JP3029747U - 墓構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 心からなる祖先の供養を墓域外観の形状によ
る視覚暗示により強めて祖先を生じた更なる祖先の大奥
の大自然の至極の妙にまで参拝者の心を致らしめ精神的
に大安心と平安の気持ちを生じせしめるような雰囲気環
境を構成する。 【解決手段】 前面石材２，側面石材３，背面石材４及
び天面石材５で区画された壇部上に、墓石６を配置す
る。前面石材２を、側面石材３の前端から後退させた位
置に設けることにより、墓地区画１の前面側と壇部の天
面との間に段差を形成すると共に、別の側面石材９及び
背面石材４を前記壇部の天面の上方へ各々延出する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、塋域を尊厳化する墓構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように、墓地等は所定の敷地面積を有する墓地区画毎に整理されており 、該墓地区画に遺骨を埋葬するに際しては、前記墓地区画の地中に遺骨を安置す る納骨穴を掘り下げ、該納骨穴上に墓石を載置するような墓構造が一般的である 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記例示の墓構造は、遺骨埋葬の単なる位置表示物であって、 中には五輪塔や宝篋印塔、多宝塔といった宗教的深意を含んだものがあるが、一 般には大きさの違う数個の石を積み重ねたものである。これでは参拝者に墓全体 の尊厳性も崇高性も与えられるものでなく、ましてや、墓本来の持つ祖先を尊び 悼む念も抽象的、観念的で終わってしまう。

【０００４】 この考案の目的は、心からなる祖先の供養を墓域外観の形状による視覚暗示に より強めて祖先を生じた更なる祖先の大奥の大自然の至極の妙にまで参拝者の心 を致らしめ、精神的に大安心と平安の気持ちを生じせしめる。そのような雰囲気 環境を構成する墓構造を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

請求項１記載の墓構造は、墓地区画内に、前面石材，側面石材，背面石材及び 天面石材で区画される壇部を形成し、該壇部上に墓石を配置する墓構造であって 、前記前面石材を、前記側面石材の前端より後退した位置に設けると共に、前記 側面石材及び背面石材を、それぞれ前記天面石材の上方へ延出したことを特徴と するものである。

【０００６】 請求項２記載の墓構造は、前記天面石材の上方へ延出した背面石材が、礼拝時 の参拝者の水平視線を遮る高さに達するものである。

【０００７】 請求項３記載の墓構造は、前記背面石材の輪郭は山形又は山の天頂が尖った火 炎形とし、前記側面石材の輪郭は雲形を表すものである。ここで、火炎形とは、 空気中で自然に燃え上がる典型的な炎を模写した形状を意味し、雲形とは、雲の たなびいた様を模写した形状を意味する。

【０００８】

【考案の実施の形態】

この考案の実施の形態に係る墓構造は、図１(a),(b) 及び図２に示すように、 墓地区画１内に、前面石材２，側面石材３，背面石材４及び天面石材５で区画す ることによって壇部を形成し、該壇部上に墓石６を配置したものであり、前記前 面石材２を、前記側面石材３の前端から後退させた位置に設けることにより、前 記墓地区画１の前面側と前記壇部の天面との間に段差を形成すると共に、別の側 面石材７及び背面石材４を前記壇部の天面の上方へ各々延出したものである。

【０００９】 前記前面石材２は、図３によく表れているように、その両端２ａを前記側面石 材３の内側に当接して前記墓地区画１の前後方向の中央付近に配置されている。 前記側面石材３は、前記前面石材２と高さ寸法が同じ長方形の石材である。前記 別の側面石材７は、図１(b) に示すような上面７ａの輪郭が前方へ下降傾斜する 曲線ｃと円弧ｒとを組み合わせてなる雲形石材であり、前記側面石材３の上面に 載置されている。

【００１０】 前記背面石材４は、山形又は上端を山の天頂ｐとし両側を前記山の天頂ｐに向 かって収束する一連の曲線ｓとした所謂火炎形の輪郭を有する板状の石材であり 、前記別の側面石材７よりも高く前記壇部の天面の上方へ延出している。このよ うな背面石材４の形状は、特に限定されるものではく、参拝者がお参りの姿勢で 墓石６に対面した状態で、参拝者から墓石６の背後の光景を遮ることのできる大 きさであることが好ましい。

【００１１】 尚、図１(a) 及び図３に示すように、前記側面石材３の前端に各々隣接して一 対の門柱８を設置することによって墓全体の構成を強めてもよい。また、図４に 示すように雲形の側面石材３′を墓地前面まで形成するようにしてもよい。更に また、前記背面石材４は、仏像や阿弥陀如来等の信仰対象の尊像や尊厳性を暗示 する形態物をシルエットにしたものやその前表面に宗教的尊厳性を暗示する彫刻 等の凹凸図柄を形成するようにしてもよい。

【００１２】

【考案の効果】

請求項１記載の墓構造によると、前面石材が、側面石材の前端より後退した位 置に設けられているので、壇部が墓地区画の奥方へ入り込むことになり、墓地区 画の前面側に段差が形成される。この段差が、墓地区画の前面側から墓石を拝観 する参拝者の視野に入るため墓地に奥行ができ、参拝者に墓全体の尊厳性を強調 できる。しかも、側面石材及び背面石材をそれぞれ壇部の上方へ延出しているの で、墓石の三方の空間が包囲され、あたかも神殿の境内であるかのような印象を 参拝者に与え、更には格調高い雰囲気をもたらすことができる。また、墓地区画 内に壇部を形成したことにより、墓石の高さ寸法を増加することなく、墓全体が 高なり風格ある作品になるという利点がある。

【００１３】 請求項２記載の墓構造によると、背面石材により墓石とその背後の外部雑景を 視覚的に切り離し、参拝者が謹んで祖先と対話できるような雰囲気を奏すること ができる。また、墓地においては当該墓構造を設置する墓地区画の背後に別の墓 地区画が接近して設けられることが多いが、このような場合でも、背面石材が目 隠しとなり別の墓地区画に訪れた参拝者の視線を遮ることができる。或いは、墓 地区画の背後が雑然とした光景であっても、墓石の周辺の風情を壊されることが ない。

【００１４】 請求項３記載の墓構造によると、背面石材の輪郭を火炎形としているので、火 炎の視覚による集束性が暗示となり祖先崇拝時の精神統一の助けとなる。また、 背景が際立ち墓石の存在感を参拝者に強く印象付けることができる。しかも、側 面石材の輪郭を雲形としているので、墓全体を拝見した際の風貌があたかも雲上 の構築物となって墓地が神格化され崇高なものとなり、墓地一般の持つ暗いイメ ージが払拭される。

【図面の簡単な説明】

【図１】(a) はこの考案の実施の形態に係る墓構造の斜
視図、(b) はその要部の側面図。

【図２】この考案の実施の形態に係る墓構造の断面図。

【図３】この考案の実施の形態に係る墓構造の平面図。

【図４】この考案の実施の形態に係る墓構造の変形例の
斜視図。

【符号の説明】

１ 墓地区画 ２ 前面石材 ３ 側面石材 ４ 背面石材 ５ 天面石材 ６ 墓石 ７ 別の側面石材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 墓地区画内に、前面石材，側面石材，背
   面石材及び天面石材で区画される壇部を形成し、該壇部
   上に墓石を配置する墓構造であって、前記前面石材を、
   前記側面石材の前端より後退した位置に設けると共に、
   前記側面石材及び背面石材を、それぞれ前記天面石材の
   上方へ延出したことを特徴とする墓構造。
2. 【請求項２】 前記天面石材の上方へ延出した背面石材
   が、礼拝時の参拝者の水平視線を遮る高さに達する請求
   項１記載の墓構造。
3. 【請求項３】 前記背面石材の輪郭は山形又は山の天頂
   が尖った火炎形とし、前記側面石材の輪郭は雲形を表す
   請求項１又は２記載の墓構造。