JP3023832B2 - 低濃度用アルコールセンサ及びその応用機器 - Google Patents

低濃度用アルコールセンサ及びその応用機器

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JP3023832B2
JP3023832B2 JP7188165A JP18816595A JP3023832B2 JP 3023832 B2 JP3023832 B2 JP 3023832B2 JP 7188165 A JP7188165 A JP 7188165A JP 18816595 A JP18816595 A JP 18816595A JP 3023832 B2 JP3023832 B2 JP 3023832B2
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修宏 山崎
義雄 大野
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株式会社森製作所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低濃度メチルアルコール
を高精度で検出するセンサ及び該センサを組込んでなる
応用機器に関する。
【0002】
【従来の技術】有機物合成の中間体、溶剤又は燃料系と
して使用されるメチルアルコールは、毒性が強いため、
労働安全衛生法、有機溶剤中毒予防規則等では200p
pmを環境許容濃度と定めているが、この規定濃度を正
確にかつ簡単にしかも連続的に計測でき、しかも廉価に
入手できる装置は殆んど身受けられない。
【0003】即ち、ガスクロマトグラフは比較的正確で
はあっても、大型で取扱が面倒であり、かつ高価である
ので誰にでも使用できるものではなく、しかも、連続的
に正確な測定値を得られない点で問題がある。また、半
導体センサは、比較的低濃度の感度はあるが、再現性、
信頼性の点で問題があり、メータ表示が困難である。さ
らに、従来の接触燃焼式のアルコールセンサは、20μ
mPt線を6Vで使用する比較的高感度のものであって
も、200ppmを3mV程度の出力で検出するのがせ
い一杯であり、通常CH3 OH 0.1%雰囲気中で2
〜3mVの出力しかなく殆んど使用されていない。
【0004】本発明者らは、さきに有機溶剤濃度計を提
供しているが、その際トルエン、MEK等の如く比較的
分子燃焼熱が大で、しかも環境基準値の比較的高いもの
は、20μmPt線で6Vタイプのセンサでも十分処理
できた。しかし、メチルアルコールについては十分満足
できる結果が得られなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は叙上の実状に
鑑みてなされたもので、メチルアルコールについて、2
00ppmで10mV以上の出力を有し、また、エチル
アルコールについては100ppmで10mV以上の出
力を有する低濃度用アルコールセンサの開発に鋭意努力
し、遂に所期の目的を達成し得たものである。
【0006】通常の有機溶剤の分子燃焼熱と環境基準濃
度は下記のとおりである。 物質名 分子燃焼熱 環境基準濃度 アセトン 429キロカロリ 200ppm トルエン 957キロカロリ 100ppm MEK 596キロカロリ 200ppm メタノール 158キロカロリ 200ppm これに対し、一般の接触燃焼式ガスセンサにおけるCH
3 OHの感度は a.ブリッジ電圧2Vの40μmPt線の所謂2Vセン
サでは、濃度0.1%で3mVであり0.02%では全
く使用不可能であり、 b.また、ブリッジ電圧3Vの40μmPt線の所謂3
Vセンサでは、濃度0.1%で、4mVが出力するが、
0.02%では全く使用不可能となり、 c.さらに、ブリッジ電圧6Vの20μmPt線の所謂
6Vセンサでは、濃度0.1%で12mV、濃度200
ppmで3mVであるに過ぎなかった。
【0007】本発明は、比抵抗及び温度係数が、従来使
用されているPt線よりも大なるFe−Pd系合金線材
を使用するものである。Fe−Pd線は、耐熱性がPt
線より幾分劣るが、温度−抵抗性が240℃位までは十
分であると思われたので、CH3 OHによる酸化温度に
ついて調査を行った。山中龍雄氏著の「触媒化学の進
歩」によれば、貴金属触媒による無触媒着火温度及び触
媒着火温度並びに完全酸化温度は下記のとおりであると
述べておられる。 物質名 無触媒着火温度 触媒着火温度 完全酸化温度 トルエン 552℃ 160℃ 240℃ キシレン 482℃ 160℃ 270℃ メタノール 464℃ 20℃ 150℃ ブタノール 343℃ 150℃ 250℃ MEK 516℃ 145℃ 300℃ アセトン 650℃ 130℃ 250℃
【0008】
【0009】本発明に係る接触燃焼式センサにあって
は、 ΔV=(ΔR/4R)・Vi, ΔR=k・α・m・Q/c (但し、ΔVはガス感度、ΔRはアルコールがコイルに
触れた場合のコイル抵抗変化値、Rは活性部コイル抵抗
値、Viはブリッジ電圧、kは定着、αは線材の温度係
数、mはガス濃度、Qは分子燃焼熱、cはセンサの熱容
量である。)の理論式が成立する。この式から推定する
と、COの分子燃焼熱Qは68.65kcal,CH3
OHの分子燃焼熱Qは158.4kcalであるから、
COの場合では、500ppmで20〜25mVの感度
を有し、また、C2 5 OHの場合では、500ppm
で46〜57mV,CH3 OHの場合は200ppmで
18〜23mVの感度を有することになる。
【0010】メチルアルコールを使用する職場は比較的
多く存在する。しかし、大抵の場合、大型でかつ高価な
ガスクロマトグラフ等は殆んど使用できず、また、検知
管では、アルコール濃度の連続測定は不可能であり、さ
らに、臭覚では2,000ppm以上でなければその存
在を感覚し得ない。従って、上記の感度が得られるセン
サが提供されれば、僅かの増幅操作により、信頼性の高
い濃度計又は警報器等が製造でき、労働衛生上の安全性
を満足しうるものと思料される。
【0011】
【0012】
【0013】
【実施例】図1は、本発明に係る低濃度用アルコールセ
ンサの回路図、図2はFe−Pd合金線とPt線の温度
−抵抗特性を示すグラフ、図3は本発明に係るセンサの
CH3 OHに対する感度を示すグラフである。
【0014】まず、本センサの製法について説明する。
センサの中核をなす活性部及び補償部のコイルは、10
〜40μmのFe−Pd系合金線であるが、本例では、
ρ0が40〜50μΩcmで、T.C.R(0〜50
℃)600〜7000ppm/℃の30μmFe−Pd
系合金線を、内径0.8〜1.0φで20〜24ターン
のコイルとし、分離型TO−5の如きステムにコイルを
水平に溶接し、コイルの長さを2.5〜3.0mm程度
にして、センサ温度が目的値になるように調節した。つ
いで、エチルアルコール系の有機溶剤でコイルを洗滌
し、乾燥後、電着塗装法でAl2 3 をコイルに付着
し、コイルを絶縁固定する。電着後、ヒビ割れの入らぬ
ように乾燥仕上げる。ついで、400℃位で赤外線加熱
し、樹脂分を分解焼成し除去する。
【0015】活性部となるコイルは、H2 PtCl6
6H2 O(1:10)溶液の0.1ccを先に塗布され
ているAl2 3 上部に塗布し、乾燥後、400℃位の
赤外線スポットを当てて加熱分解しPt−ブラックを生
成する。水洗乾燥して仕上げる。また、金属パラジウム
を強熱して酸化せしめてなるPdOとAl2 3 の樹脂
液を電着させ自然乾燥、真空乾燥を経て、N2 ガス炉中
で焼結後、保護膜を塗着し、エージング後、キャップを
被着して完成する。このほか、ほぼ同様の方法でPtブ
ラックとPdOとの混合物を塗布することができる。い
ずれも良好な結果が得られる。
【0016】補償部となるコイルは、所謂ダミイコイル
であってAl2 3 のみでもよいが、機械的強度をあげ
るために、アルミナゾル又はシリカゲルを塗布乾燥して
仕上げられる。
【0017】でき上った活性部及び補償部のコイルは、
T−R(温度−抵抗)特性の類似したものを組合せて一
対とする。理想的には全く同一なものが好ましいが、現
実には困難であるので、補償部のやや抵抗大なるものを
選択する。このようにして、でき上った活性部及び補償
物の各コイルは、図1に示す如き回路に組入れられる。
活性部Sと補償部Dとは直列に配置され、その対辺にブ
リッジ抵抗r1 ,r2及びr3 が直列に配置される。活
性部1と補償部2との中間点3と、抵抗r3 との間に、
電圧値(mV)が表示される感度計V0 を設け、さら
に、活性部1、補償部2及びブリッジ抵抗r1 ,r2
3 に直流電圧を印加するブリッジ電源Viを配して形
成される。
【0018】上記のアルコールセンサでブリッジ電源6
Vにより、CH3 OHの100ppmでは感度11mV
が得られ、また500ppmでは56mVであった。な
お、センサ温度は155℃であった。エチルアルコール
の場合でも、良好な感度が得られた。センサ温度はCH
3 OHでは、150〜200℃を、また、C2 5 OH
では140〜160℃を設定温度とする。
【0019】図2には、Fe−Pd系合金線とPt線と
の温度−抵抗特性の比較を示すもので、Fe−Pd系合
金線が好ましいことがわかる。
【0020】図3は、CH3 OHにおける感度を示すカ
ーブであり、出力(mV)はガス濃度(ppm)に概ね
比例してあらわれる。
【0021】
【発明の効果】以上の如く、本発明に係る低濃度メチル
アルコール用センサは、活性部及び補償部のいずれのコ
イルにも、Fe−Pd合金線が使用されるので、比抵抗
及び温度係数が従来のPt線等に較べて格段に大とな
り、メチルアルコールに対するセンサ感度が良好であ
り、かつ、コイルの均一性、量産性が優れて製作が容易
なる等、多くの利点を有するものであり、低濃度メチル
アルコールに適用して優れたセンサを形成するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る低濃度用アルコールセンサの回路
図である。
【図2】Fe−Pd合金線とPt線の温度−抵抗特性を
示すグラフである。
【図3】本発明に係るセンサのCH3 OHに対する感度
を示すグラフである。
【符号の説明】
S 活性部 D 補償部 r1 ブリッジ抵抗 r2 ブリッジ抵抗 r3 ブリッジ抵抗 3 中間点 V0 感度計(mV表示) Vi ブリッジ電源

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10〜40μmのFe−Pd合金線に、
    Ptブラック−Al又はPdO−Al或い
    はPtブラック・PdO−Alの触媒を電着して
    なる 接触燃焼式センサであって、140〜160℃を
    設定温度として使用することを特徴とする低濃度用メチ
    ルアルコールセンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のメチルアルコール用セ
    ンサが組込まれる環境許容濃度測定用機器。
JP7188165A 1995-06-30 1995-06-30 低濃度用アルコールセンサ及びその応用機器 Expired - Lifetime JP3023832B2 (ja)

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