JP3028470B2 - コンクリートブロック造の構築工法 - Google Patents

コンクリートブロック造の構築工法

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JP3028470B2
JP3028470B2 JP9038573A JP3857397A JP3028470B2 JP 3028470 B2 JP3028470 B2 JP 3028470B2 JP 9038573 A JP9038573 A JP 9038573A JP 3857397 A JP3857397 A JP 3857397A JP 3028470 B2 JP3028470 B2 JP 3028470B2
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要三郎 柳澤
光郎 吉永
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エスビック株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブロック壁に面外
力が加わるようなコンクリートブロック造の構築工法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般のブロック擁壁の構築工法は図
5で示すように、横配筋3(鉄筋)が施された基礎スラ
ブ2の上面にコンクリートブロック1a〜1eを縦配筋
4(鉄筋)を施して複数段に組積みしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の工法により
構築されたブロック擁壁の場合、ブロック擁壁に作用す
る土圧(面外力)は最上段のコンクリートブロック1e
が最小であり、下段に至るにしたがって漸次増大し最下
段のコンクリートブロック1aが最大となる応力分布で
ある。これにより、危険断面位置Eは地面と平行する基
礎スラブ2と最下段のコンクリートブロック1aとの接
合部位であり、この危険断面位置Eの接合部位の安全率
を充分に計算した上で構築しているが、接合部位が落下
モルタル等で汚れたり、打ち継ぎにより充分な安全率の
確保に難点があって、高強度な接合で安全率を向上する
ことが課題になっている。
【0004】本発明の目的は、上記の課題に鑑みて、基
礎スラブと最下段のコンクリートブロックとの接合部位
を高強度な接合とし、安全率を向上したコンクリートブ
ロック造の構築工法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明は、横配筋が施された基礎スラブの上面にコ
ンクリートブロックを縦配筋を施して複数段に組積みさ
れるコンクリートブロック造の構築において、前記基礎
スラブと前記コンクリートブロックの最下段のコンクリ
ートブロックとの接合部位に、所要の間隔で並列し4隅
に横鉄筋を通して結束連結した四角形枠状の補強配筋を
前記横配筋と縦配筋とに結束し、前記基礎スラブと最下
段のコンクリートブロックとの接合部の内側コーナ部に
前記補強配筋の一部をコンクリートブロック又はコンク
リートにより埋設して高強度のパネルゾーンを形成する
ことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1において、1は本発明に用いられる
コンクリートブロックの1例を示す。本発明は図2で示
すように、横配筋3(鉄筋)が施された基礎スラブ2の
上面にコンクリートブロック1a〜1eを縦配筋4(鉄
筋)を施して複数段に組積みされるコンクリートブロッ
ク造の構築において、前記基礎スラブ2と前記コンクリ
ートブロック1a〜1eの最下段のコンクリートブロッ
ク1aとの接合部位に、図4にも示すように、四角形枠
状の補強配筋5(鉄筋)を前記横配筋3と縦配筋4とに
結束し、前記基礎スラブ2と最下段のコンクリートブロ
ック1aとの接合部の内側コーナ部に前記補強配筋5の
一部をコンクリートブロック6aにより埋設して高強度
のパネルゾーン7を形成したものである。
【0007】図3は本発明における他の実施形態であ
り、前記基礎スラブ2と最下段のコンクリートブロック
1aとによる内側コーナ部に設けられるコンクリートブ
ロック6aをコンクリート6bに変更したものである。
【0008】前記パネルゾーン7における補強配筋5は
図4にも示すように、コンクリートブロック壁の幅方向
の長さに応じて、所要の間隔で並列し、各補強配筋5の
4隅に横鉄筋8を通して結束連結する。
【0009】上記本発明の工法によると、ブロック擁壁
に作用する土圧応力が最大となる基礎スラブ2と最下段
のコンクリートブロック1aとの接合部位に、所要の間
隔で並列し4隅に横鉄筋を通して結束連結した四角形枠
状の補強配筋5を基礎スラブ2の横配筋3とコンクリー
トブロック1a〜1eの縦配筋4とに結束し、前記基礎
スラブ2と最下段のコンクリートブロック1aとの接合
部の内側コーナ部に前記補強配筋5の一部をコンクリー
トブロック6a又はコンクリート6bにより埋設して形
成したパネルゾーン7により、基礎スラブ2と最下段の
コンクリートブロック1aとの接合強度が増大し安全率
を向上する。
【0010】また、前記パネルゾーン7の形成により危
険断面位置Eが従来の地面と平行する基礎スラブ2と最
下段のコンクリートブロック1aとの接合部位より1ブ
ロック分上方に移動する。これは、危険断面位置Eが土
圧応力を最大とする基礎スラブ2と最下段のコンクリー
トブロック1aとの接合部位から土圧応力の小さい部位
に移動し、基礎スラブ2と最下段のコンクリートブロッ
ク1aとの接合強度が増大し安全率を向上していること
を意味する。
【0011】[実施例]本発明工法によるブロック擁壁
を図5で示す従来工法によるブロック擁壁のように、前
後方向の厚味Bを220mmのコンクリートブロックを
基礎スラブ2の上に5段積みし、基礎スラブ2からコン
クリートブロック1a〜1eの最上段のコンクリートブ
ロック1eまでの高さHを2000mmとした場合、本
発明工法によるブロック擁壁では、図2に示すように、
コンクリートブロック1a〜1eの最上段のコンクリー
トブロック1eまでの高さHを2000mm範囲内にお
いてパネルゾーン7によってH1=1800mmとH2
=200mmとなり、危険断面位置EがH2=200m
m上方に移動する。
【0012】上記従来工法のブロック擁壁と本発明工法
によるブロック擁壁との安全率を比較する。何れのブロ
ック擁壁も配筋はD13−200@(at=6.35c
)とし、安全率を(安全率)=(実際の配筋量)/
(必要な鉄筋量)で定義すると、 従来工法のブロック
擁壁の安全率=6.35/4.90=1.30 本発明工法のブロック擁壁の安全率=6.35/3.5
7=1.78 となり、この結果により本発明工法のブロック擁壁の方
が従来工法のブロック擁壁より安全率が高いといえる。
【0013】パネルゾーン7の剪断について検討する
と、剪断応力は1.01kg/cmであり、剪断の許
容応力度は4.21kg/cmであるので、安全率は
4.21/1.01=4.17となり、本発明工法のブ
ロック擁壁の安全率1.78を上廻り充分な安全性を有
している。
【0014】尚、本発明工法の実施形態についてブロッ
ク擁壁で説明したが、これに限定されるものではなく、
面外力の加わるコンクリートブロック壁を組積みするコ
ンクリートブロック造に広く適用することができる。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明によると、横配筋が
施された基礎スラブと、この基礎スラブ上に復数段で組
積みされるコンクリートブロック造の接合部位に、所要
の間隔で並列し4隅に横鉄筋を通して結束連結した四角
形枠状の補強配筋を前記横配筋と組積みされたコンクリ
ートブロックの縦配筋とに結束し、基礎スラブと最下段
のコンクリートブロックとの接合部の内側コーナ部に前
記補強配筋の一部をコンクリートブロック又はコンクリ
ートにより埋設して高強度のパネルゾーンを形成した工
法であるから、基礎スラブと最下段のコンクリートブロ
ックとの接合部位を高強度な接合とし、安全率を向上
し、土圧等の外力に対し強固で耐久性を確保したコンク
リートブロック造の構築が得られる利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられるコンクリートブロックの1
例を示す斜視図
【図2】本発明工法の説明図
【図3】本発明工法の説明図
【図4】本発明工法の配筋構成の斜視図
【図5】従来工法の説明図
【符号の説明】
1 コンクリートブロック 2 基礎スラブ 3 横配筋 4 縦配筋 5 補強配筋 6a コンクリートブロック 6b コンクリート 7 パネルゾーン 8 横鉄筋

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】横配筋が施された基礎スラブの上面にコン
    クリートブロックを縦配筋を施して複数段に組積みされ
    るコンクリートブロック造の構築において、前記基礎ス
    ラブと前記コンクリートブロックの最下段のコンクリー
    トブロックとの接合部位に、所要の間隔で並列し4隅に
    横鉄筋を通して結束連結した四角形枠状の補強配筋を前
    記横配筋と縦配筋とに結束し、前記基礎スラブと最下段
    のコンクリートブロックとの接合部の内側コーナ部に前
    記補強配筋の一部をコンクリートブロック又はコンクリ
    ートにより埋設して高強度のパネルゾーンを形成する
    とを特徴とするコンクリートブロック造の構築工法。
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