JP3024794U - 段ボール箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 粘着ラベル等の識別票の剥離時において段ボ
ール箱の表面が損傷せず、繰り返し使用可能な段ボール
箱を提供すること。 【構成】 段ボール製の包装用箱において、その少なく
とも１面に、粘着剤に対して剥離性を有する領域を形成
し、この領域に粘着層を有する識別票を貼合及び剥離可
能にしたことを特徴とする段ボール箱。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、段ボール箱に関し、更に詳しくは各種物品を段ボール箱で包装して 輸送或は保管する場合、送り状等の各種の識別票の貼着及び剥離が容易であり、 これらの識別票の剥離時において段ボール箱の表面が損傷せず、繰り返し使用可 能な段ボール箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、各種物品の包装には、種々の形状の段ボール箱が広く使用されている。 特に近年の宅配便等の普及により、段ボール箱の使用量が急増している。段ボー ル箱を宅配便等に使用する場合には、通常段ボール箱を合成樹脂製テープ等で梱 包するとともに、段ボール箱の上面又は側面に送り主や送り先、その他の詳細を 記載した粘着ラベルが貼着される。 又、各種物品を段ボール箱で包装して、例えば、異なる会社間や異なる工場、 発送センター、処理場、倉庫等の間で輸送又は保管する場合にも、輸送又は保管 における間違いや混乱を回避する目的で、前記と同様な送り状、荷札、名札、バ ーコードラベル等の識別票を貼着している。

【０００３】

【考案が解決しようとしている問題点】

従来の段ボール箱は１回使用された後は、多くの場合に廃棄され、繰り返し使 用されることはむしろ少ない。特に上記の様な粘着ラベル等の粘着層を有する識 別票を貼着したものは、その識別票を剥離する時に、粘着層の粘着力が強すぎる 為に、箱の表面が粘着剤とともに破壊及び剥離され、その外観を著しく損なうと いう問題がある為に、この段ボール箱の再使用は更に困難となっている。

【０００４】 以上の様に段ボール箱を１回の使用で使い捨てにすることは、紙資源の著しい 浪費であり、該浪費が地球規模の自然破壊の原因にもなっている。 従って、本考案の目的は、各種物品を段ボール箱で包装して輸送或は保管する 場合、送り状等の各種の識別票の貼着及び剥離が容易であり、これらの識別票の 剥離時において段ボール箱の表面が損傷せず、繰り返し使用可能な段ボール箱を 提供することである。

【０００５】

【問題点を解決する為の手段】

上記目的は以下の本考案によって達成される。即ち、本考案は、段ボール製の 包装用箱において、その少なくとも１面に、粘着剤に対して剥離性を有する領域 を形成し、この領域に粘着層を有する識別票を貼合及び剥離可能にしたことを特 徴とする段ボール箱である。

【０００６】

【作用】

段ボール箱の少なくとも一面に、粘着剤に対して剥離性を有する領域を形成し ておき、この領域に粘着層を有する識別票を貼合すると、その剥離が容易であり 、且つ段ボール箱の表面を損傷させることがないので、該段ボール箱の繰り返し 再使用が可能となり、ひいては木材資源に対する省資源及び環境保護に通じるこ とになる。

【０００７】

【実施例】

次に図面に示す好ましい実施例を挙げて本考案を更に詳細に説明する。 図１は、本考案の段ボール箱１を組み立てた状態における斜視図であり、この 段ボール箱１の蓋になる上面のほぼ中央には、剥離性ニスを塗布及び乾燥して形 成した粘着ラベル等の識別票貼着領域２が形成されている。この剥離性領域２は １２〜１４ｃｍ×１８〜２２ｃｍのサイズであるが、このサイズは貼着される識 別票のサイズより幾分大きいサイズであればよく、上記以外のサイズであっても よい。 又、図１には段ボール箱１の側面にも剥離性領域２が示されているが、この剥 離性領域２は、必ずしも段ボール箱の複数の面に形成する必要はなく、最低１面 に、好ましくは上面に形成すればよい。

【０００８】 上記の剥離性領域は、段ボール箱の表面に含浸してその紙組織を強化するとと もに、粘着剤に対して剥離性を有する材料から形成され、例えば、好ましい材料 としては、アクリル樹脂、シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、シリコン 変性ポリウレタン樹脂、又は熱硬化性樹脂等を水又は有機溶剤或はそれらの混合 溶剤に溶解又は分散させた剥離性ニスが挙げられ、これらのニスを塗布及び乾燥 して剥離性領域を形成することができる。塗布方法は印刷ロール、グラビアロー ル、スプレー等の任意の方法でよく、塗布方法及び乾燥方法は特に限定されない 。

【０００９】 剥離性ニスの塗布量も特には限定されないが、固形分濃度１０〜５０重量％程 度の剥離性ニスを、固形分基準で約１ｇ〜５０ｇ／ｍ² の量で塗布することが好 ましい。塗布量が少なすぎると、段ボール箱に対するニスの含浸量が多いので満 足する剥離性領域が形成されず、一方、多すぎては経済的に不利である。

【００１０】 図２は、図１の段ボール箱の展開形状３を示したものである。この展開形状３ を点線に沿って折り曲げ、所定の箇所を接着することによって図１に示した段ボ ール箱１に組み立てられる。この図２でも剥離性領域は２箇所示されているが、 前記と同様に剥離性領域は最低１箇所に形成されていればよい。

【００１１】 以上の如き本考案の段ボール箱は、段ボールシートを製造する前段階、製造中 或は製造後において、段ボールシートの所定の箇所に剥離性ニスを連続的に塗布 し、剥離性領域を連続的に形成した後に、該段ボールシートを箱の展開形状に裁 断することが生産性のうえからは好ましいが、需要量が少ない場合には、展開形 状に裁断した後、或は段ボール箱に組み立てた後に剥離性領域を形成してもよい 。 尚、本考案における、粘着層を有する識別票の代表的な例としては、例えば、 送り状、荷札、名札及びバーコードラベル等が挙げられるが、これらと同様な機 能を有するものはいずれも本考案の識別票に含まれる。

【００１２】

【効果】

以上の如き本考案によれば、段ボール箱の少なくとも一面に、粘着剤に対して 剥離性を有する領域を形成しておき、この領域に粘着層を有する識別票を貼合す ると、その剥離が容易であり、且つ段ボール箱の表面を損傷させることがないの で、該段ボール箱の繰り返し再使用が可能となり、ひいては木材資源に対する省 資源及び環境保護に通じることになる。

【００１３】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の段ボール箱を説明する図。

【図２】本発明の段ボール箱の展開形状を説明する図。

【符号の説明】

１：段ボール箱 ２：剥離性領域 ３：展開形状

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 段ボール製の包装用箱において、その少
   なくとも１面に、粘着剤に対して剥離性を有する領域を
   形成し、この領域に粘着層を有する識別票を貼合及び剥
   離可能にしたことを特徴とする段ボール箱。
2. 【請求項２】 剥離性領域が、アクリル樹脂、シリコン
   樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、シリコン変性ポリウ
   レタン樹脂、又は熱硬化性樹脂を含む剥離性ニスを塗布
   及び乾燥して形成されている請求項１に記載の段ボール
   箱。
3. 【請求項３】 識別票が、送り状、荷札、名札又はバー
   コードラベルである請求項１に記載の段ボール箱。
4. 【請求項４】 剥離性ニスの固形分塗布量が１ｇ〜５０
   ｇ／ｍ² である請求項１に記載の段ボール箱。