JP3023778B2 - 基板加熱によるTiNi形状記憶合金薄膜の製造方法 - Google Patents

基板加熱によるTiNi形状記憶合金薄膜の製造方法

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JP3023778B2 JP10231176A JP23117698A JP3023778B2 JP 3023778 B2 JP3023778 B2 JP 3023778B2 JP 10231176 A JP10231176 A JP 10231176A JP 23117698 A JP23117698 A JP 23117698A JP 3023778 B2 JP3023778 B2 JP 3023778B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波(RF)又
は直流(DC)マグネトロンスパッタリング等のスパッ
タリング法を用いて、CsCl型の結晶構造をもちかつ
清浄度の高いTiNi形状記憶合金薄膜を低温で形成す
ることができる基板加熱によるTiNi形状記憶合金薄
膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に形状記憶合金は、マルテンサイト
(「M」と略称する)変態によって、変形応力を加えた
際に変形歪みが元に戻る現象であるが、そのメカニズム
を以下に簡単に説明する。形状記憶合金を高温のオース
テナイト(「A」と略称する)相から冷却してM変態開
始温度Ms点を通過させると、M変態してA相からM相
となる。逆にこのM相を加熱すると再びA相に戻る。こ
の逆変態する温度は前記Ms点よりもやや高めで、As
点と呼ばれている。外力が加わらないときはこの変態・
逆変態のサイクルによりマクロ的な形状が変化すること
はないが、このM相の形状記憶合金に変形を加えて塑性
変形させ(転位すべりによる変形を起こした場合には元
に戻ることはないので、必然的に転位すべりによる変形
を起こさない範囲となる)、さらにこの塑性変形したM
相を加熱し、上記に述べたようにA相に逆変態させると
(Asがマルテンサイト逆変態開始温度)、結晶間のつ
ながりを保持しながらM相からA相に戻るため、結晶全
体が元に戻り(塑性変形前の形状に戻り)形状が回復す
る。このように形状記憶合金は、加熱・冷却という工程
により形状回復が達成される特異な性質を持っている。
【0003】形状記憶合金の代表的材料としてTiNi
形状記憶合金が挙げられるが、バルク材としてはすでに
実用化されている。単に形状が回復するということを利
用するだけでなく、この温度効果による回復力を利用し
て形状記憶合金を用いた種々のアクチュエータも検討さ
れている。上記において主としてバルク材について述べ
たが、最近では圧電効果を示す強誘電体や磁気ひずみ現
象を利用した磁歪材料等と共に、上記形状記憶合金を薄
膜化し、微小変位制御用のアクチュエータとしての利用
が検討されている[1) G.Yi and M Sayer,Am.Ceram.Bul
l.,70 (1991) 1173. 2) T.Fukuda,H.Hosokai,H.Ohyam
a,H.Kashimoto and F.Arai,Proc.IEEE MEMS'91 Worksho
p,(1991) 210. 3) A.D.Johnson,J.D.Busch,C.A.Ray an
d C.Sloan,Mat.Res.Soc.Symp.Proc. 276 (1992) 151.参
照]。
【0004】上記機能性材料の中でも圧電材料について
は、バルク材として使用する場合に応答性が極めて高い
ので、精密変位制御に有効である。しかし、この圧電材
料をマイクロ化すると変位が小さくなるという欠点を持
っている。この点、TiNi形状記憶合金を用いたアク
チュエータは動作及び発生力が極めて大きく、また形状
回復の安定性も高く、さらに繰り返し機能特性、耐蝕
性、疲労特性にも優れているので、すでにバルク材とし
てはいくつかの用途に使用されており、かつその利用範
囲も拡大しつつある。しかし、形状記憶合金のバルク材
は上記圧電材料とは逆に応答性が低いという欠点があ
り、また特にマイクロアクチュエータとしては、より小
型化等が要求されるので形状記憶合金のバルク材はマイ
クロアクチュエータ用としては必ずしも適合していると
は言い難い。そこで、バルク材に替えて薄膜化すること
により加熱・冷却の応答性を高めてマイクロアクチュエ
ータへの機能を向上させるとともに、より小型化のニー
ズに沿う提案がなされている。しかし、この形状記憶合
金の薄膜化の研究は端緒についたばかりであり、安定し
かつ応答性の高い形状記憶合金薄膜が得られていないの
が現状である。
【0005】このような中で、NiTi形状記憶合金を
スパッタリングにより成膜し、形状記憶特性を調べた例
がある。[4) J.D.Busch 外3名「Shape-memory proper
tiesin Ni-Ti sputter-deposited film」 J.Appl.Phys.
68(12),15 December 1990P. 6224〜6228)、5) 宮崎修
一外1名「形状記憶合金薄膜」金属・1993年3月号
参照]前者は、基板温度を150°Cとして、スパッタ
リングによりNiTi合金のアモルファス(非晶質)膜
を形成し(この段階では形状記憶効果は示さない)、こ
れをさらに550°Cにアニールすることによりバルク
材と同様のNiTi形状記憶合金薄膜を得ることができ
たという報告がなされている。また後者は、高周波(R
F)マグネトロンスパッタリング装置を用いてNiTi
合金薄膜を形成し、この薄膜を剥がして形状記憶特性評
価が行なわれている。スパッタされたままの薄膜は非晶
質であり、形状記憶特性を示さないので、その後に75
6Kの温度以上に加熱する結晶化処理が必要であると記
載されている。そしてこの結晶化処理の後、バルク材と
同様の形状記憶特性を有すると記載されている。
【0006】上記の例にも示す通り、従来は高周波又は
直流マグネトロンスパッタリング等の成膜手段により、
基板を室温に保持又は150°C程度に加熱して、この
基板上に非晶質のNiTi合金薄膜を形成し、次にこれ
をスパッタチャンバーから取出し、NiTi合金の結晶
化温度(500〜550°C)以上の温度で加熱処理
(アニール)して結晶化するというものである。このよ
うな従来の方法により製造したNiTi合金薄膜は形状
記憶効果は示すけれども、配向性のない多結晶薄膜であ
るため、マルテンサイト(M)変態の際の変位量が小さ
く、大きな変位量が要求されるマイクロアクチュエータ
には不十分である。
【0007】また、上記のように成膜したNiTi合金
薄膜をスパッタチャンバーから取出す際には大気に暴露
することになり、薄膜に吸着等により取り込まれた酸素
によって結晶化のための加熱処理の際に酸化が生ずると
いう問題がある。以上のような従来技術においては、単
に形状記憶効果を示すNiTi合金薄膜を作成するとい
うことが課題となっている程度で、実用化できる程度の
大きな変位量をもつ配向性結晶薄膜を得ること、あるい
は基板との関係において基板からの汚染防止あるいはス
パッタリング成膜中に不純物の混入やピンホールのよう
なミクロ欠陥を防止するというような発想に至っていな
いのが現状である。このようなことから、マイクロアク
チュエータに適合するような実用的かつ新しい機能材料
としてのNiTi合金形状記憶薄膜は実現していなかっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、TiNi形
状記憶合金薄膜が膜面内に(110)面配向する膜であ
り、マイクロアクチュエータに適合する大きな変位量を
もつ配向性結晶薄膜を得ることができ、また基板からの
汚染あるいはスパッタリング成膜中に不純物の混入やピ
ンホールのようなミクロ欠陥を抑制し、さらに大気に曝
すことなく清浄度の高いTiNi合金薄膜をスパッタリ
ングにより容易に形成することができる基板加熱による
TiNi形状記憶合金薄膜の製造方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、 1 1000°C以上の融点をもつ金属若しくは合金の
基板又は該金属若しくは合金を成膜した基板を300°
C(300°Cを除く)〜550°Cの温度に保持しな
がらスパッタリングによりTiNi形状記憶合金薄膜を
形成することを特徴とする基板加熱によるTiNi形状
記憶合金薄膜の製造方法 2 1000°C以上の融点をもつ金属若しくは合金が
Pt若しくはその合金又はCu若しくはその合金である
ことを特徴とする上記1記載の基板加熱によるTiNi
形状記憶合金薄膜の製造方法 3 表面にSiO膜を形成したSi基板に、1000
°C以上の融点をもつ金属若しくは合金であるPt若し
くはCu又はこれらの合金を成膜し、該成膜した基板を
250°C〜550°Cの温度に保持しながら、さらに
その上にスパッタリングによりTiNi合金薄膜を形成
することを特徴とする基板加熱によるTiNi形状記憶
合金薄膜の製造方法 4 TiNi形状記憶合金薄膜が膜面内に(110)面
配向する膜であることを特徴とする請求項1〜3のそれ
ぞれに記載の基板加熱によるTiNi形状記憶合金薄膜
の製造方法 5 表面にSiO膜を形成したSi基板を250°C
〜550°Cの温度に保持しながらスパッタリングによ
りTiNi合金薄膜を形成することを特徴とする基板加
熱によるTiNi形状記憶合金薄膜の製造方法 6 TiNi合金薄膜が膜面内に(100)面配向する
膜であることを特徴とする上記5記載の基板加熱による
TiNi形状記憶合金薄膜の製造方法 7 TiNi形状記憶合金薄膜の膜厚が0.1μm〜2
0μmであることを特徴とする上記1〜6のそれぞれに
記載の基板加熱によるTiNi形状記憶合金薄膜の製造
方法 8 基板を250°C〜350°Cの温度に保持しなが
らスパッタリングすることを特徴とする上記3〜7のそ
れぞれに記載の基板加熱によるTiNi形状記憶合金薄
膜の製造方法。 に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、1000°C以上の融
点をもつ金属若しくは合金の基板又は該金属若しくは合
金を成膜した基板の場合には、該基板を300°C(3
00°Cを除く)〜550°Cの温度に保持しながら、
また表面にSiO 膜を形成したSi基板、又は表面に
SiO 膜を形成したSi基板にPt若しくはCu又は
これらの合金を成膜した基板の場合は、該基板を250
°C〜550°Cの温度に保持しながら、スパッタリン
グによりTiNi合金薄膜を形成する。TiNi形状記
憶合金薄膜の厚さは0.1〜50μmとする。形状記憶
合金薄膜としての機能を得るためには0.1μm以上と
する必要がある。薄膜化することにより、バルク材と比
較して温度変化に対応して応答速度が著しく改善され
る。しかし、50μmを超えると応答速度がバルク材と
同程度に低下するので、上記の範囲とする。好ましくは
0.1〜20μmである。TiNi合金(金属間化合
物)は基本的には成分組成が原子比が1:1、すなわち
それぞれ50at%(原子%)であるが、この組成比に
変化を与えることによりM変態温度が上下するという特
性を有する。マルテンサイト逆変態終了温度Af点はN
iが0.1%ずれるだけでも10°C程度も変化するこ
とがあり、TiNi合金のM変態温度は合金の組成によ
って実際上大きく影響を受ける。したがって、Af点が
ばらつくと形状記憶合金としての製品価値がなくなるの
で、組成比すなわちTiNi合金の組成比を正確にコン
トロールすることが必要である。また、Af点は形状記
憶合金の性質を利用した製品の使用目的に応じて設定さ
れるので、それに伴ってTiNi合金の組成も調節する
必要がある。本発明のTiNi合金はTi40〜60a
t%、残部NiであるTiNi形状記憶合金までの組成
を包含するものである。
【0011】基板には通常Si基板を使用する。Si基
板へ直接TiNi形状記憶合金膜を形成した場合にはT
iNi層中にSiが拡散するという問題がある。この拡
散を阻止する方法として、Si(100)基板を熱酸化
させ、表面にSiO層を形成するのが有効である。S
iO層によりTiNi層へのSiの拡散が阻止でき、
SiO層は効果的なバリアとなる。Si基板又はこの
Si基板にさらにSiO層を形成した基板に1000
°C以上の融点をもつ金属若しくは合金の皮膜を形成す
る。特にPt若しくはCu又はこれらの合金皮膜を形成
した基板が有効である。この外に、1000°C以上の
融点をもつ金属としては、例えばCr,Co,Au,F
e,Ni,Ti,Ta,Zr等が使用できる。これらの
成膜はスパッタリング法あるいは蒸着により行なうこと
ができるが、他の成膜法を用いてもよい。基板として1
000°C以上の融点をもつ金属若しくは合金、特にP
t若しくはCu又はこれらの合金等の基板をそのまま使
用できる場合には、直接これらの基板に成膜することが
できる。
【0012】次に、上記のように準備した基板を300
°C(300°Cを除く)〜550°Cの温度又は25
0°C〜550°Cの温度に加熱・保持しながら高周波
(RF)又は直流(DC)マグネトロンスパッタリング
等のスパッタリング法を用いてTiNi合金を基板上に
成膜する。TiNi合金のスパッタリング用ターゲット
材としてはTi−50at.%Ni合金又はTi−52
at.%Ni合金ターゲット等の合金ターゲットを用い
るが、TiとNiを目的の成分に適宜調整したモザイク
ターゲットを使用することもできる。また、前記の合金
ターゲット使用した場合においても、投入電力とArガ
ス圧を変えることにより、±2at.%の組成の調節が
可能である。さらに、このような合金ターゲットを使用
して成分組成を変えるために、ターゲット上にTi又は
Niのチップを載せて簡単に組成を変えることができ
る。このように、TiとNiの成分調整を行なったター
ゲットを使用してTiNi結晶薄膜を形成する。100
0°C以上の融点をもつ金属若しくは合金の基板又は該
金属若しくは合金を成膜した基板の場合に基板の加熱温
度が300°C以下、又は表面にSiO 膜を形成した
Si基板、又は表面にSiO 膜を形成したSi基板に
Pt若しくはCu又はこれらの合金を成膜した基板の場
合に基板の加熱温度が250°C未満であると、良好な
形状記憶特性を示すTiNi結晶薄膜が得られず、また
双方いずれの場合も550°Cを超える高温の基板の加
熱は、真空度の急激な低下により、酸素などの不純物や
ピンホール等の欠陥発生量が増大してこれらの抑制効果
がなくなり、形状記憶効果の劣化をもたらすので、基板
加熱は上記の通り300°C(300°Cを除く)〜5
50°Cの温度又は250°C〜550°Cの範囲とす
ることが必要である。このようにして基板上に得られた
TiNi合金薄膜は全体に渡って、膜面内に(110)
面配向又は(100)面配向したTiNi結晶であり、
B2構造を示すオーステナイト相とマルテンサイト相の
変態挙動を示し、優れた形状記憶特性を有する。すなわ
ちTiNi結晶体における形状記憶効果は、基本的に
(110)面自身の変態と[110]方向への剪断によ
る構造変化に起因するものなので、(110)配向薄膜
は変態によって著しい変位量を示す。これは大きな変位
量が要求されるマイクロアクチュエータに極めて有効で
ある。
【0013】また、以上から明らかなように、従来行な
われていたスパッタリングにより非晶質のNiTi合金
薄膜を形成した後にスパッタチャンバーから取出し、N
iTi合金の結晶化温度(500〜550°C)以上の
温度で加熱処理(アニール)して結晶化するという工程
は必要としない。したがって、成膜したNiTi合金薄
膜をスパッタチャンバーから取出し大気中に暴露する必
要がなく、薄膜に取り込まれた酸素によって結晶化熱処
理の際に酸化が生ずるという問題もなくなり、製造工程
も簡略化されるという優れた特徴を有している。
【0014】一般に、基板を高温に加熱してスパッタリ
ングする場合、スパッタチャンバーの真空度(スパッタ
ガス以外の)が低下するため、バルク材に比べて不純物
やピンホール等の欠陥が多くなり、柱状のTiNi結晶
組織が多孔質になりアクチュエータとしての機能を付与
する際に破断され易くなるという問題がある。このよう
な問題あるため、従来技術では基板を高温に加熱してス
パッタリングするという発想に至らなかった理由の1つ
と考えられる。このように、NiTi合金の結晶薄膜を
形成する場合には上記のような不純物やピンホール等の
欠陥が形状記憶合金の特性に大きく影響を与えるので、
基板の加熱をなるべく下げるように工夫すること、及び
これらの発生を極力低減させることは重要であり、スパ
ッタチャンバー内を清浄化し、不純物やピンホール等し
ないようにスパッタリング条件を最適にコントロールす
る必要がある。
【0015】ここで、先に述べたSi基板又はさらにS
iO層を形成した基板に1000°C以上の融点をも
つ金属若しくは合金の皮膜を形成した基板、特にPt若
しくはCu又はこれらの合金を皮膜形成した基板を使用
した場合には、基板の加熱温度を300°C又はそれ以
下の温度で、全体に渡って膜面内に(110)面配向し
た形状記憶特性を有するTiNi結晶薄膜を得ることが
できる。Ptの薄膜を100〜3000オングストロー
ム厚に形成し、TiNi合金のスパッタリングを実施し
たところ、いずれも基板温度を300°C又はそれ以下
の温度に加熱、すなわち低温化しても(110)面配向
するTiNi結晶薄膜を得ることができた。特に、Pt
膜厚が増大するにしたがってその傾向(低温化の)が顕
著になる。一般に、スパッタリングにより形成される初
期の膜は基板表面の影響を強く受けるが、Pt等の10
00°C以上の融点をもつ金属若しくは合金の基板を加
熱するとスパッタされて来たTiとNi原子の基板表面
での拡散距離が長くなり、より安定したエネルギー状態
を取ろうとするためにTiNi組成比の結晶核を形成
し、かつ表面エネルギーの低いB2の結晶(110)配
向を示すものと考えられる。また、基板表面の欠陥(空
孔や粒界)が多い、すなわち粗い表面で結晶核が形成し
易いという傾向があるが、バルク材はこの結晶核の形成
サイトがより多く、その結果、より低温でTiNi合金
の結晶化が進むものと考えられる。前記のように、Pt
の中間薄膜を3000オングストローム程度まで厚く形
成したものについては表面が粗くなり、次第にバルク材
と同等の表面状態に近付き、低温化すなわち300°C
以下に基板の加熱温度を下げてもなお(110)面配向
したTiNi結晶薄膜が得られるという結果になったと
推測される。このように、基板の選択によって基板をよ
り低温に加熱するだけですみ、不純物やピンホール等の
欠陥が発生しないTiNi結晶薄膜を得ることができる
という優れた特徴を有している。このように結晶化温度
を下げる技術は、組織が均一かつ緻密な膜構造を得るの
に極めて有効である。
【0016】また、上記のようにSiO/Si基板上
に直接作製したTiNi薄膜ではX線回折の結果、(1
00)面が配向していることが分かった。1μm以下の
膜厚、特に0.1μm程度の膜厚では(100)面配向
を示す。一般に膜面の優先配向は成膜初期段階の成膜様
式に大きく左右される。酸化物は表面エネルギーが大き
いため(100)面が配向するものと考えられる。この
ことからSi基板上のSiO層はバリアとしてだけで
なく、TiNi結晶薄膜を得るためにも有効である。
【0017】
【実施例】次に、実施例を示す。TiNi薄膜の結晶性
に及ぼす基板の種類及び基板の加熱温度を種々変えて膜
厚0.1〜20μm範囲のTiNi薄膜を基板上に形成
した。成膜装置としてR.Fマグネトロンスパッタ装置
を使用し、投入電力100〜400W、Arガス圧:
0.2〜2Paの条件で成膜した。
【0018】(実施例1) 基板にSi(100)基板材料を用い、この基板上にT
i−50at.%Ni合金又はTi−52at.%Ni
合金ターゲットを用い、基板温度350°C、450°
C及び550°Cでそれぞれ0.1μmのTiNi薄膜
を形成した。このようにして得たTiNi薄膜の結晶性
を調べるため、室温でのX線回折分析を行なった。この
結果を図1に示す。図1の縦軸はX線回折強度である。
図1から明らかなように、550°Cに基板を加熱した
場合に、TiNi合金の結晶薄膜が得られ、(100)
面が配向しているのが確認された。この(100)面は
500°C以上に基板を加熱した場合に得られることが
分かった。このTiNi結晶薄膜はスパッタチャンバー
内で得られたものであるが、従来のスパッタリング後に
得られた非晶質膜をスパッタチャンバーから取出し、こ
れをさらに加熱結晶化して得たTiNi結晶薄膜と同様
な形状記憶挙動を示した。
【0019】(実施例2) 次に、基板としてSi(100)基板材料を用い、これ
を加熱酸化させてSi基板上にSiO層を形成した
(SiO/Si基板)を使用した。このSiO/S
i基板上に、Ti−50at.%Ni合金又はTi−5
2at.%Ni合金ターゲットを用い、基板温度350
°C、450°C及び550°Cで、それぞれ0.1μ
mのTiNi薄膜を作製した。このようにして得たTi
Ni合金薄膜の結晶性を調べるため実施例1と同様に、
室温でのX線回折分析を行なった。この結果を図2に示
す。図2の縦軸はX線回折強度である。図2から明らか
なように、550°Cに基板を加熱した場合に、TiN
i合金の結晶薄膜が得られ、(100)面が配向してい
るのが確認された。この(100)面は500°C以上
に基板を加熱した場合に得られることが分かった。ま
た、SiO層を形成したSiO/Si基板を使用し
た場合には、1μm以下のTiNi薄膜の場合におい
て、膜面内に(100)面配向する膜を安定して得るこ
とができた。
【0020】(実施例3) 次に、上記実施例2で用いたSiO/Si基板にさら
にPtをスパッタリングにより100オングストローム
の厚さに成膜し、このようにして得たPt/SiO
Si基板をさらに250°C、350°C、450°C
及び550°Cに加熱保持し、これらの上にTi−50
at.%Ni合金又はTi−52at.%Ni合金ター
ゲットを用いて、スパッタリングにより、それぞれ0.
1μmのTiNi合金薄膜を形成した。このようにして
得たTiNi合金薄膜の結晶性を調べるため実施例1と
同様に、室温でのX線回折分析を行なった。この結果を
図3に示す。図3の縦軸はX線回折強度である。図3か
ら明らかなように、基板温度250°Cを除く、350
°C、450°C及び550°Cのそれぞれの温度で膜
面内に(110)面配向したTiNi結晶薄膜が得られ
た。この(110)面配向TiNi結晶薄膜は優れた形
状記憶効果を有する。このように、スパッタリングによ
り非晶質の膜を形成した後に、外部に取り出し結晶化の
ための加熱という工程を経ることなく、基板上に直接
(110)面配向TiNi結晶薄膜を安定して得ること
が可能となった。また、この(110)面配向したTi
Ni結晶薄膜は基板温度をさほど高温に加熱することな
く、すなわち350°Cまで温度を下げてもなお得られ
ているということは重要である。Ptの皮膜がTiNi
合金の結晶化温度を下げる効果があり、先にに述べたよ
うに、基板を高温に加熱してスパッタリングした場合
に、バルク材に比べて不純物やピンホール等の欠陥が多
くなり、また柱状のTiNi結晶組織が多孔質になり易
くアクチュエータとしての機能を付与する際に破断され
るという、従来考えられた問題を一挙に解決できるとい
う著しい効果があることが分かった。
【0021】(参考例) 次に、上記実施例3で示した基板による効果を確認する
ため、Pt基板とCu基板を用い、これらの基板を30
0°Cに加熱し、上記実施例と同様のスパッタリング条
件下でそれぞれ1μmのTiNi合金薄膜を作製した。
この結果を図4に示す。図4の縦軸はX線回折強度であ
る。この図4から明らかなように、Pt基板とCu基板
のいずれの場合も、基板温度300°Cで膜面内に(1
10)面配向したTiNi結晶薄膜が得られた。このよ
うに、Pt基板とCu基板に直接1μmのTiNi合金
薄膜を作製した場合には、さらに300°Cに基板温度
を下げてもなお、(110)面配向したTiNi結晶薄
膜が得られた。この理由は必ずしも明確ではないが、基
板の表面状態が強く影響していると考えられ、これは表
面の特殊条件下でのみ可能であると言える。安定した形
状記憶合金薄膜を形成する場合には、上記温度以上に上
げるのが好ましい。本願においては、このような試験デ
ータがあることを示すに留める。TiNi結晶薄膜を得
るために基板の選択は重要であるが、Pt基板とCu基
板以外に、1000°C以上の融点をもつ金属若しくは
合金(例えばCr,Co,Au,Fe,Ni,Ti,T
a,Zr等)の基板又は該金属若しくは合金を成膜した
基板を使用しても、同様な結果が得られる(ここでの詳
細な記述は省略する)。
【0022】(実施例) 次に、TiNi結晶薄膜の膜厚依存性を調べるために、
Ptを100オングストロームの厚さに成膜したPt/
SiO/Si基板を350°Cに加熱し、上記と同様
のスパッタリング条件下でそれぞれ9μmのTiNi合
金薄膜を作製した。このようにして得たTiNi(9μ
m)/Pt/SiO/Siの積層構造の膜をX線及び
走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察を行なっ
た。この結果を図5(a)及び(b)に示す。図5
(a)のSEMによる断面写真から明らかなように、膜
全体に渡って均一な組織を持ち、膜厚方向に柱状を呈す
る緻密な結晶構造を得ることができた。また、X線分析
の結果、基板(Si)のピーク以外にはTiNi(11
0)ピークのみが見られることから、基板加熱方式によ
って作製したTiNi結晶薄膜は膜面内方向で平行な
(110)配向膜であることが分かる。
【0023】上記実施例5において得たTiNi結晶薄
膜の変態挙動を確認するために、電気抵抗測定(薄膜を
冷却加熱しながら電気抵抗を温度の関数として求める)
を行なった。その結果を図6に示す。図6において、M
sはマルテンサイト変態開始温度、Mfはマルテンサイ
ト変態終了温度、Asはマルテンサイト逆変態開始温度
(オーステナイト変態開始温度)、Afはマルテンサイ
ト逆変態終了温度(オーステナイト変態終了温度)、T
rはR相すなわち菱面体(Rhombohedral)構造の相の変
態温度である。なお、このR相はNiリッチのTiNi
合金において、マルテンサイト変態の前段階の変態とし
て現われる。この相変態に伴って形状変態が生ずるが、
これより低温側で現われるマルテンサイト変態に伴う歪
みの1/10程度である。これから明らかなように、オ
ーステナイトとマルテンサイトとの変態挙動が確認さ
れ、上記基板加熱方式により作製したTiNi結晶薄膜
は形状記憶効果を示すことが確認できた。
【0024】また、上記の実施例においては、TiNi
結晶薄膜を0.1μm、1μm、9μmで実施したが、
0.1μm〜10μmの範囲、さらには10μmを超え
る膜厚においても同様の形状記憶効果を示すTiNi結
晶薄膜が得られる。特に、0.1μm〜10μmの範囲
のTiNi結晶薄膜はマイクロアクチュエータ用材料と
して有効である。さらにまた、条件によっては250°
Cに加熱した基板でも同等の形状記憶効果を示すTiN
i結晶薄膜が得られることが分かった。なお、550°
Cを超える高温の基板の加熱は、真空度の急激な低下に
より、酸素などの不純物やピンホール等の欠陥発生量が
増大してこれらの抑制効果がなくなり、形状記憶効果の
劣化をもたらすので基板加熱の上限は550°Cとする
ことが望ましい。上記実施例に挙げたいくつかの材料は
あくまで一例にすぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲
において、種々変更し得るものである。そして、本発明
はこれらを全て包含するものである。
【0025】
【発明の効果】本発明はTiNi形状記憶合金薄膜が膜
面内に(110)又は(100)面配向する膜であり、
マイクロアクチュエータに適合する大きな変位量をもつ
配向性結晶薄膜を得ることができ、また基板からの汚染
あるいはスパッタリング成膜中に不純物の混入やピンホ
ールのようなミクロ欠陥を抑制し、さらに大気に曝すこ
となく清浄度の高いTiNi合金薄膜をスパッタリング
により容易に形成することができるTiNi形状記憶合
金薄膜の製造方法を提供するものである。本発明は、基
板を300°C(300°Cを除く)〜550°Cの温
度又は条件により250°C〜550°Cの温度に加熱
保持しながらスパッタリングを行うものであり、成膜時
に(110)又は(100)面配向する配向性結晶薄膜
得るため、従来試験的に行なわれていた、基板上に非晶
質のNiTi合金薄膜をスパッタリングにより形成し、
次にこれをスパッタチャンバーから取出し、NiTi合
金の結晶化温度(500〜550°C)以上の温度で加
熱処理(アニール)して結晶化するという工程を必要と
しない。また、このような従来法ではNiTi合金薄膜
が一応の形状記憶効果は示すが、配向性のない多結晶薄
膜であるため、マルテンサイト(M)変態の際の変位量
が小さく、大きな変位量が要求されるマイクロアクチュ
エータには不十分であるというような問題もあったが、
本発明ではマイクロアクチュエータに適合する大きな変
位量をもつ配向性結晶薄膜を再現性よく得ることができ
という優れた特徴を有している。さらにまた、本発明は
1000°C以上の融点をもつ金属若しくは合金の基板
又は該金属若しくは合金を成膜した基板、特にPt若し
くはその合金又はCu若しくはその合金の基板又はこれ
らを成膜した基板を使用することにより、低温の加熱
300°C(300°Cを除く)〜550°C又は
50°C〜550°C)によっても形状記憶特性を有す
る(110)又は(100)面配向した配向性結晶薄膜
を再現性良く製造できるという著しい効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】350°C〜550°C加熱したSi基板上に
成膜したNiTi合金薄膜のX線分析結果を示すグラ
フ。
【図2】350°C〜550°C加熱したSiO2 /S
i基板上に成膜したNiTi合金薄膜のX線分析結果を
示すグラフ。
【図3】250°C〜550°C加熱したPt/SiO
2 /Si基板上に成膜したNiTi合金薄膜のX線分析
結果を示すグラフ。
【図4】300°Cの温度で加熱したPt基板及びCu
基板上に直接成膜したNiTi合金薄膜のX線分析結果
を示すグラフ。
【図5】350°Cの温度で加熱したPt/SiO2
Si基板上に成膜したNiTi合金薄膜の(a)断面S
EM写真と(b)X線分析結果を示すグラフ。
【図6】350°Cの温度で加熱したPt/SiO2
Si基板上に成膜したNiTi合金薄膜の電気抵抗変化
を温度の関数として求めたグラフ。
【符号の説明】
Ms マルテンサイト変態開始温度 Mf マルテンサイト変態終了温度 As マルテンサイト逆変態開始温度(オーステナイト
変態開始温度) Af マルテンサイト逆変態終了温度(オーステナイト
変態終了温度) Tr R相(菱面体構造の相)の変態温度
フロントページの続き (72)発明者 飯島 高志 宮城県仙台市宮城野区苦竹4丁目2番1 号 東北工業技術研究所内 (72)発明者 真田 徳雄 宮城県仙台市宮城野区苦竹4丁目2番1 号 東北工業技術研究所内 (56)参考文献 特開 平6−101021(JP,A) 溶接学会全国大会講演概要、第60集 (1997)p.160−161 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 C22C 19/03 JICSTファイル(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1000°C以上の融点をもつ金属若し
    くは合金の基板又は該金属若しくは合金を成膜した基板
    300°C(300°Cを除く)〜550°Cの温度
    に保持しながらスパッタリングによりTiNi形状記憶
    合金薄膜を形成することを特徴とする基板加熱によるT
    iNi形状記憶合金薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 1000°C以上の融点をもつ金属若し
    くは合金がPt若しくはその合金又はCu若しくはその
    合金であることを特徴とする請求項1記載の基板加熱に
    よるTiNi形状記憶合金薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 表面にSiO膜を形成したSi基板
    に、1000°C以上の融点をもつ金属若しくは合金で
    あるPt若しくはCu又はこれらの合金を成膜し、該成
    膜した基板を250°C〜550°Cの温度に保持しな
    がら、さらにその上にスパッタリングによりTiNi合
    金薄膜を形成することを特徴とする基板加熱によるTi
    Ni形状記憶合金薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 TiNi形状記憶合金薄膜が膜面内に
    (110)面配向する膜であることを特徴とする請求項
    1〜3のそれぞれに記載の基板加熱によるTiNi形状
    記憶合金薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 表面にSiO膜を形成したSi基板を
    250°C〜550°Cの温度に保持しながらスパッタ
    リングによりTiNi合金薄膜を形成することを特徴と
    する基板加熱によるTiNi形状記憶合金薄膜の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 TiNi合金薄膜が膜面内に(100)
    面配向する膜であることを特徴とする請求項5記載の基
    板加熱によるTiNi形状記憶合金薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 TiNi形状記憶合金薄膜の膜厚が0.
    1μm〜20μmであることを特徴とする請求項1〜6
    のそれぞれに記載の基板加熱によるTiNi形状記憶合
    金薄膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 基板を250°C〜350°Cの温度に
    保持しながらスパッタリングすることを特徴とする請求
    項3〜7のそれぞれに記載の基板加熱によるTiNi形
    状記憶合金薄膜の製造方法。
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