JP3030043B2 - 化学発光増強法 - Google Patents

化学発光増強法

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JP3030043B2 JP2034798A JP3479890A JP3030043B2 JP 3030043 B2 JP3030043 B2 JP 3030043B2 JP 2034798 A JP2034798 A JP 2034798A JP 3479890 A JP3479890 A JP 3479890A JP 3030043 B2 JP3030043 B2 JP 3030043B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は化学発光における増強法に関する。
特に本発明は化学発光物質の検出法、特に化学発光物
質の定量、並びに化学発光の計測を基とする免疫定量、
酵素定量等の感度向上に好適な化学発光の増強法に関す
るものである。
(ロ)従来の技術及び発明が解決しようとする課題 化学発光反応に基づく分析方法は、極めて高感度な測
定方法となり得る可能性があるため、活発な研究が展開
されている。この分析方法は特に、免疫学的測定の分野
で注目されており、種々の技術の導入が試みられてい
る。
即ち、免疫学的測定においては、先ず初めに、放射性
同位元素をラベルとして用いる方法が開発されたが、放
射性同位元素を用いることの欠点として、半減期の短い
ことやバイオハザードの問題、さらに感度が不十分とさ
れる場合があるなど改善が求められていた。次に酵素を
ラベルとするいわゆる酵素免疫測定など比色や蛍光で検
出する方法が開発され、RIAの有する欠点を克服する研
究が進められた。しかしながら、なお、感度向上が望ま
れ、新たな技術の展開が計られた。これらの中で化学発
光を検出手段として利用する方法は、最も高感度が期待
できるものとして研究が進められている。
化学発光反応を利用した免疫化学的測定法は大きく分
けて次の4種に分類される(辻 章夫等、蛋白質 核酸
酵素、別冊第31巻(1988)252〜263頁)。
(1)標識化合物としてルミノールやイソルミノール、
アクリジニウム誘導体などの化学発光性物質を抗体や抗
原などに標識する方法、 (2)酵素を抗体や抗原などに標識した酵素免疫測定法
(EIA)において、酵素活性の測定に化学発光反応を利
用する方法、 (3)補酵素であるNADやATPを標識し、抗原抗体反応に
よりその補酵素活性が不活化する現象を利用したホモジ
ニアスな免疫測定方法、 (4)生物発光反応を用いる酵素免疫測定方法。
これらのうち、(1)においては、発光性物質を化学
的に結合させることによって、発光量子収率が低下し、
結果として期待した程に感度が向上しないこと、化学発
光の生じている時間が極めて短時間であるので計測の面
で無理があることなど若干の問題を内蔵している。
(3)については感度の向上は望めないこと、(4)に
ついては酵素が特殊な場合が多く、方法として一般化し
難いという欠点を有す。一方、(2)においては、化学
発光性物質は溶液中において遊離の状態で存在し、標識
酵素により発光反応が触媒されるので感度の上昇が期待
できる。しかしながら、この場合においても、発光持続
時間が極めて短時間であることが多く、実質的には測定
感度上昇に結びついてはいなかった。
このようなことから、最近、化学発光反応の系におい
て、第3の化学物を共存させ、これにより化学発光反応
の最終的な発光量を大幅に増大させることが可能である
ことが分かった。即ち、スオープ等(G.H.G.Thorpe,L.
J.Kricka)は“メソッド イン エンザイモロジー(Me
thois in Enzymology)”、第133巻、第331〜353頁(19
86年、Academic Press社、New York)に総説を記載して
おり、ペルオキシダーゼを触媒に用いるルミノールの発
光反応において、発光反応を増強する化合物群の記載が
見られる。上述の論文の第335頁に述べられているよう
に、6−ハイドロキシベンゾチアゾールやフェノール誘
導体にエンハンサー(enhancer)としての強力な作用が
認められている。これらのエンハンサーの利用により、
化学発光反応を遅延させると共に、化学発光量を増大さ
せることができるので、測定条件が容易なものになり、
数秒間以内の反応を見るというような困難性が解決でき
ることになる。
これまで見出されたエンハンサーを列記すると、 (1)6−ハイドロキシベンゾチアゾール、 (2)p−ヨードフェノールなどフェノール誘導体もし
くはナフトール誘導体(特開昭59−171839号)、 (3)アンモニアおよび水溶性有機アミン(特開昭62−
124446号)、 (4)芳香族アミン類(特開昭61−54453号)、 (5)環状基を有するアミノ酸、 (6)蛍光性物質。
これらの中で(1)並びに(2)のP−ヨードフェノ
ールが優れたものとして選択された。
しかしながら、さらに優れたエンハンサーを見出すこ
とが、測定方法の感度向上のために必要とされていた。
即ち、感度向上が可能となれば、生体内の微量の活性成
分等が容易に測定できるようになり、したがって、これ
まであまりにも微量すぎて測定できなかった成分が測定
できるので極微量成分の正常値を知ることができること
から、疾病時における濃度増加を早期に検出できるよう
になり、疾病の早期診断が可能となる。さらに、疾病の
出現により、正常時よりもさらに小さくなるような成分
が測定できることから、新たな疾病診断法が提供される
ことになる。また、疾病の予後管理にも極めて有力な手
段を提供するものである。これらの方法は単に疾病の診
断に利用できるだけではなく、微量分析が必要な分野、
たとえば環境分析等にも利用でき、さらに生理活性物質
の検出や生体内動態を知るためにも有用であることは申
すまでもない。
(ハ)課題を解決するための手段 本発明者は上記目的のため鋭意研究の結果、オキサゾ
ール誘導体、チアゾール誘導体、イミダゾール誘導体等
に強力な化学発光増強作用を見出した。即ち、本発明
は、 1.化学発光性物質を酸化剤とペルオキシダーゼとで発光
させる系において、 一般式: 〔式中、R1は酸素原子または硫黄原子を、R2は水素原
子、炭素数1〜10のアルキル基または1個の窒素原子を
含む6員複素環基を、R3は水素原子または1個の窒素原
子を含む6員複素環基を、R4は4−ヒドロキシフェニル
基を示す〕 で表わされる化合物を共存させることを特徴とする化学
発光増強法に関する。
上記一般式(I)において、ハロゲン原子としては、
例えばフッ素,塩素,臭素,ヨウ素等が用いられ、置換
されていてもよい炭化水素残基における炭化水素残基と
しては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10のアルキ
ル基),アルケニル基(好ましくは炭素数2〜10のアル
ケニル基),アリール基(好ましくは炭素数6〜14のア
リール基),アラルキル基(好ましくは炭素数7〜19の
アラルキル)基等が用いられ、複素環基としては、好ま
しくは5〜7員複素環基、たとえば1個の硫黄原子,窒
素原子または酸素原子を含む5〜7員複素環基,2〜4個
の窒素原子を含む5〜6員複素環基,1〜2個の窒素原子
および1個の硫黄原子または酸素原子を含む5〜6員複
素環基が用いられ、これらの複素環基は2個以下の窒素
原子を含む6員環,ベンゼン環または1個の硫黄原子を
含む5員環と縮合していてもよい。
炭素数1〜10のアルキル基としては例えばメチル,エ
チル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,s
ec−ブチル,tert−ブチル,ペンチル,イソペンチル,
ネオペンチル,ヘキシル,ヘプチル,オクチル,ノニル
またはデシル等、炭素数2〜10のアルケニル基としては
例えばアリル,クロチル,2−ペンテニル,3−ヘキセニ
ル,2−シクロペンテニルまたは2−シクロヘキセニルな
ど、アリール基としては、好ましくは炭素数6〜14のア
リール基、例えばフェニル,アンスリルまたはビフェニ
リルなどが用いられ、炭素数6〜19のアラルキル基、さ
らに好ましくは炭素数6〜14のアリール−炭素数1〜4
のアルキル基、例えばベンジルまたはフェネチルなどが
用いられる。
上記の5〜7員複素環基の好ましい例としては、例え
ば2−ピリジル,ピリミジル,ピラジニル,ピリダジニ
ル,ピラゾリル,イミダゾリル,チアゾリル,オキサゾ
リル,ピリド[2,3−d]ピリミジル,ベンゾピラニル,
1,8−ナフチリジニル,キノリル,チエノ[2,3−b]ピ
リジル,テトラゾリル,チアジアゾリル,オキサジアゾ
リル,トリアジニル,トリアゾリル,チエニル,ピロリ
ル,ピロリニル,フリル,ピロリジニル,ベンゾチエニ
ル,インドリル,イミダゾリジニル,ピペリジル,ピペ
リジノ,ピペラジニル,モルホリニル,モルホリノなど
が用いられる。
R2、R3およびR4で示される炭化水素残基は、適当な置
換基たとえばハロゲン(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ
素等),水酸基,炭素数1〜6のアルコキシ基,炭素数
1〜6のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基
(例、ジメチルアミノ,ジエチルアミノ,ジプロピルア
ミノ等),有機カルボン酸,アシル基(例、炭素数1〜
10のアルカノイル基等)で置換されたアミノ基(例アセ
チルアミノ,プロピオニルアミノ,ベンゾイルアミノ
等),炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよ
いカルバモイル基(例、ジメチルカルバモイル,ジエチ
ルカルバモイル,ジプロピルカルバモイル等),モノ−
またはジ−アルコキシホスホリル基,エステル化された
カルボキシル基、例えば、アルコキシカルボニル基、好
ましくは炭素数1〜10のアルコキシ−カルボニル基
(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロ
ポキシカルボニル,ブトキシカルボニル等),アリール
オキシ基,好ましくは炭素数6〜14のアリールオキシ−
カルボニル基(フェノキシアセチル等),アラルキルオ
キシカルボニル基、好ましくは炭素数7〜19のアラルキ
ルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニ
ル等)等で1〜3個置換されていてもよい。
R2,R3及びR4で示される置換されていてもよい炭化水
素残基として例示した置換されていてもよい複素環基に
おける置換基としては、例えばハロゲン(例、フッ素,
塩素,臭素,ヨウ素など)、炭素数1〜6のアルキル、
上記したハロゲンで置換された炭素数1〜6のハロアル
キル、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数1〜
10のアシル、炭素数1〜6のアルキルもしくは炭素数1
〜10のアシルで置換されていてもよいアミノ(例、ジメ
チルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、アセ
チルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノな
ど)、炭素数1〜6のアルキルで置換されていてもよい
カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカ
ルバモイル、ジプロピルカルバモイルなど)、炭素数1
〜6のアルコキシカルボニル(例、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニルな
ど)、上記した複素環などが挙げられる。
一般式(I)で表わされる化合物としては、R1が酸素
原子であるオキサゾール誘導体、イオウ原子であるチア
ゾール誘導体もしくはイミノ基であるイミダゾール誘導
体が挙げられる。
これらのうち、好ましくはR4が4−ヒドロキシフェニ
ル基で、R2およびR3がそれぞれ水素原子、ハロゲン原
子、置換されていてもよい炭化水素残基、好ましくはア
ルキル基、アルケニル基または芳香族基又は複素環基な
どから選ばれた化合物が挙げられる。とりわけR2及びR3
が共に水素原子である化合物、R3が水素原子でR2が低級
アルキル基とくにメチル基もしくはエチル基である化合
物、R3が水素原子でR2がハロゲン原子である化合物、R3
が低級アルキル基とくにメチル基もしくはエチル基であ
り、R2がハロゲン原子である化合物、R3がハロゲン原子
でR2が水素原子である化合物、R3がハロゲン原子でR2
低級アルキル基とくにメチル基もしくはエチル基である
化合物、R3がピリジル基でR2が水素原子である化合物、
R3がピリジル基でR2が低級アルキル基とくにメチル基も
しくはエチル基である化合物、R3が水素原子でR2がピリ
ジル基である化合物、R3が低級アルキル基(炭素数1か
ら4のアルキル基)、とくにメチル基もしくはエチル基
でありR2がピリジル基である化合物、R3が水素原子でR2
がアルコキシカルボニルアルキル基たとえばエトキシカ
ルボニルエチル基である化合物などが挙げられる。
また、好ましくはR1が4−ヒドロキシフェニルで置換
されたイミノ基で、R3が水素原子、R2およびR4がそれぞ
れ水素原子、ハロゲン原子もしくは置換されていてもよ
いアルキル基、アルケニル基、芳香族基、複素環基など
から選ばれた化合物が挙げられるが、とりわけR2および
R4が共に水素原子である化合物、R2が水素原子でR4が低
級アルキル基とくにメチル基もしくはエチル基である化
合物、R2が水素原子でR4がハロゲン原子である化合物、
R2が低級アルキル基とくにメチル基もしくはエチル基で
あり、R4がハロゲン原子である化合物、R2がハロゲン原
子でR4が水素原子である化合物、R2がハロゲン原子でR4
が低級アルキル基とくにメチル基もしくはエチル基であ
る化合物、R2がピリジル基でR4が水素原子である化合
物、R2がピリジル基でR4が低級アルキル基とくにメチル
基もしくはエチル基である化合物、R2が水素原子でR4
ピリジル基である化合物、R2が低級アルキル基とくにメ
チル基もしくはエチル基でありR4がピリジル基である化
合物、R2が水素原子でR4がアルコキシカルボニルアルキ
ル基たとえばエトキシカルボニルエチル基である化合物
などが挙げられる。
また、好ましくはR3とR4とが組合わされて式: で表わされる2価の基で、R2が水素原子、ハロゲン原
子、置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、
芳香族基、複素環基などから選ばれ、とりわけ水素原
子、ハロゲン原子、低級アルキル基とくにメチル基もし
くはエチル基、ピリジル基、アルコキシカルボニルアル
キル基たとえばエトキシカルボニルエチル基などが挙げ
られる。
本発明で用いられるペルオキシダーゼとしては、種々
の起源のものを用いることができるが、その例としては
たとえば西洋わさび,パイナツプル,イチジク,甘藷,
ソラマメおよびトウモロコシなどから得られるペルオキ
シダーゼが挙げられ、特に西洋さびから抽出されたホー
スラデイツシユペルオキシダーゼ(horseradish peroxi
dase)が好ましい。
ペルオキシダーゼは、測定系によっては遊離型(非標
識型)として用いられるが、本発明を用いて免疫化学的
測定を行なう場合、ペルオキシダーゼを抗原、ハプテ
ン、抗体等の免疫化学的活性物質に結合させる必要があ
る。
ペルオキシダーゼを免疫化学的活性物質に結合させる
方法としては、自体公知の方法を用いることができる。
例えば、グルタルアルデヒド架橋法[イムノケミストリ
ー(lmmunochemistry)、第6巻(1969年)、第43頁、
同誌、第8巻(1971年)、第1175頁]、過ヨウ素酸架橋
法[ジャーナル・オブ・ヒストケミストリー・アンド・
サイトケミストリー(J.Histochem.Cytochem.)、第22
巻(1974年)、第1084頁]、とりわけ特開昭58−149700
号公報記載の一般式: [式中、nは0ないし5の整数を、Rは化学結合または
6員環状炭化水素残基をそれぞれ示す。] で表わされる結合剤が有利に用いられる。
化学発光物質としては、ルミノール(luminol)又は
その誘導体、ロフイン(lophin)、ルシゲニン(lucige
nin)など各種知られている。
好ましくはルミノールまたはその誘導体であり、これ
らは“メソッド イン インザイモロジー(Methods in
Encymology)”、第57巻、第409〜423頁(1987年)記
載のルミノール類が用いられる。とりわけルミノール、
イソルミノールさらにN−(4−アミノブチル)−N−
エチルイソルミノールヘミサクシミド、N−(6−アミ
ノヘキシル)−N−エチルイソルミノール、N−エチル
イソルミノール等が用いられる。これらのうち、ルミノ
ールあるいはイソルミノールが好都合に用いられる。
本発明で用いられる酸化剤は、化学発光反応により、
光を生じさせることのできる酸化剤でよく、例えば過酸
化水素、過硼酸塩等の酸化剤が有利に用いることができ
る。さらに、酸化剤が間接的に生成される系でもよく、
例えばグルコースオキシダーゼのような酸素を用いてグ
ルコースから過酸化水素を生成させるようなシステムが
利用できる。
本発明において、次のような測定システムが用いられ
る。
1.ペルオキシダーゼもしくはペルオキシダーゼで標識し
た免疫化学的活性物質 2.酸化剤(過酸化水素もしくはその類似体) 3.ルミノールもしくはその誘導体 4.化合物(I)(エンハンサー) 多くの場合、ペルオキシダーゼはハプテン、抗原、抗
体等と化学的に結合して用いられる場合が多い。2,3お
よび4の試薬はそれぞれ一定量が用いられ、化学発光量
が微量領域のペルオキシダーゼの変化量に応じて敏感に
変化する条件が選ばれる。化学発光反応は、エンハンサ
ーの採用により、発光反応の遅延が生じ、また、発光量
においても極めて増大が認められる。これらの現象によ
り、従来の技術に増して、微量の物質が測定できるよう
になった。
エンハンサーとして化合物(I)を用いる本発明の化
学発光反応において、通常、下記の条件で実施されるこ
とが望ましい。
反応温度としては0〜60℃の範囲の温度、特に、5〜
30℃が望ましい。用いる緩衝液のpHとしては、中性附近
からアルカリ性の領域たとえばpH7〜10、望ましくはpH8
〜9で実施することができる。用いる緩衝液としては、
各種緩衝液を用いることができるが、硼酸緩衝液リン酸
緩衝液、炭酸緩衝液、トリス緩衝液等が有利に用いるこ
とができる。
試薬濃度としては、用いるエンハンサーの種類によっ
て異なるが、一般的に下記の濃度が好ましい。
(1)ペルオキシダーゼ 0〜1000μg/l (2)酸化剤(過酸化水素) 1μM〜30mM (3)エンハンサー 0.1μM〜10mM (4)発光性物質(ルミノール) 1μM〜10mM とりわけ、(1)としては、0〜1μg/、(2)と
しては20μM〜2mM、(3)としては4μM〜1mM、
(4)としては10μM〜2mMが望ましい。
(1)〜(4)を共存させて、化学発光反応を行わせ
るわけであるが、通常(1)〜(4)の1つを欠いた系
に、最後の1つの溶液を入れ、化学発光反応を起こさせ
る。反応溶液から生じた光を、市販もしくは、自作の測
定装置(例えば、高感度な光電子増倍管を備えたフォト
カウンターなど)で測定することができる。即ち、最後
の液を加えてから、数秒ないし数十分後の数秒ないし数
分間における発光量を測定することで定量に供すること
ができる。
即ち、計測された発光量と、例えばペルオキシダーゼ
量との間に、良好な相関性が認められることになり、こ
の関係から分析が可能となる。通常、ペルオキシダーゼ
は免疫化学的活性物質と共有結合されている場合が多
い。
分析に用いる試料としては、血清、血漿、尿、髄液等
の生体液や、組織からの抽出液等が挙げられる。
また、化学発光量の計測の方法としては、自体公知の
例えば光電増倍管を装着した市販もしくは自作のルミノ
メータで測定することができる。これらの装置を利用す
る場合、上述の試薬を混合後数秒から数百秒間の待機時
間の後、数秒から数十秒間に発生する発光量が計測され
る。
一般式(I)で表わされる化合物は公知または自体公
知の好適な方法によって製造することができる。チアゾ
ール、オキサゾールおよびイミダゾール製造のための方
法は、この技術分野においてよく知られており、そして
例えば丸善株式会社によって発行された“新実験化学講
座”第14巻、有機化合物の合成と反応[IV](1978年)
による標準方法を参考とすることができる。以下に一般
式(I)で表わされる化合物の製造法を詳述する。
A法 [上記式中、R6およびR8はそれぞれ水素原子、置換され
ていてもよい炭化水素残基または複素環基を、R7は4位
に保護されたヒドロキシル基を有するフェニル基を、ま
たはR7とR6とが相合わさって式: (式中、R9は低級アルコキシまたはアラルキルオキシを
示す)で表わされる基を示す。またはR6と4−ヒドロキ
シフェニルとが相合わさって式: で表わされる基を示す。Xは酸素原子またはイオウ原子
を、Yは脱離基を示す。] R6およびR8で示される置換されていてもよい炭化水素
残基または複素環基としてはR2およびR3で例示さたもの
と同様のものがあげられる。R7で示される4位に保護さ
れたヒドロキシル基を有するフェニル基としては4−メ
トキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−イソプロ
ポキシフェニル等の4−低級アルコキシフェニルに加え
て4−ベンジルオキシフェニル、4−(4−クロロベン
ジルオキシ)フェニル等の4−アラルキルオキシフェニ
ルがあげられる。R9で示される低級アルコキシとしては
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブ
トキシ等が、アラルキルオキシとしてはベンジルオキ
シ、フェネチルオキシ、4−クロロベンジルオキシ等が
あげられる。Yで示される脱離基としてはハロゲン
(例、塩素、臭素、ヨウ素等)、メタンスルホニルオキ
シ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニ
ルオキシ基等があげられる。
(工程1) 本法では、まず化合物(II)と一般式(III)で表わ
されるチオアミドまたはアミド誘導体を反応させチアゾ
ールまたはオキサゾール誘導体(IV)を製造する。本反
応(工程1)は適宜の溶媒中(例、トルエン、キシレ
ン、ピリジン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラ
クロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、エタノールなど)あるいは溶媒なしで50
〜200℃に加熱することにより行われる。(III)の使用
量は(II)1モルに対して1〜10モル、好ましくは1.5
〜4モルである。反応時間は0.5〜30時間、このましく
は1〜5時間である。
(工程2) 工程1で得られた化合物(IV)の保護基を除去するこ
とにより化合物(I−1)を製造する。本脱保護基反応
は臭化水素酸、塩酸、硫酸などの無機酸、塩化アルミニ
ウム等のルイス酸、またはピリジン塩酸塩等を用いる方
法に加えて、R7がベンジルオキシ誘導体の場合には接触
水素添加による除去によっても有利に行われる。無機酸
類を用いる場合、溶媒としてはアルコール類(例、エタ
ノール、プロパノール、エチレングリコール、2−メト
キシエタノール等)、水あるいはこれらの混合溶媒が用
いられる。無機酸の使用量は化合物(IV)に対して通常
大過剰(5〜100当量)、好ましくは10〜50当量、反応
温度は50〜150℃で0.5〜20時間で行われる。ルイス酸類
を用いる脱保護基反応はルイス酸に対して不活性な適宜
の溶媒(例、クロロホルム、ジクロロメタン、ベンゼ
ン、二硫化炭素等)中、−10〜+100℃で行われ、ルイ
ス酸の使用量は(IV)1モルに対して1〜5モル、好ま
しくは1〜3モルである。反応時間は0.5〜10時間であ
る。ピリジン塩酸塩を用いる場合、化合物(IV)とピリ
ジン塩酸塩を50〜200℃に加熱することにより行われ、
ピリジン塩酸塩の使用量は(IV)1モルに対して1〜5
モル、好ましくは1〜3モルである。反応時間は0.5〜1
0時間である。
B法 [上記式中、R6、R7およびR8はそれぞれ前記と同意義を
有する。] (工程1) 本法ではまず化合物(V)をアシル化して化合物(VI
I)を製造する。本アシル化反応はそれ自体公知の方法
で行なうことができ、例えば適宜の溶媒(例、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、テトラヒドロフラ
ン、水あるいはこれら混合物など)中、塩基(例、トリ
エチルアミン、N−メチルモルホリン、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ムなど)の存在下に−10〜+50℃で、0.1〜5時間かけ
て行われ、(VI)の使用量は(V)1モルに対して1〜
1.2モルである。
(工程2) 次いで化合物(VII)を窒素含有環化剤、例えば、尿
素またはアンモニアと反応させオキサゾール誘導体(VI
II)を製造する。アンモニアを使用する場合には、アン
モニウム塩、例えば酢酸中アセテートの形のものである
ことが好ましい。本反応は、例えば化合物(VII)を酢
酸中、1〜5当量の酢酸アンモニウムと共に0.5〜10時
間、50〜110℃に加熱することにより行われる。
(工程3) 化合物(VIII)は脱保護基反応の付すことにより(1
−2)が製造される。本脱保護基反応はA法、工程2と
全く同様にして行なうことができる。
C法 [上記式中、R6およびR7はそれぞれ前記と同意義を有す
る。] (工程1) 本法ではまず化合物(V)をクロロ炭酸フェニルでア
シル化して化合物(IX)を製造する。本アシル化反応は
それ自体公知の方法で行なうことができ、例えば適宜の
溶媒(例、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチ
ル、テトラヒドロフラン、水あるいはこれら混合物な
ど)中、塩基(例、トリエチルアミン、N−メチルモル
ホリン、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウムなど)の存在下に−10〜+50
℃で、0.1〜5時間かけて行なわれ、クロロ炭酸フェニ
ルの使用量は(V)1モルに対して1〜1.2モルであ
る。
(工程2) 次いで化合物(IX)を窒素含有環化剤、例えば、尿素
またはアンモニアと反応させオキサゾロン誘導体(X)
を製造する。アンモニアを使用する場合には、アンモニ
ウム塩、例えば酢酸中アセテートの形のものであること
が好ましい。本反応は、例えば化合物(IX)を酢酸中、
1〜5当量の酢酸アンモニウムとともに0.5〜10時間、5
0〜110℃に加熱することにより行われる。
(工程3) ついで化合物(X)をオキシ塩化リン−N,N−ジメチ
ルホルムアミド(Vilsmeyer試薬)、五酸化リン等を用
いる公知反応により2−クロロオキサゾール誘導体(X
I)を製造する。
(工程4) 化合物(XI)は脱保護基反応に付すことにより(I−
3)が製造される。本脱保護基反応はA法、工程2と全
く同様にして行なうことができる。
D法 [式中、R2、R4およびXは前記と同意義を有し、Zはハ
ロゲン原子を示す。] 本法では一般式(I)で表わされる化合物のうち、R3
が水素である化合物(1−4)をハロゲン化して、R3
ハロゲン原子(例、塩素、臭素、ヨウ素)である化合物
(I−5)を製造する。本ハロゲン化反応はそれ自体公
知の方法で行なうことができ、例えば当ハロゲン化反応
条件下で不活性な適宜の溶媒(例、クロロホルム、ジク
ロロメタン、四塩化炭素、テトラヒドロフランあるいは
これら混合物など)中、塩素、臭素あるいはヨウ素の存
在下に0〜100℃で、0.1〜5時間かけて行なわれ、塩
素、臭素あるいはヨウ素の使用量は(V)1モルに対し
て1〜5モル、好ましくは1.2〜3モルである。
一般式(I)で表わされる化合物のうちR1が4−ヒド
ロキシフェニルで置換されたイミノ基である場合、これ
らの化合物はジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル
・ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.),第71巻、第383頁
(1949年)に記載された方法に従って合成することがで
きる。
(ト)発明の効果 化合物(I)を単独もしくは混合して用いることによ
り、化学発行性物質を、酸化剤とペルオキシダーゼとで
発光させる系において、発光反応を遅延させるととも
に、発光量を極めて増大させることができる。
以下に参考例、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に
説明するが、これらが本発明の範囲を制限するものでな
いことはいうまでもない。
(参考例) 参考例1 4−(4−ヒドロキシフェニル)チアゾー
ルの合成 (1)4′−ベンジルオキシアセトフェノン 4′−ヒドロキシアセトフェノン40gと炭酸カリウム6
0.9gをジメチルホルムアミド250ml中で撹拌し、これに
ベンジルブロマイド36.7mlを滴下し、室温で1時間反応
させ、さらに50〜60℃に加温して1時間反応させた、反
応液を氷水中に注ぎ析出した結晶を濾取した。メタノー
ルから再結晶し、55.4g(83.3%)の4′−ベンジルオ
キシアセトフェノンを得た。m.p.93−94℃ NMR(CDCl3)δ:2.5(3H,s),5.1(2H,s),6.97(2H,
d,J=9Hz),7.36(5H,m),7.17(2H,d,J=9Hz). (2)4′−ベンジルオキシ−2−ブロモアセトフェノ
ン 4′−ベンジルオキシアセトフェノン55.0gをクロロ
ホルム500ml中で撹拌し、臭素13.0mlを室温で30分間で
滴下後、更に10分間反応させた。反応液を硫酸ナトリウ
ム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、濃縮し結晶を得た。アセトン−イソプロピ
ルエーテルから再結晶し25.7g(34.6%)の4′−ベン
ジルオキシ−2−ブロモアセトフェノンを得た。m.p.81
−82℃. NMR(CDCl3)δ:4.4(2H,s),5.1(2H,s),7.0(2H,
d,J=9Hz),7.4(5H,m),7.95(2H,d,J=9Hz). (3)チオホルムアミド 氷冷下、撹拌したホルムアミド10gに五硫化燐5gを少
量ずつ20分間で加え、室温で1時間反応させた。この後
ジエチルエーテル75mlを加えて20時間撹拌した。エーテ
ル層を濃縮しオイル状生成物5.2g(38.2%)を得た。シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エ
チル−ヘキサン(1:1))で精製し1.65gのチオホルムア
ミドを得た。
(4)4−(4−ベンジルオキシフェニル)チアゾール 4′−ベンジルオキシ−2−ブロモアセトフェノン3.
0gとチオホルムアミド0.63gをエタノール50ml中で30分
間還流した。反応液を氷水中に注ぎ析出した結晶を濾取
した。ジエチルエーテルで抽出後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン−ヘキサン
(1:9))で精製し720mg(27.7%)の4−(4−ベンジ
ルオキシフェニル)チアゾールを得た。ジエチルエーテ
ル−ヘキサンから再結晶した。m.p.109−110℃. NMR(CDCl3)δ:5.1(2H,s),7.0(2H,d,J=9Hz),7.
4(1H,d,J=2Hz),7.4(5H,m),7.85(2H,d,J=9Hz),
8.8(1H,d,J=2Hz). IR(KBr)ν:1610cm-1 元素分析:C16H13NOSとして 理論値:C,71.88;H,4.90;N,5.24 実測値:C,71.95;H,4.85;N,5.07 (5)4−(4−ヒドロキシフェニル)チアゾール 4−(4−ベンジルオキシフェニル)チアゾール1.1g
に47%臭化水素水10mlを加え、100℃、30分間反応させ
た。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸
エチル層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥、濃縮した。結晶をヘキサンを用いて濾取し、466m
g(63.8%)の4−(4−ベンジルオキシフェニル)チ
アゾールを得た。塩化メチレン−ヘキサンから再結晶し
た。m.p.161.5−162℃ NMR(CDCl3)δ:5.4(1H,s),6.85(2H,d,J=9Hz),
7.35(1H,d,J=2Hz),7.8(2H,d,J=9Hz),8.8(1H,d,J
=2Hz). IR(KBr)ν:1610,3100cm-1 元素分析:C9H7NOSとして 理論値:C,60.99;H,3.98;N,7.90 実測値:C,61.00;H,3.85;N.78 参考例2 4−(4−ハイドロキシフェニル)オキサゾ
ールの合成 (1)4−(4−ベンジルオキシフェニル)オキサゾー
ル 4′−ベンジルオキシ−2−ブロモアセトフェノン3.
0gにホルムアミド1.0mlを加え、乾熱で130−135℃、1
時間反応させた。反応物に水を加え、炭酸水素ナトリウ
ム溶液でアルカリ性とし酢酸エチルで抽出した。酢酸エ
チル層を飽和食塩水で洗浄後、活性炭で処理し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン(1:9))で精製し、410mg(16.6%)の4−(4−ベ
ンジルオキシフェニル)オキサゾールを得た。ジエチル
エーテル−ヘキサンから再結晶した。mp101−102℃. NMR(CDCl3)δ:5.1(2H,s),7.0(2H,d,J=9Hz),7.
4(5H,m),7.7(2H,d,J=9Hz),7.8(1H,s),7.9(1H,
s). (2)4−(4−ヒドロキシフェニル)オキサゾール 4−(4−ベンジルオキシフェニル)オキサゾール36
0mgをメタノール10mlに溶かし、5%パラジウム炭素(5
0%含水)300mgを加え、80分間接触還元した。反応液を
濾過により触媒を除き、濃縮した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−ヘキ
サン(1:2))で精製し、105mg(45.5%)の4−(4−
ヒドロキシフェニル)オキサゾールを得た。ジエチルエ
ーテル−ヘキサンから再結晶した。mp147.5−148℃. NMR(CDCl3)δ:5.7(1H,s),6.9(2H,d,J=9Hz),7.
7(1H,d,J=9Hz),7.9(1H,s),8.0(1H,s). IR(KBr)ν:3350,3130cm-1. 元素分析:C9H7NO2として 理論値:C,67.08;H,4.38;N,8.69 実測値:C,67.06;H,4.42;N,8.57 (実施例) 実施例1 試薬 ルミノールナトリウムは水酸化ナトリウムから再結晶
して用いた。西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)はSig
ma Chemical社製Type VIを用いた。
分析装置 化学発光反応は12mm×75mmのガラス製使い捨てカルチ
ャーチューブ(Corning社製)中で行なった。発光はル
ミノメータ(アロカ社製,BLR−201)を用いて測定し
た。
1.エンハンサーのスクリーニング ルミノール溶液は、ルミノールナトリウム(12.5mg)
及び過酸化水素水(15μ,31%)をほう酸緩衝液(0.2
モル濃度、pH8.5)50mlに加えて調製した。HRP溶液は、
HRPをほう酸緩衝液(0.2モル濃度、pH8.5)で希釈して
調製した。いずれの溶液も使用の約2時間前に調製し、
氷冷した。
ルミノール溶液990μに使用直前に、増感剤となる
サンプルのジメチルスルホキシド溶液10μを加え混合
した。このルミノール/過酸化水素/増感剤の混合液10
0μとHRP溶液(1ng/ml)100μをカルチャーチュー
ブ中で混合し、5分後の信号/バックグラウンドの比の
改善を測定した。結果を第1表に示す。
2.用量作用曲線の測定 ルミノール溶液はルミノールナトリウム(5mg)及び
過酸化水素水(12μl,31%)をほう酸緩衝液(0.2モル
濃度、pH8.5)50mlに加え、調製した。HRP溶液は、HRP
をほう酸緩衝液(0.2モル濃度、pH8.5)で希釈して調製
した。いずれの溶液も使用の約2時間前に調製し、氷冷
した。
ルミノール溶液990μに使用直前に、増感剤となる
サンプルのジメチルスルホキシド溶液10μを加え混合
した(p−ヨードフェノール40mM,4−(4−ハイドロキ
シフェニル)オキサゾール4mM,4−(4−ハイドロキシ
フェニル)チアゾール4mM,2−エチル−4−(4−ハイ
ドロキシフェニル)−5−(3−ピリジル)チアゾール
40mMを用いた)。このルミノール/過酸化水素/増感剤
の混合液100μとHRP10倍段階希釈溶液(0〜10ng/m
l)100μをカルチャーチューブ中で混合し、5分後の
信号を測定した。結果を第2表に示す。
増感剤サンプル (1):p−ヨードフェノール (2):4−(4−ハイドロキシフェニル)オキサゾール (3):4−(4−ハイドロキシフェニル)チアゾール (4):2−エチル−4−(4−ハイドロキシフェニル)
−5−(3−ピリジル)チアゾール 第1図にHRP濃度と信号との関係を示した。第1図よ
り各々の化合物を用いた場合のHRPの検出限界を求めた
ところ、以下のようになった。
(1)p−ヨードフェノール 50pg/ml (2)4−(4−ハイドロキシフェニル)オキサゾール
10pg/ml (3)4−(4−ハイドロキシフェニル)チアゾール5p
g/ml (4)2−エチル−4−(4−ハイドロキシフェニル)
−5−(3−ピリジル)チアゾール 10pg/ml 実施例2 hCGの測定 1.抗hCG−β−CTPの精製 (1)P1ペプタイド[hCG−βC端ペプチド(123−14
5)]により免疫したウサギ抗血清5mlに飽和硫安溶液3.
3mlを加え30分間、室温で撹拌した。10,000回転で10分
間遠心後、沈殿を生理食塩水5mlに溶かした。
(2)飽和硫安溶液2.7mlを加え30分間、室温で撹拌し
た。10,000回転で10分間遠心後、沈殿を生理食塩水5ml
に溶かした。
(3)0.02Mほう酸緩衝液(pH8.0)で一夜透析した後、
10,000回転で10分間4℃で遠心し沈殿を除いた。
(4)P1ペプタイド固相化sepharose 4Bアフィニティカ
ラムに付した。透析物をカラムにのせた後、0.02Mほう
酸緩衝液(pH8.0)、続いて0.17Mグリシン緩衝液(pH3.
0)で洗浄した後、3Mチオシアンナトリウム緩衝液(pH
7.4)により溶出した。
(5)溶出画分を集め、生理食塩水(含0.01%ナトリウ
ムアジド)で一夜透析し、抗hCG−β−CTP溶液とした。
280nmの吸収を測定し、蛋白濃度219.2μg/ml、全量1.64
mgと決定した。
2.抗hCG−β−CTP固相化ポリスチレンビーズの作製 (1)ポリスチレンビース(径4.4mm)を2N水酸化ナト
リウム中で2時間撹拌後、蒸留水で洗浄した後乾燥し
た。ついで2N塩酸中で2時間撹拌後、蒸留水で洗浄した
後乾燥した。
(2)抗hCG−β−CTPを0.1M炭酸緩衝液(pH9.5)に溶
解し、ポリスチレンビーズを加え、3日間、4℃で放置
した(抗hCG−β−CTP−1μg/ポリスチレンビーズ1
個)。
(3)生理食塩水で洗浄後、1%BSA溶液を加え、1
日、4℃で放置した。
(4)生理食塩水で洗浄後、0.1%BSA溶液を加え、4℃
で保存した。
3.測定 (1)種々の量のhCGを含有する試料100μを0.02Mリ
ン酸緩衝液(含10%仔牛血清)100μと混合し、抗hCG
−β−CTP固相化ポリスチレンビーズを加え、室温で一
夜放置した。
(2)蒸留水で洗浄後、抗hCG/HRP複合体希釈液200μ
を加え、室温で2時間放置した。
(3)蒸留水で洗浄後、ビーズを発光測定用の試験管に
移し、100μMルミノール、300μM過酸化水素、増感剤
40μM 4−(4−ハイドロキシフェニル)チアゾールを
含む溶液を加え、発光を開始させた。1分後の発光量を
測定した。hCGの検出限界は0.005mIU/mlであった。
実施例3 エンドセリンの測定 操作方法 96ウエルのマイクロタイタープレート(DYNA−TECH m
icroFLUOR ,Dynatech Laboratories社,米国)の各ウ
エルに、鈴木ら[ジャーナル オブ イムノロジカル
メソッド(Journal of Immunological Methods),第11
8巻(1989年),245頁]の方法によりモノクロナール抗
エンドセリン抗体(AwETN40)を加えて、抗体結合マイ
クロプレートを作製した。次に,10% Block Ace (雪
印乳業製),04M NaCl,1mM EDTAを含む0.02Mリン酸緩衝
液(pH7)に溶解したエンドセリンの0,0.2,0.5および1p
g/mlの溶液100μをそれぞれのウエルに加えて、6℃
で16時間インキュベートした。0.8% NaClを含む0.05M
リン酸緩衝液で洗浄後、上記の鈴木らの文献記載のポリ
クローナル抗エンドセリン抗体−HRP複合体溶液100μ
を各ウエルに加えて同様に6℃で24時間インキュベート
した。リン酸緩衝液で洗浄後、プレートに結合したHRP
活性を本発明の化学発光増強法により測定した。
即ち、2mMルミノール,500μM過酸化水素,増感剤20
μM 4−(4−ハイドロキシフェニル)チアゾール、0.2
5%エタノール、0.02mM EDTAを含む、0.1Mトリス緩衝液
(pH8.7)100μを加えて発光を開始させ、マイクロプ
レート用化学発光自動測定装装置Model ML1000(Dynate
ch Laboratories社,米国)で測定した(0.25秒計
測)。
結果を第2図に示したように、ウエルあたり0.03pgの
エンドセリンが測定可能であり、極めて高感度であっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は発光量とHRP濃度の関係を示す図である。 第2図はエンドセリン濃度と発光量の関係を示す図であ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/00 - 1/52 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG) BIOSIS(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学発光性物質を酸化剤とペルオキシダー
    ゼとで発光させる系において、 一般式: 〔式中、R1は酸素原子または硫黄原子を、R2は水素原
    子、炭素数1〜10のアルキル基または1個の窒素原子を
    含む6員複素環基を、R3は水素原子または1個の窒素原
    子を含む6員複素環基を、R4は4−ヒドロキシフェニル
    基を示す〕 で表わされる化合物を共存させることを特徴とする化学
    発光増強法。
  2. 【請求項2】化学発光物質がルミノールである請求項1
    記載の増強法。
  3. 【請求項3】ペルオキシダーゼが免疫化学的活性物質と
    の化学的結合体である請求項1記載の増強法。
  4. 【請求項4】化合物が4−(4−ヒドロキシフェニル)
    チアゾールである請求項1記載の増強法。
  5. 【請求項5】化合物が4−(4−ヒドロキシフェニル)
    −2−メチルチアゾールである請求項1記載の増強法。
  6. 【請求項6】化合物が4−(4−ヒドロキシフェニル)
    −2−(3−ピリジル)チアゾールである請求項1記載
    の増強法。
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