベクトル写像fとして複数のベクトル写像g1,g2,…,gk (k≧2)を用意し、そのそれぞれについて、前記更新回数cを変化させて前記出力部が順次出力するスカラー値の収束速度を取得する収束速度取得部と、
    前記収束速度取得部により取得された収束速度が最も速いベクトル写像gh (1≦h≦k)を選択する選択部と、
    前記ベクトル写像fとして前記ベクトル写像ghを用いて、前記更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いて前記出力部にスカラー値を出力させる出力制御部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の計算装置。
  5. 前記ベクトル写像fを所定のm次元のベクトルu=(u1,u2,…,um)に0回以上適用して得られるベクトル列
    u,f(u),f(f(u)),f(f(f(u))),…
    の極限分布の多次元密度関数ρは、性質
    ρ(u) = Πi=0 m ρi(ui);
    ρi(ui) 〜 c-i|ui|-(1+a) for ui → -∞;
    ρi(ui) 〜 c+i|ui|-(1+a) for ui → +∞;
    (a>0,1≦i≦m,c-i>0,c+i>0)
    を満たす
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の計算装置。
  6. 前記ベクトル写像fは、1≦i≦mについて定義される関数
    fi(t) = gi(di t)/di (di>0)
    により
    f(u)=(f1(u1),f2(u2),…,fm(um))
    と定義され、写像giは、以下の写像φj (1≦j≦8)のいずれかと自然数ni (ni≧2)とにより、
    gij(θ)) = φj(niθ);
    φ1(θ) = -sgn(tanθ)/|tanθ|1/a
    φ2(θ) = -sgn(tanθ)×|tanθ|1/a
    φ3(θ) = -sgn(cosθ)/|tanθ|1/a
    φ4(θ) = -sgn(cosθ)×|tanθ|1/a
    φ5(θ) = sgn(cosθ)/|tanθ|1/a
    φ6(θ) = sgn(cosθ)×|tanθ|1/a
    φ7(θ) = sgn(sinθ)/|tanθ|1/a
    φ8(θ) = sgn(sinθ)×|tanθ|1/a
    sgn(t) = 1 for t>0;
    sgn(t) = 0 for t=0;
    sgn(t) = -1 for t<0
    と定義される
    ことを特徴とする請求項5に記載の計算装置。
  7. 前記定数aとして複数の正数q1,q2,…,qk (k≧2)を用意して、そのそれぞれについて前記写像fを定義し、前記更新回数cを変化させて前記出力部が順次出力するスカラー値の収束速度を取得する収束速度取得部と、
    前記収束速度取得部により取得された収束速度が最も速い正数qh (1≦h≦k)を選択する選択部と、
    前記定数aとして前記正数qhを用いて前記写像fを定義し、前記更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いて前記出力部にスカラー値を出力させる出力制御部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項5または6に記載の計算装置。
  8. 前記写像giを前記写像φjのいずれか複数を用いて定義し、そのそれぞれについて、前記更新回数cを変化させて前記出力部が順次出力するスカラー値の収束速度を取得する収束速度取得部と、
    前記収束速度取得部により取得された収束速度が最も速い写像φjを選択する選択部と、
    前記写像giを前記選択部により選択された写像φjを用いて定義し、前記更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いて前記出力部にスカラー値を出力させる出力制御部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の計算装置。
  9. 前記自然数niとして複数の自然数p1,p2,…,pk (k≧2)を用意して、そのそれぞれについて前記写像giを定義し、前記更新回数cを変化させて前記出力部が順次出力するスカラー値の収束速度を取得する収束速度取得部と、
    前記収束速度取得部により取得された収束速度が最も速い自然数ph (1≦h≦k)を選択する選択部と、
    前記自然数niとして前記自然数phを用いて前記自然数写像giを定義し、前記更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いて前記出力部にスカラー値を出力させる出力制御部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の計算装置。
  10. 前記出力部は、前記更新部による更新が行われる度に、前記スカラー値sを計算し、当該スカラー値sと、前回の更新の際におけるこのスカラー値と、を比較して、これが所定の終了条件を満たす場合に、当該スカラー値sを出力する
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の計算装置。
  11. ベクトル写像fを用いてm (m≧1)次元の非有界領域M = (-∞,+∞)×…×(-∞,+∞)に対してm次元被積分関数Aの多重積分を計算する計算方法であって、
    当該計算方法は、第1の記憶部と、第2の記憶部と、第1の計算部と、第2の計算部と、更新部と、出力部と、を備える計算装置にて実行され、
    当該ベクトル写像fは、実数の成分からなるm (m≧1)次元のベクトルを実数の成分からなるm次元のベクトルに変換し、
    当該ベクトル写像 f を任意のm次元のベクトル x M に適用した結果 f(x) は当該ベクトル x から計算可能であり、
    当該ベクトル写像fを所定のm次元のベクトルuに繰り返し適用した結果u,f(u),f(f(u)),f(f(f(u))),… の極限分布の多次元密度関数ρを任意のm次元のベクトル x M に適用した結果ρ (x) は当該ベクトル x から計算可能であり、
    前記第1の記憶部は、m次元のベクトルx=(x1,x2,…,xm)を記憶し、
    前記第2の記憶部は、スカラー値wを記憶し、
    当該計算方法は、
    前記第1の計算部が、前記第1の記憶部に記憶されたベクトルxに、前記ベクトル写像fを適用した結果のベクトルx'=f(x)=(x'1,x'2,…,x'm)を計算する第1の計算工程と、
    前記第2の計算部が、前記第1の記憶部に記憶されたベクトルxから、スカラー値w'=A(x)/ρ(x)を計算する第2の計算工程と、
    前記更新部が、前記第1の計算工程にて計算されたベクトルx'を前記第1の記憶部に記憶されるベクトルxに代入して、前記第1の記憶部に記憶されるベクトルxを更新し、
    前記第2の計算工程にて計算されたスカラー値w'を前記第2の記憶部に記憶されるスカラー値wに加算して、前記第2の記憶部に記憶されるスカラー値wを更新する更新工程と、
    前記出力部が、前記更新工程による更新回数がc (c≧1)回となった場合、前記第2の記憶部に記憶されたスカラー値wから、スカラー値s=w/(c+1)を計算して、当該スカラー値sを多重積分の結果として出力する出力工程と、
    を備え、
    前記第2の記憶部に最初に記憶されるスカラー値は、前記第1の記憶部に最初に記憶されるm次元のベクトルに関数Aを適用したものを、前記第1の記憶部に最初に記憶されるm次元のベクトルに密度関数ρを適用したもので除算した結果である
    ことを特徴とする計算方法。
  12. ベクトル写像fを用いてm (m≧1)次元の非有界領域M = (-∞,+∞)×…×(-∞,+∞)に対してm次元被積分関数Aの多重積分を計算する計算方法であって、
    当該計算方法は、第1の記憶部と、第2の記憶部と、第1の計算部と、第2の計算部と、更新部と、出力部と、を備える計算装置にて実行され、
    当該ベクトル写像fは、実数の成分からなるm (m≧1)次元のベクトルを実数の成分からなるm次元のベクトルに変換し、
    当該ベクトル写像 f を任意のm次元のベクトル x M に適用した結果 f(x) は当該ベクトル x から計算可能であり、
    当該ベクトル写像fを所定のm次元のベクトルuに繰り返し適用した結果u,f(u),f(f(u)),f(f(f(u))),… の極限分布の多次元密度関数ρを任意のm次元のベクトル x M に適用した結果ρ (x) は当該ベクトル x から計算可能であり、
    前記第1の記憶部は、m次元のベクトルx=(x1,x2,…,xm)を記憶し、
    前記第2の記憶部は、スカラー値wを記憶し、
    当該計算方法は、
    前記第1の計算部が、前記第1の記憶部に記憶されたベクトルxに、前記ベクトル写像fを適用した結果のベクトルx'=f(x)=(x'1,x'2,…,x'm)を計算する第1の計算工程と、
    前記第2の計算部が、前記第1の記憶部に記憶されたベクトルxから、スカラー値w'=A(x)/ρ(x)を計算する第2の計算工程と、
    前記更新部が、前記第1の計算工程にて計算されたベクトルx'を前記第1の記憶部に記憶されるベクトルxに代入して、前記第1の記憶部に記憶されるベクトルxを更新し、
    前記第2の計算工程にて計算されたスカラー値w'を前記第2の記憶部に記憶されるスカラー値wに加算して、前記第2の記憶部に記憶されるスカラー値wを更新する更新工程と、
    前記出力部が、前記更新工程による更新回数がc (c≧1)回となった場合、前記第2の記憶部に記憶されたスカラー値wから、スカラー値s'=w/c)を計算して、当該スカラー値s'を多重積分の結果として出力する出力工程と、
    を備え、
    前記第2の記憶部に最初に記憶されるスカラー値は0である
    ことを特徴とする計算方法。
  13. 前記ベクトル写像fは、m次元ベクトルu = (u1,u2,…,um)とm個の写像f1,f2,…,fmとにより、
    f(u) = (f1(u1),f2(u2),…,fm(um)))
    と定義され、当該m個の写像f1,f2,…,fmはいずれもカオス写像である
    ことを特徴とする請求項11または12に記載の計算方法。
  14. 前記計算装置は、収束速度取得部と、選択部と、をさらに備え、
    当該計算方法は、
    前記収束速度取得部が、前記ベクトル写像fとして複数のベクトル写像g1,g2,…,gk (k≧2)を用意し、そのそれぞれについて、前記更新回数cを変化させて前記出力工程にて順次出力されるスカラー値の収束速度を取得する収束速度取得工程と、
    前記選択部が、前記収束速度取得工程にて取得された収束速度が最も速いベクトル写像gh (1≦h≦k)を選択する選択工程をさらに備え、
    前記ベクトル写像fとして前記ベクトル写像ghを用いて、
    前記出力工程は、前記更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いてスカラー値を出力する
    ことを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の計算方法。
  15. 前記ベクトル写像fを所定のm次元のベクトルu=(u1,u2,…,um)に0回以上適用して得られるベクトル列
    u,f(u),f(f(u)),f(f(f(u))),…
    の極限分布の多次元密度関数ρは、性質
    ρ(u) = Πi=0 m ρi(ui);
    ρi(ui) 〜 c-i|ui|-(1+a) for ui → -∞;
    ρi(ui) 〜 c+i|ui|-(1+a) for ui → +∞;
    (a>0,1≦i≦m,c-i>0,c+i>0)
    を満たす
    ことを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の計算方法。
  16. 前記ベクトル写像fは、1≦i≦mについて定義される関数
    fi(t) = gi(di t)/di (di>0)
    により
    f(u)=(f1(u1),f2(u2),…,fm(um))
    と定義され、写像giは、以下の写像φj (1≦j≦8)のいずれかと自然数ni (ni≧2)とにより、
    gij(θ)) = φj(niθ);
    φ1(θ) = -sgn(tanθ)/|tanθ|1/a
    φ2(θ) = -sgn(tanθ)×|tanθ|1/a
    φ3(θ) = -sgn(cosθ)/|tanθ|1/a
    φ4(θ) = -sgn(cosθ)×|tanθ|1/a
    φ5(θ) = sgn(cosθ)/|tanθ|1/a
    φ6(θ) = sgn(cosθ)×|tanθ|1/a
    φ7(θ) = sgn(sinθ)/|tanθ|1/a
    φ8(θ) = sgn(sinθ)×|tanθ|1/a
    sgn(t) = 1 for t>0;
    sgn(t) = 0 for t=0;
    sgn(t) = -1 for t<0
    と定義される
    ことを特徴とする請求項15に記載の計算方法。
  17. 前記計算装置は、収束速度取得部と、選択部と、出力制御部と、をさらに備え、
    当該計算方法は、
    前記収束速度取得部が、前記定数aとして複数の正数q1,q2,…,qk (k≧2)を用意して、そのそれぞれについて前記写像fを定義し、前記更新回数cを変化させて前記出力工程にて順次出力されるスカラー値の収束速度を取得する収束速度取得工程と、
    前記選択部が、前記収束速度取得工程にて取得された収束速度が最も速い正数qh (1≦h≦k)を選択する選択工程と、
    前記出力制御部が、前記定数aとして前記正数qhを用いて前記写像fを定義し、前記更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用い、前記出力工程によりスカラー値を出力させる出力制御工程と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項15または16に記載の計算方法。
  18. 前記計算装置は、収束速度取得部と、選択部と、出力制御部と、をさらに備え、
    当該計算方法は、
    前記収束速度取得部が、前記写像giを前記写像φjのいずれか複数を用いて定義し、そのそれぞれについて、前記更新回数cを変化させて前記出力工程にて順次出力されるスカラー値の収束速度を取得する収束速度取得工程と、
    前記選択部が、前記収束速度取得工程にて取得された収束速度が最も速い写像φjを選択する選択工程と、
    前記出力制御部が、前記写像giを前記選択工程にて選択された写像φjを用いて定義し、前記更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いて前記出力工程によりスカラー値を出力させる出力制御工程と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の計算方法。
  19. 前記計算装置は、収束速度取得部と、選択部と、出力制御部と、をさらに備え、
    当該計算方法は、
    前記収束速度取得部が、前記自然数niとして複数の自然数p1,p2,…,pk (k≧2)を用意して、そのそれぞれについて前記写像giを定義し、前記更新回数cを変化させて前記出力工程にて順次出力されるスカラー値の収束速度を取得する収束速度取得工程と、
    前記選択部が、前記収束速度取得工程にて取得された収束速度が最も速い自然数ph (1≦h≦k)を選択する選択工程と、
    前記出力制御部が、前記自然数niとして前記自然数phを用いて前記自然数写像giを定義し、前記更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いて前記出力工程によりスカラー値を出力させる出力制御工程と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の計算方法。
  20. 前記出力工程は、前記更新工程による更新が行われる度に、前記スカラー値sを計算し、当該スカラー値sと、前回の更新の際におけるこのスカラー値と、を比較して、これが所定の終了条件を満たす場合に、当該スカラー値sを出力する
    ことを特徴とする請求項11から19のいずれか1項に記載の計算方法。
  21. ベクトル写像fを用いてm (m≧1)次元の非有界領域M = (-∞,+∞)×…×(-∞,+∞)に対してm次元被積分関数Aの多重積分を計算するためのプログラムを記録した、コンピュータ読取可能な情報記録媒体であって、
    当該ベクトル写像fは、実数の成分からなるm (m≧1)次元のベクトルを実数の成分からなるm次元のベクトルに変換し、
    当該ベクトル写像 f を任意のm次元のベクトル x M に適用した結果 f(x) は当該ベクトル x から計算可能であり、
    当該ベクトル写像fを所定のm次元のベクトルuに繰り返し適用した結果u,f(u),f(f(u)),f(f(f(u))),… の極限分布の多次元密度関数ρを任意のm次元のベクトル x M に適用した結果ρ (x) は当該ベクトル x から計算可能であり、
    当該プログラムは、コンピュータを、
    m次元のベクトルx=(x1,x2,…,xm)を記憶する第1の記憶部、
    スカラー値wを記憶する第2の記憶部、
    前記第1の記憶部に記憶されたベクトルxに、前記ベクトル写像fを適用した結果のベクトルx'=f(x)=(x'1,x'2,…,x'm)を計算する第1の計算部、
    前記第1の記憶部に記憶されたベクトルxから、スカラー値w'=A(x)/ρ(x)を計算する第2の計算部、
    前記第1の計算部により計算されたベクトルx'を前記第1の記憶部に記憶されるベクトルxに代入して、前記第1の記憶部に記憶されるベクトルxを更新し、
    前記第2の計算部により計算されたスカラー値w'を前記第2の記憶部に記憶されるスカラー値wに加算して、前記第2の記憶部に記憶されるスカラー値wを更新する更新部、および、
    前記更新部による更新回数がc (c≧1)回となった場合、前記第2の記憶部に記憶されたスカラー値wから、スカラー値s=w/(c+1)を計算して、当該スカラー値sを多重積分の結果として出力する出力部、
    として機能させ、
    前記第2の記憶部に最初に記憶されるスカラー値は、前記第1の記憶部に最初に記憶されるm次元のベクトルに関数Aを適用したものを、前記第1の記憶部に最初に記憶されるm次元のベクトルに密度関数ρを適用したもので除算した結果である
    ように機能させることを特徴とする情報記録媒体。
  22. ベクトル写像fを用いてm (m≧1)次元の非有界領域M = (-∞,+∞)×…×(-∞,+∞)に対してm次元被積分関数Aの多重積分を計算するためのプログラムを記録した、コンピュータ読取可能な情報記録媒体であって、
    当該ベクトル写像fは、実数の成分からなるm (m≧1)次元のベクトルを実数の成分からなるm次元のベクトルに変換し、
    当該ベクトル写像 f を任意のm次元のベクトル x M に適用した結果 f(x) は当該ベクトル x から計算可能であり、
    当該ベクトル写像fを所定のm次元のベクトルuに繰り返し適用した結果u,f(u),f(f(u)),f(f(f(u))),… の極限分布の多次元密度関数ρを任意のm次元のベクトル x M に適用した結果ρ (x) は当該ベクトル x から計算可能であり、
    当該プログラムは、コンピュータを、
    m次元のベクトルx=(x1,x2,…,xm)を記憶する第1の記憶部、
    スカラー値wを記憶する第2の記憶部、
    前記第1の記憶部に記憶されたベクトルxに、前記ベクトル写像fを適用した結果のベクトルx'=f(x)=(x'1,x'2,…,x'm)を計算する第1の計算部、
    前記第1の記憶部に記憶されたベクトルxから、スカラー値w'=A(x)/ρ(x)を計算する第2の計算部、
    前記第1の計算部により計算されたベクトルx'を前記第1の記憶部に記憶されるベクトルxに代入して、前記第1の記憶部に記憶されるベクトルxを更新し、
    前記第2の計算部により計算されたスカラー値w'を前記第2の記憶部に記憶されるスカラー値wに加算して、前記第2の記憶部に記憶されるスカラー値wを更新する更新部、および、
    前記更新部による更新回数がc (c≧1)回となった場合、前記第2の記憶部に記憶されたスカラー値wから、スカラー値s'=w/cを計算して、当該スカラー値s'を多重積分の結果として出力する出力部、
    として機能させ、
    前記第2の記憶部に最初に記憶されるスカラー値は0であるように機能させることを特徴とする情報記録媒体。
  23. 前記プログラムは、前記コンピュータにおいて、
    前記ベクトル写像fは、m次元ベクトルu = (u1,u2,…,um)とm個の写像f1,f2,…,fmとにより、
    f(u) = (f1(u1),f2(u2),…,fm(um)))
    と定義され、当該m個の写像f1,f2,…,fmはいずれもカオス写像である
    ように機能させることを特徴とする請求項21または22に記載の情報記録媒体。
  24. 前記プログラムは、前記コンピュータを、
    前記ベクトル写像fとして複数のベクトル写像g1,g2,…,gk (k≧2)を用意し、そのそれぞれについて、前記更新回数cを変化させて前記出力部が順次出力するスカラー値の収束速度を取得する収束速度取得部、
    前記収束速度取得部により取得された収束速度が最も速いベクトル写像gh (1≦h≦k)を選択する選択部、および、
    前記ベクトル写像fとして前記ベクトル写像ghを用いて、前記更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いて前記出力部にスカラー値を出力させる出力制御部、
    としてさらに機能させることを特徴とする請求項21から23のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
  25. 前記ベクトル写像fを所定のm次元のベクトルu=(u1,u2,…,um)に0回以上適用して得られるベクトル列
    u,f(u),f(f(u)),f(f(f(u))),…
    の極限分布の多次元密度関数ρは、性質
    ρ(u) = Πi=0 m ρi(ui);
    ρi(ui) 〜 c-i|ui|-(1+a) for ui → -∞;
    ρi(ui) 〜 c+i|ui|-(1+a) for ui → +∞;
    (a>0,1≦i≦m,c-i>0,c+i>0)
    を満たす
    ことを特徴とする請求項21から23のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
  26. 前記ベクトル写像fは、1≦i≦mについて定義される関数
    fi(t) = gi(di t)/di (di>0)
    により
    f(u)=(f1(u1),f2(u2),…,fm(um))
    と定義され、写像giは、以下の写像φj (1≦j≦8)のいずれかと自然数ni (ni≧2)とにより、
    gij(θ)) = φj(niθ);
    φ1(θ) = -sgn(tanθ)/|tanθ|1/a
    φ2(θ) = -sgn(tanθ)×|tanθ|1/a
    φ3(θ) = -sgn(cosθ)/|tanθ|1/a
    φ4(θ) = -sgn(cosθ)×|tanθ|1/a
    φ5(θ) = sgn(cosθ)/|tanθ|1/a
    φ6(θ) = sgn(cosθ)×|tanθ|1/a
    φ7(θ) = sgn(sinθ)/|tanθ|1/a
    φ8(θ) = sgn(sinθ)×|tanθ|1/a
    sgn(t) = 1 for t>0;
    sgn(t) = 0 for t=0;
    sgn(t) = -1 for t<0
    と定義される
    ことを特徴とする請求項25に記載の情報記録媒体。
  27. 前記プログラムは、前記コンピュータを、
    前記定数aとして複数の正数q1,q2,…,qk (k≧2)を用意して、そのそれぞれについて前記写像fを定義し、前記更新回数cを変化させて前記出力部が順次出力するスカラー値の収束速度を取得する収束速度取得部、
    前記収束速度取得部により取得された収束速度が最も速い正数qh (1≦h≦k)を選択する選択部、および、
    前記定数aとして前記正数qhを用いて前記写像fを定義し、前記更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いて前記出力部にスカラー値を出力させる出力制御部、
    としてさらに機能させることを特徴とする請求項25または26に記載の情報記録媒体。
  28. 前記プログラムは、前記コンピュータを、
    前記写像giを前記写像φjのいずれか複数を用いて定義し、そのそれぞれについて、前記更新回数cを変化させて前記出力部が順次出力するスカラー値の収束速度を取得する収束速度取得部、
    前記収束速度取得部により取得された収束速度が最も速い写像φjを選択する選択部、および、
    前記写像giを前記選択部により選択された写像φjを用いて定義し、前記更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いて前記出力部にスカラー値を出力させる出力制御部、
    としてさらに機能させることを特徴とする請求項26に記載の情報記録媒体。
  29. 前記プログラムは、前記コンピュータを、
    前記自然数niとして複数の自然数p1,p2,…,pk (k≧2)を用意して、そのそれぞれについて前記写像giを定義し、前記更新回数cを変化させて前記出力部が順次出力するスカラー値の収束速度を取得する収束速度取得部、
    前記収束速度取得部により取得された収束速度が最も速い自然数ph (1≦h≦k)を選択する選択部、および、
    前記自然数niとして前記自然数phを用いて前記自然数写像giを定義し、前記更新回数cにかえて更新回数c' (c'>c)を用いて前記出力部にスカラー値を出力させる出力制御部、
    としてさらに機能させることを特徴とする請求項26に記載の情報記録媒体。
  30. 前記出力部は、前記更新部による更新が行われる度に、前記スカラー値sを計算し、当該スカラー値sと、前回の更新の際におけるこのスカラー値と、を比較して、これが所定の終了条件を満たす場合に、当該スカラー値sを出力する
    ことを特徴とする請求項21から29のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
  31. 前記情報記録媒体は、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、または、半導体メモリである
    ことを特徴とする請求項21から30のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
JP37027799A 1999-12-27 1999-12-27 多重積分の計算装置、計算方法、および、情報記録媒体 Expired - Fee Related JP3711223B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37027799A JP3711223B2 (ja) 1999-12-27 1999-12-27 多重積分の計算装置、計算方法、および、情報記録媒体
US09/746,139 US6832233B2 (en) 1999-12-27 2000-12-22 Apparatus and method for computing multiple integral, and recording medium

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37027799A JP3711223B2 (ja) 1999-12-27 1999-12-27 多重積分の計算装置、計算方法、および、情報記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001184343A JP2001184343A (ja) 2001-07-06
JP3711223B2 true JP3711223B2 (ja) 2005-11-02

Family

ID=18496498

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37027799A Expired - Fee Related JP3711223B2 (ja) 1999-12-27 1999-12-27 多重積分の計算装置、計算方法、および、情報記録媒体

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6832233B2 (ja)
JP (1) JP3711223B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6668265B1 (en) * 1999-03-29 2003-12-23 Communications Research Laboratory, Ministry Of Posts And Telecommunications Apparatus and method for outputting sequence of vectors, data recording medium, and carrier wave signal
US7653581B2 (en) * 2004-03-30 2010-01-26 Sap Ag Method and system for derivatives pricing
JP4327842B2 (ja) * 2006-12-28 2009-09-09 健 梅野 通信システム、通信方法、ならびに、プログラム
US8024692B2 (en) 2007-05-04 2011-09-20 Mentor Graphics Corporation Modeling the skin effect using efficient conduction mode techniques

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5313469A (en) * 1993-06-11 1994-05-17 Northern Telecom Limited Self-testable digital integrator
US5790442A (en) * 1995-03-14 1998-08-04 International Business Machines Corporation Method and apparatus for generating low-discrepancy sequence, as well as apparatus and method for calculating multiple integral of function f
JP3357263B2 (ja) 1997-04-01 2002-12-16 理化学研究所 統計的シミュレーション方法及びこのプログラムを記録した記憶媒体
JPH11259452A (ja) 1998-02-17 1999-09-24 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 高速積分方法及びシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001184343A (ja) 2001-07-06
US20010005851A1 (en) 2001-06-28
US6832233B2 (en) 2004-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Xiu Efficient collocational approach for parametric uncertainty analysis
US11468357B2 (en) Hybrid quantum-classical computer for packing bits into qubits for quantum optimization algorithms
Janicki et al. Simulation and chaotic behavior of alpha-stable stochastic processes
Zhu et al. A new type of multi-resolution WENO schemes with increasingly higher order of accuracy on triangular meshes
US20220284337A1 (en) Classically-boosted variational quantum eigensolver
Beukers Hypergeometric functions, how special are they?
Bernal et al. Hybrid PDE solver for data-driven problems and modern branching
Chraibi et al. Optimal potential functions for the interacting particle system method
JP3711223B2 (ja) 多重積分の計算装置、計算方法、および、情報記録媒体
Owada et al. Functional strong law of large numbers for Betti numbers in the tail
Du Toit Radial basis function interpolation
Bhattaram et al. Lanczos-boosted numerical linked-cluster expansion for quantum lattice models
Golubtsov Scalability and parallelization of sequential processing: big data demands and information algebras
Adler et al. Convergence of the reach for a sequence of Gaussian-embedded manifolds
Greenwood et al. Asymptotics of coefficients of algebraic series via embedding into rational series
Hoel et al. Construction of a mean square error adaptive Euler–Maruyama method with applications in multilevel Monte Carlo
Kawamura et al. Efficient algorithms for sign detection in RNS using approximate reciprocals
Papakostas et al. Modified factorial-free direct methods for Zernike and pseudo-Zernike moment computation
Salii Order-theoretic characteristics and dynamic programming for Precedence Constrained Traveling Salesman Problem
Kumar et al. A homotopic approach to domain determination and solution refinement for the stationary Fokker–Planck equation
JP3455748B2 (ja) ベクトル列の出力装置、出力方法、および、情報記録媒体
Amato et al. Iterative rational least squares fitting
US20240119109A1 (en) Methods and systems for time-affecting linear pathway (talp) extensions
US20220308837A1 (en) Optimization method, information processing apparatus, and system using the same
Catinas Constrained visualisation using Shepard-Bernoulli interpolation operator

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041005

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050812

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080819

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090819

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090819

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100819

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100819

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110819

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110819

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120819

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120819

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130819

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees