JP3025174B2 - 電子写真定着方法 - Google Patents

電子写真定着方法

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JP3025174B2 JP7131389A JP13138995A JP3025174B2 JP 3025174 B2 JP3025174 B2 JP 3025174B2 JP 7131389 A JP7131389 A JP 7131389A JP 13138995 A JP13138995 A JP 13138995A JP 3025174 B2 JP3025174 B2 JP 3025174B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真定着方法に関す
る。さらに詳しくは、オフセット防止性に優れた電子写
真装置の定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンター複写機等の利用による
電子写真定着方法としては熱ローラー方式が使われてき
た。これは、内部にハロゲンヒーター等の熱源を有する
定着ローラーと、転写材に対して圧力を加えるための加
圧ローラーで形成される定着ニップにトナー像を有する
転写材を通過させ、トナーを熱と圧力で転写材上に固定
するものである。この方式は構成が簡単であることや、
高速化が可能であることから長く用いられてきたが、プ
リントを行わないスタンバイ時においても予熱が必要で
あるということや熱容量が大きくウエイトアップに時間
がかかるという問題点も同時に有していた。
【0003】これに対し近年、熱容量の小さいセラミッ
クヒーターとフィルムを組み合わせたオンデマンドタイ
プ、すなわち、通常はヒーターに電気は流れておらず、
必要になったとき、たとえば紙が供給されてからヒータ
ーに電気が入力される方式、の定着器が実用化されてき
た。これは定着器の熱容量を小さくすることによってウ
エイトアップの時間を短縮化し、プリント信号を受け付
けてから定着器への通電を開始するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱ロー
ラー方式においてもオンデマンド方式においても、転写
材上のトナーが定着ローラーもしくは定着フィルムに静
電的に転移する静電オフセット現象が発生することがあ
り、画像品位を低下させるという問題点があった。
【0005】オンデマンド方式の定着器について説明す
ると、転写材と定着フィルムの摩擦帯電によってもしく
は転写材の転写電荷によって、転写材上のトナーが定着
フィルムに引き寄せられる電界が生じ、トナーの一部が
定着フィルム上に転移し、転移したトナーは定着フィル
ムが一周したのち転写材上に戻り、画像上ゴーストとな
ってしまい、これを静電オフセットと称する。
【0006】静電オフセットには大きく分けて二つの出
方があり、ここでは全面オフセットと剥離オフセットに
分類する。全面オフセットは転写材、定着フィルムが互
いに摩擦帯電等で電荷のやりとりをし、オフセット電界
が定常的に発生するものであり、オフセットは画像全体
に連続的に出る。一方、剥離オフセットは転写材後端が
定着器を抜けるときに転写材後端がはねて定着フィルム
と強く接触しフィルム長手に一直線に電位履歴を残し、
この電位がオフセットを発生させるものであり、画像上
では走査方向に一直線上に発生するため両者を判別する
ことができる。
【0007】これらの静電オフセットを防止するため
に、従来は定着フィルムの電位を一定値に制御してい
る。具体的には、ネガ帯電性のトナーを用いた場合に
は、定着フィルムがプラスに帯電しないように帯電防止
処理を行ったり、更には導電化してアースに接続し、電
位が0Vになるような処理を行う。
【0008】また、更に能動的に静電オフセット対策を
行うためには、定着フィルムとアース間にダイオードを
接続して、オフセットを防止する電界を強制的に形成す
るという手段も用いられている。
【0009】一般的に定着フィルム表面の帯電を防止す
るためには、表層材料の体積抵抗値を低下させる。具体
的には定着フィルム表層の離型層にカーボンを添加する
ことが行われている。
【0010】定着フィルム表層は耐熱性と高離型性が要
求される。これを満足するために、従来用いられている
定着フィルムは、水溶性のバインダーとテトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)などのディスパージョン、更にカーボンを混合し成
膜している。このような手段を用いて作成した定着フィ
ルムの表面電位を通紙中に表面電位計で測定したところ
通紙中でもほとんど数十Vにしか帯電しておらず、帯電
防止効果が確認されている。
【0011】しかしながら、このような表面電位のフィ
ルムにもかかわらず静電オフセットが発生することがあ
り、更には定着フィルムの構造条件が何らかの要因で振
れると、定着フィルムの表面電位は十分低いのに激しく
静電オフセットが発生することがあった。
【0012】また、オフセットを発生させる電界を制御
するためには、定着フィルムの抵抗値は低い方が好まし
いが、低すぎると転写電荷のリークという弊害が発生す
る。これは、転写材が保持していた転写電荷が逃げるこ
とによって、トナーを転写材にひきつけておく力が弱ま
り、結果として静電オフセットを引き起こしてしまう現
象である。
【0013】これを防止するためには定着フィルムの表
面抵抗は1×106 Ωcm□以上である必要がある。こ
の抵抗値を実現するために従来は定着フィルムの表層に
加える導電材のカーボンの量を最適化することが一般的
である。例を挙げるとケッチェンブラック(カーボンブ
ラックの一種)を水に分散させたスラリーをバインダー
に対して0.7重量%添加することによってフィルムの
表面抵抗を1×1010Ω□程度にすることができる。
【0014】しかし、製造時の塗工溶液の粘度、pH
値、カーボンの分散状態、経時変化等で抵抗値は激しく
変化し、フィルムの抵抗値を一定の値に制御することに
は困難が生じていた。したがって、従来は定着フィルム
の製造方法、構成では全面オフセットと帯電防止が可能
な範囲が狭く、両者を両立させることが難しかった。
【0015】本発明は、上記した従来の問題を解決する
ため、静電オフセットの発生を防止し、定着フィルムの
製造における抵抗値のふれを小さくした電子写真装置の
定着装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の電子写真定着方法は、トナー像を加熱溶融
させて転写材に定着させる定着方法において、トナー像
と接する定着部材表面材質が少なくともフッ素樹脂と
イオン導電性の電気抵抗値制御材料からなり、定着部材
表面の剥離帯電電位が、下記式(1)または(2)で表
される時間内に、400V以下に減衰することを特徴と
する電子写真定着方法。 D×π−W>Lのとき、 (D×π−W)/V………(1) N×D×π−W<L<(N+1) ×D×π−Wのとき、{(N+1)×D×π−W}/V………(2) ここで、Dは定着部材の外直径、Wは転写材のニップ
幅、Vは転写材の搬送速度、Nは自然数、およびLは転
写材の搬送間隔である。
【0017】上記構成においては、定着方法がシームレ
スフィルムとヒーターからなる加熱装置と弾性を有する
加圧ローラーによって実施され、前記シームレスフィル
ムの表面がフッ素樹脂とイオン導電性の電気抵抗値制御
材料を含むことが好ましい。
【0018】また前記構成においては、定着ローラーと
ヒーターからなる加熱装置と弾性を有する加圧ローラー
によって実施され、前記定着ローラーの表面がフッ素樹
脂とイオン導電性の電気抵抗値制御材料を含むことが好
ましい。
【0019】また、イオン導電性の電気抵抗値制御材料
としては、定着装置の最高使用温度以上の融点を有する
ことが好ましい。
【0020】また前記構成においては、イオン導電性の
電気抵抗値制御物質は有機リン塩であることが好まし
い。より具体的には、有機リン塩としてはジフェニルホ
スファイト、トリエチルホスファイト、トリフェニルホ
スファイト、デシル・ジフェニルホスファイト、(ノニ
ルフェニルとジノニルフェニル混合体)トリホスファイ
ト、トリフェニルホスフェイト、トリエチルホスフェイ
ト、トリ(ブトキシエチル)ホスフェイト、ヘキサメチ
ルホスホンアミド、ジメチルホスホネイト、ホスフィン
オキサイド、アルキルホスフィンオキサイド、アルキル
ホスフィンサルファイド、ホスホニウム塩から選ばれる
少なくとも一つの物質であることが好ましい。さらに好
ましくは、有機リン塩以外に5酸化アンチモン、K4
iF6 が好ましく、これらを混合したものを添加しても
良い。上記したイオン導電性の電気抵抗値制御物質は定
着装置の最高使用温度以上の融点を有することが好まし
い。すなわち、定着装置の一般的使用温度は通常120
〜200℃の範囲であり、少なくとも使用温度より20
℃高い融点を有することが好ましい。
【0021】上記の構成においては、例えば有機リン塩
がフッ素樹脂に対して0.1〜20重量%分散している
状態で存在していることが好ましい。
【0022】前記構成においては、フッ素樹脂の表面電
気抵抗が、1×106 Ω・cm□〜1×1014Ω・cm
□の範囲であり、帯電防止機能を有することが好まし
い。この構成においては、フッ素樹脂が、例えばポリイ
ミドシームレス基材フィルムまたは定着ローラーの表層
にフィルム状に積層されていることが好ましい。
【0023】上記の構成においては、フッ素樹脂の厚さ
が、1〜50μmの範囲であることが好ましい。フッ素
樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)
から選ばれる少なくとも一つの化合物から選ばれる少な
くとも一つのフッ素樹脂で構成されることが好ましい。
【0024】
【作用】前記した本発明の構成によれば、トナー像を加
熱溶融させて転写材に定着させる定着装置のトナー像と
接する定着部材表面材質が、少なくともフッ素樹脂と定
着装置の最高使用温度以上の融点を有するイオン導電性
の電気抵抗値制御材料を含むことにより、静電オフセッ
トの発生を防止し、定着フィルムの製造における抵抗値
のふれを小さくした電子写真装置の定着装置を実現する
ことができる。すなわち、前記イオン導電性の電気抵抗
値制御材料を含むことにより、定着フィルム、または定
着ローラー表層を形成するバインダー、およびフッ素樹
脂と均一に混ざり合い、この中でイオンが移動すること
によって表面を除電し、適当な抵抗値を与える。このた
めイオン導電性の抵抗値制御剤は、抵抗値制御剤が局在
化することなく表面全体に均一に拡散するため非常に均
一な表面抵抗値が得られる。このようにして、カーボン
や金属酸化物のようなフィラーを添加、分散して抵抗値
を低下させる電子伝導系の抵抗値制御剤につきものの分
散ムラ、表面抵抗の不均一性をなくし、静電オフセット
の発生を防止することができる。また、一般的にイオン
導電性の抵抗値制御剤は、材料表面の温度、湿度によっ
て抵抗値が大きく変化するという問題点があるが、本発
明のように定着フィルムまたは定着ローラーに使用すれ
ば、これらの表面はプリント中は定着温度に一定に制御
されるため、温度、湿度の影響を受けないで使用するこ
とができるようになる。
【0025】前記において、定着方法がシームレスフィ
ルムとヒーターからなる加熱装置と、弾性を有する加圧
ローラーによって実施され、前記シームレスフィルムの
表面が少なくともフッ素樹脂と定着装置の最高使用温度
以上の融点を有するイオン導電性の電気抵抗値制御材料
を含むという好ましい例によれば、たとえばポリイミド
フィルムのような本質的には電気絶縁性の樹脂製シーム
レスフィルムおよびフッ素樹脂層に、好ましい帯電防止
作用・機能を付与し、通過する印刷紙と接触しても帯電
を防止し、静電オフセットの発生を効果的に防止するこ
とができる。
【0026】また前記において、定着装置が熱ローラー
定着器であり、前記熱ローラーの表面が少なくともフッ
素樹脂と定着装置の最高使用温度以上の融点を有するイ
オン導電性の電気抵抗値制御材料を含むという好ましい
例によれば、たとえば金属ロールの表面にシリコンゴム
層を備え、その表面にフッ素樹脂層を備えた熱ローラー
に、好ましい帯電防止作用・機能を付与し、通過する印
刷紙と接触しても帯電を防止し、静電オフセットの発生
を効果的に防止することができる。
【0027】また前記において、イオン導電性の材料が
有機リン塩ないし5酸化アンチモン、K4 TiF6 であ
ると、特に好ましい帯電防止機能を付与できる。
【0028】また前記において、有機リン塩がフッ素樹
脂に対して0.1〜20重量%分散している状態で存在
していると、静電オフセットの発生を効果的に防止する
ことができ好ましい。
【0029】また前記において、フッ素樹脂の表面電気
抵抗が、1×106 Ω・cm□〜1×1014Ω・cm□
の範囲であると、帯電防止機能を効果的に発揮するうえ
で好ましい。
【0030】また前記において、フッ素樹脂が、ポリイ
ミドシームレス基材フィルムの表層にフィルム状に積層
されていると、オンデマンド方式の定着を行うに際し、
静電オフセットの発生を効果的に防止することができ特
に好ましい。
【0031】また前記において、フッ素樹脂の厚さが、
1〜50μmの範囲であると、紙の剥離性が良好で、か
つ静電オフセットの発生を効果的に防止することができ
好ましい。
【0032】
【実施例】以下実施例により更に説明する。
【0033】実施例1 本実施例では定着装置としてオンデマンド方式の定着装
置を用いる。概略を図1に示す。定着装置50は加熱部
と加圧ローラーによって構成され、加熱部は定着フィル
ム1、セラミックヒータ3、フィルムガイド2から構成
される。定着器は加圧ローラー4によって駆動を受け、
転写材(紙)20とフィルム1は加圧ローラー4に従動
する。ヒーター3はセラミック基板の上に発熱ペースト
を印刷したものであり、これに電力制御されたAC電流
を流すことによって発熱する。発熱パターンの上には保
護と絶縁性を確保するためにガラスをコーティングして
ある。セラミック基板の裏にはチップサーミスタ5が接
着してあり、これによって検知された温度を基にヒータ
ー3への通電を制御する。フィルムガイド2は熱硬化性
のプラスチックでできており、その下面にヒーターを取
り付ける構成となっており、定着フィルム1はフィルム
ガイド2に沿って移動する。転写材(紙)20は向かっ
て右側から表面にトナーが付着された状態で供給され、
ヒーター3と加圧ローラー4のニップ点Nで加熱を受
け、定着像22となって右側に排出される。ヒーター3
は135℃から170℃の間で制御され、定着フィルム
1もほぼ等しい温度まで加熱される。
【0034】次に定着フィルム1について説明する。定
着フィルム1は3層構成になっており、基層は厚み50
μm、外径24mmの円筒状のポリイミドフィルムであ
る。基層はヒーターと摺動し、耐摩耗性、強度等が要求
されるためポリイミドを材料として用いている。この上
に導電プライマー層を設ける。これは、ヒーターパター
ンに通電することで、発生するAC電界やヒーターとフ
ィルム内面の摩擦帯電によって、オフセットを誘起させ
るような電位がフィルム表面に及ぶことを防止し、更に
ポリイミドと表面層の接着を確保するためのものであ
る。フィルム端部では導電層を露出させて、これをアー
スに接続することにより導電層の電位を0Vとし、フィ
ルムの電位を安定化させる。
【0035】この上に離型層を設ける。離型層は転写材
との摺擦に耐え、トナーが付着しないように高離型性が
要求される。材料としてはバインダーとして水性エナメ
ル(水分散液)を用い、PTFEとPFAを7:3の割
合で混合したものを混合する。本実施例では、これに抵
抗値調整剤として日本化学工業株式会社製、商品名「ヒ
シコーリンPX−2B」を10重量%混合する。これは
(C254 P・Brで表される有機リン系の化合物
(ホスフォニウム塩)であり、主にプラスのリンイオン
が移動することによって導電性を付与する。水にも良く
溶解するものである。あるいはヒシコーリンPX−2B
(融点:333℃)に替えて、5酸化アンチモン、K4
TiF6 のようなイオン導電性付与物質を樹脂中に混合
する。
【0036】図2は本発明の実施例において連続して2
枚の紙が搬送されている模様を示す断面図である。紙は
(転写材)搬送速度Vで送られている。また定着フィル
(定着部材)の外直径をDとしたときに、紙後端で生
成された定着フィルム上の剥離帯電電荷によるオフセッ
トは、2枚目の紙の先端からπD−Lの位置に発生する
はずである。ここにおいて、Lは紙間(転写材の搬送間
隔)である。しかし、本発明においては、定着フィルム
が一周する間に充分剥離帯電が減衰するため、オフセッ
トは発生しない。この場合の定着フィルムが1周するた
めに要する時間は、D×π/Vで得られる。この時間内
で、剥離帯電で発生した電荷が充分に減衰していれば、
次に来る紙上のトナーに対してフィルムからの電界の影
響がないので、より正確にはニップ幅をwとした場合に
は (D×π−w)/V ・・・(1) で与えられる時間内に減衰することがより好ましい。か
くしてオフセットは発生しない。
【0037】本発明においては、このような減衰特性を
有するように定着フィルムを作る。すなわち、フッ素樹
脂コート中に有機リン塩、5酸化アンチモン、K4 Ti
6のようなイオン導電性を付与する材料を溶解させた
状態で、コート層を焼成させて、定着フィルムとする。
図3は、このような有機リン塩等を溶解させたフッ素樹
脂離型層を有するフィルム表面にコロナ帯電を与えた後
の電位の減衰を測定したものである。無添加のフッ素樹
脂離型層には800Vの帯電がなされるように、条件を
定めた。これに対して、前述のカーボンブラックは初期
の電位を下げるが、減衰は大きくないことが判る。
【0038】一方、有機リン塩等を添加したものは、初
期電位は高いものの、減衰は大きいことが判った。
【0039】具体例 紙搬送速度を50mm/sec、紙間を50mmとし、
定着フィルムとしては、外直径24mmのものを使用
し、40μmのポリイミド基層の上に、約4μmの導電
性プライマー層を付け、その上に、フッ素樹脂層として
PFAとPTFEを3:7の比で配合して、その中に5
酸化アンチモンを固形分比15wt%溶融させたものを
コーティングして用いた。ニップ幅wは4mmになるよ
うに、シリコーンゴム厚3mm、ゴム硬度JIS A
50°、外径20mm、ゴム面長220mmの加圧ロー
ラーを総圧7.5kgで加重した。この構成では、(
xπ−w)/V=71.4/50=1.428 なの
で、1.4秒以内で剥離帯電が充分減衰していれば良
い。剥離帯電電位が400V以下まで下っていれば、オ
フセットは出ないことが実験的に判っており、この場合
には5酸化アンチモンを溶融させたトップコートを有す
る定着フィルムでは充分に剥離帯電が下っており、これ
によってオフセットが防止されていることが認められ
た。
【0040】比較例1 トップコートにカーボンブラック0.7wt%を入れた
場合には、剥離帯電が残りオフセットが生じた。
【0041】比較例2 トップコートにカーボンブラック2.0wt%を入れた
場合には、剥離帯電は少なくなったが、紙から電荷がリ
ークして高湿環境でオフセットが発生した。
【0042】これらのサンプルを用いて電位測定、画像
評価を行った。画像評価を行った装置は、図4に示すよ
うな電子写真方式のプリンターである。感光体6は直径
24mmの負帯電OPC感光体であり、まず帯電ローラ
ー7で650Vに均一帯電され、次にレーザ露光装置8
で画像部をイメージ露光されてその部分が除電される。
現像装置9ではマイナスに帯電された一成分磁性トナー
で反転現象を受ける。現像装置9は非接触ジャンピング
現像方式を用いており、現像スリーブには、500Vの
DC電圧と1600Vpp、1800Hz、矩形のAC
電圧とを重ね合せたものが印加されている。このように
して現像されたトナー像は+2kVを印加された転写ロ
ーラー10によって転写材20上に転写され、定着装置
50に搬送される。転写後の感光体は、クリーニング装
置11で転写後トナーを除去された後次の画像成形に備
えられる。
【0043】実施例2 本実施例では熱ローラー方式の定着装置を用いた例を示
す。本実施例で用いた電子写真方式のプリンターの構成
は実施例1のものと同じであり、定着装置だけが異な
る。用いた熱ローラー方式の定着装置の概略を図5に示
す。加圧ローラー4は実施例1で用いたものと同じであ
るため説明を省略する。定着ローラーの基材12は外径
30mm、肉厚2mm、長さ240mmのアルミシリン
ダーであり、内部に500Wのハロゲンヒータ14を有
する。定着ローラーの基材12内で加圧ローラーとのニ
ップの反対側、すなわち定着ローラーの基材12の中空
内部には接触型のサーミスタ5が配置されており、定着
ローラーの基材12の温度を検知してハロゲンヒーター
の通電を制御している。これによって定着ローラの表面
を190℃に保っている。定着ローラの基材の表面上に
は、PFA/PTFEの表面離型層13を形成してい
る。定着ローラーの基材12は、剛性のあるアルミシリ
ンダーであるため、フィルムの場合のように塗工の際に
バインダーを使って塗膜に柔軟性を持たせる必要がな
く、PFA/PTFEのディスパージョンに抵抗値制御
剤を混合し、焼成を行うことで離型層を形成できる。
【0044】従来は定着ローラーからの転写電荷のリー
クを防止するために、定着ローラーの表面抵抗値は1×
106 Ω・cm□以上である必要があり、カーボンを
0.7重量%分散して所望の抵抗値に調整していた。
【0045】しかしながら、同じ量だけカーボンを添加
しても塗工時の温度、分散状態、塗工液の放置状態、乾
燥時の湿度等で塗膜にした後の抵抗値が大きく変わるこ
とがある。このため製造時の安定性が悪く抵抗値調整が
難しいという問題があった。これは塗工液中のカーボン
の分散状態がいろいろな要因で変化することが原因であ
り、一旦カーボンが凝集してしまうと再び一次粒子にま
で分散することはない。このため本実施例ではカーボン
等のフィラーのように分散性によって抵抗値の変動する
恐れのないイオン導電性の抵抗値制御剤を用いることに
より製造安定性を確保することを特徴としている。
【0046】イオン導電性の材料は塗工液中に分散する
のではなく、イオン的に溶解しているため局在化するこ
となく、特別な混合手段を用いなくてもエントロピーの
低い状態で安定するため、新たに液を調合し直しても濃
度ムラが発生することはない。但し、成膜されて定着フ
ィルムになり、耐久通紙した後もこれらは変質、揮発し
てはならないため、本実施例では融点が定着器の最高使
用温度以上であるようなイオン導電性の材料を用いるこ
とを特徴とする。
【0047】このような材料としては、第1の実施例で
述べた有機リン塩である前記ヒシコーリンの他に5酸化
アンチモン、K4 TiF6 があげられる。
【0048】このような構成でニップ幅を4mmとし、
紙搬送速度を60mm/sec、紙間を50mmとした
場合には、(πD−w)/V=1.50 であるので、
1.5秒以内に剥離電位が400V(これは系によって
異なりうる)以下になれば、オフセットを防止できる。
そして、前述の5酸化アンチモン、K4 TiF6 、有機
リン塩をフッ素樹脂中に混合することにより、これが達
成可能であった。
【0049】なお定着ローラーのアルミニウン芯材は接
地されていることは言うまでもない。
【0050】実施例3 先の実施例においては、紙間には関係無かったが、例え
ばD×π−Wより紙間Lの長い場合には、先の式はこと
なるものになる。
【0051】 D×π−W<L<2D×π−W の場合には、 (2D×π−W)/Vの間に、剥離帯電電位が減衰して
いればよい。一般に、紙間Lを長くすると、減衰時間を
とることができるので、N×D×π−W<L<(N+
1)D×π−Wの場合には、 (N+1)×D×π−W/V ・・・(2) の間に、剥離帯電電位が減衰していればよい。このよう
に、紙間を適宜調整して、定着フィルム表面の帯電減衰
能力との適合を図ることが可能である。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は従来の導
電性粒子を分散させることによる導電性の付与とはこと
なり、イオン導電性の材料をフッ素樹脂中に溶融させる
ことにより、抵抗値を制御するもので、ニップ内での高
い電荷の保持能力とニップ外での高い電位減衰能力の両
立を可能とするものである。これによって、従来のカー
ボンではできなかった剥離帯電によるオフセット防止
と、高湿環境下での紙電荷のリークによるオフセットの
防止の双方を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いたフィルム方式の定着装置の断面
図の1例。
【図2】定着装置内の寸法関係を説明する図。
【図3】フッ素樹脂にカーボンないしイオン導電材を添
加した際の電位減衰を示す図。
【図4】本発明の電子処理装置の断面図。
【図5】本発明を用いた熱ローラー方式の定着装置の断
面図。
【符号の説明】
1 定着フィルム 2 フィルムガイド 3 セラミックヒーター 4 加圧ローラー 5 サーミスタ 6 感光体 7 帯電ローラー 8 レーザ露光装置 9 現像装置 10 転写ローラー 11 クリーニング装置 12 基材 13 表面離型層 14 ハロゲンヒータ 20 転写材 21 トナー 22 定着像 41 加圧ローラー芯金 50 定着装置

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー像を加熱溶融させて転写材に定着
    させる定着方法において、トナー像と接する定着部材表
    面材質が少なくともフッ素樹脂とイオン導電性の電気
    抵抗制御物質からなり、定着部材表面の剥離帯電電位
    が、下記式(1)または(2)で表される時間内に、4
    00V以下に減衰することを特徴とする電子写真定着方
    法。 D×π−W>Lのとき、 (D×π−W)/V………(1) N×D×π−W<L<(N+1) ×D×π−Wのとき、{(N+1)×D×π−W}/V………(2) ここで、Dは定着部材の外直径、Wは転写材のニップ
    幅、Vは転写材の搬送速度、Nは自然数、およびLは転
    写材の搬送間隔である。
  2. 【請求項2】 定着方法がシームレスフィルムとヒータ
    ーからなる加熱装置と弾性を有する加圧ローラーによっ
    実施され、前記シームレスフィルムの表面がフッ素樹
    脂とイオン導電性の電気抵抗制御物質からなることを特
    徴とする請求項1に記載の電子写真定着方法
  3. 【請求項3】 定着方法が、定着ローラーとヒーターか
    らなる加熱装置と弾性を有する加圧ローラーによって
    され、前記定着ローラーの表面がフッ素樹脂とイオン
    導電性の電気抵抗制御物質からなることを特徴とする請
    求項1に記載の電子写真定着方法
  4. 【請求項4】 イオン導電性の電気抵抗制御物質が、有
    機リン酸、5酸化アンチモン、K4 TiF6 のいずれか
    であることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記
    載の電子写真定着方法
  5. 【請求項5】 イオン導電性の電気抵抗値制御物質が定
    着装置の最高使用温度以上の融点を有するものである請
    求項1ないし4項の何れかに記載の電子写真定着方法
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