JP3023013U

JP3023013U - 科学実験器具

Info

Publication number: JP3023013U
Application number: JP1995011452U
Authority: JP
Inventors: 芳徳伊丹
Original assignee: 芳徳伊丹
Priority date: 1995-09-22
Filing date: 1995-09-22
Publication date: 1996-04-12
Anticipated expiration: 2001-09-22

Abstract

(57)【要約】【課題】物理・化学変化に伴う圧力変化を容器形状変
化として簡単に観察できる、耐久性のある科学実験器具
を提供する。【解決手段】伸縮自在の蛇腹容器１の一端に円筒状の
接続部２（内径５〜１００ｍｍ）を設け、必要に応じて
ガラス管、バルブ、三方活栓、注射器、ゴム栓を取り付
けた栓３などを選んで接続部２に嵌入、密着させ、容器
支持板５で蛇腹容器１を伸縮自在に保持し、密封下、蛇
腹容器１中あるいは蛇腹容器１の下端に設けた反応容器
４中で物理・化学変化を起こし、内圧変化を蛇腹容器１
の容器長さの変化として観察することを特徴とする科学
実験器具。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、容器内に封入した物質の物理・化学変化に伴う容器内圧力変化を伸縮自在の蛇腹容器の容器長さの変化として観察する科学実験器具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、物理・化学変化に伴う容器内圧力変化を調べる実験では、圧力計、注射器、ゴム風船などが用いられた。しかし、圧力計は目盛りが見にくく取り扱いが煩雑であり、注射器は破損し易く児童・生徒に親しみにくい器具であり、ゴム風船は破裂し易く、ゴム劣化を起こし耐久性に乏しいなどの欠点があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような欠点のために、物理・化学変化に伴う圧力変化を調べる実験は興味深い科学実験教材でありながら限られた機会でしか実施されず、より使い易く耐久性のある実験器具が求められていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は伸縮自在の蛇腹容器が容器内圧力変化によって、容易に容器長さを変える性質を利用した実験器具に関する。図１は、本考案実験器具を説明する図である。蛇腹容器１の一端に設けた内径５〜１００ｍｍの円筒状の接続部２に、ゴム栓、ガラス管、あるいは三方活栓やバルブを備えた栓３を取り付け、密封状態で物理・化学変化を起こす。物理・化学変化は必要ならば反応容器４を他端に設け、この中で行う。蛇腹容器１は容器支持板５によって伸び縮み自由な状態に支持され、容器内圧力変化は容器長さとして直ちに観察できる。

【０００５】

【考案の実施の形態】

容器内で起こした物理・化学変化によって、内圧が低下すれば蛇腹容器１は縮み、内圧が上昇すれば蛇腹容器１が伸びることから、内圧変化を形状変化として容易に理解することができる。例えば、アンモニアガスを封入して水を少量加えると蛇腹容器１は収縮し、蛇腹容器１を縮めた状態で炭酸水素ナトリウム粉末を封入し塩酸を加えると容器１は伸びる。また接続部２に注射器を取り付け、密封状態下で蛇腹容器１中に適当な試薬を選択して注入すると、容器長さの伸長・収縮運動を可逆的にコントロールできる。

【０００６】

【実施例】

伸縮自在のプラスチック製蛇腹容器１（外径８０ｍｍ、蛇腹長２００ｍｍ）の下端にガラス製反応容器４（外径４５ｍｍ、長さ３０ｍｍ、容積４０ｍｌ）を固定し、蛇腹容器１の上端に円筒状の接続部２（内径３２ｍｍ、筒長１２ｍｍ）を設ける。接続部２に嵌入、密着する栓３には実験内容に応じて、ガラス管、バルブ、三方活栓、注射器、ゴム栓などを選択する。噴霧器先端部を栓３に取り付け蛇腹容器１中に適当な液体を噴霧すると気体を効率よく吸収でき、蛇腹容器１の長さ変化が速くなり観察し易くなる。

【０００７】

【考案の効果】

本考案実験器具によって、物理・化学変化に伴う内圧変化を容易に明瞭に実験、観察できる。例えば、本実験器具を２組用意し、一方に塩化水素を、他方にはアンモニアを充満させた後、これらを太いガラス管で連結すると塩化アンモニウム生成反応が直ちに起こり、内圧が急激に減少することに伴い、蛇腹容器１が急速に縮む様子を観察できる。また、縮めた状態で蛇腹容器１中に石灰石とリトマス液を入れ、接続口２にバルブ、三方活栓、注射器、塩化ビニル管を備えたゴム栓３を嵌め、密封状態で塩酸を注入するとリトマス液が赤変すると共に二酸化炭素が発生し蛇腹容器１は伸びる。次にこの中に水酸化ナトリウム水溶液を多量に注入するとリトマス液が青変し、二酸化炭素が水酸化ナトリウム水溶液に吸収されて内圧が減少し蛇腹容器１は再び縮む。この操作は繰り返し行うことができ、試薬を加える毎に蛇腹容器１が伸び縮みする興味深い現象を観察できる。なおこの実験操作ではバルブ、三方活栓、塩化ビニル管を組み合わせたゴム栓３を用いることにより、実験途中で手で直接触ることがなく塩酸や水酸化ナトリウム水溶液を密封状態の蛇腹容器１中に注入することが可能で、実験の安全性を高めることができる。本考案化学実験器具は耐久性があり、物理・化学変化に伴う圧力変化を蛇腹容器の容器長さの変化として繰り返し容易に観察することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本考案による１実施例の器具の断面図
である。

【符号の説明】

１ … 蛇腹容器２ … 接続部３ … 栓４ … 反応容器５ … 容器支持板

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】伸縮自在の蛇腹容器１の一端に設けたゴ
ム栓やガラス管あるいは三方活栓やバルブを備えた栓３
などを嵌入、密着させる内径５〜１００ｍｍの円筒状の
接続部２と、蛇腹容器１を伸び縮み自由な状態に保持す
る容器支持板５とからなる科学実験器具。