JP3024438B2 - 内燃機関の蒸発燃料リーク診断装置 - Google Patents

内燃機関の蒸発燃料リーク診断装置

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JP3024438B2
JP3024438B2 JP5153453A JP15345393A JP3024438B2 JP 3024438 B2 JP3024438 B2 JP 3024438B2 JP 5153453 A JP5153453 A JP 5153453A JP 15345393 A JP15345393 A JP 15345393A JP 3024438 B2 JP3024438 B2 JP 3024438B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料タンクに溜まる蒸
発燃料を機関吸気系に供給する系における蒸発燃料のリ
ーク状態を診断するに際し、外気温度に基づいてその誤
診断を防止するようにした蒸発燃料リーク診断装置に
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の燃料タンク等において
気化した蒸発燃料が、大気中に放出され、環境破壊の原
因となることを防止するために、吸着手段(キャニス
タ)に吸着された蒸発燃料を、機関の吸気負圧を利用し
て吸気通路に導くようにした蒸発燃料蒸散防止装置を設
け、これにより、蒸発燃料を吸入空気と共に燃焼室内に
吸入させて燃焼させることで、大気中への蒸発燃料の蒸
散を防止することが提案されている。
【0003】しかしながら、かかる装置において、蒸発
燃料配管の途中にリーク穴や、蒸発燃料配管の接合部に
シール不良部等が生じた場合には、該蒸発燃料を大気中
に蒸散させてしまうこととなり、十分に該装置の効果を
発揮できないことがあった。そこで、本願出願人らは、
特願平4−31507号、特願平4−335859号、
特願平4−337306号等において、燃料タンクから
キャニスタを介して機関吸気系に至る蒸発燃料供給系の
リーク状態を診断するリーク診断装置を提案している。
【0004】かかるリーク診断装置は、キャニスタに設
けられるドレンパイプ(キャニスタ内分離空気の排出
部)にドレンカットバルブ(連通・遮断手段)を介装
し、該ドレンカットバルブを閉弁することにより前記蒸
発燃料供給系と外気との連通を遮断して、当該蒸発燃料
供給系を閉空間とし、当該閉空間内の圧力が蒸発燃料供
給系のリーク状態に応じて変化することを利用して、前
記蒸発燃料供給系のリーク状態を診断するようにしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の蒸発燃料のリーク診断装置では、以下のような問
題があった。すなわち、従来の装置に用いられるドレン
カットバルブは、図3に示すような一般的なドレンカッ
トバルブ3bであって、コントロールモジュールからの
閉弁信号をターミナル37は受けると、コイル32が通電さ
れプランジャ33がスプリング38の付勢力に打ち勝って図
中右方に移動され、当該プランジャ33の図中左方先端に
設けられているバルブ31(例えば、気密性確保のためア
クリロニトリルブタジエンゴム〔NBR〕等のシール材
でシール面が形成されている)が、前記本体30に設けら
れているバルブシート36に押圧されるようになってい
る。これにより、本体30に設けられた流入側開口部34と
排出側開口部35との連通が遮断され、以ってキャニスタ
内部と大気との連通が遮断されて前記蒸発燃料供給系に
閉空間が形成されるのであるが、このとき外気温度が、
例えば−10℃以下である場合には、バルブ31のシール
面の前記NBRが低温硬化するため、前記バルブシート
36との密着性が低下し気密性が低下してしまうことにな
る。
【0006】したがって、かかる気密性が低下した状態
において、従来例のように蒸発燃料供給系に閉空間を形
成し該閉空間内の圧力変化に基づいてリーク診断を行う
と、当該閉空間内の圧力が、前記NBRの気密性不良が
原因であるにも拘わらず、あたかも前記蒸発燃料供給系
にリーク穴が有るかの如く変化することとなり、誤診断
を招く可能性が高かった。
【0007】そこで、前記バルブ31のNBRの低温硬化
温度領域を改善すべく他の特性(耐久性、耐油性等)を
犠牲にして材質変更を行ったり、或いはNBRを強制的
に加温する等して、気密性の低下を防止することも考え
られるが、該気密性低下の問題は、リーク診断時固有の
問題であり、つまりリーク診断時以外は、外気とキャニ
スタは蒸発燃料分離後の空気を外気に排出すべく常に連
通(バルブ31を開弁)させておくものであるため、例え
外気温度が低く前記NBRが低温硬化していたとして
も、何ら問題となることはない。したがって、外気温度
が所定温度以下であり且つリーク診断時という限られた
時だけが問題となるのであって、この限られた時だけの
ために多大な開発工数を掛けて前記処置を施すことは、
製品コストの増大等の面からも望ましいことではない。
【0008】そこで、本発明は、かかる従来の実情に鑑
み、外気温度が前記ドレンカットバルブを形成するシー
ル材が低温硬化して気密性が低下する所定温度以下であ
る場合には、リーク診断の誤診断を防止すべく、リーク
診断を禁止するようにした内燃機関の蒸発燃料リーク診
断装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明は、図1に示すように、燃料タンクの内部に溜ま
る蒸発燃料を吸着手段により一時的に吸着し、所定の機
関運転状態で前記吸着手段を機関の吸気系と連通させ、
機関の吸気負圧によって吸着手段から蒸発燃料を離脱吸
引して吸気系に導き処理するようにした蒸発燃料蒸散防
止装置を備える一方、前記蒸発燃料の離脱吸引時に吸着
手段に外気を導入すると共に、蒸発燃料を一時的に吸着
させたあとの分離空気を吸着手段から外気中に排出する
ために吸着手段に設けられた外気流通部に、外気との連
通・遮断可能にするシール材を有した連通・遮断手段を
備え、当該連通・遮断手段を遮断して前記燃料タンクか
ら吸着手段を介して吸気系に至る蒸発燃料供給系に閉空
間を形成し、当該閉空間内の圧力変化に基づいて前記蒸
発燃料供給系の蒸発燃料のリーク状態を診断するように
した内燃機関の蒸発燃料リーク診断装置において、外気
温度を検出する外気温度検出手段と、該外気温度検出手
段により検出される外気温度が、前記シール材が低温硬
化して気密性が低下する所定温度以下のときには前記リ
ーク状態の診断を禁止するリーク診断禁止手段と、を含
んで構成した。
【0010】また、請求項2に係る発明は、前記外気温
度検出手段は、内燃機関の冷却水温度を検出する冷却水
温度検出手段と、燃料タンク内の燃料温度を検出する燃
料温度検出手段と、前記各温度検出手段により検出され
る機関停止時における冷却水温度と燃料温度との差と、
次の始動時における冷却水温度と燃料温度との差と、に
基づいて、前記次の始動時における冷却水温度と燃料温
度のうち少なくとも一方の温度状態が略安定していると
推定されたときに、前記略安定した一方の温度に基づい
て外気温度を推定する外気温度推定手段と、を含んで構
成した。
【0011】
【0012】
【作用】請求項1に係る発明によれば、前記蒸発燃料リ
ーク診断装置が前記シール材を有する連通・遮断手段を
遮断することにより前記蒸発燃料供給系に閉空間を形成
し、当該閉空間内の圧力変化に基づいて蒸発燃料のリー
ク状態を診断するに際し、前記外気温度検出手段が前記
シール材が低温硬化して気密性が低下する外気温度を検
出したときには、前記リーク診断禁止手段によりリーク
診断を禁止するようにして、前記シール材の気密性の低
下に伴う誤診断を防止する。
【0013】請求項2に係る発明によれば、外気温度検
出手段は、前記冷却水温度検出手段と、前記燃料温度検
出手段と、から検出される機関停止時における冷却水温
度と燃料温度との差と、次の始動時における冷却水温度
と燃料温度との差と、に基づいて、外気温度推定手段に
より、前記次の始動時における冷却水温度と燃料温度の
うち少なくとも一方が時間に対する温度変化量が所定値
以下に略安定する機関停止から次の始動までの放置時間
を推測し、前記推定放置時間が所定時間以上のときに、
前記安定した一定の温度に基づいて外気温度を推定す
る。
【0014】
【0015】
【実施例】以下に、本発明の第1の実施例を添付の図面
に基づき説明する。図2において、燃料タンク1内上方
空間部と燃料注入孔1a内上方空間部とを連通する連通
路1bを配設すると共に、該燃料注入孔1a内上方空間
部に蒸発燃料配管2aの一端部を結合し、該蒸発燃料配
管2aの他端部が蒸発燃料を一時的に吸着するキャニス
タ3に結合されている。前記蒸発燃料配管2aの途中に
は、燃料タンク1からキャニスタ3を介して機関吸気系
10に至る蒸発燃料供給系内の圧力を検出する圧力センサ
6が設けられ、該圧力センサ6の出力信号はコントロー
ルモジュール50に入力される。当該圧力センサ6が、圧
力検出手段を構成する。
【0016】そして、キャニスタ3に蒸発燃料配管2b
の一端部が結合され、他端部が機関の吸気通路10に結合
され、当該蒸発燃料配管2bの機関側にパージカットバ
ルブ4が、キャニスタ3側にパージコントロールバルブ
5が介装されている。前記パージカットバルブ4は、後
述するリーク診断時において、機関吸気系10と蒸発燃料
供給系とを連通・遮断する開閉弁であり、前記パージコ
ントロールバルブ5はキャニスタ3に吸着された蒸発燃
料を機関に吸引(パージ)させる際に、空燃比制御等の
ために開度制御される流量制御弁である。これら各バル
ブは、コントロールモジュール50からの信号に基づき制
御される。
【0017】また、キャニスタ3には、前記蒸発燃料の
パージ時にキャニスタ3に外気を導入すると共に、蒸発
燃料を一時的に吸着させたあとの分離空気をキャニスタ
から外気中に排出するために、外気流通部としてのドレ
ンパイプ3aが設けられると共に、該ドレンパイプ3a
を開閉路する遮断・連通手段としてのドレンカットバル
ブ3bが設けられている。該ドレンカットバルブ3b
は、コントロールモジュール50からの信号に基づいて開
閉制御され、リーク診断時には閉弁するように、それ以
外の運転時(通常運転時及び蒸発燃料パージ時)には開
弁するように制御される。ところで、当該ドレンカット
バルブ3bは、前述した従来例同様のものである(図3
参照)。
【0018】ところで、前記蒸発燃料配管2aに介装さ
れるチェックバルブ7は、燃料タンク1とキャニスタ3
との間に所定圧力で開弁して蒸発燃料をキャニスタ3に
送り、所定圧力未満でキャニスタ3側から燃料タンク1
側への蒸発燃料の逆流を防止して、確実に蒸発燃料をキ
ャニスタ3に吸着させるための逆止弁である。なお、、
当該チェックバルブ7をバイパスするバイパス通路8
と、該バイパス通路8の途中にバイパスバルブ9を備え
て構成し、蒸発燃料のリーク診断時のみバイパスバルブ
9を開弁してチェックバルブ7をバイパスさせた状態で
リーク診断を行ない、チェックバルブ7の開弁圧の影響
を受けリーク診断に誤差が生じるのを排除するようにな
っている。
【0019】なお、燃料タンク1の底部に、燃料の温度
(Tf)を検出する燃料温度センサ20が設けられ、燃料
温度センサ20からの出力信号がコントロールモジュール
50に入力される。当該燃料温度センサ20が、燃料温度検
出手段を構成する。さらに、機関の冷却水温度(Tw)
を検出する水温センサ21が、機関の冷却系路に臨んで設
けられ、該検出信号がコントロールモジュール50に入力
される。当該水温センサ21が、冷却水温度検出手段を構
成する。
【0020】ところで、本実施例では、外気温度(T
a)が所定温度(例えば−10℃)以下のときには、既
に述べたような誤診断を防止すべく蒸発燃料のリーク診
断を行なわないようにするため、外気温度認識装置によ
り外気温度を検出し、当該外気温度に基づいてリーク診
断禁止手段がリーク診断を禁止するか否かを判定するよ
うになっている。
【0021】ここで、外気温度を検出する外気温度検出
手段としての外気温度認識装置について説明する。当該
外気温度認識装置は、機関停止時における燃料温度(T
f)と冷却水温度(Tw)とが所定の温度差を有する場
合に、所定時間放置した結果として、前記温度差が所定
範囲内にまで小さくなった際には、前記燃料温度
(Tf)及び冷却水温度(Tw)が比較的安定状態(時
間に対する温度変化が小さい状態)となることを利用し
て、当該所定時間放置後の略安定した燃料温度(Tf
或いは冷却水温度(Tw)に基づいて、外気温度(T
a)を推定する外気温度推定手段を含んで構成されてい
る。
【0022】次に、前記外気温度推定手段と、前記外気
温度認識装置により認識される外気温度に基づいてリー
ク診断禁止判定を行なうリーク診断禁止手段について、
図4に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、
外気温度(Ta)を認識するに当たっての基準となる温
度は、前述したように、略安定状態の燃料温度(Tf)
或いは冷却水温度(Tw)の何れであっても構わない
が、より略安定状態が速く現れる燃料温度(Tf ) (つ
まり、冷却水温に比較して、燃料温度の方が温度の上昇
幅が少なく、また燃料タンク1が冷却ジャケットのよう
な厚みのある部材により形成されず、然も直接外気と接
する場所に配設されるため、放熱作用が高くより速く略
安定した状態となるためである。)を基準温度とした場
合について説明することにする。
【0023】ステップ1(図では、S1と記してある。
以下、同様)では、燃料温度センサ20、前記水温センサ
21の検出信号がコントロールモジュール50に入力され、
燃料温度(Tf)、冷却水温度(Tw)がモニターされ
る。ステップ2では、図示しないキースイッチからの信
号等に基づいて機関が運転停止(キーOFF)されたこ
とを検知して、その時の燃料温度(Tf1 )と冷却水温
(Tw1 )との温度差ΔTstop(=|Tf1 −Tw
1 |)を、コントロールモジュール50のセルフシャット
までの間に求める。
【0024】ステップ3では、前記温度差ΔTstopが、
所定温度以上(例えば40℃以上)であるか否かを判断
し、所定温度以上(例えば40℃以上)であれば、ステ
ップ4へ進む。なお、前記温度差ΔTstopが40℃未満
であればステップ8へ進み、リーク診断を行なわないよ
うにする。ここで、前記温度差ΔTstopが40℃未満の
場合は、例えば機関が十分に暖機されずに停止された場
合等で、かかる状態においては燃料温度(Tf1 )と冷
却水温(Tw1 )との温度差が元来小さいために、所定
時間放置されずとも、後述するステップ5において、温
度差が所定範囲内であると判断されてしまう可能性が高
く、この状態では燃料温度(Tf1 ) は略安定状態(時
間に対する温度変化が小さい状態)ではないため、該略
安定していない燃料温度(Tf1 )に基づいて外気温度
(Ta)を認識したのでは、誤差が大きくなるため、正
確に外気温度(Ta)を認識することができない。した
がって、外気温度(Ta)が−10℃以下である場合を
完全に排除するために、リーク診断を行なわないように
してある。
【0025】ステップ4では、今回の機関始動時(キー
ON時)における燃料温度(Tf2)と冷却水温(Tw
2 )とから、温度差ΔTstart (=|Tf2 −Tw
2 |)を演算する。ステップ5では、前記温度差ΔTst
art が5℃以下であるか否かを判断する。前記温度差Δ
Tstart が5℃以下であれば、ステップ6へ進む。一
方、前記温度差ΔTstart が5℃より大きければ、ステ
ップ8へ進んで、リーク診断を行なわないようにする。
つまり、前記温度差ΔTstart が5℃より大きい場合に
は、機関が停止していた時間(放置時間)が短く、その
ため燃料温度(Tf2 )が略安定状態とならず、該燃料
温度(Tf2 )を用いて外気温度(Ta)を認識したの
では、正確に外気温度(Ta)を認識することができな
い。したがって、この場合も、前述同様に外気温度(T
a)が−10℃以下である場合を完全に排除すべく、リ
ーク診断を行なわないようになっている。
【0026】ステップ6では、ステップ5で機関が所定
時間放置されて燃料温度(Tf2 )が略安定状態となっ
ていると判断された場合で、現在の燃料温度(Tf2
を検出する。そして、当該燃料温度(Tf2 )が15℃
以上であれば、外気温度(Ta)が−10℃より高いと
判断してステップ7へ進む。一方、現在の燃料温度(T
2 )が15℃より低ければ、外気温度(Ta)が−1
0℃以下であると判断してステップ8へ進み、リーク診
断を禁止する。
【0027】ここで、燃料温度(Tf2 )が15℃より
低いときに、外気温度(Ta)が−10℃以下であると
判断する理由を、以下に説明する。つまり、外気温度
(Ta)を検出する場合に、本来なら、十分に時間が経
過して燃料温度(Tf2 )と冷却水温(Tw2 )とが同
一温度となり尚かつこれらと外気温度(Ta)とが一致
するまで待って、当該外気温度(Ta)と一致した燃料
温度(Tf2 )或いは冷却水温(Tw2 )を外気温度
(Ta)として検出することもできるが、かかる状態と
なるには、燃料タンク1の残存燃料量が多く熱容量が大
きい場合や潜熱等の影響により極めて長時間の放置を必
要とするため、判断機会が失われ全く実用的でない。そ
こで、本実施例では、判断機会を実用的なものとするた
めに、即ち判断機会を多く設けるために、前述したよう
に機関停止後に燃料温度(Tf)或いは冷却水温(T
w)が略安定状態となった段階で、この時の燃料温度
(Tf2 )に基づいて、外気温度(Ta)を推定するよ
うにしているため、実際には燃料温度(Tf2 )と外気
温度(Ta)との間には温度差が存在する。該温度差
は、前述したように燃料タンク1内の残存燃料の熱容量
等に大きく影響されるため、例えば、残存燃料量が多く
熱容量が大きい場合には、外気温度(Ta)が−10℃
以下であっても、燃料温度(Tf2 )が15℃より低い
15℃近傍である場合が存在する。したがって、全ての
条件を考慮して、確実に外気温度(Ta)が−10℃よ
り高いことを判定するためには、燃料温度(Tf2 )が
15℃以上であることを判定する必要があることが、実
験やシミュレーション等により確かめられたためであ
る。
【0028】ステップ7では、ステップ6にて燃料温度
(Tf2)が15℃以上であると判断された場合に、外
気温度(Ta)は確実に−10℃より高いと判断して、
別のルーチンで行なわれる蒸発燃料のリーク診断の実行
を許可する。上記フローを行うコントロールモジュール
50が、リーク診断禁止手段を構成する。なお、上記ステ
ップ1からステップ6が、外気温度推定手段を構成す
る。勿論、本実施例で説明したように、外気温度検出手
段として外気温度認識装置を用いる必要はなく、外気温
度センサ等の直接外気温度を検出するものを用いても構
わない。
【0029】つづいて、蒸発燃料のリーク診断制御につ
いて説明する。前記圧力センサ6の信号は、コントロー
ルモジュール50に入力され、コントロールモジュール50
において、該信号に基づく圧力変化がモニターされ圧力
変化速度(図7における圧力低下速度V1 、及び圧力上
昇速度V1'等)を求めることができるようになってい
る。
【0030】そして、エンジンコントロールモジュール
50の内部メモリには、図6に示すような蒸発燃料のリ
ーク診断用の判定テーブルが記憶されていて、該判定テ
ーブルと前記検出した圧力変化速度とに基づいて、蒸発
燃料のリーク診断ができるようになっている。ところ
で、前記判定テーブルは、リーク量と燃料タンク内に残
存する燃料量とに応じて、圧力低下速度と圧力上昇速度
とが各々特性変化することを利用して設定され、燃料タ
ンク内に残存する燃料量により前記圧力変化速度が影響
を受けるのを排除している。即ち、図7に示す同一のリ
ーク量のときには、燃料タンク内の残存燃料量が多い場
合(実線)には、前記圧力低下速度V1 と圧力上昇速度
1 ’とが共に速く、燃料タンク内の残存燃料量が少な
い場合(破線)には、前記圧力低下速度V2 と圧力上昇
速度V2 ’とが共に遅くなること、および、図8に示す
燃料タンク内に残存する燃料量が同一のときには、リー
ク量が少ない場合(実線)には、圧力低下速度V3 が速
く、圧力上昇速度V3 ’が遅くなり、リーク量が多い場
合(破線)には、その逆に前記圧力低下速度V4 が遅
く、圧力上昇速度V4 ’が速くなるという特性がある。
したがって、圧力低下速度と圧力上昇速度とが求まれ
ば、リーク量を決定できるのでリーク診断の基準となる
リーク量に相当する判定ラインを求め、図6で判定ライ
ンより上側にある領域(基準リーク量より大きいリーク
量を生じる領域)をリーク発生領域として記憶してあ
る。
【0031】更に、前記圧力変化速度は、前記燃料タン
ク内に残存する燃料量による影響の他に、燃料蒸気発生
量(換言すれば燃料蒸気圧力)の影響を大きく受けるた
め、該燃料蒸気圧力の影響を排除するために、コントロ
ールモジュール50では前記検出された燃料温度(Tf )
に基づいて、燃料蒸気発生量を予測検出し、前記判定ラ
インを補正するようになっている。つまり、燃料温度
(Tf ) が高温である場合には、燃料蒸気圧力が高いた
めに、負圧吸引速度が小さくなると同時に圧力上昇速度
が高くなるため、前記判定ラインを図中上側に移動補正
する。また、燃料温度(Tf)が低温の場合には、高温
の場合と逆傾向を示すため、図中下側に移動補正する
図6の破線参照)。
【0032】ここで、コントロールモジュール50が行な
う蒸発燃料のリーク診断制御を、図5に示すフローチャ
ートに基づいて説明する。ステップ10では、所定の機
関運転状態においてパージカットバルブ4を開くことに
より、機関の吸気負圧により、キャニスタ3内に吸着さ
れた蒸発燃料が機関に吸引される。
【0033】ステップ11において、ドレンカットバル
ブ5を閉じ、バイパスバルブ9を開くことにより、蒸発
燃料配管2a、2b、キャニスタ3、燃料タンク1内空
間、で構成される蒸発燃料供給系に機関吸引負圧が導か
れる。ステップ12において、燃料温度センサ20の信
号に基づいて、燃料タンク内の燃料温度(Tf ) を検出
する。
【0034】ステップ13において、圧力センサ6の信
号を基に、図7または図8に示すように前記吸引時の蒸
発燃料配管内の圧力低下速度を検出する。具体的には、
所定の負圧に達するまでの時間でもよい。ステップ14
において、前記圧力低下速度に対するパージカットバル
ブ4を閉じた時に形成される内部空間容積内の圧力上昇
速度と前記燃料温度(Tf ) とに基づいて設定される判
定値を図6に示す前述した判定テーブルより読み出す。
【0035】ステップ15において、パージカットバル
ブ4を閉じる。ステップ16において、図7または図8
に示すように、圧力センサ6の信号を基に前記内部空間
容積内の圧力変化をモニターし、大気圧力に向かう圧力
変化速度(圧力上昇速度)を検出する。ステップ17に
おいて、前記検出された圧力上昇速度が前記圧力低下速
度に対する判定値を越えた場合には、ステップ18へ進
み、蒸発燃料のリークは許容値を越えていると診断し、
前記圧力変化速度が判定値以下の場合には、ステップ1
9へ進み、蒸発燃料のリーク量は許容値以下であると診
断する。
【0036】その後は、ステップ20において、ドレン
カットバルブ5を開弁すると共に、バイパスバルブ9を
閉弁して本フローを終了する。このようにして、かかる
構成を有するリーク診断装置によれば、1個の圧力セン
サ6を用いて前記圧力低下速度と圧力上昇速度とを検出
することにより、燃料タンク内に残存する燃料の量の影
響を排除し、且つ燃料温度センサ20により燃料タンク内
に残存する燃料の燃料温度(Tf ) を検出し、これに応
じて燃料蒸気発生量を予測し、該予測に基づいて判定値
を燃料蒸気圧力分を考慮した値に補正するようになした
ので、燃料残量及び蒸発燃料の蒸気圧力の影響を受けな
い精度の良い蒸発燃料のリーク診断を行なうことができ
る。
【0037】以上説明したように、本実施例によれば、
NBR等のシール材をバルブ31に備えて構成されたドレ
ンカットバルブ3bを閉弁することで燃料タンク1から
キャニスタ3を介して吸気系に至る蒸発燃料供給系に閉
空間を形成し、当該閉空間内の圧力変化に基づいて前記
蒸発燃料供給系の蒸発燃料のリーク状態を診断するリー
ク診断装置において、外気温度を検出し、外気温度が前
記NBRの低温硬化温度より高いときにのみ、リーク診
断を行なうようになしたので、前記ドレンカットバルブ
3bの気密性低下に伴うリーク誤診断を防止することが
できる。
【0038】また、本実施例では、外気温度を検出する
に際し、燃料温度センサ20と水温センサ21とから求まる
燃料温度(Tf)と冷却水温(Tw)とから、外気温度
を推定するようにしたので、別個新たな外気温センサ等
を設ける必要がなく、そのため構成の複雑化を招くこと
なく、以って低コスト化が図れる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、シール材を有する連通・遮断手段を遮断す
ることにより燃料タンクから吸着手段を介して吸気系に
至る蒸発燃料供給系に閉空間を形成し、当該閉空間内の
圧力変化に基づいて前記蒸発燃料供給系の蒸発燃料のリ
ーク状態を診断するに際して、外気温度検出手段により
外気温度を検出し、当該検出された外気温度が前記シー
ル材の低温硬化温度以下の場合には、リーク診断禁止手
段によりリーク診断を禁止するようになしたので、前記
シール材の気密性低下に伴うリーク誤診断を防止するこ
とができる。
【0040】そして、請求項2に係る発明によれば、前
記冷却水温度検出手段と、前記燃料温度検出手段と、か
ら求まる燃料温度と冷却水温度とに基づいて、外気温度
を認識することができるため、外気温度のみを検出する
ための別個独立した外気温度検出手段を設ける必要がな
く、構成を簡略化することができ、製品コストの増大等
を抑制することができる。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】 蒸発燃料リーク診断装置の構成を示すブロッ
ク図。
【図2】 本発明の一実施例にかかる全体構成図
【図3】 ドレンカットバルブ3bの拡大断面図
【図4】 リーク診断禁止判定制御及び外気温度認識制
御を説明するフローチャート
【図5】 リーク診断制御を説明するフローチャート
【図6】 判定テーブルの説明図
【図7】 同じリーク量の時の圧力低下速度と圧力上昇
速度のタイムチャート
【図8】 同じ燃料残存量の時の圧力低下速度と圧力上
昇速度のタイムチャート
【符号の説明】
1 燃料タンク 2a 蒸発燃料配管 2b 蒸発燃料配管 3 キャニスタ 3a ドレンパイプ 3b ドレンカットバルブ 4 パージカットバルブ 5 パージコントロールバルブ 6 圧力センサ 10 機関吸気系 20 燃料温度センサ 21 水温センサ 31 バルブ 50 コントロールモジュール

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料タンクの内部に溜まる蒸発燃料を吸着
    手段により一時的に吸着し、所定の機関運転状態で前記
    吸着手段を機関の吸気系と連通させ、機関の吸気負圧に
    よって吸着手段から蒸発燃料を離脱吸引して吸気系に導
    き処理するようにした蒸発燃料蒸散防止装置を備える一
    方、 前記蒸発燃料の離脱吸引時に吸着手段に外気を導入する
    と共に、蒸発燃料を一時的に吸着させたあとの分離空気
    を吸着手段から外気中に排出するために吸着手段に設け
    られた外気流通部に、外気との連通・遮断可能にするシ
    ール材を有した連通・遮断手段を備え、 当該連通・遮断手段を遮断して前記燃料タンクから吸着
    手段を介して吸気系に至る蒸発燃料供給系に閉空間を形
    成し、当該閉空間内の圧力変化に基づいて前記蒸発燃料
    供給系の蒸発燃料のリーク状態を診断するようにした内
    燃機関の蒸発燃料リーク診断装置において、 外気温度を検出する外気温度検出手段と、 該外気温度検出手段により検出される外気温度が、前記
    シール材が低温硬化して気密性が低下する所定温度以下
    のときには前記リーク状態の診断を禁止するリーク診断
    禁止手段と、 を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の蒸発燃料
    リーク診断装置。
  2. 【請求項2】前記外気温度検出手段は、 内燃機関の冷却水温度を検出する冷却水温度検出手段
    と、 燃料タンク内の燃料温度を検出する燃料温度検出手段
    と、 前記各温度検出手段により検出される機関停止時におけ
    る冷却水温度と燃料温度との差と、次の始動時における
    冷却水温度と燃料温度との差と、に基づいて、前記次の
    始動時における冷却水温度と燃料温度のうち少なくとも
    一方の温度状態が略安定していると推定されたときに、
    前記略安定した一方の温度に基づいて外気温度を推定す
    る外気温度推定手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする請求項1記載の内
    燃機関の蒸発燃料リー ク診断装置
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