JP3026743U - 締結装置 - Google Patents

締結装置

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JP3026743U
JP3026743U JP1996000424U JP42496U JP3026743U JP 3026743 U JP3026743 U JP 3026743U JP 1996000424 U JP1996000424 U JP 1996000424U JP 42496 U JP42496 U JP 42496U JP 3026743 U JP3026743 U JP 3026743U
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秀雄 山崎
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株式会社アプト
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被締結部材をその片側からの操作により簡単
かつ迅速に締結することができながら、その締結を必要
に応じて上記片側から分解して被締結部材の締結を解除
できるようにすることを課題とする。 【解決手段】 一端に鍔部2を有し、他端が被締結部材
X,Yに形成された穴x,yに挿入される筒状部材1
と、筒状部材1内にこれの他端側より挿入される軸部3
と該軸部3に連続し筒状部材1の他端部を外方に膨出さ
せて締結用膨大部1aを形成する頭部4とを有すると共
に、軸部3の先端側に頭部2を筒状本体1内に引き込む
引き込み治具Sの係合部5が形成された軸部材6とで構
成し、筒状部材1の鍔部2を筒状の筒体10から分割
し、該筒状本体10の一端部に着脱可能に螺合した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、主として複数の被締結部材を締結するための締結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の締結装置としては、例えば図7に示すように挿入孔Aが形成さ れたリベットBと、該リベットBの挿入孔Aにこれの先端側より挿入される軸部 Cと該軸部Cに連続し上記リベットBの先端部を外方に膨出させて締結用膨大部 Dを形成する頭部Eとを有すると共に、軸部Cの長さ方向中間部には切断用周溝 Fが形成され、かつ該切断用周溝Fよりも先端側には上記頭部EをリベットB内 に引き込む引き込み工具Sの挟持用係合溝部Gが形成された軸部材Hとから構成 されている。
【0003】 そして、例えば被締結部材として薄板状の基板XにパネルYを締結する場合、 該基板XにパネルYを重ね合せた状態で両部材X,Yに形成された穴x,yにそ のパネルY側から上記リベットBと軸部材Hとを挿入し、かつ、該軸部材Hの軸 部Cを引き込み工具Sにより引き込み操作することにより、上記軸部Cの頭部E をリベットBの挿通孔A内に引き込んでリベットBの先端部に外方に膨らむ締結 用膨大部Dを形成し、該膨大部DとリベットBの頭部bとで上記両部材X,Yを 締結するようになっている。
【0004】 また、上記軸部Cに引き込み工具Sによる所定の引き込み力がかかったときに は該軸部Cの切断用周溝F部分が破断され、リベットB側に残った軸部材Hがパ ネルY側に出っ張らないようになっている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した締結装置にあっては、基板XとパネルYにおける片側 からの操作により、引き込み工具Sを用いて両部材X,Yを締結することができ る反面、リベットBの頭部bと該頭部反対側で塑性変形により形成される締結用 膨大部Dとにより締結される構造であるため、一旦締結されると、上記両部材X ,Yを分解することが困難となっている。そのため、例えば上記基板Xをそのま ま残しておきパネルY側だけを別の新たなパネルYに交換して再使用するといっ たことができず、パネルYと共に上記基板Xも同時に新たな基板Xに交換しなけ ればならない問題があった。
【0006】 そこで、本考案の課題は、被締結部材をその片側からの操作により簡単かつ迅 速に締結することができ、しかも、被締結部材の締結を必要に応じて上記片側か ら解除できるようにして、解除した被締結部材の再使用を可能ならしめて省資源 化を図ることができる締結装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本考案は次のように構成したことを特徴とする。
【0008】 すなわち、本願の請求項に係る考案(以下、第1考案という)は、一端に鍔部 を有し、他端が被締結部材に形成された穴に挿入される筒状部材と、該筒状部材 内にこれの他端側より挿入される軸部と該軸部に連続し上記筒状部材の他端部を 外方に膨出させて締結用膨大部を形成する頭部を有すると共に、軸部の先端側に 頭部を筒状本体内に引き込む引き込み工具の係合部が形成された軸部材とからな り、かつ上記筒状部材の鍔部が筒状の本体から分割され、該筒状本体の一端部に 着脱可能に螺合されていることを特徴とする。
【0009】 また、請求項2に係る考案(以下、第2考案という)は、第1考案に加えて、 軸部材の軸部における軸方向中間部に所定の引き込み力がかかったときに破断さ れる切断用周溝が形成されていると共に、この軸部における頭部側基部から切断 用周溝までの長さが、該切断用周溝部分の破断時筒状本体側に残る軸部の破断部 が筒状本体の一端よりも所定長さ外方に突出する長さを有しており、かつ、該軸 部の切断用周溝に続く基部側外周に、鍔部を筒状本体から離脱させるときに筒状 本体の共回りを阻止するための回り止め用係合部が形成されていることを特徴と する。
【0010】 また、請求項3に係る考案(以下、第3考案という)は、第1考案に加えて、 軸部材の軸部における軸方向中間部に所定の引き込み力がかかったときに破断さ れる切断用周溝が形成されていると共に、この軸部における頭部側基部から切断 用周溝までの長さが、該切断用周溝部分の破断時筒状本体側に残る軸部の破断部 が筒状本体内の中間部に位置する長さとされており、かつ、筒状本体の一端側内 面に、鍔部を筒状本体から離脱させるときに筒状本体の共回りを阻止するための 回り止め用係合部が形成されていることを特徴とする。
【0011】 さらに、請求項4に係る考案(以下、第4考案という)は、筒状本体の一端側 周縁部に、該周縁部を半径方向外方に塑性変形させて鍔部の筒状本体に対する緩 みを阻止するための凹溝が複数個形成されていることを特徴とする。
【0012】 このような手段を用いることにより、上記各考案によれば、それぞれ次のよう な作用が得られる。
【0013】 まず、第1考案によれば、被締結部材を締結する場合、筒状本体の一端部に鍔 部を螺着した筒状部材における筒状本体内に、これの他端側から軸部材を挿通し た状態で、これら筒状部材と軸部材を被締結部材の片側から穴に挿入すると共に 引き込み工具により軸部材の軸部を引き込み操作することにより、上記頭部を筒 状本体内に引き込んで該筒状本体の他端部に外方に膨らむ膨大部を形成し、該膨 大部と上記鍔部とで被締結部材を挟み付けた状態で締結することが可能となる。
【0014】 そして、上記した締結装置による被締結部材の締結を解除したい場合には、鍔 部を筒状本体に対し緩めて筒状本体から鍔部を外し、その後、被締結部材の穴に 残った軸部材付き筒状本体を被締結部材から取り外すことにより、締結装置によ る被締結部材の締結を解除することが可能となる。これにより、締結が解除され た被締結部材を別の締結部材に新たに締結したり、或は使用していた被締結部材 に代えて別の新たな締結部材に交換して再び締結したりすることが可能となる。
【0015】 また、第2考案によれば、軸部材の軸部における軸方向中間部に形成された切 断用周溝により所定の引き込み力がかかったときに軸部が破断されて、筒状本体 側に残る軸部の破断部が筒状本体の一端よりも所定長さだけ外方に突出すること になり、これにより該軸部の筒状本体一端部からの外方への突出量を抑えること ができ、その上、該軸部の切断用周溝に続く基部側外周部分、つまり破断側突出 部分には、鍔部を筒状本体からその螺合を解除して離脱させるときに筒状本体の 共回りを阻止するための回り止め用係合部が形成されているから、締結装置を分 解する場合、回り止め用係合部に適宜工具を係合させて、鍔部の回転操作による 軸部材、つまり筒状本体の共周りを阻止した状態で鍔部を筒状本体に対し緩める ことが可能となる。
【0016】 また、第3考案によれば、軸部材の軸部における軸方向中間部に形成された切 断用周溝により所定の引き込み力がかかったときに軸部が、筒状本体内の中間部 で破断されることになり、これにより該軸部の筒状本体一端部からの外方への突 出をなくすことができ、その上、筒状本体の一体部内面には回り止め用係合部が 形成されているから、締結装置を分解する場合、筒状本体の一端側内面に形成さ れた回り止め用係合部に適宜工具を係合させて、鍔部の回転操作による筒状本体 の共周りを阻止した状態で鍔部を筒状本体に対し緩めることが可能となる。
【0017】 さらに、第4考案によれば、筒状本体の一端側周縁部に、該周縁部を半径方向 外方に塑性変形させて鍔部の筒状本体に対する緩みを阻止するための凹溝が複数 個形成されているから、例えば引き込み工具の押え部先端に切り欠き部に係合す る係合片を突設しておいて、筒状本体の一端部に鍔部を螺合した後引き込み工具 により軸部材を引き込み操作する際に、上記係合片で切欠き部周方向に拡径させ るように押圧して、筒状本体の一端側周端部を半径方向外方に塑性変形させるこ とにより、鍔部の筒状本体に対する緩み止めを行うことが可能となる。なお、こ の緩み止めは、被締結部材の締結時においてのみ有効となる緩み止めであって、 鍔部を筒状部材から取り外すために緩め操作したときには、上記筒状本体の一端 側周端部は元の状態に戻るように塑性変形されることになる。
【0018】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】 まず、第1実施形態について説明すると、図1に示すように、一端に鍔部2を 有し、他端が薄板状の基板XとパネルYに形成された穴x,yに挿入される筒状 部材1と、該筒状部材1内にこれの他端側より挿入される軸部3と該軸部3に連 続し上記筒状部材1の他端部を外方に膨出させて締結用膨大部1aを形成する頭 部4を有し、かつ軸部3の先端側に頭部4を筒状部材1内に引き込む引き込み工 具Sの係合溝部5が形成された軸部材6とで構成されている。
【0020】 そして、上記筒状部材1の鍔部2が筒状の本体10から分割され、該筒状本体 10の一端部に着脱可能に螺合されている。
【0021】 具体的には、筒状本体10は金属製でその一端部外周に雄ねじ10aが形成さ れていると共に、この筒状本体10の一端側周縁部に、該周縁部を半径方向外方 に塑性変形させて上記鍔部2の筒状本体10に対する緩みを阻止するための凹溝 10b…10bが所定間隔をおいて複数形成されている。斯かる筒状本体1は鍛 造機による型成形により形成された後、ねじ転造機により雄ねじ10aが形成さ れている。
【0022】 また、上記鍔部2は、外周に6角形状の係合面2aと円板状の座面2bとを備 え、かつ中心部に上記雄ねじ10aと螺合する雌ねじ2cが形成されている。
【0023】 一方、上記軸部材6は、金属製で上記筒状本体10の内径よりも小径の軸部3 と該軸部3にテーパ部7を介して連続する上記筒状本体10の内径よりも大径な 頭部4とを有している。
【0024】 そして、軸部3における軸方向中間部には、引き込み工具Sによる引き込みに よって所定の引き込み力がかかったときに破断される切断用周溝8が形成されて いると共に、図2に示すように軸部3における頭部側基部から切断用周溝8まで の長さaが、該切断用周溝8部分の破断時筒状本体10側に残る軸部材6の軸部 3の先端が筒状本体10の一端から所定長さ外方に突出する長さ、換言すれば被 締結部材X,Yと鍔部2との各厚みを加算した長さよりもやゝ長い長さとされて いる。
【0025】 また、軸部3の切断用周溝8に続く頭部側外周には、上記鍔部2を筒状本体1 0から離脱させるときに筒状本体10の共回りを阻止するための回り止め用セレ ーション9が形成されており、さらに軸部3の切断用周溝8よりも先端部に、上 記引き込み工具Sの挟持部S1と係合する挟持用係合溝部5が形成されている。
【0026】 斯かる軸部材6は、多段式鍛造機による一連の型成形により形成される。その 場合、軸部3のセレーション9よりも先端側の外径は、型成形が可能なようにセ レーション9の谷径と同径又はそれ以下となっている。
【0027】 また、引き込み工具Sは、軸部3の係合溝部5を挟持し、駆動手段(図示せず )により軸部3の軸方向に進退動される挟持部S1と、筒状本体1の一端を押え る押え部S2とを備えており、該押え部S2の先端部には、上記軸部材6の引き 込みと同時に上記筒状本体10の凹溝10bに嵌入されて該凹溝10bを周方向 に拡開する複数の突出片S3…S3が設けられている。なお、この引き込み工具 Sは既存の引き込み工具Sにおける押え部S2の先端部に上記突出片S3…S3 を設けただけのもので、その具体的な構造及び作用については省略する。
【0028】 次に、以上のごとく構成する締結装置を用いて基板XにパネルYを締結する場 合の作用について説明する。
【0029】 まず、図1に示すように、一端部に鍔部2を螺着した筒状本体10内に、これ の他端側から軸部材6が挿通された状態のまま、予め筒状本体10の一端から外 方に突出する軸部3の先端部を引き込み工具Sの挟持部S1に保持させておく。
【0030】 次に、基板XにパネルYを重ね合せた状態で両部材X,Yに形成された穴x, yにパネルYの外面側から上記筒状部材1と軸部材6を挿入し、かつ、該軸部材 6の軸部3を引き込み工具Sにより引き込み操作する。
【0031】 その場合、図2に示すように引き込み工具Sの押え部S2が筒状本体10に突 き当たり、その直後に該軸部材6の頭部4がテーパ部9を介して筒状本体10の 他端部内に引き込まれて該筒状本体10の他端部が外方に膨出され締結用膨大部 1aが形成されることになる。これにより、該膨大部1aと上記鍔部2とで基板 XとパネルYの挟み込みがなされ、基板XとパネルYが締結装置により締結され ることになる。
【0032】 また、基板XとパネルYとが締結された後、引き込み工具Sによりさらに引き 込みが行われて軸部3に所定以上の引き込み力がかかると、該軸部3の軸方向中 間部に形成された切断用周溝8が破断され、破断した軸部3の先端部は外部に取 り出されると共に、残りの軸部材6は筒状本体10側に一体化した状態で残され ることになる。その場合、筒状本体10側に残された軸部3は、筒状本体10の 一端から所定長さ、つまりセレーション9部分だけ外方に突出され、該軸部3の 筒状本体一端からの外方への突出量が抑えられることになる。
【0033】 また、筒状本体10の一端側周縁部には、該周縁部に凹溝7b…7bが複数個 形成されていると共に、引き込み工具Sの押え部S2の先端に突出片S3が突設 されているから、引き込み工具Sにより軸部材6を引き込み操作する際に、上記 係合片S3の両端で凹溝7bの両端を周方向に押し広げるように押圧して、筒状 本体10の一端側周縁部を半径方向外方に塑性変形させることができ、これによ り、鍔部2の筒状本体10に対する緩みを阻止することが可能となる。
【0034】 一方、締結装置により締結された基板X及びパネルYのうち、例えばパネルY を別のパネルに交換したい場合には、軸部3のセレーション9に適宜工具を係合 させる一方、鍔部2の係合面2aにスパナなどを係合させて、該スパナを回転操 作することにより、軸部材6、つまり筒状本体10の共周りを阻止した状態で鍔 部2を筒状本体10に対し緩めて取り外すことが可能となる。そして、基板Xと パネルYとの穴x,yから軸部材6が結合された筒状本体10を取り外すことに より、締結装置による基板XとパネルYとの締結を解除することができる。従っ て、締結が解除された基板Xに新たなパネルYを新たな締結装置により締結する ことが可能となる。
【0035】 以上のように、基板XとパネルYとの締結をその片側からの操作により簡単か つ迅速に行うことができ、しかも、締結後その締結装置を分解して基板Xとパネ ルYとの締結を解除することができ、これにより、再使用できる基板Xやパネル Yについては、廃棄することなく再使用することができて省資源化を図ることが できる。
【0036】 さらに、上記筒状本体10及び鍔部2及び軸部材6は鍛造機により量産するこ とが可能で、安価に提供することができる。
【0037】 また、図5及び図6は、鍔部2の取り外し時における筒状本体10の回り止め 構造に関する別の実施形態を示すもので、先の第1実施形態の締結装置において 、軸部材6の軸部3における頭部側基部から切断用周溝8までの長さが、該切断 用周溝8部分の破断時筒状本体10側に残る軸部が筒状本体内の中間部に位置す る長さ、つまり、換言すれば基板XとパネルYと鍔部2との各厚みを加算した長 さよりも短い長さとされており、かつ、筒状本体10の内面には、鍔部2を筒状 本体10から離脱させるときに筒状本体10の共回りを阻止するための六角形状 の回り止め用係合孔11が形成されたものである。その他の構成は先の第1実施 形態と同じである。
【0038】 斯く構成した場合には、先の第1実施形態の場合と同様の締結作用が得られる と共に、軸部材6の軸部3が所定の引き込み力によりその切断用周溝8部分にお いて破断されるとき、その破断位置が筒状本体10内の中間部で破断されること になる。これにより筒状本体側に残った軸部3の筒状本体10における一端から の外方への突出をなくすことができ、しかも、筒状本体10の一端部内面には回 り止め用係合孔11が形成されているから、締結装置を被締結部材から取り外す 場合、筒状本体10の一端側内面に形成された回り止め用係合孔11に適宜治具 を係合させて、鍔部2の回転操作による筒状本体1の共周りを阻止した状態で鍔 部2を筒状本体10に対し緩めることが可能となる。
【0039】 尚、上記回り止め用係合孔11は、図6に示すように筒状本体10の全長にわ たって形成する他、筒状本体10の一端部のみに形成してもよいし、また、六角 形状の他、セレーションや他の多角形状であってもよい。
【0040】
【考案の効果】
以上のように、第1考案によれば、被締結部材を締結する場合、筒状本体の一 端部に鍔部を螺着した筒状部材における筒状本体内に、これの他端側から軸部材 を挿通した状態で、これら筒状部材と軸部材を被締結部材の穴に該被締結部材の 片側から挿入し、かつその片側から引き込み工具により軸部材の軸部を引き込み 操作することにより、上記軸部材の頭部を筒状本体内に引き込んで筒状本体の他 端部に外方に膨らむ締結用膨大部を形成して、該膨大部と上記鍔部とで被締結部 材を挟み付けた状態で締結することができ、これにより被締結部材をその片側か らの操作により簡単かつ迅速に締結することができ、しかも、締結後には、被締 結部材の片側から筒状本体に対し鍔部を緩めて該筒状本体から鍔部を外し、その 後、被締結部材の穴に残った軸部材付きの筒状本体を被締結部材から取り外すこ とにより締結装置による被締結部材の締結を解除することができ、その結果、必 要に応じて締結装置を分解して被締結部材から取り外すことができ、これにより 、締結が解除された被締結部材を廃棄することなく再使用することができて省資 源化を図ることができる。
【0041】 また、第2考案によれば、軸部材の軸部における軸方向中間部に形成された切 断用周溝により、所定の引き込み力がかかって軸部が破断されたとき、筒状本体 側に残る軸部の破断部側が筒状本体の一端よりも所定長さだけ外方に突出するこ とになり、しかも、該軸部の切断用周溝に続く基部側外周部分には、鍔部を筒状 本体からその螺合を解除して離脱させるときにおける筒状本体の共回りを阻止す るための回り止め用係合部が形成されているから、締結装置を分解する場合、回 り止め用係合部に適宜工具を係合させて、鍔部の回転操作による軸部材、つまり 筒状本体の共周りを阻止した状態で鍔部を筒状本体に対し緩めることが可能とな る。
【0042】 また、第3考案によれば、軸部材の軸部における軸方向中間部に形成された切 断用周溝により、所定の引き込み力がかかって軸部が、筒状本体内の中間部で破 断されることになり、これにより該軸部の筒状本体一端部からの外方への突出を なくすことができ、しかも、筒状本体の一体部内面には、鍔部を筒状本体からそ の螺合を解除して離脱させるときにおける回り止め用係合部が形成されているか ら、締結装置を分解する場合、筒状本体の一端側内面に形成された回り止め用係 合部に適宜工具を係合させて、鍔部の回転操作による筒状本体の共周りを阻止し た状態で鍔部を筒状本体に対し緩めることが可能となる。
【0043】 さらに、第4考案によれば、筒状本体の一端側周縁部に、該周縁部を半径方向 外方に塑性変形させて鍔部の筒状本体に対する緩みを阻止するための凹溝が複数 個形成されているから、例えば引き込み工具の押さえ部先端に切り欠き部に係合 する係合片を突設しておいて、筒状本体の一端部に鍔部を螺合した後引き込み工 具により軸部材を引き込み操作する際に、上記係合片で切欠き部周方向に拡径さ せるように押圧して、筒状本体の一端側周端部を半径方向外方に塑性変形させる ことにより、鍔部の筒状本体に対する緩みを阻止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の第1実施形態に係る締結装置の断面
図である。
【図2】 同締結装置により被締結部材を締結した状態
を示す断面図である。
【図3】 同締結装置の筒状本体に対する鍔部の緩み止
め構造の説明図である。
【図4】 同締結装置の締結を解除した状態を示す断面
図である。
【図5】 本考案の第2実施形態に係る締結装置により
被締結部材を締結した状態を示す断面図である。
【図6】 同締結装置における筒状部材を分解した状態
を示す一部切り欠き正面図である。
【図7】 従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 筒状部材 1a 締結用膨大部 2 鍔部 2c 雌ねじ 3 軸部 4 頭部 5 挟持用係合部(係合溝部) 6 軸部材 8 切断用周溝 9 回り止め用係合部(セレーション) 10 筒状本体 10a 雄ねじ 10b 凹溝 11 回り止め用係合部(回り止め用係合
孔) S 引き込み工具

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に鍔部を有し、他端が被締結部材に
    形成された穴に挿入される筒状部材と、該筒状部材内に
    これの他端側より挿入される軸部と該軸部に連続し上記
    筒状部材の他端部を外方に膨出させて締結用膨大部を形
    成する頭部とを有すると共に、軸部の先端側に頭部を筒
    状本体内に引き込む引き込み工具の係合部が形成された
    軸部材とからなり、かつ上記筒状部材の鍔部が筒状の本
    体から分割され、該筒状本体の一端部に着脱可能に螺合
    されていることを特徴とする締結装置。
  2. 【請求項2】 軸部材の軸部における軸方向中間部に所
    定の引き込み力がかかったときに破断される切断用周溝
    が形成されていると共に、この軸部における頭部側基部
    から切断用周溝までの長さが、該切断用周溝部分の破断
    時筒状本体側に残る軸部の破断部が筒状本体の一端より
    も所定長さ外方に突出する長さとされており、かつ、該
    軸部の切断用周溝に続く基部側外周に、鍔部を筒状本体
    から離脱させるときに筒状本体の共回りを阻止するため
    の回り止め用係合部が形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の締結装置。
  3. 【請求項3】 軸部材の軸部における軸方向中間部に所
    定の引き込み力がかかったときに破断される切断用周溝
    が形成されていると共に、この軸部における頭部側基部
    から切断用周溝までの長さが、該切断用周溝部分の破断
    時筒状本体側に残る軸部の破断部が筒状本体内の中間部
    に位置する長さとされており、かつ、筒状本体の一端側
    内面に、鍔部を筒状本体から離脱させるときに筒状本体
    の共回りを阻止するための回り止め用係合部が形成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の締結装置。
  4. 【請求項4】 筒状本体の一端側周縁部に、該周縁部を
    半径方向外方に塑性変形させて鍔部の筒状本体に対する
    緩みを阻止するための凹溝が複数個形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の締結装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013527903A (ja) * 2010-04-23 2013-07-04 アブデル ユーケー リミテッド ファスナー

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