JP3022647U - 中栓付き容器 - Google Patents

中栓付き容器

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JP3022647U
JP3022647U JP1995010620U JP1062095U JP3022647U JP 3022647 U JP3022647 U JP 3022647U JP 1995010620 U JP1995010620 U JP 1995010620U JP 1062095 U JP1062095 U JP 1062095U JP 3022647 U JP3022647 U JP 3022647U
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泰裕 北乾
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呉羽化学工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 空気中の酸素ガスが容器本体内に侵入するこ
とを防止し、分別収集が容易で、しかもプラスチックと
して再利用可能な中栓付き容器を提供する。 【解決手段】 容器本体5の口頚部10は、その外周面
にキャップ50と螺合する螺合部13を有し、前記キャ
ップは、天井面部52とこの天井面部の周縁から垂下す
るスカート部54を有し、該スカート部の内周面には前
記容器本体5の口頚部10と螺合する螺合部53を有
し、中栓20は、頂部22とその頂部の周縁から垂下す
る環状垂下壁部24を有し、該頂部の略中央にはその頂
部を貫通する注出口27を備え、該中栓20の頂部22
上面には、酸素ガスバリアー性シール材30が設けら
れ、前記酸素ガスバリアー性シール材30は、プラスチ
ック性であり、前記中栓20の頂部22上面の注出口2
7を塞ぐようにヒートシールされている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、マヨネーズのような流動性食品を収納するための中栓付き容器であ って、特に、容器本体と、該容器本体の口頚部の先端に嵌着される中栓と、該中 栓に被着される酸素ガスバリヤー性シール材と、該容器本体の口頚部と螺合する キャップを有する中栓付き容器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばマヨネーズのような流動性食品を収納する容器においては、実公 昭57−15155号公報に開示されているように、容器本体の口頚部に中栓を 嵌着し、この中栓に星形、花びら形等の形状の注出口を設け、容器本体を押圧し て、流動性食品を押し出す際に、中栓の注出口から流出する流動性食品を星形、 花びら形等の形状にして食品の見栄えを良くすることが知られている。
【0003】 しかしながら、この提案の構成のものでは、空気中の酸素ガスが、中栓の注出 口を通して容器本体内に直接、侵入してしまい、容器本体に収納されている流動 性食品の酸敗や異臭発生を伴う変質のおそれが生じる。また、わずかな嵌合隙間 から流動性食品が流出するおそれもある。
【0004】 このような問題に対処するために例えば、実開平5−71155号公報には、 中栓の天板部の内面に、金属層(アルミニウム箔)を含むラミネート材からなる シール材を取りつけたキャップが開示されており、この点、酸素ガスバリヤー性 を付与するために、シール材にアルミニウム箔を用いることはすでに公知の技術 となっている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、容器包装に係わる分別収集および再商品化の促進等に関 する関心が高まってきており、包装容器のいかなる要素も再利用が容易であるこ とが強く望まれ、上記の金属であるアルミニウムを含むシール材は、金属とヒー トシール用のプラスチックスから構成されるので、その分離に手間がかかり、再 利用に難点があった。また、透視性が無いことも内容物の状況が正確に把握でき ずマイナス面として指摘されていた。
【0006】 このような実状のもとに本考案は創案されたものであって、その目的は、空気 中の酸素ガスが容器本体内に侵入することを防止できることはもとより、分別収 集が容易で、しかもプラスチックとして再利用可能な中栓付き容器を提供するこ とにある。また、シール材の透明性を高めて、シール材剥離前に内容物の状態が 確認できる中栓付き容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本考案は、口頚部を備える容器本体と、該 容器本体の口頚部の先端に嵌着される中栓と、該中栓を収納するように該容器本 体の口頚部と螺合するキャップを有する中栓付き容器であって、 前記容器本体の口頚部は、その外周面に前記キャップと螺合する螺合部を有し 、 前記キャップは、天井面部とこの天井面部の周縁から垂下するスカート部を有 し、該スカート部の内周面には前記容器本体の口頚部と螺合する螺合部を有し、 前記中栓は、頂部とその頂部の周縁から垂下する環状垂下壁部を有し、該頂部 の略中央にはその頂部を貫通する注出口を備え、該中栓の頂部上面には、酸素ガ スバリアー性シール材が設けられ、 前記酸素ガスバリアー性シール材は、プラスチック性であり、前記中栓の頂部 上面に中栓の注出口を塞ぐようにヒートシールされているように構成される。
【0008】 また、本考案の好ましい態様として、前記酸素ガスバリアー性シール材は、樹 脂を主成分とする昜剥離層と樹脂を主成分とする酸素ガスバリアー層を備え、該 昜剥離層が該中栓の頂部上面にヒートシールされているように構成される。
【0009】 また、本考案の好ましい態様として、前記酸素ガスバリアー性シール材は、酸 素ガスバリアー層の上にさらに樹脂を主成分とする保護層を備えるように構成さ れる。
【0010】 また、本考案の好ましい態様として、前記酸素ガスバリアー性シール材は、前 記中栓とのヒートシール接着においてその引き剥し力が0.4乃至2kgに設定 されているように構成される。
【0011】 また、本考案の好ましい態様として、前記酸素ガスバリアー性シール材は、そ の曇価が0.1乃至16%に設定されているように構成される。
【0012】
【考案の実施の形態】
本考案にかかる中栓付き容器1の実施の形態を、図1〜図3を参照しつつ詳細 に説明する。本考案の中栓付き容器1は、図1に示されるように、口頚部10を 備える容器本体5と、該容器本体5の口頚部10の先端部10aに嵌着される中 栓20と、該中栓20を収納するように該容器本体5の口頚部10と螺合するキ ャップ50を有している。そして、本考案においては、中栓20の頂部22上面 には、酸素ガスバリアー性シール材30が被着されている。
【0013】 口頚部10を備える容器本体5は、プラスッチックの容器からなり、外部より 人手によって加圧されることによって、その容器形態が容易に変形するように材 質や肉厚が選定される。その材質はプラスッチックであれば特に限定されるもの ではないが、通常、酸素ガスバリアー性等を持たせるために、2種以上の樹脂層 が積層された構成を採択することが好ましい。
【0014】 この容器本体5の中には、例えば、マヨネーズ、ケチャップ、香辛料入りペー スト、植物性オイル、クリーム、ドレッシング、ジャム等の流動性食品が収納さ れる。
【0015】 容器本体5の口頚部10は、図1に示されるようにその外周面に、前記キャッ プ50と螺合する螺合部13を有している。さらに、容器本体5の口頚部10の 先端部10aの外周面には、中栓20と嵌合するための環状または環状が一部途 切れている嵌合突起15が形成されている。
【0016】 このような容器本体5の口頚部10の先端部10aに嵌着される中栓20は、 頂部22と、その頂部22の周縁から垂下する環状垂下壁部24を備え、この中 栓20の頂部22には、頂部22を貫通する注出口27が形成される。
【0017】 さらに、環状垂下壁部24の内面には、環状または環状が一部途切れている嵌 合凹部25が形成されており、このものは、前記の口頚部10の外周面に形成さ れた嵌合突起15と嵌合されるようになっている。また、これらの嵌合部の凹凸 の構成を互いに逆にして嵌合させるようにしてもよい。さらに必要に応じて、中 栓20の外面に環状若しくはその一部が途切れている突起または薄肉のひさし部 を設けて、キャップ50の内側に保持させることもできる。
【0018】 中栓20に形成される注出口27は、星形、花びら形、楕円などの断面形状か ら選ばれ、必要に応じて、補強のための補強梁を含むように構成してもよい。
【0019】 このような中栓20を構成する樹脂は、ポリエチレンまたはαオレフィンの炭 素数が4乃至8であるエチレン・αオレフィン共重合体を含む樹脂からなる群よ り選ばれる少なくとも1種のポリマー、または、ポリプロピレンまたはエチレン ・プロピレン共重合体を含む樹脂からなる群れより選ばれる少なくとも1種のポ リマーが例示できるが、より好ましいのはポリエチレンまたはαオレフィンの炭 素数が4乃至8であるエチレン・αオレフィン共重合体を含む樹脂からなる群よ り選ばれる少なくとも1種のポリマーである。
【0020】 またさらに、中栓20の環状垂下壁部24と同様な環状垂下壁部を内側に同心 円状に設けてこれらの2つの垂下壁部の隙間に口頚部10の先端部10a(口頚 部10の肉厚分)をはめ込むようにしてもよい。
【0021】 このような中栓20の頂部22の上面22a(図1,図2)には、酸素ガスバ リアー性シール材30が前記中栓20の注出口27を塞ぐようにヒートシールに より被着されている。この酸素ガスバリアー性シール材30は、プラスチック性 であり、より具体的には、図3に示されるように、樹脂を主成分とする昜剥離層 31と樹脂を主成分とする酸素ガスバリアー層33を備えており、昜剥離層31 が中栓20の頂部上面22aにヒートシールされている(図2)。ここで、樹脂 を主成分とするとは、樹脂100%からなる状態あるいは、金属を除く無機物質 を含むマスターバッチなどの後述する昜剥離性を与える樹脂からなる添加物が含 有されている状態をいう。
【0022】 昜剥離層31には、2種類の作用機構の樹脂が主に用いられている。その1の 作用機構は、加工助剤としてのスリップ剤またはアンチブロッキング剤を添加し て、ヒートシールされたシール材30付き中栓20から該シール材30を剥離す る際の引剥し力を0.4乃至2(kg)の範囲として、手で容易に引剥すことが できるようにするものである。その2の作用機構は、非相溶樹脂の組み合わせを 用いて、ヒートシールされたシール材30付き中栓20から該シール材30を剥 離する際の引剥し力を0.4乃至2(kg)の範囲として、手で容易に引剥すこ とができるようにするものである。これら両作用機構による性状を、昜剥離性と 称する。
【0023】 上記その1の作用機構を達成させるために、昜剥離層31に脂肪族アマイドを 主に含むスリップ剤と合成シリカを主に含むアンチブロッキング剤を添加したポ リエチレンまたはエチレン系共重合体が用いられる。ポリエチレンとしては、低 密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンを用いることがで きるが、好ましくは低密度ポリエチレンを用いるのがよい。エチレン系共重合体 として、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・極性コモノマー共重合体 を用いることができる。
【0024】 上記その2の作用機構を達成させるために、昜剥離層31は、ポリプロピレン またはエチレン・プロピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも 1種の ポリマー、若しくはポリエチレンまたはαオレフィンの炭素数が4乃至8である エチレン・αオレフィン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリ マー(S1)と、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メ チル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・ アクリル酸エチル共重合体またはエチレン・アクリル酸メチル共重合体からなる 群より選ばれる少なくとも 1種のポリマー(S2)との、(SI)と(S2)か らなる原料樹脂組成物である。また、必要に応じて、(S1)と(S2)からな る原料樹脂組成物は、酸変性ポリオレフィン(S3)を含むことができる。
【0025】 このような昜剥離層31を用いることで、中栓20から該シール材30を剥離 する際の引剥し力は、0.4乃至2(kg)の範囲に納まり、手で容易にシール 材30を引剥すことができる。昜剥離層31の厚さは、20μm乃至250μm 程度とされる。
【0026】 このような昜剥離層31の上には、直接または中間層を介して酸素ガスバリア ー層33が設けられる。酸素ガスバリヤー層33は、樹脂を主成分とし、より具 体的には、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物(エチレン・ビニルアルコール 共重合体と同義)若しくはその原料組成物、塩化ビニリデン系共重合体若しくは その原料組成物、または芳香族ポリアミド若しくはその原料組成物からなること が好ましい。酸素ガスバリアー層33の厚さは、5μm乃至50μm程度とされ る。
【0027】 さらに、このような酸素ガスバリアー層33の上には直接または中間層を介し て保護層35を設けることが好ましい。保護層35は、光沢の付与、低温におけ る耐衝撃性の付与またはヒートシールで融着されるときの耐熱変形層という機能 を果たし、その具体的材質としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン 、高密度ポリエチレン、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニ ル共重合体、エチレン・アルキレート共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸 共重合体等が挙げられる。保護層35の厚さは、5μm乃至200μm程度とさ れる。
【0028】 このような多層構成からなる酸素ガスバリアー性シール材30は、前記酸素ガ スバリアー層33を含んでいるので、シール材30そのものの酸素ガス透過度を 200(cm3 /m2 ・24h・atm)以下とすることができ、充填された流 動性食品の酸素ガスによる酸敗や異臭発生を伴う変質を防ぐことができる。
【0029】 このような酸素ガスバリアー性シール材30の形状は、例えば、円形、楕円、 矩形または多角形とされる。また、シール材30の剥離を容易にするために図2 および図3に示されるような把手部37を形成することは好ましい態様である。 把手部37の形状は、把手が容易にできるものであれば特に限定されるものでは ない。また、必要に応じてシール材30は把手部37または把手部37脇にV字 形などの切欠きを配けて、該シール材3を破りつつ剥離するようにすることもで きる。
【0030】 酸素ガスバリアー性シール材30の厚さは、手で容易に引剥すことができ、か つ剥す前にシール材把手部31が切れることを防ぐために適当な厚さがあればよ く、好適には30μm乃至500μm程度とされる。
【0031】 酸素ガスバリアー性シール材30は、流動性食品の変質の有無を目視できる透 視性を備えていることが実用上好ましく、特に、JIS:K−7105に準拠す る曇価が0.1乃至16%の範囲内にあるように設定するのがよい。
【0032】 このような酸素ガスバリアー性シール材30を備える中栓20が、容器本体5 の口頚部10の先端部10aに嵌着された後には、該中栓20を収納するように 容器本体5の口頚部10と螺合するキャップ50が設けられる(図1)。また、 本考案の中栓付き容器の組み立ては、後述する実施例のごとくキャップ50の中 に中栓20を収納した後に、これらと容器本体5との嵌着および螺合を行うこと もできる。
【0033】 キャップ50は、図1に示されるように、天井面部52とこの天井面部52の 周縁から垂下するスカート部54を有し、該スカート部54の内周面には前記容 器本体5の口頚部10(螺合部13)と螺合する螺合部53が形成されている。 このようなキャップ50の材質は特に制限されるものではないが、例えば、ポリ プロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、エチレン・αオレフィン共重合体 、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等の材質のものが用いられる。
【0034】
【実施例】
以下、本考案に係る中栓付き容器の具体的実施例を挙げて本考案をさらに詳細 に説明する。
【0035】 (実施例1) まず、最初に、本考案の中栓付き容器を形成するために、下記の要領で口頚 部を備える容器本体5、容器本体の口頚部の先端部に嵌着される中栓20、 中栓を収納するように該容器本体の口頚部と螺合するキャップ50、中栓に被 着される酸素ガスバリアー性シール材30をそれぞれ準備した。
【0036】 容器本体5の形成 ブロー成形により内容量500(cm3 )の容器本体を作製した。容器本体は 、多層構成の積層体ボトルとした。該多層構成は、表層から、プロピレン・エチ レン共重合体層/接着層/エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物層/接着層/リ サイクル樹脂層/接着層/プロピレン・エチレン共重合体層の7層からなる。
【0037】 中栓20の形成 ポリオレフィンである低密度ポリエチレンの三井石油化学製商品名ミラソン銘 柄C260−4P(融点117℃)を用いて、射出成形により図2に示されるよ うな中栓を成形した。なお、注出口27の形状は星形とした。
【0038】 キャップ50の形成 プロピレン・エチレン共重合体(昭和電工社製、商品名ショウアロマー、銘柄 MD770H)を用いて射出成形により図2に示されるようなキャップを成形し た。
【0039】 酸素ガスバリアー性シール材30 シール材30を、接着層も含めて5層構造とした。すなわち、保護層35/接 着層/酸素ガスバリヤー層33/接着層/昜剥離層31=40μm/5μm/1 5μm/5μm/25μm(総厚さ90μm)とした。昜剥離層31を構成する 材料は、スリップ剤としてエルカ酸アマイドを1000(ppm)及びアンチブ ロッキング剤として合成シリカを400(ppm)含む低密度ポリエチレンとし た。スリップ剤は出光石油化学製の#EE49マスターバッチを用い、アンチブ ロッキング剤は出光石油化学製マスターバッチを用いた。酸素ガスバリヤー層3 3を構成する材料は、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物であるクラレ製商品 名エバール銘柄EP−E153(エチレン含有量44モル%、鹸化度99%)と した。保護層35を構成する材料は、ポリオレフィンであるエチレン・ブテン− 1共重合体の三井石油化学製商品名ウルトゼックス銘柄2021L(融点125 ℃)とした。
【0040】 このシール材30の形状はシートからの分割損失の少ない四角形とし、中栓2 0にヒートシールするとき、中栓20の周縁から外方に出る余剰部分が、シール 材の把手部37となるようにした。
【0041】 このように形成したシール材30の酸素透過度を、JIS:K−7126に準 拠して測定したところ、48(cm3 /m2 ・24h・atm)であった。また 、該シール材30の透明性を、JIS:K−7105に準拠して測定したところ 、曇価8%であった。なお、酸素透過度および曇価の測定は下記の方法によって 行った。
【0042】 (1) 酸素透過度(酸素ガスバリヤー性の測定) JIS:K−7126に準拠する測定器である、Modern Contro ls製商品名OX−TRAN2/20を用いて測定した。測定条件は、温度30 ℃かつ相対湿度80%RHとした。測定値の単位は、(cm3 /m2 ・24h・ atm)である。この単位は、数式として(cm3 /m2 /24h/atm)と 表わされることもある。
【0043】 (2) 曇価(透視性の測定) JIS:K−7105に準拠する測定器である、日本電色工業製商品名DH− Σ80を用いて測定した。透視性または透明性が良いと曇価は小さい。曇価は、 Hazeと同義である。測定値の単位は、(%)である。
【0044】 (3) 引剥し力(中栓20からシール材30を剥離する際の力) 引張り型ばね式計り(最大引張り5Kgまで有効に測定できる計り)を用いて 、中栓20に融着しているシール材30の把手部37を該計りに接着剤を用いて 固着して、中栓を固定しつつ、把手部37を引張り上げ、シール剤30を剥離す る力である。測定値の単位は(Kg)であり、小数点1桁目まで読み取る。
【0045】 上記のごとく準備した中栓20の頂部の上に、上記酸素ガスバリアー性シール 材30を乗せて、140℃に加熱した熱板を用いて、ヒートシールした。ヒート シールされた中栓20から、シール材30を室温で該ばね式計りを用いて剥がす 引剥し力は、1±0.4(kg)の範囲内であることが確認された。
【0046】 なお、上述したようにシール材30の形状はシートからの分割損失の少ない四 角形であり、中栓20にヒートシールするとき、中栓20の周縁から外方に出る 余剰部分を、シール材把手部37とした。
【0047】 このようにしてシール材30をヒートシールした中栓20を、キャップ50の 天井面部裏に挿入し、次いで口頚部10に螺合部13を備える容器本体5を、同 じく螺合部53を備えるキャップ50内方に挿入して螺着し螺合することで、中 栓20を容器本体5の口頚部10と嵌合させて、本考案の中栓付き容器を完成さ せた。この中栓付き容器は、従来の金属を含むシール材とほぼ同程度に酸素ガス が容器本体内に侵入することを防止できることが確認できた。また、分別収集が 容易で、しかもプラスチックとして再利用も可能である。また、シール材30の 透明性が高いために、シール材30剥離前に内容物の状態も目視にて容易に確認 できた。
【0048】 (実施例2) 上記実施例1において、酸素ガスバリアー性シール材30の厚さ構成を、保護 層35/接着層/酸素ガスバリアー層33/接着層/昜剥離層31=70μm/ 10μm/20μm/10μm/70μm(総厚さ180μm)とした。それ以 外は、前記実施例1と同様にして、本考案の中栓付き容器を完成させた。この中 栓付き容器は、従来の金属を含むシール材とほぼ同程度に酸素ガスが容器本体内 に侵入することを防止できることが確認できた。また、分別収集が容易で、しか もプラスチックとして再利用も可能である。また、シール材30の透明性が高い ために、シール材30剥離前に内容物の状態も目視にて容易に確認できた。なお 、実施例2におけるシール材30の酸素透過度は、36(cm3 /m2 /24h ・atm)であり、シール材3の透明性は、曇価15%であった。
【0049】
【考案の効果】
以上の結果より本考案の効果は明らかである。すなわち、本考案は、口頚部を 備える容器本体と、該容器本体の口頚部の先端部に嵌着される中栓と、該中栓を 収納するように該容器本体の口頚部と螺合するキャップを有する中栓付き容器で あって、前記容器本体の口頚部は、その外周面に前記キャップと螺合する螺合部 を有し、前記キャップは、天井面部とこの天井面部の周縁から垂下するスカート 部を有し、該スカート部の内周面には前記容器本体の口頚部と螺合する螺合部を 有し、前記中栓は、頂部とその頂部の周縁から垂下する環状垂下壁部を有し、該 頂部の略中央にはその頂部を貫通する注出口を備え、該中栓の頂部上面には、酸 素ガスバリアー性シール材が設けられ、前記酸素ガスバリアー性シール材は、プ ラスチック性であり、前記中栓の頂部上面に中栓の注出口を塞ぐようにヒートシ ールされているように構成されているので、空気中の酸素ガスが容器本体内に侵 入することを防止できることはもとより、分別収集が容易で、しかもプラスチッ クとして再利用可能な中栓付き容器が実現できる。また、シール材の透明性を高 めることにより、シール材剥離前に内容物の状態が目視にて確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の中栓付き容器の部分断面図である。
【図2】本考案に用いられる、酸素ガスバリアー性シー
ル材が被着された中栓の断面図である。
【図3】本考案に用いられる、酸素ガスバリアー性シー
ル材の積層状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…中栓付き容器 5…容器本体 10…口頚部 10a…口頚部の先端部 13…螺合部 20…中栓 22…頂部 24…環状垂下壁部 27…注出口 30…酸素ガスバリアー性シール材 31…昜剥離層 33…酸素ガスバリアー層 50…キャップ 52…天井面部 53…螺合部 54…スカート部

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 口頚部を備える容器本体と、該容器本体
    の口頚部の先端部に嵌着される中栓と、該中栓を収納す
    るように該容器本体の口頚部と螺合するキャップを有す
    る中栓付き容器であって、 前記容器本体の口頚部は、その外周面に前記キャップと
    螺合する螺合部を有し、 前記キャップは、天井面部とこの天井面部の周縁から垂
    下するスカート部を有し、該スカート部の内周面には前
    記容器本体の口頚部と螺合する螺合部を有し、 前記中栓は、頂部とその頂部の周縁から垂下する環状垂
    下壁部を有し、該頂部の略中央にはその頂部を貫通する
    注出口を備え、該中栓の頂部上面には、酸素ガスバリア
    ー性シール材が設けられ、 前記酸素ガスバリアー性シール材は、プラスチック性で
    あり、前記中栓の頂部上面に中栓の注出口を塞ぐように
    ヒートシールされていることを特徴とする中栓付き容
    器。
  2. 【請求項2】 前記酸素ガスバリアー性シール材は、樹
    脂を主成分とする昜剥離層と樹脂を主成分とする酸素ガ
    スバリアー層を備え、該昜剥離層が該中栓の頂部上面に
    ヒートシールされていることを特徴とする請求項1記載
    の中栓付き容器。
  3. 【請求項3】 前記酸素ガスバリアー性シール材は、酸
    素ガスバリアー層の上にさらに樹脂を主成分とする保護
    層を備えることを特徴とする請求項2記載の中栓付き容
    器。
  4. 【請求項4】 前記酸素ガスバリアー性シール材は、前
    記中栓とのヒートシール接着においてその引き剥し力が
    0.4乃至2kgに設定されていることを特徴とする請
    求項1乃至請求項3のいずれかに記載の中栓付き容器。
  5. 【請求項5】 前記酸素ガスバリアー性シール材は、そ
    の曇価が0.1乃至16%に設定されていることを特徴
    とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の中栓付
    き容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010064779A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Kureha Corp 高周波誘導加熱により溶着し貼付される蓋材

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JP2010064779A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Kureha Corp 高周波誘導加熱により溶着し貼付される蓋材

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