JP3029065B2 - 免疫抑制剤としての5’−アミン置換アデノシン類似体 - Google Patents

免疫抑制剤としての5’−アミン置換アデノシン類似体

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JP3029065B2
JP3029065B2 JP3233819A JP23381991A JP3029065B2 JP 3029065 B2 JP3029065 B2 JP 3029065B2 JP 3233819 A JP3233819 A JP 3233819A JP 23381991 A JP23381991 A JP 23381991A JP 3029065 B2 JP3029065 B2 JP 3029065B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、免疫抑制剤として有用
な、ある5’−アミン置換アデノシン類似体類の用途に
関する。
【0002】
【従来の技術】免疫は、体内に存在する抗原性異物の認
識と処分に関わっている。典型的には、抗原は粒状物
(すなわち細胞、細菌等)、又は大きな蛋白質又は多糖
類分子の形にあり、これらは免疫系によって「自己でな
いもの」、すなわち動物自身の構成分とは異なる、外来
のものとして認識される。抗原となる可能性のあるもの
は種々の物質であり得、しばしば蛋白質であって、これ
らは最も多くの場合、細胞の外表面上に位置している。
例えば、抗原となる可能性のあるものは、花粉の粒、組
織移植、動物寄生虫、ビ−ルス、及び細菌において見出
されている。抗原材料が免疫系によって「自己でないも
の」と認識されると、自然免疫(非特異的)及び/又は
適応免疫応答が、特異的免疫細胞、抗体及び補足系の作
用によって開始され、維持されうる。ある病状を含めた
ある条件下で、動物の免疫系は自己の構成分を「自己で
ないもの」と認識し、「自己の」物質に対して免疫応答
を開始する。
【0003】免疫応答は、免疫系によって自然機構、又
は適応機構を用いて実施でき、その各々は細胞で媒介さ
れる要素と体液性の要素とからなっている。免疫応答の
自然機構とは、ある細菌類、ウイルス、組織損傷、及び
その他の抗原に対して反応するうえで、補足系と骨髄細
胞のみ、例えば大食細胞、マスト細胞、及び多形核球
(PMN)を含めた本質的に非特異的免疫反応に関与して
いる機構のことである。これらの自然機構は、自然免疫
と言われるものを提供する。免疫応答の適応機構は、
「自己でないもの」と認識された数千の異なる材料に選
択的に応答できるリンパ球(T及びB細胞)と抗体によ
って媒介される機構のことである。これらの適応機構
は、適応免疫と言われるものを提供し、動物自身の環境
への適応における応答の特異的な記憶と永久的に変更さ
れたパターンをもたらす。適応免疫はリンパ球と抗体に
よって提供されるか、又はより一般的には、リンパ球及
び抗体と自然免疫機構の補足系及び骨髄細胞との相互作
用によって提供される。抗体は適応免疫応答の体液性要
素を提供し、T細胞は適応免疫応答の細胞媒介要素を提
供する。
【0004】自然免疫応答機構は、大食細胞とPMNによ
る食作用を伴い、それによって異物又は抗原はこれらの
細胞に飲み込まれ、処分される。更に、大食細胞はその
細胞毒性効果を通して幾分の外来細胞を殺す。自然免疫
にも関与する補足系は、種々のペプチド類と酵素からな
っており、これらは異物や抗原に結合し、それによって
大食細胞とPMNによる食作用を促進し、また細胞の溶解
や炎症効果が起るようにする。
【0005】免疫応答の適応機構は、Bリンパ球(又は
B細胞)によって分泌される抗体の特異的抗原に対する
作用、並びに特異的抗原、B細胞、その他のT細胞、及
び大食細胞に対する種々のTリンパ球(又はT細胞)の
作用を伴う。適応免疫の体液面を担当する抗体は、B細
胞によって分泌される血清グロブリンであって、異なる
抗原に対して広範囲の特異性をもっている。抗体は特異
的抗原の認識に応じて分泌され、広範囲の保護的応答を
提供する。抗体は細菌毒素に結合して、これを中和し、
また「自己でないもの」として認識されるウイルス、細
菌、又はその他の細胞の表面に結合して、PMN及び大食
細胞による食作用を促進する。そのうえ、抗体は補足系
を活性化して、特異的抗原に対する免疫応答を更に開始
させる。
【0006】リンパ球は、血液中に見出される小さな細
胞であって、血液から循環し、組織を通り、リンパ系を
経由して血液に戻る。リンパ球には、B細胞とT細胞と
いう二つの主要な下位集団がある。B細胞とT細胞はい
ずれも同じリンパ様幹細胞に由来しており、B細胞は骨
髄において分化し、T細胞は胸腺において分化する。リ
ンパ球はある制限的な受容体を所有し、これらは各細胞
が特異的抗原に応答することを可能とする。これは、適
応免疫応答の特異性の基盤を提供している。更に、リン
パ球は比較的長い寿命をもち、適当な信号を受けると、
クローナルに増殖する能力をもっている。この性状は適
応免疫応答の記憶面の基盤を提供している。
【0007】B細胞は適応免疫の体液面を担当するリン
パ球である。特異的外来抗原の認識に応じて、B細胞は
その特異的抗原に結合する特異的抗体を分泌しよう。抗
体は毒素の場合には抗原を中和し、その他の抗原の場合
は食作用を促進する。抗体は、補足系の活性化にも関与
しており、侵入抗原に対する免疫応答を更に拡大する。
【0008】T細胞は、適応免疫の細胞媒介面を担当す
るリンパ球である。細胞毒性T細胞、ヘルパーT細胞、
及びサプレッサーT細胞の3主要型がある。細胞毒性T
細胞は特異的ウイルス抗原に感染した細胞を検出し、破
壊する。ヘルパーT細胞は種々の調節機能をもってい
る。ヘルパーT細胞は、特異的抗原を確認のうえ、適当
なB細胞による抗原への抗体の応答を促進又は強化で
き、また大食細胞による抗原の食作用を促進又は強化で
きる。サプレッサーT細胞は、特定抗原に向けられる免
疫応答を抑制する効果をもっている。
【0009】細胞媒介される免疫応答は、骨髄細胞とリ
ンパ球細胞によって分泌される種々の調節メッセンジャ
ー化合物類を通して、T細胞によって制御、監視され
る。これらの調節メッセンジャー化合物類の分泌を通し
て、T細胞はB細胞、大食細胞、PMN及びその他のT細
胞のような他の免疫細胞の増殖と活性化を調節できる。
例えば、外来抗原と結合すると、大食細胞その他の抗原
提示細胞はインターロイキン-1(IL-1)を分泌し、これ
がヘルパーT細胞を活性化する。次に、T細胞はインタ
ーロイキン-2(IL-2)とγ-インターフェロンを含めた
あるリンホカイン類を分泌し、そのどちらも細胞媒介さ
れた免疫応答において種々の調節効果をもっている。リ
ンホカイン類はT細胞(及び時によってはB細胞)でつ
くられる分子の大きな一族であり、以下のものを包含し
ている。 IL-2 − これはT細胞のクローナル増殖を促進する。 MAF − 大食細胞活性化因子。これは、食作用、細胞
内破壊、及び種々の細胞毒性因子の分泌を含めた多くの
大食細胞機能を高める。 NAF − 好中球活性化因子。これは食作用を含めたPMN
の多くの機能を高める。 MIF − 大食細胞移動因子。これは大食細胞の運動を
制限することにより、T細胞の近くに大食細胞を集め
る。 γ-インターフェロン − これは活性化されたT細胞
でつくられ、ウイルス複製の抑制、第II種組織調和性分
子の表現誘導による抗原結合及び提示の活性化、大食細
胞の活性化、細胞成長の抑制、幾つかの骨髄細胞系統の
分化誘導を含めた、多くの細胞に対して広範囲の効果を
つくりだせる。
【0010】活性化された大食細胞とPMNは、細胞媒介
される適応免疫の一部として強化された免疫応答を提供
するもので、反応性酸素中間体の生産増加を特徴として
いる。反応性酸素中間体のこの生産増強、ないし呼吸器
急増は、「プライミング」として知られている。γ-イ
ンターフェロンのようなあるリンホカイン類は、大食細
胞とPMNでの反応性酸素中間体のこの呼吸器急増を誘発
する。従って、T細胞によって分泌されるγ-インター
フェロンのようなリンホカイン類は、これらの大食細胞
とPMNの活性化を提供し、強化された細胞媒介による免
疫応答をもたらす。
【0011】免疫応答は即時型又は遅延型の応答を提供
しうる。遅延型過敏症は、抗原接種後24-48時間以内に
免疫反応患者に起る炎症反応であり、主に細胞媒介され
る免疫応答の結果である。対照的に、アナフィラキシー
反応やアルチュス反応に見られるような即時型過敏症
は、抗原接種後数分から数時間以内に免疫反応患者に起
る炎症反応であり、主に体液性の免疫応答又は抗体で媒
介される免疫応答の結果である。
【0012】免疫系、特に細胞媒介される免疫系の、
「自己」抗原と「自己でない」抗原とを区別する能力
は、侵入する微生物に対する特異的防衛として、免疫系
の機能にとって重要である。「自己でない」抗原は、動
物自身の構成分とは検出可能的に異なるか外来であるよ
うな体内物質に対する抗原であり、また「自己」抗原は
動物自身の構成分とは検出可能的に異なっていないか、
又は外来のものではない抗原である。免疫応答は、病気
を起こしうる異物に対する主要な防衛であるが、これは
助けとなる異物と有害な異物とを区別できず、両方とも
破壊する。
【0013】同種移植や「移植片対宿主」病のようなあ
る状況があり、その場合、助けとなる外来組織又は臓器
の拒絶反応を予防するために、免疫系を抑制することが
極めて有用であろう。同種組織及び臓器は、同じ種の遺
伝的に異なる成員からの組織及び臓器である。「移植片
対宿主」病は、例えば骨髄移植において、移植された組
織が提供者の同種T細胞を含有し、これらのT細胞が受
領者の組織に対して免疫応答を起こす場合に発生する。
体液性及び細胞媒介性免疫応答は、同種組織及び臓器の
拒絶において役割を果すが、関与している主要な機構は
細胞媒介された免疫応答である。従って、免疫応答の抑
制、特に細胞媒介される免疫応答の抑制は、同種移植の
組織及び臓器のこのような拒絶を予防する上で有用であ
ろう。例えば、シクロスポリンAは、同種移植を受ける
患者の処置において、また「移植片対宿主」病の処置に
おいて免疫抑制剤として現在使用されている。
【0014】アレルギ−反応の場合のように、人の免疫
応答が侵入してくる微生物や異物よりも多くの損傷や不
快感を生じる事がある。これらの場合には、免疫応答を
抑制する事が望ましい。
【0015】時々、免疫機構は人自身の体の一部に対し
感作されて、その部分との相互作用又はその部分の破壊
さえ生じる。「自己」と「自己でないもの」とを区別す
る能力が損われ、体が自分自身を破壊し始める。これ
が、慢性関節リウマチ、インシュリン依存性糖尿病(イ
ンシュリンの分泌を担当するランゲルハンス島のβ-細
胞の自己免疫破壊を伴うもの)、ある種の溶血性貧血、
リウマチ熱、甲状腺炎、潰瘍形成性大腸炎、重症筋無力
症(myasthenia gravis)、糸球体腎炎、アレルギ−性脳
脊髄炎、時々ビ−ルス性肝炎に続く進行性の神経及び肝
臓の破壊、多発性硬化症及び全身的な紅斑性狼瘡のよう
な自己免疫病を起こすことがある。自己免疫のある形態
は、リンパ球に通常は暴露されない区域、例えば神経組
織又は眼の水晶体への外傷の結果生じる。これらの区域
の組織がリンパ球にさらされるとそれらの表面蛋白質は
抗原として作用し、抗体の生産及び細胞性免疫応答を誘
発し、これがこれらの組織を破壊し始める。他の自己免
疫病は人が人自身の組織と抗原性の類似した、即ち交差
反応をするような抗原に暴露された後に生じる。リウマ
チ熱はこの種の病気の例であり、ここではリウマチ熱を
起こす連鎖球菌の抗原が、人の心臓の一部と交差反応性
である。抗体は細菌抗原と心筋抗原との間の区別がつか
ず、これらの抗原のいずれかを有する細胞は破壊され得
る。これらの自己免疫病における免疫系の抑制は、病気
の影響を最小限にするのに有用であろう。これらの免疫
病のあるもの、例えばインシュリン依存性糖尿病、多発
性硬化症、及び慢性関節リウマチは細胞媒介性の自己免
疫応答の結果として特徴づけられ、T細胞の作用のため
と考えられる[シンハ(Sinha)ら、Science 248巻1380
頁(1990年)を参照]。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このように、免疫応答
の抑制は、自己免疫病にかかった患者の処置に有用であ
ろう。更に詳しくは、細胞媒介される免疫応答の抑制は
インシュリン依存性糖尿病、多発性硬化症、及び慢性関
節リウマチのようなT細胞の作用によって起こる自己免
疫病にかかった患者の処置に有用であろう。
【0017】
【課題を解決する手段】本発明は、式(1)
【化3】 〔式中RはH、メチル又はエチルであり、Qは以下に記
載される式Ia〜Ifの基を表わし、
【化4】 式中R1はH又はFであり、nは1又は2の整数であ
り、V1はH又はメチルであり、V2はH又はCOOHで
あり、W、X、Y及びZはそれぞれ独立にH、F、Cl
又はBrである〕の化合物又は製薬上受け入れられるそ
の塩の免疫抑制有効量を、免疫抑制を必要とする患者に
投与することを含めてなる、患者の免疫抑制を行なう方
法を提供している。
【0018】更に詳しくは、本発明は式(1)化合物の免
疫抑制有効量を、免疫抑制を必要とする患者に投与する
ことを含めてなる、患者の細胞媒介性免疫を抑制する方
法を提供している。
【0019】本明細書で使用される用語の「H」とは水
素原子、「F」とはフッ素原子、「Cl」とは塩素原
子、「Br」とは臭素原子、「COOH」とはカルボキ
シル基のことである。
【0020】本発明の化合物の製薬上受け入れられる塩
の例は無機酸、好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸、又
は燐酸、そして有機酸、例えばメタンスルホン酸、サリ
チル酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、及
びアスコルビン酸と形成される塩である。これらの塩は
この分野で良く知られた標準の技術及び方法で製造でき
る。
【0021】本質的に、式Iの化合物の製造は、この分
野で知られた類似の技術及び化学方法によって実施でき
る。特定の経路の選択は出発物質の入手可能性及びコス
ト、中間体及び最終化合物の分離精製に於ける時間及び
困難性、及び当業者に一般に知られ認められる他の要因
等の、製薬研究所に於ける通常の要因に依存している。
【0022】一般に式(1)の化合物は反応経路Aに記
載された反応式に従って製造できる。反応経路A
【化5】 式中Ad’は式
【化6】 のアデニル基であり、R2X’は次の(3a〜3f)の
反応体である。
【化7】
【0023】本明細書で、PgはN−保護基、好ましく
はt−ブトキシカルボニル(Boc)又はフタルイミド
(Pht)を表わす(この場合PgNH部分のHは存在
しない)。X’はOTF(トリフレ−ト)又はクロロ、
ブロモ又はヨード基を表わす。R、R1、V1、V2
n、W、X、Y、及びZは式(1)で定義した通りであ
る。R2は勿論X’部分に結合した3a〜3fの部分を
表わす。V2がCOOHであるときはV2はCOOH官能
基の、反応から保護された誘導体、例えばt−ブトキシ
誘導体でありうる。更に反応体2のリボフラノシル部分
の2’−及び3’−ヒドロキシル基はイソプロピリデン
保護基で封鎖される。
【0024】X’がハライドであるときに反応体2及び
3の縮合を実施するにあたって、条件A−aが用いら
れ、ここで塩基(好ましくは炭酸カリウムの存在下で、
塩基性溶媒(好ましくはアセトニトリル)中で約30℃
〜80℃の温度で当モル量の反応体が一緒に反応され
る。X’がトリフレートであるときは条件A−bが使用
され、ここで反応体は塩基(好ましくはトリエチルアミ
ン)の存在下で塩基性溶媒(好ましくはジメチルホルム
アミド)中で約30℃〜80℃で一緒に加熱される。
【0025】N−保護基の除去は標準の技術で容易に実
施される。保護基がt−ブトキシカルボニルであるとき
は、この保護基は例えば24〜48時間室温で1N硫酸
で処理され、続いて0℃でアルコ−ル、好ましくはエタ
ノールで処理されることによって除去され得る。保護基
がフタルイミドであるときは、除去は(古典的な技術を
用いて)ヒドラジンのエタノール性溶液を用いて実施で
きる。R2がフッ素原子を含有するときは、フタルイミ
ド保護基が使用される。リボフラノシル部分のイソプロ
ピリデン保護基の除去は、室温での加水分解(好ましく
は1N硫酸を用いる)によって、一般にN−保護基の除
去と共に容易に実施される。
【0026】反応経路Aの中間体及び最終生成物の単離
及び精製は標準の技術、例えば再結晶化、HPLC、フ
ラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)等によって
実施される。
【0027】反応経路Aの縮合に必要とされる中間体、
即ちR2X’に対し定義された中間体の製造も以下の特
定の実施例で説明されている下記の一般方法に概略が示
される類似の知られた方法を使用することによって実施
できる。
【0028】R2X’がサブゼネリックな基3eを表わ
すときは、反応は条件A−aのもとで進行し、ここで
X’は好ましくはクロロであり、N−保護基は好ましく
はBocである。適当なV1、V2、W、Z置換−N−保
護−4−クロロ−2−ブテン−1−アミンは次の反応経
路Bにより都合良くつくられ、ここで保護基(Pht及
びBoc)及びV1、V2、W及びZは前に定義した通り
であり、(THP)はテトラヒドロピランである。
【0029】反応経路B
【化8】 段階B−aで、シス−ジオ−ルB−1が触媒量のピリジ
ニウム−p−トルエンスルホネ−トの存在下で0℃で無
水溶媒(又は混合物)(例えばCH2Cl2:THF、
2:1)中で約24〜28時間ジヒドロピランと反応さ
せられる。
【0030】段階B−bでB−2はミツノブ型の分子間
脱水反応でB−3に転換される。B−2はジエチルアゾ
ジカルボキシレ−ト(DEAD)及びトリフェニルホス
フィンと、温和な中性条件下で、不活性雰囲気下(窒
素)で、約0℃で無水溶媒(例えばTHF)中でフタル
イミドの存在下で処理されるが、この反応は室温で約1
2時間続けられる。
【0031】段階B−cで、B−3はエタノール中で、
還流で約12時間ヒドラジン水和物で処理されて、フタ
ルイミド及びTHP保護基を除去する。生じる遊離アミ
ンをジクロロメタン中で還流することによってジ−t−
ブチルカルボキシレ−トで再保護する。
【0032】段階B−dで、アルコ−ル(B−4)は無
水溶媒、好ましくはジクロロメタン中で塩基性条件(T
EA)下でメシルクロライドとの反応によってそれらの
クロライドに転換される。これらの式(3e)のシス生
成物は、一般にシリカゲル上でのフラッシュクロマトグ
ラフィーを用いて精製したあと、反応経路Aに記載した
技術に従って式(2)の反応体と縮合する準備が出来
る。
【0033】3−eの化合物のトランス立体配置を製造
することが望まれる場合には、W、Z、V1、V2置換N
−保護−トランス−1−ブロモ−4−アミノ−2−ブテ
ンを用いるのが好ましい。適当な反応体はW、Z、
1、V2−置換−トランス−1−ブロモ−4−アミノ−
2−ブテンを無水DMF中で約50℃で24時間、この
分野で良く知られた標準手順に従ってフタルイミドカリ
ウムと反応させることによって容易に製造される。
【0034】3−cクラスの必要なR2X’反応体は
W、Z、V2−置換α,α−ジクロロキシレンの適当な
ものから容易に製造でき、ここでこの化合物はフタルイ
ミドカリウムによる置き換え反応にかけられて、反応体
を約50℃で約24時間、無水DMF中で加熱すること
によってα−フタルイミド−α’−クロロキシレンを形
成し、そのように形成された化合物はシリカゲルからの
フラッシュクロマトグラフィーの通常の技術で精製され
る。
【0035】適当なV1、V2、X、Y−置換3−クロロ
−2−クロロメチル−1−プロペンから出発して、同様
に無水ジメチルフルオロメタン中で、約24時間、約5
0℃で反応体を加熱することによって、前記のフタルイ
ミドカリウムとの置き換え反応によって、3−aクラス
の望まれるR2X’反応体を同様に製造し、続いて通常
の技術、例えばフラッシュクロマトグラフィーによって
精製する。特定のV1、V2、X、Y−置換反応体が既知
の化合物でない場合は、そのような化合物はこの分野で
良く知られ理解されている手順及び技術によって造られ
得る。
【0036】以下に記載した特定の実施例に加えて、シ
ス−5’−(4−アミノ−4−カルボキシ−2−ブテニ
ル)メチルアデノシンの製造の化学は、トルマン及びセ
ドゥメラの記事(Tetrahedron Letters 29巻No.4
7、6183−6184頁、1988)「不飽和アミノ
酸:L−オルニチン及びL−アルギニンのトランス−
3,4−ジデヒドロ類似体の合成」から同様に誘導され
得る。この化学の応用は、次の反応経路Cに表わされる
が、ここでAcはアシル基をさす。
【化9】
【0037】前記の反応を実施するにあたって、段階
(a)は臭素との反応による(6)のジブロモ化を含ん
でおり、この反応体は室温で適当な溶媒(例えばCC
l4)中に置かれる。生じるジブロモ類似体はテトラヒド
ロフラン中でカリウムt−ブトキシドとの反応、又はD
BU等のアミンとの反応によって脱ブロモ化される。そ
のようにして得た化合物(7)を次に、〔1〕25℃で
20分間トリフルオロ酢酸で処理し、〔2〕25℃で3
時間で塩化チオニルで処理し、〔3〕テトラヒドロフラ
ン中で−30℃で1時間DiBalで処理し、化合物
(8)を造る。段階cは(8)を塩基(例えばNaOH
/H2O)で、テトラヒドロフラン中で20分間処理
し、続いて50℃で希HCl中で処理し、化合物(9)
を造る。この化合物を触媒量の硫酸の存在下で、イソブ
チレンで処理し、生じるアルコ−ルを塩化メシルで処理
することによって、対応するクロライドに転換し、化合
物(10)を造る。この化合物を次に反応経路A(ここ
で化合物(10)はR2X’に対応しX’はクロロであ
る)の手順に従って式(2)のアデノシン誘導体との反
応にかけることによって、化合物(4)に同様に対応し
ている化合物[即ち化合物(11)]を造る。
【0038】生じる三重結合含有化合物をリンドラ−触
媒(H2/PdSO4)の存在下で水素添加を用いて部分
的に還元し、生じるブテンを(t−ブトキシド及びイソ
プロピリデン保護基を除去する為)硫酸で処理する。最
終段階は、そのようにして造られた最後から二番目の化
合物をpH7.2で37℃でアシラ−ゼI(メルク)に
かけ、N−保護アシル部分を除去し、所望の化合物(1
2)、即ち、シス−5’−デオキシ−5’−(4−アミ
ノ−4−カルボキシ−2−ブテン)メチルアミノアデノ
シンを造る。
【0039】次の実施例は本発明の必要な中間体及び最
終生成物の生成を例示する。 実施例1 シス−5’−デオキシ−5’−(4−アミノ
−2−ブテニル)メチルアミノアデノシンの製造 段階A シス−4−テトラヒドロピラニロキシ−2−ブ
テン−1−オール ジヒドロピラン(9.1ml、100mモル)を、無水
ジクロロメタン:テトラヒドロフラン(2:1)中の2
−ブテン−1,4−ジオ−ル(8.8g、10mモル)
及びピリジニウムパラトルエンスルホネ−ト(0.25
g、10mモル)の冷却された(0℃)溶液に滴下し
た。混合物を2日間0℃で攪拌し、次に真空で濃縮し
た。残留物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフ
ィー(酢酸エチル:ヘキサン、3:7)で精製して、表
題化合物8.3gを得た(49%)。
【0040】段階B シス−1−フタルイミド−4−テ
トラヒドロピラニロキシ−2−ブテン 窒素雰囲気下で、ジエチルアゾジカルボキシレ−ト
(1.61ml、10mモル)を無水テトラヒドロフラ
ン(50ml)中のシス−4−テトラヒドロピラニロキ
シ−2−ブテン−1−オール(1.7g、9mモル)、
トリフェニルホスフィン(2.2g、10mモル)及び
フタルイミド(1.47g、10mモル)の冷却された
(0℃)溶液に加えた。添加が完了したとき(5分
間)、反応混合物を室温に温め、12時間攪拌した。次
に混合物を真空で濃縮し、酢酸エチル(200ml)で
希釈し、塩水(150ml)で洗浄した。通常のワ−ク
アップの後(100mlの酢酸エチルで3回水相を抽
出)、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、瀘過し、真
空で濃縮し、生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマ
トグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン、2:8)で精製
して、表題化合物1.9gを得た(64%)。
【0041】段階C シス−ターシオブトキシカルボニ
ル−4−ヒドロキシ−2−ブテニル−1−アミン エタノ−ル(20ml)中のシス−1−フタルイミド−
4−テトラヒドロピラニロキシ−2−ブテン(1.9
g、3mモル)及びヒドラジン水和物(0.35ml、
6.9mモル)を還流下で12時間加熱した。次に混合
物を真空で濃縮し、1N塩酸(20ml)で希釈し、還
流下で1時間加熱した。次にフタリルヒドラジドを瀘去
し、瀘液を真空で濃縮した。残留物をトリエチルアミン
で中和した(pH8.9)ジクロロメタン(100m
l)中に取りだし、ジクロロメタン(5ml)中のジタ
−シオブチルジカ−ボネ−ト(1.65g、7.5mモ
ル)の溶液を加えた。混合物を還流下で一夜加熱し、通
常のワ−クアップの後、シリカゲル上のフラッシュクロ
マトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン、25:75)
で生成物が得られた(0.8g、74%)。
【0042】段階D シス−N−ターシオブトキシカル
ボニル−4−クロロ−2−ブテニル−1−アミン 塩化メシル(0.6ml、7.6mモル)を無水ジクロ
ロメタン(30ml)中のシス−ターシオブトキシカル
ボニル−4−ヒドロキシ−2−ブテニル−1−アミン
(1.3g、7mモル)及びトリエチルアミン(1.1
ml、7.6mモル)の冷却した(0℃)溶液に加え
た。混合物を一夜攪拌し、通常のワ−クアップの後、表
題生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィ
で精製した(酢酸エチル:ヘキサン、2:8)(0.8
g、57%)。
【0043】段階E シス−5’−デオキシ−5’(N
−ターシオブトキシカルボニル−4−アミノ−2−ブテ
ニル)−メチル−アミノ−2’,3’−イソプロピリデ
ンアデノシン アセトニトリル(20ml)中のシス−N−ターシオブ
トキシカルボニル−4−クロロ−2−ブテニル−1−ア
ミン(0.6g、3mモル)、5’−デオキシ−5’−
メチルアミノ−2’,3’−イソプロピリデンアデノシ
ン(0.97g、3mモル)、炭酸カリウム(0.42
g、3mモル)及びヨウ化ナトリウム(0.05g、
0.3mモル)の溶液を還流下で一夜加熱した。次に混
合物を酢酸エチルで希釈し、塩水で洗浄し、硫酸マグネ
シウム上で乾燥した。生成物をシリカゲル上のフラッシ
ュクロマトグラフィー(ジエチルアミン:クロロホル
ム、2:98)で精製した(1.1g、55%)。
【0044】段階F シス−5’−デオキシ−5’(4
−アミノ−2−ブテニル)メチルアミノアデノシン 1N硫酸(5ml)中のシス−5’−デオキシ−5’
[(N−ターシオブトキシカルボニル−4−アミノ−2
−ブテニル)メチル−アミノ]−2’,3’−イソプロ
ピリデンアデノシン(0.9g、1.8mモル)の溶液
を室温で2日間放置した。次に混合物をエタノ−ル(2
00ml)で希釈し、一夜冷却した(0℃)。沈殿を瀘
去し、最少量の水中に溶解し、次にエタノ−ル(200
ml)で再沈殿させた。この手順を2回繰返して表題化
合物を得た(0.5g、融点260℃分解)。
【0045】実施例2 トランス−5’−デオキシ−
5’−(4−アミノ−2−ブテニル)メチルアミノアデ
ノシンの製造 段階A トランス−1−ブロモ−4−フタルイミド−2
−ブテン 無水ジメチルホルムアミド(200ml)中のトランス
−1,4−ジブロモ−2−ブテン(6.4g、30mモ
ル)及びフタルイミドカリウム(5.6g、30mモ
ル)の混合物を50℃で24時間加熱した。次に反応混
合物を真空で濃縮し、酢酸エチル中に溶解し、塩水で洗
浄し、純粋な表題生成物がシリカゲル上のフラッシュク
ロマトグラフィーで得られた(酢酸エチル:ヘキサン、
15:85)(3.2g、40%)。
【0046】段階B トランス−5’−デオキシ−5’
−(4−フタルイミド−2−ブテニル)メチルアミノ−
2’,3’−イソプロピリデンアデノシン 無水アセトニトリル(100ml)中のトランス−1−
ブロモ−4−フタルイミド−2−ブテン(2g、7.5
mモル)、炭酸カリウム(1.6g、11.5mモ
ル)、及び5’−デオキシ−5’−メチルアミノ−
2’,3’−イソプロピリデンアデノシン(2.4g、
7.5mモル)の混合物を還流下で一夜加熱した。次に
混合物を真空で濃縮し、ジクロロメタン中に溶解し、瀘
過し、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー
(クロロホルム:ジエチルアミン、98:2)で精製
し、表題化合物を得た(1.25g、33%)。
【0047】段階C トランス−5’−デオキシ−5’
−(4−ターシオブトキシカルボニルアミノ−3−ブテ
ニル)−メチルアミノ−2’,3’−イソプロピリデン
アデノシン 無水エタノ−ル中のトランス−5’−デオキシ−5’−
(4−フタルイミド−2−ブテニル)メチルアミノ−
2’,3’−イソプロピリデンアデノシン(1g、2m
モル)及びヒドラジン水和物(0.1ml、2mモル)
の混合物を還流下で一夜加熱した。次に混合物を真空で
濃縮し、水中に溶解し(30ml)、そしてpHを氷酢
酸で4に調節し、0℃に冷却した。次に混合物を瀘去
し、瀘液をトリエチルアミンでpH9に中和し、真空で
濃縮した。残留物をジクロロメタン中に溶解し、ジター
シオブチルジカ−ボネ−ト(0.45g、2mモル)を
加えた。混合物を還流下で一夜加熱し、次に通常のワ−
クアップの後、生成物がシリカゲル上のフラッシュクロ
マトグラフィー(ジエチルアミン:ジクロロメタン、
2:98)で精製し、表題化合物を得た(0.5g、5
1%)。
【0048】段階D トランス−5’−デオキシ−5’
−(4−アミノ−2−ブテニル)メチルアミノアデノシ
ン 1N硫酸(3ml)中のトランス−5’−デオキシ−
5’−(4−タ−シオブトキシカルボニルアミノ−2−
ブテニル)メチルアミノ−2’,3’−イソプロピリデ
ンアデノシン(0.4g、0.96mモル)の懸濁液を
室温で2日間攪拌した。次に混合物を無水エタノ−ル
(100ml)で希釈し、0℃で一夜冷却した。生成物
を瀘去し、最少量の水に溶解し、エタノ−ル(100m
l)で沈殿させた。この手順を2回繰返し、表題化合物
を得た(0.16g)、融点250〜260℃、分解。
【0049】実施例3 5’−デオキシ−5’−(4−
アミノ−2−ブチニル)メチルアミノアデノシンの製造 段階A 1−クロロ−4−フタルイミド−2−ブチン 1,3−ジクロロ−2−ブチン(4.9ml)、50m
モル)及びフタルイミドカリウム(5.6g、30mモ
ル)の混合物を50℃で24時間加熱した。次に混合物
を真空で濃縮し、酢酸エチルで希釈し、通常のワ−クア
ップの後、生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマト
グラフィーで精製し、4.3gの表題化合物を得た(6
2%)。
【0050】段階B 5’−デオキシ−5’−(4−フ
タルイミド−2−ブチニル)メチルアミノ−2’,3’
−イソプロピリデンアデノシン 無水アセトニトリル(100ml)中の1−クロロ−4
−フタルイミド−2−ブチン(1.4g、6mモル)、
5’−デオキシ−5’−メチルアミノ−2’,3’−イ
ソプロピリデンアデノシン(1.6g、5mモル)及び
ヨウ化ナトリウム(0.075g、0.5mモル)の混
合物を還流下で一夜加熱した。次に混合物を濃縮し、ジ
クロロメタンで希釈し、瀘過してシリカゲル上のフラッ
シュクロマトグラフィー(ジエチルアミン:クロロホル
ム;2:98)で精製し、表題化合物を得た(1.6
g、64%)。
【0051】段階C 5’−デオキシ−5’−(4−タ
ーシオブトキシカルボニルアミノ−2−ブチニル)メチ
ルアミノ−2’,3’−イソプロピリデンアデノシン 無水エタノ−ル(3ml)中の5’−デオキシ−5’−
(4−フタルイミド−2−ブチニル)メチルアミノ−
2’,3’−イソプロピリデンアデノシン(1g、1.
9mモル)及びメチルヒドラジン(0.5ml、10m
モル)の混合物を一夜還流下で加熱した。次に混合物を
真空で濃縮し、テトラヒドロフラン:水(1:1、20
0ml)の混合物中に溶解し、テトラヒドロフラン(1
0ml)中のジタ−シオブチルジカ−ボネ−ト(0.5
g、2.5mモル)の溶液を加えた。混合物のpHをト
リエチルアミンで9に調節し、次に混合物を還流下で2
4時間加熱した。次に反応混合物を真空で濃縮し、酢酸
エチルで希釈し、通常のワ−クアップの後、生成物がシ
リカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(ジエチル
アミン:クロロホルム;2:98)によって得られた
(0.5g、56%)。
【0052】段階D 5’−デオキシ−5’−(4−ア
ミノ−2−ブチニル)メチルアミノアデノシン 1N硫酸(25ml)中の5’−デオキシ−5’−(4
−ターシオブトキシカルボニルアミノ−2−ブチニル)
メチルアミノ−2’,3’−イソプロピリデンアデノシ
ン(0.4g、0.82mモル)の懸濁液を2日間室温
で攪拌した。次に混合物をエタノ−ル(100ml)で
希釈し、0℃で一夜攪拌した。生成物を瀘去し、最少量
の水に溶解し、エタノ−ル(100ml)で希釈した。
この手順を2回繰返し、白色の結晶として純粋な5’−
デオキシ−5’−(4−アミノ−2−ブチニル)メチル
アミノアデノシン(0.2g)を得た。融点230〜2
40℃、分解。この化合物は勿論還元されて、対応する
シス二重結合の化合物を形成できる。
【0053】実施例4 5’−デオキシ−5’−(オル
ソ−アミノメチルベンジル)メチルアミノアデノシンの
製造 段階A α−フタルイミド−α’−クロロキシレン α,α’−ジクロロキシレン(8.75g、50mモ
ル)及びフタルイミドカリウム(5.6g、30mモ
ル)の混合物を50℃で24時間加熱した。次に反応混
合物を真空で濃縮し、酢酸エチル中に溶解し、通常のワ
−クアップの後、所望の化合物がシリカゲル上のフラッ
シュクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン、1
5:85)でえられた(6g、65%)。
【0054】段階B 5’−デオキシ−5’−(オルソ
−フタルイミド−メチルベンジル)メチルアミノ−
2’,3−イソプロピリデンアデノシン 無水アセトニトリル中のα−フタルイミド−α’−クロ
ロキシレン(1.6g、5.5mモル)、炭酸カリウム
(0.7g、5mモル)、ヨウ化ナトリウム(0.07
g、0.5mモル)及び5’−デオキシ−5’−メチル
アミノ−2’,3’−イソプロピリデンアデノシン
(1.5g、4.7mモル)の混合物を還流下で一夜加
熱した。次に混合物を真空で濃縮し、ジクロロメタン中
に溶解し、瀘過し、次にシリカゲル上のフラッシュクロ
マトグラフィー(クロロホルム:ジエチルアミン、9
8:2)で精製し、表題化合物をえた(1.8g、67
%)。
【0055】段階C 5’−デオキシ−5’−(オルソ
−ターシオブトキシカルボニルアミノメチルベンジル)
−メチルアミノ−2’,3’−イソプロピリデンアデノ
シン 無水エタノ−ル(100ml)中の5’−デオキシ−
5’−オルソフタルイミドメチルベンジル)メチルアミ
ノ−2’,3’−イソプロピリデンアデノシン(1.3
g、2.3mモル)及びヒドラジン水和物(0.12m
l、2.3mモル)の混合物を還流下で一夜加熱した。
次に混合物を真空で濃縮し、水で希釈し(30ml)そ
して氷酢酸を加えてpH4に調節し、0℃に放置した。
次に混合物を瀘去し、瀘液をトリエチルアミンで中和し
て反応混合物のpHを9附近に調節した。次に混合物を
真空で濃縮し、ジクロロメタンで希釈し、ジタ−シオブ
チルジカ−ボネ−ト(0.5g、2.3mモル)を加え
た。混合物を還流下で一夜加熱し、通常のワ−クアップ
の後、表題化合物(0.8g,76%)がシリカゲル上
のフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム:ジエ
チルアミン、98:2)で単離された。
【0056】段階D 5’−デオキシ−5’−(オルソ
−アミノメチルベンジル)メチルアミノアデノシン 1N硫酸(25ml)中の5’−デオキシ−5’−(オ
ルソタ−シオブトキシカルボニルアミノメチルベンジ
ル)メチルアミノ−2’,3’−イソプロピリデンアデ
ノシン(0.45g、0.83mモル)の懸濁液を室温
で2日間攪拌した。次に混合物をエタノ−ル(100m
l)で希釈し、0℃一夜貯蔵した。沈殿を瀘去し、最少
量の水に溶解し、エタノ−ルで再沈殿させた(100m
l)。この手順を2回繰返し、表題化合物(0.4g)
を得た。融点230〜240℃、分解。
【0057】実施例5 5’−デオキシ−5’−(3−
アミノ−2−メチレンプロピル)メチルアミノアデノシ
ン 段階A 1−フタルイミド−3−クロロ−2−メチレン
プロパン 無水ジメチルホルムアミド(200ml)中の3−クロ
ロ−2−クロロメチル−1−プロペン(6.55g、5
0mモル)及びフタルイミドカリウム(5.6g、30
mモル)の混合物を二日間50℃で加熱した。つぎに混
合物を真空で濃縮し、通常のワ−クアップの後、生成物
をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(酢酸
エチル:ヘキサン、15:85)で精製した(4.2
g、78%)。
【0058】段階B 5’−デオキシ−5’−(3−フ
タルイミド−2−メチレンプロピル)メチルアミノ−
2’,3’−イソプロピリデンアデノシン無水アセトニ
トリル(100ml)中の1−フタルイミド−3−クロ
ロ−2−メチレンプロパン(0.87g、5mモル)、
炭酸カリウム(0.7g、5mモル)、ヨウ化ナトリウ
ム(0.08g、0.5mモル)及び5’−デオキシ−
5’−メチルアミノ−2’,3’−イソプロピリデンア
デノシン(1.6g、5mモル)の混合物を二日間還流
下で加熱した。次に混合物を真空で濃縮し、ジクロロメ
タンで希釈し、瀘過し、生成物をシリカゲル上のフラッ
シュクロマトグラフィー(ジエチルアミン:クロロホル
ム、2:98)で精製して、2.85g(78%)の表
題化合物を得た。
【0059】段階C 5’−デオキシ−5’−(3−タ
ーシオブトキシカルボニルアミノ−2−メチレンプロピ
ル)−メチルアミノ−2’,3’−イソプロピリデンア
デノシン 無水エタノ−ル(5ml)中の5’−デオキシ−5’−
(3−フタルイミド−2−メチレンプロピル)メチルア
ミノ−2’,3’−イソプロピリデンアデノシン(2.
3g、4.4mモル)、メチルヒドラジン(1.5m
l、30mモル)の混合物を還流下で二日間加熱した。
次に混合物を真空で濃縮し、クロロホルム(5ml)中
に溶解し、pHをトリエチルアミンで9附近に調節し、
次にクロロホルム(5ml)中のジタ−シオブチルジカ
−ボネ−ト(8.8g、4.4mモル)の溶液を加え
た。生じる混合物を還流下で一夜加熱し、通常のワ−ク
アップの後生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマト
グラフィー(ジエチルアミン:クロロホルム、2:9
8)で精製して、1.25g(64%)の表題化合物を
得た。
【0060】段階D 5’−デオキシ−5’−(3−ア
ミノ−2−メチレンプロピル)メチルアミノアデノシン 1N硫酸(4ml)中の5’−デオキシ−5’−(3−
タ−シオブトキシカルボニルアミノ−2−メチレンプロ
ピル)メチルアミノ−2’,3’−イソプロピリデンア
デノシン(0.65g、1.3mモル)の懸濁液を室温
で二日間攪拌した。次に混合物を無水エタノ−ル(15
0ml)で希釈し、0℃で一夜放置した。沈殿を瀘去
し、最少量の水に溶解し、無水エタノ−ル(150m
l)で希釈した。この手順を2回繰返し、白色結晶とし
て表題化合物を得た(0.55g、融点230〜240
℃、分解)。
【0061】実施例6 5’−デオキシ−5’−(4−
アミノ−2,2−ジフルオロブチル)メチルアミノアデ
ノシンの製造 段階A 4−フタルイミド−2,2−ジフルオロブチル
−トリフルオロメタンスルホネ−ト トリフリックアンハイドライド(1.1ml、6.6m
モル)を無水ジクロロメタン(50ml)中の4−フタ
ルイミド−2,2−ジフルオロ−1−ブタノ−ル(1.
53g、6mモル)、ピリジン(0.53ml、6.6
mモル)の冷却された(0℃)溶液に加えた。混合物を
0℃で1時間攪拌し、通常のワ−クアップの後、生成物
をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(酢酸
エチル:ヘキサン、20:80)で精製して、1.8g
(78%)の表題化合物を得た。
【0062】段階B 5’−デオキシ−5’−(4−フ
タルイミド−2,2−ジフルオロブチル)メチルアミノ
−2’,3’−イソプロピリデンアデノシン 無水ジメチルホルムアミド中の4−フタルイミド−2,
2−ジフルオロブチルトリフルオロメタンスルホネ−ト
(1.8g、4.6mモル)、5’−デオキシ−5’−
メチルアミノ−2’,3−イソプロピリデンアデノシン
(1.3g、4.3mモル)及びトリエチルアミン
(0.6ml、4.3mモル)の混合物を50℃で2日
間加熱した。次に混合物を真空で濃縮し、生成物をシリ
カゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(ジエチルア
ミン:クロロホルム、2:98)で精製した(1.7
g、70%)。
【0063】段階C 5’−デオキシ−5’−(4−タ
ーシオブトキシカルボニルアミノ−2,2−ジフルオロ
ブチル)メチルアミノ−2’,3’−イソプロピリデン
アデノシン エタノ−ル(20ml)中の5’−デオキシ−5’−
(4−フタルイミド−2,2−ジフルオロブチル)メチ
ルアミノ−2’,3’−イソプロピリデンアデノシン
(1.5g、2.7mモル)及びヒドラジン水和物
(0.135g、2.7mモル)の混合物を還流下で一
夜加熱した。次に混合物を真空で濃縮し、水で希釈し、
氷酢酸をpHが4に調節されるまで加えた。混合物を0
℃で放置し、瀘去した。瀘液をトリエチルアミンでpH
9に中和し、真空で濃縮し、ジクロロメタンで希釈し、
次にジタ−シオブチルジカ−ボネ−ト(0.6g、2.
7mモル)を加えた。混合物を還流下で一夜加熱し、通
常のワ−クアップの後生成物をシリカゲル上のフラッシ
ュクロマトグラフィー(ジエチルアミン:クロロホル
ム、2:98)で精製して、1.1g、(75%)の表
題化合物を得た。
【0064】段階D 5’−デオキシ−5’−(4−ア
ミノ−2,2−ジフルオロブチル)メチルアミノアデノ
シン 1N硫酸(4.5ml)中の5’−デオキシ−5’−
(4−ターシオブトキシカルボニルアミノ−2,2−ジ
フルオロブチル)メチルアミノ−2’,3’−イソプロ
ピリデンアデノシンの懸濁液を2日間室温で攪拌した。
次に混合物をエタノ−ル(100ml)で希釈し、0℃
で一夜放置した。沈殿を瀘去し、最少量の水に溶解し、
エタノ−ル(50ml)で沈殿させた。この手順を2回
繰返し、表題化合物(0.5g、60%)を白色結晶と
して得た。融点240℃、分解。
【0065】実施例7 シス−5’−デオキシ−5’−
(4−アミノ−2−フルオロ−2−ブテニル)メチルア
ミノアデノシンの製造 段階A シス−4−フタルイミド−2−フルオロ−1−
テトラヒドロピラニル−2−ブテン 無水ジメチルホルムアミド(200ml)中のシス−4
−クロロ−2−フルオロ−1−テトラヒドロピラニル−
2−ブテン(6.3g、30mモル)及びフタルイミド
カリウム(5.6g、30mモル)の混合物を50℃で
24時間加熱した。次に反応混合物を真空で濃縮し、酢
酸エチル中に溶解し、塩水で洗浄し、純粋な表題化合
物、シス−4−フタルイミド−2−フルオロ−1−テト
ラヒドロピラニル−2−ブテン(6g、70%)がシリ
カゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン、2:8)によって得られた。
【0066】段階B シス−N−ターシオブトキシカル
ボニル−2−フルオロ−4−ヒドロキシ−2−ブテニル
−1−アミン エタノ−ル(30ml)中のシス−4−フタルイミド−
2−フルオロ−1−テトラヒドロピラニル−2−ブテン
(5.7g、20mモル)及びヒドラジン水和物(1.
1ml、22mモル)の溶液を還流下で12時間加熱し
た。混合物を真空で濃縮し、1N塩酸(20ml)で希
釈し、還流下で2時間加熱した。次にフタルヒドラジド
を瀘去し、瀘液を真空で濃縮した。残留物をジクロロメ
タン(150ml)中に取りだし、pH9までトリエチ
ルアミンで中和し、ジクロロメタン(10ml)中のジ
タ−シオブチルジカ−ボネ−ト(5g、22mモル)の
溶液を加えた。混合物を還流下で一夜加熱し、通常のワ
−クアップの後、生成物がシリカゲル上のフラッシュク
ロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン、25:7
5)によって得られた(3g、75%)。
【0067】段階C シス−N−ターシオブトキシカル
ボニル−2−フルオロ−4−クロロ−2−ブテニル−1
−アミン メシルクロライド(0.9ml、11mモル)を無水ジ
クロロメタン(40ml)中のシス−N−ターシオブト
キシカルボニル−2−フルオロ−4−ヒドロキシ−2−
ブテニル−1−アミン(2.05g、10mモル)及び
トリエチルアミン(1.6ml、11mモル)の冷却さ
れた(0℃)溶液に加えた。混合物を一夜攪拌し、通常
のワ−クアップの後、表題化合物シス−N−ターシオブ
トキシカルボニル−2−フルオロ−4−クロロ−2−ブ
テニル−1−アミンがシリカゲル上のフラッシュクロマ
トグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン、15:85)に
よって得られた(1.5g、75%)。
【0068】段階D シス−5’−デオキシ−5’−
(4−ターシオブトキシカルボニルアミノ−2−フルオ
ロ−2−ブテニル)メチルアミノ−2’,3’−イソプ
ロピリデンアデノシン 無水アセトニトリル(30ml)中の5’−デオキシ−
5’−メチルアミノ−2’,3’−イソプロピリデンア
デノシン(1.65g、5mモル)、シス−N−ターシ
オブトキシカルボニル−2−フルオロ−4−クロロ−2
−ブテニル−1−アミン(1.2g、4mモル)、炭酸
カリウム(0.7g、4mモル)及びヨウ化ナトリウム
(0.07g、0.5)の溶液を還流下で一夜加熱し
た。混合物を真空で濃縮し、酢酸エチルで希釈し、塩水
で洗浄し、MgSO4上で乾燥した。生成物をシリカゲ
ル上のフラッシュクロマトグラフィー(ジエチルアミ
ン:クロロホルム、2:98)で精製した(1.7g、
70%)。
【0069】段階E シス−5’−デオキシ−5’−
(4−アミノ−2−フルオロ−2−ブテニル)メチルア
ミノアデノシン シス−5’−デオキシ−5’−(4−ターシオブトキシ
カルボニルアミノ−2−フルオロ−2−ブテニル)メチ
ルアミノ−2’,3’−イソプロピリデンアデノシンの
1N硫酸(5ml)中の懸濁液を室温で二日間攪拌し
た。次に混合物を無水エタノ−ル(200ml)で希釈
し、0℃で一夜保った。沈殿を集め、最少量の水に溶解
し、無水エタノ−ル(200ml)で再沈殿した。この
手順を2回繰返し、表題化合物、シス−5’−デオキシ
−5’−(4−アミノ−2−フルオロ−2−ブテニル)
メチルアミノアデノシン(1g、75%、融点250〜
260℃、分解)を得た。
【0070】実施例8 5’−デオキシ−5’−(3−
アミノ−2,2−ジフルオロプロピル)メチルアミノア
デノシン製造 段階A エチル2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシプ
ロピオネート 無水テトラヒドロフラン中のパラホルムアルデヒド
(4.5g、50mモル)、エチルジフルオロブロモア
セテ−ト(10.2g、50mモル)及び活性化亜鉛末
(3.3g、40mモル)の混合物を還流下で0.5時
間加熱した。次に混合物を塩化アンモニウムの飽和水溶
液で処理し、ジエチルエ−テルで抽出した。通常のワ−
クアップの後、所望化合物、エチル2,2−ジフルオロ
−3−ヒドロキシプロピオネートがシリカゲル上のフラ
ッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン、2
5:75)で得られた(4.1g、53%)。
【0071】段階B エチル2,2−ジフルオロ−3−
テトラヒドロピラニルオキシプロピオネート ジヒドロピラン(2ml、22mモル)を無水ジクロロ
メタン(50ml)中のエチル2,2−ジフルオロ−3
−ヒドロキシプロピオネート(3.1g、20mモル)
及びピリジニウムp−トルエンスルホネ−ト(0.25
g、1mモル)の溶液に加えた。混合物を室温で一夜攪
拌し、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー
(酢酸エチル:ヘキサン、15:85)で、所望の化合
物、エチル2,2−ジフルオロ−3−テトラヒドロピラ
ニルオキシプロピオネートを得た(4g、80%)。
【0072】段階C 2,2−ジフルオロ−3−テトラ
ヒドロピラニルオキシ−1−プロパノール 無水エタノ−ル(10ml)中のエチル2,2−ジフル
オロ−3−テトラヒドロピラニルオキシプロピオネート
(3.5g、15mモル)の溶液を無水エタノ−ル(2
0ml)中の室温の水素化ホウ素ナトリウム(0.57
g、15mモル)のスラリ−に滴下した。次に混合物を
室温で更に1時間攪拌した。次に混合物を真空で濃縮
し、塩化アンモニウム水溶液で加水分解し、酢酸エチル
で抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。生成物をシ
リカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン、25:75)で精製した(2.7g、9
0%)。
【0073】段階D 2,2−ジフルオロ−3−テトラ
ヒドロピラニルオキシプロピルトリフルオロメタンスル
ホネート トリフリックアンハイドライド(1.8ml、11mモ
ル)を無水ジクロロメタン(50ml)中の2,2−ジ
フルオロ−3−テトラヒドロピラニルオキシ−1−プロ
パノール(91.6g、10mモル)、及びピリジン
(0.9ml、11mモル)の冷たい(0℃)溶液に加
えた。混合物を1時間0℃で攪拌し、通常のワ−クアッ
プの後、生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグ
ラフィー(酢酸エチル:ヘキサン、15:85)で精製
した(2.6g、80%)。
【0074】段階E 2,2−ジフルオロ−3−フタル
イミド−1−テトラヒドロピラニルオキシプロパン 窒素下で、2,2−ジフルオロ−3−テトラヒドロピラ
ニルオキシプロピルトリフルオロメタンスルホネート
(2.3g、7mモル)、フタルイミドカリウム(1.
4g、7.7mモル)及び無水ジメチルホルムアミド
(50ml)の混合物を攪拌し85℃で一夜加熱した。
冷却後、塩を瀘去し、溶媒を真空で除去した。残留物を
ジクロロメタン(100ml)中に取りだし、0.5M
のNaOH(30ml)及び塩水でで洗浄した。有機層
を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮した。所
望の化合物、2,2−ジフルオロ−3−フタルイミド−
1−テトラヒドロピラニルオキシプロパンをシリカゲル
上のフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキ
サン、20:80)で精製した(2g、90%)。
【0075】段階F 2,2−ジフルオロ−3−フタル
イミド−1−プロパノール 無水エタノ−ル中の2,2−ジフルオロ−3−フタルイ
ミド−1−テトラヒドロピラニルオキシプロパン(2
g、6.15mモル)、及びパラトルエンスルホン酸
(0.1g)の溶液を室温で一夜攪拌した。次に混合物
を真空で濃縮し、酢酸エチルで希釈し、塩水で洗浄し
た。有機層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真
空で濃縮した。粗アルコ−ル、2,2−ジフルオロ−3
−フタルイミド−1−プロパノール(1.4g)を更に
精製せずに次の段階に使用した。
【0076】段階G 2,2−ジフルオロ−3−フタル
イミドプロピルトリフルオロメタンスルホネート トリフリックアンハイドライド(1.1ml、6.6m
モル)を無水ジクロロメタン(30ml)中の2,2−
ジフルオロ−3−フタルイミド−1−プロパノール
(1.4g、6mモル)、ピリジン(0.5ml、6.
6mモル)の冷たい(0℃)の溶液中に加えた。混合物
を0℃で1時間攪拌し、通常のワ−クアップの後、生成
物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(酢
酸エチル:ヘキサン、20:80)で精製した(1.7
g、75%)。
【0077】段階H 5’−デオキシ−5’−(2,2
−ジフルオロ−3−フタルイミド−プロピル)メチルア
ミノ−2’,3’−イソプロピリデンアデノシン 無水ジメチルホルムアミド中の2,2−ジフルオロ−3
−フタルイミドプロピルトリフルオロメタンスルホネー
ト(1.5g、4mモル)、5’−デオキシ−5’−メ
チルアミノ−2’,3’−イソプロピリデンアデノシン
(1.2g、4.2mモル)及びトリエチルアミン
(0.55ml、4.2mモル)の混合物を2日間50
℃に加熱した。次に混合物を真空で濃縮し、生成物をシ
リカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(ジエチル
アミン:クロロホルム、2:98)で精製した(1.5
g、75%)
【0078】段階I 5’−デオキシ−5’−(2,2
−ジフルオロ−3−ターシオブトキシカルボニルアミノ
プロピル)−メチルアミノ−2’,3’−イソプロピリ
デンアデノシン エタノ−ル(10ml)中の5’−デオキシ−5’−
(2,2−ジフルオロ−3−フタルイミド−プロピル)
メチルアミノ−2’,3’−イソプロピリデンアデノシ
ン(1.1g、2mモル)の混合物を還流下で一夜加熱
した。次に混合物を真空で濃縮し、1N酢酸でpH4に
達するまで希釈し、0℃に冷却した。沈殿を瀘去し、瀘
液をpH9迄トリエチルアミンで中和し、真空で濃縮し
た。残留物をジクロロメタン中に取りだし、ジタ−シオ
ブチルジカ−ボネ−ト(0.45g、2mモル)を加え
た。混合物を還流下で一夜加熱し、通常のワ−クアップ
の後生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフ
ィー(ジエチルアミン:クロロホルム、2:98)で精
製した(0.8g、70%)。
【0079】段階J 5’−デオキシ−5’−(3−ア
ミノ−2,2−ジフルオロプロピル)メチルアミノアデ
ノシン 1N硫酸(4ml)中の5’−デオキシ−5’−(2,
2−ジフルオロ−3−ターシオブトキシカルボニルアミ
ノプロピル)メチルアミノ−2’,3’−イソプロピリ
デンアデノシン(0.8g、1.5mモル)の懸濁液を
室温で二日間攪拌した。次に混合物を無水エタノ−ル
(150ml)で希釈し、0℃で一夜保った。沈殿を集
め、最少量の水中に溶解し、無水エタノ−ル(150m
l)で再沈殿させた。この手順を2回繰返し、表題化合
物、5’−デオキシ−5’−(3−アミノ−2,2−ジ
フルオロプロピル)メチルアミノアデノシン(0.6
g、80%、融点250〜260℃、分解)を得た。
【0080】実施例9 シス−5’−デオキシ−5’−
(4−カルボキシ−3−アミノ−2−ブテニル)メチル
アミノアデノシンの製造 段階A 2−アミノ−5−ヒドロキシ−3−ペンチン酸 エタノ−ル(100ml)中のグリコ−ル酸一水和物
(23g、250mモル)、プロパルギルアルコ−ル
(16.8g、300mモル)、銅(II)クロライド
(3.2g、25mモル)及び酢酸アンモニウム(49
g、600mモル)の混合物を還流下で6時間加熱し
た。次に反応混合物を真空で濃縮し、水(50ml)で
希釈し、1NのHClでpHは5へ酸性にし、エ−テル
(100ml)で2回洗浄した。次に水溶液をイオン交
換樹脂カラム(ダウエックス50、H+)上に注いだ。
カラムを1M水酸化アンモニウムで溶離し、表題化合物
2−アミノ−5−ヒドロキシ−3−ペンチン酸を得た。
【0081】段階B ターシオブチル−2−アミノ−5
−ヒドロキシ−3−ペンチノエ−ト 硫酸(2ml)及びイソプロピレン(50ml)中に濃
縮した2−アミノ−5−ヒドロキシ−3−ペンチン酸
(12.5g、100mモル)の密封パ−ルフラスコ中
の懸濁液を二日間室温で振盪した。粗生成物は過剰のイ
ソプロピレンの蒸発後更に精製することなく次の段階で
使用した。
【0082】段階C タ−シオブチル−2−ターシオブ
トキシカルボニルアミノ−5−ヒドロキシ−3−ペンチ
ノエート クロロホルム中の粗製ターシオブチル−2−アミノ−5
−ヒドロキシ−3−ペンチノエ−ト(100mモル)、
ジタ−シオブチルジカ−ボネ−ト(22g、100mモ
ル)及びトリエチルアミン(25ml、200mモル)
の溶液を還流下で一夜加熱した。次に通常のワ−クアッ
プの後、生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグ
ラフィー(酢酸エチル:ヘキサン、20:80)で精製
した。
【0083】段階D シル−タ−シオブチル−2−ター
シオブトキシカルボニルアミノ−5−ヒドロキシ−3−
ペンテノエ−ト エタノ−ル(200ml)中のタ−シオブチル−2−タ
ーシオブトキシカルボニルアミノ−5−ヒドロキシ−3
−ペンチノエート(13.6g、50mモル)の溶液を
大気圧でリンドラ−触媒(0.6g)の存在下で室温で
水素添加した。3時間内に1当量の水素(1.1リット
ル)が消費された。次に触媒を瀘過で除き、混合物を真
空で濃縮し、これによって透明な油が生じた。表題化合
物がシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(酢
酸エチル:ヘキサン、15:85)で得られた。
【0084】段階E シス−タ−シオブチル−2−ター
シオブトキシカルボニルアミノ−5−クロロ−3−ペン
テノエート メシルクロライド(0.9ml、11mモル)を無水ジ
クロロメタン(50ml)中のシス−タ−シオブチル−
2−ターシオブトキシカルボニルアミノ−5−ヒドロキ
シ−3−ペンテノエ−ト(2.75g、10mモル)と
トリエチルアミン(1.6ml、11mモル)の冷たい
(0℃)溶液に加えた。混合物を一夜攪拌し、通常のワ
−クアップの後、表題化合物をシリカゲル上のフラッシ
ュクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン、20:
80)で精製した。
【0085】段階F シス−5’−デオキシ−5’−
(4−ターシオブトキシカルボニル−3−タ−シオブト
キシカルボニルアミノ−2−ブテニル)メチルアミノ−
2’,3’−イソプロピリデンアデノシン アセトニトリル(30ml)中のシス−タ−シオブチル
−2−ターシオブトキシカルボニルアミノ−5−クロロ
−3−ペンテノエート(1.5g、5mモル)、5’−
デオキシ−5’−メチルアミノ−2’,3’−イソプロ
ピリデンアデノシン(1.6g、5mモル)、炭酸カリ
ウム(0.7g、5mモル)及びヨウ化ナトリウム
(0.8g、0.5モル)の溶液を、還流下で一夜加熱
した。通常のワ−クアップの後、生成物をシリカゲル上
のフラッシュクロマトグラフィー(ジエチルアミン:ク
ロロホルム、2:98)で精製した。
【0086】段階G シス−5’−デオキシ−5’−
(4−カルボキシ−3−アミノ−2−ブテニル)メチル
アミノアデノシン 1N硫酸(5ml)中のシス−5’−デオキシ−5’−
(4−ターシオブトキシカルボニル−3−タ−シオブト
キシカルボニルアミノ−2−ブテニル)メチルアミノ−
2’,3’−イソプロピリデンアデノシン(1.5g、
3mモル)の懸濁液を室温で二日間攪拌した。次に混合
物をエタノ−ル(200ml)で希釈し、0℃で一夜保
った。沈殿を集め、最少量の水に溶解し、エタノ−ル
(200ml)で再沈殿した。この手順を2回繰返すと
表題化合物シス−5’−デオキシ−5’−(4−カルボ
キシ−3−アミノ−2−ブテニル)メチルアミノアデノ
シンを生じた。(通常のワ−クアップは(実施例1段階
Cの様に)有機溶媒で3回抽出することによって、水相
から生成物を抽出し、そして有機層を硫酸マグネシウム
上で乾燥し、瀘去し、真空で濃縮することを含んでい
る。)
【0087】本発明は、必要な患者の免疫抑制を行なう
方法、及びもっと特定的には、細胞で媒介される免疫を
抑制する方法を提供しており、この方法は式(1)化合物
の免疫抑制有効量を上記の患者に投与することを含めて
なる。
【0088】本明細書で使用する患者という用語は、自
己免疫病や「移植片対宿主」病のような病気にかかって
いるか、又は移植された同種組織や臓器の拒絶の危険が
ある哺乳類等の温血動物をさす。ヒト、ハツカネズミ、
及びラットが「患者」という用語の範囲内に含まれるこ
とが理解される。
【0089】式(1)化合物を患者に投与すると、患者の
中に免疫抑制効果が生じる。もっと特定的には、式(1)
化合物を患者に投与すると、患者の中に細胞を媒介とす
る免疫の抑制が起こる。換言すると、式(1)化合物で患
者を処置することにより、患者の適応免疫応答、より特
定的には、患者の細胞で媒介される免疫応答が、処置の
不在下に存在するものより抑制される。
【0090】式(1)化合物のような免疫抑制剤による処
置を患者が必要とするのは、患者が自己免疫病や「移植
片対宿主」病にかかっている場合や、移植された同種組
織又は臓器の拒絶を予防するためである。「自己免疫
病」という用語は、患者の免疫応答が患者自身の構成分
に向けられて、望ましくない、しばしば衰弱した状態を
もたらすような病状や状態のことである。
【0091】慢性関節リウマチ、インシュリン依存性糖
尿病、ある種の溶血性貧血、リウマチ熱、甲状腺炎、潰
瘍形成性大腸炎、重症筋無力症、糸球体腎炎、アレルギ
−性脳脊髄炎、時々ビ−ルス性肝炎に至ることもある進
行性の神経及び肝臓の破壊、多発性硬化症及び全身的な
紅斑性狼瘡のような自己免疫病にかかった患者は、式
(1)化合物のような免疫抑制剤での処置を必要としてい
る。慢性関節リウマチ、インシュリン依存性糖尿病、及
び多発性硬化症は細胞媒介性の自己免疫応答の結果とし
て特徴づけられ、T細胞の作用のためと考えられる。そ
のため、これらの病気にかかった患者を式(1)化合物の
投与で処置するのは、患者の症状が更に悪化するのを防
ぐ上で特に有効であろう。慢性関節リウマチ、糖尿病、
及び多発性硬化症のような自己免疫病の初期段階にある
患者の処置は、病状をより重症に悪化させるのを防ぐ上
で特に有効であろう。例えば、インシュリン依存性糖尿
病(IDDM)は、インシュリンを分泌するランゲルハンス
島のβ細胞に対して向けられた自己免疫応答の結果と考
えられる。ランゲルハンス島のβ細胞の完全な破壊に先
立ってIDDMの初期段階にかかった患者を処置すること
は、病気の進行を予防する上で特に有用であろう。とい
うのは、それによって、残っているインシュリン分泌性
β細胞のそれ以上の破壊が予防ないし抑制されるからで
ある。その他の自己免疫病の初期段階にかかった患者の
処置も、より重大な段階への病状の自然な進行を予防な
いし抑制するために特に有用であろうことは理解され
る。
【0092】同種の腎臓、肝臓、心臓、皮膚、骨髄のよ
うな同種組織又は臓器を受けた、又は受けようとしてい
る患者も、式(1)化合物のような免疫抑制剤での予防処
置の必要な患者である。免疫抑制剤は、提供者の同種組
織又は臓器を拒絶することから受領者の細胞媒介性免疫
応答を予防しよう。同様に、「移植片対宿主」病にかか
った患者は、式(1)化合物のような免疫抑制剤での処置
の必要な患者である。免疫抑制剤は、受領者の同種組織
又は臓器を拒絶することからの、移植組織又は臓器の細
胞媒介性免疫応答を予防しよう。
【0093】標準の臨床及び実験室試験、及び手順に基
づいて、当業者としての担当診断医は、式(1)化合物の
ような免疫抑制剤で処置される必要がある患者を容易に
決定できる。
【0094】式(1)化合物の免疫抑制有効量は、患者へ
の1回投与又は複数回投与で、免疫抑制効果、又はより
特定的には細胞媒介される免疫抑制効果を提供するのに
有効な量である。免疫抑制効果とは、免疫応答の、又は
細胞媒介された免疫応答のそれ以上の発現を鈍化、中
断、抑制又は予防することである。
【0095】式(1)化合物の免疫抑制有効量は、当業者
としての担当診断医が、既知の技術を使用して、また類
似の状況下で得られた結果を観測することによって容易
に決定できる。有効量又は投与量を決定するに当り、限
定されるものではないが、哺乳類の種、体格、年齢、一
般的な健康状態、関与する特定の病気、病気の程度又は
関与、個々の患者の応答、投与される特定の化合物、投
与方法、投与される製剤の生物学的利用率特性、選ばれ
る最適処方計画、同時的薬物使用、及びその他関連の状
況を含めた幾つかの要因が担当診断医によって考慮され
る。
【0096】式(1)化合物の免疫抑制有効量は、1日当
り体重Kg当たり約1000mg(mg/kg/日)〜約1 mg/Kg/日の
範囲にあると予想される。好ましい量は、約10〜約100m
g/Kg/日の範囲にあると予想される。
【0097】患者を処置するのに式(1)化合物は、経口
及び非経口経路を含めた有効量で化合物を生物学的に利
用できる任意の形式又は方法で投与できる。例えば、式
(1)化合物を経口、皮下、筋肉内、静脈内、経皮的、鼻
内、直腸に投与できる。経口投与が一般に好ましい。処
方剤を調製する当業者は、選ばれた化合物の特定の性
状、処置されるべき病状、及びその他関連の状況に依存
して、適切な投与形式及び方法を容易に選択できる。
【0098】化合物は単独で、又は製薬上受入れられる
担体又は付形剤と組み合わせた薬学組成物の形で投与で
き、担体や付形剤の割合と性質は選ばれる化合物の溶解
度及び化学的性状、選ばれる投与経路、及び標準の製薬
方法によって決定される。式(1)化合物はそれ自体有効
であるが、安定性、結晶化の便宜、溶解度の増加等の目
的で、製薬上受入れられる酸付加塩類の形で処方並びに
投与できる。
【0099】式(1)化合物は、式(1)化合物の免疫抑制有
効量を、製薬上受入れられる一つ以上の担体又は付形剤
と混合又は他の方法で組合せたものからなる薬学組成物
の形で投与される。
【0100】薬学組成物は、製薬技術で周知の方法によ
って調製される。担体又は付形剤は固体、半固体又は液
体材料であって、活性成分のビヒクル又は媒体として役
立つ。適当な担体又は付形剤はこの技術で良く知られて
いる。薬学組成物は経口又は非経口用途に適合され、錠
剤、カプセル、座薬、溶液、懸濁液等の形で患者に投与
され得る。
【0101】本発明化合物類は経口的に、例えば不活性
希釈剤や、食用担体とともに投与できる。これらをゼラ
チンカプセル中に封入するか、又は錠剤に圧縮できる。
経口治療投与の目的には、化合物を付形剤と混合し、錠
剤、トロ−チ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液、
シロップ、ウエハ−、チュ−インガム等の形で使用でき
る。これらの製剤は少なくとも4%の本発明化合物を含
有すべきであるが、特定の形式に応じて変わり、単位形
式の重量の4〜約70%が好都合である。組成物中に存在
する化合物の量は、適当な投与適量が得られる量であ
る。本発明による好ましい組成物及び製剤は、経口適量
単位形式が本発明化合物を5.0〜300 mgの間で含有する
ように調製される。
【0102】錠剤、丸薬、カプセル剤、トロ−チ剤等
は、一つ又はそれ以上の次の助剤を含有できる。結合
剤、例えば微結晶セルロ−ス、トラガカントガム又はゼ
ラチン;付形剤、例えば澱粉又は乳糖;崩壊剤、例えば
アルギニン酸、プライモゲル、トウモロコシ澱粉等;潤
滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム又はステロテッ
クス;滑り剤、例えばコロイド状二酸化珪素;及び甘味
剤、例えば蔗糖又はサッカリンが加えられる。また香
料、例えばペパ−ミント、サリチル酸メチル、又はオレ
ンジフレ−バーが加えられる。適量単位形式がカプセル
であるときは、これは上の種類の物質に加えて液体担
体、例えばポリエチレングリコ−ル又は脂肪油を含有し
得る。他の適量単位形式は、適量単位の物理的形態を変
更するような他の種々の材料、例えば被覆剤を含有でき
る。従って錠剤又は丸薬は、砂糖、シェラック又は他の
腸溶被覆剤で被覆され得る。シロップ剤は本発明化合物
のほか、甘味剤としての蔗糖及びある防腐剤、染料及び
着色剤及び香料を含有できる。これらの種々の組成物を
製造するのに使用される材料は、製薬学的に純粋なもの
で、使用される量で無毒であるべきである。
【0103】非経口治療投与の目的には、式(1)化合物
類は溶液又は懸濁液に混入できる。これらの製剤は少な
くとも0.1%の本発明化合物を含有すべきであるが、製
剤重量の0.1〜約50%の範囲に及びうる。このような組
成物中に存在する化合物の量は、適当な投与量が得られ
る量である。好ましい組成物及び製剤は、非経口適量単
位が5.0〜100 mgの式(1)化合物を含有するように調製さ
れる。
【0104】溶液又は懸濁液はまた、一つ又はそれ以上
の次の助剤を含有できる。無菌希釈剤、例えば注射用
水、塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコ−ル、
グリセリン、プロピレングリコ−ル又は他の合成溶媒;
抗菌剤、例えばベンジルアルコ−ル又はメチルパラベ
ン;酸化防止剤、例えばアスコルビン酸又は重亜硫酸ナ
トリウム;キレ−ト化剤、例えばエチレンジアミン四酢
酸;緩衝液、例えば酢酸塩、クエン酸塩、又は燐酸塩;
及び張度調整剤、例えば塩化ナトリウムやデキストロ−
ス。非経口製剤は、ガラス又はプラスチック製のアンプ
ル、使い捨て可能な注射器、又は複数投与量バイアル中
に封入できる。
【0105】特定のゼネリックな用途を有する構造的に
関連した化合物の任意の群がそうであるように、ある種
の群及び立体配置が式(1)の化合物に対し本発明の使
用方法で好ましい。一般に式(1)の化合物であって、
Qが式(1a)、(1c)又は(1e)のものが好まし
く、Qが式(1e)の化合物が特に好ましい。Qが式
(1e)の式(1)の化合物のなかで、シス立体配置を
有するものが好ましい。次のリストは本発明の特に好ま
しい具体例である式(1)の化合物を示す。 (シス)−5’−デオキシ−5’−[(4−アミノ−2
−ブテニル)メチルアミノ]アデノシン、(シス)−
5’−デオキシ−5’−[(4−アミノ−2−ブテニ
ル)アミノ]アデノシン、及びこれらの2−フルオロ、
3−フルオロ、及び2,3−ジフルオロ類似体類、5’
−デオキシ−5’−[(3−アミノ−2−メチレンプロ
ピル)メチルアミノ]アデノシン5’−デオキシ−5’
−[(3−アミノ−2−メチレンプロピル)アミノ]ア
デノシン、及び、これらのモノ及びジフルオロ類似体類
(IaのX及び/又はYはフルオロである)、(シス)
−5’−デオキシ−5’−[(4−アミノ−4−カルボ
キシ−2−ブテニル)メチルアミノ]アデノシン及び
(シス)−5’−デオキシ−5’−[(4−アミノ−4
−カルボキシ−2−ブテニル)アミノ]アデノシン。
【0106】以下の実施例は、本発明による式(1)化合
物類の使用法を例示している。この実施例は例示的にの
み理解され、いかなる形でも本発明の範囲を制限する意
図のものではない。本明細書で使用される次の用語は指
定の意味をもっている。[3H]−TdRはトリチウム
化チミジンをさす。単位(ユニット)はインターロイキ
ン−2の単位をさす。「μM」はマイクロモル濃度をさ
す。「CPM」は毎分の計測数をさす。
【0107】実施例10 試験管外(インビトロ)での
インターロイキン−2依存性T細胞成長の抑制 インビトロにおけるインターロイキン−2(IL−2)
依存性T細胞成長の抑制を、本質的にボウリン(Bowli
n)等、[Cell Immunol. 98, 341-50(1986)]に記載さ
れるように測定した。クロ−ン化されたIL−2依存性
の細胞溶解性Tリンパ球(CTLL−20)の、単独で
培養したもの又は(シス)−5’−デオキシ−5’−
[(4−アミノ−2−ブテニル)メチルアミノ]アデノ
シン(化合物A)の種々の濃度の存在下で培養したもの
をIL−2のmlあたり10単位で刺激し、そして培養
基中で成育させた。72時間後、細胞数をトライパンブ
ル−除去に基づいて測定した。
【0108】CTLL−20細胞を24時間IL−2
(10単位/ml)で再刺激し、最終6時間にわたって
3H]−TdRでパルスをかけ、本質的にボウリン等
[CellImmunol. 98, 341-50(1986)]に記載される様に
DNA合成活性を測定した。
【0109】この実験の結果を表1に示す。 表1 インビトロに於けるインターロイキン−2依存性のT細胞成長の抑制 処理群 化合物A 回収された細胞計数値 DNA合成CPM (μM) (括弧内は対1群減少%) (括弧内は対1群減少%) 1 0(対照) 6.6×106 33541 2 100 1.0×106(85%) 8114(76%) 3 10 2.0×106(70%) 10005(70%) 4 1 4.0×106(39%) 19218(43%) 化合物A=(シス)−5’−デオキシ−5’−[(4−アミノ−2−ブテニル) メチルアミノ]アデノシン。
【0110】実施例11 試験管外(インビトロ)での
インターロイキン−2依存性T細胞成長の抑制の時間経
過インビトロに於けるインターロイキン−2(IL−
2)依存性のT細胞成長の抑制を、本質的に実施例10
に記載されるように測定した。クロ−ン化されたIL−
2依存性の細胞溶解性Tリンパ球(CTLL−20)で
あって、単独で培養されたもの又は100μMで(シ
ス)−5’−デオキシ−5’−[(4−アミノ−2−ブ
テニル)メチルアミノ]アデノシン(化合物A)の存在
下で培養されたものを、IL−2のmlあたり10単位
で刺激し、1、2、3又は4日間培養基中で成育させ
た。培養の終りにトライパンブル−除去で細胞計数値を
測定した。
【0111】CTLL−20細胞を次ぎにIL−2(1
0単位/ml)で24時間再刺激し、[3H]−TdR
で、最終6時間にわたってパルスにかけることによっ
て、本質的に実施例10に記載されるようにDNA合成
活性を測定した。
【0112】この実験の結果を表2に示す。 表2インビトロで成育したインターロイキン−2依存性のT細胞の抑制の時間経過 培養時間 化合物A 回収された細胞計数値 DNA合成CPM (日数) (μM) (括弧内は対対照減少%) (括弧内は対対照減少%) 1 0(対照) 0.5×106 18598 1 100 0.3×106(40) 7622(59) 2 0(対照) 3.2×106 11193 2 100 0.7×106(78) 6197(45) 3 0(対照) 6.6×106 33541 3 100 1.0×106(85%) 8114(76%) 4 0(対照) 4.7×106 32522 4 100 1.7×106(64%) 8863(73%) 化合物A=(シス)−5’−デオキシ−5’−[(4−アミノ−2−ブテニル) メチルアミノ]アデノシン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/7076 A61P 37/06 C07H 19/167 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 〔式中RはH、メチル又はエチルであり、Qは以下に記
    載される式Ia〜Ifの基を表わし、 【化2】 式中R1はH又はFであり、nは1又は2の整数であ
    り、V1はH又はメチルであり、V2はH又はCOOHで
    あり、W、X、Y及びZはそれぞれ独立にH、F、Cl
    又はBrである〕の化合物又は製薬上受け入れられるそ
    の塩の免疫抑制有効量を含む免疫抑制剤。
  2. 【請求項2】 免疫抑制剤が細胞を媒介とする免疫の抑
    制剤である、請求項1に記載の免疫抑制剤。
  3. 【請求項3】 同種移植(allograft)の拒絶反応に対
    する処置剤である請求項2に記載の免疫抑制剤。
  4. 【請求項4】 自己免疫病に対する処置剤である請求項
    2に記載の免疫抑制剤。
  5. 【請求項5】 自己免疫病がインシュリン依存性の真性
    糖尿病である、請求項4に記載の免疫抑制剤。
  6. 【請求項6】 自己免疫病が多発性硬化症である、請求
    項4に記載の免疫抑制剤。
  7. 【請求項7】 自己免疫病がリウマチ様関節炎である、
    請求項4に記載の免疫抑制剤。
  8. 【請求項8】 化合物が(シス)−5’−デオキシ−
    5’−[(4−アミノ−2−ブテニル)メチルアミノ]
    アデノシンである、請求項1に記載の免疫抑制剤。
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