JP3024572B2 - 燃焼診断装置 - Google Patents

燃焼診断装置

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JP3024572B2
JP3024572B2 JP8280487A JP28048796A JP3024572B2 JP 3024572 B2 JP3024572 B2 JP 3024572B2 JP 8280487 A JP8280487 A JP 8280487A JP 28048796 A JP28048796 A JP 28048796A JP 3024572 B2 JP3024572 B2 JP 3024572B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃焼火炎の電気的特
性より燃焼を診断する燃焼診断装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来この種の燃焼診断装置は、室内燃焼
暖房器などの燃焼装置に設けられており実公昭63−2
2521号公報、実開平5−71654号公報および特
開平8−75147号公報などに記載されているような
ものが一般的であった。この装置は図9に示されている
ようにフレームロッド1をバーナ2の燃焼火炎に接触す
るように配置し、電圧供給手段3によりフレームロッド
1とバーナ2の間に一定の電圧を供給し、電流検出手段
4によりフレームロッド1とバーナ2の間に流れる炎電
流を検出するように構成されていた。一般に燃焼火炎中
には熱電離したイオンや電子が多く存在しており、電圧
が印加されると炎電流が流れる。炎電流は燃焼空気の酸
素濃度などの燃焼条件に大きく依存し、酸素濃度の低下
による不完全燃焼時には炎電流は小さくなる。上記構成
によりフレームロッド1とバーナ2の間に炎電流が流れ
れば着火、流れなければ失火といった燃焼火炎の有無を
検出することができる。また炎電流が予め設定したしき
い値より小さければ不完全燃焼により有毒な一酸化炭素
が発生している可能性があるため異常燃焼とし、燃焼制
御手段5により安全対策として換気を促す警報を発した
り強制的に燃焼を停止させるなどの燃焼制御を行ってい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
燃焼診断装置では、燃焼空気中に整髪料などに含まれる
珪素樹脂すなわち有機シリコーンが存在した場合、フレ
ームロッドやバーナの表面に絶縁性のシリコン酸化物膜
が形成され、フレームロッドとバーナの間に流れる炎電
流が外観上小さくなるため正常燃焼であるにもかかわら
ず異常燃焼であると誤診し、検知不良を起こしてしまう
という問題を有していた。検知不良は使用条件にもよる
がわずか2週間から1ヶ月で起こり、正常燃焼であって
も換気を促す警報を出したり、強制的に燃焼を停止させ
るため、シリコン酸化物膜の形成されたフレームロッド
やバーナをその都度交換する必要があり経済的でないと
いう問題を有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題を解消
するために、燃焼火炎中に配置された正極と負極の間に
電圧を供給した時に流れる炎電流を検出するとともに、
正極と負極の間に挿入したプローブと正極あるいは負極
のうちいずれか一方の電極との間の電位差を検出し、電
位差と電流値から演算した燃焼火炎のインピーダンスを
用いて燃焼を診断するものである。
【0005】上記発明によれば、絶縁性のシリコン酸化
物膜が及ぼす影響の小さい電位差から燃焼火炎自体のイ
ンピーダンスを検出するため、正常燃焼であれば電極間
に流れる炎電流が小さくなっても電極間の電荷粒子の電
位分布は電流との間で一定の相関関係が保たれ燃焼火炎
のインピーダンスは変化せず検知不良を起こすことなく
正確に燃焼を診断することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、燃焼火炎中に配置され
る正極と、負極と、プローブと、前記正極と前記負極の
間に電圧を供給する電圧供給手段と、前記正極と前記負
極の間に流れる炎電流を検出する電流検出手段と、前記
正極と前記プローブの間の電位差を検出する電位差検出
手段と、燃焼火炎のインピーダンスを演算する演算手段
と、燃焼を制御する燃焼制御手段とを有するものであ
る。
【0007】そして、負極の表面に絶縁性のシリコン酸
化物膜が多量に形成され、電極間に流れる炎電流が外観
上小さくなってもシリコン酸化物膜が及ぼす影響の小さ
い正極とプローブの間の電位差から燃焼火炎のインピー
ダンスを検出するので検知不良を起こすことなく正確に
燃焼を診断することができる。
【0008】また、燃焼火炎中に配置される正極と、負
極と、プローブと、前記正極と前記負極の間に電圧を供
給する電圧供給手段と、前記正極と前記負極の間に流れ
る炎電流を検出する電流検出手段と、前記負極と前記プ
ローブの間の電位差を検出する電位差検出手段と、燃焼
火炎のインピーダンスを演算する演算手段と、燃焼を制
御する燃焼制御手段とを有するものである。
【0009】そして、正極の表面に絶縁性のシリコン酸
化物膜が多量に形成され、電極間に流れる炎電流が外観
上小さくなってもシリコン酸化物膜が及ぼす影響の小さ
い負極とプローブの間の電位差から燃焼火炎のインピー
ダンスを検出するので検知不良を起こすことなく正確に
燃焼を診断することができる。
【0010】また、燃焼火炎中に配置される正極と、負
極と、第1のプローブと、第2のプローブと、前記正極
と前記負極の間に電圧を供給する電圧供給手段と、前記
正極と前記負極の間に流れる炎電流を検出する電流検出
手段と、前記第1のプローブと前記第2のプローブの間
の電位差を検出する電位差検出手段と、燃焼火炎のイン
ピーダンスを演算する演算手段と、燃焼を制御する燃焼
制御手段とを有するものである。
【0011】そして、正極および負極の表面に絶縁性の
シリコン酸化物膜が多量に形成され、電極間に流れる炎
電流が外観上小さくなってもシリコン酸化物膜が及ぼす
影響の小さい第1のプローブと第2のプローブの間の電
位差から燃焼火炎のインピーダンスを検出するので検知
不良を起こすことなく正確に燃焼を診断することができ
る。
【0012】また、燃焼火炎中に配置される正極と、負
極と、第1のプローブと、第2のプローブと、前記正極
と前記負極の間に電圧を供給する電圧供給手段と、前記
正極と前記負極の間に流れる炎電流を検出する電流検出
手段と、前記第1のプローブと前記第2のプローブの間
の電位差を検出する第1の電位差検出手段と、前記負極
と前記第2のプローブの間の電位差を検出する第2の電
位差検出手段と、燃焼火炎のインピーダンスを演算する
演算手段と、燃焼を制御する燃焼制御手段とを有するも
のである。
【0013】そして、負極の表面に絶縁性のシリコン酸
化物膜が多量に形成され、電極間に流れる炎電流が外観
上小さくなってもシリコン酸化物膜が及ぼす影響の小さ
い第1のプローブと第2のプローブの間の電位差から燃
焼火炎のインピーダンスを検出するので検知不良を起こ
すことなく正確に燃焼を診断することができ、さらにシ
リコン酸化物膜が形成された負極と第2のプローブの間
の電位差を検出するためシリコン酸化物形成量を検出す
ることができる。
【0014】また、燃焼火炎中に配置される正極と、負
極と、第1のプローブと、第2のプローブと、前記正極
と前記負極の間に電圧を供給する電圧供給手段と、前記
正極と前記負極の間に流れる炎電流を検出する電流検出
手段と、前記第1のプローブと前記第2のプローブの間
の電位差を検出する第1の電位差検出手段と、前記正極
と前記第1のプローブの間の電位差を検出する第3の電
位差検出手段と、燃焼火炎のインピーダンスを演算する
演算手段と、燃焼を制御する燃焼制御手段とを有するも
のである。
【0015】そして、正極の表面に絶縁性のシリコン酸
化物膜が多量に形成され、電極間に流れる炎電流が外観
上小さくなってもシリコン酸化物膜の及ぼす影響の小さ
い第1のプローブと第2のプローブの間の電位差から燃
焼火炎のインピーダンスを検出するので検知不良を起こ
すことなく正確に燃焼を診断することができ、さらに、
シリコン酸化物膜が形成された正極と第2のプローブの
間の電位差を検出するためシリコン酸化物形成量を検出
することができる。
【0016】また、燃焼火炎中に配置される正極と、負
極と、第1のプローブと、第2のプローブと、前記正極
と前記負極の間に電圧を供給する電圧供給手段と、前記
正極と前記負極の間に流れる炎電流を検出する電流検出
手段と、前記第1のプローブと前記第2のプローブの間
の電位差を検出する第1の電位差検出手段と、前記負極
と前記第2のプローブの間の電位差を検出する第2の電
位差検出手段と、前記正極と前記第1のプローブの間の
電位差を検出する第3の電位差検出手段と、燃焼火炎の
インピーダンスを演算する演算手段と、燃焼を制御する
燃焼制御手段とを有するものである。
【0017】そして、正極あるいは負極の表面に絶縁性
のシリコン酸化物膜が多量に形成され、電極間に流れる
炎電流が外観上小さくなっても各電位差検出手段が検出
する第1のプローブと第2のプローブの間の電位差、負
極と第2のプローブの間の電位差および正極と第1のプ
ローブの間の電位差の内、演算手段がシリコン酸化物膜
が及ぼす影響の最も小さいと思われる電位差を選択し燃
焼火炎のインピーダンスを検出するので検知不良を起こ
すことなく正確に燃焼を診断することができる。
【0018】また、燃焼火炎中に配置される正極と、負
極と、3本以上のプローブと、前記正極と前記負極の間
に電圧を供給する電圧供給手段と、前記正極と前記負極
の間に流れる炎電流を検出する電流検出手段と、燃焼条
件に応じ2本のプローブを選択し電位差を検出する電位
差検出手段と、燃焼火炎のインピーダンスを演算する演
算手段と、燃焼を制御する燃焼制御手段とを有するもの
である。
【0019】そして、燃焼条件により燃焼火炎中の荷電
粒子密度が正極または負極のどちらかに偏っていても、
電位差検出手段が燃焼量に応じ予め設定した2本のプロ
ーブを選択し電位差を検出するためより正確に燃焼を診
断することができる。
【0020】また、正極、負極およびプローブを高耐熱
性金属体としたものである。そして、燃焼により高温に
さらされても大きく変形せず、長期間安定した導体とし
て使用できる高耐熱性金属を用いるため安定した燃焼火
炎のインピーダンスを検出することができる。
【0021】以下、本発明の実施例について図面を用い
て説明する。 (実施例1)図1は本発明の実施例1の燃焼診断装置の
要部説明図である。図1において正極6および負極7は
燃焼火炎に接触するように配置されている。3は電圧供
給手段である直流電源であり、正極6と負極7の間に直
流電圧を供給するようになっている。そして電流検出手
段4として電流計が正極6と負極7の間に流れる炎電流
を検出できるように設けられている。本発明の燃焼診断
装置を石油燃焼暖房器具に取り付け、正極6として従来
のフレームロッド、負極7としてバーナヘッドを用いた
場合、電圧供給手段3により正極6と負極7の間に10
ないし30Vの直流電圧を供給すると燃焼量により正極
6と負極7の間に1ないし100μAの炎電流が流れ
る。電圧供給手段3は直流電源としたが交流電源でも同
様に実施できる。また電流検出手段4は電流計としたが
既知抵抗値の抵抗体の両端を電圧計で検出し電流値に換
算する手段でも同様に実施できる。8はプローブであり
正極6と負極7の間の燃焼火炎中に挿入されている。プ
ローブ8は電位差検出手段9である電圧計を介し、正極
6と接続されている。必要に応じ電圧計と並列に既知抵
抗値の抵抗体を接続する。なお、正極6、負極7および
プローブ8はけい素、アルミニウムおよびチタニウムを
微量に含有するステンレスを用いた。この材料は高温の
燃焼火炎に対して安定した導体として使用でき、化学的
にも安定な高耐熱性金属である。またこれらの電極を燃
焼装置などに取り付ける場合は耐熱性のあるセラミック
スなどから成る絶縁体を介して固定することが好まし
い。
【0022】正極6と負極7の間に電圧が供給されると
燃焼火炎中に存在するイオンや電子がそれぞれ電極へ移
動し炎電流が流れる。このとき電極間には電位勾配が生
じ、プローブ8は正極6と負極7の間に存在するいずれ
かの等電位面と接触し、電位を検出する。電位差検出手
段9により正極6とプローブ8の間の電位差を検出し、
演算手段10により電流値および電位差から燃焼火炎の
インピーダンスが求められる。燃焼火炎のインピーダン
スは燃焼量と燃焼空気量に依存し、正常燃焼であれば一
定値を示すが、酸欠などの異常燃焼時には増加する傾向
を示す。演算手段10はさらに燃焼火炎のインピーダン
スを正常燃焼時の標準インピーダンスと比較し、しきい
値内にあればそのまま燃焼を継続し、しきい値を下回れ
ば異常燃焼と診断し、燃焼制御手段5により換気を促す
警報を発したり、強制的に燃焼を停止させるようになっ
ている。さらに炎電流はシリコン酸化物膜が形成されな
ければ従来通り燃焼を診断することができるので、炎電
流と燃焼火炎のインピーダンスを併用して燃焼を診断す
ることにより、確実に燃焼を診断することができる。
【0023】次に作用について説明する。燃焼空気中に
整髪料などに含まれる有機シリコーンが存在すると正極
6、負極7およびプローブ8などに絶縁性のシリコン酸
化物膜が形成される。多量のシリコン酸化物膜が形成さ
れると正常燃焼であっても炎電流は外観上減少する。一
方、電流値と電位差から演算した燃焼火炎自体のインピ
ーダンスはシリコン酸化物膜形成量とほぼ無関係であり
ほとんど変化しない。ただし、シリコン酸化物膜が目詰
まりを起こすぐらい燃焼部に多量に付着した場合、燃焼
状態が変化するため燃焼火炎インピーダンスは変化す
る。シリコン酸化物膜の形成は基礎となる正極6、負極
7およびプローブ8などの表面状態、温度、表面積など
に大きく依存しており、燃焼装置の構成、燃焼条件など
により形成量が異なる場合がある。本実施例1は負極7
に多量のシリコン酸化物膜が形成された場合に効果的で
あり、シリコン酸化物膜の形成により減少する炎電流で
なく正常燃焼であれば一定値を示す燃焼火炎のインピー
ダンスを用いて燃焼を診断するのでシリコン酸化物膜に
よる検知不良による誤報あるいは強制的な燃焼停止など
を減らすことができ、さらに検知不良を起こすまでの時
間を従来に比べ大幅に伸ばすことができ、電極を交換す
るといった手間とコストを大幅に削減することができ
る。
【0024】(実施例2)図2は本発明の実施例2の燃
焼診断装置の要部説明図である。
【0025】実施例1と異なる点はプローブ8を電位差
検出手段9を介し、負極7と接続したところである。な
お実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は
省略する。
【0026】次に作用について説明する。本実施例2は
正極6に多量のシリコン酸化物膜が形成された場合に効
果的であり、炎電流でなく燃焼火炎のインピーダンスを
用いるため燃焼を正確に診断することができる。
【0027】(実施例3)図3は本発明の実施例3の燃
焼診断装置の要部説明図である。
【0028】実施例1と異なる点は正極6と負極7の間
に第1のプローブ11と第2のプローブ12を挿入し、
第1のプローブ11を電位差検出手段9を介し、第2の
プローブ12と接続したところである。なお実施例1と
同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0029】次に動作、作用について説明する。石油燃
焼装置に本発明の燃焼診断装置を取り付け、燃焼量約
2,500kcal/hの正常燃焼におけるシリコン酸
化物膜の形成に伴う従来の炎電流の特性と本実施例3の
第1のプローブ11および第2のプローブ12の間の電
位差から求めた燃焼火炎のインピーダンスの特性につい
て調べた。正極6として従来のフレームロッド、負極7
としてバーナヘッドを使用した。第1のプローブ11お
よび第2のプローブ12は絶縁体を介し、フレームロッ
ド近傍に固定し、その先端をバーナヘッドの燃焼火炎に
接触させた。本来電極部に形成されるシリコン酸化物膜
は整髪料などに含まれる有機シリコーンが燃焼空気中に
混入し、高温のフレームロッドやバーナヘッドなどの電
極上で酸化されシリコン酸化物膜を形成するが、本実施
例3では模擬的かつ加速的にシリコン酸化物膜形成特性
を調べるため、燃料である灯油中にシリコーンオイルを
約200ppm添加したものを用いて実験を行った。フ
レームロッドとバーナヘッド間に電圧供給手段3の直流
電源により約24Vの電圧を供給し、正常灯油中で安定
した炎電流および燃焼火炎インピーダンスを測定した
後、シリコーンオイル添加灯油に切り替え炎電流および
燃焼火炎インピーダンスの経時変化を測定した。炎電流
値を電源電圧値で除したフレームロッド抵抗(Rfr)
と演算手段10により第1のプローブ11と第2のプロ
ーブ12の間の電位差と炎電流値から求めた燃焼火炎の
インピーダンス(R12c)の経時変化を図4に示す。
図4よりシリコン酸化物膜がフレームロッドやバーナヘ
ッド表面に形成されるため時間の経過とともにRfrが
増加し、初期約300kΩであったのに対し約6時間後
約2.7倍の800kΩ近くまで増加することが判る。
このRfrは酸欠などの不完全燃焼時にも増加するため
従来の燃焼診断装置はシリコン酸化物膜が形成された場
合正常燃焼であっても異常燃焼であると誤診し、検知不
良を起こしていた。一方燃焼火炎のインピーダンス(R
12c)は図4よりシリコン酸化物膜の形成量が増加し
ても約2kΩ前後で安定しており従来より確実に燃焼を
診断できることが判る。ここでは200ppmシリコー
ンオイル添加灯油を用いて燃焼量約2,500kcal
/hで約6時間の連続燃焼を行ったが、実際に使用され
る条件を考慮するとシリコーン濃度はもっと低く検知不
良を起こすまでの時間はさらに増加すると考えられる。
本実施例は正極6および負極7の両方に多量のシリコン
酸化物が形成された場合に効果的であり、炎電流でなく
燃焼火炎インピーダンスを用いるので燃焼を正確に診断
することができる。
【0030】(実施例4)図5は本発明の実施例4の燃
焼診断装置の要部説明図である。
【0031】実施例1と異なる点は正極6と負極7の間
に第1のプローブ11と第2のプローブ12を挿入し、
第1のプローブ11を第1の電位差検出手段13を介
し、第2のプローブ12と接続し、第2のプローブ12
を第2の電位差検出手段14を介し、負極7と接続した
ところである。なお実施例1と同一符号のものは同一構
造を有し、説明は省略する。
【0032】次に作用について説明する。本実施例4は
負極7に多量のシリコン酸化物膜が形成された場合に効
果的であり、炎電流でなく燃焼火炎のインピーダンスを
用いるので燃焼を正確に診断することができる。さらに
シリコン酸化物膜が形成された負極7と第2のプローブ
12の間の電位差を検出することによりシリコン酸化物
の形成量を検出することができ、電極の交換時期を告知
することができる。
【0033】(実施例5)図6は本発明の実施例5の燃
焼診断装置の要部断面図である。
【0034】実施例1と異なる点は正極6と負極7の間
に第1のプローブ11と第2のプローブ12を挿入し、
第1のプローブ11を第1の電位差検出手段13を介
し、第2のプローブ12と接続し、さらに第1のプロー
ブ11を第3の電位差検出手段15を介し、正極6と接
続したところである。なお実施例1と同一符号のものは
同一構造を有し、説明は省略する。
【0035】次に作用について説明する。本実施例5は
正極6に多量のシリコン酸化物膜が形成された場合に効
果的であり、炎電流でなく燃焼火炎インピーダンスを用
いるので燃焼を正確に診断することができる。さらにシ
リコン酸化物膜が形成された正極6と第1のプローブ1
1の間の電位差を検出することによりシリコン酸化物の
形成量を検出することができ、電極の交換時期を告知す
ることができる。
【0036】(実施例6)図7は本発明の実施例6の燃
焼診断装置の要部説明図である。
【0037】実施例1と異なる点は正極6と負極7の間
に第1のプローブ11と第2のプローブ12を挿入し、
第1のプローブ11を第1の電位差検出手段13を介
し、第2のプローブ12と接続し、第2のプローブ12
を第2の電位差検出手段14を介し、負極7と接続し、
さらに第1のプローブ11を第3の電位差検出手段15
を介し、正極6と接続したところである。なお実施例1
と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0038】次に作用について説明する。本実施例6は
燃焼装置の構成や燃焼条件により多量のシリコン酸化物
が形成される場所が特定できない場合に効果的であり、
第1、第2、第3の各電位差検出手段13、14、15
により検出する第1のプローブ11と第2のプローブ1
2の間の電位差、負極7と第2のプローブ12の間の電
位差および正極6と第1のプローブ11の間の電位差の
内から、演算手段10により予め設定しておいたそれぞ
れの標準電位差と比較し、シリコン酸化物膜が及ぼす影
響の最も小さいと思われる電位差を選択し、そして燃焼
火炎のインピーダンスを求めるため燃焼をより正確に診
断することができる。
【0039】(実施例7)図8は本発明の実施例7の燃
焼診断装置の要部説明図である。
【0040】実施例1と異なる点は正極6と負極7の間
に3本のプローブ16、17、18を挿入し、電位差検
出手段19が燃焼量に応じ任意の2本のプローブを選択
し、電位差を検出する。プローブの本数は燃焼装置の構
成や燃焼条件に応じ3本以上でもよいが、室内燃焼暖房
器具などに用いる場合、燃焼量範囲、プローブ取付空間
およびコストを考慮すると3本が適当である。なお実施
例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略す
る。
【0041】次に作用について説明する。燃焼装置の構
成や燃焼条件によりイオンや電子の荷電粒子の電位分布
が正極6あるいは負極7の一方に偏っている場合、例え
ば負極7としてバーナヘッドなどを用いたとき燃焼量が
高いと火炎の長さは長く、低いとそれより短いのでプロ
ーブで検出する電位はプローブの配置場所により大きく
依存する。本実施例7はこのような燃焼火炎中の荷電粒
子密度が正極6または負極7のどちらかに偏っている場
合に効果的である。電位差検出手段19が燃焼量に応じ
予め設定していた2本のプローブを選択し電荷粒子の密
度が大きいところの電位差を検出するためより正確に燃
焼を診断することができる。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかのように本発明の
燃焼診断装置によれば、次の効果が得られる。
【0043】負極の表面に絶縁性のシリコン酸化物膜が
多量に形成され、電極間に流れる炎電流が外観上小さく
なってもシリコン酸化物膜が及ぼす影響の小さい正極と
プローブの間の電位差から燃焼火炎のインピーダンスを
検出するので検知不良を起こすことなく正確に燃焼を診
断することができる。
【0044】また、正極の表面に絶縁性のシリコン酸化
物膜が多量に形成され、電極間に流れる炎電流が外観上
小さくなってもシリコン酸化物膜が及ぼす影響の小さい
負極とプローブの間の電位差から燃焼火炎のインピーダ
ンスを検出するので検知不良を起こすことなく正確に燃
焼を診断することができる。
【0045】また、正極および負極の表面に絶縁性のシ
リコン酸化物膜が多量に形成され、電極間に流れる炎電
流が外観上小さくなってもシリコン酸化物膜が及ぼす影
響の小さい第1のプローブと第2のプローブの間の電位
差から燃焼火炎のインピーダンスを検出するので検知不
良を起こすことなく正確に燃焼を診断することができ
る。
【0046】また、負極の表面に絶縁性のシリコン酸化
物膜が多量に形成され、電極間に流れる炎電流が外観上
小さくなってもシリコン酸化物膜が及ぼす影響の小さい
第1のプローブと第2のプローブの間の電位差から燃焼
火炎のインピーダンスを検出するので検知不良を起こす
ことなく正確に燃焼を診断することができる。さらに、
シリコン酸化物膜が形成された負極と第2のプローブの
間の電位差を検出するためシリコン酸化物形成量を検出
することができ、電極の交換時期を告知することができ
る。
【0047】また、正極の表面に絶縁性のシリコン酸化
物膜が多量に形成され、電極間に流れる炎電流が外観上
小さくなってもシリコン酸化物膜が及ぼす影響の小さい
第1のプローブと第2のプローブの間の電位差から燃焼
火炎のインピーダンスを検出するので検知不良を起こす
ことなく正確に燃焼を診断することができる。さらに、
シリコン酸化物膜が形成された正極と第2のプローブの
間の電位差を検出するためシリコン酸化物形成量を検出
することができ、電極の交換時期を告知することができ
る。
【0048】また、正極あるいは負極の表面に絶縁性の
シリコン酸化物膜が多量に形成され、電極間に流れる炎
電流が外観上小さくなっても第1のプローブと第2のプ
ローブの間の電位差、負極と第2のプローブの間の電位
差あるいは正極と第1のプローブの間の電位差の内シリ
コン酸化物膜が及ぼす影響の最も小さい電位差を選択し
燃焼火炎のインピーダンスを検出するので検知不良を起
こすことなく正確に燃焼を診断することができる。
【0049】また、燃焼条件により燃焼火炎中の荷電粒
子密度が正極または負極のどちらかに偏っていても、燃
焼量に応じ2本のプローブを選択し電位差を検出するた
めより正確に燃焼を診断することができる。
【0050】また、正極、負極およびプローブを高耐熱
性金属体としたため、高温の燃焼火炎に対しても安定し
た燃焼火炎のインピーダンスを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における燃焼診断装置の要部
説明図
【図2】本発明の実施例2における燃焼診断装置の要部
説明図
【図3】本発明の実施例3における燃焼診断装置の要部
説明図
【図4】同燃焼診断装置の耐シリコーン特性図
【図5】本発明の実施例4における燃焼診断装置の要部
説明図
【図6】本発明の実施例5における燃焼診断装置の要部
説明図
【図7】本発明の実施例6における燃焼診断装置の要部
説明図
【図8】本発明の実施例7における燃焼診断装置の要部
説明図
【図9】従来の燃焼診断装置の要部説明図
【符号の説明】
3 電圧供給手段 4 電流検出手段 5 燃焼制御手段 6 正極 7 負極 8 プローブ 9、19 電位差検出手段 10 演算手段 11 第1のプローブ 12 第2のプローブ 13 第1の電位差検出手段 14 第2の電位差検出手段 15 第3の電位差検出手段 16、17、18 プローブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 明雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 鶴田 邦弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−83227(JP,A) 特開 昭62−147216(JP,A) 特開 昭62−147217(JP,A) 特開 昭62−255729(JP,A) 実開 昭63−23543(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23N 5/12

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼火炎中に配置される正極と、負極と、
    プローブと、前記正極と前記負極の間に電圧を供給する
    電圧供給手段と、前記正極と前記負極の間に流れる炎電
    流を検出する電流検出手段と、前記正極と前記プローブ
    の間の電位差を検出する電位差検出手段と、燃焼火炎の
    インピーダンスを演算する演算手段と、燃焼を制御する
    燃焼制御手段とを有する燃焼診断装置。
  2. 【請求項2】燃焼火炎中に配置される正極と、負極と、
    プローブと、前記正極と前記負極の間に電圧を供給する
    電圧供給手段と、前記正極と前記負極の間に流れる炎電
    流を検出する電流検出手段と、前記負極と前記プローブ
    の間の電位差を検出する電位差検出手段と、燃焼火炎の
    インピーダンスを演算する演算手段と、燃焼を制御する
    燃焼制御手段とを有する燃焼診断装置。
  3. 【請求項3】燃焼火炎中に配置される正極と、負極と、
    第1のプローブと、第2のプローブと、前記正極と前記
    負極の間に電圧を供給する電圧供給手段と、前記正極と
    前記負極の間に流れる炎電流を検出する電流検出手段
    と、前記第1のプローブと前記第2のプローブの間の電
    位差を検出する電位差検出手段と、燃焼火炎のインピー
    ダンスを演算する演算手段と、燃焼を制御する燃焼制御
    手段とを有する燃焼診断装置。
  4. 【請求項4】燃焼火炎中に配置される正極と、負極と、
    第1のプローブと、第2のプローブと、前記正極と前記
    負極の間に電圧を供給する電圧供給手段と、前記正極と
    前記負極の間に流れる炎電流を検出する電流検出手段
    と、前記第1のプローブと前記第2のプローブの間の電
    位差を検出する第1の電位差検出手段と、前記負極と前
    記第2のプローブの間の電位差を検出する第2の電位差
    検出手段と、燃焼火炎のインピーダンスを演算する演算
    手段と、燃焼を制御する燃焼制御手段とを有する燃焼診
    断装置。
  5. 【請求項5】燃焼火炎中に配置される正極と、負極と、
    第1のプローブと、第2のプローブと、前記正極と前記
    負極の間に電圧を供給する電圧供給手段と、前記正極と
    前記負極の間に流れる炎電流を検出する電流検出手段
    と、前記第1のプローブと前記第2のプローブの間の電
    位差を検出する第1の電位差検出手段と、前記正極と前
    記第1のプローブの間の電位差を検出する第3の電位差
    検出手段と、燃焼火炎のインピーダンスを演算する演算
    手段と、燃焼を制御する燃焼制御手段とを有する燃焼診
    断装置。
  6. 【請求項6】燃焼火炎中に配置される正極と、負極と、
    第1のプローブと、第2のプローブと、前記正極と前記
    負極の間に電圧を供給する電圧供給手段と、前記正極と
    前記負極の間に流れる炎電流を検出する電流検出手段
    と、前記第1のプローブと前記第2のプローブの間の電
    位差を検出する第1の電位差検出手段と、前記負極と前
    記第2のプローブの間の電位差を検出する第2の電位差
    検出手段と、前記正極と前記第1のプローブの間の電位
    差を検出する第3の電位差検出手段と、燃焼火炎のイン
    ピーダンスを演算する演算手段と、燃焼を制御する燃焼
    制御手段とを有する燃焼診断装置。
  7. 【請求項7】燃焼火炎中に配置される正極と、負極と、
    3本以上のプローブと、前記正極と前記負極の間に電圧
    を供給する電圧供給手段と、前記正極と前記負極の間に
    流れる炎電流を検出する電流検出手段と、燃焼条件に応
    じ2本のプローブを選択し電位差を検出する電位差検出
    手段と、燃焼火炎のインピーダンスを演算する演算手段
    と、燃焼を制御する燃焼制御手段とを有する燃焼診断装
    置。
  8. 【請求項8】正極、負極およびプローブを高耐熱性金属
    体とした請求項1ないし7のいずれか1項に記載の燃焼
    診断装置。
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