JP3028900U - 車輪付き鞄 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 引き手ハンドル及びその関連部品の大部分を
鞄本体内に収納して体裁を向上し、かつ、これら収納部
品の体裁を考慮せずにすむと共に、補強構造を工夫して
軽量な車輪付き鞄を提供する。 【解決手段】鞄本体の上面に把手を、下面と一側面との
角部位に、外周の一部が外方に突出する車輪を設け、一
側面と下面との外面側には車輪の突出量に適合する高さ
の足片を設け、鞄本体の前板または後板のいずれか一方
または双方には、その大部分を占める大きさの開口部
と、下辺のみを該開口部の下辺部位に取り外し不能に連
結し、その他の周辺部をスライドファスナーで該前板ま
たは後板に開閉可能に連結した蓋板を設け、該鞄本体の
上部内には他側面よりハンドル部を引き出し可能に収納
した曳行用ハンドルを収納してなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は車輪を有して、車輪を転動させながら曳行できるようになした車輪付 き鞄に関するものである。

【０００２】 従来、この種の車輪付き鞄は、キャスターバック等と称されて、縦長略直方体 の鞄本体の上面と後面との角に側面Ｌ型の固定具を、下面と後面との角に同じく 側面Ｌ型の固定具を取り付け、両固定具の外面側に一対のガイド筒を固定保持さ せ、このガイド筒内には逆Ｕ字状の引き手ハンドルの両足部を抜き差し可能に収 納し、下方の固定具の角部には一対の車輪を設けてなる。

【０００３】 上記キャスターバックは、航空機機内に持ち込み可能な大きさとするのが通常 で、手軽さと旅行者の携帯する荷物が少なくなったことから、最近汎用されてい るが、鞄自体が重いという指摘と、引き手ハンドルそのガイド筒及び固定具が露 出して体裁が悪いとの指摘がなされている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで本考案は、上記指摘に基づき、引き手ハンドル及びその関連部品の大部 分を鞄本体内に収納して体裁のよい車輪付き鞄を提供することを課題としたもの である。

【０００５】 また、本考案は引き手ハンドル及びその関連部品の大部分を鞄本体内に収納す ることで、これら部品の体裁を考慮せずに、さらには補強構造を工夫して軽量な 車輪付き鞄を提供することを課題としたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を達成するため、本考案の構成は、横長略直方体の鞄本体１０の上面 １０ａに把手１１を設け、該鞄本体１０の下面１０ｂと一側面１０ｃとの角部位 に、外周の一部が該下面１０ｂと一側面１０ｃとの外方に突出する車輪１３を設 け、上記一側面１０ｃの外面側には車輪１３の突出量に適合する高さの足片１５ を設け、上記下面１０ｂの外面側には同じく車輪１３の突出量に適合する高さの 足片１４を設け、また、該鞄本体１０の前板１０ｄまたは後板１０ｅのいずれか 一方または双方には、その大部分を占める大きさの開口部１０ｇと、下辺のみを 該開口部１０ｇの下辺部位に取り外し不能に連結し、その他の周辺部をスライド ファスナー１６で該前板１０ｄまたは後板１０ｅに開閉可能に連結した蓋板１０ ｆを設け、さらに、該鞄本体１０の上部内には他側面１０ｈよりハンドル部２１ を引き出し可能に収納した曳行用ハンドル２０を収納した技術的手段を講じたも のである。

【０００７】 それゆえ、本考案車輪付き鞄は引き手ハンドルを鞄本体１０の上部に収納して あるので、これらが露出せず隠蔽される作用を呈する。

【０００８】 そして、引き手ハンドルを設けると、これらの保持機構等が当然必要となるが 、これらは鞄本体１０内に位置して見えないため、単なる帯鉄等の簡易なものが 使用でき軽量化が可能都なる作用を呈する。

【０００９】 なお、引き手ハンドルを鞄本体１０の上部に収納してあると、鞄本体１０の上 面１０ａに開口を設けて収納物を出し入れすることはできないが、本考案は前板 １０ｄまたは後板１０ｅのいずれか一方または双方には、その大部分を占める大 きさの開口部１０ｇと、下辺のみを該開口部１０ｇの下辺部位に取り外し不能に 連結し、その他の周辺部をスライドファスナー１６で該前板１０ｄまたは後板１ ０ｅに開閉可能に連結した蓋板１０ｆを設けてあるので、この開口部１０ｇより 収納物の出し入れが可能となる作用を呈する。

【００１０】 次に「請求項２」の考案は、横長略直方体の鞄本体１０の上面１０ａ外面側に 把手１１を内面側に座板３１を設け、該把手１１と座板３１とを鋲等の連結具４ １，４１で固定し、該鞄本体１０の下面１０ｂと一側面１０ｃとの角部位に、外 周の一部が該下面１０ｂと一側面１０ｃとの外方に突出する車輪１３を設け、上 記一側面１０ｃの外面側には車輪１３の突出量に適合する高さの足片１５を設け 、上記下面１０ｂの外面側には同じく車輪１３の突出量に適合する高さの長尺な 一対の足片１４，１４を該下面１０ｂの長手方向に沿って平行に配し、下面１０ ｂの内面側には補強用内底板３２を配して、この足片１４，１４と補強用内底板 ３２とを鋲等の連結具４３，４３で固定し、また、該鞄本体１０の前板１０ｄま たは後板１０ｅのいずれか一方または双方には、その大部分を占める大きさの開 口部１０ｇと、下辺のみを該開口部１０ｇの下辺部位に取り外し不能に連結し、 その他の周辺部をスライドファスナー１６で該前板１０ｄまたは後板１０ｅに開 閉可能に連結した蓋板１０ｆを設け、さらに、該鞄本体１０の上部内には他側面 １０ｈよりハンドル部２１を引き出し可能に収納した曳行用ハンドル２０を収納 し、ハンドル部２１を抜き差し可能に収納する一対のガイド筒２１ａ，２１ａを 連結する連結体２２，２２を前記座板３１に添わせて鋲等の連結具４２，４２で 連結した技術的手段を講じたものである。

【００１１】 それ故、本考案は上面１０ａが座板３１とガイド筒２１ａ，２１ａとで、下面 １０ｂが一対の長尺な足片１４，１４と内底板３２とで夫々補強され、鞄本体１ ０を構成する素材を特に保形性のよい重いものを使用しなくても型崩れしない作 用を呈する。

【００１２】 なお、ガイド筒２１ａ，２１ａと足片１４，１４とを鞄本体１０の補強に兼用 したことで軽量化が可能となる作用を呈するものである。

【００１３】 また、「請求項３」の考案は、「請求項２」の鋲等の連結具４２，４２が、鞄 本体１０の上面１０ａ外面側に配したショルダーベルト取付環体１７，１７を、 連結体２２，２２と座板３１とに共に連結固定した技術的手段を講じたものであ る。

【００１４】 それ故、図示しないショルダーベルトにかかる荷重は、ショルダーベルト取付 環体１７，１７、座板３１を介して上面１０ａの広い面積に加わる作用を呈する 。

【００１５】

【考案の実施の態様】

次ぎに、本考案の実施態様を説明する。図中、１０が鞄本体である。この鞄本 体１０は上面１０ａと下面１０ｂと前板１０ｄと後板１０ｅと一側面１０ｃと他 側面１０ｈとで横長略直方体に構成されている。

【００１６】 なお、上記鞄本体１０の素材は、天然皮革、合成皮革、布地、合成樹脂シート 、これらの積層材等の従来鞄の素材として公知なもを使用すればよいが、本考案 では軽量な柔軟生地を使用することが最も望ましいものである。

【００１７】 そして、鞄本体１０の上面１０ａに把手１１を設けてある。この把手１１は鞄 本体１０を吊り下げるためのもので、従来公知なものを、従来法で取り付ければ よい。

【００１８】 なお、上記把手１１は握持して鞄本体１０を吊り下げると、鞄本体１０乃至そ の収納物の全荷重が加わるため、鞄本体１０との連結部は強靭な構成とする必要 性がある。そこで、「請求項２」の考案では、鞄本体１０の上面１０ａの内面側 に座板３１を設け、該把手１１と座板３１とを鋲等の連結具４１，４１で固定し てある。

【００１９】 鞄本体１０の下面１０ｂと一側面１０ｃとの角部位に、外周の一部が該下面１ ０ｂと一側面１０ｃとの外方に突出する車輪１３を設けてある。

【００２０】 上記車輪１３も、従来公知なものを従来法で取り付ければよく、図では必ずし も明確ではないが、車輪と車軸を保持する車輪カバーを鞄本体１０内に埋入し、 この車輪カバーより外方に突出したフランジ状部１３ａを鞄本体１０に鋲着等で 固定してある。

【００２１】 また、鞄本体１０の一側面１０ｃの外面側には車輪１３の突出量に適合する高 さの足片１５を設けてある。この足片１５は、鞄本体１０を車輪１３を下にして 水平面上に縦長方向に置いた場合に直立するようになすもので、従来公知なもの を従来法で取り付ければよい。

【００２２】 さらに、上記下面１０ｂの外面側には同じく車輪１３の突出量に適合する高さ の足片１４を設け手ある。この足片１４は、鞄本体１０を車輪１３を下にして水 平面上に横長方向に置いた場合に水平となるようになすものである。

【００２３】 なお、この足片１４は従来公知なものを使用してもよいが、「請求項２」の考 案では、この足片１４が底面１０ｂの補強を兼ねるようになしてある。そのため 、この足片１４は合成御樹脂等の強靭材質で長尺に形成され、一対の足片１４， １４を該下面１０ｂの長手方向に沿って平行に配し、下面１０ｂの内面側には補 強用内底板３２を配して、この足片１４，１４と補強用内底板３２とを鋲等の連 結具４３，４３で固定している。

【００２４】 したがって、この足片１４，１４はと連結具４３，４３で補強用内底板３２と 一体化してなるので、底面１０ｂを効果的に補強するものである。

【００２５】 また、該鞄本体１０の前板１０ｄまたは後板１０ｅのいずれか一方または双方 には、その大部分を占める大きさの開口部１０ｇと、下辺のみを該開口部１０ｇ の下辺部位に取り外し不能に連結し、その他の周辺部をスライドファスナー１６ で該前板１０ｄまたは後板１０ｅに開閉可能に連結した蓋板１０ｆを設けてある 。

【００２６】 上記の方式の蓋板１０ｆは、古くは大開蓋と称され布製スーツケース等に使用 されたものと略同じであるが、本実施態様では、蓋板１０ｆにポケット等の副収 納部１８，１８を設けてある。

【００２７】 なお、スライドファスナー１６は、蓋板１０ｆの下辺中央連結部を残してその 全周に配設され、通常二つのスライダーで開閉するようにしてあるのも従来と同 じである。

【００２８】 そして、該鞄本体１０の上部内には他側面１０ｈよりハンドル部２１を引き出 し可能に収納した曳行用ハンドル２０を収納してある。この、曳行用ハンドル２ ０は逆Ｕ字状のハンドル部２１と、このハンドル部２１を抜き差し可能に収納す る一対のガイド筒２１ａ，２１ａで構成されるのは従来と同じで、このガイド筒 ２１ａ，２１ａは、一端を他側面１０ｈに開口して鞄本体１０内に固定・収納さ れている。

【００２９】 なお、上記ガイド筒２１ａ，２１ａは通常金属パイプで構成され強靭であるの で、「請求項２」の考案では、この一対のガイド筒２１ａ，２１ａを連結する連 結体２２，２２を前記座板３１に添わせて鋲等の連結具４２，４２で連結して、 座板３１と一体化している。

【００３０】 「図４」に示すように、ガイド筒２１ａ，２１ａは、帯鉄を折り曲げて形成し た連結体２２の両端に保持され、この連結体２２が連結具４２で、座板３１と上 面１０ａと共に、さらには、ショルダーベルト取付環体１７と共に相互に連結固 定してある。

【００３１】 なお、「請求項３」の考案は、「請求項２」の考案の、鋲等の連結具４２，４ ２が、鞄本体１０の上面１０ａ外面側に配したショルダーベルト取付環体１７， １７を、連結体２２，２２と座板３１とに共に連結固定してなる。このショルダ ーベルト取付環体１７はその一辺を二つ折部に巻き込む取付具１６ａに保持され 、この取付具１６ａを鞄本体に取り付けるようになしてあるのは従来と同じであ る。

【００３２】 図示しないショルダーベルトで鞄本体１０を吊り下げる場合も大きな荷重が加 わるので、ショルダーベルト取付環体１７，１７は、連結体２２，２２と座板３ １とに固定することで充分な耐久性を有するようになしてある。

【００３３】 なお、１８は、鞄本体１０の他側面１０ｈに設けたポケット部で、ファスナー 開口を有している。また、このポケット部１８には第二の把手１９が設けられ、 鞄本体１０を縦長に吊り下げることもできるようになしてある。また、３３，３ ３は側面補強板を示すものである。

【００３４】

【考案の効果】

本考案は、上記のごときで、通常は「図１」に示すように、単なる手提げ鞄と 外形が大差なく、体裁のよい車輪付き鞄を提供できるものである。

【００３５】 そして、この鞄を曳行する際は、「図２」に示すように曳行用ハンドル２０の ハンドル部２１を鞄本体より引き出し、鞄本体１０を傾斜させて、車輪１３，１ ３を接地させて曳行できる車輪付き鞄を提供できるものである。

【００３６】 なお、曳行用ハンドル２０の大部分は鞄本体１０内に収納したので、この曳行 用ハンドル２０の鞄本体への連結部の構成を従来のような大型なものを使用しな くてすみ、帯鉄等で容易に行なえるので、従来に比べ軽量な車輪付き鞄を提供で きるものである。

【００３７】 また、「請求項２」の考案は上記効果に加え、鞄本体１０の上面１０ａが座板 ３１とガイド筒２１ａ，２１ａとで、底面１０ｂが足片１４，１４と補強用内底 板３２とで夫々補強され、鞄本体生地に薄手軽量なものを使用しても型崩れしな い丈夫な車輪付き鞄を提供できるものである。

【００３８】 なお、上記足片１４，１４は、ソリ板としても利用可能で、雪の上や階におい てはこの足片１４，１４を接地させて、滑らして鞄本体を引く利用法もできるも のである。

【００３９】 また、「請求項３」の考案は、上記効果に加えショルダーベルト取付環体１７ ，１７を取り付けたのでショルダー鞄としても利用できる車輪付き鞄を提供でき るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案車輪付き鞄の位置実施態様を示す正面図
である。

【図２】曳行する状態を示す正面図である。

【図３】前板を除去した状態での正面図である。

【図４】曳行用ハンドル部位の部分縦断面図である。

【符号の説明】

１０ 鞄本体 １０ａ 上面 １０ｂ 下面 １０ｃ 一側面 １０ｄ 前板 １０ｅ 後面 １０ｆ 蓋体 １０ｇ 開口部 １０ｈ 他側面 １１ 把手 １３ 車輪 １４ 足片 １５ 足片 １６ スライドファスナー １７ ショルダーベルト取付環体 ２０ 曳行用ハンドル ２１ ハンドル部 ２１ａ ガイド筒 ２２ 連結体 ３１ 座板 ３２ 補強用内底板 ４１ 連結具 ４２ 連結具 ４３ 連結具

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 横長略直方体の鞄本体（１０）の上面
   （１０ａ）に把手（１１）を設け、 該鞄本体（１０）の下面（１０ｂ）と一側面（１０ｃ）
   との角部位に、外周の一部が該下面（１０ｂ）と一側面
   （１０ｃ）との外方に突出する車輪（１３）を設け、 上記一側面（１０ｃ）の外面側には車輪（１３）の突出
   量に適合する高さの足片（１５）を設け、 上記下面（１０ｂ）の外面側には同じく車輪（１３）の
   突出量に適合する高さの足片（１４）を設け、 また、該鞄本体（１０）の前板（１０ｄ）または後板
   （１０ｅ）のいずれか一方または双方には、その大部分
   を占める大きさの開口部（１０ｇ）と、下辺のみを該開
   口部（１０ｇ）の下辺部位に取り外し不能に連結し、そ
   の他の周辺部をスライドファスナー（１６）で該前板
   （１０ｄ）または後板（１０ｅ）に開閉可能に連結した
   蓋板（１０ｆ）を設け、 さらに、該鞄本体（１０）の上部内には他側面（１０
   ｈ）よりハンドル部（２１）を引き出し可能に収納した
   曳行用ハンドル（２０）を収納した車輪付き鞄。
2. 【請求項２】 横長略直方体の鞄本体（１０）の上面
   （１０ａ）外面側に把手（１１）を内面側に座板（３
   １）を設け、該把手（１１）と座板（３１）とを鋲等の
   連結具（４１，４１）で固定し、 該鞄本体（１０）の下面（１０ｂ）と一側面（１０ｃ）
   との角部位に、外周の一部が該下面（１０ｂ）と一側面
   （１０ｃ）との外方に突出する車輪（１３）を設け、 上記一側面（１０ｃ）の外面側には車輪（１３）の突出
   量に適合する高さの足片（１５）を設け、 上記下面（１０ｂ）の外面側には同じく車輪（１３）の
   突出量に適合する高さの長尺な一対の足片（１４，１
   ４）を該下面（１０ｂ）の長手方向に沿って平行に配
   し、下面（１０ｂ）の内面側には補強用内底板（３２）
   を配して、この足片（１４，１４）と補強用内底板（３
   ２）とを鋲等の連結具（４３，４３）で固定し、 また、該鞄本体（１０）の前板（１０ｄ）または後板
   （１０ｅ）のいずれか一方または双方には、その大部分
   を占める大きさの開口部（１０ｇ）と、下辺のみを該開
   口部（１０ｇ）の下辺部位に取り外し不能に連結し、そ
   の他の周辺部をスライドファスナー（１６）で該前板
   （１０ｄ）または後板（１０ｅ）に開閉可能に連結した
   蓋板（１０ｆ）を設け、 さらに、該鞄本体（１０）の上部内には他側面（１０
   ｈ）よりハンドル部（２１）を引き出し可能に収納した
   曳行用ハンドル（２０）を収納し、ハンドル部（２１）
   を抜き差し可能に収納する一対のガイド筒（２１ａ，２
   １ａ）を連結する連結体（２２，２２）を前記座板（３
   １）に添わせて鋲等の連結具（４２，４２）で連結した
   車輪付き鞄。
3. 【請求項３】 上記鋲等の連結具（４２，４２）が、鞄
   本体（１０）の上面（１０ａ）外面側に配したショルダ
   ーベルト取付環体（１７，１７）を、連結体（２２，２
   ２）と座板（３１）とに共に連結固定した「請求項２」
   記載の車輪付き鞄。