JP3028969U - 電極構造体 - Google Patents

電極構造体

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JP3028969U JP1996002427U JP242796U JP3028969U JP 3028969 U JP3028969 U JP 3028969U JP 1996002427 U JP1996002427 U JP 1996002427U JP 242796 U JP242796 U JP 242796U JP 3028969 U JP3028969 U JP 3028969U
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伸行 小柳
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株式会社フジプレシャス
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(57)【要約】 【課題】 鋼板の亜鉛めっき、錫めっき、また銅箔の製
造といった、高電流密度で電解を行なう分野で、電解液
を十分確保し、かつ電極間距離を画期的に短縮すること
で、槽電圧の低下、製造速度の上昇、品質の均一安定性
をもたらず電極構造体の製作。 【解決手段】 導電性の電極基体と電極触媒物質を被覆
した電極板の中間に、電極板の背面および電極板と電極
板の間に電解液が流れるように通電支持棒を配置し、さ
らに電極板と対極との電極間距離を可能な限り短くす
る。このことで従来使用されている電解槽の外形を損な
うことなく、非常に安価で、電解液の供給量を画期的に
増やし、同時に電極間距離を限界まで縮めることがで
き、高速で、高効率、かつ低電圧で目的とする電解反応
をより均一に行なわせることができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、銅箔の製造や鋼板の電気亜釦めっき等、酸性水溶液中で高電流密度 にて使用する電解用不溶性電極からなる電極構造体の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気化学反応は陽極および陰極の電極表面と溶液との界面でのみ起こる不均一 接触反応であり、いかに目的とする電気化学反応を効率よく行なわせるかは永遠 の課題である。したがって、電極材料の変遷はもちろん、現在までにも沢山の発 明や考案が、電極のみならず電解槽、隔膜、リード等も含め提案されている。
【0003】 銅箔の製造や鋼板の電気亜鉛めっき等の分野では、当初は鉛または鉛合金電極 が陽極として採用された。それ自体の強度のなさや電流密度の確保が困難なため チタン基体や銅芯のチタン基体に取付ける等、種々の改良が試みられたが、それ 以上に鉛が消耗し、電極間距離が増大し、結果として品質のばらつきや電圧上昇 に伴うコスト上昇につながり、現在では不溶性電極化が進んでいる。もちろん鉛 スラッジの処置や公害問題もあった。
【0004】 これらの分野で最初に登場した不溶性電極は、鋼板錫めっき用の白金めっきチ タン電極である。チタン基体の厚みが20mm〜50mm、幅が1000mm、 長さが2000mmもある釣り下げ式の電極で、チタンと言えども重量が重過ぎ 、2〜6分割され組合わせて使用するものもあった。その後、銅板亜鉛めっき用 、銅箔製造用に酸化イリジウムコーティングチタン電極が採用された。鋼板亜鉛 めっきではさらに電極が大きくなり、銅箔製造用では陰極である相手方がチタン ドラムで、当然陽極も円形でかつ巨大なものが要求された。
【0005】 この巨大な電極基体に電極触媒物質をめっきやコーティングすることは、コス ト面からも不合理であり、製造工程中の熱処理により電極基体が変形し電極とし ての機能を低下させる原因ともなり、さらに通常これらの電極は再めっきや再コ ーティングにより繰返し電極基体を使用するため、ユーザとめっきやコーティン グングを行なうメーカーとの間の移送に莫大な費用がかかる。したがって、最近 は電極全体の構造を保持する電極基体と電極反応を行なう電極板を分割し、電極 板部分のみを被覆し、電極基体へ取付ける方法が提案され採用されだしている。 短冊上の電極板やかわら構造のものまた取付け方法等種々提案されている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの提案は電極基体へ電極板をどの様に取付けるか、接触 抵抗をどう減らすかといった陽極だけに注目したもので電解槽全体のより重要な 機能、すなわちいかに効率よく目的とする析出または反応を均一に起こすかとい った究極的な目標を忘れている。そもそもチタンに白金族金属または金属酸化物 を被覆した不溶性電極がここまで飛躍的に採用されたのは、電極触媒物質の機能 もさることながら、耐食性のチタン基体により寸法が担保され、電極間距離が変 わらないため、初期の電解反応が同一条件で継続的に保持され、結果として品質 が安定で均一な目的物が得られるためである。さらに寸法が安定なるがゆえに電 極間距離をより短くすることが可能となり、電圧の低下の結果として大幅なコス トの削減ももたらしたためと言える。
【0007】 ところが、電極間距離を短くすると、当然の結果として電解液の供給が難しく 電解効率の低下や不均一な反応となり、供給された電解液から電解反応で目的と する電解生成物を作りだすという電気化学反応操作は限界に達してしまう。特に 鋼板への、亜鉛めっき、錫めっき、また銅箔の製造といった高電流密度で電解を 行なう分野では、電解液をいかに供給するかが、出側の処置も合め最も重要な課 題で、この対応が電極間距離すなわわち電圧、製造速度、効率、均一性、品質を も左右すると言っても過言ではない。電極面に穴をあけ背後から供給する方法等 いくつかの提案はあるが、電極のコストが甚大になってしまたっり、電解液の出 側の工夫がないために継続して安定な電解ができないものがほとんどである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案は、従来使用されている電解槽の外形を損うことなく、非常に安価で、 出側も含め電解液の供給を画期的に増やし、同時に電極間距離を限界まて縮める ことで、高速で、高効率、かつ低電圧で目的とするより均一な電解反応を行なわ せる方法を提案するもので、導電性の電極基体と電極触媒物質を被覆した電極板 の中間に、電極板の背面および電極板と電極板の間に電解液が流れるよう通電支 持棒を配置し、さらに電極板と対極との電極間距離を可能な限り短くすることで これらの課題を一挙に解決する電極構造体を提案するものである。
【0009】
【考案実施の形態】
本考案の電極構造体は、電極基体と電極板を通電支持棒により離すことで、電 極基体と電極板の間、すなわち電極板の背面に電解液を通し、電極板と対極の電 極間距離に関係なく電解液の供給量を確保するもので、多量の電解液の流入・流 出が可能となる。もちろん電解液の供給を心配せず電極板と対極の距離を極限ま で近付けられるので電圧の低減が可能となり電解コストの引下げが可能となる。 さらにこれらの改良は従来使用している電解槽や電極構造体をそのまま使用し、 非常に低いコストで簡単に実施できる利点もある。また従来提案されている、電 極基体上に直接電極板を取付けた電極構造体に比較し、電極板と電極板の間が離 れその間を電解液が通ることで、電極反応がより均一に行なえる利点もある。電 極基体への電極板や通電支持棒の取付けや交換も簡単である。もちろん電極の繰 返しの使用も電極板のみを再コーティングまたは再めっきすればよく電極交換の コストも大幅に削減できる。
【0010】
【実施例】
実施例1 鋼板亜鉛めっき用の電極として本考案の電極構造体を試験製作した 。電極基体はt10×1000×2000mmの銅板の全面をtlmmのチタン で被覆、通電支持棒を取付ける部分はチタンを埋込みシール溶接後、M12のタ ップを立てた。通電支持棒はφ30×30mmのチタン棒で電極基体に取付ける 側はM12のネジを切り、反対側は電極板を固定するためのM12タップを立て た。電極板はt5×180×1000mmのチタン板に通電支持棒を固定するた めの穴を140mmのピッチで7か所開け、片面とエッジ部分に二酸化イリジウ ムをコーティングした。まず電極基体の70か所に通電支持棒を取付け、さらに 10枚の電極板を二酸化イリジウムをコーティングしたM12チタンボルトで通 電支持棒に固定し、本考案の電極構造体を製作した。概略を図1に示す。
【0011】 実施例2 実施例1と同様にして、電通支持棒の両端すなわち電極基体と電極 板に接触する面にも二酸化イリジウムをコーティングした電極構造体、さらに通 電支持棒をニオブにした電極構造体も製作した。これらの電極構造体を、鋼板の 亜鉛めっき用陽極として実装試験した結果、対極(鋼板)との極間距離を10m mに短縮でき、電解電圧11Vで150〜200A/dmの電流密度を達成で きた。従来の不溶性電極が極間距離15〜25mmで100A/dmのとき1 2〜13Vであり、本電極構造体の効果が確認できた。また、10枚の電極板の 表面の二酸化イリジウム(電極触媒)の消耗も比較的均一で従来の電解液の入り 側や出側が極端に消耗する傾向は認められなかった。このことも本考案の効果で 結果として電極の寿命を長くすることが可能となる。もちろん電極の取付けや交 換が簡単であったことは言うまでもない。なお、この試験では通電支持棒の接触 面に触媒をコーティングした効果やニオブを使用した効果は確認できなかった。 ただ電流が均一に安定して配分される必要があり、この対応はより安定な電極構 造体を提供するものと信じている。
【0012】 実施例3 銅箔製造用の陽極として本考案の電極構造体を製作した。銅箔製造 は、対極が断面が円形のチタンドラムでそこに10数ミクロンの銅を均一な厚み で折出させ、箔として連続して製造するものである。従って陽極も1/4円状の 電極を2枚合せた構造となる。外径R990mmのチタンドラムに対応させるた め内径R1025×t15×1400mm×1/4のチタン製の電極基体を製作 M10のタップを立て、通電支持棒はφ20×30mmのチタン棒で実施例1と 同様に一端にM10ネジを切り、他端にタップを立てて、電極基体と電極板に接 触する面に二酸化イリジウムをコーティングした。電極板はt3×110×14 00mmのチタンに通電支持棒を固定するための穴を160mmピッチで9か所 開け、全面に二酸化イリジウムをコーティングした。電極板については平坦なも のと、R996mmで湾曲したものの2種類を製作した。
【0013】 まず1/4円状の電極基体にφ20×30mmの通電支持棒を108本取付け 、次に12枚の電極板をM10皿ネジで固定し、本考案の電極構造体を製作した 。概略を図3および図4に示す。本電極構造体は1/4円状2基を組合わせてチ タンドラムを対極として使用する。電極間距離は6mmとしたが、さらに近付け ることが可能である。通常より20%多い50A/dmの電流を流したが、電 圧は3.4V、非常に均一な銅箔の製造ができた。また、従来これらの電極で見 られた電解液の入側と電流の入側(電解液の出側)だけが極端に消耗する減少は 確認されず、本考案の電極構造体が電極寿命を相当改善することも約束された。
【0014】
【考案の効果】
以上の通り本考案の電極構造体は、電極基体と電極板を通電支持棒により離す ことで、電極板の背面に電解液を通す結果、多量の電解液を確保しつつ、電極板 と対極の電極間距離を限界まで短縮でき、めっきや電解折出物の均一性を損なわ ずに電圧の低減しいては電解コストの引下げを可能とする非常に画期的な方法で ある。また、従来の電極より電流密度を上げられるため、製造速度や効率を上げ ることも出来る。さらにこれらの改良は従来使用している電解槽や電極構造体を そのまま使用できるので、非常に低コストで簡単に実施できる利点もある。
【0015】 本考案の電極構造体の電極基体には、通常耐食性のある導電性の金属、チタン 、ニオブ、タンタルもしくは銅などの導電性の優れた金属をチタン等の金属で被 覆したものを使用する。通電支持棒も電極基体と同様なものを使用するが、接触 抵抗に配慮して両端の接触面を通電性のより優れた触媒物質で被覆することもよ い。電極板はチタン板やチタンラスに白金または二酸化鉛をめっきしたもの、ま た二酸化イリジウムをコーティングしたものを使用する。これらは本電極構造体 の構成の例であり、本電極構造体の構成要素を限定するものではない。
【0016】 本考案の電極構造体の電極基体の形状は用途によって様々である。通電支持棒 については、その役目からおおむねφ10〜40mm、長さ10〜40mm程度 である。電極板の厚みはt1〜10mm、幅は50〜150mm程度がよい。電 極基体と電極板の距離は対極と電極板の距離(電極間距離)の1〜5倍、電極板 と電極板の間隔は電極板の厚みの2〜20倍が望ましい。これらも本電極構造体 の構成の例であり、本電極構造体の構成を限定するものではない。なお、実施例 に示す電極構造体の形態や組合わせは、本考案を限定するものではない。
【0017】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による電極構造体の実施例で、鋼板亜鉛
めっき用電極構造体の一部分の正面図と側面図で、その
概略の構成を示したものである。
【図2】上記の電極構造体を使用して、鋼板に亜鉛めっ
きを行なっている時の断面状態を、簡易的に示したもの
である。
【図3】本考案による電極構造体の実施例で、銅箔の製
造用の電極構造体の一部分の断面状態の概略の構造を示
したものである。銅を析出させる対極となるチタン製の
ドラムと記載した。
【図4】本考案による電極構造体における電解液の流れ
と電極間距離を簡易的に示した側面図、電極間距離の数
倍の電解液を流すことができる。
【図5】従来提案されている電極構造体の電解液の流れ
と電極間距離を比較のため示した側面図、電極間距離と
電解液が流れる量は等しい。
【符合の説明】 導電性の電極基体 通電支持棒 電極板 電極板固定ボルト 鋼板(対極) 電解液 チタンドラム(対極) 対極 液の流れ D 電解液の流れる範囲 d 電極間距離

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性の電極基体の表面に、電極触媒物
    質を被覆した電極板を取り付けた電極構造体において、
    電極板の背面および電極板と電極板の間に電解液が流れ
    るような電極板と電極基体の間に通電支持棒を使用する
    ことを特徴とする電極構造体。
  2. 【請求項2】 前項の通電支持棒の電極基体と電極板と
    の接触面に、導電性の触媒物質を被覆して、電気導電牲
    を改善したことを特徴とする電極構造体。
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