JP3029649B2 - ディジタル信号の処理方法 - Google Patents
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Description
[産業上の利用分野] 本発明は、ディジタル信号の処理方法に関し、特にハ
イビジョンの帯域圧縮伝送方式であるMUSE方式(後述の
文献1参照)の伝送信号(以下MUSE信号と略す)に多重
されている音声/独立データをディジタル記録または伝
送する方法に関するものである。 [発明の概要] 本発明は、例えばハイビジョンの帯域圧縮伝送方式で
あるMUSE方式の伝送信号に多重される音声/独立データ
の信号(多重信号と略す)をディジタル的に記録または
伝送するにあたり、多重信号の標本値の分布が固有の偏
りを持つことを利用して、例えば多重信号の標本値4個
単位の標本パターンを複数個用意し、その多重信号の標
本値4個単位に最も近いパターンを抽出し、そのパター
ンの番号を記録または伝送する。再生または受信側では
その標準パターンにより元の多重信号を復元する。ここ
で用いる符号器または複合器は、原理的には例えば各々
ROM(Read Only Memory)1個づつで実現でき、例えばM
USE信号のディジタル的記録または伝送装置の小型化・
低コスト化に役立つ。 なお、以下の説明で引用する文献は、次の通りであ
る。 <文献1> 二宮,大塚,和泉,合志,岩館:“MUSE方
式の開発",Vol.39,No2,pp.76−111,NHK技術研究,(198
7) <文献2> Linde,Y.,Buzo.A.,and Gray,R.:“An Algo
rithm for Vector Quantizer Design",IEEE Transactio
n on Communications,Vol.COM−28,pp.84−95,(Januar
y 1980) <文献3> Max,J.:“Quantizing for Minimum Distor
tion",IRE Transaction on Information Theory,Vol.IT
−6,pp.7−12,(March 1960) [従来の技術] 音声/独立データのMUSE信号への多重方式の概略を述
べると、次の通りである。 MUSE信号に多重される際に音声/独立データは、1.35
Mb/sの1ビットストリームであって、これは、連続する
3ビット単位に、1シンボル当り3値を取るシンボル2
個に変換され、さらにクロックfa(12.15MHz)のバース
ト状の3値信号に時間軸圧縮される。一方、MUSE信号は
クロックfm(16.2MHz=4/3・fa)であるから、このまま
では3値信号をディジタル的に多重することができな
い。そこで3値信号を、faからfmへのディジタル的標本
化周波数変換によって、クロックfmの8ビットストリー
ムに変換して、MUSE信号の垂直ブランキング期間に時間
軸多重する。 さて、MUSE信号を記録または伝送するシステムでは、
再生または受信側で、多重信号を含むMUSE信号全体を元
のままの形で取り出せることが望まれる。このための最
も容易な方法は、上述の多重信号をクロックfmの8ビッ
トストリームのままで記録または伝送することがある
が、このようにすると、記録または伝送路容量を著しく
浪費する。そこで、多重信号を元の1.35Mb/sの1ビット
ストリームもしくはこれに近い形式にまで復元すること
で、記録または伝送路容量の節約を行うのが、一般に行
われる方式である。 [発明が解決しようとする課題] ところが、上述の方式では、記録または送信側におい
て、復元のために多重の逆手順すなわち、fmからfaへの
ディジタル的標本化周波数変換,時間軸伸張による3値
連続信号への変換,3値シンボルの検出,3値シンボル2個
単位に3ビットへの変換等を行う必要があるのみなら
ず、再生または受信側においては、上述の多重手順によ
り1ビットストリームから多重信号を再構成する必要が
ある。さらに、fmとfaの間のディジタル的標本化周波数
変換は10数タップ前後のFIR型ディジタルフィルターを
必要とするなど、上述の従来方式では回路規模の増大と
複雑化が避けられない。 以上述べてきたように、従来方式では回路規模の増大
と複雑化という問題は、多重信号から元の形態の情報を
復元して記録または伝送し、再生または受信側で再び多
重信号を再構成するという原理に由来する。 そもそもの目的は、記録または伝送路容量の節約にあ
り、多重信号を含むMUSE信号波形を再生または受信側で
再構成すればよい、との観点から、本発明は、多重信号
から元の形態の情報を復元することなく、例えばクロッ
クfmで8ビット表現された多重信号そのものを、元の形
態の情報量と同程度にまで圧縮するようなディジタル信
号の処理方法を提供することを目的とする。 本発明を実行する回路は、原理的には、記録または送
信側と再生または受信側で各々ROM1個づつで構成でき
る。この結果、本発明を採用することによって、例えば
MUSE信号の記録または伝送システムの著しい小型軽量化
・低コスト化を実現することができる。 [課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため本発明は1シンボル当りQ
(Q:自然数)通りのレベルを取る毎秒faボーのシンボル
系列Aを、標本化周波数変換により一般には実数値を取
る標本値系列M(毎秒fmサンプル)に変換し、 fa:fm=Na:Nm (Na,Nmは自然数) とするとき、前記シンボル系列AのシンボルNa個に対応
する前記標本値系列Mの標本値Nm個を1ブロック単位と
して、予め用意したNm個の値を1組とするL(L:自然
数)組の標準パターンの中から、着目する標本値系列M
の1ブロックに最も近い標準パターンを検出することを
特徴とし、さらに当該標準パターンの番号をディジタル
的に記録または伝送することを特徴とし、さらに前記標
本値系列Mの各標本値をM(Nm・i+k)(i=0,…,
∞,k=0,…,Nm−1)と表すとき、着目する標本値系列
Mの第i番目のブロックのNm個の標本値を、一般には相
異なるスカラー量子化器を用いて、各々、NQ(k)(k
=0,…,Nm−1)レベルに量子化した後、NQ(0)×NQ
(1)×NQ(2)×…×NQ(Nm−1)通りのアドレスを
有し、前記L組の標準パターンの番号表を格納したROM
のアドレス入力に入力して該当するテンプレートの番号
を読み出すことを特徴とする。 [作 用] 本発明によれば、上記構成によって多重信号の標本値
の分布が固有の偏りを持つことを利用して、例えば多重
信号の標本値4個単位の標本パターンを複数個用意し、
その多重信号の標本値4個単位に最も近いパターンを抽
出し、そのパターンの番号を記録または伝送する。これ
によって、例えば音声/独立データを多重したMUSE信号
を記録または伝送する装置の音声/独立データの符号化
・復号化回路を著しく小型化,低コスト化することがで
きる。 [実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
イビジョンの帯域圧縮伝送方式であるMUSE方式(後述の
文献1参照)の伝送信号(以下MUSE信号と略す)に多重
されている音声/独立データをディジタル記録または伝
送する方法に関するものである。 [発明の概要] 本発明は、例えばハイビジョンの帯域圧縮伝送方式で
あるMUSE方式の伝送信号に多重される音声/独立データ
の信号(多重信号と略す)をディジタル的に記録または
伝送するにあたり、多重信号の標本値の分布が固有の偏
りを持つことを利用して、例えば多重信号の標本値4個
単位の標本パターンを複数個用意し、その多重信号の標
本値4個単位に最も近いパターンを抽出し、そのパター
ンの番号を記録または伝送する。再生または受信側では
その標準パターンにより元の多重信号を復元する。ここ
で用いる符号器または複合器は、原理的には例えば各々
ROM(Read Only Memory)1個づつで実現でき、例えばM
USE信号のディジタル的記録または伝送装置の小型化・
低コスト化に役立つ。 なお、以下の説明で引用する文献は、次の通りであ
る。 <文献1> 二宮,大塚,和泉,合志,岩館:“MUSE方
式の開発",Vol.39,No2,pp.76−111,NHK技術研究,(198
7) <文献2> Linde,Y.,Buzo.A.,and Gray,R.:“An Algo
rithm for Vector Quantizer Design",IEEE Transactio
n on Communications,Vol.COM−28,pp.84−95,(Januar
y 1980) <文献3> Max,J.:“Quantizing for Minimum Distor
tion",IRE Transaction on Information Theory,Vol.IT
−6,pp.7−12,(March 1960) [従来の技術] 音声/独立データのMUSE信号への多重方式の概略を述
べると、次の通りである。 MUSE信号に多重される際に音声/独立データは、1.35
Mb/sの1ビットストリームであって、これは、連続する
3ビット単位に、1シンボル当り3値を取るシンボル2
個に変換され、さらにクロックfa(12.15MHz)のバース
ト状の3値信号に時間軸圧縮される。一方、MUSE信号は
クロックfm(16.2MHz=4/3・fa)であるから、このまま
では3値信号をディジタル的に多重することができな
い。そこで3値信号を、faからfmへのディジタル的標本
化周波数変換によって、クロックfmの8ビットストリー
ムに変換して、MUSE信号の垂直ブランキング期間に時間
軸多重する。 さて、MUSE信号を記録または伝送するシステムでは、
再生または受信側で、多重信号を含むMUSE信号全体を元
のままの形で取り出せることが望まれる。このための最
も容易な方法は、上述の多重信号をクロックfmの8ビッ
トストリームのままで記録または伝送することがある
が、このようにすると、記録または伝送路容量を著しく
浪費する。そこで、多重信号を元の1.35Mb/sの1ビット
ストリームもしくはこれに近い形式にまで復元すること
で、記録または伝送路容量の節約を行うのが、一般に行
われる方式である。 [発明が解決しようとする課題] ところが、上述の方式では、記録または送信側におい
て、復元のために多重の逆手順すなわち、fmからfaへの
ディジタル的標本化周波数変換,時間軸伸張による3値
連続信号への変換,3値シンボルの検出,3値シンボル2個
単位に3ビットへの変換等を行う必要があるのみなら
ず、再生または受信側においては、上述の多重手順によ
り1ビットストリームから多重信号を再構成する必要が
ある。さらに、fmとfaの間のディジタル的標本化周波数
変換は10数タップ前後のFIR型ディジタルフィルターを
必要とするなど、上述の従来方式では回路規模の増大と
複雑化が避けられない。 以上述べてきたように、従来方式では回路規模の増大
と複雑化という問題は、多重信号から元の形態の情報を
復元して記録または伝送し、再生または受信側で再び多
重信号を再構成するという原理に由来する。 そもそもの目的は、記録または伝送路容量の節約にあ
り、多重信号を含むMUSE信号波形を再生または受信側で
再構成すればよい、との観点から、本発明は、多重信号
から元の形態の情報を復元することなく、例えばクロッ
クfmで8ビット表現された多重信号そのものを、元の形
態の情報量と同程度にまで圧縮するようなディジタル信
号の処理方法を提供することを目的とする。 本発明を実行する回路は、原理的には、記録または送
信側と再生または受信側で各々ROM1個づつで構成でき
る。この結果、本発明を採用することによって、例えば
MUSE信号の記録または伝送システムの著しい小型軽量化
・低コスト化を実現することができる。 [課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため本発明は1シンボル当りQ
(Q:自然数)通りのレベルを取る毎秒faボーのシンボル
系列Aを、標本化周波数変換により一般には実数値を取
る標本値系列M(毎秒fmサンプル)に変換し、 fa:fm=Na:Nm (Na,Nmは自然数) とするとき、前記シンボル系列AのシンボルNa個に対応
する前記標本値系列Mの標本値Nm個を1ブロック単位と
して、予め用意したNm個の値を1組とするL(L:自然
数)組の標準パターンの中から、着目する標本値系列M
の1ブロックに最も近い標準パターンを検出することを
特徴とし、さらに当該標準パターンの番号をディジタル
的に記録または伝送することを特徴とし、さらに前記標
本値系列Mの各標本値をM(Nm・i+k)(i=0,…,
∞,k=0,…,Nm−1)と表すとき、着目する標本値系列
Mの第i番目のブロックのNm個の標本値を、一般には相
異なるスカラー量子化器を用いて、各々、NQ(k)(k
=0,…,Nm−1)レベルに量子化した後、NQ(0)×NQ
(1)×NQ(2)×…×NQ(Nm−1)通りのアドレスを
有し、前記L組の標準パターンの番号表を格納したROM
のアドレス入力に入力して該当するテンプレートの番号
を読み出すことを特徴とする。 [作 用] 本発明によれば、上記構成によって多重信号の標本値
の分布が固有の偏りを持つことを利用して、例えば多重
信号の標本値4個単位の標本パターンを複数個用意し、
その多重信号の標本値4個単位に最も近いパターンを抽
出し、そのパターンの番号を記録または伝送する。これ
によって、例えば音声/独立データを多重したMUSE信号
を記録または伝送する装置の音声/独立データの符号化
・復号化回路を著しく小型化,低コスト化することがで
きる。 [実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
MUSE信号の符号化装置では、3値シンボル列はfa→fm
の標本化周波数変換によりMUSE信号レートの多重信号に
変換され、MUSE信号の復号化装置では、逆のfm→faの標
本化周波数変換により多重信号は3値シンボル列に復元
される。このとき、 fa:fm=3:4 であるから、時間軸上、毎秒faボーの3値シンボル3個
に対して、標本化周波数fmの多重信号の標本値4個が対
応していることになる。このことから、この4個の標本
値を単位に圧縮符号化することを考える。 3値シンボル列を {A(3・i+j)|i=0,…,∞,j=0,1,2} 対応する多重信号標本値例を {M(4・i+k)|i=0,…,∞,k=0,1,2,3} とし、A(3・i+j)は−1,0,+1の3値を、M(4
・i+k)は実数を取るものとすると、 あるi番目の3値シンボル3個の組 AV(i)=(A(3・i),A(3・i+1),A(3・i+2)) は27通りの値を取り得る3次元ベクトル、 対応する多重信号の標本値4個の組 MV(i)=(M(4・1),M(4・i+1),M(4・i+2),M(4・i+3)) は、4次元の実数ベクトルと見なせる(第1図参照)。 このとき、AV(i)は27通りの値を取り得るのに対し
て、MV(i)の値の取り得る組合せはもっと多い。とい
うのは、fa→fmの標本化周波数変換は低域フィルタリン
グであって、このインパルス応答の広がりのために、近
接するベクトルAV(i−1),AV(i+1)等に属する
3値シンボルの値にも影響されて、MV(i)の成分が定
まるからである。 そこで、27より多いL個の4次元ベクトルの標準パタ
ーン(以下「テンプレート」と略す) TV(k)=(T0(k),T1(k),T2(k),T3(k)) k=1,…,27,…,L を用意し、観測されるMV(i)毎に、最適なテンプレー
トTV(k)を捜して、番号kを記録または伝送する。再
生または受信側では(同じテンプレートが用意されてい
るものとして)、テンプレートTV(k)を構成する4個
の値 T0(k),T1(k),T2(k),T3(k) によって、元の多重信号の4個の標本値 M(4・i),M(4・i+1),M(4・i+2),M(4・i+3) の代用とすることにする。 例えば、多重信号が8ビットで標本化されているとす
ると3値シンボル1個当り10.7(=8・4/3)ビットで
あるが、テンプレートの数L=64とすれば、テンプレー
トの番号が6ビットで表現できることから、伝送情報は
3値シンボル1個当り2(=6/3)ビットにまで圧縮さ
れ、元の音声/独立データのレートに近い値となる。 以上が本発明の概要である。
の標本化周波数変換によりMUSE信号レートの多重信号に
変換され、MUSE信号の復号化装置では、逆のfm→faの標
本化周波数変換により多重信号は3値シンボル列に復元
される。このとき、 fa:fm=3:4 であるから、時間軸上、毎秒faボーの3値シンボル3個
に対して、標本化周波数fmの多重信号の標本値4個が対
応していることになる。このことから、この4個の標本
値を単位に圧縮符号化することを考える。 3値シンボル列を {A(3・i+j)|i=0,…,∞,j=0,1,2} 対応する多重信号標本値例を {M(4・i+k)|i=0,…,∞,k=0,1,2,3} とし、A(3・i+j)は−1,0,+1の3値を、M(4
・i+k)は実数を取るものとすると、 あるi番目の3値シンボル3個の組 AV(i)=(A(3・i),A(3・i+1),A(3・i+2)) は27通りの値を取り得る3次元ベクトル、 対応する多重信号の標本値4個の組 MV(i)=(M(4・1),M(4・i+1),M(4・i+2),M(4・i+3)) は、4次元の実数ベクトルと見なせる(第1図参照)。 このとき、AV(i)は27通りの値を取り得るのに対し
て、MV(i)の値の取り得る組合せはもっと多い。とい
うのは、fa→fmの標本化周波数変換は低域フィルタリン
グであって、このインパルス応答の広がりのために、近
接するベクトルAV(i−1),AV(i+1)等に属する
3値シンボルの値にも影響されて、MV(i)の成分が定
まるからである。 そこで、27より多いL個の4次元ベクトルの標準パタ
ーン(以下「テンプレート」と略す) TV(k)=(T0(k),T1(k),T2(k),T3(k)) k=1,…,27,…,L を用意し、観測されるMV(i)毎に、最適なテンプレー
トTV(k)を捜して、番号kを記録または伝送する。再
生または受信側では(同じテンプレートが用意されてい
るものとして)、テンプレートTV(k)を構成する4個
の値 T0(k),T1(k),T2(k),T3(k) によって、元の多重信号の4個の標本値 M(4・i),M(4・i+1),M(4・i+2),M(4・i+3) の代用とすることにする。 例えば、多重信号が8ビットで標本化されているとす
ると3値シンボル1個当り10.7(=8・4/3)ビットで
あるが、テンプレートの数L=64とすれば、テンプレー
トの番号が6ビットで表現できることから、伝送情報は
3値シンボル1個当り2(=6/3)ビットにまで圧縮さ
れ、元の音声/独立データのレートに近い値となる。 以上が本発明の概要である。
この手法は、画像や音声信号の圧縮符号化に用いられ
るベクトル量子化(以下「VQ」と略、文献2参照)の1
種であり、VQでは、上述のテンプレートの集合と、情報
源の個々のベクトルを最適なテンプレートに対応づける
規則とを併せたものを「コードブック」と呼んでいる。
VQで重要なのはコードブックの構成であり、コードブッ
クはVQの対象となる情報源の確率分布をできるだけ正し
く反映するものでなければならない。画像や音声信号の
VQでは、それら情報源の確率分布そのものが不明である
ばかりか、確率分布そのものが変動していると考えられ
るので、最適なコードブックを構成する確定的な方法は
未だ知られていない。 ところが、ここでVQの対象としている情報源、4次元
ベクトルMVの集合{MV}の確率分布は非常に狭い領域に
集中している。これは元の情報源{A(3・i+j)}
(各シンボルが3通りの値を独立に1/3確率で取る)に
上述のfa→fmの標本化周波数変換を施して得られたから
である。たとえば、3値シンボルA(3・i)と標本値
M(4・i)は、時間軸上同一の位置に存在するので、
標本化周波数変換の性質から、M(4・i)はA(3・
i)に対して非常に近い値を取る。言い替えると、ベク
トルMV(i)の第1成分M(4・i)の確率密度関数は
−1,0,+1に鋭いピークを持つ形をしている(正確にM
(4・i)=A(3・i)とはならないのは、MUSE方式
では、fa→fm→faの2段の標本化周波数変換を通して初
めて、周波数特性が(fa/2)の点でロールオフ特性とな
り標本値保存の性質を持つからであって、fa→fmだけで
は、完全なロールオフ特性にならないからである。とは
いえ、この差異は実用上問題とはならないことが確かめ
られている。第2図にfa→fm→faの2段の標本化周波数
変換全体のロールオフ特性を示す)。 このように、情報源{MV}の分布は、4次元空間上で
密集した点の塊(以下「クラスター」と略す)27個で形
成されている(それに対して、情報源{AV}の分布は3
次元空間の中の27個の点だけであることに注意された
い。第3図に模式的な図を示す)。 さて、MUSE信号を8ビットに量子化した標本値列とす
る。そこで、256通りの離散値の4次元ベクトルの全体
を、 Ω={(v0,v1,v2,v3,)|v0,v1,v2,v3=0,…255} とすれば、Ωの全ベクトルの個数は、 256↑4=429467296 (「A↑X」は「AのX乗」を意味する。以下同様)で
あるが、この中に含まれる集合{MV}のベクトルの個数
を計算してみると、はるかに少ないことがわかる。実
際、 fa→fm標本化周波数変換のFIRフィルターのタップ数
を(2・N+1)(ただし、faとfmの最小公倍数48.6MH
z(=4・fa=3・fm)を標本化周波数とする)とすれ
ば、あるMV(i)を構成する4個の標本値を得るときに
関係する3値シンボルは、 A(3・i−[N/4]),…,A(3・i),A(3・i
+1),A(3・i+2),…,A(3・i+2+[(N+
1)/4]) (ただし、[X]は[Xを越えない最大の自然数」を意
味する。以下同様) の([N/4]+3+[(N+1)/4)個であり、各シン
ボルが3通りの値を取り得るので、この時の{MV}のベ
クトルの総数は、 Num(MV,N)=3↑([N/4]+3+[(N+2)/4]) となり、Ωの元の総数に比べて著しく少ない(例えば、
FIRフィルターのタップ数が21(N=10)であるとして
も、Num(MV,10)=2187しかない)。 さらにFIRフィルターのタップ係数値は周辺に行くに
従い急速に減衰するので、8ビットの量子化により、区
別できるベクトルMVの数はさらに少なくなる。 すなわち、コードブックCの学習では、一般のVQのよ
うに情報源からトレーニングベクトルを抽出する必要が
ない。つまり、学習に情報源{MV}の全ベクトルを用い
ることができる。さらに、前述のようにベクトルの分布
が少数のクラスターに集中していることから、高い近似
精度を持つコードブックを有限の時間内に求めることが
可能となる。 さて、このようにして構成したコードブックCは、理
想的な多重信号{MV}を対象としているので、放送衛星
などのアナログ伝送路を通りノイズや波形歪を含んでい
る現実のMUSE信号に適用するには、VQの対象となる情報
源を、前述のΩに拡張する必要がある。 このとき、テンプレートの集合{TV(k)|k=1,…,
L}はそのままとし、情報源の個々のベクトルを最適な
テンプレートに対応づける規則を拡張する。 この拡張は容易であり、例えば、Ωの個々のベクトル
を、4次元ベクトル空間上のユークリッド距離が最も近
いベクトルMVのテンプレートに対応付けるといった方法
(Nearest Neighbor法)を使えばよい。 以上まとめると、コードブックCの具体的な作成方法
は次の通りである。 1)コードブックCの大きさLを定めた後、 2)長さ([N/4]+3+[(N+1)/4])の3値シ
ンボル系列をNum(MV,N)通り発生させ、 3)各々の系列に対して、 タップ数(2・N+1)のfa→fm標本化周波数変換FI
Rフィルターを施し、得られた中心の4個の標本値を8
ビットに量子化することにより情報源{MV}を作成す
る。 4)情報源{MV}をトレーニングベクトルの集合そのも
のとして、 VQの学習アルゴリズム(例えば文献2の方法など)を
用いて、{MV}に対するコードブックCを作成する。 5)Nearest Neighbor法を用いて、コードブックCを25
6レベルの離散値の4次元ベクトルの全体Ω上に拡張す
る。
るベクトル量子化(以下「VQ」と略、文献2参照)の1
種であり、VQでは、上述のテンプレートの集合と、情報
源の個々のベクトルを最適なテンプレートに対応づける
規則とを併せたものを「コードブック」と呼んでいる。
VQで重要なのはコードブックの構成であり、コードブッ
クはVQの対象となる情報源の確率分布をできるだけ正し
く反映するものでなければならない。画像や音声信号の
VQでは、それら情報源の確率分布そのものが不明である
ばかりか、確率分布そのものが変動していると考えられ
るので、最適なコードブックを構成する確定的な方法は
未だ知られていない。 ところが、ここでVQの対象としている情報源、4次元
ベクトルMVの集合{MV}の確率分布は非常に狭い領域に
集中している。これは元の情報源{A(3・i+j)}
(各シンボルが3通りの値を独立に1/3確率で取る)に
上述のfa→fmの標本化周波数変換を施して得られたから
である。たとえば、3値シンボルA(3・i)と標本値
M(4・i)は、時間軸上同一の位置に存在するので、
標本化周波数変換の性質から、M(4・i)はA(3・
i)に対して非常に近い値を取る。言い替えると、ベク
トルMV(i)の第1成分M(4・i)の確率密度関数は
−1,0,+1に鋭いピークを持つ形をしている(正確にM
(4・i)=A(3・i)とはならないのは、MUSE方式
では、fa→fm→faの2段の標本化周波数変換を通して初
めて、周波数特性が(fa/2)の点でロールオフ特性とな
り標本値保存の性質を持つからであって、fa→fmだけで
は、完全なロールオフ特性にならないからである。とは
いえ、この差異は実用上問題とはならないことが確かめ
られている。第2図にfa→fm→faの2段の標本化周波数
変換全体のロールオフ特性を示す)。 このように、情報源{MV}の分布は、4次元空間上で
密集した点の塊(以下「クラスター」と略す)27個で形
成されている(それに対して、情報源{AV}の分布は3
次元空間の中の27個の点だけであることに注意された
い。第3図に模式的な図を示す)。 さて、MUSE信号を8ビットに量子化した標本値列とす
る。そこで、256通りの離散値の4次元ベクトルの全体
を、 Ω={(v0,v1,v2,v3,)|v0,v1,v2,v3=0,…255} とすれば、Ωの全ベクトルの個数は、 256↑4=429467296 (「A↑X」は「AのX乗」を意味する。以下同様)で
あるが、この中に含まれる集合{MV}のベクトルの個数
を計算してみると、はるかに少ないことがわかる。実
際、 fa→fm標本化周波数変換のFIRフィルターのタップ数
を(2・N+1)(ただし、faとfmの最小公倍数48.6MH
z(=4・fa=3・fm)を標本化周波数とする)とすれ
ば、あるMV(i)を構成する4個の標本値を得るときに
関係する3値シンボルは、 A(3・i−[N/4]),…,A(3・i),A(3・i
+1),A(3・i+2),…,A(3・i+2+[(N+
1)/4]) (ただし、[X]は[Xを越えない最大の自然数」を意
味する。以下同様) の([N/4]+3+[(N+1)/4)個であり、各シン
ボルが3通りの値を取り得るので、この時の{MV}のベ
クトルの総数は、 Num(MV,N)=3↑([N/4]+3+[(N+2)/4]) となり、Ωの元の総数に比べて著しく少ない(例えば、
FIRフィルターのタップ数が21(N=10)であるとして
も、Num(MV,10)=2187しかない)。 さらにFIRフィルターのタップ係数値は周辺に行くに
従い急速に減衰するので、8ビットの量子化により、区
別できるベクトルMVの数はさらに少なくなる。 すなわち、コードブックCの学習では、一般のVQのよ
うに情報源からトレーニングベクトルを抽出する必要が
ない。つまり、学習に情報源{MV}の全ベクトルを用い
ることができる。さらに、前述のようにベクトルの分布
が少数のクラスターに集中していることから、高い近似
精度を持つコードブックを有限の時間内に求めることが
可能となる。 さて、このようにして構成したコードブックCは、理
想的な多重信号{MV}を対象としているので、放送衛星
などのアナログ伝送路を通りノイズや波形歪を含んでい
る現実のMUSE信号に適用するには、VQの対象となる情報
源を、前述のΩに拡張する必要がある。 このとき、テンプレートの集合{TV(k)|k=1,…,
L}はそのままとし、情報源の個々のベクトルを最適な
テンプレートに対応づける規則を拡張する。 この拡張は容易であり、例えば、Ωの個々のベクトル
を、4次元ベクトル空間上のユークリッド距離が最も近
いベクトルMVのテンプレートに対応付けるといった方法
(Nearest Neighbor法)を使えばよい。 以上まとめると、コードブックCの具体的な作成方法
は次の通りである。 1)コードブックCの大きさLを定めた後、 2)長さ([N/4]+3+[(N+1)/4])の3値シ
ンボル系列をNum(MV,N)通り発生させ、 3)各々の系列に対して、 タップ数(2・N+1)のfa→fm標本化周波数変換FI
Rフィルターを施し、得られた中心の4個の標本値を8
ビットに量子化することにより情報源{MV}を作成す
る。 4)情報源{MV}をトレーニングベクトルの集合そのも
のとして、 VQの学習アルゴリズム(例えば文献2の方法など)を
用いて、{MV}に対するコードブックCを作成する。 5)Nearest Neighbor法を用いて、コードブックCを25
6レベルの離散値の4次元ベクトルの全体Ω上に拡張す
る。
以上述べたことから原理的には、符号化器はΩの各ベ
クトルに対して最適なテンプレートの番号を対応させる
表(コードブック)を書き込んだ大容量のROMで構成で
き、一方復号器はテンプレートの各成分の値を書き込ん
だ小容量の高速ROMで構成することができる。 ところが、Ωの要素の総数は、256↑4=2↑32であ
るから、このままでは符号化器のROMは32ビットアドレ
スとなり、現実的ではない。 そこで、多重信号の標本値の量子化をより少ないビッ
ト数で行うこととする。 第1の例は、MVのベクトルの各標本値の量子化を均等
に4ビットとする場合である。このときVQの対象となる
情報源は Ω4={(v0,v1,v2,v3)|v0,v1,v2,v3=0,…,15} であり、Ω4の全要素数は、2↑16となり、一方上述と
同じくテンプレートの個数をL=64とすれば、コードブ
ックを書き込んだ8ビット/ワードの512Kビットの低速
ROM(アドレス16ビット)1個で符号化器が構成でき、
テンプレートの各成分の値を書き込んだ8ビット/ワー
ドの2Kビットの小容量高速ROM(アドレス8ビット)1
個で復号器が構成できる(第4図、第6図参照)。 第4図の符号化器の動作は次の通りである。 多重信号の第i番目のブロックMV(i)の4個の標本
値(8ビット) M(i・4),M(i・4+1),M(i・4+2),M(i・4+3) の各上位4ビットは、標本値の到着順に4個のラッチ
(#0,#1,#2,#3)2〜5でラッチ信号#0,#1,#2,
#3によって順次ラッチされ、次にラッチ6によって毎
秒fm/4のレートの16ビット並列信号に低速化される。こ
の16ビット並列信号は上述の低速ROM1のアドレスに入力
される。この低速ROM1には前述のコードブックが書き込
まれており、入力のMV(i)に対して最適なテンプレー
トの番号を出力する。 第6図の復号化器の動作は次の通りである。 毎秒fm/4のレートで到着するテンプレートの番号(6
ビット)を示す信号は、上述のアドレス8ビットの高速
ROM(テンプレートの各成分の値が書き込まれている)
7の上位6ビットに入力される。一方、ROM7の下位アド
レス2ビットは、クロックfmで動作する2ビットカウン
ター8によって駆動される。この結果、ROM7からテンプ
レート番号kについて4個の標本値(T0(k),T1
(k),T2(k),T3(k))が各標本値当り毎秒fmのレ
ートで出力され、これを再生または受信多重信号とす
る。 第2の例は、ベクトルMVの成分毎に量子化のビット数
を変える場合である。 ベクトルMVの第1成分は、元の3値信号のシンボルの
値に非常に近い値を取るので、最もビット数を減らすこ
とができる。一方MVの第3成分は、時間軸上、3値ベク
トルの第2・第3成分のちょうど中間に位置するため、
取り得る値の分散が大きくビット数を最も多く必要とす
る。 例えば、第1成分を2ビット、第2・第4成分を4ビ
ット、第3成分を6ビットに 各々量子化すると、VQの
対象となる情報源 Ω2426={(v0,v1,v2,v3)|v0=0,1,2,3, v1,v3=0,…,15,v2=0,…63} の全要素数は第1例と同じく2↑16で、ハードウェア構
成は第1の例と同様である。 以上の2例では、ベクトルMVの各成分のスカラー量子
化が直線量子化であることを暗黙のこととしていたが、
非直線量子化器を用いる場合を、第3例として次に述べ
る。 上述のようにベクトルMVの各成分の値は異なる確率密
度関数に従っている。そのため、各成分のスカラー量子
化の平均歪を最小化するには、各々の確率密度関数から
導かれる(成分毎に異なる)非直線量子化器を設計する
必要がある。 この時必要となる4個の確率密度関数を求める最も容
易な方法は、前述のコードブックC作成手段の途中で得
られるデータを利用することである。 すなわち、作成手順のステップ3)の過程で得られた
Num(MV,N)個の4次元ベクトルMVの各成分毎のヒスト
グラムを正規化したものを、求める4個の確率密度関数
とするのである。つぎに、これらの確率密度関数から非
直線量子化器(4個)を設計するのであるが、これには
様々な方法があり、例えば文献3の手法を用いればよ
い。 なお、各成分毎の非直線量子化のビット配分は、各成
分毎の平均歪が等しくなるように定める必要がある。 第5図に示すように、この例では、符号化器のコード
ブック用ROM1の前に4個の互いに異なるスカラー量子化
器SQ−ROM#0〜SQ−ROM#3を置く必要があるが、これ
らは極めて小容量(8ビットアドレス)の高速ROM1個づ
つでよい。 この第3例は、各成分毎に一般には相異なるスカラー
量子化器を用意するものであり、上述の第1例,第2例
を包含したより一般的な構成である(第5図参照)。 なお、復号化器のバードウェア構成は、第2例,第3
例とも第1例と同様である。 また、上記の3つの例で述べた高速ROMとはアクセス
タイム1/fm(≒60ns)以下、低速ROMとはアクセスタイ
ム4/fm(≒240ns)以下を意味し、それぞれ所要の容量
に照らして、ありふれた安価なものである。
クトルに対して最適なテンプレートの番号を対応させる
表(コードブック)を書き込んだ大容量のROMで構成で
き、一方復号器はテンプレートの各成分の値を書き込ん
だ小容量の高速ROMで構成することができる。 ところが、Ωの要素の総数は、256↑4=2↑32であ
るから、このままでは符号化器のROMは32ビットアドレ
スとなり、現実的ではない。 そこで、多重信号の標本値の量子化をより少ないビッ
ト数で行うこととする。 第1の例は、MVのベクトルの各標本値の量子化を均等
に4ビットとする場合である。このときVQの対象となる
情報源は Ω4={(v0,v1,v2,v3)|v0,v1,v2,v3=0,…,15} であり、Ω4の全要素数は、2↑16となり、一方上述と
同じくテンプレートの個数をL=64とすれば、コードブ
ックを書き込んだ8ビット/ワードの512Kビットの低速
ROM(アドレス16ビット)1個で符号化器が構成でき、
テンプレートの各成分の値を書き込んだ8ビット/ワー
ドの2Kビットの小容量高速ROM(アドレス8ビット)1
個で復号器が構成できる(第4図、第6図参照)。 第4図の符号化器の動作は次の通りである。 多重信号の第i番目のブロックMV(i)の4個の標本
値(8ビット) M(i・4),M(i・4+1),M(i・4+2),M(i・4+3) の各上位4ビットは、標本値の到着順に4個のラッチ
(#0,#1,#2,#3)2〜5でラッチ信号#0,#1,#2,
#3によって順次ラッチされ、次にラッチ6によって毎
秒fm/4のレートの16ビット並列信号に低速化される。こ
の16ビット並列信号は上述の低速ROM1のアドレスに入力
される。この低速ROM1には前述のコードブックが書き込
まれており、入力のMV(i)に対して最適なテンプレー
トの番号を出力する。 第6図の復号化器の動作は次の通りである。 毎秒fm/4のレートで到着するテンプレートの番号(6
ビット)を示す信号は、上述のアドレス8ビットの高速
ROM(テンプレートの各成分の値が書き込まれている)
7の上位6ビットに入力される。一方、ROM7の下位アド
レス2ビットは、クロックfmで動作する2ビットカウン
ター8によって駆動される。この結果、ROM7からテンプ
レート番号kについて4個の標本値(T0(k),T1
(k),T2(k),T3(k))が各標本値当り毎秒fmのレ
ートで出力され、これを再生または受信多重信号とす
る。 第2の例は、ベクトルMVの成分毎に量子化のビット数
を変える場合である。 ベクトルMVの第1成分は、元の3値信号のシンボルの
値に非常に近い値を取るので、最もビット数を減らすこ
とができる。一方MVの第3成分は、時間軸上、3値ベク
トルの第2・第3成分のちょうど中間に位置するため、
取り得る値の分散が大きくビット数を最も多く必要とす
る。 例えば、第1成分を2ビット、第2・第4成分を4ビ
ット、第3成分を6ビットに 各々量子化すると、VQの
対象となる情報源 Ω2426={(v0,v1,v2,v3)|v0=0,1,2,3, v1,v3=0,…,15,v2=0,…63} の全要素数は第1例と同じく2↑16で、ハードウェア構
成は第1の例と同様である。 以上の2例では、ベクトルMVの各成分のスカラー量子
化が直線量子化であることを暗黙のこととしていたが、
非直線量子化器を用いる場合を、第3例として次に述べ
る。 上述のようにベクトルMVの各成分の値は異なる確率密
度関数に従っている。そのため、各成分のスカラー量子
化の平均歪を最小化するには、各々の確率密度関数から
導かれる(成分毎に異なる)非直線量子化器を設計する
必要がある。 この時必要となる4個の確率密度関数を求める最も容
易な方法は、前述のコードブックC作成手段の途中で得
られるデータを利用することである。 すなわち、作成手順のステップ3)の過程で得られた
Num(MV,N)個の4次元ベクトルMVの各成分毎のヒスト
グラムを正規化したものを、求める4個の確率密度関数
とするのである。つぎに、これらの確率密度関数から非
直線量子化器(4個)を設計するのであるが、これには
様々な方法があり、例えば文献3の手法を用いればよ
い。 なお、各成分毎の非直線量子化のビット配分は、各成
分毎の平均歪が等しくなるように定める必要がある。 第5図に示すように、この例では、符号化器のコード
ブック用ROM1の前に4個の互いに異なるスカラー量子化
器SQ−ROM#0〜SQ−ROM#3を置く必要があるが、これ
らは極めて小容量(8ビットアドレス)の高速ROM1個づ
つでよい。 この第3例は、各成分毎に一般には相異なるスカラー
量子化器を用意するものであり、上述の第1例,第2例
を包含したより一般的な構成である(第5図参照)。 なお、復号化器のバードウェア構成は、第2例,第3
例とも第1例と同様である。 また、上記の3つの例で述べた高速ROMとはアクセス
タイム1/fm(≒60ns)以下、低速ROMとはアクセスタイ
ム4/fm(≒240ns)以下を意味し、それぞれ所要の容量
に照らして、ありふれた安価なものである。
上述の4次元ベクトルMVの符号化器は、同時に、対応
する3次元ベクトルAVに含まれている3値シンボル3個
の値を検出する3値シンボル検出も、併せて行ったこと
になる。 というのは、情報源{MV}の分布の27個のクラスター
は、各々、情報源{AV}の分布の27個の点に対応してお
り、あるMVについて符号化器の抽出したテンプレートが
どのクラスターに属しているかは、コードブックCの生
成時に既に分かっているからである。 さらに、本発明を3値シンボル3個単位のシンボル検
出器にしか用いないのであれば、テンプレートの個数L
=27とするコードブックCの符号化器を構成することに
他ならない。 このことから、本発明を、従来方式の記録・伝送にお
ける3値シンボル検出器の構成にも利用できることがわ
かる。 さらに、本発明は、MUSEの多重信号に限定されるもの
ではなく、一般にQ通りのレベルを取る多値信号のシン
ボル検出器の構成にも利用できることがわかる。 すなわち、一般に、 fa:fm=Na:Nm (Na,Nmは自然数) とするとき、テンプレートの個数L=QNaとするコード
ブックCを構成することで、毎数faボーのQ値多値信号
のNa個のシンボルを一括して検出することができる。 なお、S/Nの悪いMUSE入力信号に対しては、従来方式
では多重信号の記録または伝送処理の際に情報の復号誤
りが発生し、誤ったデータを記録または伝送することが
あるが、本発明では多重信号波形そのものを符号化して
いるため、決定的な誤りデータが本発明で発生すること
はない。また、かような入力信号に対してはテンプレー
トで置き換えることによる波形の整形(非線形処理によ
るS/N向上)も効果もある。 [発明の効果] 以上説明したように本発明により、例えば音声/独立
データを多重したMUSE信号を記録または伝送する装置の
音声/独立データの符号化・復号化回路を著しく小型
化,低コスト化することができる。
する3次元ベクトルAVに含まれている3値シンボル3個
の値を検出する3値シンボル検出も、併せて行ったこと
になる。 というのは、情報源{MV}の分布の27個のクラスター
は、各々、情報源{AV}の分布の27個の点に対応してお
り、あるMVについて符号化器の抽出したテンプレートが
どのクラスターに属しているかは、コードブックCの生
成時に既に分かっているからである。 さらに、本発明を3値シンボル3個単位のシンボル検
出器にしか用いないのであれば、テンプレートの個数L
=27とするコードブックCの符号化器を構成することに
他ならない。 このことから、本発明を、従来方式の記録・伝送にお
ける3値シンボル検出器の構成にも利用できることがわ
かる。 さらに、本発明は、MUSEの多重信号に限定されるもの
ではなく、一般にQ通りのレベルを取る多値信号のシン
ボル検出器の構成にも利用できることがわかる。 すなわち、一般に、 fa:fm=Na:Nm (Na,Nmは自然数) とするとき、テンプレートの個数L=QNaとするコード
ブックCを構成することで、毎数faボーのQ値多値信号
のNa個のシンボルを一括して検出することができる。 なお、S/Nの悪いMUSE入力信号に対しては、従来方式
では多重信号の記録または伝送処理の際に情報の復号誤
りが発生し、誤ったデータを記録または伝送することが
あるが、本発明では多重信号波形そのものを符号化して
いるため、決定的な誤りデータが本発明で発生すること
はない。また、かような入力信号に対してはテンプレー
トで置き換えることによる波形の整形(非線形処理によ
るS/N向上)も効果もある。 [発明の効果] 以上説明したように本発明により、例えば音声/独立
データを多重したMUSE信号を記録または伝送する装置の
音声/独立データの符号化・復号化回路を著しく小型
化,低コスト化することができる。
第1図は3値シンボル列A(3・i+j)(J=0,1,
2)と、それを標本化周波数変換した多重信号の標本値
列M(4・i+k)(k=0,1,2,3)との、時間軸上の
対応を示す図、 第2図はfa→fm→faの2段の標本化周波数変換全体のロ
ールオフ特性を示す図、 第3図は情報源{AV}の分布と情報源{MV}の分布の違
いを示す模式的な図、 第4図は本発明の第1の実施例の符号化器の構成を示す
図、 第5図は本発明の第3の実施例のベクトルMVの各成分毎
に相異なるスカラー量子化器を用いた符号化器の構成を
示す図、 第6図は本発明にかかる復号器の構成例を示す図であ
る。 1……コードブック用ROM、 2〜5……ラッチ#0〜#3、 6……ラッチ、 7……テンプレートROM、 8……2ビットカウンター、 SQ−ROM#0〜#3……スカラー量子化器。
2)と、それを標本化周波数変換した多重信号の標本値
列M(4・i+k)(k=0,1,2,3)との、時間軸上の
対応を示す図、 第2図はfa→fm→faの2段の標本化周波数変換全体のロ
ールオフ特性を示す図、 第3図は情報源{AV}の分布と情報源{MV}の分布の違
いを示す模式的な図、 第4図は本発明の第1の実施例の符号化器の構成を示す
図、 第5図は本発明の第3の実施例のベクトルMVの各成分毎
に相異なるスカラー量子化器を用いた符号化器の構成を
示す図、 第6図は本発明にかかる復号器の構成例を示す図であ
る。 1……コードブック用ROM、 2〜5……ラッチ#0〜#3、 6……ラッチ、 7……テンプレートROM、 8……2ビットカウンター、 SQ−ROM#0〜#3……スカラー量子化器。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 7/30
Claims (3)
- 【請求項1】1シンボル当りQ(Q:自然数)通りのレベ
ルを取る毎秒faボーのシンボル系列Aを、標本化周波数
変換により一般には実数値を取る標本値系列M(毎秒fm
サンプル)に変換し、 fa:fm=Na:Nm (Na,Nmは自然数) とするとき、前記シンボル系列AのシンボルNa個に対応
する前記標本値系列Mの標本値Nm個を1ブロック単位と
して、予め用意したNm個の値を1組とするL(L:自然
数)組の標準パターンの中から、着目する標本値系列M
の1ブロックに最も近い標準パターンを検出することを
特徴とするディジタル信号の処理方法。 - 【請求項2】前記検出された標準パターンの番号をディ
ジタル的に記録または伝送することを特徴とする請求項
1に記載のディジタル信号の処理方法。 - 【請求項3】前記標本値系列Mの各標本値をM(Nm・i
+k)(i=0,…,∞,k=0,…,Nm−1)と表すとき、
着目する標本値系列Mの第i番目のブロックのNm個の標
本値を、一般には相異なるスカラー量子化器を用いて、
各々、NQ(k)(k=0,…,Nm−1)レベルに量子化し
た後、当該量子化によって得られた値を、NQ(0)×NQ
(1)×NQ(2)×…×NQ(Nm−1)通りのアドレスを
有し、前記L組の標準パターンの番号表を格納したROM
のアドレス入力に入力して該当するテンプレートの番号
を読み出すことを特徴とする請求項1に記載のディジタ
ル信号の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21714590A JP3029649B2 (ja) | 1990-08-20 | 1990-08-20 | ディジタル信号の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21714590A JP3029649B2 (ja) | 1990-08-20 | 1990-08-20 | ディジタル信号の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04100323A JPH04100323A (ja) | 1992-04-02 |
JP3029649B2 true JP3029649B2 (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=16699563
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21714590A Expired - Fee Related JP3029649B2 (ja) | 1990-08-20 | 1990-08-20 | ディジタル信号の処理方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3029649B2 (ja) |
-
1990
- 1990-08-20 JP JP21714590A patent/JP3029649B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH04100323A (ja) | 1992-04-02 |
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