JP3023301U - 電子機器筐体の入線部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種太さのケーブルに対応するノックアウト
を供えた電子機器筐体の入線部構造を提供する。 【解決手段】 電子機器筐体１に異径のケーブル２を配
線する入線孔３を穿設するためのノックアウト４および
電子機器筐体から延設され電子機器筐体内でのケーブル
の動きを制限するガイド溝５を備え、ノックアウトは、
ケーブルの径ｒにより選択されて電子機器筐体から切り
離されるよう、径に対応する複数の弧状溝４１に囲繞さ
れたノックアウト片４_a、４_b…から成り、径が小さい弧
状溝に囲繞されたノックアウト片は、径が大きい弧状溝
に囲繞されたノックアウト片より肉薄に成形されてい
る。径に対応する複数の弧状溝と肉厚の違いにより、無
理なく所望のケーブル径の入線孔が穿設される。更に、
この入線孔でケーブルは動きを制限されるので、ケーブ
ル押えは不要となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は電子機器筐体の入線部構造に係わり、特に、ケーブルの太さに対応す るノックアウトを備えた電子機器筐体の入線部構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

電話機およびインターホン等で、主として壁面に設置される従来の電子機器筐 体には、図３および図４に示すように、壁面Ｗから電子機器筐体１０にケーブル ２を配線する入線孔３０を穿設するためのノックアウト４０および電子機器筐体 １０から延設され電子機器筐体内でのケーブル２の動きを制限するガイド溝５０ が設けられている。

【０００３】 電子機器筐体を壁面に設置するにあたり、壁面から配線されるケーブル２の数 に応じてノックアウト４０を取除いて入線口３０を穿設し、筐体内部にケーブル ２を挿通している。 このノックアウト４０が取除かれた後は、図３に示すように単にケーブルを挿 通するだけの孔となるものであり、図４（ａ）、（ｂ）に示すように、肉薄に形 成されたノックアウト４６を打ち抜いたり、スリット４９、４９に挟まれたノッ クアウト４８を取除いたりして入線孔３０が穿設される。

【０００４】 また、抜取り線として細かな切込み４７を予め設けて（筐体成形時に半抜き状 態にして）、ケーブル２の径ｒが小さいとき（ｒ₁）には小さいノックアウト片 ４８_aが、ケーブル２の径ｒが大きいとき（ｒ₂）には大きいノックアウト片４８ bが、ケーブルの径ｒ₁、ｒ₂により選択されて、段階的に電子機器筐体１０から 切り離されるノックアウト４０がある。

【０００５】 更に、ガイド溝５０の大きさは決っているため、挿通されるケーブル２の径ｒ が小さいとき（ｒ₁）には、電子機器筐体１０の内部でケーブル２が動いて電子 機器筐体１０に内蔵される電子部品（図示せず）に影響を与えないよう、ケーブ ル押え６０（図３）が使用されることもある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従来の電子機器筐体１０の入線部構造は、単にケーブル２を挿通す るだけの孔３０を穿設するノックアウト４０を有しているが、径ｒが大きいケー ブル２に対しては、電子機器筐体１０の内部でケーブル２が動くのを制限するの に適するが、細いケーブル２に対しては、孔３０は大きすぎてケーブル押え６０ が必要になり、手間が掛るとしてケーブル押え６０を省略すれば、電子機器筐体 １０の内部でケーブル２がばらばらに動いて内蔵される電子部品に接触したり、 電子部品を破損するという難点があった。

【０００７】 また、半抜き状態の段階的なノックアウト４０を有する電子機器筐体１０にお いては、大きさを変える切離線４７、４７部分が弱く、大きいノックアウト片４ ８_bを残して小さいノックアウト片４８_aを抜くとき、巧く目的箇所を切り離すた めの加工処理に手間が掛っていた。

【０００８】

【目的】

本考案は、上記従来の難点を解決するためになされたもので、各種太さのケー ブルに対応するノックアウトを備えた電子機器筐体の入線部構造を提供すること を目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案による請求項１記載の電子機器筐体の入線部構造は、電子機器筐体に異 径の各種ケーブルを配線する入線孔を穿設するためのノックアウトおよび電子機 器筐体から延設され電子機器筐体内でのケーブルの動きを制限するガイド溝を備 え、ノックアウトは、ケーブルの径により選択されて電子機器筐体から切り離さ れるよう、径に対応する複数の弧状溝に囲繞された複数のノックアウト片から成 り、径が小さい弧状溝に囲繞されたノックアウト片は、径が大きい弧状溝に囲繞 されたノックアウト片より肉薄に成形されている。

【００１０】 径に対応する複数の弧状溝と、それに囲繞されたノックアウト片の肉厚の違い により、所望のケーブル径の入線孔が穿設される。更に、この入線孔でケーブル は動きを制限されるので、ケーブル押えは不要となる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案による電子機器筐体の入線部構造の実施例を図面を参照して詳 述する。 図１（ａ）、（ｂ）、（ｃ）に示すように、本考案による電子機器筐体の入線 部構造は、電子機器筐体１にケーブル２を配線する入線孔３を穿設するためのノ ックアウト４および電子機器筐体１内でのケーブル２の動きを制限するガイド溝 ５を備えている。

【００１２】 ガイド溝５は、電子機器筐体１からその内部に半円筒の溝状に延設され、ノッ クアウト４の最も大きいケーブル径ｒが選択されたとき、挿通されたケーブル２ を実質的に包囲できる大きさに、筐体１と一体的に成形される。 ノックアウト４は、実質的に半円形状で、ケーブル２の径ｒにより選択されて 電子機器筐体１から切り離されるよう、径ｒに対応する複数の弧状溝４１（４１ a、４１_b、…）に囲繞された複数のノックアウト片４_a、４_b、…から成り、径が 小さい弧状溝４１_aに囲繞されたノックアウト片４_aの肉厚Ｘは、径が大きい（中 位の径の）弧状溝４１_bに囲繞されたノックアウト片４_bの肉厚Ｙより肉薄に成形 され、更に径が大きい（大きい径の）弧状溝４１_cに囲繞されたノックアウト片 ４_cの肉厚Ｚは、内側のノックアウト片より順次厚く成形されている。

【００１３】 電子機器筐体を壁面に設置し、壁面からケーブル２を配線するにあたり、その ケーブル２の径ｒに応じたノックアウト片４_a、４_b、…を、弧状溝４１より内側 から取除いて入線孔３を穿設する。 すなわち、最も細いケーブル２を配線するには、弧状溝４１_aより内側の最も 小さく肉厚Ｘが最小のノックアウト片４_aをペンチやニッパで取除く。このとき 、最小のノックアウト片４_aの外側のノックアウト片４_b、および更に外側のノッ クアウト片４_cは、最小のノックアウト片４_aより肉厚なので、内側のノックアウ ト片を除く時、一緒に除去されるような影響はない。

【００１４】 中位のケーブル２を配線するには、弧状溝４１_bより内側にある肉厚Ｙのノッ クアウト片４_bを取除く。同様に、以下順次大きなノックアウト片４_c、…を取除 く。 このように、ケーブル２の太さに対応したノックアウト片４_a、４_b、…が取除 かれ、ケーブル２は、残されたノックアウト片の内周または最大ノックアウト片 ４_a、４_b、…の外周である電子機器筐体１により、動きを制限されるので、電子 機器筐体１の内部で格別ケーブル２を押える必要がなくなる。

【００１５】 また、ノックアウト４は、２段に限らず、図２に示すように、３段、４段…と 多数段の弧状溝４１（および図示しない肉厚差）によって、配線されるケーブル ２の径ｒにより対応しやすくすることも可能である。 更に、多数段の弧状溝４１自体を、図２中央に示すように、途中に筐体との接 続部１４を有するよう構成すると、内側のノックアウト片を抜くときに外側のノ ックアウト片に強度が付与されて、外側のノックアウト片が一緒に除去されるの を防ぐのにより好適である。

【００１６】 尚、ノックアウト４およびガイド溝が一体成形される電子機器筐体１は、合成 樹脂または鋼板で構成され、電子機器筐体１の底面１１には各種部品（図示せず ）が搭載され、上筐体１２が電子機器筐体１に被せられ、内部機器類が保護され ている。

【００１７】

【考案の効果】

以上の実施例からも明らかなように、本考案による電子機器筐体の入線部構造 は、電子機器筐体に異径の各種ケーブルを配線する入線孔を穿設するためのノッ クアウトおよび電子機器筐体から延設され電子機器筐体内でのケーブルの動きを 制限するガイド溝を備え、ノックアウトは、ケーブルの径により選択されて電子 機器筐体から切り離されるよう、径に対応する複数の弧状溝に囲繞された複数の ノックアウト片から成り、径が小さい弧状溝に囲繞されたノックアウト片は、径 が大きい弧状溝に囲繞されたノックアウト片より肉薄に成形されているので、径 に対応する複数の弧状溝と、それに囲繞されたノックアウト片の肉厚の違いによ り、無理なく所望のケーブル径の入線孔が穿設される。更に、この入線孔でケー ブルは動きを制限されるので、ケーブル押えは不要となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は、本考案による電子機器筐体の入線部
構造を説明する図、（ｂ）はその細部説明図、（ｃ）は
裏面側からの説明図である。

【図２】本考案による電子機器筐体の入線部構造の他の
実施例を説明する図である。

【図３】従来の電子機器筐体の入線部構造を説明する図
である。

【図４】（ａ）、（ｂ）は、従来の電子機器筐体の入線
部構造を説明する図である。

【符号の説明】

１・・・電子機器筐体 ２・・・ケーブル ３・・・入線部 ４・・・ノックアウト ４_a、４_b、…・・・ノックアウト片 ４１、４１_a、４１_b、…・・・弧状溝 ５・・・ガイド溝 ｒ、ｒ₁、ｒ₂、…・・・ケーブル径

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電子機器筐体（１）に異径（ｒ₁、ｒ₂、
   …）の各種ケーブル（２）を配線する入線孔（３）を穿
   設するためのノックアウト（４）および前記電子機器筐
   体から延設され前記電子機器筐体内での前記ケーブルの
   動きを制限するガイド溝（５）を備え、 前記ノックアウトは、前記ケーブルの径により選択され
   て前記電子機器筐体から切り離されるよう、前記径に対
   応する複数の弧状溝（４１_a、４１_b、…）に囲繞された
   複数のノックアウト片（４_a、４_b、…）から成り、径が
   小さい前記弧状溝に囲繞されたノックアウト片は、径が
   大きい前記弧状溝に囲繞されたノックアウト片より肉薄
   に成形されたことを特徴とする電子機器筐体の入線部構
   造。