JP3022907B2 - 流動床焼成炉 - Google Patents

流動床焼成炉

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JP3022907B2
JP3022907B2 JP4334609A JP33460992A JP3022907B2 JP 3022907 B2 JP3022907 B2 JP 3022907B2 JP 4334609 A JP4334609 A JP 4334609A JP 33460992 A JP33460992 A JP 33460992A JP 3022907 B2 JP3022907 B2 JP 3022907B2
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furnace
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furnace chamber
fluidized bed
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龍海 田野
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Ube Industries Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

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  • Fluidized-Bed Combustion And Resonant Combustion (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Devices And Processes Conducted In The Presence Of Fluids And Solid Particles (AREA)
  • Crucibles And Fluidized-Bed Furnaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流動床焼成炉に係り、詳
しくは原料や燃料として例えば産業廃棄物を有効に使用
することができ、軽量骨材等の製品を連続して効率良く
焼成することができるようにした流動床焼成炉に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビルの高層化が進んだため、鉄骨
の軽量化を目的として建築資材の軽量化が求められてい
る。そこで、従来の骨材に替えて人造の軽量骨材が製造
利用されて来ている。その利用量は年々増えて来てい
る。また、ビルの屋上、屋内の庭園用人工土壌としても
軽量骨材が利用され始めている。一方、上・下水道汚泥
や、石炭ボイラから排出されるフライアッシュ、廃プラ
スチック等の産業廃棄物の発生量は年々増え、その処分
方法が社会的な問題となっておりこれら廃棄物の有効利
用を実用化することが急務の課題となっている。
【0003】従って、軽量骨材の製造に当たって、原料
及び燃料に全てこれらの産業廃棄物を利用することので
きる装置の開発を行うことは社会的に有益である。従来
より軽量骨材の製造は発泡性の頁岩を粉砕後、ロータリ
キルンで焼成する方法が行われており、現在も主流であ
る。また、近年、石炭火力発電所から発生するフライア
ッシュと粘土を混合造粒し、石炭を燃料として移動グレ
ート方式で焼成する方法が実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記ロータリキルンや
移動グレートによる焼成方式では、設備面積を大きく占
め、燃料・電力原単位が大きい。また、燃料の廃棄物を
利用すると、未燃分が製品中に多く混入し軽量骨材とし
ての品質を保ち難い。一方、流動床による焼成方式を用
いれば、設備面積を小さくすることができ、廃棄物を燃
料として利用することが可能であるが、連続焼成を行う
と製品中に未焼成品が混入する。そのため、バッチ運転
を行う必要があるが、その場合、流動床の昇温、冷却の
繰り返しによる熱ロスが多く、燃料・電力原単位が著し
く悪くなるという問題がある。
【0005】本発明は以上のような事情に鑑みて成され
たものであり、原料や燃料として例えば産業廃棄物を有
効に使用することができ軽量骨材等の製品を連続して効
率良く焼成することができるようにした流動床焼成炉を
得ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の流動床焼成炉は、炉本体内の炉室でガス
で原料を流動化させて焼成する流動床焼成炉であって、
炉本体の下部に炉室底面に開口する製品抜出口を設け、
炉室に下端を炉室底面と隙間を開けられ該製品抜出口よ
りも炉本体側壁側へ寄せて位置された仕切壁を設け、炉
本体側壁側の炉室底面に炉本体の側壁側に行くほど高く
なる傾斜面を形成し、該仕切壁と該炉室底面の傾斜面と
の間の空間に臨む炉室底面に流動化ガスが該空間に供給
されるように多数の分散ノズルを設け、該空間の炉室を
焼成ゾーンとして形成すると共に該仕切壁によって画成
され該製品抜出口の開口の上方に臨む空間の炉室を溢流
ゾーンとして形成し、炉本体に原料と燃料の供給口を該
焼成ゾーンに臨ませて設けることにより、該焼成ゾーン
で焼成されて流動床表層部に集まる見掛け比重が小さく
なった製品粒子を該流動床表層部の波打ち現象によって
該仕切板の上端を飛び越えさせて隣接する該溢流ゾーン
の中央部分へ流入させ、下降する移動層として製品抜出
口へ導く一方、該溢流ゾーンへの製品粒子の流入に伴わ
れる見掛け比重の大きい一部の未焼成品粒子を該溢流ゾ
ーンの該仕切板の近傍へ流入させて該仕切板の近傍を流
下させ、仕切板下端と炉室底面との間の該隙間を通して
溢流ゾーンから焼成ゾーンへと循環させて原料を焼成さ
せる構成にした。
【0007】
【作用】焼成を被る原料としての例えば汚泥等の廃棄物
は例えば造粒されて所定の粒径の大きさにされた後、流
動床焼成炉の焼成ゾーンに供給される。また、燃料とし
て例えばコーヒー粕等の廃棄物も該焼成ゾーンに供給さ
れる。焼成ゾーンでは焼成ゾーンに臨む炉室底面のガス
分散ノズルから流動化ガスとしての高温ガスが吹き上げ
られて供給され、該燃料と該焼成を被る原料とが激しく
混合・流動化されて流動床が形成され、燃料が燃焼さ
れ、この高熱によって焼成を被る原料が焼成される。
【0008】しかして、該焼成ゾーンにおいて原料が焼
成されて膨張発泡させられ見掛け比重が小さくなった
(例えば原料の0.6倍以下)製品は流動床の表層に集
まる。そして、炉側壁側の炉室底面には炉側壁側に行く
ほど高くなる傾斜面が形成されていることにより焼成ゾ
ーンにおける断面積は上方に行くほど大きくなり、焼成
ゾーンの下部と上部において流動床を通過するガス流速
の差が生じ、流動床上部に行く程ガス流速は小さくな
り、流動床の表層部分では流速が例えば下部の1/2と
いうように小さくなる。従って、焼成ゾーンの流動床内
では前記の通り見掛け比重の小さくなった焼成品である
製品と見掛け比重の大きい原料又は未焼成品(半焼成
品)とが分離され、見掛け比重の大きい原料又は未焼成
品はこの焼成ゾーンに残り、更に流動床で焼成される。
【0009】一方、焼成ゾーンの流動床の表層部におい
ては流速が小さくなっているとは言え、製品は見掛け比
重が小さくなっているため飛散し一部の未焼成品を混入
して仕切壁を飛び越えて隣接する溢流ゾーンへ流入す
る。このとき、未焼成品粒子は製品粒子に比して見掛け
比重が大きく飛び上がり高さが小さいため溢流ゾーンの
仕切壁の近傍に流入し該仕切壁の近傍を流下する。ま
た、製品粒子は見掛け比重が小さく飛び上がり高さが大
きいためより遠くに飛んで溢流ゾーンの中央部分に流入
して流下し溢流ゾーンの下方に位置する製品抜出口の開
口へ流入し該製品抜出口から炉外へ抜き出される。
【0010】一方、焼成ゾーンにおける原料、未焼成
品、製品及び燃料からなる流動床は流動化されて空気を
含んでいるため見掛け比重が小さく、一方、溢流ゾーン
は下降する移動層であり空気(ガス)は殆ど流れないた
め見掛け比重は大きい。このため、仕切壁下端と炉室底
面との間の隙間を通して見掛け比重の大きい溢流ゾーン
から見掛け比重の小さい焼成ゾーンへと粒子の循環が行
われるようになる。
【0011】しかして、この循環は、仕切壁は製品抜出
口よりも炉の側壁側へ寄せられて設置されていることに
より溢流ゾーンで製品抜出口と仕切壁との間の部分に存
在する粒子、即ち、前記溢流ゾーン内の仕切壁の近傍を
流下する未焼成品粒子が、該隙間部分で焼成ゾーンの激
しく流動化している流動床に接してその流動床に巻き込
まれて焼成ゾーンに流入することにより行われる。そし
て、焼成ゾーンに流入した未焼成品粒子はここで更に焼
成に供される。このようにして、未焼成品は焼成ゾーン
と溢流ゾーンの間で循環されて焼成され焼成作用が連続
して行われる。
【0012】なお、焼成ゾーンでは傾斜面によって前記
の循環作用がより円滑に行われる。また、傾斜面を原料
の安息角以上に傾斜した斜面とすれば流動床中の原料が
該斜面に滞留することがなく、流動焼成が効率良く行わ
れる。
【0013】
【実施例】次に、図面に示した実施例により本発明を詳
細に説明する。図1は本発明の流動床焼成炉の全体概略
構造を示す縦断正面図、図2は図1の炉本体の要部拡大
縦断正面図、図3は図2のIII 〜III 線矢視縦断側面
図、図4は本発明の焼成炉を用いて軽量骨材を製造する
装置の系統図である。
【0014】まず、図1から図3により流動床焼成炉の
説明をする。この実施例は炉本体の横断面を矩形形状と
し焼成ゾーンを溢流ゾーンの両側に設けたものである。
1は流動床焼成炉、1aは炉本体、2は炉室、5は炉室
底面を示す。図1又は図2に示すように炉本体1aの下
部の中央部には炉室底面5の後述する水平面5b部分に
開口された製品抜出口3が上下方向に貫通されて設けら
れており、この製品抜出口3は図3に示すように側面視
では炉室2の全幅に亘って形成されている。そして、製
品抜出口3の内壁面3a側の開口上端縁3bは水平面5
bから所要量盛り上げられている。また、炉本体1aの
最下部には炉室底面5を形成する炉体を介してこの製品
抜出口3の両側に空気室4が設けられている。空気室4
には空気供給口4aが形成されている。
【0015】炉室底面5は正面視で製品抜出口3の左右
両側に設けられており、それぞれの炉室底面5は製品抜
出口3側に位置する水平面5bと、この水平面5bに連
続されて形成され炉本体1aの側壁側に行くほど高くな
る傾斜面5aとで形成されている。即ち傾斜面5aは正
面視で炉本体1aの両側の側壁側に形成されている。炉
室2の前記製品抜出口3の左右両側対称位置にはそれぞ
れ仕切壁7、7が設けられており、仕切壁7、7はそれ
ぞれ製品抜出口3よりも炉本体1aの側壁側、即ち、製
品抜出口3の図2に示す正面視で内壁面3aよりも炉本
体1aの側壁側に所定距離寄せて、かつ、下端を前記炉
室底面5の水平面5bと隙間7aを形成させて設けられ
ている。仕切壁7、7の上端部分はそれぞれが位置する
側の炉本体1a側壁側に折曲されている。
【0016】そして、それぞれ製品抜出口3の左右両側
の、炉室底面5の傾斜面5aと水平面5b及び該仕切壁
7で囲まれる炉室2の空間に臨む炉室底面5には、該炉
室底面5を形成する炉体に上下方向に貫通して穿設され
た多数の分散ノズル8の先端開口8aが設けられてお
り、空気室4の空気がそれぞれの該空間に供給されるよ
うに構成されている。なお、左右それぞれの水平面5b
において仕切板7よりも製品抜出口3側に寄せた位置に
も分散ノズル8bが位置されており、この上端開口部に
はここから空気が該空間に向けて噴出されるようにキャ
ップが取付けられている。
【0017】しかして、炉室2の下部は以上のように構
成されることにより、炉の正面視で製品抜出口3を中心
として左右対称位置のそれぞれの、炉室底面5の傾斜面
5aと水平面5b及び該仕切壁7で囲まれる炉室2の空
間は、焼成ゾーンAとして形成される。また、炉の中央
部の製品抜出口3の上方に臨んで位置し仕切壁7、7に
より挟まれた炉室2の空間は溢流ゾーンBとして形成さ
れる。即ち、溢流ゾーンBの両側に焼成ゾーンAが形成
される。
【0018】炉本体1aの側壁には原料及び燃料の供給
口9が焼成ゾーンAに臨まされて取付けられている。ま
た、炉本体1aの上端には焼成ゾーンAおよび溢流ゾー
ンBの上方の空塔部Fを介して排ガス排出口10が設け
られている。
【0019】一方、焼成炉本体1aの製品抜出口3には
その下端3cに接続されて製品抜出管11が垂下されて
取付けられており、さらにその下端には製品抜出弁15
が取付けられている。製品抜出管11の外壁面の周囲に
は水ジャケット13が設けられている。また、製品抜出
管11の内部には下部に冷空気供給用ノズルを周囲に配
設したリングパイプ14が設けられその上部に伝熱管1
2が設置されている。
【0020】次に、以上のように構成された流動床焼成
炉1を用いた軽量骨材製造装置を図4に基づいて説明す
る。図4において、焼成炉1の原料及び燃料の供給口9
には焼成作用を被る原料の供給路Mおよび燃料の供給路
Lが接続されている。原料供給路Mには上流側から順
に、原料槽20、混合機21、造粒機22、乾燥機23
が介装されて設けられている。燃料供給路Lには上流側
から燃料槽24、乾燥機25が介装されて設けられてい
る。また、流動床焼成炉1の空気室4の空気供給口4a
には始動時に流動床を予熱する予熱炉40が接続されて
いる。予熱炉40には燃料として廃油が用いられる。ま
た、製品抜出管11のリングパイプ14には空気供給ブ
ロワ33が接続されている。
【0021】流動床焼成炉1の排ガス排出口10に接続
された排ガス排出管には空気予熱器30が介装されてお
り、ここに前記空気供給ブロワ33の空気の一部が管路
31により供給されて予熱され、予熱された高温空気が
管路32により前記空気室4に供給されるように構成さ
れている。空気予熱器30を出た排ガスはさらに原料乾
燥機23および燃料乾燥機25に供給され、これらから
排出された後、バグフィルタ34に導入されて集塵され
誘引ファン35を通って煙突36から排気されるように
構成されている。なお、図1における熱回収部Cは空気
予熱器30および乾燥機23、25に相当し、集塵部D
はバグフィルタ34に相当する。
【0022】次に、以上のように構成された流動床焼成
炉1の作用を説明する。本実施例では、焼成を被る原料
として、産業廃棄物としての浄水場汚泥、酸化マグネシ
ウム粉、廃ケイ砂、フライアッシュが使用され、これら
は原料槽20に貯蔵されている。一方、焼成用の燃料と
してはやはり産業廃棄物であるコーヒー粕や廃プラスチ
ックが使用され、これは燃料槽24に蓄えられている。
【0023】原料としての前記浄水場汚泥、酸化マグネ
シウム粉、廃ケイ砂、フライアッシュは原料槽20から
混合機21に導入されて混合された後、造粒機22に導
入されここで所定の粒径(例えば10〜 20mm)に造粒され
る。造粒された原料は乾燥機23に導入され焼成炉1の
排ガスで乾燥されて水分を所定量除去され後、焼成炉1
の小ホッパ26へ搬送されて原料・燃料供給口9のから
焼成炉本体1aの炉室2の焼成ゾーンAに投入される。
一方、燃料としてのコーヒー粕や廃プラスチックは燃料
槽24から乾燥機25に導入されて焼成炉1の排ガスで
乾燥され水分を所定量除去された後、前記原料と同様に
は小ホッパ26へ搬送されて原料供給口9のから焼成炉
本体1aの炉室2の焼成ゾーンAに投入される。
【0024】しかして、流動床焼成炉1の焼成ゾーンA
ではその下部の空気室4から炉室底面5に設けられた多
数の分散ノズル8、8bの上端開口8aを通して高温空
気が焼成ゾーンAに供給、噴出されて前記の原料および
燃料が流動化されて流動床が形成され、この流動床中で
原料と燃料は激しく掻き混ぜられ燃料は高温空気によっ
て燃焼されて該流動床は高温の焼成温度(例えば1100〜
1200℃) に保たれる。これにより原料としての汚泥や酸
化マグネシウム粉、廃ケイ砂、フライアッシュが焼成さ
れ、即ち、これらの原料に含まれるFe2O3 、炭酸塩、硫
化物、硫酸塩等が、例えば、式〔3Fe2O3 → 2Fe3O4
(1/2)O2↑〕で示されるように熱によって分解され、
O2、CO2 、SO2 、SO3 等のガスが発生されると共に高温
でガラス化され、発生されたガスが内部に閉じ込められ
ることにより膨張発泡させられ、軽量骨材である製品が
製造される。
【0025】なお、本実施例では、焼成ゾーンAの傾斜
面5aは原料の安息角以上に傾斜した斜面とされてお
り、流動床中の原料が該斜面に滞留することがなく流動
焼成が効率良く行われるように成されている。また、該
傾斜面5aに設けた分散ノズル8の開口8aからはこの
傾斜面5aに原料がより溜まらない程度の少量の空気を
供給するようにされている。なお、空気室4には空気予
熱器30で予熱された高温空気(例えば600 ℃) が管路
32から供給される。また、炉の始動時には予熱炉40
から高温空気が供給され流動床が予熱される。
【0026】そして、該焼成ゾーンAにおいて該焼成さ
れた製品は膨張発泡させられているため見掛け比重が小
さく(例えば原料の0.6倍以下)なっており流動床の
表層に集まる。また、炉本体1aの側壁側の炉室底面5
には該側壁側に行くほど高くなる傾斜面5aが形成され
ていることにより焼成ゾーンAにおける断面積は上方に
行くほど大きくなっており、焼成ゾーンAの下部と上部
において流動床を通過するガス流速の差が生じ、流動床
上部に行く程ガス流速は小さくなり、流動床の表層部分
では流速が例えば下部の1/2というように小さくな
る。従って、焼成ゾーンAの流動床内では前記の通り見
掛け比重の小さくなった焼成品である製品と見掛け比重
の大きい原料又は未焼成品(半焼成品)とが分離され、
見掛け比重の大きい原料又は未焼成品はこの焼成ゾーン
Aに残り更に流動床で焼成される。
【0027】一方、焼成ゾーンAの流動床の表層部に集
まる製品は、該表層部でのガス流速が小さくなっている
とは言え、製品は見掛け比重が小さくなっており、か
つ、表層部では激しい波打ち現象を呈しているため、飛
散し一部の未焼成品を混入して仕切壁7、7の上端を飛
び越えて隣接する溢流ゾーンBへ流入する。なお、この
飛散、流入に際しては、仕切壁7、7の上端部が焼成ゾ
ーンA側に折曲されていることにより、製品に比べて見
掛け比重の大きい未焼成品粒子は該折曲部で極力堰き止
められ、焼成ゾーンAでの未焼成品粒子の滞留を助長
し、焼成作用を促進する。
【0028】しかして、前記の溢流ゾーンBへの流入
は、未焼成品粒子Eは製品粒子に比して見掛け比重が大
きく飛び上がり高さが小さいため溢流ゾーンBの仕切壁
7、7の近傍に流入し、ここを流下する。また、製品粒
子Pは見掛け比重が小さく飛び上がり高さが大きいため
より遠くに飛んで溢流ゾーンBの中央部分に流入して流
下し溢流ゾーンBの下方に位置する製品抜出口3の開口
へ流入し該製品抜出口3を下降して製品抜出管11へ流
入する。
【0029】一方、焼成ゾーンAにおける原料、未焼成
品、製品及び燃料からなる流動床は流動化されて空気を
含んでいるため見掛け比重が小さく、一方、溢流ゾーン
Bは下降する移動層であり空気(ガス)は殆ど流れない
ため見掛け比重は大きい。このため、図中に矢印で示す
ように、仕切壁7、7下端と炉室底面5との間の隙間7
aを通して見掛け比重の大きい溢流ゾーンAから見掛け
比重の小さい焼成ゾーンBへと粒子の循環が行われる。
この循環は、仕切壁7、7は製品抜出口3の内壁面3a
よりも炉本体1aの側壁側へ寄せられて設置されている
ことにより溢流ゾーンBで製品抜出口3の内壁面3aと
仕切壁7との間の部分に存在する粒子、即ち、前記溢流
ゾーンB内の仕切壁7の近傍を流下する未焼成品粒子E
が、該隙間7a部分で焼成ゾーンAの激しく流動化して
いる流動床に接してその流動床に巻き込まれて焼成ゾー
ンAに流入することにより行われる。
【0030】本実施例では、製品抜出口3の内壁面3a
側の開口上端縁3bが盛り上げられていることにより、
未焼成品粒子Eを隙間7a側に指向させ、焼成ゾーンA
への流入、循環がより活発に行われると共に、未焼成品
粒子Eの製品抜出口3への落ち込みが効果的に防止され
る。また、隙間7aの近傍で溢流ゾーンB側に寄せられ
て設けられた分散ノズル8bの上端開口8aからは空気
が溢流ゾーンB側から隙間7aを通して焼成ゾーンAへ
向けて吹き出されることにより未焼成品粒子Eの該隙間
7aから焼成ゾーンAへの流入が促進、助長される。
【0031】そして、焼成ゾーンAに流入した未焼成品
粒子Eはここでさらに焼成に供される。このように、未
焼成品は焼成ゾーンAと溢流ゾーンBの間で循環されて
焼成され、焼成作用が連続して行われる。なお、焼成ゾ
ーンAでは傾斜面5aの作用によっても前記の循環作用
がより円滑に行われる。
【0032】一方、製品抜出口3から製品抜出管11へ
流入した製品は下端の製品排出弁15の作動により移動
層を形成して下降するが、製品は高温にされているた
め、空気供給ブロワ33で送給される冷空気がリングパ
イプ14の冷却空気供給ノズルから製品抜出管11内へ
供給されて該製品が冷却されると共に、伝熱管12を流
れる水によって熱を吸収されて冷却される。また、同時
に製品抜出管11の外部の水ジャケット13によって冷
却される。このように製品抜出管11は製品冷却装置と
しても作用される。また、製品は製品抜出管11の内部
で移動層伝熱により冷却される。
【0033】上記のように、本実施例においては、製品
を焼成炉1の製品抜出口3から冷却装置を兼ねる製品抜
出管11へ重力により落下供給するので、製品を別途の
冷却装置へ移送させるためのコンベヤ等の装置が不要で
あると共に、冷却は移動層伝熱を利用しているために前
記の冷却用空気量も少量でよく伝熱面積も小さな冷却装
置で構成することができる。従って、焼成装置としての
設備面積を焼成方式を流動床方式としたことに加え、さ
らに小さいものとすることができる。
【0034】なお、焼成ゾーンAから排出された燃焼排
ガスは前記製品抜出管11内部で冷却に供された空気と
共に炉室2の空塔部(フリーボード)Fを上昇して排ガ
ス排出口10から炉外へ抜き出され、前記の通り、排熱
回収部C(空気予熱器30、原料、燃料乾燥機23、2
5)及び集塵部D(バグフィルタ34)を経て煙突36
から大気へ排出される。
【0035】次に、以上の図1から図4に示した実施例
装置を用いて実際に軽量骨材の焼成テストを行った結果
を説明する。原料として、産業廃棄物である浄水場汚
泥、酸化マグネシウム(MgO)粉、廃ケイ砂、フライアッ
シュを用い、これらを発泡性を示す割合の、例えば浄水
場汚泥40%、酸化マグネシウム(MgO)粉2%、廃ケイ
砂18%、フライアッシュ40%の割合で原料槽20か
ら切り出すことにより調合した。これを混合機21へ供
給して混合し、さらに造粒機22へ供給して粒径を10〜
20mにし、これを原料乾燥機23へ投入して流動床焼成
炉1の排ガスで乾燥し、流動床焼成炉1へ供給した。
【0036】一方、燃料として産業廃棄物であるコーヒ
ー粕、廃プラスチック等を使用し、燃料槽24から燃料
乾燥機25へ供給して乾燥し、前記原料とともに流動床
焼成炉1へ連続供給して、流動床焼成炉1で該燃料を燃
焼させ、該原料を焼成した。このときの焼成温度は1100
〜1200℃で焼成時間は10〜30分であった。焼成された製
品は流動床焼成炉1下部の製品排出管11(冷却装置)
によって 100℃まで冷却した。そのときの伝熱管12お
よび水ジャケット13の冷却水は温水又はスチームで回
収した。得られた製品である軽量骨材の性状は、見掛け
比重0.7 、圧潰荷重50Kgf/cm2以上、24時間吸水率10.6
%であり、優れた品質の軽量骨材が得られた。
【0037】流動床焼成炉1の排ガスからの熱回収は、
空気予熱器30により流動・燃焼用空気を600 ℃まで予
熱すること、および、原料、燃料乾燥機23、25によ
る原料および燃料の乾燥に利用することにより行った。
また、スタートアップ時の装置の予熱は予熱炉40で廃
油を燃焼させ、その燃焼排ガスで行った。なお、本実施
例では用いていなが、排ガスからの熱回収は排熱ボイラ
によってさらにスチームを回収するようにしてもよい。
以上のように、本実施例の流動床焼成炉1は原料および
燃料として全て産業廃棄物を有効利用して有益な軽量骨
材を製造することができる装置として利用できることが
わかった。
【0038】次に、本発明の流動床焼成炉の他の実施例
を図5、図6により説明する。なお、図5は焼成炉本体
の要部拡大縦断正面図、図6は図5のVI〜VI線矢視縦断
側面図である。なお、前記図1〜図3と同一又は相当す
る個所には同一符号を用い、その説明は省略する。この
実施例の流動床焼成炉1Aでは、炉本体1aの横断面を
矩形形状とされ、仕切壁7は炉室2に1箇所(1枚)取
付けられ、仕切壁7の両側に焼成ゾーンAと溢流ゾーン
Bが一つずつ形成されている。製品抜出口3は図5のよ
うに正面視で一方の側壁側に沿って取付けられ、溢流ゾ
ーンBは仕切壁7で画成され製品抜出口3の開口の上方
に臨む炉室2の空間に形成されている。
【0039】このように構成された流動床焼成炉1Aで
あっても前記図1〜図3に示した流動床焼成炉1と同様
に連続して効率の良い焼成作用を行わせることができ
る。なお、この実施例の焼成炉は前記図1〜図3に示し
た流動床焼成炉1に比べて焼成能力が小さい場合に好適
に用いられる。
【0040】次に、本発明の流動床焼成炉のさらに異な
る実施例を図7、図8により説明する。なお、図7は焼
成炉本体の要部拡大縦断正面図、図8は図7のVIII〜VI
II線矢視横断平面図である。なお、前記図1〜図3と同
一又は相当する個所には同一符号を用い、その説明は省
略する。この実施例の流動床焼成炉1Bでは、図8に示
すように炉本体1aの横断面を円形形状とされ、従っ
て、炉室2の横断面形状も円形とされている。製品抜出
口3は円形断面とされ炉本体1aの下部の中央部(中心
部)に炉本体1aと同心状に設けられている。炉室2に
は管状の仕切壁7が炉本体1aおよび製品抜出口3と同
心状に位置されて支持部材7bによって炉本体1aの側
壁に取付けられており、該管状の仕切壁7の内径は製品
抜出口3の内径(内壁面3a)よりも所定量大きくして
形成されている。
【0041】炉室底面5は製品抜出口3の周囲に環状底
面として形成されており、そこにはガス分散ノズル8の
開口8aが周囲に点在して設けられている。炉本体1a
の最下部には製品抜出口3の周囲に環状の空気室4が形
成されている。しかして、管状の仕切壁7の内部空間部
分の炉室2は円筒状の溢流ゾーンBとして形成され、溢
流ゾーンBの周囲の空間部分の炉室2は環状の流動焼成
ゾーンAとして形成される。このような構成の流動床焼
成炉1Bにおいても連続して効率の良い焼成作用を行わ
せることができる。
【0042】なお、以上の実施例では、仕切壁7の上端
を折曲させているが、勿論、曲げないで真直のままでも
良い。また、原料と燃料は炉本体1aの供給口9から同
時に同一個所から炉室2内に供給するようにしている
が、原料と燃料は別々に、例えば、それぞれ焼成ゾーン
Aの流動床の上部と流動床の内部に供給してもよい。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の流動床焼成炉によれば、焼成ゾーンと溢流ゾーンの間
で原料を循環させて焼成することができるので未焼成品
を無くして原料を連続して効率良く焼成することができ
る。加えて、流動床による燃焼および焼成であるため、
燃料の燃焼効率や焼成原料への熱伝達が良好であり、焼
成原料および焼成用燃料としてそれぞれ例えば汚泥およ
びコーヒー粕等の産業廃棄物を有効に利用して製品とし
て軽量骨材を有効に得ることができる。また、焼成炉の
設置面積も従来のロータリキルンや移動グレード方式に
比べて小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流動床焼成炉の全体概略構造を示す縦
断正面図である。
【図2】図1の焼成炉本体の要部拡大縦断正面図であ
る。
【図3】図2のIII 〜III 線矢視縦断側面図である。
【図4】本発明の流動床焼成炉を用いた軽量骨材製造装
置の系統図である。
【図5】本発明の他の実施例の焼成炉本体の要部拡大縦
断正面図である。
【図6】図5のVI〜VI線矢視縦断側面図である。
【図7】本発明のさらに異なる実施例の焼成炉本体の要
部拡大縦断正面図である。
【図8】図7のVIII〜VIII線矢視横断平面図である。
【符号の説明】
1、1A、1B 流動床焼成炉 1a 炉本体 2 炉室 3 製品抜出口 3a 内壁面(製品抜出口) 3b 開口上端縁(製品抜出口) 4 空気室 5 炉室底面 5a 傾斜面 5b 水平面 7 仕切壁 7a 隙間 8 分散ノズル 8a 分散ノズル開口 9 原料・燃料供給口 A 焼成ゾーン B 溢流ゾーン E 未焼成品粒子 P 製品粒子

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉本体内の炉室でガスで原料を流動化さ
    せて焼成する流動床焼成炉であって、炉本体の下部に炉
    室底面に開口する製品抜出口を設け、炉室に下端を炉室
    底面と隙間を開けられ該製品抜出口よりも炉本体側壁側
    へ寄せて位置された仕切壁を設け、炉本体側壁側の炉室
    底面に炉本体の側壁側に行くほど高くなる傾斜面を形成
    し、該仕切壁と該炉室底面の傾斜面との間の空間に臨む
    炉室底面に流動化ガスが該空間に供給されるように多数
    の分散ノズルの開口を設け、該空間の炉室を焼成ゾーン
    として形成すると共に該仕切壁によって画成され該製品
    抜出口の開口の上方に臨む空間の炉室を溢流ゾーンとし
    て形成し、炉本体に原料と燃料の供給口を該焼成ゾーン
    に臨ませて設けることにより、該焼成ゾーンで焼成され
    て流動床表層部に集まる見掛け比重が小さくなった製品
    粒子を該流動床表層部の波打ち現象によって該仕切板の
    上端を飛び越えさせて隣接する該溢流ゾーンの中央部分
    へ流入させ、下降する移動層として製品抜出口へ導く一
    方、該溢流ゾーンへの製品粒子の流入に伴われる見掛け
    比重の大きい一部の未焼成品粒子を該溢流ゾーンの該仕
    切板の近傍へ流入させて該仕切板の近傍を流下させ、仕
    切板下端と炉室底面との間の該隙間を通して溢流ゾーン
    から焼成ゾーンへと循環させて原料を焼成させる構成に
    したことを特徴とする流動床焼成炉。
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