JP3028041B2 - 楽音要素抽出装置 - Google Patents

楽音要素抽出装置

Info

Publication number
JP3028041B2
JP3028041B2 JP7051993A JP5199395A JP3028041B2 JP 3028041 B2 JP3028041 B2 JP 3028041B2 JP 7051993 A JP7051993 A JP 7051993A JP 5199395 A JP5199395 A JP 5199395A JP 3028041 B2 JP3028041 B2 JP 3028041B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pitch
time
data
peak
detecting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7051993A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08221060A (ja
Inventor
進 石橋
正 武藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP7051993A priority Critical patent/JP3028041B2/ja
Publication of JPH08221060A publication Critical patent/JPH08221060A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3028041B2 publication Critical patent/JP3028041B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力された波形信号か
らノートオンやピッチ等の楽音要素を抽出する楽音要素
抽出装置に関するものであり、特にギターシンセサイザ
に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ギターシンセサイザと云われる電
子楽器が知られているが、このギターシンセサイザにお
いては、ギターの弦の振動をピックアップにより電気信
号として検出し、この電気信号を入力波形としてそのピ
ッチやノートオン,ノートオフ等を検出して、これらの
検出信号および指定された情報により音源を制御するこ
とにより、音源からギターを演奏したピッチで任意に指
定された音色等により楽音を発音することができるよう
にされている。また、一般に従来のギターシンセサイザ
においては入力波形から検出されたエンベロープを一定
時間毎にディジタル値に変換し、この変換されたディジ
タル値から前記ノートオン,ノートオフやベロシティ情
報を得るようにしていた。
【0003】また、入力波形のピッチは、リアルタイム
性を重視して入力波形のゼロクロス間の時間測定、ある
いはピーク間の時間測定を行うことにより、一般に検出
されている。さらに、検出されたピッチと音名の中心ピ
ッチとの差分からピッチベンドデータを作成するピッチ
ベンドデータ作成手段が、一般にギターシンセサイザに
は備えられており、このピッチベンドデータは例えば1
4ビットで作成されて音源に供給されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ギターシンセサイザにおいては入力波形から検出された
エンベロープを一定時間毎にディジタル値に変換し、こ
の変換されたディジタル値からノートオン,ノートオフ
やベロシティ情報を得るようにしていたため、一定時間
毎のタイミングが必ずしも最適のタイミングとならず、
正確なエンベロープ波形を検出することができなかっ
た。従って、エンベロープ波形に基づいて検出される楽
音要素も正確に検出されないと云う問題点があった。
【0005】また、入力波形のゼロクロス間の時間測
定、あるいはピーク間の時間測定を行うことにより入力
波形のピッチを検出するようにすると、入力波形には高
調波成分が一般に含まれていることから、基本周期以外
のゼロクロス点を検出したり、あるいはピーク点を検出
したりすると、誤ったピッチを検出してしまうと云う問
題点があった。特に、低い音に対してはこの現象は顕著
に現れるようになる。さらに、誤ったピッチが検出され
ないような複雑な処理を行ってピッチを検出すると、ピ
ッチ検出に時間がかかりギターシンセサイザとされてい
る場合には発音が遅れてしまうと云う問題点があった。
【0006】さらにまた、ピッチベンドデータとして7
ビットのデータしか受け入れられない音源の場合、14
ビットのピッチベンドデータのうち上位7ビットだけを
音源に供給するようにすると、ピッチベンドデータの意
図するところを正確に、音源から発音される楽音に反映
することができないと云う問題点があった。ところで、
ギターにおいては速いピッキングを連続的に行うことに
より演奏を行うことがあるが、このような場合はエンベ
ロープがノートオフ状態とならないうちにノートオン状
態となるため、ノートオンを検出することができないと
云う問題点があった。また、ギターに内蔵されたピック
アップからの一系統の信号をギターシンセサイザの入力
信号とする場合に、低域のエンベロープが高域に比較し
て大きくなるという問題点があった。
【0007】そこで、本発明は入力波形の正確なエンベ
ロープ波形を検出できる楽音要素抽出装置を提供するこ
とを第1の目的としている。また、本発明はピッチ検出
精度を向上することのできる楽音抽出装置を提供するこ
とを第2の目的としており、発音時間が遅れることなく
ピッチを検出することのできる楽音要素抽出装置を提供
することを第3の目的としている。さらに、音源の能力
によらずピッチベンドデータを正確に反映できるように
したピッチベンドデータを出力できる楽音要素抽出装置
を提供することを第4の目的としており、速いピッキン
グを連続的に行うことによりギターの演奏を行っても、
その演奏に追従することのできる楽音要素抽出装置を提
供することを第5の目的としている。
【0008】さらにまた、入力波形のピッチデータを時
間遅れなく決定することができる楽音要素抽出装置を提
供することを第6の目的としている
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の楽音要素抽出装
置は、前記第1の目的を達成するために、入力アナログ
波形のピークを検出してピーク信号を出力するピーク検
出手段と、前記入力アナログ波形のエンベロープを検出
するエンベロープ検出手段と、前記ピーク検出手段が出
力したピーク信号に応じて、該エンベロープ検出手段に
より検出された前記入力アナログ波形のピークの時点に
おけるエンベロープをディジタル信号に変換するアナロ
グ−ディジタル変換手段と、アナログ−ディジタル変
換手段から得られた前記ディジタル信号に変換されたエ
ンベロープのレベルが第1スレショルドレベルを越え
たときにノートオンされたと検出すると共に、前記ディ
ジタル信号に変換されたエンベロープからべロシティを
検出する検出手段とを備えるようにしたものである。
【0010】また、前記検出手段がノートオンを検出し
た後、一定時間前記ピーク検出手段がピーク信号を出力
していない場合前記検出手段が、前記アナログ−デ
ィジタル変換手段から得られた前記ディジタル信号のレ
ベルが、第2スレショルドレベル以下となったことを検
出したときに、ノートオフされたと検出するようにした
ものである。
【0011】本発明の楽音要素抽出装置は、前記第2の
目的を達成するために、入力アナログ波形のピークを検
出してピーク信号を出力するピーク検出手段と、該ピー
ク検出手段から出力されたピーク信号間の時間を計測す
るピーク間時間計測手段と、前記ピーク間時間計測手段
により計測されたピーク信号間の時間データを順次記憶
する記憶手段と、該記憶手段が記憶した前記複数個の時
間データのうち、連続する複数個のデータを第1のグル
ープとすると共に、該第1のグループとは異なる連続す
る複数個のデータを第2のグループとし、該2つのそれ
ぞれのグループについて算出した前記時間データの合計
時間を比較する比較手段と、該比較手段がほぼ等しいと
判断した前記グループ内の前記時間データの合計時間
基づいて、前記入力アナログ波形のピッチを検出するピ
ッチ検出手段を備えるようにしたものである。
【0012】また、前記楽音要素抽出装置において、前
記比較手段がほぼ等しいと判断した前記グループ内にお
ける前記時間データを合計した合計時間の、前記グルー
プ間の平均値を算出する平均化手段を設け、該平均化手
段より出力される平均時間データを検出したピッチとし
、前記ピッチ検出手段が出力するようにしたものであ
り、さらに前記ピッチ検出手段により検出されたピッチ
が所定周波数以上である場合、検出されたピッチを出力
しないようにしたものである。
【0013】本発明の楽音要素抽出装置は、前記第3の
目的を達成するために、前記第1の目的を達成できる本
発明の楽音要素抽出装置あるいは後記第5の目的を達成
できる本発明の楽音要素抽出装置において、前記検出手
段がノートオンを検出してからの1周期の時間を測定す
る時間測定手段と、前記時間測定手段が測定した時間が
所定時間以上である時に、前記検出した時間に基づいて
前記入力アナログ波形のピッチを出力するピッチ出力手
段を、さらに備えるようにしたものである。
【0014】本発明の楽音要素抽出装置は、前記第4の
目的を達成するために、入力アナログ波形のピッチを検
出してピッチを出力するピッチ検出手段と、該ピッチ検
出手段から出力されるピッチについて所定音階上の最寄
りの音高を決定する音高決定手段と、前記ピッチ検出手
段により出力されたピッチと前記音高との音高差を演算
することにより、ピッチベンドデータを作成するピッチ
ベンドデータ作成手段と、前記ピッチベンドデータの全
ビットが受け入れられないモードとされている時に、前
記ピッチベンドデータにおける受け入れられるビット数
の上位ビット群からなるデータ値を、残る下位ビット群
のデータ値に応じて補正することにより、受け入れられ
るビット数のピッチベンドデータを得るようにしたもの
である。
【0015】本発明の楽音要素抽出装置は、前記第5の
目的を達成するために、入力アナログ波形のレベルが第
1スレショルドレベルを越えたと検出された時にノート
オンされたと検出すると共に、前記入力アナログ波形の
レベルが第2スレショルドレベル以下となったことが
出されたときに、ノートオフされたと検出する検出手段
を少なくとも備え、前記第1スレショルドレベルと前記
第2スレショルドレベルの間にリトリガースレショルド
レベルを設け、前記入力アナログ波形のレベルが該リト
リガースレショルドレベルを下回った後、前記第1スレ
ショルドレベルを越えたと検出された時に、ノートオン
されたと前記検出手段が検出するようにしたものであ
る。
【0016】本発明の楽音要素抽出装置は、前記第6の
目的を達成するために、前記第2の目的を達成する前記
本発明の楽音要素抽出装置において、前記ピッチ検出手
段から出力されるピッチの音名を決定することによりピ
ッチデータを得るようにした音名決定手段をさらに
え、前記音名決定手段は、最低音における音名の境界と
される時間データにより構成された境界値テーブルを有
しており、該境界値テーブルの範囲内に入るよう前記ピ
ッチをオクターブシフトすることにより音名を決定する
ようにしたものである。
【0017】
【0018】
【作用】本発明によれば、入力波形からの検出されたピ
ークのタイミングに応じてエンベロープ波形を得るよう
にしたので、正確なエンベロープ波形を得ることができ
る。このため、正確に楽音要素を抽出することができる
ようになる。また、本発明によれば入力波形に含まれる
高調波に影響されることなくピッチ検出の精度を向上さ
せることができる。さらに、ピッチ検出を短時間で行う
ことができるため、ギターシンセサイザに適用しても発
音時間が遅れることを回避することができる。
【0019】さらにまた、ピッチデータの下位ビット値
によって上位ビット値を補正するようにしたので、受け
入れられるピッチベンドデータのビット数が少ないビッ
ト数とされても、その意図するところを正確に反映する
ことができる。また、リトリガースレショルドレベルを
設けるようにしたので、速いピッキングを連続的に行う
ことによりギターを演奏しても、その入力波形から追従
性良く楽音要素を抽出することができる。
【0020】
【実施例】本発明の楽音要素抽出装置の一実施例をギタ
ーシンセサイザに適用した構成を示すブロック図を図1
に示す。この図において、1はギターに装着されて6本
の弦の振動をそれぞれ電気信号に変換して検出するピッ
クアップ、2−1〜2−6は電気信号に変換された6本
の弦に対応する信号から不要の周波数成分をそれぞれ除
去するバンドパスフィルタ、3−1〜3−6は6本の弦
に対応するそれぞれの入力波形のピーク位置でパルスを
出力するパルス検出器、4−1〜4−6は6本の弦に対
応するそれぞれの入力波形からエンベロープ信号を検出
するエンベロープ検出器である。
【0021】また、5はパルス検出器3−1〜3−6か
ら発生されたピーク位置で発生されるパルスの論理和を
取ってCPU6に供給するOR回路、6は入力されるパ
ルス検出器3−1〜3−6から出力されるパルスによ
り、フリーランニングカウンタ値を取り込むインプット
キャプチャー処理、及びOR回路5よりのパルスが入力
されたタイミングによりエンベロープ検出器4−1〜4
−6よりのエンベロープ信号をディジタル信号に変換す
るアナログ−ディジタル変換処理等を行うと共に、楽音
要素を検出して出力するマイクロプロセッサ(CP
U)、7はCPU6から出力された楽音要素信号をMI
DI信号ラインに送出するためのMIDIインターフェ
ース、8はMIDIラインを介して受信された楽音要素
信号に応じて楽音を生成する外部音源(MIDI機器)
である。なお、CPU6から出力された楽音要素信号に
応じて楽音を生成する内部音源9を設けてもよい。
【0022】このように構成された本発明の楽音要素抽
出装置を備えるギターシンセサイザにおいて、ギターに
装着されてギターの弦ごとに対応して設けられた6つの
ピックアップ素子からなるピックアップ1から出力され
た信号波形は、バンドパスフィルタ2−1〜2−6に入
力されて不要周波数成分が除去されることにより、バン
ドパスフィルタ2−1〜2−6から出力される入力波形
は、たとえば図2(a)に示すような波形とされる。こ
の入力波形は、toのタイミングで弦がピッキングされ
た時の入力波形である。この場合、この入力波形のピッ
チの周期は図示するピーク間の時間間隔となるが、この
入力波形が入力されるパルス検出器31〜3−6におい
て、同図(b)に示すように負のピーク位置でパルスp
uls1,puls2,puls3,puls4・・・
が出力される。このパルスは6本の弦ごとに検出され
て、CPU6に入力されている。
【0023】このCPU6に入力されるパルスにより、
CPU6内に備えられているフリーランニングカウンタ
のカウンタ値が取り込まれ、内部のレジスタに蓄積され
る。この蓄積されたカウンタ値は後述するが、入力波形
のピッチを検出する場合に使用される。なお、このパル
スは入力波形が負のピーク位置を検出することにより生
成されているが、正のピーク位置を検出することにより
生成するようにしてもよい。
【0024】また、エンベロープ検出器4−1〜4−6
は図2(a)に示す入力波形を受けて、同図(c)に実
線で示すようなエンベロープを出力する。このエンベロ
ープは6本の弦ごとに検出されてCPU6のAD1〜A
D6の入力端子にそれぞれ入力される。この場合、同図
(c)に示すエンベロープのピーク値をつなぐ一点鎖線
で示す波形がエンベロープ波形とされるが、図に示す部
分はわずかな時間の範囲とされているためほとんど変化
してないが、次第にゼロに近づく波形とされる。
【0025】そして、パルス検出器3−1〜3−6から
出力される図2(b)に示すパルスは、OR回路5を介
してCPU6のADトリガ端子に入力される。すると、
このADトリガ端子に入力されたパルスのタイミング
で、CPU6の入力端子AD1〜AD6に入力されたエ
ンベロープがディジタル信号に変換されるようになる。
この前記図2(b)に示すパルスのタイミングでエンベ
ロープを変換したディジタル値により、後述するように
ノートオン/ノートオフおよびベロシティが検出され
る。
【0026】次に、エンベロープ波形は実際には図3に
示すように負論理で表されるが、説明の理解のために正
論理とされた図19に示すエンベロープ波形を参照しな
がら説明を行う。図19に示すように、エンベロープ波
形のレベルがスレショルドレベルSH_ONを越えたと
きにノートオンされたと検出され、ノートオン検出後に
スレショルドレベルSH_OFFより低くなったときに
ノートオフされたと検出される。また、ギターにおいて
は速いピッキングを連続して行う演奏を行うことがある
が、この場合にはスレショルドレベルSH_OFFより
低くならないうちにエンベロープ波形は上昇に転じるよ
うになり、連続する速いピッキングに対応するノートオ
ンを検出することができなくなる。
【0027】そこで、スレショルドレベルSH_ONと
スレショルドレベルSH_OFFとの間にスレショルド
レベルSH_Retriggerを設けるようにして、
エンベロープ波形のレベルがスレショルドレベルSH_
Retriggerより下がった後に、スレショルドレ
ベルSH_ONを越えたときにノートオンされたと検出
するようにしている。ただし、このスレショルドレベル
SH_RetriggerはスレショルドレベルSH_
ONとスレショルドレベルSH_OFFとのほぼ中央の
レベルとされる場合もあるが、一義的に定められるもの
ではなく、経験的に決定されるレベルとされている。な
お、ST=0,ST=1,ST=2は後述するフローチ
ャートの説明に対応する状態を示す符号である。
【0028】次に、本発明の楽音要素抽出装置を備える
ギターシンセサイザの動作をフローチャートを参照しな
がらより詳細に説明する。図7はCPU6のメインルー
チンのフローチャートであり、電源等が投入されると、
メインルーチンが開始され、ステップS10にて各種レ
ジスタ等のリセットを行う初期設定が行われ、次いでス
テップS20にてアナログ−ディジタル変換(ADC)
を行うADC駆動処理が実行される。そして、ステップ
S30にてフラグADFが「1」とされているか否かが
判断されるが、このフラグADFは後述するようにAD
変換が終了した時に「1」とされるものである。
【0029】そこで、AD変換が終了しておりフラグA
DFが「1」と判断されたとすると、ステップS40に
進みノートオンおよびノートオフを検出するON/OF
F検出処理が実行される。ついで、ステップS50にて
ベロシティを検出するベロシティ検出処理が行われる。
さらに、ステップS60にてピッチ検出処理が行われ、
フラグADFが「0」とされてステップS20に戻り、
ステップS20ないしステップS70の処理が常時循環
して行われるようになる。また、ステップS30にてフ
ラグADFが「1」と判断されずAD変換が終了してい
ない時は、ステップS20に戻りAD変換が終了するま
でステップS20、ステップS30の処理が繰り返し行
われるようになる。
【0030】次に、前記メインルーチンのステップS2
0にて実行されるADC駆動処理のフローチャートを図
8に示すが、ADC駆動処理がスタートされると、ステ
ップS100にて前記図2(b)に示すパルスがADト
リガ端子に入力されているか否かが判断され、パルスが
入力されていると判断されるとステップS110にてA
DC駆動が実行されてリターンされる。また、ステップ
S100にてADトリガ端子にパルスが入力されていな
いと判断された場合は、ステップS120に進みADC
駆動用カウンタの計数値が1[ms]以上とされている
か否かが判断され、1[ms]以上と判断された場合は
ステップS130にてこのADCカウンタがクリアされ
てステップS110に進み、ADC駆動が実行されてリ
ターンされる。
【0031】さらに、ステップS120にてADC駆動
用カウンタの計数値が1[ms]以上と判断されない場
合は、そのままリターンされる。これにより、AD変換
のためのADC駆動は、ADトリガ端子にパルスが入力
された時と、前回のAD変換を実行してから1[ms]
以上経過した時に行われるようになる。これは、入力信
号がパルス検出部3−1〜3−6でパルスの検出ができ
ないレベルまで減衰しても、キーオフを検出できるよう
にするために行うものである。
【0032】次に、CPU6に内蔵されたADCの動作
のフローチャートを図9に示す。ADCの動作処理がス
タートされると、ステップS200にてADC駆動命令
があるか否かが判断され、ADC駆動命令があると判断
されるとステップS210にてAD変換動作が行われ、
次いで、ステップS220にてフラグADFが「1」と
されて、このプログラムは終了する。また、ADC駆動
命令がないとステップS200にて判断されると、その
まま終了する。なお、ADCはCPU部とは独立して設
けられているので、CPU6の実行と並列的に動作して
いる。なお、ステップS210のAD変換動作処理にお
いては、ギターシンセサイザのように6つの入力を有し
ている場合は、全ての入力に対してAD変換が行われる
ようにされる。
【0033】前記したメインルーチンは初期設定処理を
除いて常に循環して実行されているが、この処理中に一
定時間毎にCPU6に割込がかけられてタイマ割込処理
が実行される。このタイマ割込処理のフローチャートを
図10に示すが、このタイマ割込処理は、ステップS3
00にて前記したADC駆動用カウンタがインクリメン
トされると共に、後述するピッチ検出用カウンタがイン
クリメントされる処理が行われてリターンされる。
【0034】次に、前記メインルーチンのステップS5
0にて実行されるベロシティ検出処理のフローチャート
を図11に示す。ベロシティ検出処理がスタートされる
と、ステップS310にてピッチが確定されているか否
かが判断され、ピッチが確定されたと判断された場合は
そのままリターンされる。そして、ピッチが確定されて
いないと判断された場合は、ステップS320に進み、
入力されたパルスPULSが前記図2(b)に示す一番
目のパルスPuls1か否かが判断され、一番目のパル
ス(PULS=1)と判断されるとステップS330に
てAD変換したエンベロープのディジタル値ADV1を
ベロシティ(VEL)としてレジスタに格納し、リター
ンされる。
【0035】なお、ADV1は入力端子AD1に入力さ
れたエンベロープのディジタル値であり、ギターシンセ
サイザの場合は弦の数が6本とされるので6つのディジ
タル値ADV1〜ADV6まであり、このフローチャー
トでは明示されていないがADV1からADV6まで順
次同様のベロシティ検出処理が行われている。また、ス
テップS320にて一番目のパルスと判断されず2番目
以降のパルスと判断された場合は、ステップS340に
て既に得られているベロシティVELの値よりADV1
の値の方が大きいか否かが判断され、ADV1の値の方
が大きいと判断された場合はステップS330にてディ
ジタル値ADV1が新たなベロシティ(VEL)として
レジスタに格納され、リターンされる。なお、ピッチが
確定されている場合はステップS310にて分岐されて
そのままリターンされる。これにより、ピッチが確定す
るまでに得られるディジタル値ADV1のうちで最大の
ものがベロシティ(VEL)となる。
【0036】次に、メインルーチンのステップS40に
て実行されるノートオンおよびノートオフを検出するO
N/OFF検出処理のフローチャートを図12に示す
が、図19に示す正論理で表されたエンベロープ波形を
参照して説明を行う。このON/OFF検出処理が開始
されると、ステップS400にてステータスSTが
「0」か否かが検出される。このステータスSTは図1
9に示すエンベロープ波形のレベル状態を示すフラグで
あり、ST=0はスレショルドSH_OFFレベル以下
にエンベロープ波形のレベルが減衰されてノートオフで
あることを示している。そして、ST=0と判断される
と、ステップS410にて入力端子AD1に入力された
エンベロープのディジタル値ADV1が、ノートオンを
示すスレショルドSH_ON以上に達しているか否かが
判断される。
【0037】ここで、スレショルドSH_ON以上にエ
ンベロープ波形のディジタル値ADV1が達していると
判断された場合は、ステップS420にてフリーランニ
ングされているピッチ検出用カウンタ値がレジスタに記
憶される。このカウンタ値は前記したようにタイマ割り
込み処理が行われる毎にインクリメントされている。次
いで、ステップS430にて前記ADC駆動用カウンタ
値が記憶され、ステップS440にてPULSが「1」
とされ、さらにステップS450にてステータスSTが
ノートオンを示す「1」とされてリターンされる。ま
た、ステップS410にてスレショルドSH_ON以上
にエンベロープ波形のレベルADV1が達していないと
判断された場合は、そのままリターンされる。
【0038】さらに、ステップS400にてST=0と
判断されない場合は、ステップS460にてST=1か
否かが判断される。ST=1は前記したようにノートオ
ンされたことを示している。ステップS460にてST
=1と判断されると、ステップ470にてPULSが1
つインクリメントされ、次いでステップS480にてデ
ィジタル値ADV1がスレショルドレベルSH_Ret
riggerより低くなったか否かが判断される。ディ
ジタル値ADV1がスレショルドレベルSH_Retr
iggerより低くなったと判断されると、ステップ4
90にてステータスSTが「2」とされ、さらにステッ
プS500にてディジタル値ADV1がスレショルドレ
ベルSH_OFFより低くなったか否かが判断される。
ここで、ディジタル値ADV1がスレショルドレベルS
H_OFFより低くなったと判断された場合はノートオ
フされたと検出され、ステップS510にてノートオフ
のMIDI信号が作成されて出力される。さらに、ステ
ップS520にてステータスSTがノートオフを示す
「0」とされてリターンされる。
【0039】また、ステップS480にてディジタル値
ADV1がスレショルドレベルSH_Retrigge
rより低くなったと判断されない場合、およびステップ
S500にてディジタル値ADV1がスレショルドレベ
ルSH_OFFより低くなったと判断されない場合は、
そのままリターンされる。さらに、ステップS460に
てST=1と判断されない場合は、ステップS530に
てステータスSTが「2」か否かが判断され、ST=2
と判断されるとステップS540にてディジタル値AD
V1がスレショルドレベルSH_ONを越えたか否かが
判断される。
【0040】ここで、ディジタル値ADV1がスレショ
ルドレベルSH_ONを越えたと判断された場合はノー
トオンされたと判断されて、ステップS550にてPU
LSが「1」とされ、次いでステップS560にてステ
ータスSTがノートオンを示す「1」とされて、リター
ンされる。これにより、ノートオフのスレショルドレベ
ルSH_OFF以下にエンベロープが下がらない場合も
ノートオンを検出することができるため、速いピッキン
グでギターを演奏する場合にも確実にノートオンを検出
することができる。また、ステップS540にてディジ
タル値ADV1がスレショルドレベルSH_ONを越え
たと判断されない場合は、ステップS570にてPUL
Sが1つインクリメントされてステップS500に進
み、前記したステップS500ないしステップS520
の処理が実行される。
【0041】次に、メインルーチンのステップS60に
て実行されるピッチ検出処理のフローチャートを図13
に示す。ピッチ検出処理がスタートされると、ステップ
S600にて一番目のパルスか否かが判断され、PUL
S=1と判断されて一番目のパルスと判断された場合
は、パルスが一つではピッチを検出することができない
ため、ステップS610にてリングバッファのポインタ
がリセットされる。なお、リングバッファはピッチ検出
用カウント値が記録されるバッファであり、例えば図6
に示すようにアドレスは「0」〜「9」の10アドレス
であり、アドレスのそれぞれの位置に差分カウント値と
後述するマーク情報を記録することができる。なお、P
ULS=1の場合は図示するようライトポインタ、リー
ドポインタおよびオールデストポインタが「0」番地に
位置される。ここで、オールデストポインタは最も古い
データのアドレス位置を示すポインタである。
【0042】そして、ステップS600にてPULS=
1と判断されない場合は、ステップS620にてフリー
ランニングカウンタからパルスの発生タイミングで取り
込まれた今回のカウント値から、同様に取り込まれた前
回のカウント値が差し引かれた差分カウント値が演算さ
れる。この差分カウント値はパルス間の周期に相当する
値であり、ステップS630にてPULS=2と判断さ
れた場合に、ステップS640にてピッチ検出用カウン
ト値としてリングバッファに記録される。次いで、ステ
ップS650にてこのピッチ検出用カウント値がある周
波数以下と判断された場合に、このカウント値をピッチ
とするMIDI信号が出力されてリターンされる。すな
わち、ピッチが低い場合はピッチ検出に時間がかかる
が、上記処理を行うことによりピッチが低い場合にとり
あえずピッチを決定することができ、発音遅れを防止す
ることができる。
【0043】また、ステップS630にてPULS=2
と判断されない場合、すなわち3番目以降のパルスの場
合はステップS670に進み、パターン表が作成され、
次いでステップS680にてピッチ決定アルゴリズムが
実行される。さらに、ステップS690にてピッチが決
定されたか否かが判断され、ピッチが決定されたと判断
された場合は、そのピッチに基づくMIDI信号がステ
ップS660にて作成されてリターンされる。なお、ス
テップS650にてある周波数以下と判断されない場
合、およびステップS690にてピッチが決定されてい
ないと判断された場合は、そのままリターンされる。
【0044】ところで、ステップS670で実行される
パターン表作成のフローチャートを図14に示す。パタ
ーン表作成処理がスタートされると、ステップS700
にて前記図6に示すリングバッファのライトポインタの
位置に差分カウント値が書き込まれる。そして、ステッ
プS710にてその位置にマーク「1」が記録される。
次いで、ステップS720にて現在の差分カウント値と
ほぼ等しいカウント値とされる過去のカウント値のアド
レス位置にマーク「1」が書き込まれる。さらに、ステ
ップS730にて読出し(リード)ポインタを減算し
て、過去のカウント値を読み出して「1」以外のマーク
が付されている場合、そのカウント値のアドレス位置に
マーク「2」を書き込む。
【0045】次いで、ステップS740にてマークが
「2」とされたカウント値とほぼ等しいカウント値のア
ドレス位置のマークが「2」となるよう書き込む。さら
に、ステップ750にて同様の操作を、リードポインタ
がオールデストポインタと一致するまで行われ、リター
ンされる。これにより、最新のカウントのマークが
「1」とされると共に、最も古いカウント値までサーチ
されてマーク「1」,マーク「2」等が書き込まれる。
【0046】次に、ステップS680で実行されるピッ
チ決定アルゴリズムのフローチャートを図15に示す。
このアルゴリズムが開始されると、ステップS800に
てカウント値テーブルから連続するカウント値の和がほ
ぼ等しくなる組み合わせが探される。この「ほぼ等し
い」とは予め決められた数値範囲内、あるいは割合の範
囲内にカウント値が納まっていることを意味している。
そして、ほぼ等しくなる組み合わせがある場合は、ステ
ップS810にてその組み合わせにおいて、マークの並
びがほぼ等しいか否かが判断される。ステップS800
にてほぼ等しくなる組み合わせがなかった場合や、ステ
ップS810にてマークの並びがほぼ等しいと判断され
ない場合は、ステップS850にてピッチが決定されな
かったとして保留されて、メインルーチンにリターンさ
れる。
【0047】また、マークの並びがほぼ等しいと判断さ
れた場合は、ステップS820にて2つあるカウント値
の和のうち新しい方のカウント値の和が、ある周波数以
上に対応するカウント値以上とされているか否かが判断
されて、ある周波数以上でないと判断されると、ステッ
プS830にて2つのカウント値の和の平均が演算さ
れ、その平均値がステップS840にてピッチと決定さ
れてリターンされる。また、ある周波数以上であると判
断されると、1オクターブ上のピッチを誤って検出した
ものとして、ステップS850にてピッチが決定されず
保留とされてリターンされる。
【0048】このピッチ決定アルゴリズムを一例を上げ
て説明すると、リングバッファに図18に示すような時
間データA,B,C・・・,Jの10データが書き込ま
れているものとする。これらの時間データには対応する
マークが付されている。マークは最新のデータから時間
データがほぼ等しいものには同じマーク番号が付される
ので、時間データA、D、Hにはマーク「1」が、時間
データBおよびIにはマーク「2」が、時間データC、
G、Jにはマーク「3」が、時間データEにはマーク
「4」が、時間データFにはマーク「5」がそれぞれ付
されている。
【0049】まず、ステップS800における「カウン
ト値テーブルから連続するカウント値の和がほぼ等しく
なる組み合わせがあるか?」の処理であるが、この処理
は図18に示すリングバッファ(カウント値テーブルに
対応する)の連続する時間データ(カウント値に対応す
る)に関して行われる。組み合わせの調査は最新データ
から行われ、最初は隣り合う単独の時間データを比較
し、ほぼ等しいがどうか判断し、ほぼ等しいと判断され
た場合にステップS810に進む。また、ほぼ等しくな
いと判断された場合は小さい方の時間データに古い方向
に隣り合う時間データを加算し、その結果と大きい方の
時間データ、あるいは加算した古い方向に隣り合う時間
データのさらに古い方向に隣り合う時間データと比較
し、ほぼ等しいか判断を行う。同様の比較動作を最古デ
ータに達するまで行い、ほぼ等しい組み合わせが見つか
らなかった場合はステップS850に進み、リターンさ
れることになる。
【0050】具体的には、最初に最新データである時間
データAと時間データBとが比較されて、その結果、時
間データAが小さいと判断されると、時間データ(A+
B)と時間データCが比較される。その結果、時間デー
タCが小さいと判断されると、時間データ(A+B)と
時間データ(C+D)が比較される。その結果、時間デ
ータ(C+D)が小さいと判断されると、時間データ
(A+B)と時間データ(C+D+E)が比較される。
その結果、時間データ(A+B)が小さいと判断される
と、時間データ(A+B+C)と時間データDが比較さ
れる。さらに、時間データDが小さいと判断されると、
時間データ(A+B+C)と時間データ(D+E)が比
較される。以下、同様の比較動作が繰り返される。この
ような比較動作が繰り返されていくと、時間データ(A
+B+C)と時間データ(D+E+F+G)の組み合わ
せの時にほぼ等しいと判断される。
【0051】そして、ステップS810に進みその組み
合わせのマークの並びが同じか否かが判断される。この
判断は次のように行われる。 (1)最初のマークの数を比較する。マークの数の少な
い方の組み合わせのマークの数のプラスマイナス1の範
囲にもう一方の組み合わせのマークの数が入っているか
どうかが判断される。 (2)(1)の判断で、プラスマイナス1の範囲に入っ
ている時は、「yes]となり少なくとも、マークの数
の少ない方のマークの数から1減算した数のマークの数
値が一致しているかどうかが判断される。 (3)(2)の判断でマークが一致している時は「ye
s」となり、さらに一致したマークの順番が同じである
かが判断される。
【0052】前記(3)の判断を行って同じであると判
断された場合は、ステップS810において「ほぼ同
じ」と判断され、ステップS820に進む。一方、前記
(1)、(2)、(3)の判断においていずれも「n
o」の時は、ステップS810で「no」と判断された
ことになり、ステップS850に進みリターンされる。
具体的には、時間データ(A+B+C)と時間データ
(D+E+F+G)の組み合わせを考えると、マークの
数はそれぞれ”3”と”4”であり、少ない方の”3”
のプラスマイナス1の範囲は2〜4となり、”4”はそ
の範囲内であるので前記(1)の判断で「yes」とな
って前記(2)の判断に進む。この(2)では、少ない
方のマークの数”3”から1を減算した”2”の数だけ
マークの数値が一致するかを調べる。すると、時間デー
タAと時間データDのマークの数値が「1」で一致する
と共に、時間データCと時間データGのマークの数値が
「3」で一致するので、判断(2)においても「ye
s」となって前記(3)の判断に進む。
【0053】前記(3)の判断においては、一致したマ
ークの順番を調べる。時間データの組み合わせ(A、
B、C)と(D、E、F、G)の一致したマークの順番
は最新データから最古データの方向で、それぞれ「1」
→「3」の順番になっている。従って、前記(3)にお
ける判断でも「yes」となってステップS820に進
むことになる。ステップS820においては、前記した
ように期待される周波数以上の周波数あるいは1オクタ
ーブ上のピッチを誤って検出したか否かが判断される
が、例えば、時間データ(A+B+C)がある周波数以
上でないと判断された場合は、ステップS830に進
み、2つの組み合わせの平均、すなわち、時間データ
{(A+B+C)+(D+E+F+G)}/2が演算さ
れ、この平均値がステップS840にてピッチと決定さ
れる。
【0054】なお、以上説明した具体例において、時間
データBと時間データ(E+F)はほぼ等しいことがわ
かる。これは、高調波等が原因となって時間データEと
時間データFの境でパルスが発生してしまったことに起
因するものであって、時間データEと時間データFは、
本来1つの時間データとして扱われるものであるが、波
形が”割れる”ことにより独立して観測されるのであ
る。しかしながら、前記したピッチ決定アルゴリズムに
よればこのように波形が”割れる”様になっても、確実
に本来のピッチを検出することができるようになる。
【0055】次に、ノートオンが検出された場合のMI
DIコード作成処理のフローチャートを図16に示す。
このMIDIコード作成処理がスタートされると、ステ
ップS900にて音名境界テーブルに入るように決定さ
れたピッチのオクターブシフトが行なわれる。この境界
値テーブルを図4に示すが、この境界値テーブルは最低
音名の境界値を示すカウント値(時間データ)から構成
されている。これにより、境界値とされるカウント値が
大きい値とされるため音名を正確に決定することができ
る。そこで、ステップS910にて順番に読み出された
境界値テーブルの境界値と、オクターブシフトされた検
出ピッチとが比較されることにより、境界値に近い方の
音名が検出されたピッチの音名として決定される。ま
た、オクターブシフト数により検出ピッチのオクターブ
を知ることができる。
【0056】次いで、ステップS920にてオクターブ
シフトされた検出ピッチと決定された音名の境界値との
差分が演算されることにより、ピッチベンドデータが作
成されて送出される。そして、ステップS930にてそ
の時のベロシティVELが読み出されて、得られたキー
コードと共にノートオンデータとしてMIDI機器であ
る外部音源8に送られ、リターンされる。なお、ピッチ
ベンドデータは通常14ビットのデータとされるが、音
源の能力により14ビットのピッチベンドデータを受け
取れず、7ビットのピッチベンドデータしか受け入れな
い場合がある。このような場合、上位7ビットしか受け
取られないのでピッチベンドデータが正確に楽音に反映
されないようになる。また、図4に示す境界値テーブル
は最低音名に対応するカウント値にそれぞれ50セント
に対応するカウント値を加算したものを記憶する。この
テーブルは基準ピッチが固定されている場合は、一種類
記憶するだけでよいが、基準ピッチを可変できるように
なっている場合には、境界値テーブルを複数記憶し、設
定された基準ピッチに応じて選択して用いるようにす
る。例えば、基準ピッチをA3=440〜445Hzで
1Hz単位で可変とする場合は、6種類の基準ピッチに
対応した境界値テーブルを備える必要がある。
【0057】そこで、図17に示すピッチベンドデータ
作成のフローチャートに示すように、ピッチベンドデー
タを作成するようにする。このピッチベンドデータ作成
処理がスタートされると、ステップS1000にてピッ
チベンドデータが7ビットモードか否かが判断され、7
ビットモードと判断されると、ステップS1010にて
14ビットの内下位7ビットを四捨五入して上位8ビッ
ト目に足すようにした上位の7ビットによりピッチベン
ドデータを作成して出力し、リターンされる。また、7
ビットモードと判断されない場合は、ステップS102
0にてそのまま14ビットのピッチベンドデータが出力
されて、リターンされる。
【0058】次に、本発明の変形例を図5に示すが、こ
の変形例はギター10に専用のピックアップを設けるこ
となく、ギター10に内蔵されたピックアップから取り
出される一系統の信号を利用してギターシンセサイザを
構成する場合の例である。このような場合は、低い弦の
信号ないし高い弦の信号が混合されて一系統の信号とし
て出力されることになるが、低い弦のエネルギーは高く
そのエンベロープは、高い弦のエンベロープに比較して
大きくされる。そこで、バランスをとるためにギター1
0の通常の端子から取り出された一系統の信号を、ハイ
パスフィルタ11を介して、前記したパルス検出器12
およびエンベロープ検出器13に供給するようにしてい
る。これにより、低い弦のエンベロープが減衰されて高
い弦とのバランスが取れるようにされる。
【0059】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、入力波形
の検出されたピークのタイミングに応じてエンベロープ
データを得るようにしたので、正確なエンベロープデー
タを得ることができるため、正確に楽音要素を抽出する
ことができるようになる。また、本発明によれば入力波
形に含まれる高調波に影響されることなくピッチ検出の
精度を向上させることができる。さらに、ピッチ検出を
短時間で行うことができるため、ギターシンセサイザに
適用しても発音時間が遅れることを回避することができ
る。
【0060】さらにまた、ピッチデータの下位ビット値
によって上位ビット値を補正するようにしたので、受け
入れられるピッチベンドデータのビット数が少なくされ
る場合においても、ピッチベンドデータの意図するとこ
ろを正確に反映することができる。また、リトリガース
レショルドレベルを設けるようにしたので、速いピッキ
ングを連続的に行うことによりギターを演奏しても、そ
の入力波形から追従性良く楽音要素を抽出することがで
きる。さらに、ギターの出力端子から出力される一系統
の入力波形信号を、ハイパスフィルタを介して楽音要素
抽出手段に入力するようにしたので、低域のエンベロー
プ信号が大きいことを補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の楽音要素抽出装置が適用されたギタ
ーシンセサイザの構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示すギターシンセサイザの信号波形を
示す図である。
【図3】 エンベロープ波形とノートオンおよびノート
オフのスレショルドレベルとの関係を示す図である。
【図4】 境界値テーブルを示す図である。
【図5】 本発明の変形例を示す構成を示すブロック図
である。
【図6】 リングバッファを説明するための図である。
【図7】 本発明の楽音要素抽出装置におけるCPUの
メインルーチンのフローチャートである。
【図8】 本発明の楽音要素抽出装置におけるADC駆
動処理のフローチャートである。
【図9】 本発明の楽音要素抽出装置におけるADCの
動作のフローチャートである。
【図10】 本発明の楽音要素抽出装置におけるタイマ
割込処理のフローチャートである。
【図11】 本発明の楽音要素抽出装置におけるベロシ
ティ検出処理のフローチャートである。
【図12】 本発明の楽音要素抽出装置におけるON/
OFF検出処理のフローチャートである。
【図13】 本発明の楽音要素抽出装置におけるピッチ
検出処理のフローチャートである。
【図14】 本発明の楽音要素抽出装置におけるパター
ン表作成処理のフローチャートである。
【図15】 本発明の楽音要素抽出装置におけるピッチ
決定アルゴリズムのフローチャートである。
【図16】 本発明の楽音要素抽出装置におけるMID
Iコード作成処理のフローチャートである。
【図17】 本発明の楽音要素抽出装置におけるピッチ
ベンドデータ作成処理のフローチャートである。
【図18】 リングバッファ内の時間データの例を示す
図である。
【図19】 エンベロープ波形とノートオンおよびノー
トオフのスレショルドレベルとの関係を正論理で示す図
である。
【符号の説明】
1 ピックアップ、2−1〜2−6 バンドパスフィル
タ、3−1〜3−6 パルス検出器、4−1〜4−6
エンベロープ検出器、5 OR回路、6 CPU、7
MIDI端子、8 外部音源、9 内部音源、10 ギ
ター、11 ハイパスフィルタ、12 パルス検出器、
13 エンベロープ検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/00 G10H 1/057

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力アナログ波形のピークを検出してピ
    ーク信号を出力するピーク検出手段と、 前記入力アナログ波形のエンベロープを検出するエンベ
    ロープ検出手段と、前記ピーク検出手段が出力したピーク信号に応じて、
    エンベロープ検出手段により検出された前記入力アナロ
    グ波形のピークの時点におけるエンベロープをディジタ
    ル信号に変換するアナログ−ディジタル変換手段と、 アナログ−ディジタル変換手段から得られた前記ディ
    ジタル信号に変換されたエンベロープのレベルが第1
    スレショルドレベルを越えたときにノートオンされたと
    検出すると共に、前記ディジタル信号に変換されたエン
    ベロープからべロシティを検出する検出手段とを備える
    ようにしたことを特徴とする楽音要素抽出装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段がノートオンを検出した
    後、一定時間前記ピーク検出手段がピーク信号を出力し
    ていない場合前記検出手段が、前記アナログ−ディ
    ジタル変換手段から得られた前記ディジタル信号のレベ
    が、第2スレショルドレベル以下となったことを検出
    したときに、ノートオフされたと検出するようにした
    とを特徴とする請求項1記載の楽音要素抽出装置。
  3. 【請求項3】 入力アナログ波形のレベルが第1スレシ
    ョルドレベルを越えたと検出された時にノートオンされ
    たと検出すると共に、前記入力アナログ波形のレベルが
    第2スレショルドレベル以下となったことが検出された
    ときに、ノートオフされたと検出する検出手段を少なく
    とも備え、 前記第1スレショルドレベルと前記第2スレショルドレ
    ベルの間にリトリガースレショルドレベルを設け、前記
    入力アナログ波形のレベルが該リトリガースレショルド
    レベルを下回った後、前記第1スレショルドレベルを越
    えたと検出された時に、ノートオンされたと前記検出手
    段が検出するようにしたことを特徴とする楽音要素抽出
    装置。
  4. 【請求項4】 前記検出手段がノートオンを検出してか
    らの1周期の時間を測定する時間測定手段と、前記時間測定手段が測定した 時間が所定時間以上である
    時に、前記検出した時 間に基づいて前記入力アナログ波
    のピッチを出力するピッチ出力手段を、さらに備える
    ようにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか
    に記載の楽音要素抽出装置。
  5. 【請求項5】 入力アナログ波形のピークを検出してピ
    ーク信号を出力するピーク検出手段と、該ピーク検出手段から 出力されたピーク信号間の時間を
    計測するピーク間時間計測手段と、 前記ピーク間時間計測手段により計測されたピーク信号
    間の時間データを順次記憶する記憶手段と、 該記憶手段が記憶した前記複数個の時間データのうち、
    連続する複数個のデータを第1のグループとすると共
    に、該第1のグループとは異なる連続する複数個のデー
    タを第2のグループとし、該2つのそれぞれのグループ
    について算出した前記時間データの合計時間を比較する
    比較手段と、 該比較手段がほぼ等しいと判断した前記グループ内の前
    記時間データの合計時間に基づいて、前記入力アナログ
    波形のピッチを検出するピッチ検出手段 備えるようにしたことを特徴とする楽音要素抽出装置。
  6. 【請求項6】 前記比較手段がほぼ等しいと判断した前
    記グループ内における前記時間データを合計した合計時
    間の、前記グループ間の平均値を算出する平均化手段を
    設け、該平均化手段より出力される平均時間データを
    出したピッチとして、前記ピッチ検出手段が出力する
    うにしたことを特徴とする請求項記載の楽音要素抽出
    装置。
  7. 【請求項7】 前記ピッチ検出手段により検出されたピ
    ッチが所定周波数以上である場合、検出されたピッチを
    出力しないようにしたことを特徴とする請求項あるい
    記載の楽音要素抽出装置。
  8. 【請求項8】 前記ピッチ検出手段から出力されるピッ
    チの音名を決定することによりピッチデータを得るよう
    にした音名決定手段をさらに備え、 前記音名決定手段は、最低音における音名の境界とされ
    る時間データにより構成された境界値テーブルを有して
    おり、該境界値テーブルの範囲内に入るよう前記ピッチ
    をオクターブシフトすることにより音名を決定するよう
    にしたことを特徴とする請求項5記載の楽音要素抽出装
    置。
  9. 【請求項9】 入力アナログ波形のピッチを検出してピ
    ッチを出力するピッチ検出手段と、 該ピッチ検出手段から出力されるピッチについて所定音
    階上の最寄りの音高を決定する音高決定手段と、 前記ピッチ検出手段により出力されたピッチと前記音高
    との音高差を演算することにより、 ピッチベンドデータ
    を作成するピッチベンドデータ作成手段と、 前記ピッチベンドデータの全ビットが受け入れられない
    モードとされている時に、前記ピッチベンドデータにお
    ける受け入れられるビット数の上位ビット群からなるデ
    ータ値を、残る下位ビット群のデータ値に応じて補正す
    ることにより、受け入れられるビット数のピッチベンド
    データを得るようにしたことを特徴とする楽音要素抽出
    装置。
JP7051993A 1995-02-17 1995-02-17 楽音要素抽出装置 Expired - Fee Related JP3028041B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7051993A JP3028041B2 (ja) 1995-02-17 1995-02-17 楽音要素抽出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7051993A JP3028041B2 (ja) 1995-02-17 1995-02-17 楽音要素抽出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08221060A JPH08221060A (ja) 1996-08-30
JP3028041B2 true JP3028041B2 (ja) 2000-04-04

Family

ID=12902388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7051993A Expired - Fee Related JP3028041B2 (ja) 1995-02-17 1995-02-17 楽音要素抽出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3028041B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7664970B2 (en) 2005-12-30 2010-02-16 Intel Corporation Method and apparatus for a zero voltage processor sleep state

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08221060A (ja) 1996-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2799364B2 (ja) 音高認識方法及び装置
EP0318675B1 (en) Apparatus for extracting pitch data from an input waveform signal
EP0722160B1 (en) Method for recognition of the start and end of a note in the case of percussion or plucked musical instrument
EP0211690A2 (en) A universal pitch and amplitude calculator and converter for a musical instrument
JP3028041B2 (ja) 楽音要素抽出装置
JP4198046B2 (ja) 電子弦楽器
JPH0371718B2 (ja)
JP6135312B2 (ja) 電子弦楽器、楽音制御方法及びプログラム
JP2555553B2 (ja) 入力波形信号制御装置
JP2661066B2 (ja) 発音制御装置
JP2591001B2 (ja) 電子弦楽器
JP3092197B2 (ja) ピッチ抽出装置
JP2611263B2 (ja) 発音制御装置
JP6361109B2 (ja) 電子弦楽器、楽音制御方法及びプログラム
JP2792022B2 (ja) 電子楽器の入力制御装置
JP2000105589A (ja) トリガー検出装置およびトリガー検出方法
JP2560327B2 (ja) 電子弦楽器
JP2661065B2 (ja) 発音制御装置
JP2581068B2 (ja) 波形信号制御装置
JP2591000B2 (ja) 電子弦楽器
JP2000105590A (ja) 弦振動ピッチ検出装置および弦振動ピッチ検出方法
JPH0786751B2 (ja) 電子弦楽器
JP2014153434A (ja) 電子弦楽器、楽音生成方法及びプログラム
JP2605773B2 (ja) 電子弦楽器
JPH09319365A (ja) 弦楽器用ピッチ検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19991207

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080204

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090204

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees