JP3027402B2 - 画像読取装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、画像読取装置に関し、より詳細には、画像
読み取りスキャナーにおけるフレア光の低減、S/N比の
向上、階調性の向上を図る画像読取装置に関する。

従来技術 本発明に係る従来技術を記載した公知文献としては、
例えば、特開平１−126658号公報の「照明装置」があ
る。この公報に記載されているものは、２つの反射面と
曲率を有する集光面とが形成され基板に平行な方向に照
明光をとりだす方法で、必要照明位置に集光して照明し
ている。しかしながら、この方法であるとレンズ機能を
有する面は一面しかなく、集光できる光束幅には限界が
ある。

また、特開平１−179658号公報に記載されている「画
像読み取り装置」は、構成部品を保持するケース部の内
面を鏡面としたことを特徴としているが、光源の正反射
光が結像素子に直接入り込み、有効光束以外の光量が迷
光となってセンサ面上に到達し、フレア光となってスキ
ャナのS/N比の低下をきたす。

以下、従来例を第６図〜第10図に基づいて説明する。

第６図（ａ），（ｂ）は、従来の照明用光源及びその
発光特性を示す図で、図（ａ）はラインスキャナ用の照
明用光源の長手方向に直交する断面図で、図中、21は基
板、22は発光ダイオード（LED）チップ、23は樹脂部材
である。

光源はLEDアレイ状光源が用いられている。ここで、L
EDアレイ状光源は、樹脂部材等で封止されたものや、LE
Dチップそのものをむきだしにしたものを配列したもの
がある。樹脂部材等で封止したものは、図（ｂ）に示す
ように樹脂部材に曲率面形状を持たせLEDの発光拡散特
性をやや指向性を持たせてはあるが、必要な照明位置以
外を照明する光束が少なからず存在し、発光光源の照明
光束への有効利用をしていなかった。

第７図（ａ），（ｂ）は、従来の画像読取装置及びそ
の照度分布を示す図で、図中、24は照明用光源、25は原
稿保持部材、26は原稿、27は押えローラー、28は結像素
子、29はセンサ駆動回路、30はセンサ、31はセンサ基
板、32はハウジング、Ｐはフレア光、Ｑはフレア光
、Ｒは読取位置である。

矢印方向に回転する押えローラー27に、該押えローラ
ー27の回転によって搬送される原稿26の原稿保持部材2
5、照明用光源24、結像素子28、原稿面の情報を光の強
弱を電気的出力としてえる光電変換素子30が配置されて
いる。これにより、原稿面上の情報は照明用光源24によ
って照明され、光の濃淡の情報として結像光学素子28に
よって空間伝達され、光電変換素子30に依り電気的出力
として情報を読み取っている。ここで、結像光学系とし
ては、ロッドレンズアレイや、ルーフミラーレンズアレ
イなどの等倍結像素子などが用いられる。光電変換素子
としては、電荷結合素子（CCD）などのラインセンサが
用いられる。また、照明光源としては、LEDアレイ状光
源や蛍光灯、あるいはキセノン管などが用いられてい
る。また、必要に応じて、原稿押さえ部材として、平板
ガラス状のコンタクトガラスなどが用いられる。

この様な構成であって、原稿面上の副走査方向の照度
分布は第７図（ｂ）に示すようになっており、読み取り
位置以外も照明している。このため、センサの読み取り
位置以外の原稿面上からの反射光が読み取りスキャナ内
で迷光となってセンサ上に到達し、有効な情報信号に対
するノイズとして取り込まれてしまう。この光は、一般
にフレア光P,Qとなって原稿が、黒あるいは、ない場合
のグランドレベルを持ち上げてしまい、S/N比の低下や
階調性の低下などの読み取りスキャナーの性能を落す原
因となる。さらに、読み取り品質の低下となってあらわ
れる。

ここで、従来の画像読取装置では、フレア光が読み取
り信号にどのように影響するかを説明する。いま、第８
図（ａ）に示すような反射特性を示す白部分を従来構成
の読み取り装置で読み取った場合、読み取り信号の出力
は第８図（ｂ）のようになったとする。このとき、第９
図（ａ）に示すような反射特性を示すパターンでは、本
来なら、光学系の周波数特性に応じた解像力低下の影響
を受けて、第９図（ｂ）に示すようなパターンになるは
ずである。しかしながら、従来の読み取り装置では、照
明光が読み取りライン以外のところで反射した光や、ハ
ウジング内にある他の構成部品で反射して結像素子内に
入り込み、有効光束とはならない迷光となってセンサフ
ォトエレメント上に達し、第９図（ｃ）に示すように、
読み取られる信号レベルがある一定の量Ｖだけ持ち上が
ってしまう現象を生じる。持ち上がるレベルが常に一定
であれば、この量を補正することが可能であるが、第10
図（ａ）に示すように、第９図（ａ）の白黒パターン形
状は同一のものであっても周りの白部分の割合が異なる
場合、その信号出力は第10図（ｂ）のようになり、持ち
上がり量Ｖがこの割合によって変化してしまう。実際の
文章などの原稿情報は、１ラインごとに白黒の割合は変
化しており、１ラインごとの白黒パターンによって補正
する手段を備えない読み取り装置にあっては白レベルの
出力変化となってあらわれ、解像力の低下や、SN比の低
下、さらに階調性の再現性に乏しくなる。

目的 本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもの
で、ラインセンサー用読み取り光源の照明効率の向上を
はかること、また読み取りスキャナの品質の向上をはか
ること、さらに、読み取りスキャナー装置の原稿面の照
明方法及び読み取り方法の改善によって、フレア光の低
減を図るようにした画像読取装置を提供することを目的
としてなされたものである。

構成 本発明は、上記目的を達成するために、（１）原稿面
を照明するための照明光源と、原稿を保持する透明体の
平板状原稿保持部材と、結像素子と、該結像素子によっ
て原稿面上の情報を空間伝達し、像形成された原稿面情
報を光電変換素子によって光の強弱を電気出力として読
み取るセンサーと、これらを一体化保持するためのハウ
ジング部材で構成されている画像読取装置において、前
記透明体の平板状原稿保持部材に半球状の棒状集光レン
ズを一体に有し、前記照明光源からの光を該棒状集光レ
ンズを通して前記原稿面に集光するようにしたこと、更
には、（２）前記透明体の平板状原稿保持部材と前記棒
状集光レンズ部材とが同一の材料で構成されていること
を特徴としたものである。以下、本発明の実施例に基づ
いて説明する。

第１図は、本発明による画像読取装置の一実施例を説
明するための構成図で、図中、１は発光ダイオード（LE
D）光源、２は原稿保持部材、2aは集光レンズ部材、３
は送りローラ、４は結像素子、５は等倍センサ、６は原
稿、Ａは原稿読取位置である。

照明用光源のLED1、および長手方向に直交する方向の
みに集光能力をもたない棒状の集光レンズ部材2aと一体
成形された原稿保持部材２と、原稿面上の情報を空間伝
達する結像素子４、像形成された原稿面上の光強度情報
を電気的な情報に変換する光電変換するセンサ５、及び
これらを一体化保持するハウジング部材（図示せず）で
構成される。

原稿６は矢印Ｒ方向に回転する送りローラ３により透
明な原稿保持部材２上を搬送され、該原稿６上の情報
は、照明光源１で照明されて光の濃淡情報として結像素
子４によって空間伝達され、これを光電変換素子からな
るセンサ５で受光し、原稿６の光濃度情報に応じた電気
的出力として情報を読み取っている。

第２図は、集光レンズ部材を一体化した原稿保持部材
の斜視図である。照明用光源は、LED以外に蛍光灯や、
キセノン管などの照明光源でもよい。また、樹脂封止し
たLEDチップを配列したLED光源などでも良い。

結像素子４としてはロッドレンズアレイや、ルーフミ
ラレンズアレイなどの等倍結像素子などが用いられる。
光電変換素子としては、電荷結合素子（CCD:Charge Cou
pled Device）などのラインセンサが用いられる。

この様な構成によって、LED光源から発せられた光束
は第１図中の光線追跡図に示すように、所望の照明位置
の近傍に集光して照明するため、従来広がっていた光束
の光強度よりも第３図に示すように大きな強度となり、
照明光源の実質的な明るさを向上させる。

ここで、原稿保持部材と一体的に構成されている集光
素子の曲率や配置位置などは、所望の照明位置に有効に
集光されるように、既存の光線追跡等によって最適なデ
ィメンジョンを設定すれば良い。例えば、読み取り位
置、すなわち所望の照明位置は従来の読み取りスキャナ
の小型化に対応してLED光源から数ミリあるいは数十ミ
リの構成であるため、数ミリ程度の曲率であれば良い。
また、具体的に作成方法としては、透明樹脂部材を用い
て一体成形すればよい。

第４図は、本発明の他の実施例を示す図で、原稿面か
ら結像光学系の間に結像光束が屈折率部材を通過しない
ようにした構成例であり、原稿保持部材２と集光レンズ
部材2aが一体的に構成されている。

第５図は、本発明の更に他の実施例を示す図で、集光
レンズ部材2aを半球状に成形し、コンタクトガラス２上
に密着保持してもよい。この場合、集光レンズ部材2aは
半球状のガラス部材であってもよいし、成形部材であっ
ても良い。

効果 以上の説明から明らかなように、本発明によると、発
光光源の光量を有効に照明用に利用できる。また、必要
な読み取り位置以外の照明光を極力抑えることができる
ので、原稿面の正反射光が二次光源になり、光源以外の
読み取り装置構成部品に反射して迷光となることを防
ぎ、スキャナーとしてのS/N比の向上、階調性の向上と
なって、より高品位、高信頼性に対応できる読み取り装
置を実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による画像読取装置の一実施例を説明
するための構成図、第２図は、集光レンズ部材を一体化
した原稿保持部材を示す図、第３図は、照度分布を示す
図、第４図及び第５図は、本発明の他の実施例を示す
図、第６図乃至第10図は、従来の画像読取装置を説明す
るための図である。 １……発光ダイオード（LED）光源、２……原稿保持部
材、2a……集光レンズ部材、３……送りローラ、４……
結像素子、５……等倍センサ、６……原稿、Ａ……原稿
読取位置。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】原稿面を照明するための照明光源と、原稿
   を保持する透明体の平板状原稿保持部材と、結像素子
   と、該結像素子によって原稿面上の情報を空間伝達し、
   像形成された原稿面情報を光電変換素子によって光の強
   弱を電気出力として読み取るセンサーと、これらを一体
   化保持するためのハウジング部材で構成されている画像
   読取装置において、前記透明体の平板状原稿保持部材に
   半球状の棒状集光レンズを一体に有し、前記照明光源か
   らの光を該棒状集光レンズを通して前記原稿面に集光す
   るようにしたことを特徴とする画像読取装置。
2. 【請求項２】前記透明体の平板状原稿保持部材と前記棒
   状集光レンズ部材とが同一の材料で構成されていること
   を特徴とする請求項１記載の画像読取装置。