JP3029466B2 - ダイヤモンド砥石及びその製造方法 - Google Patents
ダイヤモンド砥石及びその製造方法Info
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- JP3029466B2 JP3029466B2 JP2414521A JP41452190A JP3029466B2 JP 3029466 B2 JP3029466 B2 JP 3029466B2 JP 2414521 A JP2414521 A JP 2414521A JP 41452190 A JP41452190 A JP 41452190A JP 3029466 B2 JP3029466 B2 JP 3029466B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、石材面取り用砥石、刃
物用砥石、ラップ盤等に利用されるダイヤモンド砥石及
びその製造方法に関する。
物用砥石、ラップ盤等に利用されるダイヤモンド砥石及
びその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】例えば、石材面取り用砥石には、台金表
面にメタルボンド法や電着法によりダイヤモンド砥粒を
固着保持させたディスクタイプのダイヤモンド砥石が用
いられている。一般に、難削材用の砥石では、砥石の研
削性能をアップする上で、研削面の冷却能を高め研削屑
の逃げを促進することが肝要となる。このため、冷却水
溜りを作り出し、研削屑の逃げ場所を形成する気孔（チ
ップポケット）の存在が非常に重要な役目を果す。
面にメタルボンド法や電着法によりダイヤモンド砥粒を
固着保持させたディスクタイプのダイヤモンド砥石が用
いられている。一般に、難削材用の砥石では、砥石の研
削性能をアップする上で、研削面の冷却能を高め研削屑
の逃げを促進することが肝要となる。このため、冷却水
溜りを作り出し、研削屑の逃げ場所を形成する気孔（チ
ップポケット）の存在が非常に重要な役目を果す。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】そこで、ダイヤモンド
砥石にチップポケットを積極的に付与する方策として、
予め台金に所々抜き穴を設けてパンチングメタルとな
し、この上に穴付きの砥粒層を形成することが提案され
る。このようにすると、抜き穴の部分がマクロなチップ
ポケットの役割を果し、また、抜き穴周囲の砥粒の突き
出しによるエッジ効果によって研削能率が増大する効果
が期待される。
砥石にチップポケットを積極的に付与する方策として、
予め台金に所々抜き穴を設けてパンチングメタルとな
し、この上に穴付きの砥粒層を形成することが提案され
る。このようにすると、抜き穴の部分がマクロなチップ
ポケットの役割を果し、また、抜き穴周囲の砥粒の突き
出しによるエッジ効果によって研削能率が増大する効果
が期待される。
【０００４】しかしながら、このような穴付きの台金表
面に均等な厚みで砥粒層を形成することが技術的に困難
である上に、台金に一定の強度を維持するためには、抜
き穴の開口率にも自ずと限界がある。
面に均等な厚みで砥粒層を形成することが技術的に困難
である上に、台金に一定の強度を維持するためには、抜
き穴の開口率にも自ずと限界がある。
【０００５】本発明は、台金に抜き穴と共に凹み穴を設
けると共に、これに溶射による砥粒層の形成手段を組み
合わせることにより、実質的にチップポケットして機能
する台金の開口率を更に増大できるダイヤモンド砥石を
新たに提供せんとするものであり、併せてその好適な製
造方法についても提供せんとしている。
けると共に、これに溶射による砥粒層の形成手段を組み
合わせることにより、実質的にチップポケットして機能
する台金の開口率を更に増大できるダイヤモンド砥石を
新たに提供せんとするものであり、併せてその好適な製
造方法についても提供せんとしている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
台金表面に、金属コーティングしたダイヤモンド砥粒と
金属結合剤粉末とを混合してなる混合粉を溶射してなる
溶射砥粒層が形成されている、ダイヤモンド砥石におい
て、台金には、抜き穴だけでなく、台金表面に凹み穴も
設けられており、溶射砥粒層は、抜き穴以外の、凹み穴
も含めた台金表面に形成されていることを特徴としてい
る。
台金表面に、金属コーティングしたダイヤモンド砥粒と
金属結合剤粉末とを混合してなる混合粉を溶射してなる
溶射砥粒層が形成されている、ダイヤモンド砥石におい
て、台金には、抜き穴だけでなく、台金表面に凹み穴も
設けられており、溶射砥粒層は、抜き穴以外の、凹み穴
も含めた台金表面に形成されていることを特徴としてい
る。
【０００７】請求項２記載の発明は、抜き穴を設けた第
１の台金の表面に、金属コーティングしたダイヤモンド
砥粒と金属結合剤粉末とを混合してなる混合粉を溶射し
て溶射砥粒層を形成する、ダイヤモンド砥石の製造方法
において、上記第１の台金の裏面側に、別体である第２
の台金を重ね合わせた状態で配置し、上記第１の台金の
表面側から上記混合粉をプラズマ溶射して、上記第１の
台金の表面に抜き穴の部分を除いて溶射砥粒層を形成す
ると共に、上記第２の台金の表面の、上記第１の台金の
抜き穴に対向した部分にも溶射砥粒層を形成し、それに
よって、上記第１の台金を備えたダイヤモンド砥石と上
記第２の台金を備えたダイヤモンド砥石とを同時に得る
ことを特徴としている。
１の台金の表面に、金属コーティングしたダイヤモンド
砥粒と金属結合剤粉末とを混合してなる混合粉を溶射し
て溶射砥粒層を形成する、ダイヤモンド砥石の製造方法
において、上記第１の台金の裏面側に、別体である第２
の台金を重ね合わせた状態で配置し、上記第１の台金の
表面側から上記混合粉をプラズマ溶射して、上記第１の
台金の表面に抜き穴の部分を除いて溶射砥粒層を形成す
ると共に、上記第２の台金の表面の、上記第１の台金の
抜き穴に対向した部分にも溶射砥粒層を形成し、それに
よって、上記第１の台金を備えたダイヤモンド砥石と上
記第２の台金を備えたダイヤモンド砥石とを同時に得る
ことを特徴としている。
【０００８】
【作用】本発明によるダイヤモンド砥石では、台金に抜
き穴と凹み穴とが設けられると共に、凹み穴には凹み形
状に倣ってダイヤモンド砥粒を分散保持する溶射砥粒層
が均一に被覆形成される。そして、この凹み穴を併設す
る砥石では、各凹み穴の部分が冷却水を貯溜し或いは研
削屑を逃がすチップポケットとしての役割を果し、更に
凹み穴周囲の砥粒の突き出しによるエッジ効果も発現さ
れて、台金強度を保持しつつ抜き穴の開口率を実質的に
倍増したのと同様の効果が得られる。
き穴と凹み穴とが設けられると共に、凹み穴には凹み形
状に倣ってダイヤモンド砥粒を分散保持する溶射砥粒層
が均一に被覆形成される。そして、この凹み穴を併設す
る砥石では、各凹み穴の部分が冷却水を貯溜し或いは研
削屑を逃がすチップポケットとしての役割を果し、更に
凹み穴周囲の砥粒の突き出しによるエッジ効果も発現さ
れて、台金強度を保持しつつ抜き穴の開口率を実質的に
倍増したのと同様の効果が得られる。
【０００９】また、本発明の製造方法によると、抜き穴
を設けた台金の上に、プラズマ溶射により溶射砥粒層を
形成すると、同時に反対側に重ね合わされた別体の台金
上にも抜き穴の部分を通して溶射砥粒層が形成されるこ
とになり、ダイヤモンド砥粒の無駄な消費が回避できる
と共に、抜き穴を有する台金と、この台金をマスクとし
て溶射される別体の台金とに同時に溶射砥粒層が形成さ
れるものとなる。
を設けた台金の上に、プラズマ溶射により溶射砥粒層を
形成すると、同時に反対側に重ね合わされた別体の台金
上にも抜き穴の部分を通して溶射砥粒層が形成されるこ
とになり、ダイヤモンド砥粒の無駄な消費が回避できる
と共に、抜き穴を有する台金と、この台金をマスクとし
て溶射される別体の台金とに同時に溶射砥粒層が形成さ
れるものとなる。
【００１０】
【実施例】以下、実施例を図示して説明する。
【００１１】図１と図２には、本発明に係るダイヤモン
ド砥石の具体例が示されている。
ド砥石の具体例が示されている。
【００１２】図において、１はディスク状のダイヤモン
ド砥石を示し、鉄、アルミニウム合金等の金属製台金２
の上に、ほぼ均等な厚みで溶射砥粒層３が形成されてい
る。代表的な実施品の場合、台金２の肉厚Ｂ２；１〜２
mm、砥粒層３の肉盛厚Ｂ３；0.5〜１mmに形成される。
ド砥石を示し、鉄、アルミニウム合金等の金属製台金２
の上に、ほぼ均等な厚みで溶射砥粒層３が形成されてい
る。代表的な実施品の場合、台金２の肉厚Ｂ２；１〜２
mm、砥粒層３の肉盛厚Ｂ３；0.5〜１mmに形成される。
【００１３】上記台金２には、予めプレス加工等によ
り、円周上に放射状に分布させて、抜き穴４が適宜の開
口率で穿設されていると共に、隣接する抜き穴４、４間
の位置には、ボールエンドミル等による機械加工によっ
て、球面状の凹み穴５が千鳥状に設けられている。
り、円周上に放射状に分布させて、抜き穴４が適宜の開
口率で穿設されていると共に、隣接する抜き穴４、４間
の位置には、ボールエンドミル等による機械加工によっ
て、球面状の凹み穴５が千鳥状に設けられている。
【００１４】抜き穴４の部分については、勿論砥粒層３
が欠落している。これに対して、凹み穴５の部分につい
ては、その凹み形状に倣って台金２の表面とほぼ均等な
厚みで砥粒層３が形成されている。代表的な実施品の場
合、抜き穴径φ４； 3.5mm、凹み穴径φ５； 3.5mmの同
径サイズに設けられる。もっとも、溶射砥粒層３を形成
した後では、各凹み穴５のエッジにも砥粒層３が被覆形
成されるため、外観上凹み穴５のサイズは抜き穴４のサ
イズよりも幾分小さく現われることになる。
が欠落している。これに対して、凹み穴５の部分につい
ては、その凹み形状に倣って台金２の表面とほぼ均等な
厚みで砥粒層３が形成されている。代表的な実施品の場
合、抜き穴径φ４； 3.5mm、凹み穴径φ５； 3.5mmの同
径サイズに設けられる。もっとも、溶射砥粒層３を形成
した後では、各凹み穴５のエッジにも砥粒層３が被覆形
成されるため、外観上凹み穴５のサイズは抜き穴４のサ
イズよりも幾分小さく現われることになる。
【００１５】抜き穴４の部分を除いて、台金２の表面に
ほぼ均等に形成される溶射砥粒層３は、Ｎｉ、Ｃｕ等の
金属コーティングしたダイヤモンド砥粒（図示されず）
を、Ｎｉ、Ｃｏ、Ｃｕ、Ｃｕ−Ｓｎ、Ｗ等の金属結合剤
（或いは必要に応じてＷＣ、ＳｉＣ等の炭化物やアルミ
ナ等の酸化物粉末の骨材砥粒を含む場合がある）に分散
して保持させたもので、ダイヤモンド砥粒に対する溶射
砥粒層のメタルボンドの濡れ性（保持力）が良好で、溶
射砥粒層の台金に対する密着性が高く、しかも各凹み穴
５に対して、その凹み形状に倣って均一に被覆形成でき
るなどの特徴がある。
ほぼ均等に形成される溶射砥粒層３は、Ｎｉ、Ｃｕ等の
金属コーティングしたダイヤモンド砥粒（図示されず）
を、Ｎｉ、Ｃｏ、Ｃｕ、Ｃｕ−Ｓｎ、Ｗ等の金属結合剤
（或いは必要に応じてＷＣ、ＳｉＣ等の炭化物やアルミ
ナ等の酸化物粉末の骨材砥粒を含む場合がある）に分散
して保持させたもので、ダイヤモンド砥粒に対する溶射
砥粒層のメタルボンドの濡れ性（保持力）が良好で、溶
射砥粒層の台金に対する密着性が高く、しかも各凹み穴
５に対して、その凹み形状に倣って均一に被覆形成でき
るなどの特徴がある。
【００１６】なお、この溶射砥粒層の形成手段について
は、特願平２−２７４４１４号及び後の製造方法に関す
る実施例で詳記される。
は、特願平２−２７４４１４号及び後の製造方法に関す
る実施例で詳記される。
【００１７】このように抜き穴４と凹み穴５とを設けた
台金２に、抜き穴４の部分を除き、金属コーティングし
たダイヤモンド砥粒を金属結合剤に分散して保持させた
溶射砥粒層３を形成したダイヤモンド砥石１にあって
は、抜き穴４のチップポケット形成効果に凹み穴５によ
るチップポケット形成効果が重畳され、これにより冷却
水の溜まり機能や研削屑の排出機能、更には抜き穴４及
び凹み穴５の周囲のエッジ効果による面圧増強作用が加
わって、非常に研削能率の優れた特性が発揮される。し
かも、抜き穴４と凹み穴５とを併設することで、抜き穴
４単独では不可能な台金２のほぼ全表面に亘る高い開口
率を付与することできる。
台金２に、抜き穴４の部分を除き、金属コーティングし
たダイヤモンド砥粒を金属結合剤に分散して保持させた
溶射砥粒層３を形成したダイヤモンド砥石１にあって
は、抜き穴４のチップポケット形成効果に凹み穴５によ
るチップポケット形成効果が重畳され、これにより冷却
水の溜まり機能や研削屑の排出機能、更には抜き穴４及
び凹み穴５の周囲のエッジ効果による面圧増強作用が加
わって、非常に研削能率の優れた特性が発揮される。し
かも、抜き穴４と凹み穴５とを併設することで、抜き穴
４単独では不可能な台金２のほぼ全表面に亘る高い開口
率を付与することできる。
【００１８】次に、上記ダイヤモンド砥石の製造方法の
実施例について説明する。
実施例について説明する。
【００１９】抜き穴を設けた台金に溶射砥粒層を形成す
る場合、開口率が大きいと、溶射ガンから台金上に金属
結合剤粉末との混合粉で噴き付けられるダイヤモンド砥
粒が抜き穴の部分を通して無駄に逸散してしまうロスが
大きくなる不具合が認められる。そこで、抜き穴を設け
た台金の反対側に別体の台金を重ね合わせて、抜き穴を
設けた台金でマスキングして、もう一枚の台金上に同時
に溶射砥粒層を形成する方法が提案される。
る場合、開口率が大きいと、溶射ガンから台金上に金属
結合剤粉末との混合粉で噴き付けられるダイヤモンド砥
粒が抜き穴の部分を通して無駄に逸散してしまうロスが
大きくなる不具合が認められる。そこで、抜き穴を設け
た台金の反対側に別体の台金を重ね合わせて、抜き穴を
設けた台金でマスキングして、もう一枚の台金上に同時
に溶射砥粒層を形成する方法が提案される。
【００２０】図３は、この製造方法の概要を示し、抜き
穴４と図示省略の凹み穴５とを有する台金２（第１の台
金；凹み穴５を有しない場合も適用可）には、砥粒層形
成面と反対側に別体の台金６（第２の台金）を重ね合わ
せ、この状態で溶射ガン７からプラズマ溶射による砥粒
層３の肉盛りが行われる。
穴４と図示省略の凹み穴５とを有する台金２（第１の台
金；凹み穴５を有しない場合も適用可）には、砥粒層形
成面と反対側に別体の台金６（第２の台金）を重ね合わ
せ、この状態で溶射ガン７からプラズマ溶射による砥粒
層３の肉盛りが行われる。
【００２１】重ね合わされた台金２及び台金６の各砥粒
層形成面は、予めブラスト等の下地処理が行われると共
に、特願平２−２７４４１４号に開示されるように、溶
射ガン７からは金属コーティングしたダイヤモンド砥粒
と金属結合剤粉末等とを混合した混合粉８がプラズマ溶
射される。この際、溶射ガン７を図示矢印のように往復
移動して、台金２上に均等に溶射砥粒層３を形成して行
く。
層形成面は、予めブラスト等の下地処理が行われると共
に、特願平２−２７４４１４号に開示されるように、溶
射ガン７からは金属コーティングしたダイヤモンド砥粒
と金属結合剤粉末等とを混合した混合粉８がプラズマ溶
射される。この際、溶射ガン７を図示矢印のように往復
移動して、台金２上に均等に溶射砥粒層３を形成して行
く。
【００２２】このようすると、台金２上には、抜き穴４
の部分を除いて、凹み穴５の部分を含む全域にほぼ均一
な厚さにダイヤモンド砥粒を金属結合剤に分散して保持
させた溶射砥粒層３が形成され、他方、反対側に重合さ
れた台金６上にも、台金２をマスクとするマスク溶射が
行われることになる。即ち、台金２の抜き穴４の部分に
対応する分散状態で同様に溶射砥粒層９が形成される。
の部分を除いて、凹み穴５の部分を含む全域にほぼ均一
な厚さにダイヤモンド砥粒を金属結合剤に分散して保持
させた溶射砥粒層３が形成され、他方、反対側に重合さ
れた台金６上にも、台金２をマスクとするマスク溶射が
行われることになる。即ち、台金２の抜き穴４の部分に
対応する分散状態で同様に溶射砥粒層９が形成される。
【００２３】図４と図５は、台金２上に形成される溶射
砥粒層３と、該台金２をマスクして台金６上に形成され
る溶射砥粒層９との対応関係を示している。
砥粒層３と、該台金２をマスクして台金６上に形成され
る溶射砥粒層９との対応関係を示している。
【００２４】すなわち、マスクを兼ねる表面側の台金２
には、抜き穴４の除いて、図示しない凹み穴５を含む全
域に溶射砥粒層３が所望の厚みで形成され、一方、裏面
側の台金６には、台金２の抜き穴４の部分を通過して積
層される混合粉８の溶射砥粒層９が、マスク台金２の抜
き穴４の分布に対応した分散状態で形成されるものとな
る。
には、抜き穴４の除いて、図示しない凹み穴５を含む全
域に溶射砥粒層３が所望の厚みで形成され、一方、裏面
側の台金６には、台金２の抜き穴４の部分を通過して積
層される混合粉８の溶射砥粒層９が、マスク台金２の抜
き穴４の分布に対応した分散状態で形成されるものとな
る。
【００２５】従って、この製造方法に従えば、抜き穴４
を設けた台金２に溶射砥粒層３を形成する際の抜き穴４
を通過するダイヤモンド砥粒の無駄がなくなり、しかも
抜き穴４を有する台金２に全面的に溶射砥粒層３を形成
したダイヤモンド砥石と、台金２をマスクとして部分的
に溶射砥粒層９を形成したダイヤモンド砥石とが同時に
製造できるものとなる。
を設けた台金２に溶射砥粒層３を形成する際の抜き穴４
を通過するダイヤモンド砥粒の無駄がなくなり、しかも
抜き穴４を有する台金２に全面的に溶射砥粒層３を形成
したダイヤモンド砥石と、台金２をマスクとして部分的
に溶射砥粒層９を形成したダイヤモンド砥石とが同時に
製造できるものとなる。
【００２６】なお、上記製法で得られる後者の砥石につ
いては、各砥粒層９が独立して分散しているため、特に
エッジ効果が大きいという特性が認められ、例えば面圧
の高い重研削の用途などにはすこぶる優秀な研削性能を
示すことが確認されている。
いては、各砥粒層９が独立して分散しているため、特に
エッジ効果が大きいという特性が認められ、例えば面圧
の高い重研削の用途などにはすこぶる優秀な研削性能を
示すことが確認されている。
【００２７】図６は、この新型砥石の応用製品を図示
し、台金６上に飛び飛びに分散形成されている溶射砥粒
層９の隙間を、例えばＧＣ砥粒（グリーンカーボン）と
樹脂との混合層からなるドレッシング層１０でほぼ面一
に埋め込むようにしている。このようにすると、研削能
率の大きいドレッシング材付きのダイヤモンド砥石が新
たに創出できる。
し、台金６上に飛び飛びに分散形成されている溶射砥粒
層９の隙間を、例えばＧＣ砥粒（グリーンカーボン）と
樹脂との混合層からなるドレッシング層１０でほぼ面一
に埋め込むようにしている。このようにすると、研削能
率の大きいドレッシング材付きのダイヤモンド砥石が新
たに創出できる。
【００２８】
【発明の効果】以上のように、本発明のダイヤモンド砥
石では、抜き穴と凹み穴とを設けた台金に、抜き穴の部
分を除いて、金属コーティングしたダイヤモンド砥粒を
金属結合剤に分散して保持させた溶射砥粒層を形成した
ものであるため、抜き穴と凹み穴とによるチップポケッ
ト形成効果が相乗的に発現され、非常に研削能率に優れ
た砥石が実現される。
石では、抜き穴と凹み穴とを設けた台金に、抜き穴の部
分を除いて、金属コーティングしたダイヤモンド砥粒を
金属結合剤に分散して保持させた溶射砥粒層を形成した
ものであるため、抜き穴と凹み穴とによるチップポケッ
ト形成効果が相乗的に発現され、非常に研削能率に優れ
た砥石が実現される。
【００２９】また、本発明の製造方法によれば、抜き穴
を設けた台金の上に、反対側に別体の台金を重ね合わせ
た状態で溶射するマスク溶射の手法を採用しているた
め、抜き穴を有する台金に対する溶射砥粒層の形成が高
価なダイヤモンド砥粒のロスなく行え、しかもこの抜き
穴付きのダイヤモンド砥石と共に、台金上に溶射砥粒層
が分散して形成されたもう一枚の新規有用なダイヤモン
ド砥石が同時に製造できる。
を設けた台金の上に、反対側に別体の台金を重ね合わせ
た状態で溶射するマスク溶射の手法を採用しているた
め、抜き穴を有する台金に対する溶射砥粒層の形成が高
価なダイヤモンド砥粒のロスなく行え、しかもこの抜き
穴付きのダイヤモンド砥石と共に、台金上に溶射砥粒層
が分散して形成されたもう一枚の新規有用なダイヤモン
ド砥石が同時に製造できる。
図面は本発明の実施例を示す。
【図１】抜き穴及び凹み穴を設けたダイヤモンド砥石の
平面図である。
平面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。
【図３】製造方法の実施例を示す断面図である。
【図４】抜き穴を設けたダイヤモンド砥石の部分断面及
び平面図である。
び平面図である。
【図５】マスク溶射で製造されたダイヤモンド砥石の部
分断面及び平面図である。
分断面及び平面図である。
【図６】マスク溶射で製造されたダイヤモンド砥石の応
用製品を示す断面図である。
用製品を示す断面図である。
１ ダイヤモンド砥石 ２ 台金 ３ 溶射砥粒層 ４ 抜き穴 ５ 凹み穴 ６ 台金 ７ 溶射ガン ８ 溶射混合粉 ９ 溶射砥粒層 １０ ドレッシング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−76382（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−202780（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−193776（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−34078（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−161619（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−168867（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−14090（ＪＰ，Ａ) 実開 昭52−129090（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−44559（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B24D 3/06 B24D 3/00 B24D 7/00
Claims (2)
- 【請求項１】 台金表面に、金属コーティングしたダイ
ヤモンド砥粒と金属結合剤粉末とを混合してなる混合粉
を溶射してなる溶射砥粒層が形成されている、ダイヤモ
ンド砥石において、 台金には、抜き穴だけでなく、台金表面に凹み穴も設け
られており、 溶射砥粒層は、抜き穴以外の、凹み穴も含めた台金表面
に形成されていることを特徴とするダイヤモンド砥石。 - 【請求項２】 抜き穴を設けた第１の台金の表面に、金
属コーティングしたダイヤモンド砥粒と金属結合剤粉末
とを混合してなる混合粉を溶射して溶射砥粒層を形成す
る、ダイヤモンド砥石の製造方法において、 上記第１の台金の裏面側に、別体である第２の台金を重
ね合わせた状態で配置し、上記第１の台金の表面側から
上記混合粉をプラズマ溶射して、上記第１の台金の表面
に抜き穴の部分を除いて溶射砥粒層を形成すると共に、
上記第２の台金の表面の、上記第１の台金の抜き穴に対
向した部分にも溶射砥粒層を形成し、それによって、上
記第１の台金を備えたダイヤモンド砥石と上記第２の台
金を備えたダイヤモンド砥石とを同時に得ることを特徴
とするダイヤモンド砥石の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2414521A JP3029466B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | ダイヤモンド砥石及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2414521A JP3029466B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | ダイヤモンド砥石及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04223871A JPH04223871A (ja) | 1992-08-13 |
| JP3029466B2 true JP3029466B2 (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=18522987
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2414521A Expired - Lifetime JP3029466B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | ダイヤモンド砥石及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3029466B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20140141173A1 (en) * | 2012-11-16 | 2014-05-22 | General Electric Company | Method of applying a coating to a perforated substrate |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6200360B1 (en) | 1998-04-13 | 2001-03-13 | Toyoda Koki Kabushiki Kaisha | Abrasive tool and the method of producing the same |
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