JP3022766U - 巻き取りリールのブレーキ装置 - Google Patents

巻き取りリールのブレーキ装置

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井 国 男 沢
橋 正 明 三
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Funai Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Stop/Eject時に巻き取りリールを
確実にロックするブレーキ装置を提供する。 【構成】 回転ヘッドシリンダーの外周に配設された上
リングギヤー71と下リングギヤー64とを回動して、
このリングギヤー64,71に連設されたそれぞれのテ
ープガイドアセンブリを駆動するように構成された磁気
記録再生装置において、駆動部82aを有しねこの駆動
部82aの第3のギヤー266を介して上リングギヤー
71を回動させる第2のスライド板82がローディング
時に自走し、アンローディング時に自走し、アンローデ
ィング時の始めに逆送することを利用し、この逆送によ
りTブレーキアーム20を摺動させ、その一端の歯片2
1を巻き取りリール190の歯車190aに噛合させ
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、回転ヘッドシリンダーが使用される磁気記録再生装置の巻き取りリ ールのブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
Stop/Eject時には巻き取りリールをロックすると共に、供給リール を巻き取る動作が行われるが、このロック動作はテープに記録部位(再生部位) が動くことがないようにするためである。 そして、従来はソフトブレーキが使用されていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかるに、ソフトブレーキの場合、ロックが確実でないので、ソフトブレーキ の状態が悪いとテープの記録部位(再生部位)がずれることがあった。
【0004】 本考案は前述した事情に鑑みてなされたものであり、Stop/Eject時 に、巻き取りリールのギヤーにブレーキアームのギヤーを噛合させて巻き取りリ ールを確実にロックするようにした巻き取りリールのブレーキ装置を提供するも のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案は、回転ヘッドシリンダーの外周に配設された上リングギヤーと、下リ ングギヤーとを回動して、これらのリングギヤーに連設されたそれぞれのテープ ガイドアセンブリを駆動するように構成された磁気記録再生装置において、前記 上,下のリングギヤーには、第2のスライド板に装着された駆動部のギヤーと、 第1のスライド板に枢着され、ローディングモータで回動されるウォームとがそ れぞれ噛合すると共に、前記第2のスライド板と第1のスライド板とは弾性部材 により互に異なる方向へ付勢され、前記第2のスライド板の一方の端部は、ブレ ーキアームの途中に係合され、このブレーキアームの一端の歯片は、巻き取りリ ールの歯車と噛合するよう構成されていることを特徴とする。
【0006】 また、回転ヘッドシリンダーの外周に一対のテープガイドがカセットのテープ を巻き回してローディングするようにした磁気記録再生装置において、一対のテ ープガイドの駆動機構とカセットの巻き取りリールのロック機構とが、前記駆動 機構のローディング行程の少なくとも終了間際に互いに係合して、巻き取りリー ルのロックを解除するようにしたことを特徴とする。
【0007】
【作用】
ローディングの終点では、第2のスライド板が自走して、これに係止されたブ レーキアームを摺動させ、その一端の歯片と巻き取りリールのギヤーとの噛合を 外す。
【0008】 また、アンローディングの始点では、第2のスライド板は、前記ローディング の終点の時とは反対方向へ自走して、これに係止されたブレーキアームを摺動さ せ、その一端の歯片を巻き取るリールのギヤーと噛合させる。
【0009】
【実施例】
以下、添付図に基づいて本考案の実施例を詳細に説明する。 図1は本考案の一実施例を示すブレーキ装置の平面図で、シャーシ裏面から見 たものである。図2,図3は本考案の一実施例を示す部品が一部取り除かれた磁 気記録再生装置の平面図で、図2はローディング終点の状態を、図3はアンロー ディング終点の状態をそれぞれ示す。
【0010】 図に示すように、71は上リングギヤー、83は第1のスライド板である上ス ライド板、82は上スライド板83の下に配設された第2のスライド板である下 スライド板、87は上スライド板83と下スライド板82との間に掛け渡された 、弾性部材である引張りスプリング(以下、スプリングという)である。 ただし、上スライド板83と下スライド板82とは別々のスプリングでシャー シ1からそれぞれ反対方向に引張される構造であっても良い。
【0011】 図示しないローディングモータ軸のウォーム263により、上スライド板83 に枢支されたウォームホイール85が駆動され、これと同軸のウォーム84が回 転し、これと噛合された下リングギヤー64が、ローディング時に、図2及び図 3において、反時計回りに回転する。 なお、前記下リングギヤー64は上リングギヤー71の下側に重ねるように配 置されている。
【0012】 そして、上スライド板83と下スライド板82にスプリング87が掛け渡され ることにより、上スライド板83は下リングギヤー64を矢印A方向(図2参照 )へ付勢し、下スライド板82は上リングギヤー71を矢印方向と反対方向に付 勢するように構成している。
【0013】 さて、下スライド板82の端部に構成した上リングギヤー駆動部82aは、下 リングギヤーに噛合する第1のギヤー264と、これと噛合する第2のギヤー2 65と、これと同軸で一体に形成された上リングギヤー71と噛合する第3のギ ヤー266が回転させられるので、上リングギヤー71が時計回りに回転するよ うになっている。 なお、ギヤー265はギヤー264より減速するように歯車比が定められてい る。
【0014】 69は下リングギヤーに枢着された下テープガイドアセンブリで、ガイドロー ラー69aが立設されている。 75は、上リングギヤー71に枢着された上テープガイドアセンブリで、ガイ ドローラー75aが立設されている。 そして、前記それぞれのガイドローラー69a,75aは、下リングギヤー6 4及び上リングギヤー71の回転終了点がキャッチャー79の受け部79a,7 9bに当接して停止するようになっている。
【0015】 この状態に至る上リングギヤー71と下リングギヤー64の動作タイミングは 、ウォーム84により駆動される下リングギヤー64に噛合い回転する第1のギ ヤー264と噛合い回転する第2のギヤー265との歯数比により、ガイドロー ラー75aの方が、ガイドローラー69aがキャッチャーの受け部79aへの到 着するよりも先に、キャッチャーの受け部79bに到達するようになっている。
【0016】 したがって、一方のガイドローラ75aがキャッチャーの受け部79bに当た って、他方のガイドローラ69aがキャッチャーの受け部79aに到着しない間 は、上リングギヤー71の時計回りの回転が停止しているが、下リングギヤ64 はなお反時計回りに回転するから、それにつれて、上リングギヤー駆動部82a の各ギヤー264,265,266は回転し、第3のギヤー266は上リングギ ヤー71の回りをころがりながら公転することになる。すなわち、前記第2のス ライド板82は第3のギヤー266の回転により、図1のB方向へ自走する。 この自走する間に下リングギヤー64のガイドローラー69aがキャッチャー 79aに到達するように構成されている。
【0017】 これにより、前記第2のスライド板82はガイドローラー75aがキャッチャ ー受け部79bに到達した後、すなわちテープがほぼローディングされた後前記 自走を開始する。 アンローディング時には、弾性部材である引張りスプリング87により自走前 の位置に復帰した後、上リングギヤー71がアンローディング方向に回転する。 これにより、第2のスライド板82はローディング後自走し、アンローディン グ前に逆走し自走前の位置に復帰するタイミングのストロークを生じる。
【0018】 しかして、前記ストロークに連動するブレーキアーム20を設け、巻き取りリ ール190の歯車190aの歯形と同じ歯形を有する歯片21が形成された一端 を巻き取りリール190の歯車190aに係脱させる。 なお、前記歯片21は1枚の板で形成され、巻き取りリール190の歯車19 0aの歯底に掛合するように形成してもよい。 図1はローディングが完了した状態を示し、自走した第2のスライド板82の 曲折した一方の端部82bがブレーキアーム20の途中の孔22に係止され、ブ レーキアーム20とシャーシとの間に張設したスプリング23の弾発力に抗して 矢印C方向へ摺動し、歯片21の巻き取りリール190の歯車190aに対する 噛合が外れた状態を示している。
【0019】 そして、図1(図2)の状態からアンローディングを開始し、アンローディン グ開始始めに第2のスライド板82が逆走すると、ブレーキアーム20はスプリ ング23の弾発力により図1のB方向と反対方向へスライドするので、歯片21 は巻き取りリール190の歯車190aに噛合し、巻き取りリール190をロッ クする。
【0020】 以上のように構成された本実施例のテープローディング動作を巻き取りリール のブレーキ装置を中心にして説明する。 カセット300内のテープTは図4の(a)に示すようにカセット内に収まっ た状態で、ガイドローラー69a、75aはテープTの内側にある。本考案のブ レーキ装置は、図3に示すように、カセット300の巻き取りリール190の歯 車190aに歯片21が噛み合って、巻き取りリール190の回転をロックして いる。
【0021】 ローディングモータが始動して、テープのローディング動作が始まると、モー タの回転がウォーム263,ウォームホイール85,ウォーム84を介して下リ ングギヤー64を時計回りに、更に、上リングギヤ駆動部82aを介して上リン グギヤー71を時計回りにそれぞれ回動し、これらのリングギヤーに取り付けら れたガイドローラー69a,75aがテープTを引っ掛けて、ロックされていな い供給リール201側からテープTを繰り出しながら回転ヘッドシリンダー2の 回りに巻き付けていく。
【0022】 ガイドローラー75aが受け部79bに当たった後は、前述のように第2のス ライド板82が自走し、ブレーキアーム20をスプリング23の弾発力に抗して 図1の矢印Cの向きに摺動するから歯片21が巻き取りリール190の歯車19 0aから外れ、巻き取りリール190はその回転ロックが解除される。 他方のガイドローラー69aは更に少し動いてから受け部79aに当たってテ ープTの繰り出しを完了する(図2,図4(b)の状態)。
【0023】 なお、巻き取りリール190のロックが解除されてから、ガイドローラー69 aが受け部79aに当たるまでの間は、巻き取りリール190からもテープTが 繰り出されることになるが、僅かの量で実用上は無視できる。
【0024】 しかして、ローディングの終点においては、前記上リングギヤー71とリング ギヤー64が停止した後にウォーム84が更に所定の角度回転するよう構成され ていて、停止した下リングギヤー64に噛合したウォーム84は、下リングギヤ 64の歯に沿って、前方(図3の下方)へスライドし、上スライド板83はシャ ーシ1後方のリブ部88から離れる。そして、上,下スライド板83,82に掛 け渡されたスプリング87が、ウォーム84に噛合した下リングギヤー64と、 上リングギヤー駆動部82aに噛合した上リングギヤー71との間を互に反対方 向に弾発付勢しているから、前記上リングギヤー71及び下リングギヤー64に それぞれ連設されているガイドローラー75a,69aは前記キャッチャーの受 け部79b,79aに、スプリング87により、弾発付勢された状態で圧接する 。 これによって、ガイドローラー75a,69aは位置ぎめされ、テープは所定 の角度で回転ヘッドシリンダーに巻回して、ローディング動作を完了する。
【0025】 次に図4(b)のローディング状態から図4(a)のアンローディング状態に テープTを戻すアンローディング動作を説明する。 ローディング状態では、上述のとおり、巻き取りリール190はロックされて おらず、テープは正逆方向に走行できる。 ローディングモータが逆回転を始めて、テープのアンローディング動作が始ま ると、ローディング動作時と同様にウォーム263,ウォームホイール85を介 してウォーム84が逆回転する。
【0026】 逆回転始めたときは、スプリング87により上スライド板83は下リングギヤ ー64の反時計回り方向に付勢され、しかも上スライド板83とシャーシ1のリ ブ88とは離れているから、ウォーム84が下リングギヤ64の歯に沿って軸方 向に移動し、上スライド板83は、リブ88に当たるまで、図2の上方向にスラ イドしてガイドローラー69aの受け部79aへの当接力が弱まり、上スライド 板83がリブ88に当たった後は、ウォーム84が今度は下リングギヤ64を時 計回りに回動する。
【0027】 この回動により、上リングギヤー駆動部82aの各歯車264,265,26 6はローディング時と逆に回って上リングギヤー71を反時計回りに回そうとす るが、その前に、上リングギヤー駆動部82aを取り付けた下スライド板82が 上リングギヤー71の時計回り方向にスライド可能の状態にあって、しかも、ス プリング87によって付勢されているから、下スライド板82が図2の左方向に スライドし、その端部82bとブレーキアーム20の孔22との係合によって、 ブレーキアーム20に取り付けた歯片21をテープ巻き取りリール190の歯車 190aと噛合させてテープ巻き取りリール190の回転をロックする。
【0028】 なお、この間に下リングギヤー64が僅か回動し、ガイドローラー69aがア ンロード側に少し動いてテープTを緩めるが、その緩み分はアンローディング動 作中、供給リール201に巻戻しトルクを加えてあるから、供給リール201側 に巻き取られる。ガイドローラー69が動き始めてから巻き取りリール190が ロックされるまでは、僅かの時間であるから、その間に供給リール201の巻き 戻しトルクが巻き取りリール190側のテープを巻き戻すようなことはない。
【0029】 巻き取りリール190がロックされた後、上リングギヤー71は反時計回りに 回動し始め、両ガイドローラー69a,75aが回転ヘッドシリンダー2の回り からテープTを外していって図4(a)の状態まで戻る。緩んだテープTは供給 リール20の巻取りトルクにより、たるむことなく供給リール側に巻き取られる 。
【0030】 このように、アンローディング時には、テープTは巻き取りリール201側に 巻き戻され、ローディング時には、再び巻き取りリール201側からテープTを 繰り出すから、アンローディング後のローディングで、テープTは回転ヘッドシ リンダ2等に対して正しく元通りローディングされ、録画の最後が次の録画でか ぶさって消えてしまったり、録画と録画の間が無用に長くなったりすることがな い。また、テープをエンドまで使用した後アンローディングした後でも、テープ 供給リール201にはローディング分のテープが巻き取られているから、ローデ ィングが通常通り行われる。
【0031】
【考案の効果】
以上詳細に説明した本考案によれば、下記の如き効果を奏するものである。 (1) 従来のソフトブレーキに比べ位置ずれがなく、確実に巻取りリールを固定 するので、テープの記録された部分が繰り出されるのを防止する。 (2) また、テープエンドでローディングした場合の過負荷を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示すブレーキ装置の平面図
である。
【図2】本考案の一実施例を示す、部品が一部取り除か
れた磁気記録再生装置のローディングの終点の状態を示
す平面図である。
【図3】本考案の一実施例を示す、部品が一部取り除か
れた磁気記録再生装置のアンローディングの終点の状態
を示す平面図である。
【図4】本考案に係る磁気記録再生装置のテープのアン
ローディング状態(a)およびローディング状態(b)
を示す模式図である。
【符号の説明】
20 ブレーキアーム 21 歯片 22 孔 23 スプリング 64 下リングギヤー 69 下テープガイドアセンブリ 69a ガイドローラー 71 上リングギヤー 75 上テープガイドアセンブリ 75a ガイドローラー 82 第2のスライド板(下スライド板) 82a 上リングギヤー駆動部 82b 一方の端部 83 第1のスライド板(上スライド板) 84 ウォーム 87 引張りスプリング(弾性部材 190 巻き取りリール 190a 歯車 264 第1のギヤー 265 第2のギヤー 266 第3のギヤー

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転ヘッドシリンダーの外周に配設され
    た上リングギヤーと下リングギヤーとを回動して、これ
    らのリングギヤーに連設されたそれぞれのテープガイド
    アセンブリを駆動するように構成された磁気記録再生装
    置において、前記上,下のリングギヤーには、第2のス
    ライド板に装着された駆動部のギヤーが噛合し、かつ、
    前記下リングギヤには、第1のスライド板に枢着され、
    ローディングモータで回動されるウォームが噛合すると
    共に、前記第2のスライド板と第1のスライド板とは弾
    性部材により互に異なる方向へ付勢され、前記第2のス
    ライド板の一方の端部は、ブレーキアームに係合され、
    このブレーキアームの一端の歯片は、巻き取りリールの
    歯車と噛合するよう構成されていることを特徴とする巻
    き取りリールのブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 回転ヘッドシリンダーの外周に一対のテ
    ープガイドがカセットのテープを巻き回してローディン
    グするようにした磁気記録再生装置において、一対のテ
    ープガイドの駆動機構とカセットの巻き取りリールのロ
    ック機構とが、前記駆動機構のローディング行程の少な
    くとも終了間際に互いに係合して、巻き取りリールのロ
    ックを解除するようにしたことを特徴とする巻き取りリ
    ールのブレーキ装置。
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