JP3026447B2 - バイアススパッタ成膜方法及びその装置 - Google Patents

バイアススパッタ成膜方法及びその装置

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JP3026447B2 JP2188007A JP18800790A JP3026447B2 JP 3026447 B2 JP3026447 B2 JP 3026447B2 JP 2188007 A JP2188007 A JP 2188007A JP 18800790 A JP18800790 A JP 18800790A JP 3026447 B2 JP3026447 B2 JP 3026447B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はバイアススパッタ成膜方法及びバイアススパ
ッタ成膜装置に係り、特に被膜形成基板へ入射するイオ
ン量及びイオンエネルギを計測し、これらの量をモニタ
することにより成膜プロセスの制御を行い、目的とする
膜質にあった成膜条件を設定することのできるバイアス
スパッタ成膜方法及びバイアススパッタ成膜装置に関す
る。
〔従来の技術〕
従来のバイアススパッタ装置は、ターゲット電極と基
板電極にそれぞれ独立に電力を供給できる様になってい
るものの、基板へ入射する例えば、アルゴンイオンAr+
の如き放電ガスのイオン量やイオンエネルギを測定でき
る様にはなっていなかった。
即ち、従来のバイアススパッタ装置では、基板へバイ
アス電圧として印加した直流電圧や、高周波電源を印加
した際に表われる基板または基板を支持する基板ホルダ
での直流電圧成分等をモニタして、これを入射イオンエ
ネルギとしていた。
しかし、基板近傍のプラズマのプラズマポテンシャル
を考慮していないので、プラズマポテンシャル(通常の
グロー放電では2〜30eV)の分、入射エネルギが低く見
積られ、基板へ入射するイオンの正確なエネルギを測定
していなかった。
今日、LSIの配線膜形成プロセスにおいて、膜のち密
化による低抵抗膜の形成が可能な為バイアススパッタ法
が用いられてきているが、高いバイアス電圧を印加する
とプラズマを形成するガス(通常はアルゴン)が膜中に
とり込まれ、膜質を劣化させるので、低エネルギイオン
衝撃(通常、20〜100eV、高くとも200eV膜材料に依存
する)によるバイアススパッタ成膜が必須となってきて
いる。
この様な低エネルギでは、プラズマポテンシャルを無
視することはできないので、高品質な膜を形成する為の
条件設定にはプラズマポテンシャルをも考慮した真の入
射イオンエネルギを求める必要がある。
なお、この種の低エネルギイオン衝撃に関するものと
しては、例えばアプライド・フィジカル・レター、第53
巻13号、第1175頁(1988年9月)〔Appl.Phys.Lett.53
(13),Sep.′88 P1175〕が挙げられる。
また、バイアススパッタにおける膜のち密化は、膜の
成長過程において、イオン衝撃等により外部から膜を構
成する粒子そのものにエネルギを与え、成膜粒子を膜表
面や膜中に存在する空孔へ移動させことによる。したが
って、膜のち密化にはエネルギを付与するイオンのエネ
ルギだけでなくイオン量も重要な影響を及ぼす。
ところが従来のスパッタ装置では、バイアススパッタ
時の基板への入射イオンエネルギが正確に測定できず、
またイオン量についてはモニタする機能がなく、基板に
入社するイオン量を制御できなかった。したがって、成
膜材料の種類、組成に応じた、またはその用途に応じた
膜特性を最適にする成膜条件を設定することができなか
った。
即ち、この用途に応じた膜特性とは、例えば耐摩耗性
を持たせるとか、抵抗値を特定の低抵抗値に設定すると
か、基板材が配線導体層に拡散しないようにバリア特性
を持たせると云ったものであり、その他スパッタ膜の利
用分野に応じて、種々な最適膜の特性が要求されるよう
になってきた。
前述のように特にLSI等の半導体装置の製造プロセス
にこのバイアススパッタが採用されるようになってか
ら、基板へ入射するイオンエネルギ及びイオン量の制御
が大きな問題となってきた。
なお、この種のスパッタ装置に関するものとしては、
例えば特公昭63−9584号公報を挙げることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
したがって、本発明の目的は、上記従来技術の問題点
を解消することに有り、その第1の目的は基板に入射す
るイオン量とイオンエネルギとを正確に計測し、この計
測データに基づき成膜条件を最適条件下に設定して高品
質の薄膜を形成することのできる改良されたバイアスス
パッタ成膜方法を、そして第2の目的はそれを実現する
改良されたバイアススパッタ成膜装置を、それぞれ提供
することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために本発明者等は種々実験検討
した結果、以下に述べるような知見を得た。
先ず、プラズマ放電により生成した放電ガスのイオン
が、基板中へどの程度入射したか、この入射イオン量と
イオンエネルギを求める為に、プラズマ工学で既知のラ
ングミュアプローブと同一原理のプローブを、基板を保
持する基板ホルダへ設置した。スパッタ成膜において導
体膜を形成する際、プローブに膜が付着し、イオンや電
子の入射する面積が変化すると、正確な入射イオン量や
イオンエネルギを求めることができないので、上記プロ
ーブは、後述する様に、プローブのイオンや電子を採集
する面積(以下、プローブ面積と呼ぶ)を一定に保つ工
夫が必要であった。
基板へ入射するイオン量の制御には、スパッタ電極に
成膜材料を放出するターゲット電極とは別に、新たな第
2のプラズマ発生源となるカソード電極を設け、このプ
ラズマを発散磁場によって基板側へ輸送し、上記カソー
ド電極(第2の電極)への投入電力の制御によって行な
う。
入射イオンのエネルギ制御については、基板にバイア
ス電圧が印加できる様に構成している。基板が導体の場
合は、基板に直流もしくは高周波のバイアス電源を直接
接続でき、基板が絶縁物の場合には、基板の背面に導体
を設ける等して基板電極とする。
先ち膜のち密化には基板への入射イオンエネルギとそ
の量が重要な要因になると述べたが、成膜中に基板がイ
オン照射を伴うバイアススパッタでは、基板へ入射する
成膜粒子量と入射イオン量の比が重要である。これにつ
いては既に例えばジヤーナル・オブ・サイエンス・テク
ノロジーA4(2)3/4、第184頁(1986年)〔J.Vac.Sci.
Tech A4(2)3/4′86,P184〕に詳しく知られている。
したがって、より精密な成膜条件を設定するには、成
膜速度をモニタできる手段(例えば水晶発振式成膜速度
モニタ等)を基板ホルダへ設置すれば、成膜速度と入射
イオン量の比を最適になる様に制御することができる。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたもので、
以下に本発明の目的達成手段につき具体的に説明する。
上基本発明の第1の目的は、 (1).スパッタ電力が投入されるターゲット電極とバ
イアス電圧が印加される基板電極とを備え、前記各電極
にそれぞれ独立に電力を印加し、ターゲット材料をスパ
ッタして基板上に成膜するバイアススパッタ成膜方法に
おいて、前記基板電極側に、基板へ入射するイオン量と
イオンエネルギとを検出する手段を配設すると共に、前
記検出手段により求めたイオン量とイオンエネルギとを
それぞれ独立に制御する手段とを有し、これらイオン量
とイオンエネルギとをそれぞれ所定値に制御することに
より所定の膜特性に応じたスパッタ膜を形成するように
成したバイアススパッタ成膜方法により、また、 (2).上記イオン量とイオンエネルギとを検出する手
段が、上記基板電極側に配設されたラングミュアプロー
ブに電流計を介して任意の電圧に制御できる直流電源を
接続して構成され、この直流印加電圧を変化させて前記
プローブに流れる電流−電圧特性曲線からイオン量とプ
ラズマポテンシャルとを求め、しかもこのプラズマポテ
ンシャルと上記基板電極に投入された既知のバイアス電
圧との和から真のイオンエネルギを求めるようにして成
る上記(1)記載のバイアススパッタ成膜方法により、
また、 (3).上記イオン量の制御は、上記ターゲット電極に
隣接して、前記ターゲット電極とは独立にプラズマが発
生するように設けられたカソード電極へ投入される電力
で行ない、上記イオンエネルギの制御は、上記基板電極
に印加するバイアス電圧で行なうようにして成る上記
(1)記載のバイアススパッタ成膜方法により、そして
また、 (4).上記基板電極近傍に成膜速度を計測する手段を
配設して、成膜速度と基板に入射するイオン量との比を
最適化し得るようにして成る上記(1)乃至(3)何れ
か記載のバイアススパッタ成膜方法により、達成され
る。
また、上記本発明の第2の目的は、 (5).内部に基板電極を収容し、一面に開口部を有す
る真空容器と、前記真空容器の開口部に装着されたスパ
ッタ電極とを備え、しかも前記スパッタ電極にはターゲ
ット電極が前記基板電極に対面して配設され、かつマグ
ネトロン放電機構を有して前記ターゲット電極上にプラ
ズマを発生するように構成されたバイアススパッタ成膜
装置において、前記基板電極側に、基板へ入射するイオ
ン量とイオンエネルギとを検出する手段と、前記基板へ
入射するイオン量とイオンエネルギとを所定値に設定す
る制御手段とを配設して成るバイアススパッタ成膜装置
により、また、 (6).スパッタ電力が投入されるターゲット電極と、
バイアス電圧が印加される基板電極と、前記各電極にそ
れぞれ独立に電力を印加する手段とを備え、ターゲット
材料をスパッタして前記基板上に成膜するバイアススパ
ッタ成膜装置において、前記基板電極側に、基板へ入射
するイオン量とイオンエネルギとを検出する手段と、中
空構造を有する前記ターゲット電極の中央部に、前記タ
ーゲット電極とは独立して第2のプラズマを発生するこ
とのできるカソード電極と、前記検出手段により求めた
イオン量とイオンエネルギとをそれぞれ独立に制御し、
所定値に設定する手段とを有して成り、前記カソード電
極に直流または高周波放電によって第2のプラズマを発
生させ、かつこのプラズマを磁場によって基板電極側へ
輸送するように構成して成るバイアススパッタ成膜装置
により、また、 (7).上記真空容器内に収容された基板電極近傍に成
膜速度を計測する手段を配設し、成膜速度をモニターす
ると共に、基板に入射するイオン量との比を最適化する
手段を具備して成る上記(5)記載のバイアススパッタ
成膜装置により、また、 (8).上記スパッタ電極のターゲット電極中央部から
その外部に貫通する開口部を設け、しかもこの開口部に
前記スパッタ電極とは独立に直流または高周波放電によ
って第2のプラズマを発生させることのできるカソード
電極を設け、このカソード電極に発生した第2のプラズ
マを前記スパッタ電極に設けられた磁場印加手段により
発生した基板電極側に伸びる発散磁場に沿って基板電極
側へ輸送するように構成して成る上記(5)記載のバイ
アススパッタ成膜装置により、また、 (9).上記カソード電極が、ターゲット中央部とスパ
ッタ電極の中心軸を取り囲む、中空円環状のカソード電
極面を有し、このカソード電極面にほぼ平行で、かつ磁
力線がこのカソード電極の一面から出て、再び同一面の
異なる部分へ入射する磁場を発生する手段を有すると共
に、ターゲット面上では、ターゲットの一面から出て再
びこの同一ターゲット面の異なる部分へ入射する磁力線
を形成する磁場発生手段を有して成る上記(5)記載の
バイアススパッタ成膜装置により、そしてまた、 (10).上記基板電極側の外部に、第2の磁場発生手段
を配設し、上記スパッタ電極に配設した磁場発生手段か
らの磁場との相互作用により基板上にミラー磁場もしく
はカスプ磁場を形成し得る磁場制御手段を具備して成る
上記(5)乃至(9)何れか記載のバイアススパッタ成
膜装置により、達成される。
〔作用〕
以下に上記目的を達成する為の個々の技術的手段の作
用について説明する。
基板ホルダに設置されたラングミュアプローブへ、印
加する直流電圧Vを変化させることによりプローブに流
れる電流Iを求め、このI−V特性からプラズマポテン
シャルとプローブに入射するイオン量を求める。これら
を求める計算式は、プラズマ工学の教科書等に表わされ
ており、例えばPlasma Diagnostic Techniques ed.R.H.
Huddlestone他Academic Press(1965)に記載されてい
る。プラズマポテンシャルが分かれば、基板電極(基板
または基板ホルダー)に印加するバイアス電位は、接続
されたバイアス電源(直流もしくは高周波)から既知で
あるので、基板に入射するイオンの真のエネルギは、上
記基板電極へ印加したバイアス電位とプラズマポテンシ
ャルとの和によって求められる。プローブの面積は既知
であり、プローブに入射する単位面積当りの入射イオン
量が求められる。プローブを基板ホルダーに複数個配置
すれば、基板へ入射するイオン量の分布をも知ることで
きる。したがって、これらのイオン量を積分すれば、基
板へ入射するイオン量が分かる。本発明のスパッタ電極
は、第1のプラズマ発生源であり、かつ成膜材料を放出
するターゲット電極と、それとは独立に第2のプラズマ
の発生源となるカソード電極とを具備しており、ターゲ
ット電極へ投入する電力により成膜速度を、第2のプラ
ズマ発生源となるカソード電極に投入する電力により、
基板への入射イオン量を制御する。入射イオンエネルギ
については、基板に印加するバイアス電圧と、上記プロ
ーブにより測定したプラズマポテンシャルにより制御を
行なう。
基板ホルダに配設した成膜速度モニターは、基板に入
射する成膜粒子量を検知する。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
実施例1. 第1図は、本発明のバイアススパッタ成膜方法及びそ
の装置の一例を説明するための装置構成の一部断面ブロ
ック図である。
同図において、1は真空容器で、その内部には基板ホ
ルダ12とバイアス電位印加機構18aに装着された導体か
らなる爪18により弾性的に支持された基板17を収容し、
その一面に設けられた開口部にはターゲット材を兼ねた
ターゲット電極7を装着したスパッタ電極2が絶縁物24
を介して気密に接続されている。
真空容器1は成膜する材料の膜質に悪影響を及ぼさな
い程度の残留ガス分圧(通常10-5〜10-9Pa)まで排気さ
れ、この後、スパッタ成膜処理を行なう為に所定の圧力
(通常1〜10-2Pa)までスパッタ用の放電ガスを導入す
る。通常、このガスとしてはアルゴンが用いられる。窒
化膜等の成膜では窒素や窒素とアルゴンとの混合ガスが
用いられる。真空容器の一面には開口があり、スパッタ
電極2が設置されている。なお、この真空容器1にはそ
の他排気装置やガス導入の配管、圧力調整弁、ガス流量
調整弁等も接続されているが、ここでは省略し図示して
いない。
このスパッタ電極2には、その中心軸のまわりに円筒
状に巻かれた磁場発生手段としてのコイル3と、コイル
に電力を供給する電源21と、コイルの内側と外側に円環
状の導体からなる磁性体(例えば軟鉄)4、5が配置し
てある。これら二つの円環状磁性体4,5は、軸中心部に
開口の設けられた同じく磁性体からなる円板6により接
続され、一体構造となっている。この一体構造の磁性体
はさらにハウジング25に溶接されており、全体でスパッ
タ電極2のケーシングとなっている。上記磁性体円板6
の反対側には成膜材料であるターゲット7が着脱自在な
構成で取り付けられている。ターゲット7やコイル3は
それぞれ、この図面では省略されているが水冷されてお
り、通電時の過昇温を防止している。
ターゲット7には導体である磁性体4を介して電源8
(直流電源または高周波電源)が接続されており、ター
ゲット7表面に負の高電圧を印加している。以下、コイ
ル3を囲んでいる磁性体4、5をスパッタ陰極と呼ぶこ
とにする。ターゲット7の中央とスパッタ陰極の中央に
は連通した開口があり、この開口に、第2のカソード電
極28が絶縁物24を介して設けてある。なお、ここではタ
ーゲット7を第1のカソード電極とも呼べるので、それ
に対してカソード電極28を第2のカソード電極と呼ぶ。
この第2のカソード電極28は、導体部材9とこれに一
端で着脱自在に嵌合する部材10とから構成されている。
導体部材9の一端にはコップ状の導体部材10を嵌合する
凹部が設けられ、他端には冷却水が循環する冷却手段が
設けられ、部材9が水冷されると共に、この部材9を介
して部材10が冷却される構成と成っている。
部材10には部材9を介して電源(直流または高周波電
源)20が接続され、部材10の表面に負の高電圧を印加し
ている。部材10の表面には、部材10の表面から出て再び
部材10の表面へ入る磁力線が、上記コイル3と磁性体5
及び6とにより発生するようになっている。この結果、
部材10には、マグネトロン放電による高密度プラズマが
上記ターゲット7とは独立に形成されるようになってい
る。ここで形成されたプラズマは、上記コイル3と磁性
体5及び6によって発生したターゲット7の中央から出
て、ターゲット7に対向して配設された基板17側へ発散
する磁場11により輸送される。この第2のカソード28を
構成する部材10へ電源20から投入する電力を制御するこ
とにより、部材10の表面で発生するプラズマ密度を制御
でき、その結果、基板7へ入射するイオン量を制御する
ことが可能である。当然のことながら部材10もスパッタ
されるので、部材10はターゲット7を構成する材料と同
一のもので構成することが望ましい。しかし、部材10は
コップ形状をしており、磁場との関係から磁場と電界が
直交する部分に高密度のプラズマが形成される為、主に
円環状の内壁面がスパッタリングを受ける。このためタ
ーゲット7から放出される成膜粒子量に対して無視でき
る程度である。
以上のように、ターゲット7とコイル3による磁場印
加手段と基板7へ入射するイオン量を制御するカソード
電極28とを備えたスパッタ電極2は、ハウジング25によ
り絶縁物24を介して電気的に絶縁されて真空容器1に気
密封じされる。
一方、基板ホルダ12には基板ホルダから絶縁された状
態でプローブ13が配設されている。
このプローブ13には、電圧が正から負にわたって電圧
値を任意にコントロールできる電源14及びコントローラ
15が設置され、かつプローブへ流れる電流値を知ること
ができるように電流計16が挿入されている。このプロー
ブ13により、プローブに印加する電圧Vを変化させ、そ
の時のプローブへ流れる電流Iを求め、このI−V特性
から周知の手法によりプラズマポテンシャルと入射イオ
ン量を求める。なお、この測定の時は、基板17を取り除
いてプローブ13を真空容器内に露出させて測定する。基
板が載置される領域を避けて、基板ホルダ12の周辺にプ
ローブを設置してもよい。しかしこの場合には、あらか
じめ基板へ入射するイオン量とプローブへ入射するイオ
ン量との相関を取っておく必要がある。
なお、プローブ13の構造については、後ほど第2図で
詳述する。
基板17は、バイアス印加機構18aに固定された爪18に
より基板ホルダ12に弾性的に押付け保持されており、か
つこの爪には直流もしくは高周波電源19により、電圧が
印加される。この電圧は通常バイアス電気圧と呼ばれ
る。
さて以上プローブによってプラズマポテンシャルと入
射イオン量が求められ、基板または基板ホルダに印加し
たバイアス電圧から、基板へ入射するイオンのエネルギ
とイオン量が求められる。これらのパラメータをその他
の成膜条件、例えば成膜圧力等とともに変化させ、その
時の膜質を評価することによって、用途に応じた膜質を
得る最適条件が求められる。また膜材料が変われば、用
途が同じでも良い膜質を得る条件は変化するので、本実
施例の様なスパッタ成膜装置によれば、容易な成膜材料
やその用途が変化してもその用途に合った膜質を容易に
得ることができ、フレキシブルに対応できる。
第2図に第1図で用いた入射イオン量とプラズマポテ
ンシャルを測定するプローブ13の詳細例を示す。第2図
(a)は平面図を、そして第2図(b)はそのX−X′
線における断面図を示す。
基板ホルダ12の中央に基板ホルダとは電気的に絶縁し
てプローブ端子22が埋め込まれている。絶縁碍子23は、
プローブ端子22と基板ホルダ12との電気的絶縁を取る一
方、外部形状を凹凸にすることにより碍子に成膜粒子が
付着するのを防止し、プローブ面積が成膜粒子の付着に
よって変化しない様に構成している。
本発明のように基板17への入射イオン量をモニタし、
かつそのイオン量が制御できると、次のような成膜方法
が実現できる。例えば、LSIの配線膜形成についてみる
と、シリコンウェハ等に既に形成されたデバイス間の接
続の場合、バイアススパッタ時の入射イオンによるデバ
イスへのダメージを防止する為、成膜初期は、少ない入
射イオン量で低エネルギでのバイアススパッタ成膜を行
ない、膜が積層するにつけ、これらの量を増していく様
な成膜方法が実現できる。
また、4M bit DRAM等の配線膜は、TiW膜の上にAl合金
膜(例えばAl−Si−Cu)を形成し、さらにその上にTiW
膜を形成する様な積層構造となっている。Al合金膜の上
下にどのような材料の膜を形成するかは各社各様である
が、本発明によれば、どんな膜構成に対してもユーザー
により最適条件出しが行なえ、装置の汎用性が高い。こ
の様な異種材料からなる積層構造膜を形成する場合に
は、マルチ処理チェンバーからなるプラズマ処理装置に
本発明のバイアススパッタ電極部(すなわち、スパッタ
電極部と基板にバイアスを印加できる機構をもった基板
ホルダ部及びプローブからなる)を設置すればよい。マ
ルチ処理チェンバーからなるプラズマ処理装置について
は、例えば特開昭63−32931号公報に提案されているも
のである。
実施例2. 本発明の第2の実施例を第3図及び第4図により説明
する。
この図も前記実施例1の第1図と同様に、装置構成の
一部断面ブロック図を示したものである。第1図と異な
るところは、基板電極側にも第2の磁場発生手段として
第2のコイル26を設けている点である。このコイル26と
スパッタ電極側のコイル3とによって、基板17へ入射す
るイオン量の分布を制御することができる。
例えば、上記2組のコイル3及26の相互作用により、
第3図に示すように、両コイルに同方向の電流を流せ
ば、ターゲット7と基板17との間にミラー磁場11−1を
構成することができ、基板中央で入射イオン量が増大
し、基板周辺では入射イオン量が少ない分布とすること
ができる。
また、第4図に示すように、両コイルに逆方向の電流
を流せば、ターゲット7と基板17との間にカスプ磁場11
−2を構成することができ、大面積の基板へ均一にイオ
ンを入射させることができる。
この基板17への入射イオン量分布は、基板ホルダ12内
に第2図に示したようなプローブ13を離間して複数個設
置することにより求めることができる。よって、入射イ
オン量をモニターしながら、上記2組のコイル3及び26
へ通電するコイル電流を変化させることで、所望の入射
イオン量分布を得ることができる。本実施例において
も、その具備する機能から実施例1と同様な効果を得る
ことができるのは明らかである。
また、第5図に示すように、基板ホルダ12内に、例え
ば、水晶発振式の成膜速度モニター27を具備すると、成
膜粒子に対する入射イオン量の比がモニターできるの
で、より精密な膜成長制御が行える。
実施例3. 本発明の第3の実施例を第6図に示す。この図も前記
実施例1の第1図と同様に、装置構成の一部断面ブロッ
ク図を示したものである。
これまでの実施例と異なるところは、スパッタ電極2
に付設した第2のカソード電極28の代わりに、マイクロ
波によるECR(電子サイクロトロン共鳴)放電により、
ターゲット7の面とは独立にプラズマを発生させ得る構
造としている点である。第6図で、マイクロ波は導波管
31により伝搬し石英板30を通して真空中へ導入されてい
る。コイル3によりECR条件(2.45GHzのマイクロ波に対
して875ガウスの磁束密度)の磁場を発生させる。プラ
ズマ中の電子が磁場中でマイクロ波と共鳴することによ
りプラズマ発生部32に高密度プラズマを発生させ、かつ
マイクロ波電力によってプラズマ密度を制御する。実施
例1と同様、上記プラズマを発散磁場11により基板側へ
輸送している。本実施例においても、その具備する機能
から実施例1と同様な効果を得ることができた。
本実施例特有の効果としては、マイクロ波が、ECR条
件を満足する磁束密度の所で吸収されることからECR条
件を満たす磁束密度の位置をスパッタ電極の中心軸にそ
って変化させることによっても、基板17へ入射するイオ
ン量を制御することができる。例えば、ECR条件を満足
する磁束密度の位置を基板方向に近づけると基板への入
射イオン量を増すことができる。
なお、この実施例のようにマイクロ波によるECR(電
子サイクロトロン共鳴)放電により、ターゲット7の面
とは独立にプラズマを発生させ得る構造とした装置につ
いても、第3図及び第4図に示したと同様に第2の磁場
発生用コイル26を付設して、コイル3との相互作用によ
り基板上の発散磁場11を制御することができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、基板へ入射するイオンエネルギとイ
オン量とを所定値に制御でき、かつそれらをモニタでき
るので、成膜材料に見合った成膜条件を容易に設定でき
る効果がある。また、同一材料の膜においてもその用途
によって必要とされる膜質は異なるが、本発明によれ
ば、その用途に応じた膜質を得る為の条件出しが容易に
行なえる。これによって高品質な膜形成が可能となる。
また本発明により、膜材料に見合った成膜条件が容易
に得られるので、LSI等の配線膜のように積層構造の膜
を高品質に形成することができる。さらにまた、形成す
る膜材料が変化しても、ターゲット材料を変えるだけ
で、その材料に見合った成膜条件が設定できるので、装
置が多種類材料に適用でき、汎用性がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すバイアススパッタ装置
の縦断面図、第2図(a)はプローブを基板ホルダに設
置した平面図、第2図(b)はその断面図、第3図は本
発明の他の実施例を示すもので、ターゲットと基板間に
ミラー磁場を発生させた場合の装置断面図、同じく第4
図はターゲットと基板間にカスプ磁場を発生させた場合
の装置断面図図、第5図は基板ホルダに成膜速度モニタ
を付設した異なる実施例を示す装置断面図、そして第6
図はマイクロ波によるECR(電子サイクロトロン共鳴)
放電を用いたさらに異なる実施例の装置断面図である。 符号の説明 1……真空容器、2……スパッタ電極、 3、26……コイル、4、5、6……磁性体、 7……ターゲット、8……スパッタ用電源、 9、10……第2のカソードを構成する部材、 11……発散磁場、12……基板ホルダ、 13……プローブ、14……プローブ用電源、 15……コントローラ、16……電流計、17……基板、 18……爪、18a……バイアス印加機構、 19……基板バイアス用電源、 20……第2のカソード用電源、 21、29……コイル用電源、 24……絶縁碍子、25……ハウジング 27……成膜速度モニタ、 28……第2のカソード電極、 31……マイクロ波導波管、32……プラズマ発生部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 H01L 21/28 - 21/288 JICSTファイル(JOIS)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スパッタ電力が投入されるターゲット電極
    とバイアス電圧が印加される基板電極とを備え、前記各
    電極にそれぞれ独立に電力を印加し、ターゲット材料を
    スパッタして基板上に成膜するバイアススパッタ成膜方
    法において、前記基板電極側に、基板へ入射するイオン
    量とイオンエネルギとを検出する手段を配設すると共
    に、前記検出手段により求めたイオン量とイオンエネル
    ギとをそれぞれ独立に制御する手段とを有し、これらイ
    オン量とイオンエネルギとをそれぞれ所定値に制御する
    ことにより所定の膜特性に応じたスパッタ膜を形成する
    ように成したバイアススパッタ成膜方法。
  2. 【請求項2】上記イオン量とイオンエネルギとを検出す
    る手段が、上記基板電極側に配設されたラングミュアプ
    ローブに電流計を介して任意の電圧に制御できる直流電
    源を接続して構成され、この直流印加電圧を変化させて
    前記プローブに流れる電流−電圧特性曲線からイオン量
    とプラズマポテンシャルとを求め、しかもこのプラズマ
    ポテンシャルと上記基板電極に投入された既知のバイア
    ス電圧との和から真のイオンエネルギを求めるようにし
    て成る請求項1記載のバイアススパッタ成膜方法。
  3. 【請求項3】上記イオン量の制御は、上記ターゲット電
    極に隣接して、前記ターゲット電極とは独立にプラズマ
    が発生するように設けられたカソード電極へ投入される
    電力で行ない、上記イオンエネルギの制御は、上記基板
    電極に印加するバイアス電圧で行なうようにして成る請
    求項1記載のバイアススパッタ成膜方法。
  4. 【請求項4】上記基板電極近傍に成膜速度を計測する手
    段を配設して、成膜速度と基板に入射するイオン量との
    比を最適化し得るようにして成る請求項1乃至3何れか
    記載のバイアススパッタ成膜方法。
  5. 【請求項5】内部に基板電極を収容し、一面に開口部を
    有する真空容器と、前記真空容器の開口部に装着された
    スパッタ電極とを備え、しかも前記スパッタ電極にはタ
    ーゲット電極が前記基板電極に対面して配設され、かつ
    マグネトロン放電機構を有して前記ターゲット電極上に
    プラズマを発生するように構成されたバイアススパッタ
    成膜装置において、前記基板電極側に、基板へ入射する
    イオン量とイオンエネルギとを検出する手段と、前記基
    板へ入射するイオン量とイオンエネルギとを所定値に設
    定する制御手段とを配設して成るバイアススパッタ成膜
    装置。
  6. 【請求項6】スパッタ電力が投入されるターゲット電極
    と、バイアス電圧が印加される基板電極と、前記各電極
    にそれぞれ独立に電力を印加する手段とを備え、ターゲ
    ット材料をスパッタして前記基板上に成膜するバイアス
    スパッタ成膜装置において、前記基板電極側に、基板へ
    入射するイオン量とイオンエネルギとを検出する手段
    と、中空構造を有する前記ターゲット電極の中央部に前
    記ターゲット電極とは独立して第2のプラズマを発生す
    ることのできるカソード電極と、前記検出手段により求
    めたイオン量とイオンエネルギとをそれぞれ独立に制御
    し、所定値に設定する手段とを有して成り、前記カソー
    ド電極に直流または高周波放電によって第2のプラズマ
    を発生させ、かつこのプラズマを磁場によって基板電極
    側へ輸送するように構成して成るバイアススパッタ成膜
    装置。
  7. 【請求項7】上記真空容器内に収容された基板電極近傍
    に成膜速度を計測する手段を配設し、成膜速度をモニタ
    ーすると共に、基板に入射するイオン量との比を最適化
    する手段を具備して成る請求項5記載のバイアススパッ
    タ成膜装置。
  8. 【請求項8】上記スパッタ電極のターゲット電極中央部
    からその外部に貫通する開口部を設け、しかもこの開口
    部に前記スパッタ電極とは独立に直流または高周波放電
    によって第2のプラズマを発生させることのできるカソ
    ード電極を設け、このカソード電極に発生した第2のプ
    ラズマを前記スパッタ電極に設けられた磁場印加手段に
    より発生した基板電極側に伸びる発散磁場に沿って基板
    電極側へ輸送するように構成して成る請求項5記載のバ
    イアススパッタ成膜装置。
  9. 【請求項9】上記カソード電極が、ターゲット中央部と
    スパッタ電極の中心軸を取り囲む、中空円環状のカソー
    ド電極面を有し、このカソード電極面にほぼ平行で、か
    つ磁力線がこのカソード電極の一面から出て、再び同一
    面の異なる部分へ入射する磁場を発生する手段を有する
    と共に、ターゲット面上では、ターゲットの一面から出
    て再びこの同一ターゲット面の異なる部分へ入射する磁
    力線を形成する磁場発生手段を有して成る請求項5記載
    のバイアススパッタ成膜装置。
  10. 【請求項10】上記基板電極側の外部に、第2の磁場発
    生手段を配設し、上記スパッタ電極に配設した磁場発生
    手段からの磁場との相互作用により基板上にミラー磁場
    もしくはカスプ磁場を形成し得る磁場制御手段を具備し
    て成る請求項5乃至9何れか記載のバイアススパッタ成
    膜装置。
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