JP3025792B2 - 吸着処理剤を用いる脱臭処理方法 - Google Patents

吸着処理剤を用いる脱臭処理方法

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真 佐倉
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、セピオライトに白金族金属または白金族金
属および希土類金属を担持させた吸着処理剤を用いて室
温でメチルメルカプタン、エチルメルカプタンなどのメ
ルカプタン類を含有する悪臭ガスを脱臭処理する方法に
関するものである。
〔従来技術〕
悪臭物質に指定されているメチルメルカプタン類はそ
の排出濃度が法規性(悪臭防止法施行規則)されている
が、これを効率よく吸着除去する実用的な吸着剤がみあ
たらず、好適なメチルメルカプタン類の吸着除去方法も
開発されていなかった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
したがって本発明は従来吸着除去することが困難であ
ったメチルメルカプタン、エチルメルカプタン等のメル
カプタン類をより臭気強度が低く吸着されやすい二硫化
ジメチル、二硫化ジエチル等の二硫化物に変換し、これ
らを効率よく吸着除去する吸着処理剤を用いた脱臭処理
方法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
本発明者等は上記目的に沿って鋭意研究をおこなった
結果、セピオライトに白金族金属または白金族金属およ
び希土類金属を担持させた吸着処理剤を開発し、これを
用いて室温でメチルメルカプタン、エチルメルカプタン
などのメルカプタン類を二硫化ジメチル、二硫化ジエチ
ルなどの二硫化物に変換し、これらを効率よく吸着除去
することのできる悪臭ガスの脱臭処理方法を見出した。
すなわち、本発明で用いる吸着処理剤はセピオライト
に白金族金属、好ましくは白金または白金とパラジウム
を担持させたことを特徴とする。また、本発明の吸着処
理剤は、白金族金属のほかに希土類金属、好ましくはセ
リウムまたはランタンを担持させることができる。白金
族金属の担持量は金属換算で0.5〜5g/、好ましくは1
〜2g/であり、稀土類金属の担持量はCe換算で1〜100
g/、好ましくは5〜20g/である。
白金族金属や希土類金属は通常の方法によって担持す
ることができる。
〔効果〕
本発明の吸着処理方法によれば、強い悪臭を有するメ
チルメルカプタン、エチルメルカプタン等のメルカプタ
ン類をより臭気強度が低く吸着除去しやすい二硫化ジメ
チル、二硫化ジエチル等の二硫化物に常温で変換するこ
とが出来、変換と同時に生成した二硫化物を効率よく吸
着除去することができるものであり、メルカプタン類を
含有する悪臭ガスを効率よく脱臭することができる。
また、白金族にさらに希土類金属とくにセリウムを担
持させることにより、吸着性能が改善され、加熱脱着処
理を行っても吸着性能が劣化しにくい耐熱性をも具備す
る吸着処理剤を用いると、吸着剤を繰り返し再生して使
用できるので、本発明の吸着処理方法は一層有利とな
る。
以下に本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
実施例1 1%硝酸溶液で前処理した1枚当り50mm×18mm×6mm
の板状セピオライト36枚を、ヘキサンアンミン白金(I
V)塩化物水溶液(1.463%Pt含量)21.4mlに28%アンモ
ニア水(和光純薬製)3.2gを加えpH10.5に調整し144ml
に稀釈した溶液に浸漬した。
水洗乾燥したのち水素気流中500℃の温度で還元し、P
t換算で148g/の白金を担持した吸着処理剤Aを得た。
実施例2 ヘキサンアンミン白金(IV)塩化物水溶液(1.463%P
t含量)28.5mlおよびテトラアンミンパラジウム(II)
塩化物水溶液(0.991%Pd含量)21.1mlを用いたことを
除いては実施例1と同様にしてPt換算で1.89g/の白金
およびPd換算で0.99g/のパラジウムを担持した吸着処
理剤Bを得た。
板状セピオライトと得られた吸着処理剤AおよびBを
16のガラス製反応槽にそれぞれ2枚設置しメチルメル
カプタンを槽内温度が1000ppmになるように注入し室温
(27〜30℃)でファンを使用して槽内大気を循環させな
がらメチルメルカプタンの経時濃度変化を測定しその結
果を第1図に示す。
4時間メチルメルカプタンの吸着処理を行ったものを
取出し加温して吸着されたガスを脱着したところ二硫化
ジメチルが検出された。
実施例3 1%硝酸溶液で前処理した1枚当り50mm×18mm×6mm
の板状セピオライト36枚を、ヘキサアンミン白金(IV)
塩化物溶液(1.465%Pt含量)21.379gに28%アンモニア
水(和光純薬製)1.2602gを加えpH9.86に調整し1440ml
に稀釈した溶液に浸漬した。水洗、乾燥したのち水素気
流中500℃の温度で還元し、Pt換算で1.5g/の白金を担
持した吸着処理剤Cを得た。
実施例4 1%硝酸溶液で前処理した1枚当り50mm×18mm×6mm
の板状セピオライト36枚を、ヘキサアンミン白金(IV)
塩化物溶液(1.465%Pt含量)14.253gにテトラアンミン
パラジウム(II)塩化物水溶液(0.991%Pd含量)10.53
5gを添加し28%アンモニア水(和光純薬製)1.260gをさ
らに加えpH10.0に調整し1440mlに稀釈した溶液に浸漬し
た。水洗、乾燥したのち水素気流中500℃の温度で還元
し、Pt換算で1.0g/の白金およびPd換算で0.5g/のパ
ラジウムを担持した吸着処理剤Dを得た。
比較例1 1%硝酸溶液で前処理した1枚当り50mm×18mm×6mm
の板状セピオライト36枚を、硝酸セリウム(III)〔Ce
(NO3・6H2O〕20.22gを水に溶かし全量を1500mlと
した溶液に浸漬した。水洗、乾燥したのち550℃の温度
で2時間焼成しCe換算で11.2g/セリウムを担持した吸
着処理剤Eを得た。
実施例5 セリウムを担持した前記吸着処理剤Eに、実施例3と
同様にしてさらにPt換算で1.5g/の白金を担持した吸
着処理剤Fを得た。
実施例6 セリウムを担持した前記吸着処理剤Eに、実施例4と
同様にしてさらにPt換算で1.0g/の白金およびPd換算
で0.5g/のパラジウムを担持した吸着処理剤Gを得
た。
メチルメルカプタンの繰り返し性能試験 得られた吸着分解脱臭剤C,D,E,F,Gならびにセピオラ
イトを16のガラス製の反応槽内にそれぞれ2枚設置
し、メチルメルカプタンを槽内濃度が90ppmになるよう
に注入し、室温(20〜25℃)でファンを使用し槽内大気
を循環させながら30分間放置したのちのメチルメルカプ
タン濃度の変化を測定し、残存率(%)を初期濃度C0
経時濃度Ctとの以下の関係式により求めた。
その後、ファンを止め30分間触媒表面温度を300℃ま
で昇温加熱し吸着したメチルメルカプタンを脱着処理し
た後、30分ファンを回し放冷した。放冷後再びメチルメ
ルカプタンを槽内濃度が90ppmになるように注入し、室
温(20〜25℃)でファンを使用し槽内大気を循環させな
がら30分間放置したのちのメチルメルカプタン濃度の変
化を測定し、同様にして残存率(%)を求めた。同様の
操作を繰り返し行いその結果を第1表に示す。
第1表より明らかにセリウムを添加することによって
メチルメルカプタンの吸着性能の向上が認められるのみ
ならず繰り返し加熱脱着処理を行っても吸着性能が劣化
しにくい優れた繰り返し特性を有することがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図はメチルメルカプタンの濃度と時間の関係を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 毛利 悦朗 神奈川県平塚市四之宮1212番地 (56)参考文献 特開 昭57−136938(JP,A) 特開 平2−277546(JP,A) 特開 平2−187149(JP,A) 特開 平3−249921(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/10 B01D 53/34

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セピオライトに白金族金属を担持した吸着
    処理剤によって室温でメルカプタン類を二硫化物に変換
    し吸着除去することを特徴とする脱臭処理方法。
  2. 【請求項2】セピオライトに白金族金属および希土類金
    属を担持した吸着処理剤によって室温でメルカプタン類
    を二硫化物に変換し吸着除去することを特徴とする脱臭
    処理方法。
  3. 【請求項3】白金族金属が白金である請求項1または2
    記載の脱臭処理方法。
  4. 【請求項4】白金族金属が白金およびパラジウムである
    請求項1または2記載の脱臭処理方法。
  5. 【請求項5】希土類金属がセリウムである請求項2,3ま
    たは4記載の脱臭処理方法。
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