JP3023386B2 - 歯質表面処理用アクリル系共重合体およびその用途 - Google Patents

歯質表面処理用アクリル系共重合体およびその用途

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JP3023386B2 JP3060540A JP6054091A JP3023386B2 JP 3023386 B2 JP3023386 B2 JP 3023386B2 JP 3060540 A JP3060540 A JP 3060540A JP 6054091 A JP6054091 A JP 6054091A JP 3023386 B2 JP3023386 B2 JP 3023386B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、優れた親和性を有する歯
質表面処理用アクリル系共重合体およびハイドロキシア
パタイト構造体である歯質の表面処理剤に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来から歯質等のハイドロキシア
パタイト構造物を補修するための修復剤として、(メ
タ)アクリル系硬化性樹脂(アクリリックレジン)が使
用されている。このような用途においては、アクリリッ
クレジンと歯質表面との接着力は、非常に長期間に亘っ
て変化することがなく、しかもこの接着力が高いことが
必要になる。このため、例えば歯質をアクリリックレジ
ンを接着性成分とする修復用樹脂組成物で修復する場合
には、予め歯質表面を酸などのエッチング剤で粗面化し
た後、修復用樹脂組成物を充填する方法が採られてい
る。
【0003】しかしながら、このような粗面化処理に際
して酸などのエッチング剤が被着体の深部にまで浸透す
ることがあり、ハイドロキシアパタイト構造体自体に損
傷を与えることがある。さらにハイドロキシアパタイト
構造体が歯質である場合には、浸透したエッチング剤が
神経を刺激して、修復の際に激痛を伴うことがある。
【0004】このような従来の歯質処理剤の問題点を解
消すべく、本出願人は、歯質表面を粗面化処理すること
なく修復するために、歯質表面の処理剤として歯質表面
に対して結合性を有する基を導入した樹脂を使用するこ
とを提案している(特願昭60ー171024号明細書(特開昭62
-33109号公報)参照)。
【0005】この明細書には、歯質表面に対して結合性
を有する基としてスルホン酸基が導入されてたポリマー
を含有する処理剤が開示されている。具体的には例えば
メチルメタクリレートのようなメタクリル酸エステルと
p-スチレンスルホン酸のようなスルホン酸基含有モノマ
ーとの共重合体をエタノールなどの溶媒に溶解させて共
重合させたポリマーである。このようなポリマーを溶解
している溶液を歯質表面に塗布すると、溶剤が除去され
ることにより、歯質表面にこのポリマーによる処理層が
形成される。この共重合体層(ポリマーによる処理層)
は、スルホン酸基が歯質中のカルシウム成分と結合して
いるため、歯質と非常に強固に接着していると共に、こ
の共重合体がメチルメタクリレートから誘導された繰り
返し単位を有するため、この層上に塗設される(メタ)
アクリル系の硬化性樹脂を主な接着性成分とする歯の充
填材料とも良好な親和性を示す。従って、この処理剤を
使用することにより、歯の充填材料が処理層を介して強
固に歯質と接着されて一体化するため、良好な接着状態
が発現すると共に、この状態が長期間維持される。ま
た、処理剤の分子量が大きいために、歯質深部にまで浸
透しにくく、神経を刺激することも少ない。
【0006】また、本出願人は、このような共重合体を
含有する処理剤を用いた歯質の処理方法の発明に関して
も既に出願している(特願平1-83348号明細書参照)。本
発明者は、こうした背景に基づいて、共重合体中におけ
るスルホン酸基の含有率と接着強度との関係について検
討を重ねた。このような共重合体による処理層では、一
般に、歯質中のカルシウム分とスルホン酸基とが結合し
て処理層と歯質表面との間に接着強度が発現すると考え
られており、従って、処理層と歯質との接着強度は、共
重合体中におけるスルホン酸基の含有率の増加に対して
一定の相関関係をもって高くなることが予想される。従
って、処理層と歯質との接着強度だけを考慮すると、共
重合体中におけるスルホン酸基の含有率は高いことが望
ましい。ところが、この処理層上に充填されて歯質を修
復する修復剤組成物は主成分がメタクリル酸系樹脂であ
り歯質表面に形成された処理層は、この修復剤組成物と
も良好な接着性を有していなければならない。処理層と
修復剤組成物との接着強度は、処理剤と修復剤組成物と
の親和性に起因するところが大きく、この両者の親和性
を発現させるためには、歯質表面処理剤として使用され
る共重合体中のメタクリル酸系の成分単位の含量を一定
以上にする必要がある。
【0007】従って、歯質表面処理剤の組成を決定する
に際しては、処理層と修復剤組成物との親和性を維持で
きるようにメタクリル酸系単量体を使用すると共に、こ
の親和性を維持できる状態で歯質と処理層との接着強度
ができるだけ高くなるように共重合体中のスルホン酸基
の含有率が決定されるのが一般的である。
【0008】さらに、このようなアクリル系共重合体を
歯質処理剤として使用する場合には、水、あるいは水・
アルコールなどと共に使用される。歯質表面をこのよう
な溶液状態で使用される歯質処理剤で処理するに際して
は、均一に処理するほど良好な接着状態を発現させるこ
とができるので、より均一な処理状態を達成するために
は水などの溶媒に上記のようなアクリル系共重合体を完
全に溶解させた溶液を使用するのが有利であると考えら
れている。そして、水あるいは水・アルコール混合溶媒
などに対する上記アクリル系共重合体の溶解度は、共重
合体中におけるスルホン酸基の含有率が高くなるに従っ
て高くなるので、溶解性のよい共重合体溶液を調製する
ためには、共重合体中のスルホン酸基の含有率を高くす
る方法が採られている。そして、本発明者の検討による
と、共重合体中にスルホン酸基を有する繰り返し単位の
含有率がある程度低く(例えば3%溶液において30モ
ル%よりも低く)すると共重合体を含有する溶液が白濁
する傾向が見られ、不溶物が混在する場合もある。この
ような処理液を使用した場合と、共重合体が完全に溶解
して透明な処理液を使用した場合とを比較すると、白濁
した処理液を使用した場合の方が歯質表面の処理がより
均一に行えるとは考えにくいので、透明な溶液が得られ
るように共重合体中におけるスルホン酸基の含有率は、
高めに設定されるのが一般的である。
【0009】上記のような理由から、歯質表面の処理に
使用されるアクリル系共重合体においては、スルホン酸
基を有する繰り返し単位の含有率を高めに設定し、(メ
タ)アクリル系の繰り返し単位の含有率を比較的低く抑
えるのが一般的な組成決定の手法であり、少なくとも歯
質の表面処理用共重合体として、例えば水に白濁した
り、不溶物が混在するような組成のアクリル系共重合体
についてその特性、特に接着強度に関しては、具体的に
は知られていないのが実状である。
【0010】
【発明の目的】本発明は、従来の(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルから誘導される繰り返し単位と、スチレ
ンスルホン酸誘導体から誘導される繰り返し単位とから
なる共重合体のうち、歯質および修復剤組成物の両者に
対して特に優れた接着性を示すアクリル系共重合体およ
びこのアクリル系共重合体を用いた歯質表面処理剤を提
供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】
【0012】本発明の歯質表面処理剤は、エステル基を
構成するアルキル基の炭素原子数が1〜5の範囲内にあ
(メタ)アクリル酸アルキルエステルから誘導される
繰り返し単位と、下記式[II]で表されるスチレンスル
ホン酸誘導体から誘導される繰り返し単位とを85:1
5〜99:1のモル比で有すると共に、該アクリル系共
重合体を3%の含有率で含む水溶液の濁度が20%以上
であるアクリル系共重合体と、水および/またはアルコ
ールとからなることを特徴としている。
【化2】 ただし、上記式[II]において、R 3 は、H + 、アルカリ
金属イオンおよびNH 4 + よりなる群から選ばれるいずれ
かであり、R 4 は、水素原子もしくはメチル基を表す。
本発明の歯質表面処理剤中には、上記アクリル系共重合
体が0.1〜20重量%の範囲内の量で含有されている
ことが好ましい。
【0013】本発明の歯質表面処理用アクリル系共重合
体は、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステルをベー
スとする共重合体であって、スチレンスルホン酸誘導体
から誘導される繰り返し単位の含有率が特定の範囲内に
ある共重合体である。このような組成にすることにより
従来の処理剤の数倍、あるいはそれ以上の接着強度が発
現する。このような接着強度の増加は、従来から考えら
れている接着理論では説明のできないものであり、本発
明の樹脂の組み合わせと含有率とを組み合わせることに
よりはじめて達成できるのである。
【0014】
【発明の具体的説明】次に本発明の歯質表面処理用アク
リル系共重合体および歯質表面処理剤について具体的に
説明する。
【0015】まず本発明の歯質表面処理用アクリル系共
重合体について説明する。本発明の歯質表面処理用アク
リル系共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルから誘導される繰り返し単位とスチレンスルホン酸誘
導体から誘導される繰り返し単位とからなる共重合体で
ある。
【0016】本発明のアクリル系共重合体を形成する
(メタ)アクリル酸アルキルエステルから誘導される繰
り返し単位は、次式[I]で表すことができる。
【0017】
【化1】
【0018】ただし、上記式[I]において、R1は、
水素原子もしくはメチル基である。特にR1は、メチル
基であることが好ましい。また、R2は、通常は炭素原
子数1〜5のアルキル基であり、このようなアルキル基
の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基およびペンチル基を挙げることができる。特にR2
は、メチル基であることが好ましい。
【0019】このような繰り返し単位は、以下に記載す
る式[I-a]で表される化合物から誘導することができ
る。
【0020】
【化2】
【0021】・・・[I-a] ただし、式[I-a]において、R1及びR2は上記式
[I]と同じ意味である。本発明において、式[I-a]
で表される好ましい化合物の例としては、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート
およびペンチル(メタ)アクリレートを挙げることがで
きる。これらのなかでもメチルメタクリレートが特に好
ましい。
【0022】本発明のアクリル系共重合体を形成するス
チレンスルホン酸誘導体から誘導される繰り返し単位は
次式[II]で表すことができる。
【0023】
【化3】
【0024】ただし、上記式[II]において、R3は、
+、アルカリ金属イオン(例;Li+、K+、Na+
ど)、NH 4 + のいずれかを表す。さらに、R4は、水素
原子もしくはメチル基を表す。また、−SO33は、い
ずれの位置に結合してもよいが、例えばビニル基に対し
てパラ位に結合していることが好ましい。
【0025】この繰り返し単位は、例えば次式[II-a]
で表される化合物から誘導することができる。
【0026】
【化4】
【0027】・・・[II-a] ただし、上記式[II-a]において、R3およびR4は前記
[II]と同じ意味である。
【0028】上記式[II-a]で表される化合物の具体的
な例としては、p-スチレンスルホン酸、α-メチルp-ス
チレンスルホン酸、p-スチレンスルホン酸ナトリウム、
α-メチルp-スチレンスルホン酸ナトリウムを挙げるこ
とができる。このような化合物の内、本発明においてp-
スチレンスルホン酸が特に好ましい。
【0029】なお、本発明において、スチレンスルホン
酸誘導体から誘導される繰り返し単位は、上記のように
スルホン酸が予め導入された単量体を共重合させる方法
の他に、スチレンを重合させた後、スルホン酸基等を導
入する方法を利用することもできる。
【0030】本発明のアクリル系共重合体は、上記(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルから誘導される繰り返
し単位と、スチレンスルホン酸誘導体から誘導される繰
り返し単位とを85:15〜99:1のモル比で有して
いる。すなわち、本発明のアクリル系共重合体は、従来
歯質表面処理剤として提案され、具体的に特性などが検
討されていたアクリル系共重合体よりもスルホン酸基の
含有率が低い共重合体である。このようにスルホン酸基
の含有率が低いにも拘らず、本発明の共重合体は従来の
ものよりも格段に高い接着強度を有している。
【0031】例えば、後述の比較例1〜3は、従来から
使用が検討されている組成比のアクリル系共重合体であ
り、これらを使用して歯質との接着力を測定したとこ
ろ、比較例4〜6に示すように、スルホン酸基を有する
繰り返し単位の含有率が30〜40モル%程度で接着強
度の極大値を示す。すなわち、この程度の組成を有する
共重合体は、歯質(ハイドロキシアパタイト構造体)と
スルホン酸基との結合による接着性、および、歯質処理
層と修復剤組成物との親和性のバランスがとれており、
20Kgf/cm2程度の接着強度が発現している。そ
して、スルホン酸基を有する繰り返し単位の含有率を低
下させると、接着強度はわずかながら低下する傾向を示
す。ところが、このスルホン酸基を有する繰り返し単位
の含有率をさらに低下させるとスチレンスルホン酸誘導
体から誘導される繰り返し単位の含有率が15モル%の
時点で接着強度が急激に上昇し始め、実施例1に示すよ
うにスルホン酸基を有する繰り返し単位の濃度が13モ
ル%では80Kgf/cm2程度の接着強度が発現す
る。この接着強度はスチレンスルホン酸誘導体から誘導
される繰り返し単位の含有率が1%までほぼ維持され
る。そして、本発明のアクリル系共重合体においては、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルから誘導される繰
り返し単位と、スチレンスルホン酸誘導体から誘導され
る繰り返し単位とのモル比が85:15〜99:1、特
に86:14〜95:5の範囲内で接着強度が高くな
る。
【0032】上記のような特性を示すアクリル系共重合
体は、通常は数平均分子量が10000以上、多くの場
合105〜108の範囲内にある共重合体である。そし
て、このようなアクリル系共重合体は、水に投入すると
白濁した溶液になる。図1に本発明のアクリル系共重合
体(メタクリル酸メチル(MMA)とスチレンスルホン酸と
の共重合体)を3重量%の含有率で含む25℃の水溶液
の濁度の例を示す。この濁度の測定には12V、50W
のハロゲンランプを装備している測色色差計(日本電色
工業(株)製、Z−Σ80型)を使用した。図1に示す例
から明かなように、共重合体中のスチレンスルホン酸か
ら誘導される繰り返し単位の含有率が30モル%以上
(従ってMMA繰り返し単位の含有率は70モル%以下)
のメタクリル酸メチルを含有する水溶液の濁度は1〜3
%でほぼ一定であるのに対して、スチレンスルホン酸か
ら誘導される繰り返し単位の含有率が低くなるにつれて
濁度は急速に上昇する。そして、3重量%の水溶液の濁
度が10%以上、好ましくは15〜99%、さらに好ま
しくは20〜95%になるようなアクリル系共重合体が
非常に高い接着強度を示す。
【0033】本発明のアクリル系共重合体が上述のよう
に卓越した接着強度を有する理由については明確な理論
は確立されていない。しかしながら、本発明者は、本発
明のアクリル系共重合体が繰り返し単位の種類、スルホ
ン酸基の含有率および特性、さらにこの共重合体が上記
のように水に対して白濁するという現象から以下に示す
ような推論が可能であると考えている。
【0034】すなわち、従来のスルホン酸基を有するア
クリル系共重合体で歯質表面を処理すると、前述のよう
に歯質中のカルシウム分とスルホン酸基とが反応する。
そして、こうして反応することによりアクリル系共重合
体は水に対して不溶になり、歯質表面に水に不溶な処理
層が形成され、この層と歯質との間に接着強度が発現す
る。ところが、このような反応の際に共重合体中に存在
する全てのスルホン酸基が結合しているのではなく、そ
の一部は未反応の状態で残存していると考えられる。従
来のアクリル系共重合体では、スルホン酸基の含有率が
高かったため、必然的に未反応の状態で残存しているス
ルホン酸基の量も多くなる。このような未反応のスルホ
ン酸基はアクリル系共重合体の水に対する親和性を増大
させるため、残存するスルホン酸基によって従来のアク
リル系共重合体から形成された処理層ではその親水性が
増大して処理層の接着強度を低下させるように作用し、
この結果、処理層と歯質との接着強度が一定以上向上し
ない。
【0035】これに対して本発明のアクリル系共重合体
においては、スルホン酸基の含有率を特定の範囲内にす
ることにより共重合体の水に対する溶解性が抑制されて
おり、このアクリル系共重合体自体が既に水に透明に溶
解せずに白濁して分散する。こうした特性を有するアク
リル系共重合体を用いて歯質表面を処理すると、スルホ
ン酸基がカルシウム分と反応して処理層(アクリル系共
重合体)の水に対する溶解度はいっそう低下する。この
ような処理層中にもカルシウム分と結合していない未反
応のスルホン酸基が存在すると考えられ、このスルホン
酸基は浸水性基として作用するが、共重合体全体からみ
れば、この未反応のスルホン酸基は非常に少量であるの
で、処理層(即ち共重合体自体)を親水性にするには到
らない。従って、本発明のアクリル系共重合体を使用す
ることにより、この共重合体により形成される処理層に
おける未反応のスルホン酸基に起因する処理層の親水性
化傾向が有効に防止される。即ち、歯質とアクリル系共
重合体との接着強度は、本質的にスルホン酸基とカルシ
ウム分との結合によって発現するのであり、本発明のア
クリル系共重合体においては、こうして発現した接着強
度が未反応のスルホン酸基によってもたらされる処理層
の親水化によって低減されることがないのである。
【0036】さらに、本発明のアクリル系共重合体で
は、(メタ)アクリル系の成分単位の含有率も高く、さ
らにスルホン酸基を有する繰り返し単位も主鎖の部分で
は(メタ)アクリル系の成分単位と類似の構造を形成す
るため、処理層と修復剤組成物との親和性も良好であ
る。
【0037】従って、本発明の(メタ)アクリル系共重
合体を使用することにより、従来の処理剤では達成する
ことができなかった非常に高い接着強度が発現するので
あると考えられる。
【0038】なお、上記推論は、処理層と歯質との接着
強度がスルホン酸基とカルシウム分との結合により発現
するとして記載したが、この接着強度には、当然に処理
層と歯質との物理的な接着性も寄与しているものと考え
られ、このような物理的な接着性についても、上記の未
反応のスルホン酸基による処理層の親水化は同等に作用
するものと考えられる。
【0039】本発明のアクリル系共重合体は(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルから誘導される繰り返し単位
と、スチレンスルホン酸誘導体から誘導される繰り返し
単位だけから形成されている共重合体であることが好ま
しいが、共重合体の特性を損なわない範囲内であれば他
の単量体が共重合してもよい。
【0040】本発明のアクリル系共重合体をハイドロキ
シアパタイト構造体である歯質の表面処理剤として使用
するに際しては、このアクリル系共重合体を水或いは水
・アルコール混合溶媒に投入して使用する。水・アルコー
ル混合溶媒を使用する場合に、アルコールとしては低級
アルコールが使用できるが、毒性を考慮するとエタノー
ルを使用することが好ましい。この混合溶媒中における
エタノールの濃度は、通常は90重量%以下、好ましく
は50重量%以下である。
【0041】歯質表面処理剤は、処理液中における共重
合体の濃度が通常は0.1〜20重量%、好ましくは
0.5〜15重量%、特に好ましくは、0.7〜12重
量%の範囲内になるように本発明のアクリル系共重合体
を投入することにより調製することができる。こうして
調製されたアクリル系共重合体を含有する処理液中にお
いて、アクリル系共重合体は完全に溶解することはなく
少なくともその一部は分散状態にある。従って、上記の
ような共重合体濃度を有する本発明の処理液の濁度は、
通常は5〜99、多くの場合15〜95の範囲内にな
る。このような濃度の処理液では著しい粘度の上昇など
も見られず、従来の処理液と同様に使用することができ
ると共に、一部のアクリル系共重合体が分散状態にある
にも拘らず、非常に均一な処理層を形成することができ
る。
【0042】さらに、このような歯質表面処理剤には、
金属イオンを含有させてもよい。このような金属イオン
を配合することにより、処理液中におけるアクリル系共
重合体の分散状態が安定化すると共に、このような処理
層上に塗設される修復剤組成物(歯科用コンポジット、
コンポジットレジン)に代表されるアクリリックレジン
との接着性が良好になる傾向がある。このような金属イ
オンとしては、ナトリウムイオンおよびカリウムイオン
などの一価の金属イオンを使用することもできるが、カ
ルシウムイオン、鉄イオン、銅イオン、ニッケルイオ
ン、アルミニウムイオンおよびクロムイオン等の多価金
属イオンを配合することが好ましい。さらに、これらの
多価金属イオンの内でもカルシウムイオン、鉄イオン、
銅イオン、アルミニウムイオンが特に好ましい。
【0043】上記金属イオンを発生させ得る塩、例えば
硫酸塩あるいは塩酸塩などの化合物を処理液に配合する
ことにより、処理液中に上記のような金属イオンを含有
させることができる。
【0044】そして、このような金属イオンは、本発明
のアクリル系共重合体中のスルホン酸基が、通常は50
以下、好ましくは30%以下、特に好ましくは10〜
20%酸の形態で残存するように配合される。
【0045】上記のような歯質表面処理剤を歯質表面に
塗布し、歯質中のカルシウム分とスルホン酸基とを反応
させる。次いで溶媒を除去することにより歯質表面にア
クリル系共重合体からなる処理層が形成される。このよ
うにして形成された処理層上に修復剤組成物(コンポジ
ットレジン)を塗設して硬化させることにより、歯質、
処理層および修復剤組成物(硬化体)が一体化して歯質
が修復される。
【0046】なお、本発明の歯質表面処理剤は、上記の
ように歯質の修復に使用することができるほか、歯質と
同様の組成を有するハイドロキシアパタイト構造体の修
復にも使用することができる。このようなハイドロキシ
アパタイト構造体としては、例えば骨、象牙を挙げるこ
とができる。さらに、本発明の処理剤は、炭酸カルシウ
ムを含む物質(例:方解石、氷州石、霰石、石灰岩、大
理石、白亜、貝殻など)、リン酸カルシウムを含む物質
(例:燐石灰)、硫酸カルシウムを含む石膏などの修復
にも使用することができる。
【0047】
【発明の効果】本発明の歯質表面処理用アクリル系共重
合体は、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステルをベ
ースとする共重合体であって、スチレンスルホン酸誘導
体から誘導される繰り返し単位の含有率が特定の範囲内
にある共重合体である。このように共重合体中における
スルホン酸基の含有率を特定することにより、従来の処
理剤の数倍、あるいはそれ以上の接着強度が発現する。
このような接着強度の増加は、従来から考えられている
接着理論では説明のできないものであり、本発明の樹脂
の組み合わせと含有率とを組み合わせることによりはじ
めて達成できるのである。
【0048】
【実施例】次に本発明を実施例を示して具体的に説明す
るが本発明は、これら実施例によって限定的に解釈され
るべきではない。
【0049】
【実施例1】[アクリル系共重合体(A)の合成] メタクリル酸メチル36.0g(0.36モル)とp-ス
チレンスルホン酸ナトリウム8.3g(0.04モル)
とを520mlの水・エタノール混合溶液(混合重量比=
10:1.0)溶媒中でアゾビスイソブロニトリル
0.6g(1重量%/モノマー)の存在下に70℃で1
7時間反応させた。この反応液を多量のアセトン中に投
じ、ポリマーを析出させた。これを減圧下で乾燥した。
得られたポリマーを水に溶解して5%溶液とし、1.5
Kgのイオン交換樹脂(アンバーライト IR-118、オルガ
ン社製)を充填したカラムに通して脱塩し、水を留去し
てアクリル系共重合体(A)を得た。
【0050】得られたポリマーを分子量既知のポリスチ
レンを標準試料としてGPCを用いて分析した。この結
果このポリマーの数平均分子量は105以上であり、メ
タクリル酸メチルから誘導される繰り返し単位とスチレ
ンスルホン酸から誘導される繰り返し単位との共重合モ
ル比は元素分析法によるイオウの定量値から計算すると
87:13であった。
【0051】得られたアクリル系共重合体を3重量%の
濃度で水25℃に分散させた水溶液の濁度は90.9%
であった。組成および特性を第1表に示す
【0052】
【実施例2】 [アクリル系共重合体(B)の合成]上記実施例1にお
けるアクリル系共重合体(A)の合成において、メタク
リル酸メチルの使用量を72.1g(0.72モル)、
p-スチレンスルホン酸ナトリウムの使用量を16.5g
(0.088モル)に変えた以外は同様にしてポリマー
を調製した。
【0053】ポリマーの数平均分子量は105以上であ
り、メタクリル酸メチルから誘導される繰り返し単位と
スチレンスルホン酸から誘導される繰り返し単位との共
重合モル比は元素分析法により91:9であった。
【0054】このアクリル系共重合体について実施例1
と同様にして測定した濁度は89.0%であった。組成
および特性を第1表に示す
【0055】
【比較例1】 [アクリル系共重合体(C)の合成]上記実施例1にお
けるアクリル系共重合体(A)の合成において、メタク
リル酸メチルの使用量を11.3g(0.11モル)、
p-スチレンスルホン酸ナトリウムの使用量を23.2g
(0.11モル)に変えた以外は同様にしてポリマーを
調製した。
【0056】ポリマーの数平均分子量は105以上であ
り、メタクリル酸メチルから誘導される繰り返し単位と
スチレンスルホン酸から誘導される繰り返し単位との共
重合モル比は元素分析法により53:47であった。
【0057】このアクリル系共重合体について実施例1
と同様にして測定した濁度は1.0%であった。組成お
よび特性を第1表に示す
【0058】
【比較例2】 [アクリル系共重合体(D)の合成]上記実施例1にお
けるアクリル系共重合体(A)の合成において、メタク
リル酸メチルの使用量を21.0g(0.21モル)、
p-スチレンスルホン酸ナトリウムの使用量を18.6g
(0.09モル)に変えた以外は同様にしてポリマーを
調製した。
【0059】ポリマーの数平均分子量は105以上であ
り、メタクリル酸メチルから誘導される繰り返し単位と
スチレンスルホン酸から誘導される繰り返し単位との共
重合モル比は元素分析法により67:33であった。
【0060】このアクリル系共重合体について実施例1
と同様にして測定した濁度は7.5であった。組成およ
び特性を第1表に示す
【0061】
【比較例3】 [アクリル系共重合体(E)の合成]上記実施例1にお
けるアクリル系共重合体(A)の合成において、メタク
リル酸メチルの使用量を60g(0.6モル)、p-スチ
レンスルホン酸ナトリウムの使用量を27.6g(0.
15モル)に変えた以外は同様にしてポリマーを調製し
た。
【0062】ポリマーの数平均分子量は105以上であ
り、メタクリル酸メチルから誘導される繰り返し単位と
スチレンスルホン酸から誘導される繰り返し単位の共重
合モル比は元素分析法により81:19であった。
【0063】このアクリル系共重合体について実施例1
と同様にして測定した濁度は5.7%であった。組成お
よび特性を第1表に示す
【0064】
【実施例3】上記のようにして得られたアクリル系共重
合体(A)10gと90gの水とを混合して歯質表面処
理液(A-1)を調製した。
【0065】このようにして調製された歯質表面処理液
(A-1)の濁度は90.3であった。 新鮮ウシ抜去歯
を注水下で耐水エメリー紙#600で象牙質に達するまで研
削し、上記のようにして調製した歯質表面処理液(A-
1)40ミリリットルを塗布した。60秒後に充分水洗
いすることによってウシ抜去歯表面に水に不溶な処理層
が形成された。
【0066】次いでこの処理層が形成されたウシ抜去歯
を圧縮空気でブローして乾燥した後、直径5.4mmの穴の
あいた両面テープで処理層表面の面積を規定し、トリエ
チレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)とカンフ
ァーキノン(CQ)とN-フェニルグリシン(NPG)からな
る光硬化性レジン(TEGDMA/CQ/NPG=99/0.5/
0.5)を10μリットル塗布し、60秒間トランスル
クス(Kulzer製)で光照射した。ここに内径6mm、高さ
1mmのアクリルレングをのせ、歯科用コンポットレジ
ン Silux Plus(住友3M社製)を充填し、再び60秒
間光照射した。この上に金属ステンレス(SUS 30
4)の棒をそれぞれ市販のスーパーボンド(サンメディ
カル(株)製)を使用して接着させた。
【0067】こうして金属が接着されたウシ抜去歯を3
7℃水中に24時間浸漬した後、オートグラフTM((株)
島津制作所製)を用いてクロスヘッスピード2mm/mi
nで接着強度を測定した。
【0068】この結果、光硬化性レジンとウシ抜去歯
(象牙質)との間の接着強度は82.3±27.3Kg
/cm2であった。接着強度および濁度を第2表に示
す。
【0069】
【実施例4】実施例3において、アクリル系共重合体
(A)の代わりに、実施例2で調製したアクリル系共重
合体(B)を使用した以外は同様にして歯質表面処理剤
(B-1)を調製した。
【0070】こうして調製された歯質表面処理液(B-
1)の濁度は91.2%であった。この歯質表面処理液
(B-1)を用いた以外は実施例3と同様に処理し、接着
強度を測定した。
【0071】この結果、光硬化性レジンとウシ抜去歯
(象牙質)との間の接着強度は83.7±21.5Kg
/cm2であった。接着強度および濁度を第2表に示
す。
【0072】
【比較例4】実施例3において、アクリル系共重合体
(A)の代わりに、比較例1で調製したアクリル系共重
合体(C)を使用した以外は同様にして歯質表面処理剤
(C-1)を調製した。
【0073】このようにして調製された歯質表面処理液
(C-1)の濁度は4.5%であった。 この歯質表面処
理液(C-1)を用いた以外は実施例3と同様に処理し、
接着強度を測定した。
【0074】この結果、光硬化性レジンとウシ抜去歯
(象牙質)との間の接着強度は8.2±3.6Kg/c
2であった。接着強度および濁度を第2表に示す。
【0075】
【比較例5】実施例3において、アクリル系共重合体
(A)の代わりに、比較例2で調製したアクリル系共重
合体(D)を使用した以外は同様にして歯質表面処理剤
(D-1)を調製した。
【0076】こうして調製された歯質表面処理液(D-
1)の濁度は19.2%であった。この歯質表面処理液
(D-1)を用いた以外は実施例3と同様に処理し、接着
強度を測定した。
【0077】この結果、光硬化性レジンとウシ抜去歯
(象牙質)との間の接着強度は13.8±5.8Kg/
cm2であった。接着強度および濁度を第2表に示す。
【0078】
【比較例6】実施例3において、アクリル系共重合体
(A)の代わりに、比較例3で調製したアクリル系共重
合体(E)を使用した以外は同様にして歯質表面処理剤
(E-1)を調製した。
【0079】こうして調製された歯質表面処理液(E-
1)の濁度は17.8%であった。この歯質表面処理液
(E-1)を用いた以外は実施例3と同様に処理し、接着
強度を測定した。
【0080】この結果、光硬化性レジンとウシ抜去歯
(象牙質)との間の接着強度は12.1±3.4Kg/
cm2であった。接着強度および濁度を第2表に示す。
【0081】
【0082】
【実施例5】実施例3において、アクリル系共重合体
(A)の使用量を5重量部、水の使用量を95重量部に
変えた以外は同様にして歯質表面処理剤(A-2)を調製
した。
【0083】こうして調製された歯質表面処理液(A-
2)の濁度は90.9%であった。この歯質表面処理液
(A-2)を用いた以外は実施例3と同様に処理し、接着
強度を測定した。
【0084】この結果、光硬化性レジンとウシ抜去歯
(象牙質)との間の接着強度は54.8±10.6Kg
/cm2であった。接着強度を第3表に示す。
【0085】
【実施例6】実施例3において、アクリル系共重合体
(A)の使用量を3重量部、水の使用量を97重量部に
変えた以外は同様にして歯質表面処理剤(A-3)を調製
した。
【0086】こうして調製された歯質表面処理液(A-
3)の濁度は90.9%であった。この歯質表面処理液
(A-3)を用いた以外は実施例3と同様に処理し、接着
強度を測定した。
【0087】この結果、光硬化性レジンとウシ抜去歯
(象牙質)との間の接着強度は67.6±36.3Kg
/cm2であった。接着強度を第3表に示す。
【0088】
【実施例7】実施例3において、アクリル系共重合体
(A)の使用量を1重量部、水の使用量を99重量部に
変えた以外は同様にして歯質表面処理剤(A-4)を調製
した。
【0089】こうして調製された歯質表面処理液(A-
4)の濁度は71.8%であった。この歯質表面処理液
(A-4)を用いた以外は実施例3と同様に処理し、接着
強度を測定した。
【0090】この結果、光硬化性レジンとウシ抜去歯
(象牙質)との間の接着強度は80.3±28.4Kg
/cm2であった。接着強度を第3表に示す。
【0091】
【0092】
【実施例8】実施例3で調製した歯質表面処理剤(A)
100重量部に、0.54重量部の塩化カルシウムを添
加して溶解させた。このカルシウムイオン含有歯質表面
処理剤(A-5)を使用した以外は同様にして接着強度を測
定した。
【0093】結果を第4表に示す。
【0094】
【実施例9】実施例4で調製した歯質表面処理剤(B)
100重量部に、0.40重量部の塩化カルシウムを添
加して溶解させた。
【0095】このカルシウムイオン含有歯質表面処理剤
(B-5)を使用した以外は同様にして接着強度を測定し
た。結果を第4表に示す。
【0096】
【比較例7】比較例4で調製した歯質表面処理剤(C)
100重量部に、1.57重量部の塩化カルシウムを添
加して溶解させた。
【0097】このカルシウムイオン含有歯質表面処理剤
(C-5)を使用した以外は同様にして接着強度を測定し
た。結果を第4表に示す。
【0098】
【比較例8】比較例5で調製した歯質表面処理剤(D)
100重量部に、1.21重量部の塩化カルシウムを添
加して溶解させた。
【0099】このカルシウムイオン含有歯質表面処理剤
(D-5)を使用した以外は同様にして接着強度を測定し
た。結果を第4表に示す。
【0100】
【比較例9】比較例6で調製した歯質表面処理剤(E)
100重量部に、0.76重量部の塩化カルシウムを添
加して溶解させた。
【0101】このカルシウムイオン含有歯質表面処理剤
(E-5)を使用した以外は同様にして接着強度を測定し
た。結果を第4表に示す。
【0102】
【図面の簡単な説明】
【図1】はアクリル系共重合体を3重量%の含有率で含
有している溶液の濁度の例を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯 塚 純 子 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 中 林 宣 男 千葉県松戸市小金原5−6−20 (56)参考文献 特開 昭62−192462(JP,A) 特開 平2−261442(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 220/18 C08L 33/08 A61K 6/083

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エステル基を構成するアルキル基の炭素
    原子数が1〜5の範囲内にある(メタ)アクリル酸アル
    キルエステルから誘導される繰り返し単位と下記式[I
    I]で表されるスチレンスルホン酸誘導体から誘導され
    る繰り返し単位とを85:15〜99:1のモル比で有
    すると共に、該アクリル系共重合体を3%の含有率で含
    む水溶液の濁度が20%以上であるアクリル系共重合体
    と、 水および/またはアルコールとからなることを特徴とす
    る歯質表面処理剤; 【化1】 (ただし、上記式[II]において、R3は、H+、アルカ
    リ金属イオンおよびNH4 +よりなる群から選ばれるいず
    れかであり、R4は、水素原子もしくはメチル基を表
    す)。
  2. 【請求項2】 上記歯質表面処理剤中における上記アク
    リル系共重合体の含有率が0.1〜20重量%の範囲内
    にあることを特徴とする請求項第1項記載の歯質表面処
    理剤。
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