JP3022549B1 - 微動位置決め機構,微動位置決めステージ装置及び作業用アーム装置 - Google Patents

微動位置決め機構,微動位置決めステージ装置及び作業用アーム装置

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JP3022549B1
JP3022549B1 JP11058177A JP5817799A JP3022549B1 JP 3022549 B1 JP3022549 B1 JP 3022549B1 JP 11058177 A JP11058177 A JP 11058177A JP 5817799 A JP5817799 A JP 5817799A JP 3022549 B1 JP3022549 B1 JP 3022549B1
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Abstract

【要約】 【課題】 位置決め精度の向上を課題とする。 【解決手段】 所定方向の運動を行い位置決めされる可
動部材2と、少なくとも二以上のプーリ51a,51
b,51cと、これらのプーリ51a,51b,51c
に張設され,可動部材2に運動を行う駆動力を伝達する
動力伝達ベルト52と、各プーリ51a,51b,51
cの内,互いに隣接する二つのプーリ51b,51cに
同時に外接する直線に沿って動力伝達ベルト52に搬送
動作を付勢する搬送付勢手段5とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微動位置決め機
構,微動位置決めステージ装置及び作業用アーム装置に
係り、特に、細密移動に好適な微動位置決め機構,微動
位置決めステージ装置及び作業用アーム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】微動位置決めステージ装置は、従来から
高精度の計測、加工等に使用されるものであり、計測等
を行う対象物を固定した微動ステージを、所定の方向に
ミクロン単位で移動させ、かかる対象物の高精度の位置
決めを行う。このような微動位置決めステージ装置に
は、直動式,回転式,傾動式等のように、対象物の運動
方向に応じて、多種多様なものが存在する。
【0003】図11は、従来の直動式の微動位置決めス
テージ装置1000を正面方向から見た断面図を示して
いる。この微動位置決めステージ装置1000は、位置
決めを行う対象物を保持する微動ステージ1010と、
この微動ステージ1010を支持する基台1020と、
この基台1020と微動ステージ1010との間に装備
され,基台1020に対する微動ステージ1010の一
定方向の運動を自在に案内するガイド機構1030と、
微動ステージ1010の一定方向の運動の移動を付勢す
る微動位置決め機構1040とを備えている。
【0004】微動ステージ1010は、上部に平滑面を
備え、位置決めを行う対象物がこの平滑面上に載置され
固定される。この微動ステージ1010は、ガイド機構
である直動式のガイドレール1030を介して基台10
20に装備されている。このガイドレール1030は、
基台1020を水平面上に置いた場合に当該水平面に対
して垂直方向を向くよう当該基台1020に装備されて
いる。従って、微動ステージ1010は、基台1020
を水平面上に設置した場合に、垂直方向に沿った昇降動
作が自在となっている。
【0005】微動位置決め機構1040は、ステッピン
グモータ1041と、このステッピングモータ1041
の駆動軸にカップリング1046を介して連結されたウ
ォームが形成された主動軸1042と、この主動軸10
42のウォームと係合する従動ギヤ(ウォームホィー
ル)1043と、この従動ギヤ1043と同心且つ連動
するピニオンギヤ1044と、このピニオンギヤ104
4に係合するラック部材1045とを有する構成となっ
ている。
【0006】上記ステッピングモータ1041は、その
駆動軸が、基台1020の外部において、当該基台10
20の置かれる載置面と平行となるように装備されてい
る。かかる駆動軸は、その一端部がカップリング104
6を介して主動軸1042と同心で連結され、他端部に
は手動による回転力を入力するための手動つまみ104
7が装備されている。
【0007】主動軸1042は、基台1020に、軸受
けを介してその長手方向を中心として回転自在に装備さ
れている。また、その外周面には、螺旋溝が設けられ、
これが前述したウォームとして機能する。
【0008】従動ギヤ1043は、基台1020に、図
示しない軸受けを介して当該基台1020の置かれる載
置面と平行且つ主動軸1042と直交する方向に沿って
回転自在に装備された回転軸1048に固定装備されて
いる。かかる従動ギヤ1043の外周面に形成された歯
は、上記ウォームに係合している。
【0009】変速ギヤ1044は、従動ギヤ1043と
同様に回転軸1048に固定装備されている。また、変
速ギヤ1044は、従動ギヤ1043より半径が小さく
歯数も少なく設定されている。従って、変速ギヤ104
4は、主動軸1042から回転力が伝達された従動ギヤ
1043と連動しつつ、減速された移動力をラック部材
1045側に伝達する。
【0010】ラック部材1045は、基台1020が置
かれる載置面に対して垂直方向となるように微動ステー
ジ1010に装備されている。
【0011】使用に際しては、基台1020を水平面上
に置き、微動ステージ1010上には位置決めを行う対
象物が固定される。そして、ステッピングモータ104
1を所定の回転量駆動させると、主動軸1042,従動
ギヤ1043,減速ギヤ1044及びラック部材104
5を介して移動力が付勢され、ステッピングモータ10
41の回転量に比例する一定割合の微小移動量だけ微動
ステージ1010が移動し、これにより、垂直方向の微
動位置決めが行われる。
【0012】図12は、従来の回転式の微動位置決めス
テージ装置1100を一部切り欠いた平面図を示してい
る。この微動位置決めステージ装置1100は、位置決
めを行う対象物を保持する微動ステージ1110と、こ
の微動ステージ1110を支持する基台1120と、こ
の基台1120と微動ステージ1110との間に装備さ
れ,基台1120に対する微動ステージ1110の一定
方向の運動を自在に案内するガイド機構1130と、微
動ステージ1110の一定方向の運動の移動を付勢する
微動位置決め機構1140とを備えている。
【0013】微動ステージ1110は、上部に平滑面を
備える円板状を成し、位置決めを行う対象物がこの平滑
面上に載置され固定される。この微動ステージ1110
は、ガイド機構である回転式の軸受け1130と後述す
る微動位置決め機構1140の従動ギヤ1143を介し
て基台1120に回転自在に装備されている。
【0014】基台1120は、当該基台1120が置か
れる載置面に対して垂直となる支持軸1121が内部中
央に立設されている。この支持軸1121に上述した軸
受け1130を介して従動ギヤ1143が装備される。
従って、微動ステージ1110は、基台1120を水平
面上に設置した場合に、垂直方向を中心として回転動作
が行われる。
【0015】微動位置決め機構1140は、ステッピン
グモータ1141と、このステッピングモータ1141
の駆動軸にカップリング1144を介して連結されたウ
ォームが形成された主動軸1142と、この主動軸11
42のウォームと係合する従動ギヤ(ウォームホィー
ル)1143とを有する構成となっている。
【0016】上記ステッピングモータ1141は、その
駆動軸が、基台1120の外部において、当該基台11
20の置かれる載置面と平行となるように装備されてい
る。かかる駆動軸は、その一端部がカップリング114
4を介して主動軸1142と同心で連結され、他端部に
は手動による回転力を入力するための手動つまみ114
5が装備されている。
【0017】主動軸1142は、基台1120に、軸受
けを介してその長手方向を中心として回転自在に装備さ
れている。また、その外周面には、螺旋溝が設けられ、
これが前述したウォームとして機能する。
【0018】従動ギヤ1143は、基台1120の支持
軸1121に軸受け1130を介して当該基台1120
の置かれる載置面に垂直な方向を中心として回転自在に
装備されている。かかる従動ギヤ1143の外周面に形
成された歯は、上記ウォームに係合している。
【0019】また、従動ギヤ1143は、その上部で微
動ステージ1110と同心で固定連結されており、ステ
ッピングモータ1141から主動軸1142を介して付
勢される回転駆動力が微動ステージ1110に伝達され
る。
【0020】使用に際しては、基台1120を水平面上
に置き、微動ステージ1110上には位置決めを行う対
象物が固定される。そして、ステッピングモータ114
1を所定の回転量駆動させると、主動軸1142,従動
ギヤ1143を介して回転力が付勢され、ステッピング
モータ1141の回転量を一定の比率で縮小した回転量
だけ微動ステージ1110の回転動作が行われ、これに
より、垂直方向を中心とする回転方向の微動位置決めが
行われる。
【0021】図13は、従来の傾動式の微動位置決めス
テージ装置1200を正面方向から見た断面図を示して
いる。この微動位置決めステージ装置1200は、位置
決めを行う対象物を保持する微動ステージ1210と、
この微動ステージ1210を支持する基台1220と、
この基台1220と微動ステージ1210との間に装備
され,基台1220に対する微動ステージ1210の一
定方向の運動を自在に案内するガイド機構1230と、
微動ステージ1210の一定方向の運動の移動を付勢す
る微動位置決め機構1240とを備えている。
【0022】微動ステージ1210は、上部に平滑面を
備え、位置決めを行う対象物がこの平滑面上に載置され
固定される。この微動ステージ1210は、ガイド機構
である円弧状のガイドレール1230を介して基台12
20に装備されている。また、この微動ステージ121
0は、その下部が、載置面の上方に位置する中心軸C
(中心軸Cは紙面と垂直のため、図中では点で表されて
いる)を中心とする円弧に沿って凸状に形成されてお
り、上述のガイドレール1230もかかる中心軸Cを中
心として微動ステージ1210と基台1220との間に
装備されている。
【0023】基台1220は、その上部が微動ステージ
1210の下部に対応して中心軸Cを中心とする円弧に
沿って凹状に形成されており、かかる凹状部に微動ステ
ージ1210の凸状部を近接対向させた状態でガイドレ
ール1230を介して当該微動ステージ1210と連結
されている。
【0024】また、上記の中心軸Cは、基台1220を
水平面上に置いた場合に当該水平面と平行となるように
設定されている。従って、基台1220を水平面上に置
いた場合に、微動ステージ1210は、その上部平滑面
が、水平方向の中心軸Cを中心として水平状態から傾斜
させることが自在となっている。
【0025】微動位置決め機構1240は、ステッピン
グモータ1241と、このステッピングモータ1241
の駆動軸にカップリング1244を介して連結されたウ
ォームが形成された主動軸1242と、この主動軸12
42のウォームと係合する従動ギヤ(ウォームホィー
ル)1243とを有する構成となっている。
【0026】上記ステッピングモータ1241は、その
駆動軸が、基台1220の外部において、当該基台12
20の置かれる載置面と平行となるように装備されてい
る。かかる駆動軸は、その一端部がカップリング124
4を介して主動軸1242と同心で連結され、他端部に
は手動による回転力を入力するための手動つまみ124
5が装備されている。
【0027】主動軸1242は、基台1220内部に、
軸受けを介してその長手方向を中心として回転自在に装
備されている。また、その外周面には、螺旋溝が設けら
れ、これが前述したウォームとして機能する。
【0028】従動ギヤ1243は、正確には、ギヤの一
部分からなり、微動ステージ1210の下面側に固定装
備されている。即ち、この従動ギヤ1243は、微動ス
テージ1210が基台1220に装備された状態におい
て、前述した中心軸Cを中心として主動軸1242のウ
ォームと噛み合うウォームホィールの一部分から構成さ
れている。
【0029】使用に際しては、基台1220を水平面上
に置き、微動ステージ1210上には位置決めを行う対
象物が固定される。そして、ステッピングモータ124
1を所定の回転量駆動させると、主動軸1242及び従
動ギヤ1243を介して移動力が付勢され、ステッピン
グモータ1241の回転量を一定の比率で縮小した傾斜
角度だけ微動ステージ1210が傾斜動作を行い、これ
により、水平方向を軸とする傾斜動作における微動位置
決めが行われる。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】上述の微動位置決めス
テージ装置に限らず、昨今の計測、加工等を行う装置の
分野を含んだ位置決めを行う対象物の位置決めを行う必
要性がある分野では、高い精度での位置決めを安定して
行うことが要求される。従って、かかる分野では、高い
精度で位置決めを行う対象物の移動を行い得る微動位置
決め機構の要求が高かった。
【0031】上述した各微動位置決めステージ装置のよ
うに、駆動源の移動力の発生する方向が回転系であり、
微動ステージの移動方向が、かかる駆動源の回転中心と
は異なる方向に沿った直線移動や異なる方向を中心とす
る回転移動である場合には、その駆動力の伝達には、平
歯車、ラックとピニオン又はウォームギヤからなる各種
の歯車機構を用いることが一般的である。
【0032】しかしながら、これら平歯車、ラックとピ
ニオン又はウォームギヤからなる各種の歯車機構は、各
歯車間のバックラッシュの影響が避けられなかった。
【0033】即ち、駆動源が微小変移の移動量を発生し
ても、バックラッシュの発生により、微動ステージに対
しては、正確な位置決めが安定して行われるとは限ら
ず、従来の微動位置決めステージ装置では、その使用目
的に要求される精度が維持できない場合があった。
【0034】これら歯車機構のバックラッシュを低減す
るために、コイルバネ等を使用して、位置決めを行う対
象物(或いは微動ステージ)に常時一定方向のテンショ
ンを加えるような対策も考えられるが、一般に各種歯車
は、その噛み合い部分が擦れるため、歯車機構の歯の部
分の摩耗が大きくなり、結果的に伝達移動量の精度が低
下するという不都合があった。
【0035】また、位置決めを行う対象物の運動が、単
純に直線方向の移動のみを目的とする場合には、ステッ
ピングモータの駆動軸にボールネジを使用したり、リニ
アモータによる移動力の付勢を行うことも考えられる
が、上述した各種微動位置決めステージ装置のように、
駆動源から発生する移動方向とは異なる方向に位置決め
を行う対象物を移動させたり、直線方向の移動から回転
方向への移動に変換する場合には、その伝達機構として
各種歯車機構が介在するため、結果として、位置決めを
行う対象物の位置決め精度を高く維持することは困難で
あった。
【0036】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、高い精度で位置決めを行う対象物の位置決め
を行い得る微動位置決め機構,微動位置決めステージ装
置及び作業用アーム装置を提供することを、その目的と
する。
【0037】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、所定方向の運動(例えば、直線移動動作、回転動
作、傾斜動作)を行い位置決めされる可動部材と、少な
くとも二以上のプーリと、これらのプーリに張設され,
可動部材に運動を付勢する無端環状の動力伝達ベルト
と、各プーリの内,互いに隣接する二つのプーリ間に張
設されて直線状を成す部位に沿って動力伝達ベルトに搬
送動作を付勢する搬送付勢手段と、を備えるという構成
を採っている。
【0038】かかる構成を有する微動位置決め機構で
は、各プーリに弛むことなく動力伝達ベルトが張設され
ているため、いずれかの隣接する二つのプーリ間では、
かかる動力伝達ベルトは直線状を成すこととなる。この
直線方向に沿って動力伝達ベルトの当該直線状となる部
分から搬送動作を付勢することにより、動力伝達ベルト
は、搬送付勢手段によって搬送された移動量と同じ移動
量がその全体に渡って伝達される。
【0039】従って、搬送付勢手段から出力された移動
変移量は、途中で変化することなく一定の状態で可動部
材に伝達され、当該可動部材は所定方向への運動を行い
且つ位置決めが行われる。
【0040】請求項2記載の発明は、所定方向の運動を
行い位置決めされる可動部材と、少なくとも二以上のプ
ーリと、これらのプーリに張設され,可動部材に運動を
付勢する動力伝達ベルトと、各プーリの内,互いに隣接
する二つのプーリに同時に外接する直線に沿って動力伝
達ベルトに搬送動作を付勢する搬送付勢手段とを備え、
搬送付勢手段が動力伝達ベルトに固定装備された固定部
材を介して搬送動作を付勢すると共に、可動部材も動力
伝達ベルトに固定装備され、固定部材が、各プーリのい
ずれかの間に位置にするときに、可動部材は、各プーリ
の他の間に位置する配置とする、という構成を採ってい
る。
【0041】かかる構成にあっては、搬送手段により所
定の移動変移量で固定部材が移動されると、動力伝達ベ
ルトを介して可動部材に対して同一の移動変移量伝えら
れ、これにより当該可動部材は所定方向の運動を行い位
置決めが行われる。
【0042】請求項3記載の発明では、上記各構成に加
えて、動力伝達ベルトを、可撓性を有しつつ伸縮性の小
さい素材とする構成を採り、さらに、請求項4記載の発
明では、同様の性質を有する金属とする構成を採ってい
る。
【0043】請求項5記載の発明では、上記各構成と同
様の構成を有すると共に、動力伝達ベルトにその外側か
ら内側に又はその内側から外側に向かって押圧接触する
テンションローラを備えている。かかる構成では、テン
ションローラにより、動力伝達ベルトが各プーリ間で弛
みを生じることなくに張設された状態を維持する。
【0044】請求項6記載の発明では、請求項1記載の
微動位置決め機構と同様の構成を有すると共に、動力伝
達ベルトの外側面にその搬送方向に渡って均一のピッチ
で無数の歯が形成され、搬送付勢手段が、動力伝達ベル
トに固定装備された固定部材を介して搬送動作を付勢す
ると共に、動力伝達ベルトの歯に対応するピッチで歯を
備える従動プーリを有し、この従動プーリが、可動部材
と固定連結されると共に、各プーリのいずれかの間で、
動力伝達ベルトにその外側から内側に向かって押圧接触
する。
【0045】上記構成では、搬送手段は、固定部材を介
して動力伝達ベルトを搬送する。これにより、各プーリ
間に張設された動力伝達ベルトは、全体に渡って一定の
変移量で搬送される。そして、この動力伝達ベルトに当
該動力伝達ベルトを各プーリの間に押し込むようにして
押圧接触する従動プーリは、相互に形成された歯によっ
て滑りを生じることなく回転駆動される。従って、可動
部材は、従動プーリの回転に伴い、同方向への移動力が
付勢され、当該可動部材の位置決めが行われる。
【0046】このとき、従動プーリは、動力伝達ベルト
に押圧接触する構成のため、従動プーリの歯と動力伝達
ベルトの歯との間でバックラッシュの発生は抑制され
る。
【0047】請求項7記載の発明は、所定方向の運動
(例えば、直線移動動作、回転動作、傾斜動作等)を行
い位置決めされる微動ステージと、この微動ステージを
支持する基台と、この基台と微動ステージとの間に装備
され,基台に対する微動ステージの一定方向の運動を自
在に案内するガイド機構と、微動ステージの一定方向の
運動を付勢する微動位置決め機構と、を備える微動位置
決めステージ装置であって、この微動位置決め機構が、
少なくとも二以上のプーリと、これらのプーリに張設さ
れ,微動ステージに運動を付勢する無端環状の動力伝達
ベルトと、各プーリの内,互いに隣接する二つのプーリ
間に張設されて直線状を成す部位に沿って動力伝達ベル
トに搬送動作を付勢する搬送付勢手段と、を備えるとい
う構成を採っている。
【0048】かかる構成では、各プーリに弛むことなく
動力伝達ベルトが張設されているため、いずれかの隣接
する二つのプーリ間では、かかる動力伝達ベルトは直線
状を成すこととなる。この直線方向に沿って動力伝達ベ
ルトの当該直線状となる部分から搬送動作を付勢するこ
とにより、動力伝達ベルトは、搬送付勢手段によって搬
送された移動量と同じ移動量がその全体に渡って伝達さ
れる。
【0049】従って、搬送付勢手段から出力された移動
変移量は、途中で変化することなく一定の状態で微動ス
テージに伝達され、当該微動ステージは、所定方向の運
動を行い且つ位置決めが行われる。
【0050】請求項8記載の発明では、所定方向の運動
を行い位置決めされる微動ステージと、この微動ステー
ジを支持する基台と、この基台と微動ステージとの間に
装備され,基台に対する微動ステージの一定方向の運動
を自在に案内するガイド機構と、微動ステージの一定方
向の運動を付勢する微動位置決め機構とを備え、この微
動位置決め機構が、少なくとも二以上のプーリと、これ
らのプーリに張設され,微動ステージに運動を付勢する
動力伝達ベルトと、各プーリの内,互いに隣接する二つ
のプーリに同時に外接する直線に沿って動力伝達ベルト
に搬送動作を付勢する搬送付勢手段とを備え、この搬送
付勢手段が動力伝達ベルトに固定装備された固定部材を
介して搬送動作を付勢すると共に、微動ステージも動力
伝達ベルトに連結され、固定部材が、各プーリのいずれ
かの間に位置にするときに、微動ステージを、各プーリ
の他の間となる位置で動力伝達ベルトに連結するという
構成を採っている。
【0051】かかる構成にあっては、搬送手段により所
定の移動変移量で固定部材が移動されると、動力伝達ベ
ルトを介して微動ステージに対して同一の移動変移量伝
えられ、これにより当該微動ステージは所定方向の運動
を行い位置決めが行われる。
【0052】請求項9記載の発明では、請求項8記載の
発明と同様の構成を備えると共に、微動位置決め機構
は、直角三角形の各頂点に回転中心が位置する少なくと
も三つのプーリを有し、固定部材が、直角三角形の互い
に直交する二辺の内の一方の辺の両端に位置する二つの
プーリの間に位置にするときに、微動ステージは、直角
三角形の互いに直交する二辺の内の他方の辺の両端に位
置する二つのプーリの間に位置する配置とするという構
成を採っている。
【0053】上述の構成では、固定部材に付勢される移
動方向が、動力伝達ベルトを介して当該移動方向と垂直
を成す方向へ変換されて微動ステージに伝達される。微
動ステージは、かかる方向へ移動力の付勢を受けて位置
決めが行われる。
【0054】請求項10記載の発明では、請求項8記載
の発明と同様の構成を備えると共に、微動ステージは、
当該微動ステージが運動を行う方向に沿った,円筒物の
外周面の一部からなる周面を有すると共に、ガイド機構
がこの周面に沿って微動ステージの移動を案内し、この
周面の一部を、隣接する二つのプーリの間となる位置
で,動力伝達ベルトにその搬送方向に沿った一定長さに
渡って押圧接触させると共にかかる接触領域の一部で連
結するという構成を採っている。
【0055】かかる構成では、微動ステージの周面の一
部が動力伝達ベルトに押圧接触している。このため、か
かる搬送方向における接触領域の長さの範囲内で、動力
伝達ベルトの搬送が行われると、微動ステージはその周
面を含んだ円筒の中心を軸として動力伝達ベルト上を転
がるようにして傾動を行う。これにより、微動ステージ
は上述の円筒の中心を軸とする傾動を行い位置決めが行
われる。
【0056】請求項11記載の発明では、請求項10記
載の発明と同様の構成を備えると共に、微動ステージ
を、その周面が、隣接する二つのプーリに動力伝達ベル
トを介して同時に外接する配置とする構成を採ってい
る。
【0057】上記の構成では、請求項10の構成とほぼ
同様の動作が行われると共に、二つのプーリ間に渡っ
て、動力伝達ベルトが微動ステージの周面に押圧接触
し、かかる状態で動力伝達ベルトが搬送されると、微動
ステージは、二つのプーリ上を転がるようにして傾動を
行う。これにより、微動ステージは上述の円筒の中心を
軸とする傾動を行い位置決めが行われる。
【0058】請求項12記載の発明では、上記各構成に
加えて、動力伝達ベルトを、可撓性を有しつつ伸縮性の
小さい素材とする構成を採り、さらに、請求項13記載
の発明では、同様の性質を有する金属とする構成を採っ
ている。
【0059】請求項14記載の発明では、上記各構成と
同様の構成を備えると共に、微動位置決め機構は、動力
伝達ベルトにその外側から内側に又はその内側から外側
に向かって押圧接触するテンションローラを有するとい
う構成を採っている。かかる構成では、テンションロー
ラにより、動力伝達ベルトが各プーリ間で弛みを生じる
ことなくに張設された状態を維持する。
【0060】請求項15記載の発明では、請求項7記載
の発明と同様の構成を備えると共に、動力伝達ベルトの
外側面にその搬送方向に渡って均一のピッチで無数の歯
を形成し、微動位置決め機構が、動力伝達ベルトに固定
装備された固定部材を介して搬送動作の付勢を行うと共
に、動力伝達ベルトの歯に対応するピッチで歯が形成さ
れた従動プーリを備え、この従動プーリが、微動ステー
ジに固定連結されると共に、各プーリのいずれかの間
で、動力伝達ベルトにその外側から内側に向かって押圧
接触する配置とするという構成を採っている。
【0061】上記構成では、搬送手段は、固定部材を介
して動力伝達ベルトを搬送する。これにより、各プーリ
間に張設された動力伝達ベルトは、全体に渡って一定の
変移量で搬送される。そして、この動力伝達ベルトに当
該動力伝達ベルトを各プーリの間に押し込むようにして
押圧接触する従動プーリは、相互に形成された歯によっ
て滑りを生じることなく回転駆動される。従って、微動
ステージは、従動プーリの回転に伴い、同方向への移動
力が付勢され、当該微動ステージの位置決めが行われ
る。
【0062】このとき、従動プーリは、動力伝達ベルト
に押圧接触する構成のため、従動プーリの歯と動力伝達
ベルトの歯との間でバックラッシュの発生は抑制され
る。
【0063】請求項16記載の発明では、先端部に作業
用マニピュレータを有するアーム部材と、このアーム部
材の後端部を回動自在に支持する基台と、アーム部材の
回動により作業用マニピュレータの位置決めを行う微動
位置決め機構と、を備える作業用アーム装置であって、
この微動位置決め機構が、少なくとも二以上のプーリ
と、これらのプーリに張設され,アーム部材に回動動作
を付勢する動力伝達ベルトと、各プーリの内,互いに隣
接する二つのプーリに同時に外接する直線に沿って動力
伝達ベルトに搬送動作を付勢する搬送付勢手段と、を備
え、各プーリの内の一つを、その回転中心とアーム部材
の回動動作の中心とを同一軸上に配した状態で当該アー
ム部材と連結すると共に、このプーリの動力伝達ベルト
との接触面の一部を当該動力伝達ベルトに固定するとい
う構成を採っている。
【0064】かかる構成を有する作業用アーム装置で
は、各プーリに弛むことなく動力伝達ベルトが張設され
ているため、いずれかの隣接する二つのプーリ間では、
かかる動力伝達ベルトは直線状を成すこととなる。この
直線方向に沿って動力伝達ベルトの当該直線状となる部
分から搬送動作を付勢することにより、動力伝達ベルト
は、搬送付勢手段によって搬送された移動量と同じ移動
量がその全体に渡って伝達される。
【0065】従って、搬送付勢手段から出力された移動
変移量は、途中で変化することなく一定の状態で各プー
リに伝達され、そのうちの一つのプーリに連結されたア
ーム部材は、当該プーリと共に回動し、当該アーム部材
の先端部に装備された作業用マニピュレータは、所定の
位置に位置決めされる。
【0066】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態) 本発明の第1の実施形態を図1及び図2に基づいて説明
する。図1は、通常水平面に置いて使用し、対象物の垂
直方向の位置決めを行う微動位置決めステージ装置10
の断面図を示している。
【0067】この微動位置決めステージ装置10は、位
置決めを行う対象物を保持する微動ステージ2と、この
微動ステージ2を支持する基台3と、この基台3と微動
ステージ2との間に装備され,基台3に対する微動ステ
ージのZ軸方向(後述)の往復移動を自在に案内するガ
イド機構4と、微動ステージ2のZ軸方向の往復移動を
付勢する微動位置決め機構5とを備えている。
【0068】上述の微動ステージ2は、基台3の上部に
装備され、天板21とその下部に装備された箱形部分2
2と可動部材24とから構成されている。
【0069】天板21の上部には平滑面23が設けられ
ると共に、位置決めを行う対象物がこの平滑面23上に
載置され固定される。図示は省略したが、かかる平滑面
23上には、位置決めを行う対象物を固定するための治
具を装着するためのネジ穴が複数設けられている。
【0070】箱形部分22の両側面の各々には、前述し
たガイド機構としてのガイドレール4の一端が固定装備
されている。このガイドレール4は、二つの角柱状部材
の相互の対向面上にその長手方向に沿ったV字溝を形成
し、これらのV字溝の間に複数の金属ボールを並べて介
挿したものである。二つの角柱状部材は、金属ボールに
より、相対的に互いにV字溝に沿った移動を円滑に行う
ことができるようになっている(図7参照、但し、図7
では角柱状部材即ち分離体が湾曲して形成されてい
る)。
【0071】また、この微動ステージ2は、基台3に対
して昇降動作を行うため、箱形部分22が基台3の内部
に設けられた微動位置決め機構5の各構成と衝突しない
ように、両側面並びに正面(図示略)及び背面の各部が
切り欠かれている。
【0072】さらに、微動ステージ2の天板21の下面
側には、上述した可動部材24が装備されている。この
可動部材24は、天板21の下面から垂直下方に向かっ
て立設されており、その先端部近傍で後述する動力伝達
ベルト52に連結されると共にその長手方向に渡って側
面が当該動力伝達ベルト52と当接した状態で配設され
ている。可動部材24は、その先端部近傍においてボル
ト締めにより動力伝達ベルト52と連結されているが、
このように、可動部材24と動力伝達ベルト52とがボ
ルト締めにより固定密着する領域は、動力伝達ベルト5
2の搬送方向についてその幅が狭ければ狭いほど良い。
これにより、可動部材24の搬送距離をより大きく確保
できるからである。
【0073】基台3は、箱形を呈しており、内部に微動
位置決め機構5の各構成が装備されると共に、微動ステ
ージ2の箱形部分22が収容される。また、基台3は、
両側壁面の各々の内側に前述したガイドレール4の他端
が装備されており、これらのガイドレール4を介して微
動ステージ2と連結されている。これらのガイドレール
4は、基台3を水平面上に置いた場合に、垂直方向の移
動を自在とする方向に向けられて当該基台3に装備され
ている(以下、基台3の置かれる面に対する垂直方向を
Z軸方向とする)。従って、微動ステージ2は、基台3
に対して、Z軸方向に沿った往復移動を自在となってい
る。
【0074】上記微動位置決め機構5は、三つのプーリ
51a,51b,51cと、これらのプーリ51a,5
1b,51cに同時に張設され,微動ステージ2に垂直
方向の往復移動を付勢する動力伝達ベルト52と、各プ
ーリ51a,51b,51cの内,互いに隣接する二つ
のプーリ51b,51cの間で張設されて直線状を成す
部位に沿って動力伝達ベルト52に搬送動作を付勢する
搬送付勢手段53とを備えている。
【0075】各プーリ51a,51b,51cは、基台
3の内部において、当該基台3を水平面上に置いた場合
に、いずれも回転軸を同一の水平方向に向けた状態で回
転自在に装備されている。また、各プーリ51a,51
b,51cは、その回転中心が直角三角形の各頂点に位
置する配置で基台3に装備されている。具体的には、互
いに直交する二辺の内の一方の辺の両端にプーリ51
b,51cを配置し、これと直交する辺の両側にプーリ
51a,51bを配置している。即ち、直角三角形の直
角となる頂点にプーリ51bが配置され、プーリ51a
はこのプーリ51bの垂直上方に配置されている。
【0076】動力伝達ベルト52は、可撓性を有しつつ
伸縮性の小さい金属(マルエージング鋼,チタン等)か
ら形成された無端ベルト(一例としては、株式会社ディ
ムコ社製:「全周圧延エンドレスベルト」が望ましい)
であり、微動ステージ2に昇降動作を付勢する際に生じ
る張力程度ではその長さにほとんど変動は生じない強度
のものが使用される。この動力伝達ベルト52は、上述
のプーリ51a,51b,51cがいずれも内接するよ
うに且つ弛みが生じないように装着される。
【0077】なお、前述した各プーリ51a,51b,
51cのいずれかには、動力伝達ベルト52の弛みを除
去するために、隣接する他のプーリとの間隔を調節する
ために回転軸を移動調節する調節機構を設けても良い。
上記配置の場合には、プーリ51a,51cのいずれか
の回転軸をプーリ51bの回転軸から離間近接させる調
節機構を装備することが望ましい。
【0078】搬送付勢手段53は、動力伝達ベルト52
の搬送の駆動源となるステッピングモータ54と、ステ
ッピングモータ54から生じる回転力を動力伝達ベルト
52に沿った往復移動力に変換するボールネジ機構55
とを有している。
【0079】上記ステッピングモータ54は、その駆動
軸が、基台3の外部において、二つのプーリ51b,5
1c間で動力伝達ベルト52が張設されている方向と平
行となるように装備されている。かかる駆動軸は、その
一端部がカップリング56を介してボールネジ機構55
の主動軸57と同心で連結され、他端部には手動による
回転力を入力するための手動つまみ58が装備されてい
る。
【0080】手動つまみ58は、ステッピングモータ5
4の回転力によらず、手動により微動ステージ2の位置
決めを行う場合に使用する。即ち、手動つまみ58を回
すことによりステッピングモータ54の駆動軸が回転さ
れ、ボールネジ機構55を介して動力伝達ベルト52が
搬送される。これに従って、微動ステージ2は昇降動作
を行う。
【0081】上述のボールネジ機構55は、外周面上に
螺旋溝が形成された主動軸57と、この主動軸57が挿
通され、当該主動軸57の回転により主動軸57に沿っ
て移動する固定部材としての従動体59とから構成され
ている。また、従動体59は、動力伝達ベルト52と固
定連結されており、主動軸57に沿って従動体59が移
動することにより動力伝達ベルト52は搬送される。
【0082】さらに、この微動位置決めステージ装置1
0では、前述した従動体59と可動部材24とが、動力
伝達ベルト52上において一定の位置関係で固定装備さ
れている。即ち、従動体59が、動力伝達ベルト52に
おける直角三角形の互いに直交する二辺の内の水平とな
る辺の両端に位置する二つのプーリ51b,51cの間
に固定装備され、かかる状態において、可動部材24
は、直角三角形の互いに直交する二辺の内の垂直となる
辺の両端に位置する二つのプーリ51a,51bの間に
固定装備されている。
【0083】上記構成から成る微動位置決めステージ装
置10の動作を説明する。使用に際しては、基台3を水
平面上に置き、微動ステージ2上には位置決めを行う対
象物が固定される。
【0084】ここで、図示はされていないが、この微動
位置決めステージ装置10は、ステッピングモータ54
の制御回路を備えている。かかる制御回路は、外部の上
位装置(例えば、パーソナルコンピュータ)との接続が
可能であり、この上位装置からの動作信号により、微動
位置決めステージ装置10の微動ステージ2のZ軸方向
の位置決めが行われる。
【0085】従動体59と可動部材24とが動力伝達ベ
ルト52を介して連結されているため、従動体59が主
動軸57に沿って移動すると、その移動量と等しい移動
量で微動位置決めステージ2が昇降動作を行う。
【0086】ここで、主動軸57に設けられた螺旋溝の
1ピッチ幅をm,ステッピングモータ54がn回のパル
ス電力を受けて1回転するものとし、上位装置から微動
位置決めステージ2の移動量をZoとする動作信号の入
力を受けると、制御回路では、次式(1)に表されるN
回のパルス電力をステッピングモータ54に与える。
【0087】N=n・Zo/m …(1)
【0088】これにより、ステッピングモータ54は、
角度2π・N/nだけ回転駆動を行い、主動軸57も同
様に回転する。かかる主動軸57の回転により、当該主
動軸57に沿って従動体59は、距離Zoだけ移動す
る。従動体59の移動方向は、動力伝達ベルト52にお
ける当該従動体59が固定されている部分がプーリ51
b,51cにより張設されている方向と平行であるた
め、動力伝達ベルト52は、全く同一の距離Zoだけ搬
送される。
【0089】かかる動力伝達ベルト52の搬送により、
可動部材24を介して微動ステージは、Z軸方向に沿っ
て距離Zoだけ移動を行い、これにより、微動ステージ
2の位置決めが行われる。
【0090】以上のように、第1実施形態たる微動位置
決めステージ装置10では、搬送付勢手段53が動力伝
達ベルト52を介して微動ステージ2に位置決めの移動
動作を行う駆動力を付勢するため、従来の歯車伝達機構
で生じていたバックラッシュの影響を排除し、微動ステ
ージ2の位置決めを精度良く行うことが可能である。
【0091】特に、搬送付勢手段53の従動体59が一
点で動力伝達ベルト52に固定装備され、可動部材24
も同様に動力伝達ベルトに一点で固定装備されているた
め、搬送付勢手段53による搬送変移量がそのまま可動
部材24の移動変移量となり、微動ステージ2を所期の
位置に位置決めすることができ、より高い精度で微動ス
テージ2の位置決めを行うことが可能である。
【0092】さらに、隣接する二つのプーリ51b,5
1cに同時に外接する直線に沿って動力伝達ベルト52
に搬送動作を付勢する構成のため、搬送付勢手段とし
て、高い移動精度で直線移動を付勢するボールネジ機構
59を採用することができ、微動ステージ2の位置決め
をさらに精度良く行うことが可能である。
【0093】また、同様の理由により搬送付勢手段53
としてリニアモータ機構を採用することもできる。この
場合、リニアモータ機構の駆動コイルを従動体59と同
じ位置で動力伝達ベルト52に固定しすることにより、
微動ステージ2の位置決めを高い精度で行うことが可能
となる。
【0094】また、三つのプーリ51a,51b,51
cを直角三角形の各頂点に配置し、動力伝達ベルトにお
ける互いに直交する二辺に該当する位置に可動部材24
と固従動体59とをそれぞれ固定装備したため、この第
1の実施形態のように、搬送付勢手段53の搬送方向と
微動ステージ2の位置決め方向とを直交させる場合に好
適な位置決めを行うことが可能である。
【0095】さらに、動力伝達ベルト52を、可撓性を
有しつつ伸縮性の小さい金属としたため、動力伝達ベル
トの伸縮の影響を抑制し、より精度の高い位置決めを行
うことが可能である。
【0096】ここで、各プーリ51a,51b,51c
を全体的に図1における左方に寄せて配設し、微動ステ
ージ2の側壁の内側面に直接、動力伝達ベルト52を連
結しても良い。かかる構造とすることにより可動部材2
4を不要とし、部品点数の低減を図ることが可能とな
る。
【0097】また、微動位置決め機構5のプーリの個体
数は、三つに限定されるものではない。即ち、プーリの
個体数は二つであっても、三つ以上であっても良い。プ
ーリの個体数を二つとする場合には、一方のプーリ51
dから他方のプーリ51eまでの間で張設される動力伝
達ベルトの方向と他方のプーリ51eから一方のプーリ
51dまでの間で張設される動力伝達ベルト52の方向
との交差する角度が、搬送付勢手段により搬送が行われ
る方向と微動ステージの位置決め移動を行う方向との交
差する角度(この第1の実施形態では90[°])と一致
するように、各プーリ51d,51eの外径の大きさに
差を設ければよい(図2参照)。
【0098】また、プーリを三つ以上とする場合には、
各々の互いに隣接するプーリ間で動力伝達ベルトが搬送
される方向の内で、いずれか二つの方向の交差角度が、
搬送付勢手段により搬送が行われる方向と微動ステージ
の位置決め移動を行う方向との交差する角度と一致する
ように、各プーリの配置を設定すればよい。
【0099】また、上述の搬送付勢手段53では、ステ
ッピングモータ54を使用している例を示しているが、
特にこれに限定せず、回転角度制御が行うことができる
他の種類のモータを使用しても良い。例えば、ステッピ
ングモータに替えてサーボモータを使用することも可能
である。ただし、サーボモータは回転角度を出力しない
ので、その駆動軸にはエンコーダ等の回転角度センサを
併設することが望ましい。このことは、後述する他の実
施形態についても同様である。
【0100】ここで、図3に、上述した微動位置決めス
テージ装置10にテンションローラ機構6を装備した例
を示す。このテンションローラ機構6は、動力伝達ベル
ト52の弛みを除去するためのものであり、動力伝達ベ
ルト52の外側から内側に向かって押圧接触するテンシ
ョンローラ61と、このテンションローラ61を回転自
在に支持する支持体62と、支持体62を介してテンシ
ョンローラ61を動力伝達ベルト52側に押圧するコイ
ルバネ64と、このコイルバネ64の押圧力を押圧力を
調節する調節ナット63と、支持体62を動力伝達ベル
ト52に対して離間・近接自在に保持する保持部材65
とを備えている。
【0101】支持体62は、先端部でテンションローラ
61を支持し、後端部は棒状を呈している。保持部材6
5は、基台3の内壁面に固定装備され、支持部材62の
棒状部分を挿通する貫通穴を有している。支持体62の
棒状部分は、外周面上に雄ネジが切られており、調節ナ
ット63が螺合している。そして、支持体62の棒状部
分が保持部材65の貫通穴に挿通された状態で、調節ナ
ット63と保持部材65との間に位置するように、コイ
ルバネ64が支持体62の棒状部分を遊挿している。
【0102】従って、調節ナット63を回して支持体6
2の棒状部分に沿って移動させることにより、当該調節
ナット63と保持部材65の間隔が変化し、コイルバネ
64による調節ナット63に対する押圧力が変化し、こ
れにともないテンションローラ61の動力伝達ベルト5
2に対する押圧力も調節することができる。従って、こ
のテンションローラ機構6により、適度の押圧力を動力
伝達ベルト52に与えることによって、当該動力伝達ベ
ルト52の弛みを除去することができる。特に、この微
動位置決めステージ装置10の使用が長期に繰り返さ
れ、万が一に、動力伝達ベルトに延びが生じたような場
合であって、動力伝達ベルト52の弛みが有効に防止さ
れるため、装置の長寿命化にも貢献する。
【0103】なお、このテンションローラ機構6を備え
る場合には、微動ステージ2とこれに載置された移動対
象物との総重量により動力伝達ベルト52に加えられる
張力に比べて、コイルバネ64による押圧力が充分に大
きく設定されていることが望ましい。
【0104】また、テンションローラ61により動力伝
達ベルト52を押圧する位置は、上記位置に限定するも
のではなく、動力伝達ベルト52における可動部材24
が固定された位置から、プーリ51b側を通過して従動
体59が固定された位置に至るまでの間で、押圧を行う
ようにテンションローラ機構6を配置しても良い。
【0105】さらに、上述のテンションローラ機構6に
あっては、仮に、コイルバネ64を除いた構成としても
良い。この場合、支持体62の棒状部分全体に渡って、
ネジを切り、調節ナット63の調節範囲を拡大すること
により、保持部材65とテンションローラ61との離間
距離の調整が自在と成る。このため、例えば、微動位置
決めステージ装置10の加工精度上の原因により、各プ
ーリ51a,51b,51cに装備した動力伝達ベルト
52に弛みが生じた場合であっても、かかる弛みを除去
する場合に有効である。また、このテンションローラ機
構6は、後述する各実施形態に示す各微動位置決めステ
ージ装置又は作業用アーム装置にも装備しても良い。
【0106】また、図1に示す上記実施形態では、搬送
付勢手段53としてステッピングモータ54を駆動源と
する例を示しているが、特に電動に限定するものではな
い。例えば、図4に示すように、ステッピングモータ5
4を微動位置決めステージ装置10の構成から取り除
き、主動軸57の端部に手動つまみ58を直接装着する
ことにより、搬送付勢手段を手動によるものとしても良
い。
【0107】この場合もまた、回転角度の検出のため
に、主動軸57にはエンコーダ等の回転角度センサを併
設することが望ましい。そして、微動ステージ2の位置
決めの際には、目視又はエンコーダの出力に基づいて、
手動つまみ58の回転量を調節しながら行われる。
【0108】後述する各実施形態についても、全て搬送
付勢手段の駆動源をステッピングモータとしているが、
いずれも搬送付勢手段を図4のように手動によるものと
しても良い。
【0109】(第2の実施形態) 本発明の第2の実施形態を図5乃至図7に基づいて説明
する。図5は、通常水平面に置いて使用し、後述する微
動ステージ2Aの上方に位置する水平な中心軸Cを中心
として当該微動ステージ2Aに傾斜動作を付勢し所定角
度で位置決めを行う微動位置決めステージ装置10Aの
断面図を示している。ここで、前述した微動位置決めス
テージ装置10と同一の構成となる部分については同一
の符号を付して重複する説明は省略するものとする。
【0110】この微動位置決めステージ装置10Aは、
位置決めを行う対象物を保持する微動ステージ2Aと、
この微動ステージ2Aを支持する基台3Aと、この基台
3Aと微動ステージ2Aとの間に装備され,基台3Aに
対する微動ステージ2Aの傾斜動作を自在に案内するガ
イド機構4Aと、微動ステージ2Aの傾斜動作を付勢す
る微動位置決め機構5Aとを備えている。
【0111】上述の微動ステージ2Aは、基台3Aの上
部にガイド機構としてのガイドレール4Aを介して装備
されている。また、この微動ステージ2Aは、その上部
に平滑面21Aを有し、その下部に円筒物の外周面の一
部からなる周面22Aを有している。この微動ステージ
2Aの平滑面21Aは、基台3Aを水平面上に置いた場
合に、水平となる状態を基準位置とする(図5の状
態)。また、図示は省略したが、かかる平滑面21A上
には、位置決めを行う対象物を固定するための治具を装
着するためのネジ穴が複数設けられている。
【0112】そして、平滑面21Aの上方には、周面2
2Aを含む円筒物の外周面の中心軸C(中心軸Cは紙面
と垂直のため、図中では点で表されている)が位置して
いる。また、周面22Aは、基台3A側に突出した凸状
に形成されている。
【0113】基台3Aは、その上部が微動ステージ2A
の周面22Aに対応して中心軸Cを中心とする円筒物の
外周面に沿った凹状に形成されており、かかる凹状部3
1Aに微動ステージ2Aの周面22Aを近接対向させた
状態でガイドレール4Aを介して当該微動ステージ2A
と連結されている。
【0114】また、上記の中心軸Cは、基台3Aを水平
面上に置いた場合に当該水平面と平行となるように設定
されている。従って、基台3Aを水平面上に置いた場合
に、微動ステージ2Aは、その上部平滑面21Aが、水
平方向の中心軸Cを中心として水平状態から傾斜させる
ことが自在となっている。
【0115】上述のガイドレール4Aは、微動ステージ
2Aと基台3Aとの間に装備されており、かかる状態に
おいて、前述した中心軸Cを中心とする円弧状に形成さ
れている。従って、微動ステージ2Aがこのガイドレー
ル4Aに沿って自在に往復移動することにより、微動ス
テージ2Aが基台3Aに対するその周面22Aに沿った
往復移動を行うこととなり、その平滑面21Aは、基準
位置における水平状態から傾斜状体に移行する。
【0116】また、このガイドレール4Aは、微動ステ
ージ2Aの移動を自在にする機能の他に、当該微動ステ
ージ2Aが基台3Aから離間しないように保持する機能
も果たしている。
【0117】ガイドレール4Aは、図6に示すように、
基台3Aの凹状部31Aと微動ステージ2Aの周面22
Aとを対向させた状態で形成される溝32Aに装備され
る。このガイドレール4Aの分解斜視図を図7に示す。
ガイドレール4Aは、いずれも円弧状を成し、互いに相
対する面に溝が設けられた二つの分離体41A,42A
と、各分離体41A,42Aの溝の間に配設される複数
の滑動球体43Aと、各滑動球体43Aを溝の間に保持
する保持板44Aとから構成される。そして、一方の分
離体41Aが基台3Aに固定装備され、他方の分離体4
2Aが微動ステージ2Aに固定装備される。各分離体4
1A,42Aは、滑動球体43Aを介在させているた
め、その溝に沿った滑動が自在であり、これにより、基
台3Aに対する微動ステージ2Aの移動が円滑に行われ
る。
【0118】上記微動位置決め機構5Aは、二つのプー
リ51Aa,51Abと、これらのプーリ51Aa,5
1Abに同時に張設され,微動ステージ2Aに周面22
Aに沿った移動を行う駆動力を伝達する動力伝達ベルト
52と、各プーリ51Aa,51Abに同時に外接する
直線に沿って動力伝達ベルト52に搬送動作を付勢する
搬送付勢手段53とを備えている。
【0119】各プーリ51Aa,51Abは、基台3A
の内部において、当該基台3Aを水平面上に置いた場合
に、いずれも回転軸を同一の水平方向に向けた状態で回
転自在に装備されている。また、各プーリ51Aa,5
1Abは、その回転中心が同一の水平面上に位置するよ
うに基台3Aに装備されている。
【0120】動力伝達ベルト52及び搬送付勢手段53
については、前述した微動位置決めステージ装置10と
同一のものが使用される。
【0121】ここで、動力伝達ベルト52が各プーリ5
1Aa,51Abに張設された状態において、前述した
微動ステージ2Aの周面22Aが動力伝達ベルト52に
押圧接触すると共に、この周面22Aが、動力伝達ベル
ト52を介して各プーリ51Aa,51Abに同時に外
接するように、当該各プーリ51Aa,51Abの配置
が設定されている。
【0122】また、動力伝達ベルト52には、プーリ5
1Aaとプーリ51Abとの間となる部分の一方に、搬
送付勢手段53の従動体59がボルト締めで固定装備さ
れ、プーリ51Aaとプーリ51Abとの間となる部分
の他方に、周面22Aの接触領域の一点においてボルト
締めにより当該周面22Aが固定連結されている。この
ため、従動体59が搬送付勢手段53により主動軸57
に沿って移動すると、動力伝達ベルト52が搬送され、
微動ステージ2Aは、その周面22Aに沿って移動動作
が付勢される。
【0123】ここで、微動ステージ2Aの周面22A
は、ボルト締めにより動力伝達ベルト52と連結されて
いるが、このように、周面22Aと動力伝達ベルト52
とがボルト締めにより固定密着する領域は、動力伝達ベ
ルト52の搬送方向についてその幅が狭ければ狭いほど
良い。これにより、微動ステージ2Aの搬送距離をより
大きく確保できるからである。
【0124】上記構成から成る微動位置決めステージ装
置10Aの動作を説明する。使用に際しては、基台3A
を水平面上に置き、微動ステージ2A上には位置決めを
行う対象物が固定される。
【0125】ここで、図示はされていないが、この微動
位置決めステージ装置10Aも、ステッピングモータ5
4の制御回路を備えている。かかる制御回路は、外部の
上位装置(例えば、パーソナルコンピュータ)との接続
が可能であり、この上位装置からの動作信号により、微
動位置決めステージ装置10Aの微動ステージ2Aの平
滑面21Aの傾斜角度の位置決めが行われる。
【0126】従動体59と微動ステージ2Aの周面22
Aとが動力伝達ベルト52を介して連結されているた
め、従動体59が主動軸57に沿って移動すると、その
移動量と等しい移動量で周面22Aに沿って微動位置決
めステージ2Aが移動する。
【0127】ここで、主動軸57に設けられた螺旋溝の
1ピッチ幅をm,周面22Aの曲率半径をr,ステッピ
ングモータ54がn回のパルス電力を受けて1回転する
ものとし、上位装置から微動位置決めステージ2Aの傾
斜角度をα[rad]とする動作信号の入力を受けると、制
御回路では、次式(3)に表されるN回のパルス電力を
ステッピングモータ54に与える。
【0128】N=n・r・α/m …(3)
【0129】これにより、ステッピングモータ54は、
角度2π・N/nだけ回転駆動を行い、主動軸57も同
様に回転する。かかる主動軸57の回転により、当該主
動軸57に沿って従動体59は、距離N・m/nだけ移
動する。これにより、動力伝達ベルト52の搬送が行わ
れ、微動ステージ2Aは、その周面22Aに沿った方向
に全く同一の距離N・m/nだけ搬送される。
【0130】従って、微動ステージ2Aの平滑面21A
には、(N・m)/(r・n)の角度変化が生じ、即ち
この変化角度は、式(3)によりαと同値であるため、
平滑面21Aは、その傾斜角度が所期の角度αに位置決
めされる。
【0131】以上のように、第2実施形態たる微動位置
決めステージ装置10Aでは、微動位置決めステージ装
置10と同様にして、従来のバックラッシュの影響を除
去し、搬送付勢手段53の付勢する移動量がそのまま微
動ステージ2Aに伝えられ、搬送付勢手段53としてボ
ールネジ機構やリニアモータ機構等の精度の高い直動機
構を採用することができる。従って、微動ステージ2A
の平滑面21Aの傾斜角度を高い精度で位置決めするこ
とが可能となる。
【0132】また、搬送付勢手段53から加えられる移
動変移量と同一の移動変移量が周面22Aに沿う方向で
微動ステージ2Aに伝達されるため、高い精度で微動ス
テージ2Aに対して傾斜動作を行うと共にその平滑面2
1Aの傾斜角度の位置決めを行うことが可能となる。
【0133】さらに、微動ステージ2Aの周面22Aを
隣接する二つのプーリ51Aa,51Abに動力伝達ベ
ルト52を介して同時に外接させているため、かかる外
接状態を維持する限り、動力伝達ベルト52の張力によ
る微動ステージ2Aへの反力の影響を排除し、より精度
の高い位置決めを行うことが可能である。
【0134】(第3の実施形態) 本発明の第3の実施形態を図8及び図9に基づいて説明
する。図8は、通常水平面に置いて使用し、後述する微
動ステージ2Bを垂直方向を軸として回転動作を付勢し
所定角度で位置決めを行う微動位置決めステージ装置1
0Bの正面図であり、図9は垂直上方から見た一部切り
欠いた説明図を示している(図9は、内部説明のため基
台3Bの蓋の図示を省略している)。ここで、前述した
微動位置決めステージ装置10と同一の構成となる部分
については同一の符号を付して重複する説明は省略する
ものとする。
【0135】この微動位置決めステージ装置10Bは、
位置決めを行う対象物を保持する微動ステージ2Bと、
この微動ステージ2Bを支持する基台3Bと、この基台
3Bと微動ステージ2Bとの間に装備され,基台3Bに
対する微動ステージ2Bの傾斜動作を自在に案内するガ
イド機構4Bと、微動ステージ2Bの傾斜動作を付勢す
る微動位置決め機構5Bとを備えている。
【0136】微動ステージ2Bは、上部に平滑面を備え
る円板状を成し、位置決めを行う対象物がこの平滑面上
に載置され固定される。図示は省略したが、かかる平滑
面上には、位置決めを行う対象物を固定するための治具
を装着するためのネジ穴が複数設けられている。この微
動ステージ2Bは、ガイド機構である回転式の軸受け4
Bと後述する微動位置決め機構5Bの従動プーリ50B
を介して基台3Bに回転自在に装備されている。
【0137】また、この微動ステージ2Bは、その形状
における中心軸と従動プーリ50Bの中心軸とが同一軸
上となるように当該従動プーリ50Bに接続されてお
り、これにより、微動ステージ2Bは、その中心を軸と
して回転し、所定角度に位置決めされる。さらに、その
外周面には、図示を省略した角度表示目盛りが記されて
いる。
【0138】基台3Bは、箱状を呈しており、当該基台
3Bが置かれる載置面に対して垂直となる支持軸31B
が内部中央に立設されている。この支持軸31Bに上述
した軸受け4Bを介して従動プーリ50Bが装備され
る。従って、微動ステージ2Bは、基台3Bを水平面上
に設置した場合に、垂直方向を中心として回転動作が行
われる。また、同様に、基台3Bの内部には、後述する
微動位置決め機構5Bのプーリ51Ba,51Bbをそ
れぞれ軸受けを介して回転自在に支持する支持軸32
B,33Bが、支持軸31Bと同方向で立設されてい
る。
【0139】上記微動位置決め機構5Bは、二つのプー
リ51Ba,51Bbと、これらのプーリ51Ba,5
1Bbに同時に張設され,微動ステージ2Bに回転動作
を行う駆動力を伝達する動力伝達ベルト52Bと、各プ
ーリ51Ba,51Bbの間に張設されて直線状を成す
部位に沿って動力伝達ベルト52Bに搬送動作を付勢す
る搬送付勢手段53と、微動ステージ2Bと連結されて
一体的に回転動作を行うと共に動力伝達ベルト52Bに
押圧接触する従動プーリ50Bを備えている。
【0140】上述した各プーリ51Ba,51Bbは、
基台3Bの内部において、当該基台3Bを水平面上に置
いた場合に、いずれも回転軸を垂直方向に向けた状態で
回転自在に装備されている。これらプーリ51Ba,5
1Bb間に張設される動力伝達ベルト52Bは、可撓性
を有する素材(ゴム、合成樹脂)から形成されている。
かかる動力伝達ベルト52Bは、いわゆる歯付きベルト
であり、外面(プーリ51Ba,51Bbと接しない
面)を一周して均一のピッチで無数の歯がその搬送方向
に沿って設けられている。
【0141】前述した従動プーリ50Bは、その配設位
置(支持軸31Bの位置)が、プーリ51Ba,51B
bに張設された動力伝達ベルト52Bの当該プーリ51
Ba,51Bbの間となる部分に、当該動力伝達ベルト
52Bの外側から内側に向かって押圧接触するように設
定されている。また、前述したように、その上面部が、
止めネジ(図示略)を介して微動ステージ2Bと同心で
固定連結され、基台3Bの支持軸31Bに軸受け4Bを
介して装備されている。このため、微動ステージ2Bと
従動プーリ50Bとは、基台3Bに対して垂直方向を軸
として回転自在に支持される。
【0142】さらに、従動プーリ50Bは、動力伝達ベ
ルト52Bに押圧接触するその外周面に、動力伝達ベル
ト52Bと均一のピッチで歯が形成されており、当該動
力伝達ベルト52Bと互いの歯が噛み合った状態で係合
している。従って、動力伝達ベルト52Bが搬送付勢手
段53により搬送されると、従動プーリ50Bに回転力
が伝達される。このとき、動力伝達ベルト52Bに従動
プーリ50Bが常時押圧接触しているため、互いの歯の
間において、バックラッシュの発生が有効に抑制され
る。
【0143】搬送付勢手段53については、前述した微
動位置決めステージ装置10と同一のものが使用され
る。
【0144】ここで、動力伝達ベルト52Bには、プー
リ51Baとプーリ51Bbとの間となる部分の一方
に、搬送付勢手段53の従動体59がボルト締めで固定
装備され、プーリ51Baとプーリ51Bbとの間とな
る部分の他方に、従動プーリ50Bが押圧接触してい
る。このため、従動体59が搬送付勢手段53により主
動軸57に沿って移動すると、動力伝達ベルト52Bが
搬送され、従動プーリ50Bを介して微動ステージ2B
は、回転動作が付勢される。
【0145】上記構成から成る微動位置決めステージ装
置10Bの動作を説明する。使用に際しては、基台3B
を水平面上に置き、微動ステージ2B上には位置決めを
行う対象物が固定される。
【0146】ここで、図示はされていないが、この微動
位置決めステージ装置10Bも、ステッピングモータ5
4の制御回路を備えている。かかる制御回路は、外部の
上位装置(例えば、パーソナルコンピュータ)との接続
が可能であり、この上位装置からの動作信号により、微
動位置決めステージ装置10Bの微動ステージ2Bの回
転角度の位置決めが行われる。
【0147】従動体59の移動変移量が動力伝達ベルト
52Bを介して従動プーリ50Bの回転変移量として伝
達されるため、従動体59が主動軸57に沿って移動す
ると、その移動量と比例する一定の角度で微動位置決め
ステージ2Bが回転する。
【0148】ここで、主動軸57に設けられた螺旋溝の
1ピッチ幅をm,従動プーリ50Bのピッチ半径をr
1,ステッピングモータ54がn回のパルス電力を受け
て1回転するものとし、上位装置から微動位置決めステ
ージ2Bの回転角度をα2[rad]とする動作信号の入力を
受けると、制御回路では、次式(5)に表されるN2回
のパルス電力をステッピングモータ54に与える。
【0149】N=n・r1・α2/m …(5)
【0150】これにより、ステッピングモータ54は、
角度2π・N/nだけ回転駆動を行い、主動軸57も同
様に回転する。かかる主動軸57の回転により、当該主
動軸57に沿って従動体59は、距離N・m/nだけ移
動する。これにより、動力伝達ベルト52Bの搬送が行
われ、従動プーリ50Bは、動力伝達ベルト52の搬送
距離と同距離だけピッチ円に沿って回転する。
【0151】このとき、従動プーリ50Bの回転角度と
回転距離との間には、α2・r1=N・m/nの関係が
成り立ち、Nが上式(5)を満たせば、微動ステージ2
Bは、その回転角度が所期の角度α2に位置決めされ
る。
【0152】以上のように、第3実施形態たる微動位置
決めステージ装置10Bでは、動力伝達ベルト52Bに
従動プーリ50Bを押圧接触させて配置することによ
り、従来のバックラッシュの影響を除去し、さらに、微
動位置決めステージ装置10と同様にして、搬送付勢手
段53の付勢する移動量をそのまま従動プーリ50Bに
伝達し、搬送付勢手段53としてボールネジ機構やリニ
アモータ機構等の精度の高い直動機構を採用することが
できる。従って、微動ステージ2Bの回転角度を高い精
度で位置決めすることが可能となる。
【0153】また、搬送付勢手段53から加えられる移
動変移量と同一の移動変移量が従動プーリ50Bのピッ
チ円に沿う方向で変移を生じ、これにより従動プーリ5
0Bと微動ステージ2Bとが同時に回転するため、高い
精度で微動ステージ2Bに対して回転角度の位置決めを
行うことが可能となる。
【0154】(第4の実施形態) 本発明の第4の実施形態を図10に基づいて説明する。
図10は、加工作業,搬送作業等に用いられる作業用ア
ーム装置10Cの一部切り欠いた構造説明図を示す(図
10では、内部構造説明のため、基台3Cの蓋の図示を
省略している)。ここで、前述した微動位置決めステー
ジ装置10と同一の構成となる部分については同一の符
号を付して重複する説明は省略するものとする。
【0155】この作業用アーム装置10Cは、先端部に
作業用マニピュレータ21Cを有するアーム部材2C
と、このアーム部材2Cの後端部を回動自在に支持する
基台3Cと、アーム部材2Cの回動動作を付勢する微動
位置決め機構5Cとを備えている。
【0156】アーム部材2Cの先端部に装備された作業
用マニピュレータ21Cは、対を成す二つの爪22Cの
先端が互いに接離して搬送、加工の対象物を掴む機能を
有するものあるが、これは一例であり、作業用アーム装
置10Cを使用する目的に応じた機構を装備しても良
い。
【0157】また、アーム部材2Cの後端部は、後述す
る微動位置決め機構5Cの基台3に回転自在に装備され
たプーリの一つと固定連結され、作業用マニピュレータ
21Cを回動端部として回動を自在としている。
【0158】基台3Cは、箱状を呈しており、内部に
は、後述する微動位置決め機構5Cの二つのプーリ51
Ca,51Cbをそれぞれ軸受け41C,42Cを介し
て回転自在に支持する支持軸31C,32Cが互いに平
行に立設されている。
【0159】微動位置決め機構5Cは、二つのプーリ5
1Ca,51Cbと、これらのプーリ51Ca,51C
bに張設され,アーム部材2Cに回動動作を行う駆動力
を伝達する動力伝達ベルト52と二つのプーリ51C
a,51Cbに同時に外接する直線に沿って動力伝達ベ
ルト52に搬送動作を付勢する搬送付勢手段53とを備
えている。
【0160】上述の各プーリ51Ca,51Cbは、前
述したように、支持軸31C,32Cにそれぞれ軸受け
41C,42Cを介して支持されている。一方のプーリ
51Caは、他方のプーリ51Cbよりも外径が大きく
設定されており、また、その外周面上の一点で動力伝達
ベルト52とボルトにより固定されている。また、この
プーリ51Caの中心軸方向における一端面が、アーム
部材2Cの後端部とその回転中心と当該アーム部材2C
の回動動作の中心とを同一軸上に配した状態でネジによ
り連結されている。従って、搬送付勢手段53により動
力伝達ベルト52が搬送されると、プーリ51Caと共
にアーム部材2Cが回動する。
【0161】動力伝達ベルト52及び搬送付勢手段53
については、前述した微動位置決めステージ装置10と
同一のものが使用される。従って、動力伝達ベルト52
のプーリ51Caとプーリ51Cbとの間となる部分
に、搬送付勢手段53の従動体59がボルト締めで固定
装備され、プーリ51Caの動力伝達ベルト52と接触
領域の一点においてボルト締めにより当該動力伝達ベル
ト52とが固定連結されている。このため、従動体59
が搬送付勢手段53により主動軸57に沿って移動する
と、動力伝達ベルト52が搬送され、プーリ51Caに
は、滑りにより狂いも生じることなく回転動作が付勢さ
れる。同時に、プーリ51Caと同じ回転角度でアーム
部材2Cが回動する。
【0162】従って、従動体59が精度の高い移動を行
えば、アーム部材2Cの先端に位置する作業用マニピュ
レータ21Cをその回動角度について正確に位置決めす
ることが可能である。
【0163】このように、この第4の実施形態では、前
述した微動位置決めステージ装置10と同様にして、従
来生じていたバックラッシュの影響を排除すると共に、
ボールネジ機構やリニアモータ等のような高い移動精度
で直線移動を付勢する機構の利用が可能となるため、所
期の回動角度でアーム部材2Cの回動を付勢することが
でき、高い精度で作業用マニピュレータ21Cの位置決
めを行い得る作業用アーム装置10Cを提供することが
可能となる。
【0164】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、搬送付勢手段
が動力伝達ベルトを介して可動部材に位置決めの運動を
行う駆動力を付勢するため、従来の歯車伝達機構で生じ
ていたバックラッシュの影響を排除し、可動部材の位置
決めを精度良く行うことが可能である。
【0165】また、プーリを複数有する構成のため、各
プーリの外径の設定又は各プーリの配置により、隣接す
るプーリ間で動力伝達ベルトが搬送される方向を自在に
設定することができ、搬送付勢手段による動力伝達ベル
トの搬送方向と可動部材の移動移動動作を付勢する方向
とがいかなる角度で交差する場合でも、従来のように各
種歯車機構を複数併用することなく、容易に対応するこ
とが可能である。
【0166】さらに、隣接する二つのプーリ間に張設さ
れて直線状を成す部位に沿って動力伝達ベルトに搬送動
作を付勢する構成のため、搬送付勢手段として、高い移
動精度で直線移動を付勢する、例えば、ボールネジ機構
やリニアモータを使用することができ、可動部材をより
高い精度で位置決めすることが可能である。
【0167】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明と同様の効果を有すると共に、搬送付勢手段が動力
伝達ベルトに固定装備された固定部材を介して、同様に
動力伝達ベルトに固定装備された可動部材に対して移動
動作の付勢を行うため、搬送付勢手段による搬送変移量
がそのまま可動部材の移動変移量となり、可動部材を所
期の位置に位置決めすることができ、さらなる精度の向
上を図ることが可能となる。
【0168】請求項3又は4記載の発明では、請求項1
又は2記載の発明と同様の効果を有すると共に、動力伝
達ベルトを、可撓性を有しつつ伸縮性の小さい素材又は
そのような性質を備える金属としたため、動力伝達ベル
トの伸縮の影響を抑制し、より精度の高い位置決めを行
うことが可能である。
【0169】請求項5記載の発明では、上記各構成と同
様の効果を有すると共に、テンションローラを備えるた
め動力伝達ベルトの弛みの発生を防止し、可動部材の位
置決め精度のさらなる向上を図ることが可能となる。
【0170】請求項6記載の発明では、請求項1記載の
発明と同様の効果を有すると共に、従動プーリが動力伝
達ベルトに押圧接触しているため、これらの間で生じる
バックラッシュの発生が有効に防止され、搬送付勢手段
から加えられる変移量と可動部材の変移量とがほぼ同一
となり、可動部材の位置決めを高い精度で行うことが可
能となる。
【0171】請求項7記載の発明では、請求項1記載の
発明の構成と同様の理由により、微動位置決めステージ
を高い精度で位置決めすることができるため、かかる高
精度の位置決めの要求に充分に応え得る微動位置決めス
テージ装置を提供することが可能となる。
【0172】また、請求項1記載の発明の構成と同様に
して、搬送付勢手段による動力伝達ベルトの搬送方向と
微動ステージの移動を付勢する方向とを自在に設定する
ことができ、設計の自由度を高められるため、生産性の
高い微動位置決めステージ装置を提供することが可能と
なる。
【0173】請求項8記載の発明では、請求項2記載の
発明の構成と同様にして、微動ステージを所期の位置に
位置決めすることができ、さらなる位置決め精度の高い
微動位置決めステージ装置を提供することが可能とな
る。
【0174】請求項9記載の発明では、請求項8記載の
発明と同様の効果を有すると共に、三つのプーリを直角
三角形の各頂点に配置し、動力伝達ベルトにおける互い
に直交する二辺に該当する位置に微動ステージと固定部
材とをそれぞれ固定装備したため、搬送付勢手段の搬送
方向と微動ステージの位置決め方向とが直交する場合に
好適な微動位置決めステージ装置を提供することができ
る。
【0175】請求項10記載の発明では、請求項8記載
の発明と同様の効果を有すると共に、搬送付勢手段から
加えられる移動変移量と同一の移動変移量が周面に沿う
方向で微動ステージに伝達されるため、高い精度で微動
ステージに対して傾斜動作を行い得る微動位置決めステ
ージ装置を提供することが可能となる。
【0176】請求項11記載の発明では、請求項10記
載の発明と同様の効果を有すると共に、微動ステージの
周面を隣接する二つのプーリに動力伝達ベルトを介して
同時に外接させているため、かかる外接状態を維持する
限り、動力伝達ベルトの張力による微動ステージへの反
力の影響を排除し、より精度の高い位置決めを行い得る
微動位置決めステージ装置を提供することが可能であ
る。
【0177】請求項12又は13記載の発明では、請求
7,8,9,10又は11記載の発明と同様の効果を
有すると共に、動力伝達ベルトを、可撓性を有しつつ伸
縮性の小さい素材又はそのような性質を備える金属とし
たため、動力伝達ベルトの伸縮の影響を抑制し、より精
度の高い位置決めを行い得る微動位置決めステージ装置
を提供することが可能である。
【0178】請求項14記載の発明では、上記各構成と
同様の効果を有すると共に、テンションローラを備える
ため動力伝達ベルトの弛みの発生を防止し、微動ステー
ジの位置決め精度がより高い微動位置決めステージ装置
を提供することが可能である。
【0179】請求項15記載の発明では、請求項7記載
の発明と同様の効果を有すると共に、従動プーリが動力
伝達ベルトに押圧接触しているため、これらの間で生じ
るバックラッシュの発生が有効に防止され、搬送付勢手
段から加えられる変移量と可動部材の変移量とがほぼ同
一となり、微動ステージの位置決めを高い精度で行い得
る微動位置決めステージ装置を提供することが可能であ
る。
【0180】請求項16記載の発明では、請求項1記載
の発明と同様にして、従来生じていたバックラッシュの
影響を排除すると共に、ボールネジ機構やリニアモータ
等のような高い移動精度で直線移動を付勢する機構の利
用が可能となるため、所期の回動角度でアーム部材の回
動を付勢することができ、高い精度で作業用マニピュレ
ータの位置決めを行い得る作業用アーム装置を提供する
ことが可能となる。
【0181】本発明は以上のように構成され機能するの
で、これによると、従来にない優れた微動位置決め機
構,微動位置決めステージ装置及び作業用アーム装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】プーリの大小と動力伝達ベルトの各部の成す角
度との関係を示す説明図である。
【図3】図1に示す微動位置決めステージ装置にテンシ
ョンローラ機構を装備した例を示す断面図である。
【図4】微動位置決めステージ装置の搬送付勢手段が手
動である例を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す断面図である。
【図6】図5で開示したガイドレールの配設状態を示す
説明図である。
【図7】図5で開示したガイドレールの分解斜視図であ
る。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す正面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態を示す一部省略し一部
切り欠いた説明図である。
【図10】本発明の第4の実施形態を示す一部省略し一
部切り欠いた説明図である。
【図11】従来例を示す断面図である。
【図12】他の従来例を示す一部省略し一部切り欠いた
平面図である。
【図13】さらに他の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
2,2A,2B 微動ステージ 24 可動部材 22A 周面 2C アーム部材 21C 作業用マニピュレータ 3,3A,3B,3C 基台 4,4A ガイドレール(ガイド機構) 4B 軸受け(ガイド機構) 5,5A,5B,5C 微動位置決め機構 51Aa,51Ab,51Ba,51Bb,51Ca,
51Cb プーリ 52,52B 動力伝達ベルト 53 搬送付勢手段 59 従動体(固定部材) 61 テンションローラ

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定方向の運動を行い位置決めされる可
    動部材と、 少なくとも二以上のプーリと、 これらのプーリに張設され,前記可動部材に前記運動を
    付勢する無端環状の動力伝達ベルトと、 前記各プーリの内,互いに隣接する二つのプーリ間に張
    設されて直線状を成す部位に沿って前記動力伝達ベルト
    に搬送動作を付勢する搬送付勢手段と、 を備えることを特徴とする微動位置決め機構。
  2. 【請求項2】 所定方向の運動を行い位置決めされる可
    動部材と、 少なくとも二以上のプーリと、 これらのプーリに張設され,前記可動部材に前記運動を
    付勢する動力伝達ベルトと、 前記各プーリの内,互いに隣接する二つのプーリに同時
    に外接する直線に沿って前記動力伝達ベルトに搬送動作
    を付勢する搬送付勢手段と、を備え、 前記搬送付勢手段が前記動力伝達ベルトに固定装備され
    た固定部材を介して前記搬送動作を付勢すると共に、 前記可動部材も前記動力伝達ベルトに固定装備され、 前記固定部材が、前記各プーリのいずれかの間に位置に
    するときに、 前記可動部材は、前記各プーリの他の間に位置する配置
    としたことを特徴とする微動位置決め機構。
  3. 【請求項3】 前記動力伝達ベルトは、可撓性を有しつ
    つ伸縮性の小さい素材であることを特徴とする請求項1
    又は2記載の微動位置決め機構。
  4. 【請求項4】 前記動力伝達ベルトは、金属であること
    を特徴とする請求項3記載の微動位置決め機構。
  5. 【請求項5】 前記動力伝達ベルトにその外側から内側
    に又はその内側から外側に向かって押圧接触するテンシ
    ョンローラを備えることを特徴とする請求項1,2,3
    又は4記載の微動位置決め機構。
  6. 【請求項6】 前記動力伝達ベルトの外側面にその搬送
    方向に渡って均一のピッチで無数の歯が形成され、 前記搬送付勢手段が、前記動力伝達ベルトに固定装備さ
    れた固定部材を介して搬送動作を付勢すると共に、前記
    動力伝達ベルトの歯に対応するピッチで歯を備える従動
    プーリを有し、 この従動プーリが、前記可動部材と固定連結されると共
    に、前記各プーリのいずれかの間で、前記動力伝達ベル
    トにその外側から内側に向かって押圧接触することを特
    徴とする請求項1記載の微動位置決め機構。
  7. 【請求項7】 所定方向の運動を行い位置決めされる微
    動ステージと、 この微動ステージを支持する基台と、 この基台と前記微動ステージとの間に装備され,前記基
    台に対する前記微動ステージの一定方向の運動を自在に
    案内するガイド機構と、 前記微動ステージの一定方向の運動を付勢する微動位置
    決め機構と、を備え、 この微動位置決め機構が、 少なくとも二以上のプーリと、 これらのプーリに張設され,前記微動ステージに前記運
    動を付勢する無端環状の動力伝達ベルトと、 前記各プーリの内,互いに隣接する二つのプーリ間に張
    設されて直線状を成す部位に沿って前記動力伝達ベルト
    に搬送動作を付勢する搬送付勢手段と、 を備えることを特徴とする微動位置決めステージ装置。
  8. 【請求項8】 所定方向の運動を行い位置決めされる微
    動ステージと、 この微動ステージを支持する基台と、 この基台と前記微動ステージとの間に装備され,前記基
    台に対する前記微動ステージの一定方向の運動を自在に
    案内するガイド機構と、 前記微動ステージの一定方向の運動を付勢する微動位置
    決め機構と、を備え、この微動位置決め機構が、 少なくとも二以上のプーリと、 これらのプーリに張設され,前記微動ステージに前記運
    動を付勢する動力伝達ベルトと、 前記各プーリの内,互いに隣接する二つのプーリに同時
    に外接する直線に沿って前記動力伝達ベルトに搬送動作
    を付勢する搬送付勢手段と、を備え、 前記搬送付勢手段が前記動力伝達ベルトに固定装備され
    た固定部材を介して搬送動作を付勢すると共に、 前記微動ステージも前記動力伝達ベルトに連結され、 前記固定部材が、前記各プーリのいずれかの間に位置に
    するときに、 前記微動ステージを、前記各プーリの他の間となる位置
    で前記動力伝達ベルトに連結したことを特徴とする微動
    位置決めステージ装置。
  9. 【請求項9】 前記微動位置決め機構は、直角三角形の
    各頂点に回転中心が位置する少なくとも三つのプーリを
    有し、 前記固定部材が、前記直角三角形の互いに直交する二辺
    の内の一方の辺の両端に位置する二つの前記プーリの間
    に位置にするときに、 前記微動ステージは、前記直角三角形の互いに直交する
    二辺の内の他方の辺の両端に位置する二つの前記プーリ
    の間に位置する配置としたことを特徴とする請求項8記
    載の微動位置決めステージ装置。
  10. 【請求項10】 前記微動ステージは、当該微動ステー
    ジが運動を行う方向に沿った,円筒物の外周面の一部か
    らなる周面を有すると共に、 前記ガイド機構が前記周面に沿って前記微動ステージの
    移動を案内し、 前記周面の一部を、隣接する二つの前記プーリの間とな
    る位置で,前記動力伝達ベルトにその搬送方向に沿った
    一定長さに渡って押圧接触させると共にかかる接触領域
    の一部で連結したことを特徴とする請求項8記載の微動
    位置決めステージ装置。
  11. 【請求項11】 前記微動ステージを、その前記周面
    が、前記隣接する二つのプーリに前記動力伝達ベルトを
    介して同時に外接する配置としたことを特徴とする請求
    項10記載の微動位置決めステージ装置。
  12. 【請求項12】 前記動力伝達ベルトは、可撓性を有し
    つつ伸縮性の小さい素材であることを特徴とする請求項
    7,8,9,10又は11記載の微動位置決めステージ
    装置。
  13. 【請求項13】 前記動力伝達ベルトは、金属であるこ
    とを特徴とする請求項12記載の微動位置決めステージ
    装置。
  14. 【請求項14】 前記微動位置決め機構は、前記動力伝
    達ベルトにその外側から内側に又はその内側から外側に
    向かって押圧接触するテンションローラを有することを
    特徴とする請求項7,8,9,10,11,12又は1
    3記載の微動位置決めステージ装置。
  15. 【請求項15】 前記動力伝達ベルトの外側面にその搬
    送方向に渡って均一のピッチで無数の歯を形成し、 前記微動位置決め機構が、前記動力伝達ベルトに固定装
    備された固定部材を介して搬送動作の付勢を行うと共
    に、前記動力伝達ベルトの歯に対応するピッチで歯が形
    成された従動プーリを備え、 この従動プーリが、前記微動ステージに固定連結される
    と共に、前記各プーリのいずれかの間で、前記動力伝達
    ベルトにその外側から内側に向かって押圧接触する配置
    としたことを特徴とする請求項7記載の微動位置決めス
    テージ装置。
  16. 【請求項16】 先端部に作業用マニピュレータを有す
    るアーム部材と、 このアーム部材の後端部を回動自在に支持する基台と、 前記アーム部材の回動により前記作業用マニピュレータ
    の位置決めを行う微動位置決め機構と、を備え、 この微動位置決め機構が、 少なくとも二以上のプーリと、 これらのプーリに張設され,前記アーム部材に回動動作
    を付勢する動力伝達ベルトと、 前記各プーリの内,互いに隣接する二つのプーリに同時
    に外接する直線に沿って前記動力伝達ベルトに搬送動作
    を付勢する搬送付勢手段と、を備え前記各プーリの内の
    一つを、その回転中心と前記アーム部材の回動動作の中
    心とを同一軸上に配した状態で当該アーム部材と連結す
    ると共に、このプーリの前記動力伝達ベルトとの接触面
    の一部を当該動力伝達ベルトに固定したことを特徴とす
    る作業用アーム装置。
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