JP3022113U - 生体成分等の転写装置 - Google Patents

生体成分等の転写装置

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大輔 柴田
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株式会社三井業際植物バイオ研究所
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    • C12M33/00Means for introduction, transport, positioning, extraction, harvesting, peeling or sampling of biological material in or from the apparatus
    • C12M33/04Means for introduction, transport, positioning, extraction, harvesting, peeling or sampling of biological material in or from the apparatus by injection or suction, e.g. using pipettes, syringes, needles
    • C12M33/06Means for introduction, transport, positioning, extraction, harvesting, peeling or sampling of biological material in or from the apparatus by injection or suction, e.g. using pipettes, syringes, needles for multiple inoculation or multiple collection of samples

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体成分等の転写装置の操作性をよくし、破
損しにくい構造にする。 【解決手段】 台座10の底板11の周縁に枠体12を
設け、枠体12内を矩形空間13とする。底板11の上
にフィルター110を載置し、その上から穴22を有す
る固定板20を載置してフィルター110を固定する。
ホルダ30とスペーサ40を固定板20の上に載置す
る。スペーサ40は枠体12の四隅の内の一つに配置
し、ホルダ30の基台31と枠体12との間に挿入して
ホルダ30を水平移動不能にする。ホルダ30の基台3
1には穴35の周囲に2つのガイド32,33を設け、
穴35の周囲にクッション体34を設ける。ガイド3
2,33の内側にピン・レプリケータを挿入して下降さ
せクッション体34を圧縮すると、ピン・レプリケータ
のピンが穴35,22を通ってピン先端がフィルター1
10の表面に接触し、ピン先端に付着していた生体成分
等がフィルター110に転写される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、生体成分や細胞をウェル・プレート等の隔離された容器からフィル ターに転写する際に使用される転写装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
細胞の有する生体成分(多くの場合は核酸や蛋白質)を適当なフィルター上に 移して(以下、転写する)から、適当な方法によって生体成分を分析・検出する という技術が生物を対象とする分野で広く用いられている。
【0003】 この分析・検出過程には大別して二つの場合がある。 その一つは、(1)抽出した生体成分を転写してから分析・検出する場合であり 、 他の一つは、(2)細胞そのものをフィルター上に転写してから、何らかの方法 で成分を細胞から溶出させて、その位置に留まっている(あるいは、固定されて いる)成分を分析・検出する場合である。
【0004】 微生物、ウイルスを用いた遺伝子操作の分野では、後者(2)の方法を用いて 核酸や蛋白質を検出する技術はコロニー・ハイブリダイゼーション、プラーク・ リフトなどと呼ばれ多用されている。また、この方法は動物、植物の細胞にも適 用されている。
【0005】 対象となる試料が多い場合には、対象とする生体成分や細胞(以下、生体成分 等と総称する)を隔離した小容器に入れ、そこから生体成分等を効率よくフィル ターに転写する工夫が各種考案されてきた。
【0006】 隔離した小容器としては、ウェルと称される小部屋が縦横に整列したものがウ ェル・プレートと称して販売されており、各種の実験において多用されている。 各ウェルから生体成分等をフィルターに転写する方法としては、生体成分等の一 部または全部を、個々のウェルごとに移す場合、グループ化して移す場合、全体 を同時に移す場合がある。これらは手動式からロボットを用いたものまで各種の 考案がなされている。
【0007】 一枚のウェル・プレートから同時に各ウェルの生体成分等を転写する方法とし ては、ウェルの配置に対応した複数のピンが付いた器具(以下、ピン・レプリケ ータ)が用いられる。この場合は、ウェル内の生体成分等がピン・レプリケータ のピンの先に一部が付くようにピン・レプリケータを挿入して、その複数のピン の先をフィルターに押しつけて生体成分等を転写させる。この方法は、微生物を フィルターに転写させる方法としてよく使われている。
【0008】 ところで、試料が多数である場合には、同面積のフィルター上に可能な限り多 くの成分を移すことが望まれる。ピン・レプリケータを用いる場合には、一度、 試料をフィルターに移してから、同一のフィルター上に、前の試料と重ならない ように再度、試料を移すことができる。また、これを可能な限り繰り返すことに よって、フィルターの面積当たりの試料数を増やすことが可能である。
【0009】 Nunc社からは金属製のピン・レプリケータとして「384 Pin Replicator」、そ の専用ホルダとして「MicroWellRPlate Copier」が販売されている。この装置に はピン・レプリケータ側に、その位置をきめるためのガイド・ピンが2つ付けら れており、これを専用ホルダに開けられた穴に差し込むことによってピン・レプ リケータとフィルターとの位置関係が決まる。この穴の位置を変えることによっ て、フィルター上の試料の密度を4〜9倍に高めることができる。
【0010】 ピン・レプリケータを用いて、このような機能を有する他の装置が、アメリカ で特注品として販売されており、日本の理化学研究所(ライフサイエンス筑波研 究センター)が購入している。この装置ではピン・レプリケータを固定する「ア ーム」が付いている軸を回転移動させることによってフィルター上にピン・レプ リケータを移動させている。その際に操作性を向上させるために上下方向に作用 するバネがアーム軸に用いられている。転写直前のピン・レプリケータの位置は 装置全体に対して固定されており、フィルターを挟む板の位置を変化させること によりフィルターとピン・レプリケータの相対位置をきめている。この位置決め はフィルターを乗せている台に付けられている穴に、装置側に取り付けられたガ イド・ピンを適合させることによって行われる。この装置ではフィルター上の試 料の密度を4倍に高めることができる。
【0011】
【考案が解決しようとする課題】
すでに販売されている上記2種類の装置は、ピン・レプリケータを手動で移動 させるか、あるいは、アームで移動させるかの違いがあるが、いずれもピン・レ プリケータに付けられたガイド・ピンとそれに適合する本体側の穴、あるいはフ ィルターを乗せている板に設けられた穴と本体側のガイド・ピンによってピン・ レプリケータとフィルターの相対位置が決まる。
【0012】 このような装置では、ピンを穴に合わせるために、斜め横から両者の位置関係 を注意して確認しながら操作をする必要があり、操作性が悪い。 このような装置は、同一フィルターに多重回の転写を行うことを目的に作製さ れているために複数の穴の中から正確に一つの穴を選ぶ必要があるが、穴と穴の 間隔はピン・レプリケータの各ピンの間隔の約半分に等しいために通常は2〜4 ミリの間であり、とりわけ注意を払ってピンを穴に合わせる必要がある。
【0013】 このような装置では、高密度の転写を行おうとするほどピンそのものが細くな るためにガイド・ピンが破損しやすく、取り扱いに注意する必要がある。 また、使用回数が増えるとともにガイド・ピンが入る穴の周辺が破損し易く、 耐久性が低い。
【0014】 また、複数の転写を行う場合には、転写をすでに行った穴の位置を覚えておく 必要があるが、フィルターの転写場所は試料が着色している場合を除いて確認が 困難であるために、一旦、転写をすでに行った穴の位置を忘れた場合には再度、 始めからやり直す必要がある。
【0015】 Nunc社の装置は、培地上に乗せたフィルター上に移すことを前提にして設計さ れているために、ピン・レプリケータを手動で押すときの力加減によってはフィ ルター上の試料に培地からの溶液がしみ出るために、試料が拡散することがある 。培地上に置かずに試料を移す場合には、フィルターを固定するための工夫はな されていないので、フィルター面積当たりの試料密度を上げる場合には、正確に 移すことが難しくなる。
【0016】 本考案はこのような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、フィル ター面積当たりの試料密度を上げることができ、しかも操作性がよく、破損しに くく経済的な生体成分等の転写装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本考案は前記課題を解決するために、以下の構成を採用した。 即ち、本考案の生体成分等の転写装置は、多数のピンが一定のピッチで整列し て設けられたピン・レプリケータを用い、ウェル・プレートなどの隔離された小 容器からピン・レプリケータの各ピン先端に付着せしめた生体成分等を、各ピン 先端をフィルターに押し付けることによりフィルターに転写せしめる装置である 。ここで、生体成分等とは生体成分や細胞のことをいう。
【0018】 特に、本考案の生体成分等の転写装置は、(イ)台座、(ロ)固定板、(ハ) ホルダ、(ニ)スペーサ、とを具備する。以下に、各構成についてポイントを述 べる。
【0019】 (イ)台座 台座は底板上に枠体が設けられて構成されており、枠体の内側に矩形空間が形 成されている。この矩形空間にはフィルターが挿入可能であり、挿入されたフィ ルターは底板上に載置される。矩形空間は正方形、長方形のいずれでもよい。
【0020】 (ロ)固定板 固定板の中央にはピン・レプリケータの全てのピンを挿入可能な一つの穴が形 成されている。固定板は前記台座の矩形空間に挿入されてフィルター上に載置さ れ、台座と協働してフィルターを移動不能に挟持する。
【0021】 (ハ)ホルダ ホルダは基台とガイドを備え、基台の中央には前記ピン・レプリケータの全て のピンを挿入可能な一つの穴が形成されている。ガイドはこの穴の周囲の基台に 立設されており、ガイド内にピン・レプリケータが昇降挿入可能になっている。 ホルダは、固定板の上から台座の矩形空間に挿入され、台座の周壁の一辺あるい は直交する二辺との間に隙間を有して載置される。
【0022】 (ニ)スペーサ スペーサは、固定板上における台座の枠体とホルダとの間の隙間に嵌入される ものである。スペーサの幅寸法はピン・レプリケータのピッチの非整数倍に設定 されている。
【0023】 この生体成分等の転写装置では、台座の矩形空間にフィルターを挿入し底板上 に載置し、その上に固定板を載置し、フィルターを固定する。更に、この固定板 の上にホルダを載置し、ホルダと台座の枠体との間の隙間にスペーサを挿入して ホルダを移動不能にする。次に、ホルダのガイド内にピン・レプリケータを挿入 し、ガイドに沿って下降させ、ピン・レプリケータの全てのピンをホルダ及び固 定板の穴に挿通し、全てのピン先端をフィルターに押し付けてピン先端に付着す る生体成分等をフィルターの上に転写する。
【0024】 次に、フィルター及び固定板をそのままの状態に保持して、スペーサの位置を 変えることによってホルダの位置を変え、このホルダのガイド内に新たなピン・ レプリケータを挿入し、このピン・レプリケータのピン先端に付着する生体成分 等を同一フィルター上に転写する。スペーサの幅寸法はピンのピッチの非整数倍 に設定されているので、このようにホルダの位置を変えた後に生体成分等を同一 フィルター上に転写しても、生体成分等は重複して転写されることがなく、互い に位置をずらして転写される。
【0025】 したがって、スペーサを挿入する隙間を台座の枠体の一辺との間にだけ形成し た場合には、枠体において対向する二辺に1回ずつスペーサを沿わせてホルダを 位置決めすることによって、フィルター上に転写される試料の密度を2倍に増や すことができる。
【0026】 又、スペーサを挿入する隙間を台座の枠体の直交する二辺との間に形成し、ス ペーサを前記二辺との隙間に同時に挿入可能なようにL字形に形成し、スペーサ の幅寸法をピン・レプリケータの1/2ピッチ(半ピッチ)の非整数倍とした場 合には、スペーサをホルダの枠体の四隅に順番に1回ずつ沿わせてホルダを位置 決めすることによって、フィルター上に転写される試料の密度を4倍に増やすこ とができる。
【0027】 この生体成分等の転写装置では、前記ホルダのガイドの内側の基台上にクッシ ョン体を設置し、ホルダのガイド内に挿入したピン・レプリケータを下降させた 時に、各ピン先端がフィルターに接触する前にピン・レプリケータがクッション 体に突き当たって制動され、クッション体の弾性に抗して更に下降させると各ピ ンの先端がフィルターに接触するようにしてもよい。ここで、クッション体にス ポンジやスプリング等を用いることができる。
【0028】 尚、フィルターとしてはナイロン膜フィルターやニトロセルロース・フィルタ ー等を用いることができる。
【0029】
【考案の実施の形態】 以下、本考案の実施の形態を図1から図6の図面に基いて説明する。 初めに、ピン・レプリケータ100について説明する。ピン・レプリケータ1 00は、ウェル・プレート等の隔離された小容器(図示せず)に入っている生体 成分等をフィルター110に転写する際に使用される器具である。
【0030】 図2はピン・レプリケータ100の外観斜視図であり、ピン・レプリケータ1 00は基板101に多数のピン102が起立姿勢に縦横に整列して設けられてい る。ピン102は横方向に同一ピッチXで、縦方向に同一ピッチYで等間隔に配 列されている。
【0031】 ウェル・プレート等に入っている生体成分等は、一旦、ピン・レプリケータ1 00の各ピン102の先端に付着せしめられ、その後、本考案の転写装置を用い てピン・レプリケータ100からフィルター110に転写される。
【0032】 図1は本考案による生体成分等の転写装置(以下、転写装置と略す)の分解斜 視図である。転写装置は、台座10と固定板20とホルダ30とスペーサ40と を備えている。
【0033】 台座10は、平面形状が長方形をなす底板11と、底板11の周縁に設けられ た枠体12とから構成されており、枠体12の内側には長方形の空間(矩形空間 )13が形成されている。枠体12の一つの辺部12Aの中央には切欠部14が 形成されている。
【0034】 この空間13内にフィルター110が挿入可能であり、挿入されたフィルター 110は底板11の上に載置される。 固定板20は薄板状をなし、その平面的な外形寸法は台座10の空間13に挿 入可能で枠体12の内面にちょうど接触するように設定されている。固定板20 の外周面の一部からは舌部21が外方に延びており、この舌部21は枠体12の 切欠部14に挿入され、その先端部は台座10から突出する。固定板20の中央 には長方形の穴22が開いており、この穴22はピン・レプリケータ100の全 てのピン102が挿入可能な大きさに設定されている。
【0035】 この固定板20は台座10の空間13に挿入されて、台座10の底板11上に 載置されたフィルター110の上に載置され、底板11と協働してフィルター1 10を移動不能に挟持する。
【0036】 ホルダ30は、平面形状が長方形をなす板状の基台31と、基台31の上面に 固定された平面形状L字形をなす二つのガイド32,33と、基台31の上面に 固定されたスポンジからなるクッション体34とから構成されている。
【0037】 基台31の中央には、固定板20に設けた穴22と同形状、同寸法の長方形の 穴35が開いており、この穴35にはピン・レプリケータ100の全てのピン1 02が挿入可能になっている。
【0038】 ガイド32,33はこの穴35の外側に固定されており、ガイド32,33の 内側にピン・レプリケータ100の基板101が上下動可能に挿入できるように なっている。ガイド32,33は、基板101をガイド32,33の内側に挿入 した時に、基板101の外周が各ガイド32,33の各内面にちょうど接触して 上下動できるように設置されている。ガイド32の内側の上縁は、ピン・レプリ ケータ100の挿入を容易にするために、円弧状に面取りされている。
【0039】 そして、基板101をガイド32,33の内側に挿入し下降していくと、ピン ・レプリケータ100の全てのピン102が前記穴35に挿入されるように、ガ イド32,33及び穴35の位置が設定されている。
【0040】 クッション体34は、ガイド32,33と穴35の間における四隅に設けられ ている。クッション体34の高さは、ガイド32,33の内側に挿入したピン・ レプリケータ100の基板101を下降させた時に、各ピン102の先端がフィ ルター110に接触する前にクッション体34の上端が基台101の下面に突き 当たってピン・レプリケータ100を制動するように設定されている。
【0041】 ホルダ30は固定板20の上から台座10の空間13内に挿入可能にされてい る。ホルダ30の基台31の横寸法は台座10の空間13の横寸法よりもピン・ レプリケータ100のピン102の横ピッチXの半分よりも小さく設定されてお り、基台31の縦寸法は台座10の空間13の縦寸法よりもピン・レプリケータ 100のピン102の縦ピッチYの半分よりも小さく設定されている。
【0042】 したがって、基台31を枠体12の四隅のうちのいずれか一隅に寄せた場合に は、これと対角線上に位置する隅部において基台31の外面と枠体12の内面と の間にL字状の隙間が生じる。
【0043】 スペーサ40は、この基台31と枠体12との間に生じるL字状の隙間に嵌入 することによって、ホルダ30を枠体12内で水平移動不能に固定するものであ り、そのためにスペーサ40の一方のアーム41の幅寸法は空間13とホルダ3 0の基台31の横寸法誤差にほぼ同寸法に設定されており、他方のアーム42の 幅寸法は空間13と基台31の縦寸法誤差にほぼ同寸法に設定されている。
【0044】 このスペーサ40の高さは、固定板20の上に載置した時にスペーサ40の上 部がホルダ30のガイド32,33の上端よりも上方に突出するように設定され ていて、スペーサ40を取り出し易くしてあり、スペーサ40の位置を変更する 時に操作し易いようにしてある。
【0045】 次に、この転写装置の使用方法を説明する。 初めに台座10の空間13にフィルター110を挿入し底板11の上に載置す る。次に空間13内に固定板20を挿入してフィルター110の上に載置し、フ ィルター110を固定する。
【0046】 更に、空間13内にホルダ30を挿入して固定板20の上に載置し、ホルダ3 0を枠体12のいずれか一つの角隅に寄せて、この角隅と対角線上の角隅に隙間 を生じせしめる。そして、この角隅の隙間にスペーサ40を嵌入して、ホルダ3 0を水平移動不能にする。
【0047】 次に、ホルダ30のガイド32,33内にピン・レプリケータ100を挿入し 、基板101をガイド32,33に沿わせて下降させる。基板101の下面がホ ルダ30の各クッション体34に突き当たってピン・レプリケータは一旦下降を 停止する。
【0048】 この時、ピン・レプリケータ100の全てのピン102がホルダ30の穴35 及び固定板20の穴22に挿入されるが、各ピン102の先端はフィルター11 0の表面に接触していない。
【0049】 この後、クッション体34の弾性に抗してピン・レプリケータ100を下降さ せると、全てのピン102の先端がフィルター110の表面に接触して、ピン1 02の先端に付着していた生体成分等がフィルター110に転写される。
【0050】 転写後にピン・レプリケータ100から手を離すと、クッション体34のバネ 作用によってピン102はフィルター110の表面から離間する。
【0051】 以上は、一つのピン・レプリケータ100に付着した生体成分等を転写する手 順であるが、この転写装置ではスペーサ40の位置を変えることによって、同一 のフィルター110に四つのピン・レプリケータ100に付着する生体成分等を 転写させることができ、フィルター110上に転写される試料の密度を4倍に増 やすことができる。以下にその手順を図3から図6に従って説明する。
【0052】 まず初めに、図3に示すように台座10の枠体12の二つの辺部12A,12 Bに沿ってスペーサ40を配置しホルダ30を位置決めする。この位置に配され たホルダ30を用いて一番目のピン・レプリケータ100に付着する生体成分等 をフィルター110に転写せしめる。
【0053】 次に、フィルター110及び固定板20はそのままの状態に保持して、ホルダ 30及びスペーサ40の位置だけを変える。即ち、図4に示すように台座10の 枠体12の二つの辺部12B,12Cに沿ってスペーサ40を配置しホルダ30 を位置決めする。この位置に配されたホルダ30を用いて二番目のピン・レプリ ケータ100に付着する生体成分等をフィルター110に転写せしめる。
【0054】 次に、フィルター110及び固定板20はそのままの状態に保持して、図5に 示すように枠体12の二つの辺部12C,12Dに沿ってスペーサ40を配置し ホルダ30を位置決めする。この位置に配されたホルダ30を用いて三番目のピ ン・レプリケータ100に付着する生体成分等をフィルター110に転写せしめ る。
【0055】 次に、フィルター110及び固定板20はそのままの状態に保持して、図6に 示すように枠体12の二つの辺部12D,12Aに沿ってスペーサ40を配置し ホルダ30を位置決めする。この位置に配されたホルダ30を用いて四番目のピ ン・レプリケータ100に付着する生体成分等をフィルター110に転写せしめ る。
【0056】 スペーサ40の両アーム41,42の幅寸法がピン102の横ピッチXの半分 あるいは縦ピッチYの半分より小さくしてあるので、同一フィルター110に対 してホルダ30の位置を変えて前述の如く転写作業を行うことにより、生体成分 等を重複させることなく互いに位置をずらして転写せしめることができ、フィル ター110の上に転写される試料の密度を4倍に増やすことができる。
【0057】 この転写装置には更に次の利点がある。 (1)市販されているプラスチック製のピン・レプリケータ100を使用するこ とができる。ただし、金属製のピン・レプリケータも、その形状に合わせて作製 した同様のホルダを用いることによって使用は可能である。 (2)軽量であり、操作性が良い。
【0058】 (3)フィルター110は硬い台座の上に置かれており、強くピン・レプリケー タ100を押さえつけることが可能であり、均一な転写が可能である。又、培地 上にフィルター110を乗せた上から転写する場合の問題点である試料の拡散が 起こらない。
【0059】 (4)ピン・レプリケータ100をホルダ30のガイド33,34に挿入した時 に、ピン・レプリケータ100がクッション体34で支えられており、転写した 際に手をはなすとピン・レプリケータ100は浮き上がる。そのために二度押し や、押しずれを防ぐことができる。
【0060】 (5)ピン102の間隔が異なるピン・レプリケータ100に対しては、ホルダ 30とスペーサ40をピン・レプリケータ100に応じたホルダ30とスペーサ 40に交換することによって、同じ原理で同一装置を使用することができる。
【0061】 (6)従来技術における「アーム」を利用する方法に比べて、装置がコンパクト である。 (7)従来技術のようにガイド・ピンと穴によって位置決めを行っていないので 、位置決めのし難さ、ピンの破損、穴周辺の破損など従来の装置が有していた欠 点がない。 (8)ホルダ30を台座10の四隅に固定する際に、スペーサ40を入れる順番 を決めておけば、どこまで転写したかが容易に分かる。
【0062】 このようにしてフィルターに大腸菌の転写を行い、転写されたDNAをハイブリ ダイゼーション法で検出したところ、目的とするDNAのフィルター上での位置を 正確に決めることができた。
【0063】 この転写装置はウェル・プレートに入れられている大腸菌、酵母などの微生物 をナイロン膜フィルター、ニトロセルロース・フィルターに転写させるときに有 効に利用できることを、実験によって確認した。
【0064】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、台座にホルダを位置決めする際に枠体 とホルダとの間にスペーサを挟装しており、このスペーサの幅寸法をピン・レプ リケータのピンのピッチの非整数倍にしたことによって、順番にスペーサの位置 を変えてホルダの位置を変えることができ、しかも、生体成分等を重複させるこ となく互いに位置をずらしてフィルターに転写せしめることができ、フィルター 上に転写される試料の密度を増やすことができる。
【0065】 特に、スペーサを挿入する隙間を台座の枠体の直交する二辺との間に形成し、 スペーサを前記二辺との隙間に同時に挿入可能なようにL字形に形成し、スペー サの幅寸法をピン・レプリケータの1/2ピッチ(半ピッチ)の非整数倍とする と、スペーサを枠体の四隅に順番に位置を変えてホルダの位置決めをし転写作業 を行うことによって、フィルター上に転写される試料の密度を4倍に増やすこと ができる。
【0066】 又、ホルダの位置決めにはスペーサを用いており、位置決めピン及び位置決め 孔を用いていないので、転写装置が損傷することは殆どなく、耐久性に富み、経 済的である。
【0067】 台座にクッション体を設けた場合には、クッション体にピン・レプリケータが 突き当たった時にはピン・レプリケータのピン先端がフィルターに接触しておら ず、更に押し込むことによってピン先端がフィルターに接触して生体成分等を転 写することができ、この後、手を離すとピン先端がフィルターから離間するので 、二度押しや、押しずれを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の生体成分等の転写装置における分解
斜視図である。
【図2】 ピン・レプリケータを下方から見た斜視図で
ある
【図3】 本考案の転写装置を用いて生体成分等をフィ
ルターに転写する手順を説明するための平面図である。
【図4】 本考案の転写装置を用いて生体成分等をフィ
ルターに転写する手順を説明するための平面図である。
【図5】 本考案の転写装置を用いて生体成分等をフィ
ルターに転写する手順を説明するための平面図である。
【図6】 本考案の転写装置を用いて生体成分等をフィ
ルターに転写する手順を説明するための平面図である。
【符号の説明】
10 台座 11 底板 12 枠体 13 矩形空間 20 固定板 22 穴 30 ホルダ 31 基台 32,33 ガイド 34 クッション体 35 穴 40 スペーサ

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数のピンが一定のピッチで整列して設
    けられたピン・レプリケータの各ピン先端をフィルター
    に押し付けて、各ピン先端に付着する生体成分等をフィ
    ルターに転写せしめる装置において、 (イ)底板上に設けられた枠体の内側に矩形空間が形成
    され、この矩形空間に挿入された前記フィルターを底板
    上に載置可能な台座と、(ロ)中央に前記ピン・レプリ
    ケータの全てのピンを挿入可能な穴が形成され、前記台
    座の矩形空間に挿入されて前記フィルターの上に載置さ
    れ、台座と協働してフィルターを移動不能に挟持する固
    定板と、(ハ)基台の中央に前記ピン・レプリケータの
    全てのピンを挿入可能な穴が形成され、この穴の周囲に
    前記ピン・レプリケータを昇降挿入可能ならしめるガイ
    ドが設けられ、前記固定板の上から前記台座の矩形空間
    に台座の周壁の少なくとも一辺との間に隙間を有して挿
    入可能なホルダと、(ニ)前記固定板上における前記台
    座の枠体と前記ホルダとの間に形成される隙間に嵌入可
    能であって、その幅寸法がピン・レプリケータのピッチ
    の非整数倍に設定されたスペーサと、を備えたことを特
    徴とする生体成分等の転写装置。
  2. 【請求項2】 前記ホルダが台座の枠体の直交する二辺
    との間に隙間を有して挿入可能にされており、前記スペ
    ーサはその両隙間に同時に挿入可能なようにL字形に形
    成され、両隙間に挿入される部分の幅寸法がいずれもピ
    ン・レプリケータの1/2ピッチの非整数倍に設定され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の生体成分等の
    転写装置。
  3. 【請求項3】 前記ホルダのガイドの内側の基台上に
    は、ピン・レプリケータとの間に介装されるクッション
    体が設置されていることを特徴とする請求項1または2
    に記載の生体成分等の転写装置。
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