JP3028912B2 - 電力変換器の制御装置 - Google Patents

電力変換器の制御装置

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JP3028912B2
JP3028912B2 JP6274619A JP27461994A JP3028912B2 JP 3028912 B2 JP3028912 B2 JP 3028912B2 JP 6274619 A JP6274619 A JP 6274619A JP 27461994 A JP27461994 A JP 27461994A JP 3028912 B2 JP3028912 B2 JP 3028912B2
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  • Control Of Electrical Variables (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は太陽電池から最大電力を
引き出す電力変換器の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池を電源として、太陽電池から最
大電力を引き出し、交流電力に変換して系統に電力を供
給する電力変換装置が実用化されている。この種の従来
装置を図6に示す。図6において、太陽電池1の直流電
力は電力変換器2により所望の電力形態に変換され、系
統3に連系すると共に負荷4に供給される。電力変換器
2は、電圧制御回路5により、太陽電池の出力電力が最
大となる電圧指令V* が与えられ、入力側の直流電圧が
電圧指令V* に一致するように制御される。
【0003】電力検出器9は、電圧検出器7を介して検
出される太陽電池の出力電圧Vと、電流検出器8を介し
て検出される太陽電池の出力電流Iを乗算して、太陽電
池の出力電力Pを演算し、最大電力制御回路6は、演算
された太陽電池の出力電力Pが最大となるように電圧指
令V* を出力する。
【0004】最大電力制御回路6は、周期信号発生回路
10、電圧基準回路11、電力増減判定回路12から構成さ
れ、周期信号発生回路10は一定の周期毎にオン期間の短
いパルス信号を制御周期信号CMPT として発生し、電圧
基準回路11は制御周期信号CMPT の立ち下がりで、電力
増減判定回路12から出力される基準電圧増信号VINC
基づき電圧指令V* を増減して更新する。即ち、VINC
がオンのときは電圧指令V* を増加し、VINC がオフの
ときは電圧指令V* を減少する。
【0005】電力増減判定回路12は、前回の制御周期に
おける電圧指令V* と検出電力Pと、今回の制御周期に
おける電圧指令V* と検出電力Pから変化する方向をそ
れぞれ比較し、「電圧増で電力増」または「電圧減で電
力減」のときに基準電圧増信号VINC をオンとし、それ
以外ではオフとする。
【0006】太陽電池1の出力電力Pは、図7(a) に示
すように出力電圧Vによって変化し、最大出力電力とな
る出力電圧Vx がある。この出力電圧Vx は、日射強度
や太陽電池1の温度により異なり常に変化するので、予
め設定することはできない。
【0007】しかし、出力電圧Vの増減により出力電力
Pの増減を知ることができ、現在の動作点電圧の最大出
力点電圧Vx に対する大小を判定することができる。そ
の判定結果に基づいて、次の制御周期の電圧を増減し最
大電力点に近付けることができる。すなわち、最大出力
点電圧Vx よりも低い電圧で動作しているときは、「電
圧増で電力増」または「電圧減で電力減」となるので、
基準電圧増信号VINCをオンにして電圧指令V* を増加
させて最大電力点に近付け、逆に最大出力点電圧Vx
りも高い電圧で動作しているときは、「電圧増で電力
減」または「電圧減で電力増」となるので、基準電圧増
信号VINC をオフにして電圧指令V* を減少させて最大
電力点に近付ける。
【0008】なお、太陽電池の最大出力点電圧Vx は、
温度が一定の場合は日射量の増加により徐々に増加する
が、風などの環境条件が一定の場合には、日射量の増加
により温度が上昇し、これらのことから、ある程度の日
射量を越えると、最大出力点電圧Vx は、図7(b) に示
すようにほとんど変化しないことが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
装置では、日射量が増加し続ける場合、あるいは減少し
続ける場合、電圧の操作に関わらず太陽電池の出力電力
は増加、あるいは減少し、電力増減判定回路12による電
圧増減の判断を誤り、最大電力制御に狂いを生じるとい
う問題がある。即ち、電圧を増加させる操作を行った時
点後から日射量が増加し続ける場合、電力増減判定回路
12は、「電圧増による電力増」と判定して次の制御周期
の電圧指令を増加させ、日射量が増加し続ける間この操
作を繰り返し、動作電圧は最大出力点電圧Vx よりも高
い値となる場合がある。逆に、電圧を増加させる操作を
行った時点後から日射量が減少し続ける場合、電力増減
判定回路12は、「電圧増による電力減」と判定して次の
制御周期の電圧指令を減少させ、その次の制御周期では
「電圧減による電力減」と判定して電圧指令を増加さ
せ、日射量が減少し続ける間、電圧増減の操作を繰り返
す状態となる。
【0010】太陽光を遮る雲が断続的に通過する時など
は、日射量の増加、減少が繰り返され、この場合、結果
的に動作点電圧が最大出力点電圧Vx より高い値で運転
を継続することになる。
【0011】本発明は、上述の問題を解消しようとして
なされたもので、その目的とするところは、太陽電池を
入力とする電力変換器において、日射量が変化しても最
大電力制御に狂いを生じることなく、安定した太陽電池
の最大電力追従制御を行うことのできる電力変換器の制
御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明として、
太陽電池の電力を、制御周期毎に更新される電圧指令あ
るいは電流指令に応じて所望の電力形態に変換して負荷
に供給する電力変換器と、太陽電池の出力電圧と出力電
流を検出して出力電力を演算し、前記出力電力が最大と
なるように前記電圧指令あるいは電流指令を更新して前
記電力変換器を制御する最大電力制御手段を備え、日射
強度の変化量が所定値を越えるとき、前記最大電力制御
手段による前記電圧指令あるいは電流指令の更新を一時
中止させる日射量変化検出手段を設ける。
【0013】請求項2の発明として、更に、前記日射量
変化検出手段は、前記出力電圧が所定の電圧変動範囲内
で安定しているとき、制御周期より短い一定期間におけ
る前記出力電力の変化量を監視し、その変化量の絶対値
が所定の値を越えるとき、日射強度の変化量が所定値を
越えたと判定して禁止信号を出力し、前記最大電力制御
手段は、前記禁止信号により前記電圧指令あるいは電流
指令の更新を一時中止する。
【0014】請求項3の発明として、太陽電池の電力
を、制御周期毎に更新される電圧指令に応じて所望の電
力形態に変換して負荷に供給する電力変換器と、前記制
御周期内で、少なくとも一回以上前記電圧指令を一定量
だけ増減させる電圧増減手段と、前記電圧指令を一定量
だけ増減させたときの太陽電池の出力電力の変化から、
前記電圧指令を更新して増減させるか、あるいは更新の
一時中止を判定する電力増減判定手段と、前記電力増減
判定手段の判定結果に基づいて前記出力電力が最大とな
るように前記電圧指令あるいは電流指令の更新あるいは
更新の一時中止を行い、前記電力変換器を制御する最大
電力制御手段を設ける。
【0015】請求項4の発明として、更に、前記電力増
減判定手段は、前記電圧指令を一定量だけ増減させ、電
圧増で電力増かつ電圧減で電力減のとき電圧指令増と判
定し、電圧増で電力減かつ電圧減で電力増のとき電圧指
令減と判定し、それ以外のときは電圧指令の更新の一時
中止と判定する。
【0016】請求項5の発明として、更に、前記電圧増
減手段は、制御周期に同期して一定量の電圧増減信号を
出力し、前記最大電力制御手段から出力される電圧指令
に加えて電圧指令を増減させ、前記電力増減判定手段が
電圧指令増と判定したとき、制御周期の初めに前記一定
量の電圧増の信号を出力し、前記電力増減判定手段が電
圧指令減と判定したとき、制御周期の初めに前記一定量
の電圧減の信号を出力する。
【0017】請求項6の発明として、更に、前記電圧増
減手段は、前記電圧指令を増減させる電圧増減信号の一
定量を、一回の制御周期で前記最大電力制御手段で更新
される電圧指令の変化量より小さな値に設定する。
【0018】請求項7の発明として、更に、前記電力増
減判定手段は、前記制御周期内で前記電圧指令を一定量
だけ複数回増減させ、電圧増減の度に電力増減を判定す
る判定手段と、電力増減を判定する度にインクリメント
するカウンタと、前記カウンタのカウント値に基づいて
電圧指令の増減を多数決により判定する第2の判定手段
を備える。
【0019】請求項8の発明として、更に、前記電力増
減判定手段は、前記制御周期内で前記電圧指令を一定量
だけ複数回増減させ、電圧増減の度に電力増減を判定す
る判定手段と、電力増減を判定する度にインクリメント
するカウンタと、前記カウンタのカウント値に基づいて
複数回の判定結果が一致したとき電圧指令の増減を判定
し、複数回の判定結果が一致しないときは電圧指令の更
新を中止と判定する第2の判定手段を備える。
【0020】
【作用】請求項1の発明において、前記最大電力制御手
段は、太陽電池の出力電力が最大となるように前記電圧
指令あるいは電流指令を制御周期毎に更新して前記電力
変換器を制御する。前記日射量変化判定手段は、日射強
度の変化量が所定値を越えると判定したとき、前記最大
電力制御手段による前記電圧指令あるいは電流指令の更
新を一時中止させ、電圧増減による電力増減から前記電
圧指令あるいは電流指令を増減させる誤判定の動作を防
止する。
【0021】請求項2の発明において、前記日射量変化
判定手段は、前記出力電圧が所定の電圧変動範囲内で安
定しているとき、制御周期より短い一定期間における前
記出力電力の変化量を監視し、その変化量の絶対値が所
定の値を越えるとき、日射強度の変化量が所定値を越え
たと推定して禁止信号を出力し、間接的に日射強度の変
化量を判定する。
【0022】請求項3の発明において、前記電圧増減手
段は、前記制御周期内で、少なくとも一回以上前記電圧
指令を一定量だけ増減させる電圧増減信号を出力し、前
記電力増減判定手段は、前記電圧指令を一定量だけ増減
させたときの太陽電池の出力電力の変化から、前記電圧
指令を更新して増減させるか、あるいは更新の一時中止
を判定し、前記最大電力制御手段は、その判定結果に基
づいて前記出力電力が最大となるように前記電圧指令の
更新あるいは更新の一時中止を行う。
【0023】請求項4の発明において、前記電力増減判
定手段は、前記電圧増減手段から出力される電圧増減信
号により、前記電圧指令を一定量だけ増減させたときの
出力電力の変化量を監視し、電圧増で電力増かつ電圧減
で電力減のとき電圧指令増と判定し、電圧増で電力減か
つ電圧減で電力増のとき電圧指令減と判定し、それ以外
のときは電圧指令の更新の一時中止と判定する。
【0024】請求項5の発明において、前記電圧増減手
段は、前記最大電力制御手段から制御周期毎に出力され
る電圧指令に同期して一定量の電圧増減信号を出力し、
前記電圧指令に加えて電圧指令を増減させ、前記電力増
減判定手段が電圧指令増と判定したとき、制御周期の初
めに前記一定量の電圧増の信号を出力し、前記電力増減
判定手段が電圧指令減と判定したとき、制御周期の初め
に前記一定量の電圧減の信号を出力する。
【0025】請求項6の発明において、前記電圧増減手
段は、前記電圧指令を増減させる電圧増減信号の一定量
を、一回の制御周期で前記最大電力制御手段で更新され
る電圧指令の変化量より小さな値に設定し、電力増減の
判定のための電圧変動幅を小さくすると共に、制御応答
の良い最大電力制御を行う。
【0026】請求項7の発明において、前記電力増減判
定手段は、前記制御周期内で前記電圧増減手段により前
記電圧指令を一定量だけ複数回増減されたとき、電圧増
減の度に電力増減を判定する判定手段と、電力増減を判
定する度にインクリメントするカウンタと、前記カウン
タのカウント値に基づいて電圧指令の増減を多数決によ
り判定する第2の判定手段を備え、日射量が変動する場
合でも比較的に即応性の良い最大電力制御を行う。
【0027】請求項8の発明において、前記電力増減判
定手段は、前記制御周期内で前記電圧増減手段により前
記電圧指令を一定量だけ複数回増減されたとき、電圧増
減の度に電力増減を判定する判定手段と、電力増減を判
定する度にインクリメントするカウンタと、前記カウン
タのカウント値に基づいて複数回の判定結果が一致した
とき電圧指令の増減を判定し、複数回の判定結果が一致
しないときは不定と判定する第2の判定手段を備え、日
射量が変動する場合でも比較的に安定した出力電圧とす
る。
【0028】
【実施例】本発明の請求項1及び請求項2に関わる実施
例の構成を図1に示す。図1において、1は太陽電池、
2は太陽電池1を電源として所望の電力形態の電力に変
換する電力変換器、3は系統、4は負荷、5は電圧制御
回路、6は最大電力制御回路で、周期信号発生回路10、
電圧基準回路11、電力増減判定回路12から構成される。
7は電圧検出器、8は電流検出器、9は電力検出器であ
り、以上のものは従来のものを適用することができる。
但し、電圧基準回路11は、信号XNCにより電圧指令V*
の更新を停止する機能を備えている。13は日射量変化検
出回路であり、電圧検出器7を介して検出される太陽電
池の出力電圧Vと、電力検出器9を介して検出される太
陽電池の出力電力Pと、周期信号発生回路10から出力さ
れる周期信号CMPT に基づいて禁止信号XNCを出力す
る。例えば、日射量変化検出回路13は、出力電圧Vが所
定の電圧変動範囲内で安定しているとき、制御周期C
MPT より短い一定期間における出力電力Pの変化を監視
し、その変化量ΔPの絶対値が所定の値を越えたとき、
日射強度の変化量が所定値を越えたと推定してに禁止信
号XNCを出力する。電圧基準回路11は、禁止信号XNC
入力されたとき、周期信号CMPT による電圧指令V*
更新を停止するように構成する。
【0029】上記構成において、日射量変化検出回路13
は、常時、制御周期CMPT より短い一定期間における太
陽電池の出力電圧Vと出力電力Pを監視し、その一定期
間における出力電力Pの変化量ΔPの絶対値が所定の値
を越えたとき、日射量が所定値を越えて変化したと判断
して禁止信号XNCを出力する。この場合、所定の値(閾
値)は、出力電力Pの変化量ΔPを制御周期CMPT に換
算した値が、1回の制御周期の電圧操作による電力変化
量ΔP' の絶対値と同等またはそれ以上となるように設
定する。従って、日射量が比較的に安定して最大出力電
力制御を行っているときにΔPがΔP' を越えることは
なく、禁止信号XNCを出力することはない。しかし、日
射量が大きく変化すると、ΔPがΔP' を越えるので、
日射量変化検出回路13から禁止信号XNCが出力され、電
圧基準回路11の電圧指令V* の更新が停止され、最大出
力電力制御は一時中断される。
【0030】従って、電力増減判定回路12が電圧指令V
* の増減の判断を誤る可能性があるときは電圧指令V*
の更新が行われず、日射量が大きく変動する時の最大出
力電力制御の誤動作を防止することができる。
【0031】なお、この実施例は、電圧制御回路5を電
流制御回路に置き換え、電圧基準回路11から最大出力電
力となる電流指令I* を出力する場合にも適用すること
ができる。また、日射量変化検出回路は、直接、太陽光
を検出して日射量の変化を検出するように構成すること
ができることは言うまでもない。
【0032】本発明の請求項3乃至請求項8に関わる実
施例の構成を図2に示す。本実施例の最大電力制御回路
6は、周期信号CMPT と制御周期内でオンオフ期間の等
しい電圧増減指令CUDを発生する周期信号発生回路10
と、電圧増減指令CUDの増減に応じて正及び負の一定の
電圧補正信号V' を出力する電圧増減回路17と、電圧指
令V* 、太陽電池の出力電力P、周期信号CMPT 、電圧
増減指令CUDに基づいて電圧指令増減信号VINC 、V
DEC 、電力増減信号PINC 、PDEC 、不定信号PUSを出
力する電力増減判定回路12と、電力増減信号PINC 、P
DEC 、不定信号PUSの論理和を演算して禁止信号XNC
出力する論理和回路16と、周期信号CMPT 、電圧指令増
減信号VINC 、VDEC 、禁止信号XNCに基づいて電圧指
令V* を出力する電圧基準回路11と、電圧指令V* に電
圧補正信号V' 加えて電圧指令VREF出力する加算器18
を備えて構成する。
【0033】上記構成において、電圧制御回路5は、電
圧指令VREF に応じて電力変換器2を制御する。周期信
号発生回路10は、周期信号CMPT の1周期内でオンオフ
期間の等しい電圧増減指令CUDを少なくとも1回以上出
力する。
【0034】電圧増減回路17は、電圧増減指令CUDの増
減に応じて正、負の一定の電圧補正信号V' を出力し、
加算器18で電圧指令V* に加えられ、補正された電圧指
令VREF が出力される。電圧増減回路17は、例えば図3
に示すように、反転回路19、電圧設定器20,21 スイッチ
回路22,23 を備え、スイッチ回路22,23 は、電圧増減指
令CUDの値に応じて、いずれか一方のスイッチ回路がオ
ン状態に操作され、スイッチ回路22あるいはスイッチ回
路23がオンすると、電圧設定器20あるいは21で設定され
た電圧ΔVあるいは−ΔVが電圧補正信号V' として出
力される。この電圧±ΔVの量は、次に述べる電力増減
判定回路12により判定可能な範囲でできるだけ小さな値
に設定する。
【0035】電力増減判定回路12は、周期信号CMPT
一周期内で、電圧増減指令CUDと電力信号Pの関係か
ら、電圧指令増減信号VINC 、VDEC 、電力増減信号P
INC 、PDEC 、不定信号PUSのいずれを出力するかを、
次のようにして判定する。「指令CUD増で電力P増」か
つ「指令CUD減で電力P減」のとき、VINC 、「指令C
UD増で電力P減」かつ「指令CUD減で電力P増」のと
き、VDEC 、「指令CUD増で電力P増」かつ「指令CUD
減で電力P増」のとき、PINC 、「指令CUD増で電力P
減」かつ「指令CUD減で電力P減」のとき、PDEC
「上記のいずれでもない(不定)」のとき、PUS、と判
定する。(請求項4)電力増減判定回路12は、例えば図
4に示すように、電圧増の指令CUDが与えられた時点の
電力P1 と所定時間経過後の電力P2 から電力の変化量
を検出し、電力増のときは信号PU1、電力減のときは信
号PD1を出力する電力変化検出回路26、電圧減の指令C
UDが与えられた時点の電力P1'と所定時間経過後の電力
2'から電力の変化量を検出し、電力増のときは信号P
U2、電力減のときは信号PD2を出力する電力変化検出回
路27、周期信号CMPT でゼロクリアされ、電力増減の判
定信号PU1、PD1、PU2、PD2が出力される度にそれぞ
れインクリメントするカウンタ30,31,32,33 と、2つの
カウント値A、Bを比較してA>Bのとき信号G1 、G
2 を、A=Bのとき信号E1 、E2 を、A<Bのとき信
号L1 、L2 を出力する判定回路34、35、アンド回路36
〜39、オア回路40を備えて構成される。(請求項7)周
期信号CMPT の一周期内で、電圧増減指令CUDが複数回
与えられたとき、電力増減の判定信号PU1、PD1
U2、PD2が複数回出力され、その度にカウンタ30,31,
32,33 はインクリメントされる。判定回路34、35がカウ
ンタ30と31、32と33のカウント値A、Bを比較して、信
号G1 、L1 、E1 のいずれか、あるいは、G2 、L
2 、E2 のいずれかをそれぞれ出力する。信号G1 、G
2 が出力されたときアンド回路36から信号PINC が出力
され、信号G1 、L2 が出力されたときアンド回路37か
ら信号VINC が出力され、信号L1 、G2 が出力された
ときアンド回路38から信号VDEC が出力され、信号L
1 、L2 が出力されたときアンド回路39から信号PDEC
が出力され、信号E1 、E2 のいずれかが出力されたと
きオア回路40から信号PUSが出力される。図2のオア回
路16は、信号PINC 、PDEC 、PUSのいずれかが出力さ
れたとき、禁止信号XNCを出力する。電圧基準回路11
は、周期信号CMPT の立ち下がりで、信号VINC 、V
DEC に基づいて電圧指令V* を増減させる。ただし、禁
止信号XNCが出力されたとき、周期信号CMPT による電
圧指令V* の増減は行わない。
【0036】このように、周期信号CMPT の一周期内
で、少なくとも一回は、前回の電圧指令V* に±ΔVの
電圧補正信号V' を加えて電圧指令VREF を増減し、電
力判定回路12の判定結果に基づいて電圧指令V* の制御
が行われる。
【0037】日射量が安定している通常の場合、太陽電
池1の電圧Vと電力Pは図7の関係となるので、電力判
定回路12から、信号VINC か信号VDEC のどちらかが出
力され、電圧基準回路11により制御周期毎に電圧指令V
* の増減が行われ、最大出力電力制御が行われる。
【0038】日射量が安定な状態でかつ動作点がすでに
最大出力電力点にある場合、または、日射量が減少して
いる場合、電圧の増減に対していずれも電力減となるの
で、電力増減判定回路12から、信号PDEC が出力され、
禁止信号XNCが出力されるので、電圧基準回路11による
制御周期毎の電圧指令V* の増減は行われない。
【0039】日射量が増加している場合、電圧の増減に
対していずれも電力増となるので、電力増減判定回路12
から、信号PINC が出力され、禁止信号XNCが出力され
るので、電圧基準回路11による制御周期毎の電圧指令V
* の増減は行われない。また、制御周期内の複数回の電
圧の増減に対して電力増と電力減が同数の場合、信号P
USが出力され、禁止信号XNCが出力されるので、電圧基
準回路11による制御周期毎の電圧指令V* の増減は行わ
れない。
【0040】上述のように、本実施例によれば、日射が
変動している場合は最大電力制御が一時中止され、最大
電力制御の誤動作を防止することができる。また、電力
増減の判定のための電圧補正信号V' の増減量と、最大
出力電力制御を行うための電圧指令V* の増減量を独立
して設定することができるので、電圧補正信号V' を判
定可能な範囲内で小さく設定して出力電圧の変動量を小
さくして安定させ、電圧指令V* の増減量をある程度大
きく設定して速応性のある最大出力電力制御を行わせる
ことができる。
【0041】図2の電圧増減回路17は、図5に示すよう
に構成することができる。この実施例では、電圧増減回
路17に、更に、電力増減判定回路12から出力される信号
DEC でセットされ、信号VINC でリセットされるRS
フリップフロップ(以下FF回路)25と、電圧増減指令
UDと上記FF回路25の出力との排他的論理和を演算し
て電圧増減指令CUD´を出力する排他的論理和回路24を
備え、その他は図2と同様に構成する。但し、電力増減
判定回路12へ入力される電圧増減指令CUDは、排他的論
理和回路24から出力される電圧増減指令CUD´が入力さ
れる。
【0042】この実施例では、周期信号発生回路10は、
制御周期(信号CMPT )の開始時点に同期し、制御周期
内で少なくとも一回のオン、オフを行う電圧増減指令C
UDを出力する。また、電圧基準回路11は、制御周期の開
始時に、電圧増減回路17から出力される±ΔVの電圧補
正信号V' より大きく変化(増減)する電圧指令V*
出力する。(請求項5及び請求項6)上記構成におい
て、制御周期の開始時に、電力増減判定回路12から前回
の制御周期の判定結果による信号VDEC が出力される
と、FF回路25がセットされ、排他的論理和回路24は電
圧増減指令CUDを反転した電圧増減指令CUD´を出力す
る。また、信号VDEC が出力されると、FF回路25がリ
セットされ、排他的論理和回路24は電圧増減指令CUD
同じ電圧増減指令CUD´を出力する。スイッチ回路22,2
3 は、電圧増減指令CUD´の値に応じて、いずれか一方
のスイッチ回路がオン状態に操作され、スイッチ回路22
あるいはスイッチ回路23がオンすると、電圧設定器20あ
るいは21で設定された電圧ΔVあるいは−ΔVが電圧補
正信号V' として出力される。また、電力増減判定回路
12は、周期信号CMPT の一周期内で、電圧増減指令CUD
´と電力信号Pの関係から、電圧指令増減信号VINC
DEC、電力増減信号PINC 、PDEC 、不定信号PUS
いずれを出力するかを、前述と同様にして判定する。
【0043】また、図4の判定回路34、35は、2つのカ
ウント値A、Bを比較して、Aがゼロでないときは信号
1 、G2 を、Bがゼロでないときは信号L1 、L2
を、A、Bの両方ともゼロでないとき、又はA、Bの両
方ともゼロのとき信号E1 、E2 を出力するように構成
することができる。(請求項8)この構成によれば、電
圧増減回路17から出力される電圧補正信号V' により、
制御周期内で複数回の電圧増減操作に対する電力変化の
増減が全て一致したか否かで判定を行うので、最大電力
制御は中止しやすくなるが、誤判定による最大電力制御
の狂いは殆どなくすることができ安定した最大電力制御
を行うことができる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、太陽電池を入力とする
電力変換器において、日射量が変化しても最大電力制御
に狂いを生じることなく、安定した太陽電池の最大電力
追従制御を行うことのできる電力変換器の制御装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1,2に対応する実施例の構成
図。
【図2】本発明の請求項3乃至請求項8に対応する実施
例の構成図。
【図3】図2の電圧増減回路17の要部構成図。
【図4】図2の電力増減判定回路12の要部構成図。
【図5】図2の電圧増減回路17の要部構成図。
【図6】従来装置の構成図。
【図7】太陽電池の特性図。
【符号の説明】
1…太陽電池 2…電力変換器 3
…系統 4…負荷 5…電圧制御回路 6
…最大電力制御回路 7…電圧検出器 8…電流検出器 9
…乗算器 10…周期信号発生回路 11…電圧基準回路 12
…電力増減判定回路 13…電力変化検出回路 14…電流制御回路 1
6,40 …論理和回路 17…増減設定回路 18…加算器 19
…反転回路 20,21 …電圧設定器 22,23 …スイッチ 24
…排他的論理和回路 25…フリップフロップ 26,28 …電力増加検出器 2
7,29 …電力減少検出器 30,31,32,33 …カウンタ 34,35,41,42 …比較器 3
6,37,38,39 …論理積回路

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】太陽電池の電力を、制御周期毎に更新され
    る電圧指令あるいは電流指令に応じて所望の電力形態に
    変換して負荷に供給する電力変換器と、太陽電池の出力
    電圧と出力電流を検出して出力電力を演算し、前記出力
    電力が最大となるように前記電圧指令あるいは電流指令
    を更新して前記電力変換器を制御する最大電力制御手段
    を備え、日射強度の変化量が所定値を越えるとき、前記
    最大電力制御手段による前記電圧指令あるいは電流指令
    の更新を一時中止させる日射量変化判定手段を設けたこ
    とを特徴とする電力変換器の制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電力変換器の制御装置に
    おいて、前記日射量変化判定手段は、前記出力電圧が所
    定の電圧変動範囲内で安定しているとき、制御周期より
    短い一定期間における前記出力電力の変化量を監視し、
    その変化量の絶対値が所定の値を越えるとき、日射強度
    の変化量が所定値を越えたと判定して禁止信号を出力
    し、前記最大電力制御手段は、前記禁止信号により前記
    電圧指令あるいは電流指令の更新を一時中止することを
    特徴とする電力変換器の制御装置。
  3. 【請求項3】太陽電池の電力を、制御周期毎に更新され
    る電圧指令に応じて所望の電力形態に変換して負荷に供
    給する電力変換器と、前記制御周期内で、少なくとも一
    回以上前記電圧指令を一定量だけ増減させる電圧増減手
    段と、前記電圧指令を一定量だけ増減させたときの太陽
    電池の出力電力の変化から、前記電圧指令を更新して増
    減させるか、あるいは更新の一時中止を判定する電力増
    減判定手段と、前記電力増減判定手段の判定結果に基づ
    いて前記出力電力が最大となるように前記電圧指令の更
    新、あるいは更新の一時中止を行い、前記電力変換器を
    制御する最大電力制御手段を設けたことを特徴とする電
    力変換器の制御装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の電力変換器の制御装置に
    おいて、前記電力増減判定手段は、前記電圧指令を一定
    量だけ増減させ、電圧増で電力増かつ電圧減で電力減の
    とき電圧指令増と判定し、電圧増で電力減かつ電圧減で
    電力増のとき電圧指令減と判定し、それ以外のときは電
    圧指令の更新の一時中止と判定することを特徴とする電
    力変換器の制御装置。
  5. 【請求項5】請求項3に記載の電力変換器の制御装置に
    おいて、前記電圧増減手段は、制御周期に同期して一定
    量の電圧増減信号を出力し、前記最大電力制御手段から
    出力される電圧指令に加えて電圧指令を増減させ、前記
    電力増減判定手段が電圧指令増と判定したとき、制御周
    期の初めに前記一定量の電圧増の信号を出力し、前記電
    力増減判定手段が電圧指令減と判定したとき、制御周期
    の初めに前記一定量の電圧減の信号を出力することを特
    徴とする電力変換器の制御装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の電力変換器の制御装置に
    おいて、前記電圧増減手段は、前記電圧指令を増減させ
    る電圧増減信号の一定量を、一回の制御周期で前記最大
    電力制御手段で更新される電圧指令の変化量より小さな
    値に設定することを特徴とする電力変換器の制御装置。
  7. 【請求項7】請求項3に記載の電力変換器の制御装置に
    おいて、前記電力増減判定手段は、前記制御周期内で前
    記電圧増減手段により前記電圧指令を一定量だけ複数回
    増減されたとき、電圧増減の度に電力増減を判定する判
    定手段と、電力増減を判定する度にインクリメントする
    カウンタと、前記カウンタのカウント値に基づいて電圧
    指令の増減を多数決により判定する第2の判定手段を備
    えたことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  8. 【請求項8】請求項3に記載の電力変換器の制御装置に
    おいて、前記電力増減判定手段は、前記制御周期内で前
    記電圧増減手段により前記電圧指令を一定量だけ複数回
    増減されたとき、電圧増減の度に電力増減を判定する判
    定手段と、電力増減を判定する度にインクリメントする
    カウンタと、前記カウンタのカウント値に基づいて複数
    回の判定結果が一致したとき電圧指令の増減を判定し、
    複数回の判定結果が一致しないときは電圧指令の更新を
    中止と判定する第2の判定手段を備えたことを特徴とす
    る電力変換器の制御装置。
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