JP3025253B1 - 鉄カ―バイドの製造方法 - Google Patents

鉄カ―バイドの製造方法

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Abstract

【要約】 【課題】 一酸化炭素を炭化反応ガス成分として積極的
に使用し、極めて効率的に鉄カーバイドを製造すること
ができる方法を提供すること。 【解決手段】 第一流動層炉10に投入された含鉄粉粒
体原料を一部還元させる第一反応操作を行った後、第二
流動層炉30において一部還元された含鉄粉粒体原料に
残りの還元と炭化を施す第二反応操作を行うことにより
鉄カーバイドを製造する。第一反応操作は水素を主成分
とする還元ガスにより行い、第二反応操作は水素、一酸
化炭素およびメタンを主として含む還元および炭化ガス
により行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄カーバイド(F
3C)を主成分とする製鉄、製鋼用の原料、例えば電
気炉等に用いるに製鋼原料として好適な鉄カーバイドの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
的に鋼の製造は、高炉により鉄鉱石を銑鉄に転化し、そ
の後、平炉または転炉などにより銑鉄を鋼に転化する工
程からなる。このような伝統的な製法は、必要なエネル
ギー、設備規模およびコスト等が大きなものになるた
め、小規模の製鋼には、従来、直接製鋼により鉄鉱石を
製鋼炉原料に転化し、この製鋼炉原料を電気炉等により
鋼に転化する工程からなる方法が採用されている。かか
る直接製鋼には、鉄鉱石を還元鉄に転化する直接還元法
があるが、この方法で製造される還元鉄は反応活性が強
く、大気中の酸素と反応して発熱するため、輸送、貯蔵
には不活性ガスによるシール等の手当が必要となる。こ
のため、反応活性が低く、容易に輸送、貯蔵が可能で、
比較的高パーセンテージの鉄(Fe)を含有する鉄カー
バイドが、近年、電気炉等による製鋼原料として使用さ
れつつある。
【0003】さらに、鉄カーバイドを主成分とする鉄鋼
原料は、輸送・貯蔵が容易であるばかりでなく、鉄原子
と化合している炭素が製銑あるいは製鋼炉の燃料源とな
る他、製鋼炉内では反応を促進する微細な気泡の発生源
となる利点もある。このようなことから鉄カーバイドを
主成分とする製鉄、製鋼用原料は、近年特に注目されて
いる。
【0004】かかる鉄カーバイドを製造する方法は、従
来、鉄鉱石を粉体にして流動層式反応器等に充填し、還
元ガス(水素ガス)と炭化ガス(例えばメタンガスな
ど)の混合ガスと所定温度で反応させることで、以下の
反応式((1),(2),(3),(4))に示すように、鉄鉱石内の
鉄酸化物(ヘマタイト(Fe23)、マグネタイト(F
34)、ウスタイト(FeO))を単一操作(一つの
反応器内に還元ガスおよび炭化ガスを同時に導入して行
う操作をいう)で還元および炭化させるものである。
【0005】 3Fe23+H2 →2Fe34+H2O ・・・(1) Fe34+H2 →3FeO+H2O ・・・(2) FeO+H2 →Fe+H2O ・・・(3) 3Fe+CH4 →Fe3C+2H2 ・・・(4) さらに、上記(1)〜(3)式をまとめると、鉄酸化物
の還元と炭化の進行を支配する式は、次の(5)式と上
記(4)式の2つの化学反応式に集約することができ
る。
【0006】 Fe23+3H2 →2Fe+3H2O ・・・(5) なお、この種の先行技術としては、例えば、特表平6−
501983号公報に記載のものがある。
【0007】ところが、還元と炭化を単一操作で行う方
法では、還元反応と炭化反応の双方を併せて考慮しなけ
ればならず、還元反応または炭化反応のそれぞれに最適
になるように反応ガス組成や反応温度などをフレキシブ
ルに設定することができない。このために、反応ガス量
が多くなると同時に、電力、冷却水等のエネルギー消費
量が大きくなる。また、最適反応ガス組成を選択できな
いため、反応速度が遅くなり、反応時間(鉄カーバイド
に完全に転化するのに要する時間)が長くなる。そこ
で、本出願人は、反応時間の短縮化と、反応ガス使用量
およびエネルギー消費量を低減し得る鉄カーバイドの製
造方法として、特開平9−48604号公報(特許第2
727436号)に開示されているように、「ヘマタイ
トを主成分とする鉄鉱石を還元および炭化して鉄カーバ
イドを製造する方法であって、前記ヘマタイトの還元反
応の一部を行う第一反応操作の後に、残りの還元反応と
炭化反応を行う第二反応操作を進めるとともに、前記第
一反応操作および第二反応操作をそれぞれ独立の反応ガ
ス循環ループ内を循環するガスにより行うことを特徴と
する鉄カーバイドの製造方法」を提案した。
【0008】ところで、含鉄粉粒体原料を還元および炭
化して鉄カーバイドを製造する場合、炭化反応ガス成分
としては、一般的には、メタンまたは一酸化炭素のいず
れかが用いられている。上記特許第2727436号に
開示されている方法は、第一反応操作は水素を主とする
還元ガスにより行い、第二反応操作は水素およびメタン
を主とする還元および炭化ガスにより行う方法である。
というのは、一酸化炭素を炭化反応ガス成分とすると、
次式(6)(7)に示すように、メタンを炭化反応ガス
成分とする場合に比べて、COとH2 の消費量が多くな
る。
【0009】 3Fe23+2CO+11H2 →2Fe3C+11H2O ・・・(6) 3Fe23+2CH4+5H2 →2Fe3C+ 9H2O ・・・(7) すなわち、(6)、(7)式に示すように、一酸化炭素
を炭化反応ガス成分とする場合はメタンの場合に比べ
て、2.6倍((2+11)/5)のCOとH2の混合
ガスの供給が必要となる。このCOとH2 は、工業的に
は、一般にメタン(CH4)を主成分とする天然ガスと
水蒸気を高温・高圧で触媒と接触させ、その接触反応で
製造(水蒸気ガス改質法という)されている。従って、
一酸化炭素を炭化反応ガス成分として用いる場合は、高
価な水蒸気ガス改質設備の増大を伴い、同時にエネルギ
ー消費も増える欠点がある。
【0010】一方、天然ガスに代えて石炭から反応ガス
を得ることも可能であり、この石炭をガス化することに
よって得られるガスの組成は、おおよそCH4 が25
%、COが25%、H2 が50%であり、ガス化設備で
石炭をガス化することにより、多量のCOを含むガスを
得ることができる。この場合は、ガス化設備が必要であ
り、COを炭化反応ガス成分として用いる場合には、上
記したように、メタンを炭化反応ガス成分とする場合に
比べて2.6倍のCOとH2 が必要であることに変わり
はない。
【0011】このように、COを炭化反応ガス成分とし
て用いる場合は、大規模な設備が必要であり、ガス消費
量も増えるという不都合な点がある。
【0012】ところが、設備コストやエネルギーコスト
が多少増えても、高生産性の面が重視されることがあ
る。
【0013】この点に関して、低〜中程度の炭化率を有
する鉄カーバイドへの転化反応を行うに際し、COを炭
化反応ガス成分として多量に含む場合は、メタンを主た
る炭化反応ガス成分とする場合に比べてその反応速度が
著しく向上することが本発明者の実験により判明した。
【0014】本発明は、鉄カーバイドの製造における以
上のような実情に鑑みてなされたものであって、その目
的は、一酸化炭素を炭化反応ガス成分として積極的に使
用し、極めて効率的に鉄カーバイドを製造することがで
きる方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】メタンと水蒸気を高温・
高圧で触媒と接触させること(リフォーミング)によ
り、次式に示すように、一酸化炭素と水素が生成する。
【0016】 CH4+H2O →CO+3H2 ・・・(8) そして、以下のシフト反応を行わせることにより、二酸
化炭素と水素が生成する。
【0017】 CO+H2O →CO2+H2 ・・・(9) 上記シフト反応で得られた二酸化炭素を除去することに
より、水素を主として含むガスを得ることができる。こ
のようにして得た水素とリフォーミング反応で得られた
一酸化炭素を用いて、次式(10)に示すように金属鉄
を炭化して、鉄カーバイドを生成することができる。
【0018】 3Fe+CO+H2 →Fe3C+H2O ・・・(10) (10)式において、COを添加することにより、反応
が右辺に進むので、Fe3Cの生成が促進される。とこ
ろが、(8)式に示すリフォーミング反応は金属鉄を触
媒として生起する反応であって、金属鉄の割合が低い還
元反応前期や炭化反応後期にはCO発生速度が遅く、そ
のために(10)式で示す反応速度も遅くなる。
【0019】そこで、粉粒体原料から鉄カーバイドを製
造するに当たり、還元反応の一部を行う第一反応操作
と、残りの還元反応と炭化反応を行う第二反応操作に分
け、一酸化炭素を比較的多く含むガスを炭化反応ガス成
分として用いることにより、鉄カーバイドを極めて迅速
且つ効率的に製造することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は、第一流動層
炉に投入された含鉄粉粒体原料を一部還元させる第一反
応操作を行った後、別の流動層炉において一部還元され
た含鉄粉粒体原料に残りの還元と炭化を施す第二反応操
作を行うことにより鉄カーバイドを製造する方法であっ
て、第二反応操作が前半と後半からなり、前半の反応を
行う第二流動層炉において、(CO+CO2 )の割合が
15容積%超である、水素と一酸化炭素とメタンを主と
して含む還元および炭化ガスにより一部還元された含鉄
粉粒体原料に残りの還元反応と炭化反応の一部を施し、
次いで、後半の反応を行う第三流動層炉において、一酸
化炭素とメタンを主として含む炭化ガスにより残りの炭
化反応を施すことを特徴とする鉄カーバイドの製造方法
を第一の発明とし、上記第一の発明において、第二流動
層炉における反応温度が500〜600℃であり、第三
流動層炉における反応温度が600〜800℃である鉄
カーバイドの製造方法を第二の発明とし、第一流動層炉
に投入された含鉄粉粒体原料を一部還元させる第一反応
操作を行った後、別の流動層炉において一部還元された
含鉄粉粒体原料に残りの還元と炭化を施す第二反応操作
を行うことにより鉄カーバイドを製造する方法であっ
て、第二反応操作が前半と後半からなり、炭化水素含有
ガスを酸素含有ガスで燃焼することによって得られる水
素と15容積%超の一酸化炭素とを含むガスを前半の反
応を行う第二流動層炉に供給し、上記ガスによる第二流
動層炉における反応後に一部のガスをブリードすること
によって得られる水素を主として含むガスによって、一
部還元された含鉄粉粒体原料に残りの還元反応と炭化反
応の一部を施し、後半の反応を行う第三流動層炉におい
て、一酸化炭素とメタンを主として含む炭化ガスにより
残りの炭化反応を施すことを特徴とする鉄カーバイドの
製造方法を第三の発明とし、上記第三の発明において、
第二流動層炉における反応温度が600〜800℃であ
り、第三流動層炉における反応温度が500〜600℃
である鉄カーバイドの製造方法を第四の発明とし、上記
第三の発明において、第二流動層炉における反応温度が
600〜800℃であり、第三流動層炉における反応温
度が600〜800℃である鉄カーバイドの製造方法を
第五の発明とし、上記第二、第三、第四または第五の発
明において、還元および炭化ガス中の一酸化炭素および
二酸化炭素の合計の割合が15容積%超である鉄カーバ
イドの製造方法を第六の発明とする。
【0021】上記のように構成される本発明によれば、
以下のようにして鉄カーバイドを製造することができ
る。
【0022】すなわち、水素を主成分とするガスを還元
ガスとして用いて第一流動層炉において含鉄粉粒体原料
を一部還元し、第二流動層炉においては、水素、一酸化
炭素およびメタンを主として含むガスを還元および炭化
ガスとして用いて残りの還元反応と炭化反応を行うこと
から、第一流動層炉において使用するガスを還元反応の
みに最適な組成にし、また、第二流動層炉において使用
するガスを残りの還元反応と炭化反応に最適な組成にす
ることができるので、還元ガスおよび炭化ガスの混合ガ
スによる単一の操作で鉄カーバイドを製造する方法より
も反応速度を高め、反応時間(含鉄粉粒体原料を鉄カー
バイドに転化するために要する時間)の短縮化を図るこ
とができる。特に、第二流動層炉における炭化反応を行
うガスとして一酸化炭素が含まれているので、鉄カーバ
イドへの転化を促進することができる。しかし、一酸化
炭素を過剰に含むと、反応の結果生成する水蒸気(H2
O)により鉄カーバイドへの転化が抑制され、一定の炭
化率以上に炭化が進行しないが、一方、高濃度のCOで
炭化した場合、鉄カーバイド以外の鉄化合物はFe3
4が主体となり、このFe34 は常温で安定しており、
輸送・保管時に発火の心配がないという利点を有する。
【0023】第一の発明によれば、第二反応操作を前半
と後半に分け、前半の反応を行う第二流動層炉におい
て、一部還元された含鉄粉粒体原料に残りの還元反応と
炭化反応の一部を施し、後半の反応を行う第三流動層炉
において、残りの炭化反応を施すことから、第二流動層
炉において使用するガスを残りの還元反応と炭化反応に
最適な組成にし、第三流動層炉において使用するガスを
炭化反応に最適な組成にすることができるので、極力反
応速度を高め、反応時間の大幅な短縮を図ることができ
る。
【0024】ところで、鉄酸化物の中でマグネタイト
(Fe34)は最も安定な物質であり、製品鉄カーバイ
ド中に残る鉄カーバイド(Fe3C) 以外の鉄分は極力
最も安定なマグネタイトにすることが望まれる。ところ
が、590℃以下の反応温度では、Fe−H−O系還元
平衡においてマグネタイトの存在領域が広くなる。この
マグネタイトが還元反応の過程で長く存在すると、鉄カ
ーバイドへの炭化反応の最終段階で漸進性を示し、最終
的に鉄カーバイドに転化するのに要する時間が長くな
る。そのため、反応温度をマグネタイトの存在領域から
遠くなるように、590℃以上にするのが好ましいが、
低〜中炭化率の範囲ではその影響が少ないので、第二の
発明のように、第二流動層炉における反応温度が500
〜600℃の範囲でも、低〜中程度の炭化(約70%ま
での炭化)は速やかに進行する。そして、引き続き、第
三流動層炉において、約600〜800℃の反応温度
で、高炭化率の鉄カーバイド製品を速やかに得ることが
できる。
【0025】第三の発明において、炭化水素含有ガスと
して、例えばメタンを主成分とする天然ガスを使用し、
この天然ガスを酸素ガスで燃焼させることにより下記
(11)式に示すように、一酸化炭素と水素を含むガス
を得ることができる。
【0026】2CH4+O2→2CO+4H2
・・・(11) この一酸化炭素
と水素は流動層炉で反応することによりメタンと水蒸気
を生成する。一方、第二流動層炉では、還元反応のため
に水素が消費されるので、反応ガス中にメタンと水蒸気
が蓄積する恐れがある。そこで、第二流動層炉で反応後
の一部のガスを系外にブリードすることによって反応ガ
ス中へのメタンと水蒸気の蓄積を防止し、水素を主とし
て含み、その他の成分として一酸化炭素とメタンを含
む、還元と炭化のバランスのとれた組成のガスを得るこ
とができる。このような組成のガスによって、一部還元
された含鉄粉粒体原料に残りの還元反応と炭化反応の一
部を施し、後半の反応を行う第三流動層炉において、残
りの炭化反応を施すことから、第二流動層炉において使
用するガスを残りの還元反応と炭化反応に最適な組成に
し、第三流動層炉において使用するガスを炭化反応に最
適な組成にすることができるので、極力反応速度を高
め、反応時間の大幅な短縮を図ることができる。
【0027】そして、第四の発明のように、第二の流動
層炉における反応温度を600〜800℃の範囲とし、
第三流動層炉における反応温度を約500〜600℃の
範囲とすることにより、低〜中程度の炭化(約70%ま
での炭化)は速やかに進行する。また、第五の発明のよ
うに、第二の流動層炉における反応温度と第三流動層炉
における反応温度を約600〜800℃の範囲とするこ
とにより、高炭化率の鉄カーバイド製品を速やかに得る
ことができる。
【0028】炭化水素含有ガスとしては、例えば、天然
ガスを使用することができ、酸素含有ガスとしては、純
酸素が好ましいが、空気を使用することもできる。
【0029】本明細書において、「水素を主として含む
ガス」とは、「水素の容積%が50%以上であるガス」
をいい、「水素を主成分とするガス」とは、「水素の容
積%が90%以上であるガス」をいう。他のガスについ
ても、「主として含む」または「主成分とする」の意味
は同じである。
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図1は、本発明の方法を適用するに好適な鉄
カーバイドの製造装置の全体構成を示す配置図である。
図1において、1は含鉄粉粒体原料の部分的な還元反応
を行う第一反応操作部分、20は残りの還元反応と炭化
反応を行う第二反応操作部分である。第一反応操作部分
1の反応ガスの流れは、管路2、管路3、圧縮機4、管
路5、熱交換器6、管路7、加熱器8、管路9、第一流
動層炉10、管路11、熱交換器6、管路12、スクラ
バ13および管路14がループを構成している。つま
り、第一流動層炉10の底部ガス入口に、管路3、圧縮
機4、管路5、熱交換器6、管路7、加熱器8、管路9
を順に経てガスが供給され、第一流動層炉10の頂部ガ
ス出口から、管路11、熱交換器6、管路12、スクラ
バ13、管路14、管路2、管路3へ順に流れて反応ガ
スが循環するループが形成されている。さらに、管路2
と管路3との連結部分に連結した管路15により循環経
路に所定組成のガスを補給し、また管路14と管路2と
の連結部分に連結した管路16により循環経路から所定
量のガスを抜き出すことにより、第一流動層炉10に流
入する反応ガスの組成を一定になるようにし、反応によ
りガス組成が変化し反応速度が低下することを防止する
ことができる。第二反応操作部分20の反応ガスの流れ
も、図1に示すように、第一反応操作部分1と同様であ
るため、共通する箇所に第一反応操作部分1の各番号に
20を加算した番号を付して説明を省略する。
【0031】原料および製品の流れは、粉状にした鉄鉱
石を管路41を経て第一流動層炉10にその上部から定
常的に供給し、部分的な還元反応が完了した鉄鉱石は第
一流動層炉10の下部から管路42を介して第二流動層
炉30に連続的に供給される。この第二流動層炉30で
残りの還元反応と炭化反応を行い、所定の炭化率に達し
た鉄カーバイドが管路43を通って連続的に取り出され
る。
【0032】各操作で用いる反応ガスの組成について、
第一反応操作は還元反応のみを考慮すればよいことか
ら、水素を主成分とする還元ガスで行う。このため水素
濃度が大きく、還元反応の反応スピードが速く、単一操
作で行う場合よりも反応時間を短縮できる。また、第二
反応操作は還元反応および炭化反応を考慮しなければな
らず、水素と一酸化炭素とメタンの混合ガスで行う。し
かし、第一反応操作で還元反応が部分的に進行している
ため、炭化反応を重視することができる。従って、一酸
化炭素の濃度を上げて炭化反応の反応スピードを上昇さ
せ、反応時間を短縮できる。例えば、還元率60%の粉
状ヘマタイトを反応温度550℃、反応圧力4kg/cm2
の条件で、反応ガス中のCO濃度を0、3、16、2
3、30容積%と変化させ、COを除く他の反応ガス組
成は、H2とCH4を1:2とした場合の鉄カーバイドへ
の転化率(Fe3C(%))と反応時間との関係の一例
を示す図2に明らかなように、CO=0%、3%の場合
には、反応時間に比例して鉄カーバイドへの転化率は上
昇するということが分かる。そして、CO濃度が15%
超であれば、一定の転化率に達すると、反応時間を増や
してもそれ以上に鉄カーバイド化は進まなくなるもの
の、鉄カーバイドへの転化スピードは著しく速くなる。
【0033】具体的には、直径0.5mm以下の鉄鉱石を
用いて、第一流動層炉の反応温度=590℃、反応圧力
=4kg/cm2 とし、第二流動層炉の反応温度=550
℃、反応圧力=4kg/cm2 とし、反応ガス組成(容積
%)を以下の表1に示すような比率とした場合、第二流
動層炉投入から0.25時間で鉄鉱石の約70重量%が
鉄カーバイドに変化したことが、メスバウアー分光法に
より分かった。
【0034】
【表1】
【0035】しかし、同じ鉄鉱石を用いて、第一流動層
炉の反応温度=650℃、反応圧力=4kg/cm2 とし、
第二流動層炉の反応温度=650℃、反応圧力=4kg/
cm2とし、反応ガス組成(容積%)を以下の表2に示す
ように、第二流動層炉のCO比率を極めて低くした場
合、第二流動層炉投入から3.25時間で鉄鉱石の約6
0重量%が鉄カーバイドに変化したことが、メスバウア
ー分光法により分かった。
【0036】
【表2】
【0037】以上の実験から明らかなように、炭化反応
ガス中のCO比率を高めることによって、鉄カーバイド
化が10倍以上の速度で達成されることが分かる。これ
は、工業的に生産するに当たり、流動層炉の大きさが1
/10以下になることに等しい。
【0038】次に、第一流動層炉に投入された含鉄粉粒
体原料を一部還元させる第一反応操作を行った後に、第
二流動層炉と第三流動層炉において、一部還元された含
鉄粉粒体原料に残りの還元と炭化を施す第二反応操作を
行う場合の具体的な反応条件について説明する。なお、
以下のガス組成は容積%である。 (1)図1に示す第一流動層炉10において約60%ま
で還元された粉状鉄鉱石を図3の第二流動層炉50に投
入する。第二流動層炉50の反応温度は500〜600
℃、反応圧力は1〜20kg/cm2 、反応ガス組成は、1
5%<CO≦30%、20%≦H2 ≦30%、CH4
50%とすることで、約70%までの炭化(鉄カーバイ
ドへの転化)を速やかに行い、この部分的に炭化された
鉄鉱石を図3の第三流動層炉60に投入して、第三流動
層炉60の反応温度は600〜800℃、反応圧力は1
〜20kg/cm2 、反応ガス組成は、0.5%≦CO≦1
5%、40%≦CH4 ≦65%とすることで、約70〜
99%まで鉄カーバイドに転化された鉄カーバイド製品
を速やかに得ることができる。 (2)図1に示す第一流動層炉10において約60%ま
で還元された粉状鉄鉱石を図3の第二流動層炉50に投
入する。第二流動層炉50の反応温度は600〜800
℃、反応圧力は1〜20kg/cm2 とし、天然ガスを酸素
で燃焼することによって得られる一酸化炭素と水素を第
二流動層炉50に供給し、且つ第二流動層炉で反応後の
ガスの一部を系外にブリードすることによって、反応ガ
ス組成を、15%<CO、50%≦H2 、CH4 ≦60
%とし、約30%までの炭化(鉄カーバイドへの転化)
を速やかに行い、この部分的に炭化された鉄鉱石を図3
の第三流動層炉60に投入して、第三流動層炉60の反
応温度は500〜600℃、反応圧力は1〜20kg/cm
2 、反応ガス組成は、15%<CO≦30%、15%≦
CH4 ≦40%とすることで、約70%まで鉄カーバイ
ドに転化された鉄カーバイド製品を速やかに得ることが
できる。 (3)図1に示す第一流動層炉10において約60%ま
で還元された粉状鉄鉱石を図3の第二流動層炉50に投
入する。第二流動層炉50の反応温度は600〜800
℃、反応圧力は1〜20kg/cm2 とし、天然ガスを酸素
で燃焼することによって得られる一酸化炭素と水素を第
二流動層炉50に供給し、且つ第二流動層炉で反応後の
ガスの一部を系外にブリードすることによって、反応ガ
ス組成を、15%<CO、50%≦H2、20%≦CH
4 ≦50%とし、約70〜85%までの炭化(鉄カーバ
イドへの転化)を速やかに行い、この部分的に炭化され
た鉄鉱石を図3の第三流動層炉60に投入して、第三流
動層炉60の反応温度は600〜800℃、反応圧力は
1〜20kg/cm2 、反応ガス組成は、0.5%≦CO≦
15%、40%≦CH4 ≦60%とすることで、約70
〜99%まで鉄カーバイドに転化された鉄カーバイド製
品を速やかに得ることができる。
【0039】なお、図3では第二流動層炉50と第三流
動層炉60を別の炉としたが、図4に示すように、一つ
の流動層炉を2つに仕切り、一方を第二流動層炉70、
他方を第三流動層炉80とすることもできる。
【0040】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、次の効果を奏する。 (1)本発明によれば、CH4 を改質すること(リフォ
ーミング反応)で得られる一酸化炭素を利用するのでは
なく、一酸化炭素を炭化反応ガス成分として積極的に添
加使用し、極めて効率的に鉄カーバイドを製造すること
ができる。特に、請求項1、3記載の発明によれば、第
二反応操作を前半と後半に分け、前半の反応を行う第二
流動層炉において使用するガスを炭化速度の速いCO1
5容積%超の組成にし、後半の反応を行う第三流動層炉
において使用するガスをより高濃度の鉄カーバイドを得
るような組成にすることができるので、極力反応速度を
高め、反応時間の大幅な短縮を図ることができる。 (3)請求項2、5記載の発明によれば、高炭化率の鉄
カーバイド製品を速やかに得ることができる。 (4)請求項4記載の発明によれば、低〜中炭化率の鉄
カーバイド製品を速やかに得ることができる。 (5)請求項6記載の発明によれば、鉄カーバイド製品
のより経済的な製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉄カーバイドの製造方法を実施するに
好適な装置の全体構成を示す配置図である。
【図2】反応ガス中のCO濃度をパラメーターとした場
合の反応時間と鉄カーバイドへの転化率の関係を示す図
である。
【図3】本発明の鉄カーバイドの製造方法を実施するに
好適な装置の概略構成図である。
【図4】本発明の鉄カーバイドの製造方法を実施するに
好適な装置の別の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1…第一反応操作部分 10…第一流動層炉 20…第二反応操作部分 30、50、70…第二流動層炉 60、80…第三流動層炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川井 通弘 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (72)発明者 中澤 輝幸 東京都千代田区丸の内2丁目6番3号 三菱商事株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−48604(JP,A) 特開 平9−278428(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 31/30 C21B 15/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一流動層炉に投入された含鉄粉粒体原
    料を一部還元させる第一反応操作を行った後、別の流動
    層炉において一部還元された含鉄粉粒体原料に残りの還
    元と炭化を施す第二反応操作を行うことにより鉄カーバ
    イドを製造する方法であって、第二反応操作が前半と後
    半からなり、前半の反応を行う第二流動層炉において、
    (CO+CO2 )の割合が15容積%超である、水素と
    一酸化炭素とメタンを主として含む還元および炭化ガス
    により一部還元された含鉄粉粒体原料に残りの還元反応
    と炭化反応の一部を施し、次いで、後半の反応を行う第
    三流動層炉において、一酸化炭素とメタンを主として含
    む炭化ガスにより残りの炭化反応を施すことを特徴とす
    る鉄カーバイドの製造方法。
  2. 【請求項2】 第二流動層炉における反応温度が500
    〜600℃であり、第三流動層炉における反応温度が6
    00〜800℃である請求項1記載の鉄カーバイドの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 第一流動層炉に投入された含鉄粉粒体原
    料を一部還元させる第一反応操作を行った後、別の流動
    層炉において一部還元された含鉄粉粒体原料に残りの還
    元と炭化を施す第二反応操作を行うことにより鉄カーバ
    イドを製造する方法であって、第二反応操作が前半と後
    半からなり、炭化水素含有ガスを酸素含有ガスで燃焼す
    ることによって得られる水素と15容積%超の一酸化炭
    素とを含むガスを前半の反応を行う第二流動層炉に供給
    し、上記ガスによる第二流動層炉における反応後に一部
    のガスをブリードすることによって得られる水素を主と
    して含むガスによって、一部還元された含鉄粉粒体原料
    に残りの還元反応と炭化反応の一部を施し、後半の反応
    を行う第三流動層炉において、一酸化炭素とメタンを主
    として含む炭化ガスにより残りの炭化反応を施すことを
    特徴とする鉄カーバイドの製造方法。
  4. 【請求項4】 第二流動層炉における反応温度が600
    〜800℃であり、第三流動層炉における反応温度が5
    00〜600℃である請求項3記載の鉄カーバイドの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 第二流動層炉における反応温度が600
    〜800℃であり、第三流動層炉における反応温度が6
    00〜800℃である請求項3記載の鉄カーバイドの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 還元および炭化ガス中の一酸化炭素およ
    び二酸化炭素の合計の割合が15容積%超である請求項
    2、3、4または5記載の鉄カーバイドの製造方法。
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