JP3021562B2 - ナイシンの製造方法 - Google Patents

ナイシンの製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はペプチド性抗生物質ナイシンの新規製造方法
に関するものである。ナイシンは主に食品用抗菌剤とし
て有用な抗生物質である。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
ナイシンは乳酸菌の1種であるストレプトコッカス・
ラクチス(Streptococcus lactis)等が生産することは
知られている(Adv.Appl.Microbiol.,vol.27,p85−123
(1981))。
ところで、この微生物菌株は最近分類体系の変更によ
りストレプトコッカス属から分離されラクトコッカス属
に分離されラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシー
ズ・ラクチス(Lactococcus lactis subsp.lactis)に
なっている(System.Appl.Microbiol.,vol.6,p183−195
(1985))。但し、現時点では菌株保存機関のカタログ
の上では既に変更した所もあるし、未だ変更していない
機関もあるのが実情である。
しかしながら、本抗生物質の製造方法としては通常の
回分培養法による方法しか知られておらず、より生産性
の高い製造方法の開発が望まれていた。
一般的に微生物を用いて有用物質の生産を行う場合、
その生産性を向上させる為には発酵槽内の菌体量をでき
るだけ高濃度に保つことが望まれる。しかしながら、乳
酸菌による有用物質生産についてみると、菌体濃度が低
い間は、最大増殖速度で対数的に増殖しうるが、菌体濃
度が高くなるにつれ増殖速度は低下し、最終的には増殖
が停止してしまう。この原因は乳酸菌自身が菌体外に生
産する代謝産物、取り分け乳酸が菌体増殖に阻害的に働
く為である。
従って、乳酸菌を用いる有用物質生産の場合、菌体濃
度を高濃度にすることにより生産性の向上を計ろうとし
ても回分培養法ではその到達菌体濃度には自ずと限界が
あり大幅な向上は期待できなかった。
ナイシンの場合についても、本抗生物質は主に菌体外
に生産されるペプチドであるが、その生産性はこの生産
に関与する菌体の濃度に依存している。従って現在のよ
うに回分培養法で生産されている限り、その生産性を上
げる為には菌株自身の改良を行い生産能力を上げるか、
培養方法の改良を行い菌体濃度を上げる培養方法の開発
が必要であった。
ところで、最近、乳酸菌を用いる有用物質生産技術と
して、乳酸菌が生産する乳酸により増殖が低下あるいは
停止する前に、菌体を含む培養液を連続的に濾過し、菌
体を含む液と、菌体を含まない液とに分離し、菌体を含
む液は培養槽内に返送し、菌体を含まない液を抜き取
り、その抜き取った液量と同体積の新鮮な液体培地を培
養液に供給し、物質生産を連続的に行うという、いわゆ
る濾過培養法が報告された(J.Ferment.Technol.,65,18
1(1987))。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、ナイシンの効率的製造方法の開発を目
指し鋭意検討した結果、膜を用いた濾過培養法により培
養槽内の菌体濃度を高めることができナイシンの生産性
を飛躍的に高めることが可能であることを見出し、本発
明を完成した。
即ち、本発明は、乳酸菌を用いるナイシンの発酵生産
に於いて、ナイシン生産菌が生産するナイシン以外の代
謝産物によりこの生産菌の増殖速度が低下するかあるい
は増殖が停止する前に、菌体を含む培養液を膜を用いて
連続的に濾過し、菌体を含む液と、菌体を含まずナイシ
ンを含む液とに分離し、菌体を含む液は培養槽内に返送
し、菌体を含まずナイシンを含む液を抜き取り、その抜
き取った液量と同体積の新鮮な液体培地をナイシン生産
菌培養液に、希釈率0.1〜10hr-1で供給しつつ濾過培養
を続け、この菌体を含まない抜き取り液、又は培養槽内
の培養液或いはここに含まれる菌体からナイシンを分離
することを特徴とするナイシンの製造方法を提供するも
のである。
これまで、ナイシンを膜を用いた濾過培養法で生産し
た例は知られておらず、本発明の方法は新規なナイシン
の製造方法である。
本発明の製造方法において、培養槽内の菌体濃度を高
め、ナイシンの生産性をより向上させるには、ナイシン
生産能を有する乳酸菌を増殖の為の至適条件のもとで培
養し、その乳酸菌が菌体外に生産する増殖阻害因子であ
る乳酸が培養液中に蓄積し、菌体増殖速度が低下するか
或いは菌体増殖が停止する前に菌体を含む培養液を膜を
用いて連続的に濾過し、菌体を含む液と、菌体を含まな
い液とに分離し、菌体を含む液は培養槽内に返送し、菌
体を含まない液を抜き取り、その抜き取った液量と同体
積の新鮮な液体培地を培養液に供給しつつ濾過培養を続
け、この抜き取り液、又は培養槽内の培養液或いはここ
に含まれる菌体からナイシンを分離精製することが望ま
しい。
本発明の製造方法により、ナイシンの生産効率を上げ
ることができるとともに、生産設備を小型化することが
でき、更に連続生産可能というメリットもある。
以下、本発明の内容について更に詳細に説明する。
本発明で使用する乳酸菌としては、ナイシン生産能を
有する菌株であればいかなるものでも良く、特にラクト
コッカス属(以前の分類体系ではストレプトコッカス
属)の細菌が本抗生物質を生産することが知られてお
り、好適な例としては、ラクトコッカス・ラクチス・サ
ブスピーシーズ・ラクチス(Lactococcus lactis subs
p.lactis)(以前の分類体系ではストレプトコッカス・
ラクチス(Streptococcus lactis))が挙げられる。更
に具体的にはストレプトコッカス・ラクチス(Streptoc
occus lactis)IFO 12007(財団法人発酵研究所1988年
発行のLIST OF CULTURES 8th ed.VOL.1ではストレプト
コッカス・ラクチスは今だラクトコッカス・ラクチス・
サブスピーシーズ・ラクチスには変更されていない
為)、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシーズ・
ラクチス(Lactococcus lactis subsp.lactis)DSM 207
29等が例示できる。
また、これらの微生物は、野生株、変異株又は細胞融
合もしくは遺伝子操作法等により造成された株等、いず
れの株も好適に用いることができる。
本発明で使用する微生物を培養する培地の組成として
は、その微生物が増殖し、かつ目的物のナイシンが生産
されうるものであればいかなるものでも良く、特に制限
は無い。例えば、炭素源としては、上記記載の微生物が
利用可能であればいかなるものでも良いが、具体的に
は、グルコース、スクロース等の糖類、窒素源として
は、例えば塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン
酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩、フマル酸
アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の有機酸のアン
モニウム塩、肉エキス、酵母エキス、コーンスチープリ
カー、カゼイン加水分解物、尿素等の無機、有機含窒素
化合物、あるいはこれらの混合物を使用することができ
る。他に無機塩、マグネシウム、マンガン等の微量金属
塩、ビタミン類等通常の微生物の培養に用いられる栄養
源を適宜、混合して用いることができる。また必要に応
じて微生物の増殖を促進する因子、本発明の目的物であ
るナイシンの生産性を高めることができる因子、あるい
は培地のpHを保持するのに有用な物質等を添加できる。
培養方法としては、予め至適条件下、回分培養法で種
菌を調製しこれを後に詳述する図1に例示するような培
養装置を植菌する。この際は、培養液をそのまま無菌的
に添加しても良いが、無菌的に遠心分離により集菌し、
新鮮培地で懸濁したものを植菌しても良い。この際の菌
体濃度は660nmに於ける吸光度が0.1以下であることが望
ましい。
培養条件としては、その菌の増殖に最適な条件下で行
えば良く、特に制限はないが、一般的にはpHをコントロ
ールしながら培養することが好ましく、その為には、pH
コントローラーを用い、水酸化ナトリウム溶液等の添加
により一定のpHを保持することが望ましい。一般的には
このpH範囲は4〜9、好ましくは5〜7程度が例示され
る。また、本培養方法に於いては、その菌の増殖に適し
た培養液中の酸素濃度を保持してやることが好ましく、
一般的に、乳酸菌の場合は偏性嫌気状態が好ましいの
で、例えば、培地中に無菌の窒素ガスを吹き込んでやる
ことが好ましい場合もある。
培養温度はその菌の増殖に最適な温度が選択されれば
良い。具体的には10〜45℃、好ましくは25〜37℃程度が
例示される。
また、本培養に於いては、培養液は常に撹拌されてい
るほうが好ましく、攪拌速度としては具体的には、10〜
1000rpm、好ましくは50〜300rpm程度が例示できる。
このようにして培養を開始し、菌体濃度が上昇し、対
数増殖期後期に到達したら、培養液の一定量をポンプで
抜き取り、濾過モジュールへ送る。この際使用する濾材
としては培養液から菌体と乳酸及び生産物が分離できる
ものであればいかなるものでも良いが、具体的には限外
濾過膜あるいは精密濾過膜が好適に用いられる。限外濾
過膜としては、ナイシンを透過させ、菌体を透過させな
い性能のものであれば特に制限はないが、分画分子量が
凡そ1万以上、より好ましくは3万以上のものが望まし
い。また精密濾過膜としては、ナイシンを透過させ、菌
体を透過させない性能のものであれば特に制限はない
が、膜の孔径が0.05〜2μm程度、より好ましくは0.1
〜1μm程度のものが望ましい。限外濾過膜の材質とし
ては、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、酢酸セ
ルロース、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等が、
精密濾過膜の材質といては、有機高分子系でセルロース
系、ポリカーボネート、テフロン、ポリアミド、ポリス
ルホン等、無機系でアルミナ、ジルコニア、ガラス等が
あり、これらは目的により使い分けることができる。ま
た、膜モジュールの形態としてはスパイラルワウンド
型、中空糸(ホローファイバー)型、管状型、平膜型等
が挙げられる。これらの形態の中で、本発明の目的の為
にはいかなる形態のものも使用可能であるが、とりわけ
中空糸(ホローファイバー)型が好ましい。このような
中空糸型モジュールとしては例えば、旭化成工業(株)
から市販されている精密濾過膜モジュールであるマイク
ローザ(MICROZA)PW−103等が挙げられる。
このような濾過膜モジュールに培養液を供給し、菌体
を含む液と菌体を含まない液に分割する。菌体を含む液
は再び培養槽に戻し、菌体を含まない液は抜き取り、こ
の菌体を含まない液と同じ液量の滅菌済み新鮮液体培地
を培養槽内に供給してやる。このような操作を連続的に
行うことにより濾過培養を継続する。これらの操作によ
り、増殖阻害因子である乳酸を培養槽から連続的に抜き
取ることが可能になり、培養槽内の乳酸濃度を一定レベ
ル以下に抑えられる。このことにより培養槽内の菌体の
最大の増殖速度で増殖を続け、槽内の菌体濃度を高めて
いくことができる。この際の培地の希釈率としては培養
液の菌体濃度、乳酸の生産速度等により任意の値を選択
しうるが、一般的には0.1〜10hr-1、好ましくは0.2〜2.
0hr-1程度が例示できる。抜き取った液からはこの乳酸
菌により生産されたナイシンを回収することができる。
この分離方法はイオン交換クロマトグラフィー法、有機
溶媒による抽出法、塩析法等、一般にペプチドの精製方
法として知られている各種の公知の方法を適用すれば良
い。
また、勿論培養槽内の培養液からもナイシンは分離す
ることができるし、得られた菌体中に存在するナイシン
は適当な方法により菌体を破壊し取り出し、精製するこ
とができる。また、この培養槽内の培養液を別途連続的
に抜き出し、それと等量の新鮮培地を供給してやりなが
ら培養することも可能である。
次にこのような培養に用いる培養装置の一例を図1に
示す。図1について説明すると1はガラス製容器からな
る培養槽本体であり培地を入れたまま加熱殺菌できる。
2は濾過用中空糸モジュールであり、8のローラーポン
プにより培養液を抜き取りこのモジュールに通し、菌体
を含む液は培養槽1に戻し、菌を含まない液は9のペリ
スターポンプにより抜き取ることができる。3は滅菌済
み新鮮培地であり4の液面計と11のペリスターポンプに
より培養槽内の液量を一定に保つことができる。5はpH
コントローラー、6はアルカリ液、10はペリスターポン
プでありこれらの装置により培養液のpHを一定の値に保
つ。7はスターラーであり培養液を撹拌するのに用い
る。この培養槽1を一定温度の装置内に於いて温度をコ
ントロールすることができる。これらの装置は必要部分
は適宜滅菌することができ、装置全体も無菌的に組み立
てることができる。
〔実施例〕
以下、本発明を比較例と実施例により更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
尚、比較例及び実施例で生産されたナイシンの力価検
定は、検定菌としてマイクロコッカス・フラバス(Micr
ococccus flavus)IFO 13867を用い、KOCH−LIGHT LT
D.,U.K.(1,000U/mg)を標準とし、J.Tramer等の方法
(J.Sci.Food Agric.,15,522−528(1964))により行
った。また、グルコースはグルコースC−テスト法(和
光純薬工業(株)市販)により定量した。乳酸はBarker
等の方法(京都大学農学部食品工学教室編:食品工業実
験所,上巻,p451,養賢堂,東京,(1970))により定量
した。培養液の菌体濃度は分光光度計にて660nmに於け
る吸光度を測定しこの値で示すことにした。
比較例 次に示す組成を有するMRS培地を用い種菌の調製と培
養を行った。
<MRS培地> ポリペプトン 1 % 肉エキス 1 % 酵母エキス 0.5 % 酢酸ナトリウム 0.5 % リン酸2カリウム 0.2 % クエン酸アンモニウム 0.2 % Tween 80 0.1 % L−システイン 0.075% MgSO4・7H2O 0.575% MnSO4・2H2O 0.012% pHは水酸化ナトリウム溶液により6.8に調整した。
10mlのMRS培地の入った試験管をオートクレーブにて
滅菌し、これに、ストレプトコッカス・ラクチス(Stre
ptococcus lactis)IFO 12007を植菌し、30℃で対数増
殖期後期まで静置培養した。この培養液を無菌的に遠心
分離し、菌体を集め、滅菌済みの新鮮なMRS培地10mlに
懸濁した。
一方、培養装置については培養槽の容量が1000mlのも
のを用い、培地液量700mlに設定し、ホローファイバー
モジュール部分は旭化成工業(株)のマイクローザ(MI
CROZA)PW−103を用い、常法により次亜塩素酸ナトリウ
ム溶液により滅菌処理した。他の部分はオートクレーブ
により滅菌後、図1に準拠して無菌的に組み立てた。
尚、この比較例では濾過培養を行わない為、新鮮培地の
供給ラインは使用しない。
尚、この際使用する培地はMRS培地にグルコースを5
%になるように添加したものを用いた。このようにして
組み立てた培養槽に種菌を植え、30℃で250rpm、窒素ガ
スの供給量0.2vvmの条件下、pHを6.8にコントロールし
ながら培養を行った。
このようにして回分培養し、培養槽内の培養液の菌体
濃度(0D660で表す)、グルコースの残存量、乳酸生成
量及び抜き取り液中のナイシン力価を定量した。得られ
た結果を図2に示した。
この結果より、グルコースがまだ残っているにも拘ら
ず、培養7時間目で菌体濃度は0D660が7.4で増殖が停止
した。ナイシンは培養6時間目で約120U/mlとなった。
これらの結果より培養液中の平均ナイシン濃度は1.15
×105U/、時間当たりのナイシン生産性は0.192×105U
//hrであった。
実施例1 比較例1と同様に培養装置を組み立てたが、今回は新
鮮培地を供給できるようにした。この際、培養槽内の培
地はMRS培地に5%グルコースを添加したものを用い、
供給する新鮮培地はMRS培地に50g/のグルコースを添
加したものを用いた。
種菌は比較例1と同様に調製し、培養槽に植菌した。
以後培養条件を比較例1の場合と同様に設定し、培養を
開始した。培養5時間目に希釈率(D)を1.0hr-1で濾
過培養を開始した。この条件下に於ける濾過培養の結果
を図3に示した。
この結果より、培養10時間目に菌体濃度は0D660が約2
4に達し、この菌体量は比較例1で述べた回分培養法の
それの約3.2倍に相当した。ナイシン濃度は培養9時間
目以降約180U/mlに達した。
これらの結果より培養液中の平均ナイシン濃度は1.72
×105U/、時間当たりのナイシン生産性は1.72×105U/
/hrであった。
実施例2 実施例1で述べた、新鮮培地のグルコース濃度を15g/
とし、希釈率を0.5hr-1に変更した以外は実施例1と
全く同様な方法で濾過培養を行った。この培養で得られ
た結果を図4に示した。
この結果より、培養50時間目には菌体濃度は0D660
約57に達した。ナイシン濃度は培養10時間目に約160U/m
lに達し、その後、培養50時間目までほぼ同一レベルで
連続的に生産できた。
これらの結果より培養液中の平均ナイシン濃度は1.56
×105U/、時間当たりのナイシン生産性は0.78×105U/
/hrであった。
実施例3 実施例2で述べた、新鮮培地のグルコース濃度を25g/
とした以外は実施例2と全く同様な方法で濾過培養を
行った。この培養で得られた結果を図5に示した。
この結果より、培養50時間目には菌体濃度は0D660
約64に達した。ナイシン濃度は培養10時間目に約150U/m
lに達し、その後、培養50時間目までほぼ同一レベルで
連続的に生産できた。
これらの結果より培養液中の平均ナイシン濃度は1.45
×105U/、時間当たりのナイシン生産性は0.725×105U
//hrであった。
上記比較例及び実施例1〜3の培養条件、及び培養液
中の平均ナイシン濃度と時間当たりのナイシン生産性の
結果をまとめて表1に示す。
〔発明の効果〕 本発明で述べられている、膜を用いた濾過培養法によ
るナイシンの製造方法の開発により、従来、回分培養法
により生産されていた方法に比べ、極めて高い生産性で
ナイシンを工業的に製造することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の方法に用いる培養装置の一例を示す略示
断面図、図2は比較例の回分培養の結果を示すグラフ、
図3は実施例1の濾過培養の結果を示すグラフ、図4は
実施例2の濾過培養の結果を示すグラフ、図5は実施例
3の濾過培養の結果を示すグラフである。 1:培養槽 2:濾過用中空糸モジュール 3:新鮮培地 4:液面計 5:pHコントローラー 6:アルカリ液 7:スターラー 8:ローラーポンプ 9:ペリスターポンプ 10:ペリスターポンプ 11:ペリスターポンプ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 21/00 - 21/06 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳酸菌を用いるナイシンの発酵生産に於い
    て、ナイシン生産菌が生産するナイシン以外の代謝産物
    によりこの生産菌の増殖速度が低下するかあるいは増殖
    が停止する前に、菌体を含む培養液を膜を用いて連続的
    に濾過し、菌体を含む液と、菌体を含まずナイシンを含
    む液とに分離し、菌体を含む液は培養槽内に返送し、菌
    体を含まずナイシンを含む液を抜き取り、その抜き取っ
    た液量と同体積の新鮮な液体培地をナイシン生産菌培養
    液に、希釈率0.1〜10hr-1で供給しつつ濾過培養を続
    け、この菌体を含まない抜き取り液、又は培養槽内の培
    養液或いはここに含まれる菌体からナイシンを分離する
    ことを特徴とするナイシンの製造方法。
  2. 【請求項2】膜が限外濾過膜又は精密濾過膜である請求
    項1記載のナイシンの製造方法。
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