JP2000178625A - 還元鉄の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

還元鉄の製造方法及びその製造装置

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JP2000178625A
JP2000178625A JP10352651A JP35265198A JP2000178625A JP 2000178625 A JP2000178625 A JP 2000178625A JP 10352651 A JP10352651 A JP 10352651A JP 35265198 A JP35265198 A JP 35265198A JP 2000178625 A JP2000178625 A JP 2000178625A
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JP
Japan
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gas
bed furnace
fluidized bed
hydrogen
path
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Application number
JP10352651A
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English (en)
Inventor
Mitsuharu Kishimoto
充晴 岸本
Torakatsu Miyashita
虎勝 宮下
Teruyuki Nakazawa
輝幸 中澤
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Mitsubishi Corp
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Corp
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Corp, Kawasaki Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Corp
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Publication of JP2000178625A publication Critical patent/JP2000178625A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/10Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions
    • Y02P10/143Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions of methane [CH4]

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  • Manufacture Of Iron (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リフォーマを使用せずに還元鉄を製造するこ
とができる方法及びそのための装置を提供すること。 【解決手段】 流動層炉が第一流動層炉1と第二流動層
炉2の2基からなる。第一流動層炉1からガス加熱器6
を経て再び第一流動層炉1に至る第一循環経路7を形成
し、第一流動層炉1と第二流動層炉2を連絡路3で接続
し、第二流動層炉2からガス加熱器14を経て再び第二
流動層炉2に至る第二循環経路15を形成する。炭化水
素含有ガスを酸素含有ガスにより燃焼させて一酸化炭素
と水素を得るための混合燃焼器9を有している。天然ガ
ス供給路10と酸素ガス供給路11を混合燃焼器9に接
続し、一酸化炭素と水素を供給するための供給路17の
一端を混合燃焼器9に接続し、供給路17の他端を第一
循環経路7に接続し、供給路17から分岐させた供給路
18の他端を第二循環経路15に接続し、天然ガス供給
路19を第二循環経路15に接続している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動状態にある粉
粒体から還元鉄を製造するための方法および装置に関
し、特に、製鉄、製鋼用の原料、例えば、電気炉等に用
いられる製鋼原料として好適である還元鉄の製造に適し
た方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
的に鋼の製造は、高炉により鉄鉱石を銑鉄に転化し、そ
の後、平炉または転炉などにより銑鉄を鋼に転化する工
程からなっているが、このような伝統的な製法は必要な
エネルギー、設備規模、およびコスト等が大きなものに
なるため、小規模の製鋼には、直接製鉄により鉄鉱石を
製鋼炉原料(固体)に転化し、この製鋼炉原料を電気炉
等により溶融鋼に転化する工程からなる方法が採用され
ている。かかる直接製鉄には、鉄鉱石を還元鉄に転化す
る直接還元法があるが、この方法で製造される還元鉄
(金属鉄)は反応活性が強く、大気中の酸素と反応して
発熱するため、輸送、貯蔵には不活性ガスによるシール
等の手当が必要になる。このため、反応活性が低く、容
易に輸送、貯蔵が可能で、比較的高パーセンテージの鉄
を含有する鉄カーバイドが、近年、電気炉等による製鋼
原料として使用されつつある。
【0003】かかる鉄カーバイドを製造する従来の設備
としては、流動層炉が広く使用されており、鉄鉱石を粉
体にして流動層炉に充填し、還元ガス(例えば、水素ガ
ス)および炭化ガス(例えば、メタンガス)の混合ガス
と所定温度で反応させることで、鉄鉱石内の鉄酸化物を
還元及び炭化させて鉄カーバイドが製造されている。と
ころで、金属鉄を製造する場合には還元ガスが必要であ
り、含鉄粉粒体原料を流動層炉において反応ガスと所定
温度下で反応させることで鉄カーバイドを製造する場合
にも、炭素源とともに還元ガスを流動層炉に供給する必
要がある。そのような還元ガスを得るために、天然ガス
(通常、メタンを約80%以上含有している)に水蒸気
を混合して一定温度に加熱することにより、天然ガス中
の炭化水素ガスを一酸化炭素および水素からなる還元ガ
スに改質する方法(リフォーミング)が広く行われてい
る。例えば、特公平1−59328号公報には、図14
に示すようなリフォーマ(リフォーミングを行う装置)
が開示されている。図14を説明すると、パイプ71か
ら供給される天然ガスの一部はパイプ72に供給され、
残部はリフォーマーユニット73に供給される。一方、
パイプ74から供給される水蒸気は熱交換器75および
パイプ76を通過して、加熱室77と連通するスタック
78内のコイル79に達してさらに加熱される。リフォ
ーマーユニット73内に導入された天然ガスはコイル8
0において上記のようにして加熱された水蒸気と混合さ
れた後、加熱室77内の触媒充填チューブ81に達して
バーナー82により加熱され、次の式に示すように、
天然ガス中のメタンは一酸化炭素および水素に改質され
る。
【0004】 CH4 +H2O →CO+3H2 ・・・ このようにして生成した還元ガスは、熱交換器75にお
いて水蒸気と熱交換をした後冷却器83で急冷され、急
冷によって脱水されたこの還元ガスはパイプ72内を経
由した天然ガスとともにパイプ84、85、86を経て
反応装置87に供給され、所定の反応に供される。一
方、反応装置87の頂部から排出されるガスはパイプ8
8、89および90を経て二酸化炭素除去ユニット91
で二酸化炭素を除去された後、パイプ85内のガスに混
合され、以降、上記したプロセスに従って反応装置87
に供給された粒状鉄鉱石からスポンジ鉄が製造される。
【0005】以上の説明で明らかなように、リフォーマ
は加熱設備および水蒸気導入設備を主たる構成要素とす
るもので、その関連設備を含めると相当な設備構成とな
り、プラントによっては、リフォーマの設備費が全体設
備費のおよそ1/3を占めるものがある。従って、還元
鉄の製造において、従来の大規模リフォーマを使用せず
に還元鉄を製造することができる方法及びそのための装
置が要望されている。本発明は従来の技術の有するこの
ような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的
は、リフォーマを使用せずに還元鉄を製造することがで
きる方法及びそのための装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、流動層炉に投入された含鉄粉粒体原料を還
元ガスと反応させることにより還元鉄を製造する方法に
おいて、炭化水素含有ガスを酸素含有ガスで燃焼するこ
とによって得られる水素と一酸化炭素とを含むガスの流
動層炉における反応後に一部のガスをブリードすること
によって得られる水素を主として含むガスを還元ガスと
して用いることとしている。そこで、流動層炉に上記還
元ガスを供給して含鉄粉粒体原料を一定時間還元するこ
とにより、金属鉄を製造することができる。また、流動
層炉に上記還元ガスおよび炭化水素含有ガスを供給して
含鉄粉粒体原料と一定時間反応させることにより、鉄カ
ーバイドを得ることができる。
【0007】さらに、流動層炉を第一流動層炉と第二流
動層炉の2基とし、第一流動層炉に投入された含鉄粉粒
体原料を上記還元ガスと反応させて一部還元させた後、
一部還元された含鉄粉粒体原料を第二流動層炉において
同上還元ガスおよび炭化水素含有ガスと反応させて残り
の還元反応と炭化反応を行うことによって鉄カーバイド
を製造することができる。
【0008】本明細書において、「還元鉄」とは、酸化
鉄から酸素を除去することによって得られる金属鉄(F
e)およびこの金属鉄を炭化することによって得られる
鉄カーバイド(Fe3C) を含む意である。また、「水
素を主として含むガス」とは、「水素の容積%が50%
以上であるガス」をいい、「水素を主成分とするガス」
とは、「水素の容積%が90%以上であるガス」をい
う。
【0009】このようにして、本発明によれば、リフォ
ーマを使用せずに、炭化水素含有ガスを酸素含有ガスで
燃焼することによって得られるガスの一部を反応後にブ
リードするという簡単な方法により、還元ガスを得るこ
とができ、この還元ガスを用いて含鉄粉粒体原料から金
属鉄を得ることができ、さらに、その還元ガスと炭化ガ
スを用いて鉄カーバイドを得ることができる。炭化水素
含有ガスとしては、例えば天然ガスを使用することがで
き、酸素含有ガスとしては純酸素が好ましいが、空気を
使用することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は、流動層炉に
投入された含鉄粉粒体原料を還元して還元鉄を製造する
方法において、炭化水素含有ガスを酸素含有ガスで燃焼
することによって得られる水素と一酸化炭素とを含むガ
スを流動層炉に供給し、上記ガスによる流動層炉におけ
る反応後に一部のガスをブリードすることによって得ら
れる水素を主として含むガスによって含鉄粉粒体原料を
還元して還元鉄を製造する方法を第一の発明とし、流動
層炉に投入された含鉄粉粒体原料を還元および炭化して
還元鉄を製造する方法において、炭化水素含有ガスを酸
素含有ガスで燃焼することによって得られる水素と一酸
化炭素とを含むガスと、炭化水素含有ガスを流動層炉に
供給し、上記ガスによる流動層炉における反応後に一部
のガスをブリードすることによって得られる水素を主と
して含むガスと炭化水素含有ガスによって含鉄粉粒体原
料を還元および炭化して還元鉄を製造する方法を第二の
発明とし、第一流動層炉に投入された含鉄粉粒体原料を
一部還元させる第一反応操作を行った後、第二流動層炉
において一部還元された含鉄粉粒体原料に残りの還元と
炭化を施す第二反応操作を行うことにより還元鉄を製造
する方法において、炭化水素含有ガスを酸素含有ガスで
燃焼することによって得られる水素と一酸化炭素とを含
むガスを第一流動層炉に供給し、上記ガスによる第一流
動層炉における反応後に一部のガスをブリードすること
によって得られる水素を主として含むガスによって第一
反応操作を行い、炭化水素含有ガスを酸素含有ガスで燃
焼することによって得られる水素と一酸化炭素とを含む
ガスと、炭化水素含有ガスを第二流動層炉に供給し、上
記ガスによる第二流動層炉における反応後に一部のガス
をブリードすることによって得られる水素を主として含
むガスと炭化水素含有ガスによって第二反応操作を行う
ことを特徴とする還元鉄の製造方法を第三の発明とし、
上記第一、第二または第三の発明において、炭化水素含
有ガスを酸素含有ガスで燃焼することによって得られる
水素と一酸化炭素とを含むガスに水蒸気を添加してシフ
ト反応を行わせることによって二酸化炭素と水素を含む
ガスを得、さらに、上記二酸化炭素を除去することによ
って得られる水素を主成分とするガスを還元ガスの一部
または全部として用いることを特徴とする還元鉄の製造
方法を第四の発明とし、上記第一の発明において、水素
を主として含むガスからなる還元ガスの一部を取り出
し、この取り出したガスと炭化水素含有ガスを酸素含有
ガスで燃焼することによって得られる水素と一酸化炭素
とを含むガスに水蒸気を添加してシフト反応を行わせる
ことによって二酸化炭素と水素を含むガスを得、さら
に、上記二酸化炭素を除去することによって得られる水
素を主成分とするガスを還元ガスの一部として用いるこ
とを特徴とする還元鉄の製造方法を第五の発明とし、上
記第三の発明において、第一反応操作において使用され
る水素を主として含むガスからなる還元ガスの一部を取
り出し、この取り出したガスと炭化水素含有ガスを酸素
含有ガスで燃焼することによって得られる水素と一酸化
炭素とを含むガスに水蒸気を添加してシフト反応を行わ
せることによって二酸化炭素と水素を含むガスを得、さ
らに、上記二酸化炭素を除去することによって得られる
水素を主成分とするガスを還元ガスの一部として用いる
ことを特徴とする還元鉄の製造方法を第六の発明とし、
上記第三の発明において、第二反応操作において使用さ
れる水素を主として含むガスと炭化水素含有ガスからな
る還元および炭化ガスの一部を取り出し、この取り出し
たガスを酸素含有ガスで燃焼することによって得られる
水素と一酸化炭素とを含むガスに水蒸気を添加してシフ
ト反応を行わせることによって二酸化炭素と水素を含む
ガスを得、さらに、上記二酸化炭素を除去することによ
って得られる水素を主成分とするガスを還元ガスの一部
として用いることを特徴とする還元鉄の製造方法を第七
の発明とし、上記第一の発明において、水素を主として
含むガスからなる還元ガスの一部を取り出し、この取り
出したガスから分子篩法によりメタンと一酸化炭素と二
酸化炭素と窒素を除くことによって得られる水素を主成
分とするガスを還元ガスの一部として用いることを特徴
とする還元鉄の製造方法を第八の発明とし、上記第三の
発明において、第一反応操作において使用される水素を
主として含むガスからなる還元ガスの一部を取り出し、
この取り出したガスから分子篩法によりメタンと一酸化
炭素と二酸化炭素と窒素を除くことによって得られる水
素を主成分とするガスを還元ガスの一部として用いるこ
とを特徴とする還元鉄の製造方法を第九の発明とし、上
記第三の発明において、第二反応操作において使用され
る水素を主として含むガスと炭化水素含有ガスからなる
還元および炭化ガスの一部を取り出し、この取り出した
ガスから分子篩法により水素を除くことによって得られ
るメタンを主成分とするガスを炭化ガスの一部として用
いることを特徴とする還元鉄の製造方法を第十の発明と
し、流動層炉に投入された含鉄粉粒体原料を所定組成の
反応ガスと反応させることにより還元鉄を製造する方法
であって、流動層炉に炭化水素含有ガスと高純度酸素ガ
スを直接供給し、流動層炉で反応後の一部のガスを取り
出してこのガスから水素を回収し、水素回収後の炭素リ
ッチなガスを流動層炉に供給することを特徴とする還元
鉄の製造方法を第十一の発明とし、上記第一、第二、第
三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十または
第十一の発明において、流動層炉の反応温度が500〜
800℃である還元鉄の製造方法を第十二の発明とし、
上記第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第
八、第九、第十、第十一または第十二の発明において、
流動層炉の反応圧力が1〜25kg/cm2 である還元鉄の
製造方法を第十三の発明とし、流動層炉に投入された含
鉄粉粒体原料を所定組成の反応ガスと反応させることに
より還元鉄を製造する装置であって、流動層炉からガス
加熱器を経て再び当該流動層炉に至る循環経路を形成
し、炭化水素含有ガスを酸素含有ガスにより燃焼させて
水素と一酸化炭素を含むガスを得るための混合燃焼器を
有し、炭化水素含有ガス供給路と酸素含有ガス供給路を
上記混合燃焼器に接続し、該混合燃焼器で生成した水素
と一酸化炭素を含むガスを供給するための供給路を上記
混合燃焼器と上記循環経路を接続するように設け、流動
層炉における反応後の一部のガスをブリードするための
ブリード経路を循環経路に設けたことを特徴とする還元
鉄の製造装置を第十四の発明とし、上記十四の発明にお
いて、炭化水素含有ガス供給路を循環経路に接続したこ
とを特徴とする還元鉄の製造装置を第十五の発明とし、
流動層炉に投入された含鉄粉粒体原料を所定組成の反応
ガスと反応させることにより還元鉄を製造する装置であ
って、流動層炉が第一流動層炉と第二流動層炉の2基か
らなり、第一流動層炉からガス加熱器を経て再び第一流
動層炉に至る第一循環経路を形成し、第一流動層炉と第
二流動層炉を連絡路で接続し、第二流動層炉からガス加
熱器を経て再び第二流動層炉に至る第二循環経路を形成
し、炭化水素含有ガスを酸素含有ガスにより燃焼させて
水素と一酸化炭素を含むガスを得るための混合燃焼器を
有し、炭化水素含有ガス供給路と酸素含有ガス供給路を
上記混合燃焼器に接続し、該混合燃焼器で生成した水素
と一酸化炭素を含むガスを供給するための供給路を上記
混合燃焼器と第一循環経路および第二循環経路の両方を
接続するように設け、第一流動層炉または第二流動層炉
における反応後の一部のガスをブリードするためのブリ
ード経路を第一循環経路、第二循環経路にそれぞれ設け
たことを特徴とする還元鉄の製造装置を第十六の発明と
し、上記第十四または第十五の発明において、混合燃焼
器と循環経路を接続する経路にシフトコンバータ、脱水
装置および脱二酸化炭素装置をこの順で設けたことを特
徴とする還元鉄の製造装置を第十七の発明とし、上記第
十六の発明において、混合燃焼器と第一循環経路および
第二循環経路を接続する経路にシフトコンバータ、脱水
装置および脱二酸化炭素装置をこの順で設けたことを特
徴とする還元鉄の製造装置を第十八の発明とし、流動層
炉に投入された含鉄粉粒体原料を所定組成の反応ガスと
反応させることにより還元鉄を製造する装置であって、
流動層炉が第一流動層炉と第二流動層炉の2基からな
り、第一流動層炉からガス加熱器を経て再び第一流動層
炉に至る第一循環経路を形成し、第一流動層炉と第二流
動層炉を連絡路で接続し、第二流動層炉からガス加熱器
を経て再び第二流動層炉に至る第二循環経路を形成し、
炭化水素含有ガスを酸素含有ガスにより燃焼させて水素
と一酸化炭素を含むガスを得るための混合燃焼器を有
し、炭化水素含有ガス供給路と酸素含有ガス供給路を上
記混合燃焼器に接続し、第一循環経路の循環ガスを上記
混合燃焼器に供給するためのガス供給路を第一循環経路
と混合燃焼器を接続するように設け、該混合燃焼器から
シフトコンバータ、脱水装置および脱二酸化炭素装置を
経て第一循環経路および第二循環経路に至るガス供給路
を設け、炭化水素含有ガス供給路を第二循環経路に接続
し、第一流動層炉または第二流動層炉における反応後の
一部のガスをブリードするためのブリード経路を第一循
環経路、第二循環経路にそれぞれ設けたことを特徴とす
る還元鉄の製造装置を第十九の発明とし、流動層炉に投
入された含鉄粉粒体原料を所定組成の反応ガスと反応さ
せることにより還元鉄を製造する装置であって、流動層
炉が第一流動層炉と第二流動層炉の2基からなり、第一
流動層炉からガス加熱器を経て再び第一流動層炉に至る
第一循環経路を形成し、第一流動層炉と第二流動層炉を
連絡路で接続し、第二流動層炉からガス加熱器を経て再
び第二流動層炉に至る第二循環経路を形成し、炭化水素
含有ガスを酸素含有ガスにより燃焼させて水素と一酸化
炭素を含むガスを得るための混合燃焼器を有し、炭化水
素含有ガス供給路と酸素含有ガス供給路を上記混合燃焼
器に接続し、第二循環経路の循環ガスを上記混合燃焼器
に供給するためのガス供給路を第二循環経路と混合燃焼
器を接続するように設け、該混合燃焼器からシフトコン
バータ、脱水装置および脱二酸化炭素装置を経て第一循
環経路および第二循環経路に至るガス供給路を設け、炭
化水素含有ガス供給路を第二循環経路に接続し、第一流
動層炉または第二流動層炉における反応後の一部のガス
をブリードするためのブリード経路を第一循環経路、第
二循環経路にそれぞれ設けたことを特徴とする還元鉄の
製造装置を第二十の発明とし、上記第十四、第十五、第
十六、第十七、第十八、第十九または第二十の発明にお
いて、循環経路に熱交換器を設け、流動層炉から排出さ
れるガスとガス加熱器に供給されるガスとの間において
熱交換を行うことを特徴とする還元鉄の製造装置を第二
十一の発明とし、上記第十四、第十五、第十六、第十
七、第十八、第十九、第二十または第二十一の発明にお
いて、ガス加熱器と流動層炉との間の循環経路に循環ガ
スを燃焼させる混合燃焼器を設け、この混合燃焼器に酸
素含有ガス供給路を接続したことを特徴とする還元鉄の
製造装置を第二十二の発明とし、上記第十四、第十五、
第十六、第十七、第十八、第十九、第二十、第二十一ま
たは第二十二の発明において、混合燃焼器に水蒸気供給
路を接続したことを特徴とする還元鉄の製造装置を第二
十三の発明とし、上記第十四、第十五、第十六、第十
七、第十八、第十九、第二十、第二十一、第二十二また
は第二十三の発明において、ガス加熱器と流動層炉との
間の循環経路にアンモニアガス供給路を接続したことを
特徴とする還元鉄の製造装置を第二十四の発明とし、上
記第十四、第十五、第十六、第十七、第十八、第十九、
第二十、第二十一、第二十二、第二十三または第二十四
の発明において、循環経路の循環ガスを供給するため
に、循環経路から水素分離装置に至るガス供給路を設
け、上記水素分離装置でガスから分離した高純度水素ガ
スを供給するために、水素分離装置から循環経路に至る
ガス供給路を設けたことを特徴とする還元鉄の製造装置
を第二十五の発明とし、流動層炉に投入された含鉄粉粒
体原料を所定組成の反応ガスと反応させることにより還
元鉄を製造する装置であって、流動層炉に炭化水素含有
ガス供給路と高純度酸素ガス供給路を接続し、流動層炉
で反応後の一部のガスを取り出してこのガスから水素を
回収し、水素回収後の炭素リッチなガスの供給路を流動
層炉に接続したことを特徴とする還元鉄の製造装置を第
二十六の発明とし、上記第十四、第十五、第十六、第十
七、第十八、第十九、第二十、第二十一、第二十二、第
二十三、第二十四または第二十五の発明において、ブリ
ードガスをガス加熱器の燃料として使用するために、循
環経路の一箇所からガス加熱器に至るようにブリード経
路を設けたことを特徴とする還元鉄の製造装置を第二十
七の発明とし、流動層炉に投入された含鉄粉粒体原料を
所定組成の反応ガスと反応させることにより還元鉄を製
造する装置であって、第一流動層炉から第二流動層炉を
経て最終流動層炉に至る少なくとも3基の流動層炉から
なり、隣接する流動層炉を連絡路で接続し、各流動層炉
はそれぞれ当該流動層炉からガス加熱器を経て再び当該
流動層炉に至る循環経路を形成し、炭化水素含有ガスを
酸素含有ガスにより燃焼させて水素と一酸化炭素を含む
ガスを得るための混合燃焼器を有し、炭化水素含有ガス
供給路と酸素含有ガス供給路を上記混合燃焼器に接続
し、該混合燃焼器で生成した水素と一酸化炭素を含むガ
スを供給するための供給路の一端を上記混合燃焼器に接
続し、上記供給路の他端を第一流動層炉および後続する
各流動層炉の循環経路に接続し、炭化水素含有ガス供給
路を第二流動層炉および後続する各流動層炉の循環経路
に接続し、各流動層炉における反応後の一部のガスをブ
リードするためのブリード経路を各流動層炉の循環経路
に設けたことを特徴とする還元鉄の製造装置を第二十八
の発明とする。
【0011】上記のように構成される本発明によれば、
以下のようにして還元鉄を製造することができる。
【0012】第一の発明によれば、炭化水素含有ガスと
して、例えばメタンを主成分とする天然ガスを使用し、
この天然ガスを酸素ガスで燃焼させることにより下記
式に示すように一酸化炭素と水素を含むガスを得ること
ができる。
【0013】 2CH4 +O2 →2CO+4H2 ・・・ このガスは一酸化炭素を多く含むので、還元には適さな
い。というのは、一酸化炭素は流動層炉で水素と反応し
てメタンと水蒸気を生成するからである。一方、流動層
炉では還元反応のために水素が消費されるので、反応ガ
ス中にメタンと水蒸気が蓄積する恐れがある。そこで、
流動層炉で反応後の一部のガスを系外にブリードするこ
とにより反応ガス中へのメタンと水蒸気の蓄積を防止
し、水素濃度の高いガス(水素を主として含むガス)を
得ることができ、以下の式に示すように、含鉄粉粒体
原料を還元して還元鉄(金属鉄)を得ることができる。
【0014】 Fe23+3H2 → 2Fe+3H2O ・・・ 第二の発明によれば、炭化水素含有ガスとして、例えば
メタンを主成分とする天然ガスを使用し、この天然ガス
を酸素ガスで燃焼させることによって水素と一酸化炭素
を含むガスを得ることができる。この水素と一酸化炭素
を多く含むガスと、炭化水素含有ガス(メタンを主成分
とする天然ガス)を反応ガスとして流動層炉に供給すれ
ば、還元反応のために水素が消費されて反応ガス中のメ
タン量が過剰になる。そこで、流動層炉で反応後の一部
のガスをブリードすることによって、メタンと水素のバ
ランスがとれ、水素を主として含むガスと炭化水素含有
ガスによって、以下の式に示すように、含鉄粉粒体原
料を還元および炭化して還元鉄(鉄カーバイド)を得る
ことができる。
【0015】 3Fe23+H2+3CH4 →2Fe3C+CO2+7H2O ・・・ 第三の発明によれば、炭化水素含有ガスとして、例えば
メタンを主成分とする天然ガスを使用し、この天然ガス
を酸素ガスで燃焼させることによって一酸化炭素と水素
を含むガスを得ることができるが、一酸化炭素を多く含
むガスは還元には適さないので、上記のようにして水素
濃度の高いガス(主として水素を含むガス)を得ること
ができ、この主として水素を含むガスを還元ガスとして
用いて第一流動層炉において含鉄粉粒体原料を一部還元
し、第二流動層炉においては、主として水素を含むガス
と炭化水素含有ガスを用いて残りの還元反応と炭化反応
を行うことから、第一流動層炉において使用するガスを
還元反応のみに最適な組成にし、また、第二流動層炉に
おいて使用するガスを残りの還元反応と炭化反応に最適
な組成にすることができるので、第二の発明のように、
還元ガスおよび炭化ガスからなる混合ガスによる単一の
操作で還元鉄(鉄カーバイド)を製造する方法よりも反
応速度を高め、反応時間の短縮化を図り得るという利点
がある。
【0016】第四の発明によれば、一酸化炭素と水素を
含むガスに水蒸気を添加してシフト反応を行わせること
によって、以下の式に示すように、二酸化炭素と水素
を得ることができる。
【0017】 CO+H2O → CO2+H2 ・・・ このようにシフト反応を行わせることにより還元ガス中
の水素濃度が増し、さらに、このガスから二酸化炭素を
除去することにより、極めて水素濃度の高いガスを得る
ことができるので、水素を主として含むガスを還元ガス
として用いる場合よりも還元反応を促進することが可能
になる。この場合、反応ガス中へのメタンの蓄積を防止
するためのブリード量を低減できるという利点もある。
【0018】第五および第六の発明によれば、反応系か
ら取り出した還元ガスと炭化水素含有ガスを酸素含有ガ
スで燃焼するときの温度は約800〜1400℃の高温
であるため、メタンが極めて少なくなり、一酸化炭素と
水素を主として含むガスを得ることができ、さらに過剰
の水蒸気を加えて約300〜500℃でシフト反応を行
わせることによって二酸化炭素と水素がほとんどを占め
るガスを得、脱二酸化炭素装置で二酸化炭素を除去する
ことにより実用に適した高い濃度の水素ガス(水素を主
成分とするガス)を得ることができる。取り出した還元
ガスは、すでに加圧・加熱されているので、燃焼後にさ
らに加圧することもなく流動層炉に供給することがで
き、酸素含有ガスによる燃焼時に多量の酸素を供給しな
くても十分に高い反応温度を得ることができる。また、
還元ガス中には水素が含まれているので、酸素含有ガス
で燃焼することによって水蒸気が生成し、シフト反応に
おける水蒸気の添加量を低減することができる。
【0019】第七の発明によれば、第五および第六の発
明と同様に、実用に適した十分に高い濃度の水素ガス
(水素を主成分とするガス)を得ることができる。取り
出した還元および炭化ガスは、すでに加圧・加熱されて
いるので、燃焼後にさらに加圧することもなく流動層炉
に供給でき、酸素含有ガスによる燃焼時に多量の酸素を
供給しなくても十分に高い反応温度を得ることができ
る。また、還元および炭化ガス中には水素が含まれてい
るので、酸素含有ガスで燃焼することによって水蒸気が
生成し、シフト反応における水蒸気の添加量を低減する
ことができる。
【0020】第八および第九の発明によれば、水素を主
として含むガス中の水素は還元反応のために消費され、
その他の成分であるメタンや一酸化炭素や二酸化炭素や
窒素は反応ガス中に蓄積されるので、これらのガスを分
子篩法で除去することにより、水素濃度の高い還元性に
優れたガス組成を維持できる。
【0021】第十の発明によれば、炭化水素含有ガス
と、水素を主として含むガス中の炭素は炭化により消費
され、反応ガス中には水素が蓄積されるので、この水素
ガスを分子篩法で除去することにより、還元ガスと炭化
ガスのバランスがとれ、第二反応操作を円滑に進めるこ
とができる。なお、分子篩法で除去した水素は、第一反
応操作の還元反応の促進に利用することができる。
【0022】第十一の発明によれば、流動層炉内におけ
る炭化水素含有ガスと高純度酸素ガスの反応により一酸
化炭素と水素が得られるので、反応後の一部のガスを取
り出して水素を回収することにより、一酸化炭素がリッ
チである炭化の促進に有効なガスが得られる。また、炭
化水素含有ガスと高純度酸素ガスの反応は流動層炉内で
行われるので、特別の燃焼設備が不要となり、その反応
熱により炉内反応が促進される。
【0023】第十二の発明において、現実的に有効な反
応速度の下限を確保するためには、反応温度は500℃
以上にするのが好ましく、550℃以上がさらに好まし
い。反応温度の上限は反応器の耐熱温度やフリーカーボ
ンの発生限界温度等により定まるが、800℃以下にす
るのが好ましく、700℃以下にするのがさらに好まし
い。
【0024】第十三の発明において、安定な流動化の得
られる反応ガスの流速としては粉粒体の最小流動化速度
の数倍以上が好ましいが、流動化時にスラッギングしな
いようにするために、L(流動層高)/D(流動層炉の
直径)は2以下にするのが好ましい。反応圧力が高くな
るほど流動層高は高くなる傾向にあるので、L/D≦2
の限定を遵守するためには、反応圧力は25kg/cm
2 以下にするのが好ましく、10kg/cm2 以下にす
るのがさらに好ましい。一方、流動層内の反応ガス中を
粉粒体原料が通過する時間が反応効率を左右し、圧力が
低すぎると流動層高が低くなりすぎ、一定の反応効率を
確保するためには、流動層炉の直径を過大にしなければ
ならなくなるので、反応圧力は1kg/cm2 以上にす
るのが好ましく、3kg/cm2 以上にするのがさらに
好ましい。
【0025】第十四の発明によれば、第一の発明を実施
するに好適である還元鉄の製造装置を提供することがで
きる。
【0026】第十五の発明によれば、第二の発明を実施
するに好適である還元鉄の製造装置を提供することがで
きる。
【0027】第十六の発明によれば、第三の発明を実施
するに好適である還元鉄の製造装置を提供することがで
きる。
【0028】第十七、第十八の発明によれば、シフト反
応が好適に行われ、反応の円滑な進行を阻害するガス中
の水分と、反応の進行に関与せずに水素を消費する二酸
化炭素が除去されるので、水素リッチな高還元性ガスを
製造できる。
【0029】第十九の発明によれば、第六の発明を実施
するに好適である還元鉄の製造装置を提供することがで
きる。
【0030】第二十の発明によれば、第七の発明を実施
するに好適である還元鉄の製造装置を提供することがで
きる。
【0031】第二十一の発明によれば、熱効率の高い還
元鉄の製造装置を提供することができる。
【0032】第二十二の発明によれば、混合燃焼器で行
われる次の式に示す反応の際に生成する反応熱で反応
ガスが昇温されるので、ガス加熱器における反応ガスの
加熱量を低減することができる。 2CH4+O2 → 2CO+4H2 ・・・ 第二十三の発明によれば、以下の式に示すように、右
辺から左辺に反応が進むことが期待できる。 CO+H2 → C+H2O ・・・ すなわち、反応の初期において還元反応がまだ充分に進
行していない時期には、反応ガス中のH2O が少ないの
で、遊離炭素が発生する可能性がある。そこで、適量の
水蒸気を混合燃焼器に吹き込むことにより遊離炭素の生
成を防止することが可能になる。
【0033】第二十四の発明によれば、反応系内に導入
したアンモニアガスが分解することにより水素と窒素が
生成するので、この水素を主として含むガスを試運転時
の還元ガスとして使用できる。
【0034】第二十五の発明によれば、ガス中から水素
(100%)を分離して、この純水素を第一流動層炉ま
たは第二流動層炉の還元反応の促進に利用できる。
【0035】第二十六の発明によれば、流動層炉内で上
記式の反応を行わせることができるので、混合燃焼器
を設ける必要がなく、反応熱を炉内反応の促進に有効に
利用することができるとともに、第三の発明の第二反応
操作を実施する第二流動層炉に好適である還元鉄の製造
装置を提供することができる。
【0036】第二十七の発明によれば、循環経路の循環
ガスをガス加熱器の燃料として利用することができるの
で、ガス加熱器の燃料を節減することができるととも
に、反応ガス組成の調製を行い得るという効果がある。
【0037】第二十八の発明によれば、含鉄粉粒体原料
の流動層炉内滞留時間が増加するので、還元鉄製品の品
質が向上する。
【0038】
【実施例】以下に本発明の実施形態を図面に基づいて具
体的に説明する。図1は、本発明の還元鉄の製造装置の
第一の実施形態の全体構成を示す系統図である。図1に
おいて、1は第一流動層炉、2は第二流動層炉であり、
これらの両流動層炉は連絡路3で接続されている。そし
て、第一流動層炉1から除湿除塵機4、コンプレッサ5
およびガス加熱器6を経て第一流動層炉1に至る第一循
環経路7が形成されている。ガス加熱器6には、天然ガ
ス供給路8が接続されている。9は混合燃焼器であり、
混合燃焼器9には天然ガス供給路10と酸素ガス供給路
11が接続されている。
【0039】また、第二流動層炉2から除湿除塵機1
2、コンプレッサ13およびガス加熱器14を経て第二
流動層炉2に至る第二循環経路15が形成されている。
ガス加熱器14には天然ガス供給路16が接続されてい
る。
【0040】混合燃焼器9は供給路17によって第一循
環経路7と接続され、供給路17から分岐した供給路1
8によって第二循環経路15と接続されている。また、
第二循環経路15には炭化ガスとしての天然ガス供給路
19が接続されている。また、循環経路内のガスを一部
抜いて(ブリードして)、そのブリードガスをガス加熱
器の燃料として使用するためのブリード経路25、26
が、それぞれ第一循環経路7、第二循環経路15に設け
られている。また、水蒸気供給路27が混合燃焼器9に
接続されている。28はアンモニアガス供給路である。
【0041】図2は、本発明の還元鉄の製造装置の第二
の実施形態の全体構成を示す系統図である。本実施形態
は、図1の装置にシフト反応を行わせるためのシフトコ
ンバータ、反応ガスの含有水蒸気を冷却、凝縮して除去
する脱水装置および脱二酸化炭素装置が付加されてい
る。すなわち、供給路17から分岐して第二循環経路1
5に至る経路20には、シフトコンバータ21、脱水装
置22および脱二酸化炭素装置23がこの順で配置され
ている。脱二酸化炭素装置としては、例えば、アミンと
錯体を形成するという特性を利用してイオン交換膜をエ
チレンジアミンでアミノ化した膜を用いた膜分離装置を
使用することができる。また、経路20から分岐して、
第一循環経路7に水素を送給するための経路24が形成
されている。
【0042】図3は、本発明の還元鉄の製造装置の第三
の実施形態の全体構成を示す系統図である。本実施形態
は、図2の装置に熱交換器が付加されている。すなわ
ち、第一循環経路7、第二循環経路15には、それぞれ
熱交換器29、30が設置されており、流動層炉1、2
から排出されるガスとガス加熱器6、14に供給される
ガスとの間において熱交換が行われる。
【0043】図4は、本発明の還元鉄の製造装置の第四
の実施形態の全体構成を示す系統図であり、図3とは、
混合燃焼器9へのガスの供給および排出方法が異なって
いる。すなわち、混合燃焼器9には、天然ガス供給路1
0と、第一循環経路7から分岐した経路31、31′
と、酸素ガス供給路11と水蒸気供給路27が接続され
ており、第一循環経路7のガスは経路31または31´
を経て混合燃焼器9に供給される。混合燃焼器9におい
て、天然ガス(炭化水素含有ガス)と第一循環経路7の
循環ガスを酸素含有ガスで燃焼することによって得られ
る一酸化炭素と水素はすべて経路20を経てシフトコン
バータ21に供給される。
【0044】図5は、本発明の還元鉄の製造装置の第五
の実施形態の全体構成を示す系統図であり、混合燃焼器
9には、天然ガス供給路10と、第一循環経路7から分
岐した経路31と、酸素ガス供給路11と、水蒸気供給
路27が接続されており、混合燃焼器9で生成される一
酸化炭素と水素はすべて供給路17を経て第一循環経路
7に供給される。本実施形態においては、シフトコンバ
ータ21、脱水装置22および脱二酸化炭素装置23は
なく、その代わりに、水素分離装置32を有している。
水素分離装置32は、ゼオライト等の分子篩における細
孔径の違いによる吸着量の差異を利用してガス中の水素
を分離する方式のもの(以下「PSA法」という)また
は特殊な高分子薄膜を透過する気体の量の違いを利用し
てポリスルホンからなる多孔膜によりガス中の水素を分
離する方式のもの(以下「膜分離法」という)を使用す
ることができる。上記PSA法または膜分離法における
細孔や膜を透過する気体の量は気体の拡散係数に比例し
ており、水素は本反応系で使用するガスの中で非常に拡
散係数が大きいので、この水素の性質を利用して水素と
それ以外のガス(炭化水素含有ガス)に分離することが
できる。そのために、第一循環経路7から水素分離装置
32に至る経路33が設置されており、経路33を経て
水素分離装置32に供給されたガスは水素とその他のガ
ス(炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素等)に分
離され、その他のガスは経路34を経て系外に排出さ
れ、水素の一部は経路35を経て第一循環経路7に供給
され、残りの水素は経路36を経て第二循環経路15に
供給される。
【0045】図6は、本発明の還元鉄の製造装置の第六
の実施形態の全体構成を示す系統図であり、混合燃焼器
9には、天然ガス供給路10と、第一循環経路7から分
岐した経路31と、酸素ガス供給路11と、水蒸気供給
路27が接続されており、混合燃焼器9で生成される一
酸化炭素と水素はすべて供給路17を経て第一循環経路
7に供給される。また、経路17から分岐した経路37
はシフトコンバータ21に接続されており、脱二酸化炭
素装置23から排出される高純度水素ガスは経路24を
経て第一循環経路7に供給される。また、第一循環経路
7から分岐した経路38が第二循環経路15に接続され
ている。
【0046】図7は、本発明の還元鉄の製造装置の第七
の実施形態の全体構成を示す系統図であり、混合燃焼器
9には、天然ガス供給路10と、第一循環経路7から分
岐した経路31、31´と、酸素ガス供給路11と、水
蒸気供給路27が接続されており、混合燃焼器9で生成
される一酸化炭素と水素は経路20を経てシフトコンバ
ータ21に供給されるとともに、高温のこのガスの保有
熱を利用するために、供給路39を経て第二循環経路1
5の熱交換器30の直前に供給される。
【0047】図8は、本発明の還元鉄の製造装置の第八
の実施形態の全体構成を示す系統図であり、混合燃焼器
9には、天然ガス供給路10と、第二循環経路15から
分岐した経路40と、酸素ガス供給路11が接続されて
おり、混合燃焼器9で生成される一酸化炭素と水素はす
べて経路20を経てシフトコンバータ21に供給された
後、脱水装置22および脱二酸化炭素装置23を経て高
純度水素ガスが生成され、この高純度水素ガスは経路2
4を経て第一循環経路7に供給されるとともに、経路2
0を経て第二循環経路15に供給される。
【0048】図9は、本発明の還元鉄の製造装置の第九
の実施形態の全体構成を示す系統図であり、図3の第二
循環経路15の第二流動層炉2の入口部分にも混合燃焼
器9を設け、酸素ガス供給路11と水蒸気供給路27が
接続されている。
【0049】図10は、本発明の還元鉄の製造装置の第
十の実施形態の全体構成を示す系統図であり、本実施例
は、流動層炉が1基の場合を示し、図3から第二流動層
炉2及び第二循環経路15を除いたものに相当し、第一
循環経路7には天然ガス供給路19´が接続されてお
り、第一流動層炉1において金属鉄を製造する場合は供
給路19´から天然ガスが供給されることはないが、鉄
カーバイドを製造する場合は供給路19´から天然ガス
が供給される。
【0050】図11は、本発明の還元鉄の製造装置の流
動層炉の概略構成を示す図であり、流動層炉41内の下
部の風箱42には、炭化水素含有ガスの供給路43と酸
素ガスの供給路44が接続されており、流動層炉41が
混合燃焼器を兼ねる場合を示す。この場合、風箱42で
はなく、多数の小孔が設けられた分散板45上の流動層
41a内に炭化水素含有ガスの供給路43と酸素ガスの
供給路44を接続することもできる。また、流動層炉4
1から排出されたガスの一部を取り出し、そのガスを上
記した水素分離装置に相当する装置に通入して水素を回
収し、水素回収後の炭素分の多いガスを供給路43´を
経て流動層炉41内に供給することもできる。このよう
に炭素分の多いガスは炭化反応の促進に有効であるか
ら、第二流動層炉2における第二反応操作用ガスとして
好適である。
【0051】図12は、工業的に実施されているアンモ
ニアを合成するための燃焼器の一例を示す図である。図
12に示すように、燃焼器46は耐火断熱煉瓦47と耐
熱鋼製の鉄皮48と水冷ジャケット49からなってい
る。そして、燃焼器46内には空孔50を有する耐火物
51が下部に配設されており、耐火物51の直上には反
応触媒52が積層されている。この燃焼器46内には、
管路53から高温(約860℃)の合成ガス(例えば、
天然ガスから改質されたもの)が供給され、管路54か
ら空気が供給される。そして、燃焼器46内において約
1300℃の高温で瞬時に反応が行われ、未反応のメタ
ンを極力低濃度になるまで二次改質し、後続プロセスで
アンモニアが生成するのに好適なガス組成の改質ガスが
得られる。燃焼器46内における反応はこのように高温
で行われるため、燃焼器46から排出される高温ガスの
保有熱を有効に利用するため、燃焼器46に後続する管
路55には熱交換器56が配設されており、高温ガスの
保有熱は熱交換器56における水との熱交換により蒸気
に変換され、この蒸気は、例えば蒸気タービンの駆動等
に利用することができる。そして、このような構成の燃
焼器を本発明の混合燃焼器として使用することができ
る。
【0052】以上のような構成の還元鉄の製造装置によ
る還元鉄の製造方法について、図3を例にとって説明す
る。
【0053】図3において、第一循環経路7を循環する
ガスは、ガス加熱器6において所定温度に加熱される。
このガス加熱器6には、燃料源として第一循環経路7内
の一部のガスがブリード経路25を経て供給されるの
で、経路8からガス加熱器6に供給される燃料ガスであ
る天然ガスの量を節減することができる。一方、混合燃
焼器9には、経路10より天然ガスが供給されており、
経路11より酸素ガスが供給されているので、混合燃焼
器9において、天然ガス中のメタンを主とする炭化水素
と酸素が反応して、一酸化炭素と水素を含むガスが生成
する。この一酸化炭素と水素の一部は供給路17を経て
第一循環経路7に供給される。一酸化炭素と水素の残部
は、供給路17から分岐した経路20を経てシフトコン
バータ21に供給され、シフトコンバータ21において
シフト反応を行わせることにより二酸化炭素と水素が生
成される。そして、このガス中の水蒸気を系外に除去す
るために脱水装置22においてガス中の水分が冷却、凝
縮して除去され、系外に排出される。シフト反応の結果
発生した二酸化炭素は脱二酸化炭素装置23において除
去される。かくして水素濃度が高められた高純度水素ガ
スは経路24を経て第一循環経路7に供給される。第一
循環経路7には供給路17を経て一酸化炭素と水素を含
むガスが供給されているので、一酸化炭素と水素を含む
ガスと高純度水素ガスは加熱器6を経て第一流動層炉1
に導入される。第一流動層炉1には、経路1aを経て粉
粒状鉄鉱石が投入されており、上記ガス中の水素はこの
粉粒状鉄鉱石の還元反応のために消費され、一酸化炭素
は第一流動層炉1において水素と反応してメタンと水蒸
気を生成する。その水蒸気は除湿除塵機4で除去される
ので、循環ガス中にはメタンが蓄積する。そこで、ブリ
ード経路25を経て循環ガスの一部をブリードすれば、
メタン濃度が低減され、水素を主成分とするガスを得る
ことができる。この水素を主成分とするガスは熱交換器
29に供給され、第一流動層炉1から排出されるガスと
熱交換後、ガス加熱器6において所定温度に加熱されて
第一流動層炉1に導入される。そして、上記したように
経路1aより第一流動層炉1に投入された粉粒状鉄鉱石
は、水素を主成分とする還元ガスと所定時間反応するこ
とにより、以下の式に示すように、一部還元される。
【0054】 3Fe23+3H2 +2CO→6FeO2/3 +3H2O+2CO2 ・・・ この一部還元済み鉄鉱石は連絡路3を経て第二流動層炉
2に供給される。一方、脱二酸化炭素装置23において
二酸化炭素を除去することによって水素濃度が高められ
た高純度水素ガスは経路20を経て第二循環経路15に
も供給される。第二循環経路15に供給された高純度水
素ガスはコンプレッサ13で一定圧力に昇圧された後、
経路19を経て供給される天然ガスとともに、熱交換器
30において第二流動層炉2から排出されるガスと熱交
換をした後、ガス加熱器14に供給される。ガス加熱器
14には、燃料源として第二循環経路15内の一部のガ
スがブリード経路26を経て供給されるので、経路16
からガス加熱器14に供給される燃料ガスである天然ガ
スの量を節減することができる。そして、ガス加熱器1
4において所定温度に加熱された高純水素ガスと天然ガ
スは第二循環経路15を経て第二流動層炉2に供給され
る。第一流動層炉1から連絡路3を経て第二流動層炉2
に供給された一部還元済み鉄鉱石は、第二流動層炉2に
おいて、主として水素とメタンからなるガスにより、以
下の式および式に示すように鉄カーバイドに転化さ
れる。
【0055】 3FeO2/3+2H2→3Fe+2H2O ・・・ 3Fe+CH4 → Fe3C+2H2 ・・・ このようにして鉄鉱石から鉄カーバイドを得ることがで
き、この鉄カーバイドは経路2aを経て排出され、クー
ラー(図示せず)において所定温度に冷却された後、コ
ンベヤ等の搬送手段により電気炉等の設備へ供給され、
製鋼原料として使用される。
【0056】また、試運転時には、経路28から循環経
路内にアンモニアガスを供給することにより、アンモニ
アガスが分解して水素と窒素が生成するので、この水素
を還元ガスとして利用することができる。さらに、反応
の初期には必要に応じて経路27より混合燃焼器9内に
水蒸気を吹き込むことにより、遊離炭素の生成を防止す
ることができる。
【0057】以下の表1は、以上のような反応における
系内のガス組成(モル分率)の一例を示すものである。
【0058】
【表1】
【0059】表1に示すように、脱二酸化炭素装置23
の出側におけるガス中の水素濃度は極めて高く、この高
純度水素ガスを用いることにより第一流動層炉1の還元
反応を促進することができる。なお、図2に示す装置は
熱交換器がないので、図3に示す装置より熱効率が低
く、図1に示す装置はシフトコンバータおよび脱二酸化
炭素装置を有していないので循環ガス中の水素濃度が低
く、図3に示す装置より反応時間が長くなる。
【0060】以下の表2は、図4に示す装置により還元
鉄を製造した場合の系内のガス組成(モル分率)の一例
を示すものである。
【0061】
【表2】
【0062】図4に示す装置は供給路17がなく、経路
31、31´を有している点が図3に示す装置との相違
点であるが、表2に示す数値は表1に示す数値と大きな
差異はない。
【0063】図5に示す装置はシフトコンバータ、脱水
装置および脱二酸化炭素装置はなく、その代わりに、水
素分離装置32を有している。第一循環経路7から経路
33を経て水素分離装置32に供給されるガスは水素と
その他のガスに分離され、水素の一部は経路35を経て
第一循環経路7に供給され、残りの水素は経路36を経
て第二循環経路15に供給され、その他のガスは経路3
4を経て系外に排出される。この場合の系内のガス組成
(モル分率)の一例を以下の表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】表3に明らかなように、水素分離装置32
を通過した後の水素ガスは、適用する回収率を上げれ
ば、ほぼ100%水素になる。従って、シフトコンバー
タ、脱水装置および脱二酸化炭素装置の代わりに水素分
離装置32またはそれに相当する装置を用いることによ
って純水素を得ることができるが、水素分離装置として
使用するPSA方式または膜分離方式の設備は高価であ
り、分子篩や多孔膜は一定期間(約1箇月)毎に交換す
る必要がある。従って、シフトコンバータおよび脱二酸
化炭素装置方式を採用するか又は水素分離装置を使用す
るかは、初期設備コストおよびランニングコストを比較
検討することにより決定するのが好ましい。
【0066】以下の表4は、図6に示す装置により還元
鉄を製造した場合の系内のガス組成(モル分率)の一例
を示すものである。
【0067】
【表4】
【0068】図6に示す装置は、混合燃焼器9で生成し
たガスの一部は供給路17を経て第一循環経路7に供給
されるので、第一循環経路7から第二循環経路15へ送
給される経路38のガス中のメタン濃度が高く、第二流
動層炉における炭化反応の促進に有効である。
【0069】以下の表5は、図7に示す装置により還元
鉄を製造した場合の系内のガス組成(モル分率)の一例
を示すものである。
【0070】
【表5】
【0071】図7の装置によれば、経路39を経て第二
循環経路15に供給されるガスはシフトコンバータ21
および脱二酸化炭素装置23を通過しないので、図4に
示す装置に比して混合燃焼器9から第二循環経路15に
供給されるガス中の水素濃度は低く、第二流動層炉2に
おける炭化の促進に有効である。
【0072】以下の表6は、図8に示す装置により還元
鉄を製造した場合の系内のガス組成(モル分率)の一例
を示すものである。
【0073】
【表6】
【0074】表6に明らかなように、脱二酸化炭素装置
出側のガスの水素濃度は100%に近く、図5に示す水
素分離装置を設置する場合(表3)に匹敵するものであ
る。すなわち、図8に示す装置が、混合燃焼器、シフト
コンバータ、脱水装置および脱二酸化炭素装置により、
炭化水素含有ガスおよび酸素含有ガスから高純度水素ガ
スを得る場合のベストプロセスであると考えることがで
きる。
【0075】また、図9に示す装置において、第二流動
層炉2の入側の混合燃焼器9に酸素ガス供給路11から
酸素ガスを吹き込むことによって、循環ガス中のCH4
が酸素と反応することにより反応熱を得た(34×10
3 CAL/T)。このときの循環ガス量は5000Nm
3 /Tであったので、混合燃焼器9の出側の循環ガスの
温度は約15℃上昇した。このようにガス温が上昇した
ので、ガス加熱器14の燃焼負荷を約13%軽減するこ
とができた。
【0076】図10は、流動層炉が1基の場合である
が、図3に示す装置から第二流動層炉およびその付属設
備(ガス加熱器、熱交換器、除湿除塵機、コンプレッサ
など)を除いたものである。図3に示す装置では第一流
動層炉1で部分的に還元反応を行い、第二流動層炉2で
残りの還元反応と炭化反応を行うのであるが、図10に
示す装置では、単一の流動層炉で還元・炭化反応を行う
か、または還元反応のみを行う点が図3に示す装置と異
なっている。
【0077】図11は、流動層炉に混合燃焼器の機能を
兼用させたものであり、炉内に吹き込んだ酸素とメタン
が反応することにより上記式に示すような反応が炉内
で行われ、その反応の結果発生した水素と一酸化炭素に
より炉内の還元および炭化反応が進行するとともに、そ
の反応熱を利用することができるので、反応が促進され
る。また、図11に示す装置を使用すれば、混合燃焼器
を特別に設ける必要がない点で、設備費を低減すること
ができる。さらに、流動層炉で反応後の一部のガスを取
り出し、このガスから水素を回収し、水素回収後の炭素
分の多いガスを供給路43´を経て炉内に供給するよう
にすれば、炭化反応の促進に有効であるから、第二流動
層炉2における第二反応操作の実施に有効である。
【0078】以上の実施形態は、流動層炉が一基か二基
の場合を示したが、流動層炉が3基以上の場合にも本発
明を適用することは可能である。例えば、図13に示す
ように、第三流動層炉57を設け、供給路18から分岐
させた経路58は第三流動層炉57の第三循環経路59
に接続されている。60は除湿除塵機、61はコンプレ
ッサ、62はガス加熱器、63はガス加熱器62の燃料
源となる天然ガスの供給路、64は炭化ガスとなる天然
ガスの供給路、65は第三循環経路59のガスをガス加
熱器62に供給するブリード経路である。図3に示す装
置によれば、第一流動層炉1で還元反応の一部を行い、
第二流動層炉2と第三流動層炉57で残りの還元反応と
炭化反応を行うことができるので、原料鉄鉱石の炉内滞
留時間を増し、還元鉄製品の品質を向上することができ
る。さらに、第三流動層炉に後続するように流動層炉の
数を増やすこともできる。
【0079】以上、本発明は、リフォーマを使用せずに
還元鉄を製造することができるという画期的な発明であ
り、本発明のポイントは上記実施例における詳細な説明
から明らかなように、如何にして反応系内のガス組成を
調製するかという点であり、そのための手段としては、
「ブリード法」、「水素分離装置」または「シフトコン
バータ−脱水装置−脱二酸化炭素装置」のいずれかを採
用することができる。その中で「ブリード法」は、他の
手段に比べて比較的設備コストが低いという利点を有
し、その還元鉄製造プラントに適した場所で、適切なタ
イミングで、適正なガス量をブリードするだけで、その
反応系に要求されるガス組成が得られるという極めて簡
便な方法である。この説明から明らかなように、上記し
たブリード経路(25、26または65)はその反応系
に適した場所に設けら、また、必ずしも一つとは限らな
い。
【0080】ところで、複雑な設備構成の還元鉄製造プ
ラントでは、「ブリード法」を適用するだけでは必ずし
も希望する組成の反応ガスが得られないことがある。こ
の反応ガス組成が変われば還元鉄製品の品質も変化する
が、還元鉄製造プラントによる要求品質レベル(例え
ば、鉄カーバイド製品の場合の鉄カーバイドへの転化
率)は様々であるから、比較的要求品質レベルが低いプ
ラントの場合は、「ブリード法」で十分な場合が多い
が、より要求品質レベルの高いプラントに対しては、
「ブリード法」と、より確実なガス組成調製手段である
「水素分離装置」または「シフトコンバータ−脱水装置
−脱二酸化炭素装置」を併用するなど、実際の状況に即
した最良の手段を適宜選択するのが好ましい。
【0081】
【発明の効果】本発明は上記のとおり構成されているの
で、次の効果を奏する。 (1)リフォーマが不要であるから、全体設備費を低減
することができ、ランニングコストも低くなる。また、
反応を行う設備が混合燃焼器と流動層炉に分かれている
ため、混合燃焼器ではリフォーミング反応に最適になる
ように、流動層炉では還元または炭化反応に最適になる
ように操業条件を選択することができる。さらに、リフ
ォーミング反応で発生するCOガスは炭化反応でも使用
できるので、シフト反応で発生するCO2 の量が少なく
することもできる。
【0082】(2)特に請求項1記載の発明によれば、
還元反応の促進に不利となるメタンが反応ガス中に蓄積
されるのを防止することができ、還元反応の促進に有効
なガス組成を得ることができる。
【0083】(3)特に請求項2記載の発明によれば、
還元および炭化ガスのバランスがとれるので、単一の反
応操作で還元および炭化を実施するに好適なガス組成を
得ることができる。
【0084】(4)特に請求項3記載の発明によれば、
第一流動層炉で使用するガスを還元反応のみに最適な組
成にし、第二流動層炉で使用するガスを還元反応と炭化
反応に最適な組成にすることができるので、単一の操作
で還元鉄(鉄カーバイド)を製造する方法に比べて反応
速度を高め、反応時間の短縮を図ることができる。
【0085】(5)特に請求項4記載の発明によれば、
極めて水素濃度の高いガスを得ることが可能であり、反
応ガス中へのメタンの蓄積を防止するためのブリードガ
ス量を低減することができる。
【0086】(6)特に請求項5、6、7記載の発明に
よれば、実用的に十分に高い圧力と濃度を有する水素ガ
スを得ることができる。
【0087】(7)特に請求項8、9記載の発明によれ
ば、極めて水素濃度の高いガスを得ることができるの
で、還元反応を促進することが可能になる。
【0088】(8)特に請求項10記載の発明によれ
ば、還元と炭化のバランスがとれたガス組成が得られ、
第二反応操作用ガスとして好適に用いることができる。
【0089】(9)特に請求項11記載の発明によれ
ば、炭素成分の多いガスを得ることができるので、炭化
反応の促進に有効である。
【0090】(10)特に請求項12記載の発明によれ
ば、現実的に十分に速い反応速度を得、且つ反応器の損
傷を生じることなく、フリーカーボンの発生もなく、還
元鉄を製造することができる。
【0091】(11)特に請求項13記載の発明によれ
ば、安定した流動状態の下で、高品質の還元鉄を製造す
ることができる。
【0092】(12)特に請求項14記載の発明によれ
ば、第一の発明を実施するに好適である還元鉄の製造装
置を提供することができる。
【0093】(13)特に請求項15記載の発明によれ
ば、第二の発明を実施するに好適である還元鉄の製造装
置を提供することができる。
【0094】(14)特に請求項16記載の発明によれ
ば、第三の発明を実施するに好適である還元鉄の製造装
置を提供することができる。
【0095】(15)特に請求項17、18記載の発明
によれば、水素リッチな高還元性ガスを製造できる。
【0096】(16)特に請求項19記載の発明によれ
ば、第六の発明を実施するに好適である還元鉄の製造装
置を提供することができる。
【0097】(17)特に請求項20記載の発明によれ
ば、第七の発明を実施するに好適である還元鉄の製造装
置を提供することができる。
【0098】(18)特に請求項21記載の発明によれ
ば、熱効率の高い還元鉄の製造装置を提供できる。
【0099】(19)特に請求項22記載の発明によれ
ば、ガス加熱器における加熱量を節減することができ、
エネルギーランニングコストを低下することができる。
【0100】(20)特に請求項23記載の発明によれ
ば、遊離炭素の生成を防止することができる。
【0101】(21)特に請求項24記載の発明によれ
ば、75容積%の水素ガスを簡易に生成することができ
る。
【0102】(22)特に請求項25記載の発明によれ
ば、100%純水素を製造できる。
【0103】(23)特に請求項26記載の発明によれ
ば、混合燃焼器を設ける必要がなく、しかも、炭化水素
含有ガスの燃焼を炉内で行うことにより、その反応熱を
炉内反応の促進に有効に利用することができるととも
に、炭素成分の多いガスが得られるので、第二反応操作
を実施する第二流動層炉として好適な装置を提供でき
る。 (24)特に請求項27記載の発明によれば、ガス加熱
器の使用燃料を節減することができるとともに反応ガス
組成を調製することができる。
【0104】(25)特に請求項28記載の発明によれ
ば、還元鉄製品の品質の向上を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の還元鉄の製造装置の第一の実施形態の
全体構成を示す系統図である。
【図2】本発明の還元鉄の製造装置の第二の実施形態の
全体構成を示す系統図である。
【図3】本発明の還元鉄の製造装置の第三の実施形態の
全体構成を示す系統図である。
【図4】本発明の還元鉄の製造装置の第四の実施形態の
全体構成を示す系統図である。
【図5】本発明の還元鉄の製造装置の第五の実施形態の
全体構成を示す系統図である。
【図6】本発明の還元鉄の製造装置の第六の実施形態の
全体構成を示す系統図である。
【図7】本発明の還元鉄の製造装置の第七の実施形態の
全体構成を示す系統図である。
【図8】本発明の還元鉄の製造装置の第八の実施形態の
全体構成を示す系統図である。
【図9】本発明の還元鉄の製造装置の第九の実施形態の
全体構成を示す系統図である。
【図10】本発明の還元鉄の製造装置の第十の実施形態
の全体構成を示す系統図である。
【図11】本発明の還元鉄の製造装置の流動層炉の概略
構成を示す図である。
【図12】燃焼器の一例を示す断面図である。
【図13】本発明の還元鉄の製造装置のさらに別の実施
形態の全体構成を示す系統図である。
【図14】リフォーマを有する設備の概略構成を示す図
である。
【符号の説明】
1…第一流動層炉 2…第二流動層炉 3…連絡路 6、14、62…ガス加熱器 7…第一循環経路 9…混合燃焼器 10…天然ガス供給路 11…酸素ガス供給路 15…第二循環経路 17、18…供給路 21…シフトコンバータ 22…脱水装置 23…脱二酸化炭素装置 25、26…ブリード経路 27…水蒸気供給路 28…アンモニアガス供給路 29、30…熱交換器 32…水素分離装置 41…流動層炉 43…炭化水素含有ガス供給路 44…酸素ガス供給路 46…燃焼器 57…第三流動層炉 59…第三循環経路 73…リフォーマーユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮下 虎勝 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 中澤 輝幸 東京都千代田区丸の内2丁目6番3号 三 菱商事株式会社内 Fターム(参考) 4K012 DB04 DB07 DF01 DF05 DF09

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動層炉に投入された含鉄粉粒体原料を
    還元して還元鉄を製造する方法において、炭化水素含有
    ガスを酸素含有ガスで燃焼することによって得られる水
    素と一酸化炭素とを含むガスを流動層炉に供給し、上記
    ガスによる流動層炉における反応後に一部のガスをブリ
    ードすることによって得られる水素を主として含むガス
    によって含鉄粉粒体原料を還元して還元鉄を製造する方
    法。
  2. 【請求項2】 流動層炉に投入された含鉄粉粒体原料を
    還元および炭化して還元鉄を製造する方法において、炭
    化水素含有ガスを酸素含有ガスで燃焼することによって
    得られる水素と一酸化炭素とを含むガスと、炭化水素含
    有ガスを流動層炉に供給し、上記ガスによる流動層炉に
    おける反応後に一部のガスをブリードすることによって
    得られる水素を主として含むガスと炭化水素含有ガスに
    よって含鉄粉粒体原料を還元および炭化して還元鉄を製
    造する方法。
  3. 【請求項3】 第一流動層炉に投入された含鉄粉粒体原
    料を一部還元させる第一反応操作を行った後、第二流動
    層炉において一部還元された含鉄粉粒体原料に残りの還
    元と炭化を施す第二反応操作を行うことにより還元鉄を
    製造する方法において、炭化水素含有ガスを酸素含有ガ
    スで燃焼することによって得られる水素と一酸化炭素と
    を含むガスを第一流動層炉に供給し、上記ガスによる第
    一流動層炉における反応後に一部のガスをブリードする
    ことによって得られる水素を主として含むガスによって
    第一反応操作を行い、炭化水素含有ガスを酸素含有ガス
    で燃焼することによって得られる水素と一酸化炭素とを
    含むガスと、炭化水素含有ガスを第二流動層炉に供給
    し、上記ガスによる第二流動層炉における反応後に一部
    のガスをブリードすることによって得られる水素を主と
    して含むガスと炭化水素含有ガスによって第二反応操作
    を行うことを特徴とする還元鉄の製造方法。
  4. 【請求項4】 炭化水素含有ガスを酸素含有ガスで燃焼
    することによって得られる水素と一酸化炭素とを含むガ
    スに水蒸気を添加してシフト反応を行わせることによっ
    て二酸化炭素と水素を含むガスを得、さらに、上記二酸
    化炭素を除去することによって得られる水素を主成分と
    するガスを還元ガスの一部または全部として用いること
    を特徴とする請求項1、2または3記載の還元鉄の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 水素を主として含むガスからなる還元ガ
    スの一部を取り出し、この取り出したガスと炭化水素含
    有ガスを酸素含有ガスで燃焼することによって得られる
    水素と一酸化炭素とを含むガスに水蒸気を添加してシフ
    ト反応を行わせることによって二酸化炭素と水素を含む
    ガスを得、さらに、上記二酸化炭素を除去することによ
    って得られる水素を主成分とするガスを還元ガスの一部
    として用いることを特徴とする請求項1記載の還元鉄の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 第一反応操作において使用される水素を
    主として含むガスからなる還元ガスの一部を取り出し、
    この取り出したガスと炭化水素含有ガスを酸素含有ガス
    で燃焼することによって得られる水素と一酸化炭素とを
    含むガスに水蒸気を添加してシフト反応を行わせること
    によって二酸化炭素と水素を含むガスを得、さらに、上
    記二酸化炭素を除去することによって得られる水素を主
    成分とするガスを還元ガスの一部として用いることを特
    徴とする請求項3記載の還元鉄の製造方法。
  7. 【請求項7】 第二反応操作において使用される水素を
    主として含むガスと炭化水素含有ガスからなる還元およ
    び炭化ガスの一部を取り出し、この取り出したガスを酸
    素含有ガスで燃焼することによって得られる水素と一酸
    化炭素とを含むガスに水蒸気を添加してシフト反応を行
    わせることによって二酸化炭素と水素を含むガスを得、
    さらに、上記二酸化炭素を除去することによって得られ
    る水素を主成分とするガスを還元ガスの一部として用い
    ることを特徴とする請求項3記載の還元鉄の製造方法。
  8. 【請求項8】 水素を主として含むガスからなる還元ガ
    スの一部を取り出し、この取り出したガスから分子篩法
    によりメタンと一酸化炭素と二酸化炭素と窒素を除くこ
    とによって得られる水素を主成分とするガスを還元ガス
    の一部として用いることを特徴とする請求項1記載の還
    元鉄の製造方法。
  9. 【請求項9】 第一反応操作において使用される水素を
    主として含むガスからなる還元ガスの一部を取り出し、
    この取り出したガスから分子篩法によりメタンと一酸化
    炭素と二酸化炭素と窒素を除くことによって得られる水
    素を主成分とするガスを還元ガスの一部として用いるこ
    とを特徴とする請求項3記載の還元鉄の製造方法。
  10. 【請求項10】 第二反応操作において使用される水素
    を主として含むガスと炭化水素含有ガスからなる還元お
    よび炭化ガスの一部を取り出し、この取り出したガスか
    ら分子篩法により水素を除くことによって得られるメタ
    ンを主成分とするガスを炭化ガスの一部として用いるこ
    とを特徴とする請求項3記載の還元鉄の製造方法。
  11. 【請求項11】 流動層炉に投入された含鉄粉粒体原料
    を所定組成の反応ガスと反応させることにより還元鉄を
    製造する方法であって、流動層炉に炭化水素含有ガスと
    高純度酸素ガスを直接供給し、流動層炉で反応後の一部
    のガスを取り出してこのガスから水素を回収し、水素回
    収後の炭素リッチなガスを流動層炉に供給することを特
    徴とする還元鉄の製造方法。
  12. 【請求項12】 流動層炉の反応温度が500〜800
    ℃である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、
    10または11記載の還元鉄の製造方法。
  13. 【請求項13】 流動層炉の反応圧力が1〜25kg/cm
    2 である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、
    10、11または12記載の還元鉄の製造方法。
  14. 【請求項14】 流動層炉に投入された含鉄粉粒体原料
    を所定組成の反応ガスと反応させることにより還元鉄を
    製造する装置であって、流動層炉からガス加熱器を経て
    再び当該流動層炉に至る循環経路を形成し、炭化水素含
    有ガスを酸素含有ガスにより燃焼させて水素と一酸化炭
    素を含むガスを得るための混合燃焼器を有し、炭化水素
    含有ガス供給路と酸素含有ガス供給路を上記混合燃焼器
    に接続し、該混合燃焼器で生成した水素と一酸化炭素を
    含むガスを供給するための供給路を上記混合燃焼器と上
    記循環経路を接続するように設け、流動層炉における反
    応後の一部のガスをブリードするためのブリード経路を
    循環経路に設けたことを特徴とする還元鉄の製造装置。
  15. 【請求項15】 炭化水素含有ガス供給路を循環経路に
    接続したことを特徴とする請求項14記載の還元鉄の製
    造装置。
  16. 【請求項16】 流動層炉に投入された含鉄粉粒体原料
    を所定組成の反応ガスと反応させることにより還元鉄を
    製造する装置であって、流動層炉が第一流動層炉と第二
    流動層炉の2基からなり、第一流動層炉からガス加熱器
    を経て再び第一流動層炉に至る第一循環経路を形成し、
    第一流動層炉と第二流動層炉を連絡路で接続し、第二流
    動層炉からガス加熱器を経て再び第二流動層炉に至る第
    二循環経路を形成し、炭化水素含有ガスを酸素含有ガス
    により燃焼させて水素と一酸化炭素を含むガスを得るた
    めの混合燃焼器を有し、炭化水素含有ガス供給路と酸素
    含有ガス供給路を上記混合燃焼器に接続し、該混合燃焼
    器で生成した水素と一酸化炭素を含むガスを供給するた
    めの供給路を上記混合燃焼器と第一循環経路および第二
    循環経路の両方を接続するように設け、第一流動層炉ま
    たは第二流動層炉における反応後の一部のガスをブリー
    ドするためのブリード経路を第一循環経路、第二循環経
    路にそれぞれ設けたことを特徴とする還元鉄の製造装
    置。
  17. 【請求項17】 混合燃焼器と循環経路を接続する経路
    にシフトコンバータ、脱水装置および脱二酸化炭素装置
    をこの順で設けたことを特徴とする請求項14または1
    5記載の還元鉄の製造装置。
  18. 【請求項18】 混合燃焼器と第一循環経路および第二
    循環経路を接続する経路にシフトコンバータ、脱水装置
    および脱二酸化炭素装置をこの順で設けたことを特徴と
    する請求項16記載の還元鉄の製造装置。
  19. 【請求項19】 流動層炉に投入された含鉄粉粒体原料
    を所定組成の反応ガスと反応させることにより還元鉄を
    製造する装置であって、流動層炉が第一流動層炉と第二
    流動層炉の2基からなり、第一流動層炉からガス加熱器
    を経て再び第一流動層炉に至る第一循環経路を形成し、
    第一流動層炉と第二流動層炉を連絡路で接続し、第二流
    動層炉からガス加熱器を経て再び第二流動層炉に至る第
    二循環経路を形成し、炭化水素含有ガスを酸素含有ガス
    により燃焼させて水素と一酸化炭素を含むガスを得るた
    めの混合燃焼器を有し、炭化水素含有ガス供給路と酸素
    含有ガス供給路を上記混合燃焼器に接続し、第一循環経
    路の循環ガスを上記混合燃焼器に供給するためのガス供
    給路を第一循環経路と混合燃焼器を接続するように設
    け、該混合燃焼器からシフトコンバータ、脱水装置およ
    び脱二酸化炭素装置を経て第一循環経路および第二循環
    経路に至るガス供給路を設け、炭化水素含有ガス供給路
    を第二循環経路に接続し、第一流動層炉または第二流動
    層炉における反応後の一部のガスをブリードするための
    ブリード経路を第一循環経路、第二循環経路にそれぞれ
    設けたことを特徴とする還元鉄の製造装置。
  20. 【請求項20】 流動層炉に投入された含鉄粉粒体原料
    を所定組成の反応ガスと反応させることにより還元鉄を
    製造する装置であって、流動層炉が第一流動層炉と第二
    流動層炉の2基からなり、第一流動層炉からガス加熱器
    を経て再び第一流動層炉に至る第一循環経路を形成し、
    第一流動層炉と第二流動層炉を連絡路で接続し、第二流
    動層炉からガス加熱器を経て再び第二流動層炉に至る第
    二循環経路を形成し、炭化水素含有ガスを酸素含有ガス
    により燃焼させて水素と一酸化炭素を含むガスを得るた
    めの混合燃焼器を有し、炭化水素含有ガス供給路と酸素
    含有ガス供給路を上記混合燃焼器に接続し、第二循環経
    路の循環ガスを上記混合燃焼器に供給するためのガス供
    給路を第二循環経路と混合燃焼器を接続するように設
    け、該混合燃焼器からシフトコンバータ、脱水装置およ
    び脱二酸化炭素装置を経て第一循環経路および第二循環
    経路に至るガス供給路を設け、炭化水素含有ガス供給路
    を第二循環経路に接続し、第一流動層炉または第二流動
    層炉における反応後の一部のガスをブリードするための
    ブリード経路を第一循環経路、第二循環経路にそれぞれ
    設けたことを特徴とする還元鉄の製造装置。
  21. 【請求項21】 循環経路に熱交換器を設け、流動層炉
    から排出されるガスとガス加熱器に供給されるガスとの
    間において熱交換を行うことを特徴とする請求項14、
    15、16、17、18、19または20記載の還元鉄
    の製造装置。
  22. 【請求項22】 ガス加熱器と流動層炉との間の循環経
    路に循環ガスを燃焼させる混合燃焼器を設け、この混合
    燃焼器に酸素含有ガス供給路を接続したことを特徴とす
    る請求項14、15、16、17、18、19、20ま
    たは21記載の還元鉄の製造装置。
  23. 【請求項23】 混合燃焼器に水蒸気供給路を接続した
    ことを特徴とする請求項14、15、16、17、1
    8、19、20、21または22記載の還元鉄の製造装
    置。
  24. 【請求項24】 ガス加熱器と流動層炉との間の循環経
    路にアンモニアガス供給路を接続したことを特徴とする
    請求項14、15、16、17、18、19、20、2
    1、22または23記載の還元鉄の製造装置。
  25. 【請求項25】 循環経路の循環ガスを供給するため
    に、循環経路から水素分離装置に至るガス供給路を設
    け、上記水素分離装置でガスから分離した高純度水素ガ
    スを供給するために、水素分離装置から循環経路に至る
    ガス供給路を設けたことを特徴とする請求項14、1
    5、16、17、18、19、20、21、22、23
    または24記載の還元鉄の製造装置。
  26. 【請求項26】 流動層炉に投入された含鉄粉粒体原料
    を所定組成の反応ガスと反応させることにより還元鉄を
    製造する装置であって、流動層炉に炭化水素含有ガス供
    給路と高純度酸素ガス供給路を接続し、流動層炉で反応
    後の一部のガスを取り出してこのガスから水素を回収
    し、水素回収後の炭素リッチなガスの供給路を流動層炉
    に接続したことを特徴とする還元鉄の製造装置。
  27. 【請求項27】 ブリードガスをガス加熱器の燃料とし
    て使用するために、循環経路の一箇所からガス加熱器に
    至るようにブリード経路を設けたことを特徴とする請求
    項14、15、16、17、18、19、20、21、
    22、23、24または25記載の還元鉄の製造装置。
  28. 【請求項28】 流動層炉に投入された含鉄粉粒体原料
    を所定組成の反応ガスと反応させることにより還元鉄を
    製造する装置であって、第一流動層炉から第二流動層炉
    を経て最終流動層炉に至る少なくとも3基の流動層炉か
    らなり、隣接する流動層炉を連絡路で接続し、各流動層
    炉はそれぞれ当該流動層炉からガス加熱器を経て再び当
    該流動層炉に至る循環経路を形成し、炭化水素含有ガス
    を酸素含有ガスにより燃焼させて水素と一酸化炭素を含
    むガスを得るための混合燃焼器を有し、炭化水素含有ガ
    ス供給路と酸素含有ガス供給路を上記混合燃焼器に接続
    し、該混合燃焼器で生成した水素と一酸化炭素を含むガ
    スを供給するための供給路の一端を上記混合燃焼器に接
    続し、上記供給路の他端を第一流動層炉および後続する
    各流動層炉の循環経路に接続し、炭化水素含有ガス供給
    路を第二流動層炉および後続する各流動層炉の循環経路
    に接続し、各流動層炉における反応後の一部のガスをブ
    リードするためのブリード経路を各流動層炉の循環経路
    に設けたことを特徴とする還元鉄の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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